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1965-03-25 第48回国会 参議院 文教委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二十五日(木曜日)    午前十一時六分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山下 春江君     理 事                 久保 勘一君                 二木 謙吾君                 吉江 勝保君                 小林  武君     委 員                 植木 光教君                 近藤 鶴代君                 笹森 順造君                 中野 文門君                 野本 品吉君                 千葉千代世君    国務大臣        文 部 大 臣  愛知 揆一君    政府委員        文部政務次官   押谷 富三君        文部大臣官房長  西田  剛君        文部省大学学術        局長       杉江  清君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    説明員        文部省大学学術        局教職員養成課        長        安養寺重夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国立養護教諭養成所設置法案内閣提出、衆議  院送付) ○著作権法の一部を改正する法律案内閣提出) ○日本育英会法の一部を改正する法律案内閣提  出)     —————————————
  2. 山下春江

    委員長山下春江君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  国立養護教諭養成所設置法案議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。愛知文部大臣
  3. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) このたび政府から提出いたしました国立養護教諭養成所設置法案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法案は、国立養護教諭養成所設置等について定め、養護教諭養成し、確保しようとするものであります。  すでに、文部省におきましては、公立小学校及び中学校養護教諭について、昭和三十九年度以降五カ年のうちに、約五千二百人の増員をはかるものとし、大学短期大学及び文部大臣指定する養護教諭養成機関卒業者並びに公立学校養護職員として勤務する者のうち正規資格を有する者の採用等により、必要数充足しようとしてきたのであります。しかしながら、一般大学短期大学においては、他の資格とあわせて養護教諭資格を取得させるものであって、実際に養護教諭となる者の数にはおのずから限度があり、また、国立大学における養護教諭養成課程看護婦免許を受けた者を入学させ、これに対し所要資格を取得させるものであって、これ以上この制度拡大は困難であり、他の養成機関についても、多くは本来保健婦養成を行なうものであるため、養護教諭となる者は卒業者の一部であり、したがって、養護教諭の供給の拡大は不確実な事情にあります。これらの事情にかんがみ、国立養護教諭養成所を設置して、養護教諭として充実した教育を施し、計画的に養成する必要があり、昭和四十年度に二養成所を設置することとし、さらに将来養護教諭充足事情増員検討に伴って、増設をはかりたいと考えている次第であります。  次に、この法案概要について申し上げます。まず、北海道学芸大学旭川分校及び岡山大学に、養護教諭養成を行なう教育施設として、国立養護教諭養成所を付置することにいたしました。この養成所には、教育上、運営上必要な職員として、所長のほか、教授、助教授、助手等職員を配置することとし、その職員身分取り扱いにつきましては、教育公務員特例法所要規定を準用することとしております。  第二に、この養成所修業年限は三年とすることとし、その入学資格大学入学資格と同じにすることとしております。また、養成所卒業した者については、一定の条件のもとに、大学に編入学することができるよう措置いたしました。  第三に、この養成所における授業料その他の費用免除及び猶予について特別の規定を設けることといたしました。すなわち、養成所学生に対し、授業料の一部の徴収を猶予し、かつ、これらの学生卒業後六カ月以内に義務教育学校養護教諭となり、引き続き一定期間養護教諭として在職した場合には、その猶予された授業料納付免除することができることといたしました。なお、学業優秀な学生で、経済的理由によって、授業料その他の費用納付が困難であると認められる場合等につきましては、大学学生の場合と同様、授業料その他の費用免除し、またはその徴収を猶予することができることといたしました。  第四に、養成所卒業した者に対して、養護教諭二級普通免許状を授与することができるようにするとともに、中学校教育の実態に即して、保健の教科についての中学校教諭二級普通免許状をも授与することができるよう教育職員免許法の一部を改正しております。  この法律は、昭和四十年四月一日から施行することといたしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要でございます。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申します。
  4. 山下春江

