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政府委員(
昌谷孝君) お話しのように、いろいろな機械がすでにかなりの程度に普及を見ております。特にまあ、いまさら申し上げても、かえっておかしいくらいなものとして、電動機でありますとか、揚排水関係の機械といったようなものは、すでに
相当の段階に参っていると思います。それから次に、収穫関係としての、御
承知の脱穀関係、もみすり関係の機械力を
利用いたしますもの、それらにつきましては、仰せのように新しく
利用面積がふえるという余地は、土地
改良とか基盤
整備等に伴いまして、もちろんまだ若干は余地が残されてはいると思いますが、おおむね達観的に申しますれば、更新
需要、代替補充といったような、
生産あるいは農家の購入
状況になっているのが、一般的な姿であろうと思います。また、他の作業関係の機械について見ますと、御
承知の動力耕うん機を中心といたします作業機につきましても、逐年、先般
資料で御
説明いたしましたような普及の度合いを示し、最近では全国で二百万台をこえておろうかと思います。したがいまして、そういった個別農家が
利用いたします作業機としての動力耕うん機の普及
状況も、まだ幾分かは伸びる余地を残しておりますことは疑いをいれませんけれども、過去数年示しましたような大幅な年々の上昇ということは、今後は若干期待薄というふうに私どもは見ておりますし、関係の皆さま方もそういう大体御判断のようであります。今後は主として、新規購入よりもむしろ更新、代替補充といったようなところに
生産なり販売なりの重点が逐次移っていく傾向にあろうかと思います。それらの点は先ほどの収穫後に使う機械とやや似た関係にあろうかと思います。私ども、そういったものにつきましては、農業観測等を通じましてそれらの需給
状況の動向をなるべく的確に把握をいたしまして、適当な
機会に外に向かっても発表をいたしておりますけれども、おおむねそういう段階でございます。
今後、問題となります機械といたしましては、やはり米麦作が日本での重要なものでありますだけに、田植え段階、あるいは播種段階の機械の
改良、
開発、それから刈り取り段階の機械力の活用についての問題、これが今後の一番急を要します機械関係の
開発、
改良、あるいは行政的に力を入れていかなければならない機械部門であろうかと思います。なお、これと
関連してと申しますか、並行いたしまして、米麦作以外の果樹あるいは蔬菜園芸、あるいは畜産関係等につきましての機械力の
利用という点では、まだ研究
開発の余地があろうかと思います。
防除関係、消毒関係の機械化につきましては、このことが
地域社会の、何といいますか、個別農家の利害を越えた
地域の一つの農業
生産の安定ということにつながりますだけに、早くから農業団体あるいは市町村等のそういった
地域の公共的な諸
組織が、防除関係につきましては非常に力を注がれて今日に至っておりますことも御
承知のとおりであります。これらにつきましては、だんだん機械の
内容が
改良、
開発をされまして、最近では、御
承知のように、個別農家の個別作業からかなり広
範囲での共同作業に作業の実態が移っております。果樹における定置配管でございますとか、米麦作におきます畦畔からの大型防除機械による防除、あるいはまたヘリコプターを
利用いたしました大
規模な高能率の防除作業といったようなものが進められております。これらにつきましても、次第にそういう大型の能率のよい機械による一斉防除ということが防除
効果をあげる上からいっても非常に効率を示しておりますので、今後そういった方向に私どもの重点がいくというふうに考えております。大体、おっしゃいましたように、機械の
種類によりまして、あるいは作業の
種類によりまして更新
需要に移ったもの、あるいは今後ますます
開発されなければならないもの、あるいは現状でははなはだまだ不十分なもの等がございます。それらにつきまして、それぞれの
状況に応じた対策をとってまいりたいと思いますが、先般の
資料の御
説明で、大体
生産台数等は申し上げましたが、価格の動向につきましては、先ほど御質疑にお触れになりましたが、幸いにして動力耕うん機でありますとか、防除機具あるいは脱穀調製関係の機械等、かなり普及度を示しております範疇に属しますものは、おおむね横ばいというふうに
ごらんいただいてけっこうでございます。で、むしろ
生産規模といたしましては、更新
需要に移ったことによって、往年の上昇機運が盛んだったときと比べれば、
生産規模は若干縮小するものも動力耕うん機等については見られると思いますが、しかし、メーカーの合理化努力等も伴いまして、おおむね供給価格については横ばいというふうに考えております。で、販売経費等につきましては、農家の共同購入等が逐次進んでおりますので、今後合理化がさらに期待される段階にあろうかと思います。なお、収穫関係の、刈り取り関係の機械、あるいは田植え関係の機械等につきましては、まだ試験
実施――パイロット的な段階を出ておりませんので、試作機の価格というものが伝えられておりますだけで、本格的な市販という形での価格は、国産品についてはまだ確立しておらないものが大部分でございます。それらにつきましては、今後型式の
改良、定型化に伴いまして、大量
生産というようなことに移行すれば、もちろん価格は低下が望めるわけでございます。現状ではやや試作的な段階であるだけにかなり高価なものでございます。輸入品につきましては、運賃等かかりますが、これはまあ外国でかなり大量
生産をされておりますものが入ってまいります関係上、それなりに価格は一応安定しておりますけれども、しかし、かなり高いものについておるという感じは免れないかと思います。