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1965-08-10 第49回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年八月十日(火曜日)     午前十時二十四分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 押谷 富三君 理事 白浜 仁吉君    理事 壽原 正一君 理事 田中 彰治君    理事 田原 春次君       根本龍太郎君    福田  一君       神近 市子君    栗原 俊夫君       松原喜之次君    山田 長司君       吉田 賢一君  出席政府委員         農林事務官         (農地局長)  大和田啓気君         建 設 技 官         (河川局長)  古賀雷四郎君  委員外出席者         建設事務官         (河川局次長) 青木 義雄君         会計検査院事務         官         (第三局長)  小原  剛君         会計検査院事務         官         (第四局長)  小沢 定司君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 八月七日  委員栗原俊夫君、森本靖君及び山田長司辞任  につき、その補欠として横路節雄君、永井勝次  郎君及び中井徳次郎君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員中井徳次郎君、永井勝次郎君及び横路節雄  君辞任につき、その補欠として山田長司君、森  本靖君及び栗原俊夫君が議長指名委員に選  任された。 同月十日  委員栗原俊夫辞任につき、その補欠として兒  玉末男君が議長指名委員に選任された。 同日  委員兒玉末男辞任につき、その補欠として栗  原俊夫君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十八年度政府関係機関決算書  昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書(  農林省所管建設省所管)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  まず、田原委員長より発言を求められておりますので、これを許します。田原委員
  3. 田原春次

    田原委員 去る六日のこの委員会の席において、専売公社阪田総裁公務出張が問題になったのであります。きょうの決算委員会に、参考人または証人として、阪田専売公社総裁を呼んでいただくように要望しておったのでありますが、理事会開会をせずに、直ちに委員会になっておるので、この問題を討議するために、この委員会の散会直後理事会を開いてもらいまして、明日まだもう一日あるから、阪田総裁を呼ぶ問題についての協議をしてもらいたい。その点についてどうでしょう。
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 いま田原委員から、阪田総裁に対する質問に関してお話がありましたが、きょう終了後理事会を開くと言うが、理事の人がいないから、あすの朝でも、公報で理事会を招集いたします。そうしてひとつ決定することにいたしたいと思います。
  5. 田原春次

    田原委員 せっかくの御決定ですけれども、きょう理事会を開いて、そして明日参考人を呼ばなければ、明日理事会をやったんでは、あすが最終日で呼べないと思います。ですから、理事が一定数来たら理事会を開くことにして、進めてもらいたい。
  6. 堀川恭平

    堀川委員長 理事が来られましたら、ひとつなにします。      ————◇—————
  7. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは、昭和三十八年度決算外三件を一括議題といたします。  本日は、農林省所管及び建設省所管について審議を進めます。山田長司君。
  8. 山田長司

    山田(長)委員 これから伺いたいと思いますことは、私のほうの機関紙であります社会新報六月二日——だいぶ前になりますが、この新聞に、新潟県連で取り扱って、さらに党本部綱紀粛正委員会議題にしてもらいました新潟地区に起っている問題でありますが、東新潟地区における河川総合対策概要建設当局に御説明願いたいと思うのです。
  9. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 東新潟地区は、新潟地震の甚大な被害を受けまして、河川農地も、それから国の住宅施設あるいは飛行場も、非常な大災害をこうむったわけであります。特に河川といたしましては、通船川、新栗ノ木川、旧栗ノ木川あるいは鳥屋野潟を含めまして、周辺地盤沈下並びに地震による災害対策を講ずる必要を生じたわけでございます。それで結局、そういった地盤沈下した個所につきましてどういう方策を採用しなくちゃいかぬか、いろいろ検討いたしました結果、低水路方式を採用しようということにいたしたわけでございます。その低水路方式と申しますのは、本地域が、先ほど申し上げたように地盤が非常に低いこと、それから日本海の潮位が地盤よりも高いこと、それからその周辺土地利用高度化しているということで、従来の高水位方式、いわゆる堤防をつくりまして地盤を守る、堤内地を守るという方式でなくて、低水路方式をつくりまして、堤防方式による排水の問題とか、あるいは土地利用度を妨げる問題であるとか、あるいは橋梁かさ上げの問題とか、いろんな支障面をできるだけ少なくしていこうということで、低水路方式にしたわけでございます。それからこの低水路方式によりますと、堤防をつくらずに、いわゆる河積の拡幅を行ないまして、所要の流量を流す、地盤に降った雨を流してやる、そういった計画でございまして、そういう低水路方式を採用することによりまして、あるいは鳥屋野潟処置をどうするか、旧栗ノ木川処置をどうするか、あるいは新栗ノ木川をどういうぐあいにしていけばいいかということをいろいろ検討しました結果、別途農林省からお話があると思いますが、鳥野屋潟は旧信濃川に直接排水する方法をとろう、それから新栗ノ木川につきましては、通船川には水門をつくりまして、同時に排水の問題を解決するためにポンプアップしていこう、それから旧栗ノ木川につきましては、周辺家屋密集地でございますので、橋梁かさ上げとかいろんな付随する問題が非常にある、したがってそこは埋め立てまして土地利用高度化もあわせてはかりたい、そういう計画で、低水路方式を採用したわけでございます。その低水路方式としまして、排水系統の問題でございますが、従来からの鳥屋野潟排水系統は、鳥屋野、亀田郷一万余町歩農業排水は、鳥屋野潟に集水しまして、栗ノ木川排水機場によりまして、栗ノ木川排水されております。さらに都市排水とも含めまして旧栗ノ木川、新栗ノ木川によって信濃川排水されていたわけでございます。  それから通船川は、木戸、新川の農業排水と合わせまして、新栗ノ木川焼島潟において合流しまして、山ノ下において旧信濃川排水されていました。そこで計画は、先ほど申し上げたとおでりございますが、通船川につきましては、その上流部農業地帯でありますが、中下流部工業地及び住宅地でありますために、排水形態農地都市と分離して処理する。それから薬師橋付近で締め切りまして、農業排水津島屋排水機場により阿賀野川に流す。それから都市排水につきましては、そのまま栗ノ木川都市排水路と合わせまして、山ノ下排水機場によりまして旧信濃川排水するという計画でございます。  それから旧栗ノ木川につきましては、将来の土地利用とも兼ね合わせまして、埋め立てを行なうことにしたわけであります。それから鳥屋野潟排水でございますが、亀田郷地帯農業排水でございますが、これについては、別途農林省からお話があると思いますので、簡単に説明いたしますけれども親松排水路をつくりまして、信濃川排水するという計画でございます。そういう計画で、東信濃地区の今回の新潟地震による災害をできるだけ早く復旧したいということで、進めております。
  10. 山田長司

    山田(長)委員 鳥屋野潟は、本年四月一日に建設大臣一級河川指定したと言われていますが、建設省指定しておりますか。
  11. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 鳥屋野潟は、本年四月に、一級河川知事委認区間として指定しております。
  12. 山田長司

    山田(長)委員 一級河川管理については、責任は、第一線においては知事があると思いますが、最終的には建設大臣に属するだろうと思いますが、この責任はどっちが中心になりますか。
  13. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 一級河川責任でございますが、水系を全般的に統合管理するということにおきましては建設大臣責任でございます。ただし、河川法にも明示されておりますように、その一部を限りまして知事管理を委任する区間があります。ただし、水利権につきましては、建設大臣水系を通じて管理するというたてまえになっております。
  14. 山田長司

    山田(長)委員 先ほどの説明概要はわかったのですが、たまたま、いま地図が張られましたからさらにわかりやすくなりましたけれども、栗ノ木川に流した水を新しく信濃川のほうへ親松排水路というふうなものをこしらえて水を流すというふうなことにいたしますと、しろうとのわれわれ考えてみて、この計画にばく大な国費を支出するというような印象になりますけれども、不経済になるようなことはないのですか。
  15. 大和田啓気

    大和田政府委員 親松排水計画につきまして、農林省から御説明申し上げます。  先ほど河川局長の話にもありましたように、鳥屋野潟周辺農地は一万町歩ほどございますが、この排水を、従来は田面より、農地の面より高い高水路水路ポンプアップいたしまして、そうして栗ノ木で排水をいたしておったわけですが、昭和三十年ごろだんだんにこの辺の地盤沈下いたしまして、栗ノ木の排水場能力が非常におちておったわけでございます。ところが昨年の六月、新潟地震によりまして、この辺の地盤がさらに沈下いたしまして、大きいところは一メートル半、大体平均で三十センチ近い地盤沈下をいたしたわけでございます。したがいまして……。
  16. 山田長司

    山田(長)委員 ちょっといまの説明が私はよくわからぬのですが、この水路で一メートルの沈下というのはどの地点ですか。
  17. 大和田啓気

    大和田政府委員 水路ではなくて、鳥屋野潟周辺農地がひどいところで……。
  18. 山田長司

    山田(長)委員 県から資料をもらってきたのですが、沈下地点を、あの地図よりもこっちのほうが正確ですから、これを張ってください。
  19. 大和田啓気

    大和田政府委員 御説明申し上げます。東新潟地域で一番地盤沈下のはなはだしい地帯は、通船川近辺であります。一メートル半というふうに申し上げましたのは、この辺の鳥屋野潟近辺は大体二、三十センチ沈下でございます。いままでもうすでに農地の面よりも水路が高いわけでございますから、昨年の地震の際もそこに水が入ってきまして、堤防が決壊いたしまして、数百町歩水田湛水をいたしまして、相当な被害をもたらしたわけでございます。そこでさらに地盤沈下がありました。今日考えますと、いままでと同じようなシステムで農地よりさらに高く水路をつくりますならば、排水機の非常な大きな能力を要しますばかりでなしに、栗ノ木川全体の幅を広くするという問題もございますし、さらに栗ノ木川新潟市内を通ってまいります関係から、相当な工事も要るということから、従来の栗ノ木川排水計画を変えて、むしろ田面より高い水位ではなくて、低水路を作りまして、親松排水いたすほうが、全体の排水によい結果をもたらすだろうということで、この事業を起したわけでございます。
  20. 山田長司

    山田(長)委員 この地図でいきまして、東のほうに親松排水機場、それから親松排水路計画があるわけですが、そのほとんどの地域国費でまかなわれており、しかも農林省予算に計上されておるものと思われるわけですが、一級河川排水路計画には、費用は建設省はどんなふうに出ておるものですか。農林省だけのような印象を私は持っておるものですから、建設省にもお聞きしたいと思います。
  21. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 一級河川排水系統につきまして、知事委任区間知事管理していますが、そそういう委任区間につきましては河川管理者が当然やるべきじゃないか、という御質問だと思いますが、この件につきましては、河川法におきましても、出願工事等によりまして、法律によって工事が実施されることが認められております。この場合につきましては、地震の起こったのが河川法指定の前でございまして、そのときの段階において計画を取りまとめたわけでございまして、その辺の事情もありまして、農林省親松排水路をやっていただくようにしたわけでございます。
  22. 山田長司

