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1965-04-13 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月十三日(火曜日)    午前十時五十二分開会     —————————————    委員の異動  四月十二日     辞任         補欠選任      田上 松衞君     高山 恒雄君  四月十三日     辞任         補欠選任      辻  武寿君     石田 次男君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 矢山 有作君                 渡辺 勘吉君     委 員                 岡村文四郎君                 北口 龍徳君                 小林 篤一君                 温水 三郎君                 野知 浩之君                 堀本 宜実君                 大河原一次君                 北村  暢君                 石田 次男君                 北條 雋八君                 高山 恒雄君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君        建 設 大 臣  小山 長規君    政府委員        農林政務次官   谷口 慶吉君        農林大臣官房長  中西 一郎君        農林省農林経済        局長       久宗  高君        農林省農政局長  昌谷  孝君        建設省住宅局長  尚   明君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件農業機械化促進法等の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○食料品総合小売市場管理会法案(第四十六回国  会内閣提出衆議院送付)(継続案件)     —————————————
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  農業機械化促進法等の一部を改正する法律案を議題とし、まず提案理由説明補足説明並びに提出資料説明を聴取することにいたします。赤城農林大臣
  3. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 農業機械化促進法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  農業機械化については、政府におきましても従来から各種助成融資及び普及指導措置を通じて、その促進につとめてきておりますが、最近の農業労働力の減少に対処し、農業生産維持増大を期するためには、小型機械の能率的な利用をはかりますとともに、高性能農業機械計画的に導入して在来の小規模経営条件を越えた生産性商い農業生産方式普及確立をはかることが必要であります。  しかしながら、高性能農業機械は、農作業効率化に資する程度が著しい反面、その性能に即して能率的な稼働を行なうためには相当数農業者が集団的に利用する体制によらざるを符ないという問題があるのであります。  このため、商性能農業機械については、管理及び利用組織あるいは土地基盤等の社会的、経済的諸条件整備との有機的関連を考慮しつつ、国及び都道府県指導援助のもとに計画的に導入をはかっていくことが特に必要と考えられるのであります。  また、農業機械化促進のための試験研究及び検査体制を確立するため、昭和三十七年に農業機械化研究所を設立し、鋭意その機能の充実につとめているところでありますが、その研究施設等整備をはかり、運営の基礎条件をすみやかに確立することが必要と考えられるのであります。  以上二つ理由によりまして、この法律案を提出することとした次第であります。  以下この法律案内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、高性能農業機械導入基本方針に関する規定を設けたことであります。すなわち、農業経営動向に即して高性能農業機械の効果的な導入をはかるため、国がその導入に関する目標及びこれに必要な条件等を明確にする荒木方針を定めるものとしたことであります。  第二は、都道府県高性能農業機械導入計画に関する規定を設けたことであります。すなわち都道府県知事は、国の基本方針に即し、かつ、地域の特性を考慮しつつ、高性能農業機械導入目標及びその導入のために必要な条件整備等に関する事項を定めるものとしており、その計画内容は、農業者組織する団体が行なう農作業共同化事業助長に資するものでなければならないとしております。  第三は、高性能農業機械の円滑な導入をはかるためには、助成融資等措置がきわめて重要でありますので、国は、資金確保のために必要な措置を講じ、または都道府県に対し援助を行なうにあたっては、高性能農業機械導入計画達成に資することとなるようつとめることを規定いたしました。  第四は、農業機械化研究所につきまして、その施設建設のため、新たに埼玉大宮市所在の国有の土地等政府現物出資することができることとする規定を加えることといたしております。  なお、このほか、農業機械化研究所監事権限の強化をはかるとともに、役員欠格条項規定整備を行なうこととしております。  以上がこの法律案提案理由と主要な内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