    委員長山下春江君) 以上で本法案についての提案理由説明聴取は終わりました。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  5. 山下春江

    委員長山下春江君) 速記を起こして。     —————————————
  6. 山下春江

    委員長山下春江君) 著作権法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き、これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。著作権法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  9. 山下春江

    委員長山下春江君) 総員挙手全会一致と認めます。よって、本案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  吉江委員より、動議提出がございます。吉江委員
  10. 吉江勝保

    吉江勝保君 著作権法の一部を改正する法律案が、ただいま満場一致で可決になったんでありますが、この際、私は自社両党の共同提案といたしまして、次の附帯事項をここで動議として提案いたしたいと存じます。  原文を朗読いたします。   以上でございます。  趣旨は、先ほど委員長がお述べになりましたので大体尽きていると思うのでありますが、近く著作権制度審議会答申があると存じます。続いて政府のほうにおきましては法案作成に取りかかられることと存じますが、その間、あるいはその前におきましても、著作権法全面改正ということは非常に重大な問題でございますので、審議会答申を尊重されるのはもちろんでありまするが、なお、その他にも関係の各界の意見、また広く世論をも徴されまして十分慎重な成案をおつくりいただきまして、審議過程におきましてあまりいろいろな問題が、不十分な資料に基づきまするような論議を呼び出しますることのないように、慎重にお手続をおとりいただきたいと思います。  以上でございます。
  11. 山下春江

    委員長山下春江君) ただいま吉江委員から提出されました附帯決議案議題といたします。  ただいまの附帯決議案を本委員会決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  12. 山下春江

    委員長山下春江君) 総員挙手と認めます。よって、吉江委員提出附帯決議案全会一致をもって本委員会決議とすることに決しました。  文部大臣より発言を求められました。これを許します。愛知文部大臣
  13. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を体しまして十分努力いたす所存でございます。
  14. 山下春江

    委員長山下春江君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  16. 山下春江

    委員長山下春江君) 日本育英会法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続きこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。  なお、政府側より愛知文部大臣押谷政務次官杉江大学学術局長が出席いたしております。
  17. 千葉千代世

    千葉千代世君 私は日本育英会法の一部を改正する法律案に関して質問いたします。  養護教諭に対してこの日本育英会法適用という問題については、かねがね切望しておったわけですから、今回、政府提案されたことについては非常にいいことだと思っておりますが、ただ、内容について私ども幾多疑問点がございますので、この点について質問したいと思っております。この育英会法適用を受けるというのは、これは国立養成所だけでしょうか。
  18. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そうでございます。
  19. 千葉千代世

    千葉千代世君 私どもは前々から文部大臣指定養成所、たとえば東京都立保健学院、ここでは一級の免許状を出しているわけですが、そのほか、ここに資料がございますように相当数養成所がございますのですが、それらにも適用してほしい。というのは、養護教諭充足に関してなかなか思うとおりにいかない、これらの隘路の一つとしてこれがあげられたわけなんです。ですから、その問題について文部大臣指定のところも適用するような御配慮がなかったのでしょうか。
  20. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) それもごもっともな御意見と思いますけれども、今回の場合におきましては、国立養護教諭養成所は、大学そのものではございませんけれども、特に法律で設置されているものでもございますから、その内容もきわめて明白でございます。また、大学教育に相当する教育を行なう施設である、こういう、観点から、ちょうど国立工業教員養成所につきましても同様の恩典がございますので、これと同じ取り扱いにさしあたりいたしまして、養護教諭に人材を招致、確保することにいたしたい、かように考えたわけでございます。なお、将来の問題といたしましては、御趣旨のような点につきましてもさらに検討を進めてみたいと、かように考えておるわけでございます。
  21. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは四月一日から、今度の入学者から適用になるわけでしょうか。
  22. 杉江清

