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政府委員(
小山進次郎君) 金額は後ほど調べて申し上げます。不幸にして、診療所については、診療所に一番
関係の深い
日本医師会の同意がどうしても得られませんでした。そこで、どうするかということになりまして、
昭和三十五年はやむを得ず病院について公的医療機関を調べたのでございます。この
調査結果は完全にまとまって発表されております。遺憾ながら、しかし、これは公的医療機関である病院の結果だけでございます。診療所についても公的医療機関である診療所を行ないましたけれ
ども、これは何と申しましても診療所のごく一部でございますから、診療所の全体を論議する場合にはほとんど役立たないような資料になった、こういう経緯がございます。それから三十九年度でございますが、これもどうしてもやりたいということで、ここ一年以内と申し上げていいくらい担当の
局長が中心になって
調整につとめてまいったのであります。まず、いままで医療担当者側が一番懸念をしておりましたのは、単純に実態を調べてその結果で医師の生活がどうこうという議論だけをされては困る、現在の医療の経営には一つのゆがみがあるんで、そのゆがみがある状態があらわれてくるような面を問題にしなければならぬ、こういうような考え方を持っておったわけであります。まことにもっともだ、したがって、
現状がどうなっているかということを調べる場合に、単に収支がどうなっているかということだけではなくて、それはどういう稼働状態のもとにおいてどうなっているかということがあわせてわかるような
調査にしましょう。それから、この
調査結果がまとまりますのは、通常二年間と従来言われております。しかし、これは努力をすればもう少し早めることができるわけであります。その間に医療報酬について何か手を加える必要が出てきた場合に、実態
調査をしているということがそういう問題を取り上げることの障害になっては困る、それはそれで臨時の措置は考えらるべきだ、こういうことが医療機関側の一つの考え方であります。これも大筋としてはわかる。そういう事態にはそういう事態に応じたやはり処置のしかたがあるであろう。それから第三の問題は、そういう
調査をする場合に、医療機関側だけの
調査では困る、支払い側であるところの保険者の状況がわかるような
調査もあわせてしてほしい、こういう主張でございます。これもわかる。ただ、率直に申しまして、保険者というのはすべてこれ公的な存在でございますから、決算を見れば全部わかるようになっているわけであります。一体、それ以外にどこがわからなければならぬかという点については論議の余地は残しますけれ
ども、大筋として両方調べなくちゃならぬという主張もわかる。そういうことで、実は昨年の前半は話がかなり軌道に乗っていたというふうに、私
ども担当
局長の
報告を通じ、また側面から見ても、さように感じておったのであります。ところが、不幸にして内閣更迭後直ちにあの
調査には応じがたいということを神田厚生
大臣が新任されましたところそれから旬日を出ないうちに申し入れがあって、どうもその後話が進みかねている、こういうような状況でございます。
それから第二の、三十九年度の
先ほどお話にあった三千二百万あるいは五千万という
調査がどういうものであったか、しようとした
調査がどういうものであったか、こういうことでございますが、実はこれは両方の金額は決して間違いではございません。
小柳先生がおっしゃった三千二百万というのは、いま議論されておりまする
調査の根幹をなす医療機関の実態
調査でございます。それ以外に、保険者の財政力を
調査する問題、それから医療機関が購入しております薬の平均薬価を
調査する問題、それから薬の実勢価格を調べる問題、医療機関がどれだけの値段で薬を買っているかというようなことを調べる問題、かれこれたぶん五つになったと思いますが、この五つの
調査が、厚生省の医務局を中心として、薬務局、社会保険庁、あるいはそういうところが分散して計上されておったわけであります。そういうものを全部集計いたしますというとちょうど五千万前後と、こういうことになるわけであります。これが三十九年度において用意されておった医業経営
関係の費用でございます。
それから四十年度については、要求をしたかどうか、要求したとしたらどういう要求をしたかという問題でございますが、ちょうど予算の話が出ておりましたときはまだ若干話に
調整の余地がある、何とかできるならば今年度中にしたい、こういうことで話を進めておったわけであります。それから先ほど経緯を申し上げましたところでたいへんお恥ずかしいことを申し上げたわけでありすすが、厚生省と大蔵省との
関係からいうと、大蔵省側としては、二回いわばせっかく金の用意はしたけれ
ども、当初の考えどおりのものが行なわれていない、こういうことになったわけであります。実態
調査そのものについてはもちろんもう問題なく賛成なんだ、金もほんとうにやるということになればいつでも調達をする——そう大きい費用じゃございませんから、調達をする、問題は、やりたいとか、あるいはこうするつもりですと、そんなことじゃなくて、どういうふうに話がきまって、もうやれることになったという話をまとめて持ってきてくれ、あとはわしらのほうでいつでも処置をするからと、こういうことで今日に至っている、こういう状況でございます。