○津田
政府委員 ただいまお話しの、まず黒金氏の居住家屋、また先に居住していた家屋は当然調査の対象になっていると私は思っております。一部は承知いたしております。しかしながら、この問題は、先ほど来申し上げておりますように、いわゆる吹原事件の捜査の過程におきまして、いろいろなことが明らかになってまいりました。これはしかしながら捜査で、そのものとしては必ずしも必要でないことである。つまり捜査と申しますのは公訴を維持し、適正な判決を得るために行なうわけであります。そのためにはあらゆる事項は必要でないものもあるかもしれない。しかしながら捜査の過程において明らかになる事項、ことにすでに前国会以来、当国会においても調査になっております事項に関しましては、検察側としてはできる限りその捜査の範囲内において、
内容を明らかにするということにつとめておる次第であります。しかしながら、あらゆる政界の疑惑を、
検察庁において明らかにせよということは、これは無理なことである。それは先ほど申し上げましたように、
犯罪事件に
関係のないこと、あるいは捜査の端緒を得てないことについてその
内容を調査することは、検察官としてこれは越権であります。それは厳に戒めなければならぬ。そこで、黒金氏の私行に関することにつきまして、どの
程度に捜査の過程において明らかになるかということについては、おのずから限度がある。したがいまして、すべて黒金氏の私行を調査するということはこれはいたさない、またいたすことができないのは当然であると思います。でありますが、当国会におきまして御調査になっている
関係がございますので、捜査の過程において、明らかにし得ることはできるだけ明らかにするという
態度において、臨んでいるわけでございます。
それからもう
一つ、お話の三菱銀行と検察官との
関係ということでございますが、私もはっきりは承知いたしておりませんが、検察官が積み立てをいたしておることは事実でありますが、この積み立て金を三菱銀行に預金しておるということもあるいはあり得ると思います。あるいはあるのではないかというふうに、私は
考えております。しかしながら、これは一庶民として三菱銀行に預金するということは当然あり得ることであり、また三菱銀行に対しまして預金をするということは、検察官はお客さんでございます。したがって、三菱銀行に対して何ら特に顧慮しなければならないということは何もない、そういう
意味におきまして、三菱銀行と検察官と何らかの
関係があるというようなことは、それは全くのためにするうわさかもしれませんと私は思います。もし検察官が、何らかの
関係があれば事件ができないということになれば、およそ検察官の生活というものはできなくなります。それは検察官にしても株を持つ者もございましょう。銀行に預金する者もございましょうが、その銀行の事件をやれないという議論をされたのでは、検察官も人間である以上はやむを得ないことだ、というように御了承を願わなければならぬと思います。田中(彰)
委員 三菱銀行に預金をしているから、お客さんだから、おたくのことをお客さんというのは
——やはり三菱銀行から金を借りるときに、こっちから盆暮れに物を持っていってお願いしますと言うのですけれ
ども、金を預けるときは、向こうから物を持ってきてどうぞよろしくと言う、そういう
関係があるからおかしいと言うのではない。そういう
関係がある中で、告訴が一年もおくれてやったのだから、こういう事件をお取り扱いになるのは、多少国民はそういうものにも関心を持っておるということをお
考えになったほうがいいと思う。
それからもう
一つ、私は何も黒金君の私行をあばいてくれとか、
政治家の私行をあばけというのではありません。たとえば判こを預けたという。どれだけ信用して預けた判こであるか、これは黒金と吹原と森脇との
関係を示す過程だとすると、やはり吹原と黒金というものは、こんなに親子のような、夫婦よりもっと密接な
関係があったのかないのか、これが私はこの事件のかぎだと思います。子供が親の金を使っても
犯罪になりません。親が子供のものを売って使っても
犯罪になりません。これは、血のつながりもございましょうが、親子という切っても切れない密接な
関係があるから、そういうことが行なわれる。だから、吹原君があの一番いい地下のところを黒金君にあえて貸し与えて、これも家賃も安い、権利金もない、そういうように安く貸し与えておる。家賃など納めても納めぬでもいいようなものだ。それから今度は、黒金君の住んだうちでも
