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藤田藤太郎君 まあ
フランスの
児童手当を
一つとって見ますと、一九六三年で最低
賃金が二万三千五百円、大体一〇%くらい上がったと見て二万五千円だと私は思うのです。その
フランスの最低
賃金に対して、第二児は二二%、第三児以下は三三%、十才以上の者は五%プラスという
かっこうになって子供を守っているわけですね。四十才ぐらいの子供の多い人は困る、というのは、要するに同じ給料をもらって、子供のある人とない人とを並べておるから苦しくなるのであって、そういう分析も十分にしてみて、
児童手当をおやりになったらいいのではないかと私は思うのです。労務
対策費で出ておる家族手当で、たとえば妻の千五百円なり第一子は千円、第二子は六百円、第三子四百円であとゼロ、こんな家族手当、
児童手当は本来の姿とは全く違う、それを生き写しにして生別家族には千円、六百円、四百円、このごろ千円くらいに上がりましたけれども、そういう
社会保障としての
児童手当が、そういうところからどう
概念が出てくるかと私は言いたい。しかし、私はここで
議論いたしません。いずれそういう
議論をするところがあると思いますけれども、そういうようなものの
考え方が、
社会保障という
概念がはっきりしていないから、
厚生省、
社会保障というのはいかにあるべきかということがはっきりしていないから、
社会迎合的な、事業者迎合的な生別家族に第一子から下になったらしまいになる家族手当、生別家族の
児童手当が生まれてくると思うのです。これは
社会保障とは縁のないものだとは私は言い切りませんけれども、
社会保障という
概念とは全く逆な方向にものの
考え方がいっていると私は思うのであります。だから、いずれにいたしましても、時間がないのでもうしゃべることができませんけれども、ものの
考え方というものは、
社会保障というのはいかにあるべきかということをきちっとしてもらいたい、これはお願いでございます。
それからもう一、二点聞いておきたいと思うのです。
一つは
国民健康保険の問題でございます。もう
一つは医薬品の問題でございます。健康保険の国保の問題でありますけれども、国保のいまの市町村が困っている
現状というのは、私が
説明せぬでも皆さんよくわかっていると思うのです。ですから先日、
厚生大臣の発言を聞くと、趣旨は全額負担せにゃいかぬという御
意見がありました。大体四百円くらいかかっているのが二百円ぐらいでとどまっている、また、昨年度の定額分と調整分とで百二十一億ですか赤字がある、これはいずれその定額分のほうは順次出ていくと思うのですけれども、事務費の欠損分や調整金の欠損分は三十九年度末で打ち切られるのではないかと私は思うのです。そういう
措置をどうするのか。それから九・五%値上げによって三十九年度は一応カバーした
かっこうになっているけれども、四十年度は四分の一しかカバーしていない、市町村の財政を困難にするやつをなお拍車をかけているような結果になりはせぬか、私はそういうものをずっと見てみますと、
医療費問題は、いま
社会保険審議会、
社会保障制度審議会でやっていますから、これには触れたくないのです。先ほど申し上げました
社会保障の基本というものがはっきりしてきたら、そんな問題はいま審議会でどういう結論が出るか知りませんけれども、費用がふえたら費用計算におっかぶせたらいいという思想は私は生まれてこないと思う、ここであまり触れませんが。さしあたって国保の問題、たとえばきのう、おとといの報告を聞くと、高いところは十万円、一年間の保険料が十万円、
所得がある人だからとってもいいというなら、そういう十万円の保険料をとるなら、なぜ頭打ちにするかという
議論が出てくると思う。目的的な税ですから一定限度で切るんだというけれども、それはものすごくたくさんの
所得のある人に私はやっぱり負担をしてもらうという道を開かなければならぬ時がきておるのではないかと思うのです。百五十万かそこらのところから上は十万円だということになったら、単にたくさん金を持っておるとか、たくさん株主配当をもらって
所得があるというならともかくとして、
勤労者が勤労して得た
所得の中から十万円も、そんな保険料をとられるということになったら、私は皆保険といっても悲劇だと思うんです。だから、そういう点でこの赤字の解消をどうするか、それじゃ国保をどういうぐあいに改めていくのか。もっとこまかく言えば、事務費の問題その他ありますけれども、そういうことについて御見解を聞きたい。
それから市町村会で国保の赤字は
一般会計から補給しないという申し合わせをしておる。現実は赤字が出るのがわかっているのに、そういう申し合わせをしていったら、国保はどっち向いて走っていくかということ、そのはしりが豊中市のように市会で国保返上論が出てくる、ことしは
一つか二つでありましょうけれども、年を経るに応じて問題は深刻な状態になる、私はそう思う。だから、
厚生大臣はこういう点ぜひともひとつ力を入れて御配慮を願いたい、こう思うんです。所見があったら聞いておきます。