    政府委員杉江清君) そのとおりでございます。ただし、現に在学する者についても適用を受けるわけでございます。
  23. 千葉千代世

    千葉千代世君 昭和三十七年だったと思いますが、初めて国立が設置されましたですね。その方たちにはさかのぼって適用ということは全然ないんですね、もらってないから。——わかりました。  これは養護教諭になったものだけが適用されるんですか。たとえば、まだこれは審議しておりませんからわかりませんけれども、きょう大臣説明されました国立養護教諭養成所、三年制でございますね、その中に保健免許状養護教諭で二級を出すようになっていますね。これはそこを卒業して養護教諭になったものだけでなくって、保健免状をとったがために保健の先生になりました場合にも、これは適用されるんでしょうか。
  24. 杉江清

    政府委員杉江清君) 保健教諭になった場合も適用を受けます。
  25. 千葉千代世

    千葉千代世君 先ほど大臣説明の中で述べられました中に、養護教諭になったものについてとあるから、これは養護教諭養成所だからそれだけしか書いてないということでございますね。
  26. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そうでございます。
  27. 千葉千代世

    千葉千代世君 奨学金の額でございますけれども、これは国立工業教員養成所、これは大学並みでございますね。そうすると、一般の額と特別額がございますね。そうすると、この養護教員の場合にも一般はもちろんでしょうけれども、特別のほうには適用できるんでしょうか。
  28. 杉江清

    政府委員杉江清君) 全く大学と同じように扱います。
  29. 千葉千代世

    千葉千代世君 一切同じようなわけでございますね。
  30. 杉江清

    政府委員杉江清君) そのとおりでございます。
  31. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、額はことしの予算で、まだ審議最中ですけれども、これは一般幾らになっているんですか。大学自宅から通う場合と、それからそうでない場合と違っておりますね。あれはたしか七千円か八千円に値上げになっていると思うんですけれども、ちょっと幾らになっておりますか。
  32. 杉江清

    政府委員杉江清君) 大学の場合が一般貸与において二千五百円と三千円、それから特別貸与におきまして五千円と八千円でございます。
  33. 千葉千代世

    千葉千代世君 その二千五百円というのは、この前の適用のときになったものだけで、たしか新しく入ったものは全部三千円になったと思うんですけれども、どうなんでしょうか。
  34. 杉江清

    政府委員杉江清君) まだ残っております。将来……。
  35. 千葉千代世

    千葉千代世君 これから入るものはそうじゃないでしょう。
  36. 杉江清

    政府委員杉江清君) 入るものもまだ二千五百円のものが一部残っておるわけでございます。
  37. 千葉千代世

    千葉千代世君 これはずっと前の育英会奨学金返還免除のときに伺ったときは、早急に三千円にまとめていくというお話であったんですけれども、それはどうなっておるんですか。
  38. 杉江清

    政府委員杉江清君) その点、今後改善したいと思っておりますけれども、現在のところまだ残っておるわけでございます。
  39. 千葉千代世

    千葉千代世君 特別の場合幾らでございましたでしょう、ことし予想されるという額。
  40. 杉江清

    政府委員杉江清君) 五千円と八千円でございます。
  41. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは自宅通学とそうでないものと違いますね。
  42. 杉江清

    政府委員杉江清君) はい。自宅通学の場合は五千円、そうでないものが八千円ということでございます。
  43. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは一定の年数勤めたものは返還免除となっておりますんですけれども、同じように、何年でしょうか、返還免除になる勤務年数
  44. 杉江清

    政府委員杉江清君) ほかの場合と同じように、貸与を受けた期間の三倍勤務すれば全額免除になり、その勤務年数が少ない場合にはそれに応じて返還免除されるわけであります。——いまご質問を聞き間違えました。やや正確を欠いておりましたので申し上げますと、他と同じようにと申し上げましたけれども義務教育の場合は貸与年限の二倍勤めれば全額免除になる。しかし、高等学校、それから養護教諭養成所等も同様でございますが、三倍勤めれば全額免除になる、こういう制度にいたしております。
  45. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、三年養成なら三年養成で、三年間奨学金をもらいますね。そうすると、六年勤めなければいけないわけですか。何か二年というふうに伺いましたのですが、違いますか。
  46. 杉江清