    山田(長)委員 この事例と違いますが、私は栃木県の二区でありますが、赤麻遊水地周辺に、やはり大洪水等における場合の災害を除くための排水機ポンプが、私の記憶しているだけでざっと九カ所あります。赤麻遊水地の場合は、この指揮は、一体どこが当たるのかわかりませんけれども、数年前に災害があったときなどはほとんどポンプ休止状態に置かれて、水を揚げずにいた、こういう事例があるわけでありますけれども、いまの場合に、指揮農林省がするのか、実際上の仕事建設省がやるのか、この点が一般に不明確な印象があるのですが、この場合における事例として伺っておきますけれども、大洪水の場合における指揮はどっちがやるのですか。
  23. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 第一点の排水ポンプの問題でありますが、これにつきましては、従来から農林省と私のほうでいろいろ打ち合わせをしておりまして、従来の準用河川、二級河川以上につきましは、原則的に河川改修として取り上げていくということに考えております。それで、一般農地排水が主たる目的の場合には、農地排水事業で取り上げていくというような観点から、排水の問題を処理しております。ただし予算関係とかいろいろな問題がございまして、必ずしも河川管理者が一義的に準用河川を全部やれるとは、この段階でなかなか言えない問題もございまして、その辺は農地局とよく打ち合わせまして、実施をいたしておるわけでございます。  この大水害のときの指揮系統はどうなるかということでございますが、これにつきましては、この場合に親松水路は、農林省仕事をやっていただきましても、鳥屋野潟の潟が一級河川知事委任区間である以上、親松水路は当然一級河川指定区間となるということが考えられます。ただいままで指定しておりませんが、そうすれば、当然河川管理者として、知事がこれを管理していくということになると思います。
  24. 山田長司

    山田(長)委員 この点がどうも——いまの説明でも、知事管理者になるこういうお答えのようでありますけれども場所場所によって、緊急の事態のとき、農林省建設省とで打ち合わせがスムーズにいっているのかどうか、この点がどうも不明確なんですが、大洪水等が出た場合における指導的な立場というのは、どっちの省が当たることになるのですか。
  25. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 大出水の場合におけるところの、いろいろな指示あるいは管理主体は、あくまで河川管理者が行なうべきでありまして、ただ、ものによりましては、それぞれ管理者がおるわけでございます。たとえば農業排水につきましては、農業管理者がおる。土地改良組合とか、いろいろな組合がおられまして、それぞれ所管されております。それから普通の河川につきましては、市町村長管理される。この信濃川の場合、一級河川の場合には、知事委任区間につきましては知事管理している。それから、大臣管理区間につきましては大臣がみずから管理している。総合的な管理指示、あるいはどうしたらいいかという、たとえば水防をどうしたらいいか、あるいは出水がどういうぐあいに来るんだ、こういうところは非常に危険ですから、守ってください、そういったものの考え方につきましては、全般的に大臣管理区間があれば、大臣が総括的に管理していくようになると思います。
  26. 山田長司

    山田(長)委員 そうしますと、この鳥屋野潟の場合に、経常費はどのくらいかかるという目算であるのか、それから、これはだれが負担をするのか、場所場所によっておのずから違ってきておると思うのですが、するのか。それから建設省農林省か及び県かあるいは自治体か、この個所というのは明確になっているのですか。この全体計画内容について……。
  27. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 この管理の問題につきましては、まだ現物ができ上がっておりませんし、今後その管理をどうするかということについて、具体的に、農地局あるいは新潟県当局と打ち合わしていく予定にしております。
  28. 山田長司

    山田(長)委員 どうもこれだけの大計画を立てられるのに、まだ将来のことのようですが、一体経常費その他についての打ち合わせるというものが全然なくて進められて、悔いを残すようなことはないのですか。
  29. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 原則的には、先ほど申し上げたようなことでございますが、一応、いまのところの考え方もあるわけでございまして、これは今後協議して行なわれる予定でございますが、農林省で行なわれる農地排水につきましては、農林省は当然主管の、管理主体をになっておるけれども、それから都市排水につきましては、県が管理者になっていただくというような構想の考え方で、今後の話が進むものと考えられます。
  30. 山田長司

    山田(長)委員 鳥屋野潟水路を利用している農民というものは一万町歩からの田畑に属しておる。それで農民の不安は、このあとどんなふうに進むのだろうかということは当然生じてくるのはあたりまえだと思うのです。そこで、周囲農民の間からも、一体これはどんなふうに進むのだろうかということがかなり話題になっているというのに、この県の建設課長は、ただその周辺に行ってばく然と、今後のことは一応心配なく進むだろうというようなことで、正規の集まりの場所で全体の計画を話しておられないような印象ですけれども、この点、農民の不安というものが大きくなるのはあたりまえだと思うのですが、一体どういう形で、周囲の一万町歩の、それから数千戸に及ぶ農家の方に対しての説明というものはされておるのか。
  31. 大和田啓気

    大和田政府委員 いまのお尋ねでございますが、親松排水路工事、相当の事業費でございますが、新潟地震に関連いたしました災害復旧的な色彩の濃い事業でございますので、国の補助率も非常に高く、建設費に関しては農民負担は非常に多額にのぼるようなことはございません。それから工事が終わりましたあと揚水あるいは排水施設は、土地改良法によりまして、都道府県または土地改良区に管理が移るわけでございますけれども、ここの地帯亀田郷土地改良区に属する地帯で、揚水あるいは排水について、ずっと長い間事業をやっておりますので、私どもはまた土地改良区の機構の整備なりあるいは事務やり方等について不安は持っておりませんので、十分土地改良区の人々が自分たちと話し合いをされておるというふうに考えております。
  32. 山田長司

    山田(長)委員 この計画の裏面に、現在の知事一心同体になって土地会社をこしらえておる。それで埋め立て計画もそういう点でかなり農民の間には不安があるらしいです。この埋め立て計画大潟土地開発株式会社という会社があるのですが、この会社も、これをどう埋め立てをするかという計画を一応持って会社を立てられたと思うのですけれども、これらについて、建設省なり農林省なりは、この会社との連絡もあると思うのですけれども農民の不安をなからしめるため、土地会社計画のわかっておる範囲をひとつ話してもらいたい。同時に農民等にどういう説明がなされておるのか、これらもひとつつけ加えて御説明願いたい。
  33. 大和田啓気

    大和田政府委員 いまのお尋ねの件は、鳥屋野潟埋め立てあるいは干拓をして何か事業をするという計画があるかどうかということでございますが、先ほども申し上げておりますように、周辺一万町歩くらいの農地がございまして、新潟穀倉地帯の一つです。この鳥屋野潟の水の面積は大体百七十三町歩くらいで、一万町歩農地でしかも非常に低い水田地帯でございますから、遊水地あるいは調整池として百七十三町歩程度の現在の水面はどうしても私ども必要だと考えております。したがって今度の親松排水路計画でも、鳥屋野潟水面積を減らして埋め立てあるいは干拓をするというような計画は全然ございません。いま御質問になられましたような御批判は私ども伺っておりますけれども農林省でこの計画を審査いたしましたときも、鳥屋野潟百七十三町歩水面積を埋めるという計画は全然聞いておりません。また念のために、県当局にその点確かめましたけれども県当局も、そういう計画を現在全然持っておらないわけでございます。
  34. 山田長司

    山田(長)委員 こういう大潟土地開発株式会社というものができて、埋め立て事業をやるといって事業内容を持って進行しておる。あなた方も、さらに県当局も、この会社内容についてはちっともまだ存じないようですが、そうすると、この会社埋め立て事業をやる会社ではないということですね。
  35. 大和田啓気

    大和田政府委員 いま御指摘の名前の会社が、鳥屋野潟水面積を若干持っておりますことを承知いたしております。ただ私ども聞いておりますことは、何らかの手段で水面積のままでレクリエーション施設をつくる。干拓をして、あるいは埋め立てして、新しい事業をするというふうには私ども承知いたしておりません。
  36. 山田長司

    山田(長)委員 水面だけを買収して、それでそれが埋め立て会社であるというようなことでたいというのは、ちょっとおかしいし、またそんなばかばかしいことで、何のために水面の買収を計画したのか。しろうとのわれわれ全く理解に苦しむわけですけれども、そうすると、県当局もあなた方も、これを埋め立てするのではなくて、何か魚でも飼う場所というふうな、これは埋め立て会社なんですか。ちょっとおかしいじゃないですか。
  37. 大和田啓気

    大和田政府委員 いま御指摘会社がどのようなレクリエーション施設をし、またどういう趣旨で事業をやるか、つまびらかに承知いたしておりませんけれども、私ども農林省といたしましても、あるいは県当局といたしましても、埋め立て計画は全然聞いておらないわけでございます。
  38. 神近市子

    神近委員 ちょっと一問だけ。その水面使用料——その水面使用の許可を受けたものが、あとでその土地が万一埋め立てられた場合に、所有権はどこにありますか。その水面の権利を持ったものが、それを受け取るということになるのか、それともこれを貸した国が、新しい契約でやらなければならないということになるのか、この一点。  それから、その前に、蓮潟というところが埋め立てられております。そしてそれが払い下げを受けるときには千円で払い下げを受けた。そしてそのままのものが、今度は市あるいは県に、五千円で右から左に売り払われた、こういう事実が出ているのですが、その千円のものが五千円になるというのは、これは私、納得ができないのです。それは何か国の財産であれば——蓮潟の場合は近所の村落のものであったのですけれども、千円のものが五千円になる、これはちょっと納得がいかないわけですけれども、その二点です。そういうことに抗議はできないものかどうかということが伺いたい。
  39. 大和田啓気

    大和田政府委員 二問の御質問でございます。最初の問題ですが、鳥屋野潟は、私ども承知しておりますことは、もっと水面最初は狭かったわけです。だんだん地盤沈下によりまして周辺水位が低くなって、それで池のような状態になったようでございます。したがいまして、まん中部分公有水面でございまして、まん中からはずれた部分は、半分以上の面積が私有地でございます。もとはたしか部落有であったようでございます。それが現在、いろいろな会社が若干ずつ持ち合っているという状態でございます。したがっていま問題になっておりますところは、公有水面ではないわけであります。  それから第二間でございます。蓮潟の問題は、実は私ども蓮潟について国として補助金も出しておりませんし、それから埋め立て干拓等々、農業関係農林省としてめんどう見ておりませんので、いま御指摘のような話があったというふうには、新聞その他で伺っておりますけれども、直接私どもとして何とも申し上げようがないわけでございます。
  40. 神近市子

    神近委員 千円のものが五千円になる、それはわれわれは関知しないといまおっしゃいましたね。そうすると関知しているところは県なり市なりですね。それで、そういう監督権というか、あるいは千円のものがあした五千円になるというようなことは、国有財産、これは大蔵省の管轄でしょうけれども、ともかく共有の池であったのです。それが右から左に金もうけに利用されることをほっておいていいかどうかということで、これが私が一番伺いたいことなんです。その責任はどこにあるのか。たとえば県にあるのか市にあるのか、まあ私ども新聞で読んだので、調査には行っておりませんが、県と市と書いてあるので、その自治体の首脳という人たち、たとえば知事あるいは市長にあるのかどうかということが伺いたい。
  41. 大和田啓気

