○
稲葉誠一君 許可申請をすれば許可されたであろうというふうなことは、それだけいわゆる通常の
程度の
事件だということに考えていいんじゃないですかね。あるいはこれを見解の違いかもわかりませんけれ
ども、そういうふうな申請をしないとかするとかいうことはこれは前々からいろいろな
事情があって、いわゆる訓令十六号というものが
法律的にも集会の自由とか表現の自由とかそういうふうなものに違反をしておるということがいわれておるからそういうふうなことをやったのかと、こう思うわけですが、この
程度の
事件で、しかも昼休みにやった、ガレージを使ったということで、現実的に具体的に管理権そのものが侵害されたということではない。もちろん抽象的な形で言えばあるいは議論があるかもわかりませんけれ
ども、管理権を侵害されて官側がどういうふうな具体的な妨害を受けたか、傷害を受けたかといえばそれはないという形の中で起きて、それが
事件そのものとしてかりに
被害者側の言うたとおりとしてもたいしたことではない。傷害などとどうも言えるかどうかわからない
程度のものでもある。こういうふうな考え方を普通とれる
事件で、これほどの人数を動員して行ってあっちこっちみな家宅捜索をして、しかも逮捕した。しかもそれが共犯
関係があるというような推定を大がかりに立ててやって、警察官がいわば何といいますか、一つのことばでいえば先制攻撃をかけているというようなきらいが十分考えられるわけです。私はこういうふうに思うので、これは警備警察全体の行き方として、この
程度の
事件でこんなふうなことをやった日には、日本に警察官が何人いたってこれはけりがつかないんじゃないかと思います。
栃木県の警察あたりでは、ことに警備はほとんどこのところ
事件はありませんから、ここ二、三年何もないんじゃないか。だから、それはひまかもわからないのですが、こんなことまでやったということについてはどうしてもぼくは納得できない。こんなことを利用して
——いま全県労がことに官公労の中で非常に活発な一つの動きをしておるわけです。特にここでは配転の問題をめぐっていろいろ問題があるわけですが、そういうふうな
関係で、ここでひとつ全県労の中の活動家というものをマークしてこの際に組合を弾圧しようというか、あるいは弱めようというか、そういうふうな意図でやったとしか私には考えられない。あまりにもやり方が大げさ過ぎる、ぎょうぎょうしさ過ぎるというふうに考えられてならない、私はこういうふうに思うわけです。この点については、いま身柄も勾留されておることですし、私も本人とまだ会っておりませんから、わかりませんが、会うなりして事実
関係をしっかり確かめてまた別な機会に質問をするなり何なりの形でやっていきたいと思いますが、私は、本件については、これは行き過ぎだ、非常にやり方が大ぎょうし過ぎる、これを機会にして組合を弾圧しようというか、そういうふうな意図のもとに、あるいは意図がないとしても結果的にはそういう意図が認識されるような形で行なわれたと、こういうふうに考えざるを得ない、こういうふうなことを強く申したいわけです。
なお、このところでは、たとえば組合の活動家が便所などに行きますと、一に官側があとをつけてくるんです。それから廊下などで組合の役員とか何とかが三人以上話をしておるというと、ことに労働条件の問題とかそういう話をしておりますと、三人以上集まって話をしているのは集会だというようなことで、そこで庁舎の長の許可を得ていないじゃないかということを言って非常にやかましくやってくる。昼休みにレコードをかけて集まって歌を歌っておった。そうしたら、これは集会なんだからと
——昼休みですよ。めしを食って、あと時間があるからレコードをかけて歌を歌うわけですね。その歌がはやり歌を歌っておるなら問題はないけれ
ども、ちょっと何というか、労働歌でもないけれ
ども、それに近いような歌を歌っているとか、このごろロシアの民謡があるでしょう、ああいうのを歌っていると、これはいかん、庁舎使用許可願いを出さなければいけないと、こういうような形で非常にやってくる。昼休みなどに集まって、そうして建物の中の庭を使ってやっておると、これは庁舎だからいけない。外に出ていって堤防のところに行くわけですね。堤防のところに行くと、これは官地だから、これを使ってはいかぬというわけです。しょうがないから、どっかの神社に行ってみなが集まって、それで集会をやった。昼休みですよ。そういうようなこともこの中で行なわれている。実に考え方によってはばかばかしいと思われるくらいのことがいま行なわれておるわけです。だから、実例を、便所までくっついてきて課長やなんかが何かやっておるというそういうようなことなどの実例をはっきり出してほしいというようなことを私も言っておいたのですがね。こういうようなことな
ども実態を明らかにして、警察だけの問題でなくて、建設省の
関係の問題でもありますから、そういう点はぼくは
実態をもっと究明をして追及をしていきたい、こういうふうに考えます。ただ、どうしても今度の
事件は行き過ぎだ、一定の意図をもって行なわれたというふうにしか私には考えられない。ぼくはおとなしいですから、そう悪意にものはとらんぼうですけれ
ども、どうもこの
事件は納得できないということを最後にここで言って、きょうのこの質問はこれで終わります。