  4. 仲原善一

  5. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 農業機械化促進法等の一部を改正する法律案につきまして補足して御説明申し上げます。  この法律案を提案する理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、ここでは省略することとし、以下この法律案の主要な内容を御説明申し上げます。  この法律案には、農業機械化促進法改正にかかる部分と去る三十七年に制定されました農業機械化促進法の一部を改正する法律改正にかかる部分がありまして、前者は主として高性能農業機械導入に関する改正規定、後者は農業機械化研究所に対する現物出資に関する改正規定であります。  まず、高性能農業機械導入に関する改正点につきまして御説明申し上げます。  第一に、高性能農業機械の範囲でありますが、これは、農作業効率化に資する程度が著しく高く、かつ、その性能に即して能率的な稼働を行なうためには相当数農業者集団的利用に供することが必要となると認められる農業機械ということになっておりまして具体的には政令で定めることにいたしております。  すでに個別経営において普及を見ております小型機械中心とする農業機械化につきましても、各種助成融資及び普及指導措置を通じてその促進に遺憾なきを期する必要があることは申すまでもありませんが、その性能が著しく高く、しかも個々の農業者がこれを導入することは困難である高性能農業機械については、特にその導入方向づけとその際に具備すべき社会的経済的諸条件を明示し、これに即して関連施策総合的運用を期することが必要であると考え、これをこの法律案において取り上げることとした次第であります。  高性能農業機械種類は、当面一定能力以上のトラクターコンバイン防除機などを予定しておりますが、農業機械改良進歩農業経営動向に即しつつ政令で追加指定してゆくことも考えております。  第二は、高性能農業機械導入基本方針に関する規定を新たに設けたことであります。農業機械化現状を児ますと、高性能農業機械導入の実態並びに進展は地域により区々であり、これに関連した機械化促進の諸対策の総合調整をはかる必要も少なしとしない状況であります。さらに土地基盤管理利用組織整備等その導入にあたって具備すべき要件についても従来必ずしも十分明確に示されていないのであります。したがって、この際高性能農業機械導入方向づけを行なうという考えに立って、その導入に関する目標導入に際し具備すべき条件等基本的事項を明示することといたしました。  なお、この導入に関する目標等につきましては、局性能農業機械がなお開発改良可能性が大きいこと、農業事情相当に流動的である現況にかんがみ、その農業機械種類ごとに三年ないし五年の期間ごとに定めてまいりたいと考えております。  また、基本方針策定にあたっては、農業機械化審議会の意見を聞かなければならないこととし、その適正を期しております。  第三に、商性能農業機械導入計画に関する規定を設けたことであります。すなわち、都道府県知事は、国の基本方針を具体化した都道府県段階計画策定を行なうこととし、これにより地域の実情に即して高性能農業機械計画的な導入をはかることとしております。  また、計画内容は、当該都道府県における農業協同組合その他農業者組織する団体が行なう農作業共同化事業助長に資するものでなければならないものとして高性能農業機械利用を通じて農作業共同化助長してゆくことを明らかにしております。  第四に、計画を実施するために必要な国の援助等について規定を設けております。すなわち国は高性能農業機械導入に関して資金確保都道府県への援助措置を講ずるにあたっては、都道府県高性能農業機械導入計画達成に資することになるようにつとめるものとしております。  従来すでに農業機械導入に関しては、各種施策において助成融資措置がとられておりますが、この規定に従って高性能農業機械導入について、特に関連施策総合調整をはかってまいる所存であります。  以上のほか、農業機械化促進法改正部分内容といたしましては、農業機械化研究所監事権限役員欠格条項に関する規定につきまして、最近における他の特殊法人の例に従い、規定整備を行なうこととしております。  