    大和田政府委員 ただいまの問題私が関知していないというふうにそっけなく申し上げて申しかけありませんでしたが、関知していないというふうに申し上げましたのは、団体営の何か農業土地改良事業として国が補助金を出していたものでもございませんし、ましてや県営あるいは国の直轄の事業ではないわけです。おそらく、私も十分まだ調査いたしておりませんけれども、私有の、部落有土地であったのではないかと思います。国有地ではなかったようです。したがいまして、私有地あるいは部落の共有地をどこかの会社が買って、それを売って利益を得たという問題ではないかというふうに考えております。
  42. 山田長司

    山田(長)委員 局長のいまの御答弁ですと、局長自身も調査に行っておらないようですが、実は私のほうでは調査に行ってきてのこれは質問なんです。この通船川と栗ノ木川被害状況というものは一体どの程度に当局は見ておるのか、この点どういうふうにお考えですか。それから、この復旧事業計画というものは、どんなふうに進められておるのか。この二点です。
  43. 大和田啓気

    大和田政府委員 新潟の昨年六月の被害でございますが、新潟全体といたしましては、農地で二百七十八カ所、約二万町歩、それからかんがい排水施設その他農業施設が千百カ所ほどでございます。それで事業費といたしましては、総額で七十七億ほどの災害復旧事業費になっております。特にこの東新潟地域被害が激甚でございまして、農地が約四百町歩、金額にいたしまして一億六千八百万円ほど、それから農業施設が百七十三カ所で約二十八億ほど、合計で約三十億に近い被害を出しております。また、先ほども申し上げましたけれども災害による地盤沈下があったわけでございますが、通船川堤防が破壊をいたしまして、沿岸で七百町歩ほどの農地が、これは付近の住民、農家の人たちが必死の排水作業をいたしたわけでございますけれども、約三カ月ほど湛水をして、収穫皆無になったきわめて不幸な事態を招いたわけでございます。
  44. 山田長司

    山田(長)委員 この林農省の災害復旧としての予算は一応計上をされているが、一応計上をされながら、この財源は新規事業親松排水路のほうに振り向けられて、それで、こっちの親松排水路のほうの仕事に着手されることによって、私有地等もあるにしましても、農林省で二十四億の金を出して、この排水路が活発に活動を開始すると、まず私有地の地点一般土地に復活するのではないか、それからさらに、そのほか国有地に属する部分までが、この排水工事によってできるのではないか、こういうことが一般にいわれているわけです。その点について、この復旧事業国費について、建設省農林省で二重に出すのではないかという印象がありますが、この点はどうなんですか。
  45. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほども河川局長からお話がありましたけれども災害によっていろいろな事故が起こりました場合に、農林省建設省とどういうふうに分担をするか、それぞれ、地方におきましても中央におきましても、調整をいたしましてやっておるわけでございますが、補助金の二重交付というような事態は、本件についてはないというふうに確信いたしております。
  46. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 建設省といたしましても、この計画につきましては、災害後、農林省と十分連絡を密にしまして計画をまとめたわけでありまして、先ほど農地局長からお話がありましたように、二重採択といったような問題はございません。  それから、先ほどお話がありました建設省災害につきまして、簡単に御説明いたします。  通船川、栗ノ木川、それから新栗ノ木川、いずれも災害をこうむりまして、災害復旧事業としましては、従来から対策を講じておりました堤防があるわけでございますが、その堤防を旧に戻すということで、通船川におきましては六億六千一百万、そのうちに仮工事が五千七百九十五万、これは応急仮工事でございます。それから旧栗ノ木川では二億二千七百万、うち仮公事が千二百六十六万八千、ほか四カ所が千二十四万七千、合計二億三千七百万。それから新栗ノ木川につきましては二億五千二百万、うち仮工事が五百二十五万一千でございます。東新潟地区河川災害、建設災害としまして合計十一億五千二百七十九万八千円、うち仮工事には七千五百八十七万七千円を災害復旧として実施する予定でございます。
  47. 山田長司

    山田(長)委員 栗ノ木川の復旧事業の補助に、さらに改良事業費の経費まで出しておるんじゃないかという印象なわけなんですけれども、この点はどうなんですか。農林省でさらに二二重の負担をしているような印象を持つのですよ。この点はどうです。
  48. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほども申し上げましたけれども、栗ノ木の排水量が——最近地盤沈下をいたしまして、排水機の増強をやっておったわけでございますが、三十年以降の地盤沈下が重なりましたものですから、約八億かけて排水能力の増強をはかる計画があったわけでございます。それが事業に着工をするに至らないうちに、昨年六月の地震が起こりまして、栗ノ木の排水計画を廃止したわけでございます。したがいまして、親松排水計画につきましては、災害復旧部分と、それから八億程度の特殊排水事業——いままで考えておりましたものと、さらに災害関連事業として、全国でやっておりますような災害関連事業災害助成事業とここで特に呼んでおりますけれども、それを加えたものが、親松排水計画事業費なりあるいは国の補助金としてまいりますもので、八億の殊排水事業というのは、計画があったけれども、まだ事業に着工しておりません。したがって、国費もまだ出しておらないわけで、補助金の二重交付というような問題はないわけでございます。
  49. 山田長司

    山田(長)委員 もう一点だけ伺っておきます。一番疑問に思っているのは、親松排水路工事が着手されて機能があがってくると、やはり何といっても鳥屋野潟のほうの水というものは相当信濃川へ排出される。そのことによって、この周囲農民の、穀倉とまでいわれるたんぼが水の枯渇を生ずるるのではないか、こういうことが一つ。それからもう一つは、国有地までが——この排水路によってポンプの活動がすみやかになる場合には、やはり一応ここに国有地が生ずるだろう。そうして、この周囲にできた土地会社等によって、国有地までが簡単に処理されるのではないか、こういう声があるわけです。この点について、一体どこまで当局は、農民にはっきりと、農業生産に影響を及ぼさないような説明ができるのか、この点を最後に伺っておきます。
  50. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほども説明いたしましたように、この親松排水計画は、五十七トンの排水能力を持つ大きなものでございますけれども鳥屋野潟水位には変更させない計画でございます。したがって、約百七十三町歩水面もそのままに維持されるという計画でございます。したがいまして、その結果水位に変更が生じて、水面埋め立てられて、それが何かに使われるというような計画は、前々申し上げてあるように、ございません。ただ、私先ほど、この地帯亀田郷土地改良区で、非常にしっかりした土地改良区で、全国的にも有名なところで、農民によく説得をしてあるというふうに申し上げましたけれども、なお周辺の農家の方々に、いま御説明のありましたような不安があるとすれば、私のほうも北陸の農政局なり県を通じて、亀田郷土地改良区の人たちに誤解がないように——別に何かをやろうとして隠しておるわけではございませんので、計画の実体を農家の人によく説明をさらにして、誤解がなくなるように努力をいたしたいと思います。
  51. 山田長司

    山田(長)委員 さっきも申し上げましたが、やはり土地水面だけを貸収するのでなくて、幾ら私有地といえども——個人のものの買収が一応進められて、さらにそのあとも進められるだろうと見ておるわけです。そうしますと、親松排水路及び排水機の活動が活発になればなるほど、農民の不安が増大すると思います。この点はやはり明確に、どのくらいまでの排水量以下は水面を保持しておくんだということが当局に言われなければ、農民が不安を抱くのも無理はないと思う。その点は、ひとつ明確にしていただきたいと思います。
  52. 大和田啓気

    大和田政府委員 ただいま申し上げましたように、関係各官署を通じまして、土地改良区の人たちによく説明をさせるようにいたします。
  53. 堀川恭平

    堀川委員長 田中君。
  54. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 河川局長がおりませんから、農地局長お尋ねしますが、あなたのほうのこの低水位方式——水位低下により、減水を目的としたものでいろいろな復旧工事をやっていますが、あなたのほうは、初めは各技術専門家によっていろいろと研究した計画を持っていた。その計画には副知事はじめみんなが賛成しておったんだが、それを今度中途でやめて、コンサルタント業者の意見を尊重して、いわゆる低水位方式というのですから、これをやることにした。この計画が、いろいろ技術屋によって何年間も計画されたものを急にやめて、こういう方式に取りかえたのは——しかも取りかえたことによって予算がうんと減るのならいいけれども、二十億ばかりよけい予算がかかっておるわけですね。二十億も予算がかかるこの方式に取りかえたということは、一体どういうわけなんですか、その根拠をちょっととお聞きしたい。
  55. 大和田啓気

    大和田政府委員 新潟の震災の復旧のあとで、この地帯排水事業をどうするかということは、新潟県庁でもずいぶんいろいろ議論がありました。北陸農政局あるいは農林省においても、いろいろ議論があったわけであります。いろいろな案が慎重に検討されました結果、一番の問題は、やはり栗ノ木川を通じて高水位といいますか、田面より高い堤防を無理に高く築いて、川幅も広くして、そうして津波やなんかの場合は逆流する危険が非常にあるわけですから、そういうことをするよりも、低水位で、あまり無理をしないで排水が十分行なわれることを考えるべきでないかということで結論がまとまりまして、三十九年のたしか十一月であったと思いますが、中央にその話が持ち込まれまして、私ども農林、建設、大蔵で相当長期間打ち合わせをいたしまして、そうしてやはりこの低水位方式のほうがベターではないか、再び災害をもたらさないためには、この方式が一番いいのではないかということで結論を下したわけでございます。したがいまして、結論がきまるまでの過程としては、いろいろな議論があり属したことも、御承知のとおりでございます。
  56. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 この低水位方式知事なんかに意見を持っていったのは、あなた方御存じのとおり、そんなにたいした体験者でも何でもない。ただ地盤沈下に対する一つの研究をやったというだけのことであって、その前の研究をした技術者などは相当建設省にもあり、あるいはその他にもあって、副知事あたりは、絶対これが正しいのだ、こんな低水位のこういうものを言い出したこの人はたいした人でなく、一会社の技師でしかない、それを急に取り入れて二十億からの予算をよけい使うということはおかしいじゃないかという議論をして、この議論のために副知事がやめてまでおるんです。そういうことが新潟で行なわれておるとき、あなた方のほうの技術者もあり、それから建設省の技術者も出て、長年研究したものを、一知事のとにかく懇請によってこれを取り消した。それで二十億も——あなた、二十億という金は相当な金ですよ。二十億もとにかくよけいな予算を使っても、この低水位のこれを取り入れたただいまのあなたの言われたとおり、津波とかなんとかおっしゃられたけれども堤防を上げてやっておるところが多い。あなたはすぐ地盤沈下地盤沈下と言われるけれども、これをごらんなさい。地震地盤沈下をしているところは幾らもありませんよ。地震で上がったところもございます。よくここへ来て研究なさい。これがマイナス五上がっている。これがマイナス十五上がっている。これがマイナス十上がっている。地震で上がった。沈下したところもあります。これはプラス十、これはプラス十五下がっている。沈下沈下と言うが、沈下だけでない。そして今度ここへボンプをつけたわけだ。このポンプ、あなた方はここだと思っているでしょう。これは違っている。県から出したのはもっと短いです。あなたのほうの出したのはもっと長い。うんと予算をとっておる。ここに予算のごまかしがある。地盤沈下地盤沈下と言っても、これだけのものが上がったのだから、ここの水はここへ入りませんよ。これはやはりここへ出るでしょう。地盤沈下したところと上がったところと、差っ引くと、そうありませんよ。それに二十億もよけい金をかけて、いろいろなこういうような設備をしなければならぬというのはおかしい。しかもこの水面が、あなたがいまおっしゃった、だんだんくずれたから民間地になったと言われますけれども、ここで四千坪くらいずっとごまかしている。これは全部公文書偽造で、この人を参考人で呼びます。女の人がごまかしたものを持っておる。昔やっておったものを、知事会社が、これを四千坪前に出して、ずっとごまかして登記しています。そういうのをあなた知っているのですか。おかしいじゃないか。二十億もよけいかけて、そうして君、そんな三年も五年もかけて専門家の研究したやつを変えなければならぬというのはおかしい。私聞きたいのはそれなんです。どうなんです。いまの変えなければならぬと言うこの人が、日本のこういうものに対する大家であって、だれが見ても、なるほどあの人の意見ならというならいいです。ただ新潟地盤沈下したときに、一会社の技師であって、たいした体験もない。それを、いままでの何年間か積み重ねた研究をけって、いまあなたはいろいろなことをおっしゃるけれども知事の進言によってやったことなんです。そしてその人の意見をいれて、国民の泣いて納めた税金を二十億もよけいかけて、それがどんな効果があるのか。しかも図面をごらんなさい。あなた方は、何も知らぬでやっておるが、図面でうんとごまかしてある。重ねて見せないとわからぬから、ごらんなさい。片一方はこれなんです。わかりましたか。片一方の県の隠したものはこれなんです。たとえばこれなんです。この距離と距離を比べてごらんなさい。県でやっておるのはこれだけしかない。どうするのだ。これで相当違うじゃないですか。
  57. 大和田啓気

