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五島委員 すみやかに実施することはできない、しかし、気持ちとしてはそれをやりたい、こういうようなことについては、あなたの言われることはわかりました。しかし、何とかこれはしなければならないのではないか。もしもわが国がどこかの国と戦争状態に巻き込まれたというようなときには、これより大きい
被害、損害というようなこともありがちなものだ。しかし、平和なんですから、戦争することはないのだから、戦争したつもりでこういうようなことはやれるのじゃないか。そうしてまた、何か
災害保険とかなんとかいうような考え方でもできるのではないか、こういうように考えます。しかし、きょうやろうじゃないかといったって、やりましょうという結論にはなりませんから、私は将来に保留したいと思います。
それから、港湾
関係の方は来ておられますね。おそくて御苦労さんでございます。
午前中に
港湾局長が同僚議員に対して
答弁をしておられたわけです。この点については、特に
地域的に限ってまことに申しわけないと思いますけれども、先日、
災害対策委員長及び自民党
委員の方たちが関西を
災害調査されました。そのとき私も同時について
災害地を見せていただいたわけですけれども、神戸港の湾の中に埋め立て地を実施しているわけですね。すでにそれぞれ埋め立ては終わって、そうして中小企業の集団
地域とか、あるいは大企業の進出
地域とか、あるいは厚生省
関係の大事な仕事を担当するところの検疫所などがもうすでにそこで開設されているというわけです。ところが、やっとその埋め立てが終わったら皮肉にも
災害が去年やってきました。そうして埋め立ての護岸が風と波によって洗われてしまったのです。そうしたところが、去年、だいじょうぶだと
地元住民は思っていたにもかかわらず、その護岸がやられてしまったのですから、中小企業がもうすでに約束していたけれども、こんなに毎年毎年潮がくるならば、ちょっと進出するのはお見合わせだ、こういうようなことで、
地元の神戸は困っておるのです。大きな工場が二工場そこに進出しましたけれども、まだ工場の建設は見ておりません。それはなぜかというと、毎年毎年くる
台風あるいは高潮でこの護岸が洗われるならば、これは工場をつくったって、護岸が洗われるたびに毎年苦労しなければならないのではないか、こういうふうなことございます。それで、去年
災害を受けましたから、この埋め立て地の護岸をだれがやるかというと、運輸省だそうであります。運輸省が、護岸をするために十四億円の予算で三年間でこれを施工しよう、こういうふうな予算を組まれたそうであります。ところが、去年の
災害から今度の
災害まで一億数千万円が施工されただけだそうであります。三年間
台風がこなければ、高潮がこなければ、まあだいじょうぶだったかもしれませんけれども、ことしも引き続いてその堤防がやられてしまったから、またその埋め立て地区は一挙に遊水地区と化したわけです。こういうふうなことでは、せっかくやらした神戸市における埋め立て地は、工場進出どころではない。したがって、過密地帯を緩和するための施策が行なわれているにもかかわらず、こういうふうな状態ですから、どうしてもそこに工場が進出することができないといって非常に困っておるわけです。そこで
地元の
方々といろいろ相談をいたしましたら、
災害はいつくるかわかりませんから、来年の
台風時期までにこの護岸を完ぺきなものにしたいと思います、こういうことです。それには私たちも賛成したのです。しっかりやってください。工事施行上できますか。そうしたら、できますと言う。ところが、金がございませんと言う。いま運輸省と相談をいたしておりまして、運輸省の理解もございますから、何とかこの十四億円
程度を一年間で工事をしてしまいたいと思いますけれども、この十四億円が完全に施工されて護岸ができたとしましても、今度みたいな
災害がくるならば自信がございませんと言う。しからば、自信があるための科学的工学上の問題としてどのくらい金が要りますかと言うと、あと三、四十億円の金が要るでございましょうと言う。この三、四十億円を私たちがそのまま承認するわけにはまいらないと思いますけれども、こういうふうなことで、これを運輸省
関係として承認してもらわなければ、いつまでもこの地区の
災害は抜本的に解決できないのではないか。そうすると、金の問題で運輸省自身も非常にお困りになるだろうし、あるいは大蔵省もお困りになるだろうと思うのですけれども、しかし、自信のない施工をして、波がくるたびに護岸がやられてしまう、そしてゼロメートル地区が上にありますから、今度も三千戸つかってしまったので、そのたびごとにゼロメートル地区が浸水してしまうというようなことで、非常に行政に対するところの不信の念が
地元住民にはわき起こっておるのです。埋め立て地さえできるならばいままでのゼロメートル地区の高潮の浸水が除かれると市当局が宣伝したものですから、やれやれ助かると思ったやさき、去年やってきた。そうすると、埋め立てをやったから浸水するのじゃないか、よけいに潮がくるのではないかと、こういうふうなことです。市長は工学博士ですけれども、これにはやはり自信がない、こう言っております。そうすると、いろいろの
関係で
検討されて自信があるようにやらなければならない。そのためにはなお多くの金が要るのではないか、そういうような場合に
政府は一体どうされるんだ、こういうようなことを私は、非常にむずかしいのだけれども、聞いておかなければ——十四億円の護岸をつくってもらっても自信がないならば、その
住民は高潮のたびごとに非常に心配しなければならぬ。四・五メートルの護岸ができても、今度のような風が吹いて、今度のような波に遭遇すれば、二十メートル、二十五メートルの風によってぱっと打ち上げた波を持ってくるのだから、これはしようがない。そうすると埋め立て地区は遊水地区になります。遊水地区になれば工場の進出なんて思いもよりません、こういうような
地元の意見でございましたので、そういうようなことについては、やはりでき得るならば抜本的な施策を講じなければなりませんけれども、午前中の
港湾局長の談話によれば、
地元といろいろ
検討をいたしております。こういうようなことですけれども、絶対に自信のないような工事を施行したって、それはどぶに金を注ぎ込むみたいなもので、来年の
災害にはまただめになってしまう、こういうことですから、そういうようなことが技術上、科学上わかるならば、それだけの金を注ぎ込まなければならない。私は神戸港湾だけを例にとりましたけれども、
四国の太平洋の外海に面するところの護岸というものは毎年々々やられる。あるいはその他全国全
地域においてそうです。現在はその技術を上回って
災害のほうが大きいのがきますから、なかなか
政府としても困難だろうと思うのですけれども、神戸港の問題についてだけとりましても、そういうような決意を持ってやってもらいたいと思うのです。この点について河毛さんにお願いしたいと思うのですが、どうですか。