○
国務大臣(
吉武恵市君) ただいまのお尋ね、ごもっともなことでございます。私の先ほどの説明で多少足らないかも存じませんが、御
承知のように、昨年は
公共料金のストップをいたしまして、それから
水道料金のように
公共料金でなくてもそういう性質のものはできるだけひとつ自粛をしてほしいという通牒を出しまして、各
地方庁も協力をされてストップになったわけでございます。そこで、その間の事情がどういうふうになってきたかというと、実は赤字がだんだんと累積してきたわけでございます。そこで、私
どもこのままに放置できないというので、昨年の七月に
公営企業制度
調査会というものを設けまして、そうして各方面の権威の方に御審議を願って、そうしていまもやっていただいておるわけでありますが、そう一年も
答申をしないでおくというわけにもいかぬ、大事なことだからひとつ
中間答申をしようということで、先ほど申しました三つの、大体三つにわたる
答申があったわけであります。その
答申の趣旨は、いま言ったように、ストップをするとかえって
あとで困るのだから、適切なときに適切な是正をすべきであるという
答申を得ているわけであります。しかし、それには、ただ赤字が出たからそれを
料金に全部はね返すというようなことをしないで、
合理化をできるだけ推し進めるということがこれに第二にくっついておるわけであります。それから、そればかりじゃない、やはり
政府もこれに対していわゆる資金の融資をする、こういうことになっているわけであります。そこで、ことしの一月にも、
物価総合
対策を企画庁で立案されまして、閣議決定になって、できるだけ
物価の抑制ということを総合的にやっていこうということでございまして、これはしかしストップではないわけであります。ストップではございませんが、方々でどんどんどんどん値上げ値上げというムードになりますることはたいへん困ることでありまするから、やむを得ず上げるものはしかたがないとしても、しかしそれについてはできるだけひとつ協力してほしいということをさらに私からも各
地方庁に通牒を出しているわけであります。ですから、これはストップという昨年のとは趣旨が違いまして、やむを得ず上げるものは上げなきゃならぬだろうけれ
ども、すなわち
中間答申の線に沿うて上げなきゃならぬ場合はやむを得ぬと思うけれ
ども、しかし、ややもすると、赤字が出た、その赤字をすぐ
料金へおっかぶせて償還計画を立てるというきらいになりがちでございます。その点は特に注意しなきゃならぬというので、私からも通牒を出しまして、万やむを得ないものは
中間答申の線に沿うておやりいただくとしても、それには
合理化というものを必ずお考えになって、できるだけ
料金にはね返るということを少なくするようにという通牒を出したわけであります。しかし、それだけでこの問題はよろしいというわけにまいりませんで、
中間答申にもありました第三の、
政府は
政府でつまり融資の点について努力をすべきだということが出ておるわけであります。それで、御
承知のように、
東京都の今度の問題にいたしましても、大阪にしましても——
東京都は、従来、
戦前に投下した水道の設備によっていままで水道というものを使っておりましたから、よそよりは非常に安かったわけであります。先ほど埼玉や千葉を申しましたのは、これは
比較的近い期間において布設されましたから、投下した資本が荷いために
料金に高くはね返ってきておるわけであります。しかし、
東京も、御
承知のように、ここ三年、四年というものは、もうほうっておけないで、どんどん、どんどん拡張しております。拡張し七も間に合わないというような状況でございます。そうすると、その赤字というものは急激にふえてきたわけであります。つまり、その償還というものを短い期間に償還をよしうとすれば、それは当然
料金へよけいはね返ってきまするから、たくさん
水道料金というものに影響してきますから、これを、長い期間——大体水道は御
承知のように耐用年数は五十年といわれておることでございまするから、五十年で償還計画を立てるというわけにはいきませんけれ
ども、まあこれを三十年ぐらいの償還計画に立てまするというと、
比較的
料金にはね返る率というものは少なくて済むわけであります。それには長期の資金というものを世話しませんと、現在水道は拡張に追われておりまするので、従来、
政府資金が四割、
民間資金が六割ぐらいの幅でございます。そうすると、
政府資金は、御
承知のように、預金部の金でありまするというと二十年、公庫の金でありますると十八年。利子も、
政府の資金ですというと六分五厘、それから
民間資金だというと大体七年で八分ぐらいであります。そうすると、七年七年で借りかえをやっていかにやならぬ。また利子も八分ととなりますると、相当の利子になるわけでありまするから、これをできるだけ
政府資金に切りかえていく、そうして期間を長くしていく処置をとろうということで、実はせんだっても
衆議院の
予算段階で、これに対して何とか
政府が処置を講じないかということで、
大蔵大臣からも資金の融資等についてはできるだけ努力をいたしますよということを答弁されているわけであります。実はこのことを私
どもは察知しまして、昨年の暮れの
予算措置をいたしまするときに、水道については特に
政府資金をよけい割り当てないというととうていやっていけないぞということで、昨年は三百七十億
程度の
政府資金を、四十年度は五百億の融資ワクをとりまして、これでやっていくわけでございますが、しかし、期間も、そういう
衆議院の
予算委員会の段階においての話し合いもございましたので、いま
大蔵大臣と折衝いたしまして、二十年の償還期間をもうちょっと長くできないかということを
大蔵大臣といま話しつつあるところでございます。まだはっきりと申し上げる段階ではございませんけれ
ども、
大蔵大臣も、なるほどそういうことだからひとつ考えようじゃないかという段階に至っておるわけでございます。そういう点をひとつ御了承いただきたいと思います。