    大和田政府委員 いまのお話の中で、親松排水路関係で、当初農林省に持ってきました案とその後実施の案とが違えば、これは毎年補助金を交付する場合に査定をいたしておりますから、新しい計画に合わして査定をいたして、国費を乱費するようなことはございません。
  58. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 ところが乱費になっておるのですよ。それはわかるでしょう。これはあなたが何と弁解してみてもごまかしです。県のやつは短い。——会計検査院おられますか。ちょっと見てください。ばかにされたのは国民だけだよ。それからあなた予算を粗末にしないと言われるが、予算のことを聞きましょう。あなたのほうで三十九年発生の災害の復旧助成事業費として決定した額を向こうへやっておるのが、親松排水機、これに対して幾ら出していますか。
  59. 大和田啓気

    大和田政府委員 親松排水路関係計画は、ただいまのところは調査と実施設計の段階でございまして、直接事業費は出しておりません。
  60. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 出していますね。
  61. 大和田啓気

    大和田政府委員 ただいま御指摘親松関係災害復旧事業費でございますが、これは事業費の査定でございまして、まだ補助金が出ておるわけではございません。
  62. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 そうすると、この栗ノ木排水機、これが三億五千三百九十三万六千円出ておる、これはどうですか。
  63. 大和田啓気

    大和田政府委員 いま御指摘になりました栗ノ木の排水機関係で、災害復旧事業費三億九千三百万とありますのは、栗ノ木の排水機を原形で復旧すれば三億九千三百万円かかりますということでございます。その分を原形で復旧しないで、親松のほうへ回すという計算上の問題でございます。
  64. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 計算できておるでしょう。画面を調べてみたのです。あなたの予算から向こうへ渡っていますよ。
  65. 大和田啓気

    大和田政府委員 前々から申し上げておりますように、事業費として国庫から現金で出ておるわけではございません。
  66. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 出ていないが、査定して一部渡してやっておるのでしょう。
  67. 大和田啓気

    大和田政府委員 いま御指摘の数字は、もう一度繰り返しますが、栗ノ木の排水機を原形で復旧いたしますと、三億九千幾らかかるという計算上の問題でございます。したがって、新潟関係災害復旧費として金はすでに若干出ておりますけれども、栗ノ木関係の金ではなくて、また親松排水工事の金ではなくて、その他、閘門でありますとか、用水路等いろいろな事業がございますから、そこに回っておる金でございます。
  68. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 何に回ろうが、ここに栗ノ木の排水機災害復旧事業費として三億九千三百九十三万六千円出ておる。これは間違いじゃないですか。  それからもう一つ、ここに木戸排水機、これには四千百四十八万三千円、これも災害復旧費として出ている。ところが、これのほうは災害復旧費としても出ているが、災害復旧助成事業費としてもここにやっぱり出ているのだが、一体これはどっちに出したのか。  それから今度は木戸閘門というのが、やはり三千七百四十九万円出ている。これはどういうわけですか。これはみな出ているやつを書いてきたのだがね。そうすると、あなたのほうの予算が出ているのが間違っているのか、これはどうなんですか。こっちが、こんな数字をでたらめを書けるものじゃない。
  69. 大和田啓気

    大和田政府委員 先生お持ちの資料は、実際災害復旧事業として金が出ているものではございません。私がただいま申し上げますのは、三十九年の実施の事業として、その分に補助金が出ているものでございます。通船川水路と、それから木戸の排水機がおもでございます。
  70. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 あなたはさっき親松排水路の金は出ておらぬと言うけれども、ここにやっぱり出ている。これは違っているのかね。合わしてください。私のほうも秘書にやらしたのだから同違っているはずはない。これは農林省からも建設省からも出ていますよ。これは農林省予算ですよ。運輸省も呼びますが、運輸省からも出していますよ。
  71. 大和田啓気

    大和田政府委員 田中先生がお手持ちの資料は、全体の設計費でございます。
  72. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 全体を割ってあるでしょう。補助金災害補助費、助成金、みな場合によると補助率が違うわけだ。
  73. 大和田啓気

    大和田政府委員 御説明申し上げます。低水位方式による全体事業費が合計三十三億ほどでございます。それで工事費、諸経費等々の内訳がそれぞれの事業別に書いてございます。そうして三十三億のいわば補助対象としての取り扱い方でございますが、三十三億の事業費のうち、災害復旧事業費として十四億四千八百万、それから災害助成事業費として十億四千九百万、それから新潟地域の特殊排水事業費、これは私が先ほど申し上げた、栗ノ木の排水機のところを排水を強化するために計画立案したけれども、まだ実施に至らなかったという分でございますけれども、それが八億一千九百万ほどございます。したがいまして、三十三億というのが全体の事業費で、それを農林省がどういう名目で金を出すかということが、災害復旧事業費災害助成事業費と特殊排水事業費との振り分けでございます。
  74. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 その振り分けを私ども調べるから、あなたのほうもこの次にもう一回全部明細を持ってきてください。  それからこれをひとつ聞きたいが、この新潟地域特殊群氷事業費というのは、こういう名目は農林省にあるのですか。新潟だけの特殊なこういうものは。
  75. 大和田啓気

    大和田政府委員 これは三十年以降地盤沈下が非常にひどくなって、新潟だけで特別の何か排水関係を見なければいかぬということで、新しく名目を起こしたわけでございます。
  76. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 いつから起こした。
  77. 大和田啓気

    大和田政府委員 三十四年からです。
  78. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 建設省もこういうことを知っているのですか。新潟地域特殊排水事業費というやつが出ているのだ。
  79. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 新潟地区につきましては、地盤沈下もありまして、私のほうとしましても、河川かさ上げ工事に費用を出しておりますので、当然それと軌を同じくして農林省と一緒に、その地盤沈下対策事業として処置をしたものと思われます。
  80. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 これはどうせあなたからもう一ぺんもらって合わせなければいかぬが、 ここにやっておらぬものがありますね。農林省の付帯工事でやらないものがまだ相当あるが、栗ノ木川の一億六千三百九十六万八千円、これはやっておりませんが、やらないのはどういうわけなんですか。
  81. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほど申し上げました三十三億の全体の事業費のうちで、親松排水路の付帯工事として、全体が五億一千二百万計上されております。
  82. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 栗ノ木川の一億六千三百九十六万八千円、これはやっていない。
  83. 大和田啓気

    大和田政府委員 栗ノ木川関係は、栗ノ木川排水機あるいは木戸の排水機について、全体の事業費の三十三億の中に入っておりませんと同じように、低水位方式に切りかえましたものですから、栗ノ木川について事業を実施する必要がなくなったわけであります。
  84. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 実施する必要がないものを、どうして予算を出しているか。
  85. 大和田啓気

    大和田政府委員 これは、三十三億の全体事業費が、災害復旧事業費なりあるいは災害復旧助成事業費なり新潟地区特殊排水事業費なりにどういうふうに配分をするか、また従来の災害復旧事業関係とどういう関連にあるかを明らかにしようとしただけでございます。
  86. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それじゃ、予算をこうやって、何の補助とこれを書いて、ただ明らかにするというだけなのか。おかしいじゃないか。これは役所から与してきたものだよ。それも千円や二千円の違いならいいが、億なんという違いを出しているのはおかしいじゃないか。とにかくこの次に両方で合わせをしよう。あなたのほうで出してください。いま数字を言ってもしょうがないから。  そこで、さっきのたいして権威のない人——こういうものまでつくって、あなたのほうが技術者を集めて計画を立てた。それを昨年の十一月か何かに切りかえた。これでも多いのに、二十億の予算をよけい出して切りかえた低水位方式というのは、どういうぐあいにあなた方権威を持ってやっているのですか。だれのすすめで、どういう実験から、どういう事実から、そういうものに切りかえたのですか。
  87. 大和田啓気

    大和田政府委員 高水位とか低水位とかいうのは別にむずかしいことではなくて、排水路田面よりも上げるか下げるか、したがって田面より通い水路に、その個所個所で、排水機水田の水を用水路に入れるか、あるいは自然のまま流下さして、最後の末端で、たとえば信濃川排水機排水するかということの違いでございます。
  88. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 あなたたのほうが初め何年間もかかって計画を立てて、いまのようなこういう何十億、何百億の予算まで組んであるでしょう。それをぽっと一会社の技師、それもいま知事の一族でやっている会社の顧問だ。その人の意見をいれて、これを運輸省でも建設省でも農林省でも変えるということはおかしいじゃないですか。変えたために、たとえば効果が少しぐらいなくても、二十億の予算が助かるならいい。二十億よけい要る予算に切りかえたというのはおかしいじゃないですか。
  89. 大和田啓気

