○岩間正男君 時間がないようだから、向こうで呼ばれているようですから、一ぺんに総括して聞きますから、総括して答えてください。
私は、
政府資料を見ても、賃金の
比率は一貫して下がっており、逆に利潤
部分が上がっておる、これは明らかに逆行だと思います。
それから、
政府の独占価格の問題ですが、本来なら下がるところだが、賃金が上がるので下がらないと、経企庁なんか
説明しているわけですね。これは全くのごまかしではないかと思うのです。独占価格をつり上げて、また、つり上げないまでも、生産性向上に見合う当然の価格調整をこれはサボっておる。
それから、
政府は、
中小企業製品や対個人サービス業、農林
企業の生産物の物価が上がっておるのは労働者の賃金が上がっておるからだと言っておるが、それが
原因ではない。独占価格をつり上げる、ことに公共料金という名前の独占価格をつり上げる、それがみなはね返ってくるから物価値上がりがきているではないか。これははっきりしていると思うのです。
それから、それと関連して、水道料金の問題ですが、物価値上がりの大きな
原因として、公共料金の値上がり、これが非常に大宗をなしていることは事実だ。先ほど言ったように、これは独占物価です。公共という名前で国家独占資本主義的なやり方で新しい収奪の形がとられておる。田中蔵相は、公共料金の安定のために起債、融資等の調達で特別の措置を講ずると答弁しておるが、これはどうなっておるか。私はお聞きしたいのだが、起債をふやせば、はたして公営
企業の赤字は解消するのか。かえって元利償還がふえるばかりではないか。たとえば東京都の一般水道会計を見ると、赤字と言われる
部分の大
部分は、拡張費と元利償還費から成っています。これを料金を値上げしてまかなおうとしているが、現実にこれでいいのか。東京都の現状から言えば、拡張費はまだまだ拡大されるだろうし、したがって元利償還はますますふえるばかりで、さらにもう料金値上げが必至になる。イタチごっこです。これでは、物価安定どころか、まさに意識的な物価値上げ政策、こういうことになる。シャウプ勧告以来、公益
事業の独立採算制をとっているが、これはアメリカ式な住民の収奪政策の継続ではないか。田中蔵相は、公益
事業は応益主義、受益者負担が原則だと言っているが、あくまでこれを貫く気持ちかどうか。次には、
工業用水道の場合などは、一般用と違うのではないか。東京都の
工業用水道には、国庫補助に加えて、一般会計からの補助や起債を許して、料金は据え置きにしている、こういうこと。この額は幾らになるのか。こういうやり方では非常にこれはおかしいじゃないか。一般用水道の場合とまるで違うじゃないか。一般の場合は、応益主義、受益者負担ということを言っているけれ
ども、
工業用の場合は全然この原則は破れている。
政府の言う独立採算制、応益主義、受益者負担の原則とは、このように独占にはそのワクを適用せず、国庫補助や起債でこれを擁護し、そのしわは一般住民に寄せている、こういうかっこうじゃないか。ですから、結局まあ一般用の水道は、これは大体トン当たり十五円、
工業用は四円五十銭ということ。新料金では、東京都の場合は二十一円四十五銭になるわけです。ところが、
工業用は四円五十銭であくまでも据え置き。これは東京都議会で一応否決されたわけでありますけれ
ども、これについてどういうような
考えと処置をとるのか。これは単に水道だけじゃない。電力、ガスなどの場合もみんな同じです。電力料金は、一般の場合は十二円から十一二、四円、
工業用は四円から五円ぐらい、こういうかっこうですが、この問題について、
工業用を値上げし、一般用の水道料金の値上げはやめる、こういうはっきりした政策を国民の要求に従ってやる必要がある。
最後に聞きたいのは、国鉄、電力、鉄鋼、石油などの重点産業に入っている外国資本です。そのうちアメリカの資本が幾ら入っているか。その融資
条件はどうなっているか。アメリカ資本との合弁会社は全体の何%あるのか。それから技術導入中アメリカからの技術導入の
比率は幾らか。一九六〇年以後のアメリカとの貿易について、入超は幾らになっているか。その結果、アメリカ資本に対する利子配当、パテント料は幾ら支払っているか。そうして、このように
日本経済はアメリカの支配の
もとにある。物価値上がりの
一つの隠された大きな
原因になっている。アメリカの資本が背後から支配している。国民の目には見えない。それははっきり私は、この物価値上がりの
一つの大きな
要因として
指摘しなければならないという問題がここにあるのです。国鉄運賃の値上がりのときに、融資
条件がつけられた。国鉄の合理化、それから適正な運賃、そうして四年前のあの物価値上がり、現在の値上がりの一切の突破口がここで、一四%でしたか、あのとき開かれた。ところが、当
委員会でこれが問題になった際に、七年ほど前に十河総裁は、私の在職中は運賃値上げをしませんと私に答弁をした。私は、この問題がありますから、あの四年前の値上げのときに、
予算委員会でこれを突きつけたのです。ところが、国鉄総裁は、いやこれについては深いわけがございます。私は上げたくないけれ
ども、岩間さんどうぞ了承してくださいと言ったので、満場爆笑したことがある。われわれは反対したけれ
ども、多数決で通った。通るとすぐパン・アメリカンでアメリカに飛んだ。八千万ドルのこれは世銀借款をちゃんと成立させて帰ってきました。新東海道線につぎ込んだ。
考えてみるというと、はっきり世銀の融資
条件です。この中には、国鉄の合理化、そして適正な運賃というかっこうでの一四%の値上げ、これが一切の値上がりの突破口を切り開いたという歴史的なはっきり背景を持っているのです。
私は、こういうことを
考えますというと、アメリカのこれは支配、しかも重点産業に対して、これは合弁会社のかっこう、それから向こうからの外資導入の形、技術導入の形、こういう形でこれが入るときに、
日本の産業自体がこれは全く支配され、そうしてそれによって運賃というものが、あるいは生産性の向上に伴うところの当然の値下げをすべきなのに、これをさせない。さらに運賃を上げるとか、こういう
事態が起こっているのです。だから、われわれのパン、それから町を歩いているお嬢さんたちの電髪の中にだって、はっきりこれはこのようなアメリカの支配が入っているのだという事実を私は明らかにしたいと思ったが、非常に時間がなくて残念ですけれ
ども、以上たくさんのことを申し上げましたけれ
ども、これについて大蔵
大臣の御答弁を願いたい。