    政府委員杉江清君) 義務教育に勤める場合には六年になり、それ以外の場合は九年になる、こういうことでございます。
  47. 千葉千代世

    千葉千代世君 重ねて申し上げたいのですけれども、やはりこれは国立だけではなくて、特に文部大臣指定した学校予算編成過程に私どもよく伺ったのですけれども文部大臣指定学校もいいというふうなことを聞いたのですけれども、これはどこで切られたのですか、文部省の初めの省議で切られたのですか、大蔵省省議で切ったのでしょうか、どこが切ったのですか。
  48. 杉江清

    政府委員杉江清君) 私ども大蔵省には、文部大臣指定する機関をも返還免除の対象に入れたいと考えているが、大蔵省は、そういうことでは他に広がる可能性があるということから反対され、私ども確かにそういう心配があるから、その点、今後の検討課題にするということで大蔵省の見解を了承したわけでございます。
  49. 千葉千代世

    千葉千代世君 それで、大蔵省予算査定段階で私伺ったのですが、これは文部大臣指定した学校であれば、特に養護教諭の問題については充足計画に満ちていない。各種学校といってもほかの美容学校的な、そういうものと違って教員養成学校なんだから、正規免状がきちっと出るのだから、それは当然入るように話がまとまったと聞いたのですが、私聞き違ったのですか。最後に切られたのですか。その点どうですか。今度の予算の要求のときに少し本腰を入れていただきたいと、こういうわけで伺うのですけれどもね。
  50. 杉江清

    政府委員杉江清君) 話がまとまったというような経緯はございません。大蔵省は終始その点反対しておったわけでございます。
  51. 千葉千代世

    千葉千代世君 それでは今後、次の予算のときには、これはぜひひとつ文部大臣指定の他の養成所にも適用されるように、具体的にはこれは国立であるのとそうでないとの違いだけでございまして、実際には義務教育学校にも高等学校にも幼稚園にもいける免状になっているのですから、全体にいける免状になっているのですから、そうしますと、同じように募集しておって、そうして同じ教員になっていく場合に、たいへんハンディが出ているわけなんで、各種指定学校と一がいに言うわけにいかないわけですよ。そういう意味におきまして、次には必ずこれを適用されるように御努力いただきたいと思います。
  52. 杉江清

    政府委員杉江清君) 御趣旨の線に沿って十分検討し、努力したいと思います。ただ、養護教諭養成する機関にもいろいろバラエティーがございまして、保健婦看護婦等養成を主としておるところもございます。そして、それらについては厚生省が別途奨学金貸与を行なっておるというような実情もございまして、もしやるにいたしましても、全面的にやるということはなかなかむずかしい問題だと思います。その辺も十分検討して御趣旨の線に沿いたいと思います。
  53. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま厚生省関係看護婦の問題に触れられたわけなんですが、看護婦奨学資金、それもやはり各種学校なんです、あれは。そのほうには出ているのです。ですから、こちらのほうの養護教諭養成も、これは出すということについてはこれは妥当だろう、ほかに例がないわけではありませんね。特別に看護婦需給関係で人が足りない。だから特別措置をもって看護婦をふやすために育英資金をたしか二年か三年前からやっておると思うのです。そういう意味で、ぜひこれはひとつ保証していただきたいと思います。
  54. 杉江清