    大和田政府委員 栗ノ木の排水機の増強計画というのは実は持っていたわけです。これは先ほどお話ししましたように、八億の予算排水能力を上げるめの計画を持っていたわけでございますけれども、昨年の六月の震災によって、事情が変わって、新しい方式に移った……。
  90. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 どうして変わったのですか。変わってなんかおらぬじゃないか。高いところもでき、低いところもできた。少しも変わってないじゃないか。あなた方は調べておるのかどこがどれだけ沈下しておるか、あなた方、調べたことがあるのかね。
  91. 大和田啓気

    大和田政府委員 この計画を変えるにつきましては、昨年の十一月県から本省に申請がありまして、本省関係でも現地査定をして、十二月に査定をして、現地に行って調査の結果、決定したわけでございます。
  92. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 そんなことをあんたが言ったって、あれだけのものをちゃんと事実に調べて合っているのに、あなたのほうでそれを、向こうの県の言うことを聞いてうのみにしたなら別ですよ。沈下したといったって、だれがどんな調べ方をしたんだ。それをひとつ資料を出してください。私のほうでもりっぱな、四月から免許をとった測量士に調べさしているのだから。おかしいじゃないですか。沈下なんかしておらぬじゃないですか。高いところもできており、なにもできておる。そうしてみな寸断に切ってしまって、しかも一秒に六十トンも出るような機械を据えつけた。これも農林省が、この機械はこういうところから買ったほうがいいぞ、ぼくら知らぬけれども、今度ここから買って、この機械を使ってみ、こっちのものも使ってやってみた。それを知事が独裁で、このところでなければならぬといって、農林省のものをけってあそこにつけた。つけた通路も、いまあなたに図面を出したとおり違っているんだ。そんな図面を持っているのかね。国民の金を何十億も使って、そしてそのポンプをつけた図面の通路がだいぶ違っているが、そんなものは持っているのかね、あなた方は。
  93. 大和田啓気

    大和田政府委員 親松排水路をどうするかということは、県の衛生部の水道関係の問題もあって、多少問題があるということは伺っております。ただ事業が、計画が改定されますれば、新しい計画に基づいて査定をするわけで、当初定めました三十三億という事業費について、計画がどう変わろうと、三十三億をべースにして補助金を出すということはございません。  なお、昨年十一月に県庁から申請がありまして、十二月に現地査定したということを申し上げましたけれども、技術的な詳細な、この親松排水計画をよしとする技術的な根拠については、後ほど資料で御報告をしたいと思います。
  94. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 私があなたに聞いているのはそんなことじゃないですよ。三年間も四年間も一技術屋が寄ってきめたことを、一片の書類、一ページの書類で、これを変えて——現地に今度は行ったわけです。十一月に現地へ行って、あんな寒いところに入れるのかね。笑っていますよ。十一月、あの鳥屋野潟に入って、どれだけ沈下したかわかるのか。いまならちょうどいいでしょう。そうして一日か二日しか出張しておらないで、そこらの料理屋かなんかで、知事におごってもらって一ぱい飲んで、その報告を聞いて、そうしてやっているんでしょう。あれをごらんなさい。あんたも知らぬはずはないでしょう。あの図面を見せなくとも、地盤沈下した坪数はどれだけ、上がったところはどれだけ、ポンプがどれだけのものをつけて、その水路はどれだけ。しかもその水路をごらんなさい。塚田知事一族でもって買い占めて、それに県の信用金庫がこれに幾ら出しておると思いますか。千八百万。日歩五銭取っておるんだ。この利息はたいしたものですよ。そういうことまでして、何のために水の下を買うのですか。それを何千万で買って、何千万の金を今度は県信連からこれを融通さして、しかも利息を払って、何のためにそれをやっているのか。これは全部、会社の重役が塚田知事はじめ子供その他の秘書、一族じゃないですか。そういうことを、あなた、見たときに、こういうところに金を入れるときにはどういうぐあいで入れなければならぬということを考えないで、そういうことをやるんですか。一方ごらんなさい。北海道でも東北でも行って、災害にあっている農民をごらんなさい。トウモロコシを食っておる農民がないかそういう者に対して、農林省は昔から積み重ねた予算を守ってこれしか出せない。もう少し出せばりっぱな農地ができる。これも規則だ、あれだけだ、これだけだといって農民を泣かして、金を取り立てて、取れなければ押えたり競売したり、何ということですか。下はみんな買い占められておる。そこへどんどん金をかけて買い占めたところが、将来埋め立てができて大きな金になるようにやっている。私は何も言わないけれども、さつき何潟とか、そこで土地の売買があった。これは私有地だったらいいのです。売買したのは、たった四千坪です。実際は五万坪あった。この五万坪というのは——民間の土壌でも四千坪で五万坪なんてありません。みな国有地をごまかしたものです。それを新潟県で買わない。買わないからしかたがないから、大蔵省から新潟県へ起債で金を貸して、何億という金、そうしてそれで買わしてもうけておる。私はそんなこといま触れたくないから言わないのだけれども、みなそれじゃないですか。鳥屋野潟でもそうでしょう。あの端のほうは四千坪から——これは国有地ですよ国有地を四千坪からずっと、それも十一月に登記して、あそこにある会社の持っておる土地を持っておったおばあさんがいる。こんなところに十一月に来て、こんなところまで入って測量できますか。みな昔私がつくった図面を模造したものだと言っておる。ここに証人に出してくれるなら言うというのだから。これをやっておるのは知事ですよ。おかしいじゃないですか。あなた方がせっかく計画を立てておるのに、私の一会社の技師が、こういうような計画を取り入れろ、予算はどうだ、二十億よけい金がかかる、よろしい。そうして今度好きなことをさして、何かと言えば地盤沈下地盤沈下地盤沈下なんかしておりませんよ。しておるところと、上がっておるところとありますよ。あの上がっておる水はどうやるのですか。あれはポンプを百姓が全部取りかえてやらなければ、あの一万町歩の半分はだめですよ。そんなこと農林省が調べるのはあたりまえじゃないか。決算委員の私が調べなくても、あなた専門家じゃないか。あなた農地局長でしょう。この事件を、このくらいで済むと思うとたいへんだよ。これは大臣も呼ぶし、いまのばあさんも呼んだら、国有地を横領されたことがすぐ出てくる。あれをそのままにして、あそこの取り入れ口に一秒六十トンから出るポンプをつけた。そんなことでもってあの水は揚がりません。みなこっちでふさいで、あんなことしたらあがりません、どっと来たときに。今度高くなったところの水は鳥屋野潟に落ちない。今度信濃川にかってに落ちるようになる。そうすると今度下におったポンプをみなかえなければならない。これはたいへんな問題が起きるのですよ。しかもその土地の池の中が大かた買収されておる。ほとんど国有地は幾らもありませんよ。みなよけいとってしまって。十一月末のあの寒いときに、どうして鳥屋野潟に入れますか。そこに入って測量したということになっておる。そうして四千何坪もごまかしておる。それに喜んで二十億も補助金をよけい出しておる。まだあなた方に、これから私のほうも研究して、聞いていかなければならならない。  そこで、農地局長お尋ねしますが、昨年新潟県下における震災による被害に対する復旧工事事業費の中で、特に栗ノ木川通船川鳥屋野潟を中心とする国庫補助金についてちょっとお尋ねしますが、農林省から出された資料によると、復旧助成事業費は三十三億十六万六千円となっておる。この経費の算出の内訳は、災害復旧費十四億四千八百五十四万八千円、災害助成事業費が十億四千九百七十一万八千円、新潟地域特殊排水事業費が八億百九十万円、こういうぐあいになっていますね。それからこの中で災害復旧費と災害助成費と新潟地域特殊排水事業費とは、一体どういう差があるのか、補助金はみな差がありますね。この説明をちょっとしてみてください。
  95. 大和田啓気

    大和田政府委員 数字は、いま先生がお読みなさったとおりでございます。それで、三十三億の内訳で、災害復旧事業費は当然現地において原形復旧をするための事業費でございます。
  96. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 補助は幾らです。
  97. 大和田啓気

    大和田政府委員 いまの災害事業費関係が十四億四千八百五十四万八千円で、国の補助率は九八・五%です。それから特殊排水事業費八億百九十万円でございます。これは先ほど申し上げましたように、栗ノ木川排水能力を高めるために、前に立案をして着工に至らなかった分でございます。
  98. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 これは何で至らなかったのですか。
  99. 大和田啓気

    大和田政府委員 これは栗ノ木川排水の補強工事をやろうとして、計画をして事業を実施する前に、昨年の六月の館長災によって事業実施に至らなかったものでございます。
  100. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 これはやるとすれば、補助金は幾らなんです。
  101. 大和田啓気

    大和田政府委員 これは国費率が六〇%でございます。
  102. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 災害助成費というのはあるのですか。
  103. 大和田啓気

    大和田政府委員 災害助成費は十億四千九百七十一万八千円。
  104. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 これは幾らです。
  105. 大和田啓気

    大和田政府委員 これは総事業費の三十三億十  六万六千円から、災害復旧事業費と特殊排水事業費とを控除した、いわゆる全国的に申し上げますれば、災害関連事業と呼ばれる費目でございます。この国費率が八九・一%でございます。
  106. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 そこで、いま私が言ったとおり、あなたのほうでお調べになったらわかるが、これには災害復旧費と災害助成費と、それから新潟の特殊排水、これは使わないとすれば、こういうものがごったに使われている。そこに建設省——あとであなたにお尋ねするが、建設省からも予算が出ているのです。運輸省からも出ているのです。これは一体どういうあれで持っていっているのか。そして、そういう事業は全部びしっと統制がとれておったやつを、いまの一会社の低水位の何とかという技師、新潟地盤沈下で、ある会社が採用してきたその技師の意見を全部聞いて、それを全部御破算にして、組んだものを全部組みかえて、結論において二十億よけい金がかかる。   〔田中(彰)委員古賀政府委員地図を示す〕  そして、今度はあそこを見ますと、これは将来鳥屋野潟埋め立てられる計画を全部持っているわけです。ポンプのあれをごらんなさい。建設省河川局長は、今度これは一級河川になったのだから、あなたごらんになったらいい。ここのポンプはみんな小さくなっちゃった。これなんかうんと小さくしちゃった。大きなポンプのついていたのを小さくして、これなんか五トンくらいのものだ。それからこれは三十一トン。ここで切っちゃったから、川の水がうんと腐る。それで今度のこれを生かして排水か何かやるらしいんだな。この水を流して、いまのここから流れて出るものをここへ流す。それで今度はこれを、いま言うとおり、四千何ぼも国有地を横領して、これを買い占めておる。この水の下を買い占めて、何千万という金をもう一つの会社と借りて、ここに一秒間六十トンのポンプをつけた。このポンプを、農林省があまりたいしたいい会社でないところから買い取ってきて、ここへつけた。ところが今度、ここへつけたのは、あなた方のところにここにつけたと出しているんだが、ほんとうはここについておる。だから、この距離というものはずいぶん違うわけです。いま図面をそこに二つ出しておる。ここでもこれはやられておる。それから今度、地盤沈下地盤沈下というが、地盤沈下なんかしておらない。これだけが地盤沈下で、これは少しした。それからこれは上がっているのです。全部地震によって地盤が上がったわけです。だから、上がったのを今度は水をどうやってやるかということなんだ。まさか、あなた、そこを越しては持っていけないでしょう。だから、いまの計画なんというのは全部ずさんなんだ。ずさんな計画を立てている。さっきの違っている図面、これなんか、河川局長、ごらんなさい。これはあなたのほうに出したやつです。県がほんとうにやっておるのはこれしかない。ずいぶん距離の短いものでしょう。こういうことにみんなごまかされておる。きょうはちょっと小手調べだから、これからぴしゃっとやるからね。そういうことなんだ。みんなごまかされておる。  そこでもう一つ、今度はここで、あなたがさっき計画を言われたが、木戸排水機と栗ノ木排水機と栗ノ木川は、どのような災害であって、どういうぐあいにこれを復旧する計画を持っているのですか。
  107. 大和田啓気