——これは小屋がけじゃありません。やはり何千万かするうちを、自分が買ってやっている。今度の家を買うのにもやはり努力している。そうして、首より大事な印鑑も預けておるということだから、念書の事実をお調べになったら、この念書は偽造したのか、この預かったものを偽造しておるのか、そのはっきりした証拠は、黒金と吹原との
関係がどんなぐあいになっておったかということが私は実体となるものだと思う。それから、三菱銀行。かりにも二十億なんというのは、われわれ死ぬまで見ない金だ。それを偽造されておって、一年間も半年もほうっておいて、そうして交渉を受けてやったり、いろいろなことをしてやったりということは、これはやはりいろいろな
関係があって、いろいろな問題があるから、そうされたものである。こういう点は、
刑事局長のお
考えと私の
考えとは非常に違っています。また、大橋富重でもそうなんです。五百何十億という金を一年間に借りているが、この金を何の目的で借りたのか。
もう
一つ私が疑惑に思っているのは、いま脱税事件でやったとおっしゃいましたが、新聞にも出ておりました。吹原が毎年、しかも
刑務所に逮捕される前にたくさんの、
一つ百万もするくらいの、ダイヤとかいろいろな宝石類、ミンクのコートとか、各デートで買っております。デパートは、初めはちゃんと受け取りを出しておったが、これが新聞に出て問題になると、デパートは売ったんだか買ったんだかわからない。伝票を隠しております。出さない。これも脱税じゃないですか。あんなものは三割も四割ももうかるものだ。そのもうかるものを、吹原に
幾らで売ったんだかどうしたんだかということになったら、あいまいにしている。脱税でおやりになるなら、こういうものをつかまえてきておやりになったらいい。そうして、買ったものを一体どこへやったかということをお調べになれば、やはりいろいろな
関係のところに行っているのです。この念書は偽造だとか何とかいっても、こういう密接な
関係があるのだから、これは偽造じゃないとか、偽造にしても、これは軽いとか重たいとか、こういうことを言ってもしかたがないというものが出てくると思う。私はあまりこの事件にはさわりたくなかったけれ
ども、こういう質問をされてみると、われわれもやはり変に思っていることはあなたに申し上げたほうがいいと思うから、私は申し上げておるので、きょうは、別に書類とか証拠とか持ってきて申し上げているのではないのですけれ
ども、ちょっと取り調べ
関係を見ますと、おかしいのですよ。私も憎まれまして、いろいろなところからお調べを受けたことがあります。私はその
検事さんの名前を言ってもいい。警視庁の人の名前を言ってもいい。全部でっち上げて、しかもどうです。十年前に別れた女のうちまで行ったり、うちにおった家政婦のうちまで行ったり、そういうことをいろいろやって、最後に、田中彰治をくくる罪というものは何にもないから、私と別れた女房を呼び出して、あんた、まことにすまぬが、ひとつ一週間留置場に入ってくれないか、そして、あんたが留置場で白状したということで、よくっても悪くっても、田中彰治を一回ひっくくってみる。そして女房が、それなら一週間たったら必ず私を出すということを書け。それは書けない。それで大げんかして別れたという事実があります。私は毛布を持って
検事総長の部屋にすわり込んで、日本じゅうの新聞記者全部集まれ、
検事局はこういうことをやっておるんだといって、おれはやってやろうと思ったけれ
ども、死んだ河野さんが、それをやられたんでは、それから波及してたいへんなことになって、日本の国を暗くしてしまうから、それだけはかんべんしてくれと言われたから、私はやらなかった。だから私は、
局長がここで言われるようには、ほんとういうと、
検事局を信じていませんよ。それじゃ田中、
検事局のぼろを出せといえば、出してもいいですよ。そんなことは、お互いに人間ですから、疑惑を受けるような少しぐらいのことはありますよ。そんなことを言うのじゃない。けれ
ども、この調べ方にちょっとぼくはふかしぎなことがある。元は念書ですから、元は二十億の通知預金だから、これを半年も一年間も訴えないでがたがたしていることはどういうわけか。この念書は、判こを預けた
——預けたというのは、預けるまでの信用。こんにちは、ひとつあなたの土地を買ってくる、買ったら登記してくれ、この判を預けた、これを使ったというなら、いままで新聞に出ているとおりだ。そのつながりはそんなものではない。デパートを調べてください。百万、二百万のものじゃありません。何千万というものが買ってあります。それも、初め出そうとしたけれ
