○三木(喜)
委員 長官は御就任になってまだ日も短いことですし、これ以上内容について云々することはかえって失礼かと思いますので、このくらいでおきたいと思います。それとまたきょうの
予算委員会の関係もあるだろうと思います。ただ私が申し上げておきたいのは、アメリカの原子力船のサバンナ号でもいまも運航に非常に金がかかり、半分
政府が出して、半分は民間で出してくれということで、この間まで
日本は原子炉規制法まで改正して、サバンナが入ってくるのかもしらぬと思って待たされたけれ
ども、このごろはしりつぼみですね。さっぱり用をなさぬかっこうなんですね。そういう
状況になってきておるのに、あえてつくらなければならぬかということと、もう
一つは東海村の発電原子炉の工事が一年おくれて、しかも七十五億も上回ったわけですね。こういうようないままでの苦い経験がありますから、これをうっかり産業界がまじめに要求し、まじめにそれを遂行しようとしましても、やはりこういう客観情勢もありますから、この際
考えていただいて、
——ある新聞によりますと、「白紙還元か」という文章で書いてありました。朝日新聞には「大幅に手直しか」ということが書いてあります。規模を縮小するか、それとも六十億そのままで押していくかということを書いてあって、これは想像でしょうから責任は皆さんにないと思いますけれ
ども、そういう客観的な情勢の上に立って御
検討を願いたいと思います。
それからもう
一つだけ、いろいろ申し上げたいことはありますけれ
ども、時間的な制約があろうと思いますから……。
大臣の
所信の中にも、今後国際的に協力をしたり、国際的な視野に立って科学
技術の
推進に当たらなければならない、このようにおっしゃっております。なるほど私
たちもそのように思うわけでありまして、国際的な視野に立とうとするならば、
一つにはそれだけの機関を外地に持たなければならぬ。昨年私ヨーロッパへ行かしてもらった。前の
大臣とかわっておられますから、また同じことを言わなければならぬわけですけれ
ども、科学アタッシェは非常に忙しく外交官の
役割りをしておるわけです。科学それ
自体の仕事は忙しくてやれないのですね。これでは、外務省からも見えているわけですけれ
ども、外務省の手助け
——それは外交的な面も
多分にあるのでしょうが、しかしながら科学アタッシェそれ
自体の仕事のできるようなそういう立場に置いてもらいたい。それにはやはり人員をふやさなければなりませんし、国際的な視野というものが有名無実になると思うのです。
これが
一つと、もう
一つは、国際的な視野に立つならば、先日私は欠席したのですけれ
ども、岡さんのほうから科学
技術基本法の問題についても
質問をされておりましたが、その中でやはり核兵器を禁止するという、われわれはこういう大きな視野に立たねばならぬと思うのです。これはいままで原水禁運動として社会党の運動にしましても、共産党の運動にしましても、民社党の運動にしましても、三つに分かれてしまって不幸な結果を見ておるわけなんです。さらに自民党のほうは、これについてこのごろ鳴りを静めておるということですけれ
ども、こういう核兵器の時代からいよいよ核平和利用という時代に推移するとするならば、
日本は国際的な視野に立ち、あるいは国際協調の上に立ってものを進めていこうとする場合には、この姿勢をやはり打ち出していただくことがいいのではないか。何かあなたのほうの政党ではこういうことを言うのはタブーのようなかっこうに見えるわけなんですけれ
ども、
科学技術庁の長官としては、これは
日本が一番に原爆の被害を受けた国ですから、私は
世界に言っていいときだと思うのです。そういう立場からひとつ
所信を表明していただき、またそういう立場で
日本の態度を鮮明にしていただきたい、こういうふうに思うのです。
また次の
機会にそれらの詳しい点につきまして私の
意見を申し述べたいと思いますけれ
ども、本日はこの程度におきまして、要望の程度にとどめておきたいと思います。