    大和田政府委員 木戸排水機と栗ノ木排水機の被災の程度でございますが、木戸排水機のほうは全面的に被害を受けております。それから栗ノ木排水機のほうは、全面的というわけではございませんけれども排水能力が非常に低下した状態でございます。
  108. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それはどのくらいで復旧するのです。予算が組んであるのだから、どういうぐあいに——木戸排水機はどういうぐあいにやる、栗ノ木排水機はどういうぐあいにやる、栗ノ木川はどれだけの災害だから、どういうぐあいに復旧をしていくという、計画があるはずでしょう。
  109. 大和田啓気

    大和田政府委員 これも先ほど申し上げましたように、親松排水路計画をやるわけでございますから、栗ノ木と木戸排水機についてはもう復旧をいたさない、そのままでございます。
  110. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それじゃ必要がなくなって工事をやめておるにもかかわらず、何ゆえに五億九千九百余万円、約六億の金があなたのほうで計上されているのですか。
  111. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほど申し上げましたように、今度原形復旧するとすればこれだけの金がかかるという見積もりでございます。災害復調事業内容ではございません。
  112. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 おかしいじゃないですか。内容のないものを何のために予算をちゃんと数字まで出して、——これは要らなくなれば、変更したら、変更したようにしないのか。あなたのほうの帳面を見ると、ちゃんと出たことになっている。
  113. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほども申し上げましたように、災害復旧事業は原則として原形復旧でございますから、親松排水路事業は代替施設でございます。栗ノ木排水施設を直すかわりの代替として、親松排水路を直すわけであります。親松排水路を含めて災害復旧事業費が幾らになるであろうかという、計上する過程で、栗ノ木の排水機を直せば幾らになるという見積もりでございます。したがって、これは災害復旧事業費の内訳にはなっておらないわけでございます。
  114. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それなら、あなたのほうのそういう計画から、こういうものを計上したのは取り消しておかなければならぬでしょう。これは口でだけ否定しても、載っているものははっきり載っているのだから、要らぬのなら取り消したらいいじゃないですか。
  115. 大和田啓気

    大和田政府委員 載っている意味は、災害復旧事業でございますから、災害復旧事業で、どこがこわれてそれを原形復旧するにはどれだけの金がかかる。原形復旧しないで、そのかわりにどこの工事をするかという、そういう過程で三十三億の金を積み上げたわけでございます。だから、三十三億の金の中で、栗ノ木の排水機事業というのは、原形復旧すればこれだけ金がかかる、ということの見積もりで、それが三十二億の事業費の実際の工事内容にはなっておりません。ただ、三十三億の事業費を積み上げる過程としては、栗ノ木の排水機を原状回復すればこれだけの金がかかる、ということの見積もりでございます。
  116. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 木戸排水と栗ノ木排水機と栗ノ木川災害の復旧には、ちょっといまのところは、計画が変更だ。やらないところもあればやる分もあるかもしれない。だから、この計上した六億円というものは、ただ一応計上してあるものである。これは今度はどこでどういうふうに使うかわからないものだ、こうおっしゃるのですね。
  117. 大和田啓気

    大和田政府委員 二十三億の事業費事業の内訳といたしましては、先生お手持ちの資料にございますように、津島屋の用水路親松排水機木戸開門、以下計画としてございまして、そうして、栗ノ木の排水機には計画のところが全部ブランクになっております。そうして、ただ全体の三十三億を計上するための積み重ねの金の出どころとして、災害復旧事業費として栗ノ木の排水機三億九千三百万、木戸排水機四千百万ということが計上されているだけで、この金は、栗ノ木の排水機なり木戸排水機なりを実際の災害復旧事業として工事をいたすことは予定されてないわけでございます。ただ、この表に出ておりますのは、三十三億の金の出どころとして、栗ノ木の排水機なり木戸排水機なりを原状で回復すれば幾ら災害復旧事業費がかかるか。そこで、たとえば栗ノ木排水機の三億九千三百九十三万六千円というのは、全体の三十三億の基礎とするために十四億四千八百万円を引き出すための計算上の過程でございます。したがって、くどく申し上げて恐縮ですけれども、栗ノ木の排水機なり木戸の排水機なりは、ここで現実に災害復旧事業工事をいたすという趣旨ではございません。
  118. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 そうすると、ずいぶん農林省予算というものはずさんなものですね。やりもしないものをやるという仮定で、予算を大蔵省から取るのですか。
  119. 大和田啓気

    大和田政府委員 親松排水機と栗ノ木の排水機との関係を申し上げますと、栗ノ木の排水機災害復旧の工事をしないで、そのかわりに代替事業として、親松排水工事をするわけでございます。したがいまして、そのときの計算といたしましては、栗ノ木の排水機を復旧するとすれば事業費は幾ら計上されるか、とすれば、親松事業費全体で、栗ノ木をやらないかわりに、その代替事業として幾ら災害復旧事業費が使えるかという、そういう計算をしたわけであります。したがって、事業をやらないものを、金を計算して大蔵省から取るということではなくて、親松排水機と栗ノ木の排水機関係だけで申し上げれば、親松排水工事費がこれだけだ、その中には栗ノ木の排水機を復旧するとすればこれだけ金がかかる、だから、親松災害復旧費は幾ら幾らは栗ノ木の代替分である、そういう計算を示す過程でございます。二重に補助金を出すという趣旨では毛頭ございません。
  120. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 ちょっと会計検査院の方にお尋ねしますが、私は、会計検査院の指摘されるのはこういうことだと思います。いままで、たとえばAの川を一生懸命やっておった。ところが、すぐそばの豊川に水が入り込んできた。だから、A川の工事のセメントも石も何も、全部Bのほうに使ってしまったというような場合でも、会計検査院としてはこれを指摘されたことがここでずいぶんある。いわんや、いま農林省が大蔵省から取る予算に、親松排水をこうやれば幾らかかる、けれども親松排水の金をそう出せないから、こっちのほうの木戸排水、栗ノ木川排水機、こういうものを復旧すれば幾らぐらい金がかかるからということで、それを見て予算を取って、そうしてこの金をこっちの親松のほうへ使うというような予算の取り方は、会計検査院としては至当と認めるのですかどうですか。
  121. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 ただいまの栗ノ木の話でございますけれども、私どものほうの検査は、多少物事が実はおくれておりますので、ただいまお話しのような全体計画があるということも多少は伺っておりますけれども、実はことしの三月、新潟県の査定の検査をやりましたわけですけれども、その査定検査をやりました段階では、栗ノ木川排水機場を災害復旧する、また栗ノ木の水路災害復旧をするということで、災害復旧の事業計画書が出ておりまして、それについて農林省で査定をされまして、その査定をされましたものについて、私どものほうとして、はたしてこれが災害復旧事業に該当するかどうかという観点から、検査をいたしたわけでございます。したがいまして、いまのお話のお答えにならないかと思いますけれども、いま出ております親松排水機場という問題につきましては、実は私どものほうとしては、まだ検討する段階に至っておりません。
  122. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 私はあなたにそんなことを聞いておるのじゃないのですよ。たとえば、いまの農地局長の言われるのを見ると、親松排水には金がうんとかかる。それだから、いまここの木戸排水と栗ノ木排水と栗ノ木川災害復旧をすれば幾らかかるということで、やるものとして見積って予算要求をして、そうして今度は、こっちのほうはやらないのだから親松のほうに使いたい。そういうもので一応三十何億という中に入れたと言われる。そんなことを会計検査院として認められるのか。そうすれば、たとえば新潟県でもってAという川があるとする。このAの川は災害を受けたから、これを復旧するにはこれだけかかるということで要求した。Bの川も要求した。しかし、Aの川はやらない。やらないとわかっておって要求だけした。そのかわりこの予算はBの川に使うんだというような予算要求のしかた、予算の使い方、これは補助金も違いますよ。補助金もいろいろ違ってくる。助成金も違ってくる。そういうようなことに対して、会計検査院は、それはいいのだ、何に使おうと、国の予算だから、これをやめてどこへ使おうといいのだ、こういう考え方なのか。それはいけないのだ、やらないなら一たん返して、そうして親松なら親松のほうに、足りないなら足りないでまた要求してもらってやるということなのか、どっちなんだ、それを会計検査院のほうに聞いている。
  123. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 ただいまのお話、先ほど申し上げましたように、ここの全体の問題につきましては、実は私どものほうでまだ検査をする段階に至っておりませんので、抽象的にお答えをいたしますると、たとえば災害復旧の場合に、非常にため池にどろがたまった、その災害復旧をいたします場合に、ため池のどろをさらうか、あるいはため池のかさ上げをするかというようなことで、効用を復旧するということで、一応代替施設をやるということ自身は必ずしも一般論としてこれはいけないのだということに、私はならないのじゃないかと思います。
  124. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 どうもあなたの言うこと、違っておりますよ。私はそんなことを聞いているのではないのです。一般的な予算を聞いているのではないのです。こちらがいま言っているのは、木戸排水機と栗ノ木排水機、栗ノ木川を、どのような災害であって、どういうような復旧をするのかと聞いたところが、復旧はしないのだ。しないなら、なぜここにとってある六億近くの金、五億九千九百余万円を返さないのかと言ったところが、そういうものを復旧するとすればこれだけかかるという仮定のもとにとった予算で、今度親松のほうのそれに金が足りないから、それを向こうに使うのだ、こう言われるから、そういうやり方がいいのか悪いのかということなんです。全体からとった予算じゃないのです。ここに局限されているのです。木戸排水と栗ノ木排水と栗ノ木川災害がどうであって、これをどうやって復旧するかと言って私が聞いたら、これは復旧しません、変更した。変更したらなぜこの五億九千余万円の金を返さないのだ。それは返さぬでもいいのだ。それはもらって、親松のほうが足りなければ親松のほうに使うつもりだと言うから、そういうことをしていいのか悪いのかということをあなたに聞いているのです。
  125. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 お答えが非常にまずいようで恐縮でございますけれども、先ほど申し上げましたように、災害復旧といたしましては、要するに、栗ノ木の排水機災害を受けたということによりまして、災害復旧をやる。ただ災害復旧と申しまするのは、御承知のように、現地に原形で復旧するということが原則でございまするけれども、法律の規定にもございまするように、不適当あるいは不可能というような場合には、これは効用を復旧するという形で行なうということも認められておりまするので、いま直ちに先生のおっしゃるように、すぐこれはいけないのだということをここで申し上げる段階には至っておらぬ、ということを申し上げたわけでございます。
  126. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それはあなた、とんでもない違いですよ。これからずっと各市町村で、Aの川の災害復旧費をとっていって、Aの川の災害復旧はやらない、この災害復旧費はBの川の災害復旧に使った、それでいいのですか。それをあなたに聞いているのですよ。
  127. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 私の答えが十分でないかもしれませんけれども、先生のおっしゃいますようなことでしたら、これは確かにいけないと思います。ただ、今度の場合が、先生のおっしゃるような事態に該当しておらぬのじゃないかという気がいたしておるわけでございます。ただ総体的な問題につきましては、先ほどからお断わりしておりますように、私どものほうでまだ具体的に何も農林省から伺っておりませんし、私どものほうで検査をいたしましたのは、あくまでも栗ノ木排水機揚水機の復旧に三億九千三百万円、栗ノ木川排水に一億六千三百万円かかるということの災害復旧の事業計画書が出ておりまして、それを農林省で御査定になったわけであります。それにつきまして、その査定がはたして災害復旧として適当であるかどうかという点について、私どものほうで調べたわけです。
  128. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 そういうことをあなたに聞いておるのじゃない。よく考えてごらんなさい。こっちが言っておるのは、木戸排水機と栗ノ木排水機と栗ノ木川災害はどの程度だと聞いていて、どうやって復旧するかと言ったら、いまいろいろ打ち合わせた結果、この三つは災害復旧はいたしませんと言う。そうすれば、ここに五億五千何百万もとった金は、しないなら一たん国庫に返さなければならぬ。新しい親松のほうも足りなければ足りないでまた増してもらうとか、やってもらうとか、やらないから要らないとか——少なくともいまの農地局長説明だと、これを返さないのは、これを計上してもらってここへ使わないかわりに親松のほうに使うのだ、こういうことで変更するのだ、そんな変更は、会計検査院のほうで許されるのかということです。
  129. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 どうも先生の御質問に対して十分なお答えができませんので、恐縮でございますけれども、栗ノ木川災害復旧をやらないのだということでございますれば………(田中(彰)委員「やらないと言っておるじゃないか」と呼ぶ)これはおそらく農地局長のお答えが、そう言っては失礼でございますが、多少足りないので、栗ノ木川災害復旧というのはやる、ただそのやります場所を、おそらく、私全体的のことは全部存じておりませんので、言い過ぎになるかもしれませんけれども、その栗ノ木川災害復旧、つまり効用の復旧なるものを現地のそこでやるのではなしに、ほかのところでやって、効用を回復させることを考えているのだ、こういうことではないかと思います。もしそういうことでありますれば、繰り返し申しておりますように、まだ全体のことは私どものほうで計算はいたしておりませんので、いまの段階で是非をここで申し上げるのは、少し、検査院としては早いと思いますけれども、一応抽象的な議論といたしまして、私はすぐに悪いということには相ならぬのじゃないかと思います。
  130. 大和田啓気