    政府委員杉江清君) その線で十分努力いたしたいと考えております。
  55. 千葉千代世

    千葉千代世君 次に、育英会法に関連する問題がございますので、養護教諭充足状況について少し質問したいと思っております。  昭和三十七年の三月に、文部大臣が五カ年計画についての発表をなさっているわけなんです。その中で養護教諭五千二百五十名というこの五カ年計画増員があるわけなんです。いま私、見ましたのですが、きょうの大臣の御説明になった中の一番初めのページなんです。これは養護教諭養成所の問題についての質問は後日いたしますけれども、これに関連いたしますものですからちょっと触れたいと思うのですけれども、その中に、「昭和三十九年度以降五カ年のうちに、約五千二百人の増員をはかるものとし」と、こう書いてあるのです。ところが、三十七年三月には、三十八年から五カ年で四十二年までにこれを満たすということがあるわけなんですけれども、そこのところを関連してちょっと……。
  56. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) いま御指摘の当時の荒木文部大臣が申し上げました点は、昭和三十八年度から五年間のうちに約五千名の増員計画をいたしましょうというようなことを申し上げたわけでございます。その後、御承知の公立義務教育学校教職員定数標準法改正によりまして、昭和三十九年度から五カ年計画をもちまして約五千二百名の増員をしなければならないというような形に現在の予定数というものを変えておるわけであります。
  57. 千葉千代世

    千葉千代世君 そのとき、三十八年度以降四十二年度までの五カ年計画の中で、養護教諭小学校については九百人、それから中学校については千二百人というように約束しておるわけなんです。そうしたら、いまおっしゃった標準法の中には千人になって出ておる、小学校は。百人サバを読まれてしまった。この問題はどういういきさつなんでしょうか。
  58. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 私、所管外でございまして詳しいそのいきさつは存じませんですが、たしか九百名に一人ということを目標に努力したいというお話を申し上げまして、現在ごらんのように法律では中学校は千二百人に一人になりましたけれども小学校の場合には千人に一人ということで四十三年度の目標にしておるわけであります。詳しいいきさつは私承知いたしておりません。
  59. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは当時の討論の中では、小学校中学校も大体千人という話が初めあったわけです。しかし、いろいろ話し合ってみました中で、小学校中学校のいろいろな問題とか、人数関係とかでいろいろ考え合わせられて、そして最終的に九百人に千二百人ということになったわけです。そしてこれが四十二年までいって、初め二千人、次が七百五十、七百五十とこう増員計画があって、それが終わったならば百三条のいわゆる一校一名必置に持っていくということに約束されたんです。ところがそれは標準法を見ていきますというと千名と千二百になっておりますね。そしてそれでずっとやって、そのあとの問題についてはもちろん法律ですから、あそこに書けないでしょうけれども文部省としてその青写真をどのように考えておられるか、百三条撤廃青写真を。
  60. 杉江清

    政府委員杉江清君) 配置計画については、これは初中局の問題でございますけれども、それは今後の実際の状況等を考えて、できるだけこれを多く設置するという方針で今後臨みたい、こういうふうに現在のところ考えております。この五千二百名以上にどの程度ふやすかということについてはまだ検討段階でございます。
  61. 千葉千代世

    千葉千代世君 私これをなぜ伺うかというと、だんだん変わってくるから伺うのです、途中で心配になって。三十九年三月四日の参議院の文教委員会福田初中局長さんが答弁なさっているのです。その答弁には、三十七年の五カ年計画というものは生きているという答弁です。三十九年の標準法ですね。だから、そこでその変わり方を聞きたいということと、せっかく育英会法適用していただいて人数をふやしていく、この適用によって従前より応募者がふえてくるだろう、こういう意味幾らか明るい見通しになったわけですから、それをやはり五カ年計画約束どおり百三条撤廃というものを目ざしていく、五カ年計画は三十八年から四十二年まで。それから、いまここにございます大臣の御提案なさった中には三十九年度ということがございますが、この標準法と、こちらのほうは努力すると言ったのだから、結局三十九年に一年ずらされたことになる。もっと善意に解釈していきますと、初年度の昭和三十八年度に約二千名ふやすという計画の中に、その中に養護婦として資格を持っていながら任用ができない者を優先的にやる、そうした中に、二千名という数字の中に実際的に三十八年度のほんのちょっとしか伸びていないわけです。ですから善意に解釈すれば、あまり伸び方が少なかったから、三十九年度からして五千二百ということになればほんとうはいいわけです。内容的にはよくなっているわけです。だけれども、前の三十九年三月四日に、福田初中局長さんが前の五カ年計画を確認しておるわけですね。だから、その点のところがたいへんつかみにくいのですけれども、そこをはっきりしていただきたいのです。
  62. 杉江清