ども、ごたごたになったら、それは伝票がないとか、どうしたんだかわからぬといって、しらばくれている。これはデパートの脱税だ。こんなものを調べてみたらいい。こういう点が、どうもちょっとわれわれはふに落ちないものだからお尋ねするのですが、
検事局でもそういうことがあったんですよ。そこで、しかたがないから
——私は話してもいい。田中が何とかしたという念書を持っていって、高橋英吉君を呼んで、高橋君、君はこの念書を持っていって、警視総監の頭をばんと三つばかりなぐって、そこであぐらがかけるか。かけるなら、ひとつこの念書をやるから、君、行ってこい。さもなければあしたおれがどなり込んでやる。おれがどなり込んでいったら、国じゅうがたいへんな問題になる。ところが、高橋君は念書を見て、なぜ君が出さないのか。
——最後まで取っておいて、そこで持っていったら、びっくりして
——そのとき総監はおらなかった。おったら問題になった。その念書を出すと、まことに申しわけなかった
——私を訴えたやつが恐喝している念書、その社長から手紙が来ている。そこで警視庁の中の人事を相当変えて、それからこれはだめだと思ってあきらめがついた。それも、やはり反田中派の
検事がうしろにいて指揮していたことは事実だ。私はこの事件で、検察当局のやっていることでいいなと思うのは、森脇、吹原を調べるときに、いままでの地検の特捜部だけではなくて、あらゆるところから若い
検事さんなんかを呼んで、それを手伝わしたから
——森脇の事件でも、いままでのように脱税で押え切れない。森脇があれだけの脱税をするには、検察当局につながりがなくて、いろいろな
関係がなくてああいうことはできません。ところが、そこいらじゅうの
検事を集めたから、隠そうと思っても、下のほうから突き上げられて隠せない。もうこうなればしかたがない、まず脱税に持っていっておけ。この脱税でも、あなたに申し上げておくが、これは取れません。無記名の通知預金は裁判を長くやって、その結果、無記名なんだから、だれかが、おれが森脇に金を預けておるんだ、それがこれなんだ、森脇に月何分に回してもらうことにしておれが預けたものだということになって、取れません。森脇のほうはそれを知っておる。こんなものは取れっこないんだと言っている。そういうつながりがあるんですよ。まだ一人、名前は申しませんが、日本の暴力団の大将で、逮捕されておらぬものがある。これな
ども、土地を売ったりあらゆることをして脱税している。いまの大橋が持っている土地もその
一つ。これは十五億で売った。七億五千万は日通に売って、七億五千万は日綿に売った。これは三倍に売っている。だから、これをうんと税金を取る。こんな税金なんか
幾ら取ってもいい。みんなそういうつながりを持ってやっておる。この土建業者が、一体この浪人の大将に
幾らとられておりますか。何十億ですよ。けれ
ども、それは上のほうにつながるということを言わないから、ひっかからぬ。ひっかからぬから、これは税金で取るのがあたりまえじゃないですか。われわれでも、税金では全部やられておるんですから、税金で取るのは当然じゃないですか。それを引っ張って、おまえは土建業者から何十億集めた、これを全部どこへやった、いやどこにも
政治献金なんかしない、おれのふところに入れた
——これは当然脱税だから、調べられるのがあたりまえだ、これは調べられないいろいろな
関係があって、調べられない。だから、いつでもこれは放任されておる。検察当局もみんなこういうこととを知っていても言わない。いろいろなことがありますよ。だから、あんまりそう検察当局のほうは、神さまのように間違いないとおっしゃらぬように、悪いことがあったら改革してください。自由民主党でもそうです。悪いことがあれば改革しないと、
東京都のあれみたいに、これからやられていく。だからわれわれは憎まれても、こうやれああやれと言っておる。これは事実です。あした
刑事局長が行かれて、大橋を呼び出して、おまえの共有で持っておった土地を日本通運に七億五千万円で、日綿実業に七億五千万円で売った。これは
幾らで買って、
幾らであれした。税金なんて払っていやしない。調べてごらんなさい。脱税なんてそんなものじゃありませんわ。森脇がやられても、まだそのほかに、大いばりで脱税しながら、大
政治家のうちへ出入りして、
検察庁へ出入りして、いばっているのがいるんですよ。こんなことを
刑事局長はお知りになっているのですか。お知りにならないのですか。