    大和田政府委員 私の御説明を補足させていただきます。  先ほども繰り返し繰り返し申しておりますことですが、栗ノ木の排水機災害復旧三億九千三百万円を大蔵省に要求をして、それが計上されたわけではございません。東新潟関係災害復旧費三十三億の予算説明として、栗ノ木川災害復旧をすれば三億九千三百万円かかるのだということを説明いたしておるので、この栗ノ木川の金として予算三億九千三百万円を計上して、これをかってに親松につけるということではなくて、親松といいますよりは、あるいは東新潟全体の災害復旧事業事業費説明材料として、栗ノ木排水機で原状復旧の工事をするとすれば三億九千三百万円かかりますぞという、そういう積み上げ計算の基礎を申し上げておるわけであります。したがって、一たん大蔵省から予算をとって、これをかってに親松に使うというケースではございません。
  131. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それはおかしいじゃないですか。あなたがこの予算を五十億なら五十億、三十億なら三十億の説明をするときに、いま聞けば、あなたが木戸排水機と栗ノ木排水機、栗ノ木川のほうはやればこれだけかかるのだ——実はやらないのだが、やらないものを、やればこれだけかかるのだ。こういうことを内容説明に用いたとしたら——これはやらないのだということで削って、そして親松排水機なら幾らかかるのだということで計上するならいいのです。これをあなたは説明をして予算をとってくるでしょう。私が、たとえばこれだけの事業をやるのだ、これには幾らかかるのだといって、銀行へ行って説明をして、今度ほかの銀行から借りるときに、やればこれだけかかるのだが、あれはやらないのだ、変更したのだ。これはおかしいじゃないですか。
  132. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 東新潟事業は、災害復旧事業でございますから、災害復旧事業というのは、災害があって、どこかがこわれて原形復旧するのが原則でございますから、したがって、親松その他の東新潟河川総合対策でどれだけの事業費が要るという場合に、災害復旧関係で原状を回復するとすればどれだけの金がかかるかという積算をやらなければ、災害復旧関係予算要求にはならないのです。普通の揚排水事業予算と違いますから、その点はひとつ御了承いただきたい。
  133. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 あなたおかしいじゃないか。私が聞いているのはこれなんですよ。木戸排水機と栗ノ木排水機と栗ノ木川はどのような災害があって、どのような復旧をするのか説明を聞いたのです。そうしたら、あなたは、これは災害復旧事業にこうやって計上したけれども、これはやらないのだと言われるから、やらないなら計上したこの五億という金、これを消すなり、取っておるなら返すなりしなくちゃいかぬじゃないかと言うと、あなたは今度は、それに対しては、親松排水機に金がよけいかかるから、そのほうへこれを使うのだと言うから、それは会計法としておかしいじゃないかということを聞いているのだ。みんなに聞いてみなさい。あなたは頭がどうかしているんじゃないかね。
  134. 堀川恭平

    堀川委員長 ようわかるように、ひとつ説明してください。
  135. 大和田啓気

    大和田政府委員 これは私のほうが先生におわかりいただけないのがはなはなだ残念なところで、先生がお持ちになっている資料は、内訳の内部的な資料ですから、ここに書いてありますように、栗ノ木排水機なり木戸排水機なりの災害復旧事業をするとして、たとえば栗ノ木でいえば、三億九千三百万金をかけて現実に工事をしますぞという資料ではないわけであります。
  136. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 工事すれば幾らかかるというやつでしょう。
  137. 大和田啓気

    大和田政府委員 そうです。工事をすれば幾らかかるかということは、三十三億の災害復旧を説明する場合に、全体としては、現地で栗ノ木の排水機がこわれたからといって栗ノ木の排水機を修理するわけではございませんから、親松のほうの、いわば代替効果をねらって、かわりに親松事業をするわけでありますから、親松工事を呼び起すために、栗ノ木で原状で災害復旧をすれば幾ら金がかかるかという積み上げ計算の基礎なのでございます。したがって、栗ノ木の排水機災害復旧工事をこれだけかけて事業をやるのだという意味の資料では毛頭ないわけです。おわかりいただけないのはまことに残念です。
  138. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 毛頭ないものを、積み重ねとしてやったというわけですか。
  139. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほど申し上げましたように、災害関連事業であくまで、新しい揚排水事業事業費の積算でありませんから、新しく災害関係なくて、たとえば東新潟で大きな排水事業なり揚水事業なりやるとすれば、何も災害関連の、こういう栗ノ木排水機で幾ら金がかかるだろうというような計算をする必要はないわけです。あくまでも東新潟全体の災害復旧事業ですから、原形で災害を復旧するとすればどれだけ金がかかるかという見積もりをしただけでございます。
  140. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 どうもおかしい。これはあとであれするとして、どうもあなたのおっしゃっていることはわからないのだ。たとえばこの国会なら国会がこわれた。そして玄関のこわれ方には幾ら、便所のこわれ方には幾ら、この委員室のこわれ方には幾らと、こういうものを見積もって出すわけだ。そうでしょう。そこで玄関も直さぬでいい、この玄関をつぶしてしまえ、この委員会の部屋も要らない、これもつぶしてしまえ、便所も要らない。そのかわり向こうへ持っていって、それにまさったものを、やろうじゃないか。その場合に、この見積もりで受けた予算をそこへ使おうじゃないか。その考え方は私は違法だと言うのです。たとえば、河川局長がおられるが、橋が三つ落ちてしまった。そこで、この二つの橋は要らないなら要らないでいいんです。この二つの橋は今度は排除して、ここへ一つまん中へでっかいいい橋をかけようじゃないかというので予算をとったのならいい。ところが三つ落ちたやつ、この橋を災害復旧をすれば幾らかかるか、この橋は幾らかかる、もう一つの橋は幾らかかるか。けれども、こうやって予算を見積もってそして、請求して、そうしておいて、これを二つを排除して一つをやるということは、これは違法だと言うのです。建設省もそういうことをやっていませんよ。どうです。
  141. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 さっきの道路橋の場合でございますが、これがつぶれまして災害復旧を要求した、A橋、B橋、C橋、それぞれ災害復旧費がついたわけでございます。A橋、B橋、が非常に近くて、しかも幅が狭くて、二橋を一橋にする場合、そういう場合には、少し幅を広げてあげないと地元の方が非常にお困りになる。自動車の交代もいままで両橋あったからできた。しかし今度は一橋にして前の幅でつけましたら、自動車のゆきずり合いもできない。そういうときには、二橋の災害復旧費を使いまして一橋にできるわけであります。そして幅をある程度広げることもできる。従来の機能を復旧することがたてまえでございますが、ただ、非常に離れて、両方が機能的に全然分離している、この橋は要らないという場合に、この災害復旧費は当然廃工になる。やらない場合は、こっちだけ復旧をします。こういうことです。
  142. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 使えないでしょう。流用できないでしょう。
  143. 古賀雷四郎

