○角屋
委員 私は冒頭に、わが党から
提案しておる
ベトナム問題の
平和的解決に関する
決議案の
取り扱いについて、明日まで会期のある今日この時点で、単に数だけでこれを処理するというのには、問題はきわめて重大な
内容を含んでおります。したがって、やはり与党は与党、野党は野党としての議論は十分尽くす必要がある。これは、単に簡単に採決で処理するという
内容のものとは性格的に違うと思います。その点については、
委員長としても十分この
取り扱いについてお
考えを願いたい。
同時に、先ほど来
中嶋君と
伊能さんとの間でいろいろやりとりがありましたが、私は、わが党が書いている
決議案の
内容については、わが党の
立場からの
見解というものが
内容的に入っていることは、これは当然のことであります。しかも、先ほど来言っておりますように、
内容については
各党の
話し合いの中で、三党で
一致する方向でまとめるということについては、何らわれわれとしても拘泥していないという
立場も表明しておるわけですが、ただ、私は、この
機会にやはり
考えなければならぬことは、
ベトナム戦争は非常に深刻な
事態にきている。しかも、これは
アジア地域で起こっている。何といっても、
日本の動向とか、あるいは
中国の動向とか、こういう両国の動向というものが、
アジアにおける平和的問題については、重大な影響を持っておるということは否定しがたい事実であると思う。と同時に、
日本は、申し上げるまでもなく平和憲法を持っている。そういう
立場から、こういう紛争
状態に対して、
日本が平和憲法を持っておるという
立場から、やはりわれわれ
国会の
意思というものも十分
考えていく必要がある。
同時に、私は今度の
ベトナム問題をどう見るかという具体的な中身に入ってくると、与党は与党なりに、
社会党は
社会党なりに、ものの見方には若干差異が出てくると思う。ただ、お互いにここで
考えなければならぬことは、私は、
ベトナムにおける紛争の問題でも、過般の列国議会同盟のおり
各国を回ってきたのですけれ
ども、
アメリカ自身が、御承知のように、いまから百八十九年前に、
イギリスの植民地から独立
戦争によって独立して、そして
一つの国を形成してきたという歴史的経過がある。したがって、こういう
ベトナム紛争にせよ、キューバにせよ、あるいはドミニカにせよ、
各国におけるいろいろなこういう紛争問題について、
日本政府としても、あるいはそれを鞭推する
立場にある与党としても、
アメリカのこの種問題に対する見方、つまり、私が言うならば、二十世紀の今日の時点あるいは今後の問題の中では、植民地主義というものは清算されていかなければならない段階にきておる。そういう
世界史の動向の中で、
ベトナム紛争を一体どう見るのかという点について、やはり
アメリカの偏狭なまでの
軍事行動の中では、そういう歴史の歯車に対する判断、あるいは客観的な問題認識について、欠ける点が多いのではないかということを感ずるわけです。そういう点では、われわれがこの問題についてどういうふうに表現しているかという点については、与党からは与党としての用語上の
意見はあると思いますけれ
ども、しかし、これは私は必ずしも一方的というわけにはいかないと思う。
アメリカとの御関係の深い
政府や与党の
立場でも、パートナーシップとして、もっと
アメリカの対外政策というものについて、歴史の歯車に逆行しない方向に、正しく問題が運行していくようにいたしていくということが、絶対必要な段階にきているのではないかということを痛感しております。
冒頭に申し上げましたように、
内容の議論は別としても——議論は別としてもと言っても、板付の問題や
沖繩からの発進問題ということに今日なってきておる段階で、与野党で
意見がまとまらずに、
ベトナム問題については、
国会の
決議一つできなかったという姿そのものは、私は、
国民から見れば非常に不幸な姿だと思う。したがって、明日にかけて、私の
気持ちとしては、さらに十分
話し合いを進めて、最終的にまとまらなければ別ですが、
努力を願いたい。