    政府委員杉江清君) その間の経緯を私、実は十分承知いたしておりません。おそらく予算折衝過程においてそのようになったものと考えておりますが、十分なお答えのできないことをおわびしたいと思います。
  63. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは次の機会でもいいですから、なるべく早い機会に、いわゆる百三条を五カ年計画の終わったあとに撤廃して、そうして一校一人必置という、この方向になっていくという青写真を早急に御提出いただきたいと思います。早い機会にこれはお願いしておきます。よろしゅうございますか。
  64. 杉江清

    政府委員杉江清君) その点は私ども初中局とよく相談をいたしたのですけれども、五カ年後の増員計画、これは増員に私ども十分に努力いたしたいと思いますけれども、まだ、だいぶ先のことでありますし、それからいろいろほかの職員の設置の要望もありますし、それらを勘案して、まあ実際の計画を立てなきゃならぬ、それにはもう少し諸般の情勢も見きわめたいということで、まだ四十四年以降の増員計画を具体的に立てるまでにはちょっと至っておらないのであります。で、今後、目標としては、これをできるだけ早い機会にできるだけ多くの学校に置いて、そして学校教育法に示しておりますような、あの原則の実現に努力する、こういうかまえでおるわけであります。
  65. 千葉千代世

    千葉千代世君 充足計画に関連して、もう一つ、二つだけ質問をいたしますけれども、その中の一つに、今度新規予算の中に講習の費用をとっておりますね。無資格の方の講習の費用養護教諭の。それは総額幾らでございましたでしょうか。
  66. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 現在御審議をいただいております予算案の中に、百七十二万二千円ということで養護職員の現職教育を行ないたいというようなことをお願いしておるわけでございます。
  67. 千葉千代世

    千葉千代世君 その計画の実施要綱はできましたでしょうか。
  68. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 各都道府県にはまだ具体的に示しておりませんが、保健担当の部課長等には、ぜひこういうことについて文部省計画実施に協力してもらいたいというようなことは申しております。いずれ新年度も始まりますれば具体化したいと思っております。
  69. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは文部省の当初の案には、四十六カ所というようなことをちょっと聞いたんですが、予算を立てますときの案の中に、つまり全国各県一カ所ずつ設置したいと、こういう御意向のように伺って、現実に百七十二万二千円と、この予算の中ではたしか二十三カ所になったと聞いておりますが、そのとおりでしょうか、その内容はどうなっておりましょうか。
  70. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 各県で悉皆的にやりたいという希望を出したわけでございますが、いろんな事情もございまして、一応、予算の積算といたしましてはその半分の開催個所というかっこうになっております。われわれ各府県とも相談をいたしまして、緊急度の高いところをまず重点に置きまして、いろいろこの趣旨が生きるようなやり方を実行上やっていきたい、このように考えております。
  71. 千葉千代世