    古賀政府委員 流用はしません。廃工になります。
  144. 大和田啓気

    大和田政府委員 もう一度申し上げさせていただきますと、流用でないのです。栗ノ木の排水機予算はきまっていないのです。ですから、きまった予算の流用ではないわけです。  もう一つ申し上げたいのは、あくまで災害復旧事業ですから、災害復旧というのは原形の復旧が原則なんです。原形が復旧しがたい場合は代替事業をするという規定が御承知のようにあるわけです。したがって、東新潟のこの全体の事業災害復旧助成事業ですから、原形で復旧すればどれだけ事業費がかかるかという積算の基礎を示さなければ、この事業予算の要求はできないわけであります。その点、さっき国会が災害を受けた場合の例をお話しされましたけれども、国会がえらい災害を受けて、その国会は建て直さないで別に国会をつくるというような場合に、災害復旧事業ならば当然災害復旧関連事業になってこの国会を原形で災害復旧するとすれば幾ら金がかかるということは、全体の新しい事業の一つの部分として積算されなければならないわけです。ですから、おわかりいただけないとすれば、たいへん残念なんですけれども、栗ノ木の排水機予算を要求して、予算が計上されて、それを他に流用するという性質のものではなくて、あくまで親松排水工事を含めて、東新潟災害復旧助成費を三十三億とる過程で、栗ノ木を原形復旧すればこれだけ金がかかりますという算出過程というふうに御了承いただきたいと思います。
  145. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それじゃあなたのほうで、親松排水だけでこれをこうやるならば概略幾らというのは、こういうものの過程といえども、こういうものを入れないと、予算の積み立てができないのでしょう。また向こうも許すのは、これだけのものをやるんだから、これは幾らこれは幾らというのを集めて三十何億許すんだから、やはり木戸排水機、栗ノ木排水機、栗ノ木川はどんな災害だから、これを復旧するのは幾らかかるかということを説明して予算をもらうんだと思う。あなたは初めからこれをやらないという頭があるから、やらないでいいんだ、代替的には金をとるには、こうやってもらわなければいかぬけれども、金をとればやらぬでほかに使えるんだということは、決算としてはだましとるということになる。これだけでもらえないから——あなた、そんなこと簡単じゃないですか。こんなものやらないんだ、こんなもの要りませんから、親松排水路工事をやるには幾ら金がかかると出したらいいじゃないか。
  146. 堀川恭平

    堀川委員長 田中委員、きょうは本会議もあるものですから、よく研究しておいてもらって、保留しましょう。
  147. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 これはあとにしましょう。  その次に、親松排水機及びその付帯工事費は災害助成事業費として計上されているが、その上に災害復旧事業費として、また特殊排水事業費として、このほかに二十億六千三百余万円が計上されているが、実際目的地は災害の復旧をせず、全く別のところに新規事業を実施するための予算の財源をかかる方法で支出する例はあるが、これからの事業費はそれぞれ法令によって補助費は違っているはずであるから、新規事業を進めるためにかかる無理な財源の求め方をすることは法令上よいのであるか、このことは会計検査院に聞きたい、こう出てくる。あなたのいまの親松排水路に金がかかる、けれども、今後は親松排水路補助金でやるのか、災害復旧でやるのか助成金でやるのかは、いまあなたが計上して下積みにされたという——委員長、この次にしようという、この次でいいですけれども、木戸排水機とか栗ノ木排水機とか、栗ノ木川というのは災害復旧なんです。一番率のいいもので積み重ねてもらうわけだ。ところが、今度は栗ノ木川のことをやるときに全部が災害でやれればいいが、災害でやれない分が出たりすると、この率のいい、補助金をもらったものでやるというのはおかしいじゃないか。これは今度はあなたのほうと議論はあとにしましょう。いまのことも説明してください。親松排水機親松排水路及びその付帯工事費は災害助成事業費として計上されているんだ。そうすると、あなたのほうの計画された親松排水路親松排水機災害助成事業費として計上されておるならば、いまのあなたが積み重ねた、先ほど私が言ったのはこれは災害復旧費だ。この補助率が違うわけだ。こういう点にもここに——会計検査院の方よく聞いておいてください、大きな違いが出てくるでしょう。そこで今度説明を聞きたいのは——こっちはあとにしましょう。その上災害助成事業費として、また、特殊排水事業費として、このほかに二十億六千三百余万円が計上されているが、実際の目的地は災害の復旧をせず、全く別のところに新規事業を実施するための予算の財源をかかる方法で支出する例はあるが、これらの事業費はそれぞれ法令によって、補助費は幾らあるいは災害復旧費は幾ら、こういうものは新規事業幾らと違っておるんです。それをこういうぐあいに無理な財源を求められたときは、法令上での違反じゃないのか。このことは、会計検査院からもひとつ私は御意見を聞いておきたい。さっきの私の言ったことはここで当たってくる。いいですか。こちらが積み重ねたものは、災害復旧費で幾らかかるとやってある。今度は、ここで使っている金は、予算はあなたのほうで三十何億予算してある。この親松排水路親松排水機、その他の付帯工事は、これは災害助成事業費ですよ。そうすると災害復旧費でとって、予算の少ない災害助成費で使うということです。農地局長、きちっと勉強したほうがいいよ。それを私が言うのです。会計検査院、わかるように説明してください。
  148. 大和田啓気

    大和田政府委員 先ほどから毎々説明しておるところで、繰り返しになって恐縮でございますけれども、全体のその事業費は三十三億でございます。そのうちで災害復旧事業費の十四億四千八百万円というのは、被害を受けた個所を原形復旧するにはどれだけ金がかかるかという金額でございます。それからさらに新潟地区排水、特別排水事業費というのは、栗ノ木の排水機のところで増強するために、前々から排水事業を行なおうと、立案しようとしていた事業費八億でございます。この八億と十四億四千八百万円とを足しましたものを、全体の三十三億から控除いたしますと、それが災害助成事業費、これはいわゆる災害関連事業と呼んで、単に原形復旧するばかりでなしに、この際ここを直さなければまた再度災害を受けるからということで、災害関連で事業をいたしますものが十億四千九百万円でございます。したがって、三十三億の内訳で、この事業費三十三億のほかに何か二十億特別な金がまた使われるという趣旨ではございません。
  149. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 あなたに聞いているのは、それを聞いているのじゃないですよ。前の問題は、いま委員長からあとでやれというからあとですることにして、議論を続けないけれども、あなたがさっき言われた親松排水機親松排水路及びその付帯工事費は、災害助成事業費としてあなたのほうで計上しているわけだ。災害復旧費じゃないですよ。いいですか、しておる。また、特別排水事業費としてこのほかに二十億六千三百余万円が計上されておるが、実際の目的地は災害の復旧をせず、全く別のところに新規事業を実施するための予算の財源をかかる方法で支出する例はあるが、これらの事業費はそれぞれ法令によって補助費は違っておる。その新規事業をするためにかかる無理な財源の求め方をすることは法令上よいのであるのか、あるいは悪いのか。この意見を私は会計検査院のあなたにお尋ねしたい、さっき農地局長が、親松排水路親松排水機と、復旧事業を計上して、その金が足りないからこっちに使ってもよい。あなたもそれは関連だからいいと言われたが、片方の親松のやっておるのは災害復旧じゃないのです。助成金です。助成事業。そこで違ってくるわけだ。補助率が違ったものを使っていいかということです。
  150. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 先ほどから繰り返して申し上げておりますように、全体的な問題につきましては、私どものまだ検査する段階に至っておりません。非常に抽象的になりますけれども、私どものほうで理解しておりますのは あくまでも栗ノ木川災害復旧工事をやる。つまり、ただ栗ノ木川災害復旧工事をやります場合に、何回もお話が出ておりますように、災害復旧というものは原形に復旧するということが原則でございまするけれども、それが非常に不適当だあるいは不可能だ、困難だというような場合には、効用復旧するという形で行なうこともございますので、いまお話しの点を、ここですぐにどうという結論を出すことは、私どもとしては差し控えたい。
  151. 堀川恭平

    堀川委員長 田中委員に申し上げます。この辺でひとつ保留して……。
  152. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 こういうのはよくやっておかぬと——おかしいじゃないですか。いまのこれが、親松排水機親松排水路及びその付帯工事災害復旧で出ておるならいいです。災害復旧費でもらって計上したものが、災害助成事業として出ておる。そうすると災害助成事業補助金災害復旧の補助金とではだいぶ違うのです。それをさっきの農地局長も言われて、親松のほうで足りないから、これを積み重ねたのだから、これに使ってもよいのだということだから、いまここに出ておるものが災害復旧として出ておるならいいのです。片方は助成事業費です。そういうことの食い違いは、会計検査院で、あなたどう考えられるか。災害復旧分は災害復旧に使ったらいい。いま河川局長お話しのように、うんと離れたらいけないけれども、近寄っておればいい。ところが片方は災害助成事業です。片方は積み重ねたものは災害復旧費ですよ。これをどういうぐあいにするか、ちょっと会計検査院、あなた言ってごらんなさい。
  153. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 先ほどから繰り返して申し上げておりますように、私どものほうとしては、これは栗ノ木川排水機場のほうの災害復旧事業と見ておるのです。ただ、先ほどから申し上げておりますように、栗ノ木川排水機場の災害復旧というものは、そこの位置に原形を復旧するというのが原則でございますけれども、法律にもございますように、不適当だとか不可能だとかいう場合は、その効用を復旧するということの方法も考えられるだろう。したがいまして、その際にいわゆる災害関連と申しまして、多少災害関連事業費をつぎ足しまして、さらに従来よりもりっぱなものにするということも、これは一応法律上も考えられることでございますので、ただ一般論として、そういうことはいけないのだということは、私どものほうは考えておらないということであります。
  154. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 あなた、災害助成費とそれから災害復旧費と同じものだと思うのですか。
  155. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 災害関連と申しまして、現在の位置に原形で復旧するのが原則でございますけれども、この際多少の改良的な超過的なことをやったほうが将来のために非常にいいという場合には、災害復旧事業費は原形復旧ということで組みまして、それといわゆる改良事業というものとの合併施行という形で、関連事業費をつけることがございます。したがいまして、この具体的な問題につきましては、私どももこれから将来検査いたします。その検査いたしました結果でなければ何とも申し上げかねますけれども、そういうことはあり得るということを申し上げたわけであります。
  156. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 私があなたに聞いておるのはそうじゃない。災害助成費と災害復旧費と同じなのかということを聞いておるのです。補助率が違うじゃないですか。あなた、会計検査院なら知っているでしょう。
  157. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 ですから、同じじゃないのです。災害復旧はあくまでも災害復旧です。ただ原形に復旧するだけでは、多少この際超過工事をやったほうがいいんだという場合に、その超過工事をやる部分災害関連事業費というもので見ているわけです。したがってその分については、改良部分については、補助率も低いということになっております。もちろんおっしゃるとおり、あくまでも災害復旧の補助と関連事業とは違います。ただ合併施行して、災害復旧のほうは九割何分、それよりもさらに補助率は低いんだけれども、低い補助率をつけて、従来よりもりっぱなものをつくるということも、予算もございますし、現行法のたてまえ上も認められておる、こういうことを申し上げたのであります。
  158. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 どうも、会計検査院はちょっと考え違いをしているのじゃないですか。片っ方は災害復旧費でこれを積み重ねて、計上で予算を出した、それでいいのです。災害復旧費でもいいのです。それで足りなければ補助してもいい。けれども、ここに親松排水機親松排水路及びその付帯工事は、災害の助成事業として、別な事業としてこれを要求しているのですよ。そこへ持ってきて、離れたところの災害復旧費をここに持ってきて使っている、こういうことをしていいのかということを聞いているのですよ。そうすれば、これから災害復旧でもって予算を取って、みんな災害の助成に合併して、使えばいいじゃないですか。
  159. 堀川恭平

    堀川委員長 本会議もあるから、あとは保留ということでこの程度で……。  次会は、明十一日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十二分散会