    千葉千代世君 無資格の者の人数は大体幾らとなっておりましょうか。
  72. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 現在約四千名の養護職員公立の小中学校に在職いたしております。このうちすでに養護教諭資格を有する者が約千三百ございます。したがって、二千七百の人たちが一応無資格者というかっこうになるわけでございます。
  73. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、この百七十二万二千円というものは、無資格者を対象に、しかもこれは何年計画かでいなさるんですか。
  74. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) まず無資格者に資格を付与するということを重点に置きたいと思っております。で、一応、予算の積算では、向こう六カ年の計画でやろうというぐあいにいたしておるわけであります。
  75. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、これは四十年度は百七十二万というわけで、次にまた毎年予算をとっていくと、こういうわけでございますね。
  76. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 予算の額は別といたしまして、一応、六年間継続してやりたいということになっております。
  77. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうしますと、私、この間二、三の県を回って、直接現場の先生にも伺ったんですけれども、この無資格の方の中でいわゆる臨免下付されてない方がずいぶんいますね。そうすると、いままでの免許法ですというと、臨免を持って、その上に単位をとった者が、しかも臨免をとってからの年数が勘定されて、それで上級免状をとるわけなんですね。そうすると、この講習をやった場合には無資格の方がそんなに多くて、しかも看護婦免状もなくて、高校を卒業しただけで学校に行って、そして養護教諭の見習いみたようにしておって、そういう方が試験を受けた場合に、これは免許法との関連はどうなるんでございましょうか。三十六年の改正の中で漏れているのがずいぶんあるわけですね。これはどうなっておりましょうか。
  78. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 先ほど提案理由でお述べになりました国立養護教諭養成所設置法案の附則におきまして、教育職員免許法の別表第六の関係部分を改正いたしたいと思っております。その内容が、いまお話しのように、一応、一定の基礎資格を有しておりまして、現実に免許状を下付されていなくとも、養護教諭の職務に準ずる職務をとっておるという勤務年数は通算をしようということを試みたいと思っております。お話しのような人たちは、この法案が成立いたしますれば、一応その在職年も通算をされ、すでに取得いたしました単位数も通算をされるというようなことに相なるわけであります。
  79. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、この別表六の改正というのはこれは省令でできるのですか。
  80. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 法律改正をまずいたします。そして、その法律の文面に、臨時免許状を有する者と相当する資格を有する者について文部省令で定めるという形にいたしますので、個々具体的には文部省令できめるわけでございます。
  81. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、具体的に伺いますが、高等学校卒業して、そしてほんとうの養護教諭がおって、そこに助手みたようにしておった者、そうすると、一定の臨免下付の基礎資格高等学校卒業以上ですねそうすると、いまおっしゃったような、高等学校卒業して看護の経験も何にも、免状も何にもなくてそとにおって、その方が試験を受けた場合には、かりにその人が四年なら四年やっておったけれども臨免も何もない。だけれども、その四年というものは上級免に行く場合に年数に数えられるわけですね。
  82. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 省令できめます一定の基礎資格を有する者に該当しました場合には、お話のような在職年数はフルに加算をされることになります。
  83. 千葉千代世

    千葉千代世君 該当すると認定になるのは都道府県の教育委員会ですか。
  84. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 文部省令できめるわけであります。たとえて申しますと、高等学校卒業した者というこういう一つの例になるわけでありますが、その人は現実に臨時免許状を下付されていなくとも、養護教諭の職務に準ずる職務をつとめておったということであれば、その在職年は通算をされることになるわけであります。
  85. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、各県によってまちまちになるということはないわけですね。基本が出ているわけですから、それにのっとってやればいいわけですね、各県で。というのは、私が伺ったのは、県によりまして、高等学校卒業した方で助手みたようなものをしている方に臨免を下付しているところがあるのです。ところが、県によっては看護の免状がないからということで下付していない県があるんです。県でまちまちなんです。臨免は県の権限でしょう。まちまちになっていますから、それを補うために今度省令ができる、こういうことですか。
  86. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 省令できめますので、あとは具体的に個々別々の人がそれに該当するかいなかを確認するわけになるわけであります。なお、いま臨時免許状の下付の問題をおっしゃいましたけれども、現在、臨時免許状を下付する場合は、正規職員資格を有する者が採用されない場合に限り一定資格を有する者に与えるというかっこうになっております。いわば任用を前提にして下付するということでございますから、抽象的に基礎資格だけありましても、必ずすべての者が臨免を取得できるというものではございません。そのあたりで各都道府県でいろいろ授与権者の実情が違っているんだと思います。
  87. 千葉千代世

    千葉千代世君 よくわかりました。そうしますと、県によって任用していなかったというのは間違いですね。というのは、任用する、つまり目的を持ったものというものでしょう。そうすると、現につとめているわけですから、その方に当然臨免をやってもよかったわけでしょう。いまくれない県があるのです、たくさん。
  88. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 形式的に申しますと、養護助教諭として採用しますからということで臨時免許状を交付するわけであります。したがって、養護教諭として採用される場合にはこれとは関係ございません。
  89. 千葉千代世

    千葉千代世君 ところが養護助教諭として採用してもらいたいと、そういう希望で免許状の申請をした。ところがそれが通らない。こういう例があるわけです。そうすると、その権限は、極端にいえば隣の県では出す、ここの県では出さないという県があるわけです。というのは、養護教諭は特別なんだからと、こう言っているわけなんです。そういう県はいままでが間違っておったということになりますか。
  90. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 授与権者によりまして、任用を予定しておって臨時免許状を差し上げた、しかし、実際任用に当たっては、あるいは採用されないような場合が起こるかもしれませんので、その場合には臨時免許状はすでにあげたけれども教諭としては採用できないというような結果が起こる場合もございます。一応そういう場合のことをおっしゃっているのではないかと思います。われわれのほうといたしましては、現に任用の予定がない場合には、臨時免許状というものを適用することは法の趣旨でないというようなことを申しております。
  91. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうしたらば、その点かなり混乱しておりますから、これを機会に少し各県に整理していただくような行政指導は文部省でやっていただけますか。
  92. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) いままでもやっておったわけでございますが、不十分だと思いますので、よく、そのとおりいたしたいと思います。
  93. 千葉千代世

    千葉千代世君 それから、この講習に行きます場合に、これは旅費は本人負担でしょうか、県負担でしょうか、どういうことですか。この百七十二万というのは、額が少ないから何か——この経費の内容はどういうふうになっていますか、重ねてお伺いします。
  94. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) この百七十二万円余の予算の中身は、講習を開催するについての直接的な経費でございまして、たとえば講師の謝金であるとか、いろいろ関係の物品を購入する経費、そういうものが主でございまして、いまお話の旅費というようなものの補助金というようなものは入っておりません。旅費は任命権者のほうで用意していただくというかっこうになると思います。
  95. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、具体的には任命権者だというと、免許状のない者ですから市町村採用が多いのですね。また市町村で持ってもらう、こういう方向にこれも——これは行政指導できないわけですけれども文部省から市町村にはできないわけですけれども、そういう含みの、何か各県が大体足並みをそろえて講習を受けられるような体制をつくられるように御努力いただきたいと思いますが。
  96. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) この講習会は、文部省と都道府県の文教委員会が共同でやろうかというように考えております。いまお話のような点については、各関係の市町村のほうによく府県を通じまして御連絡を申し上げたいと思っております。
  97. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうしますと、この百七十二万二千円ですね、そうすると、これを二十三カ所なら二十三カ所に分けてやると、ずいぶり足りない分が出てくるのは共催で県が持つということですか。どのくらい県で持つ予想でしょうか。たとえば文部省の出した二倍とか三倍を持つと、こういうことになりましょうか。
  98. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) この経費をかりに二十三県だけでやりますと、一県当たり数万円の経費ということになりますので、通常の場合は間に合うことだと思います。
  99. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうですか。——それでは、まだ伺いたいのですけれども国立養護教諭養成所質問のときにこれ譲っておきまして、きょうは私の質問はこれで終わります。
  100. 山下春江

    委員長山下春江君) 他に発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会