次に、農業機械化研究所に対する現物出資に関する規定改正点について御説明いたします。  農業機械化促進法の一部を改正する法律の附則には、国が農機具改良に関する試験研究または農機具検査の用に供している土地、建物、物品等研究所現物出資できる旨の規定があり、この規定により研究所の設立にあたりまして埼玉県鴻巣市にある農事試験場や旧振興局農機具検査室が使用しておりました土地等現物出資し、その後周辺の土地を物色してここに研究所施設建設することを予定しておりましたところ、たまたま埼玉大宮市にあります農林省大宮種畜牧場を移転することとしておりますので、そのあと地研究所施設建設用地とすることとし、必要な土地等研究所出資することといたしたのであります。これに伴い先の一部改正法をさらに改正してこの土地等現物出資に関する規定を設けることとしたわけであります。  なお、出資による所有権の移転に伴う登録税及び不動産取得税は課さないことといたしております。  以上がこの法律案内容であります。  以上をもってこの法律案提案理由補足説明といたします。
  6. 仲原善一

  7. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) お手元にお届けいたしました関係資料の概要を御説明いたします。  初めに、機械化促進法の一部を改正する法律案関係資料という名前をつけました四〇ぺ−ジばかりの資料がございます。これは型どおり、改正法、あるいは提案理由説明法案要綱新旧対照表参照条文を収録したものでございますから、内容の御説明は省略させていただきます。  それから一枚紙で、政令見込み事項をしるした資料がお届けしてあると存じます。この改正法律案におきましては、政令にゆだねております事柄が二点ございます。  第一点は、第五条の二第一項の規定でございます。これは高性能農業機械種類政令で特定していくということになっておりますが、この政令によって内容として予定いたしておりますのは、したがいまして、高性能農業機械種類は、農業用トラクタートラクター用作業機を含む)、それから走行式動力防除機コンバイン穀類乾燥機などで一定の規格以上のものを順次規定してまいる見込みにしております。  それから政令事項の第二点は、第五条の二第二項で、導入方針を定めます期間でございますが、「高性能農業機械導入に関する目標等に係る一定期間」といっておりますその政令で定める一定期間とは、機械種類に応じまして、五年または三年と定める予定にしております。これは五年ないし三年後さらに検討をして、その状況に応じて基本方針の改定と申しますか、あらためて出す必要がある場合には出すということで、一ぺんにあまり先のことまできめておくのは、状況の変化の著しい現段階でいかがかという趣旨であります。以上が政令見込み事項でございます。  それから横書きの表題をつけました資料が二冊お届けしてございますが、そのうちの農業機械化関係資料昭和四十年二月と書いたものをまず先に御説明を申し上げます。  これは御審議いただきます背景となります農業機械化現況なり何なりを資料として取りまとめたものでありまして、目次でごらんいただきますように、現在の農業機械普及状況がまず出まして、それからそれら農業機械生産流通に関する状況利用状況、それから生産性向上をどの程度実現しておるかについての資料、それから経済性についての資料、それからさらに農機具検査関係資料、それから社会勘定におきます固定資本の推移、それから農業機械化に関する国の助成措置現況の一覧といったようなものを収めておりますが、まず普及関係状況といたしましては第四ページからでございまして、全国並びに各都道府県別主要農業機械普及台数を示しております。電動機発動機といったような比較的古くから使われておりますようなもの、これは最近特別に目新しいことはございませんが、次の動力耕うん機でございますが、総数百八十一万二千、これは三十八年十二月の数個でございます。それから大型トラクターでありますが、これは現在各県に入っておりますものが総計で一万七千百五十七台ということになっております。その主体はホイール型でございます、一万四千百六十二。それから動力防除機でございますが、動力防除機につきましては総体で一五十六万四千、そのうち噴霧機が四十二万台、散粉機が十三万台というふうなことになります。それから、次は動力脱穀機でありますが、これも比較的古くからなじみのある機械でございますがへ全体で二百九十八万二千台、最近の傾向といたしましては普通型が停滞ぎみで、自脱型がかなり伸びております、八十五万一千台ということになります。それから、次は動力揚水機、それから畜産に使います動力カッター、それから農業用のトラック、オート三輪といったようなものを並べてあります。  六ぺ−ジ、七ベージにわたりまして各府県別のこれら機械普及状況をつけたわけであります。  八ぺ−ジにあります表は、そのうちの動力耕うん機につきまして、三十三年以来三十八年十二月までの、先ほど申し上げました百八十一万二千台に現在なっておりますが、あるいは現在はさらに二百万台をこえておるかもしれませんが、最近の資料での三十八年十二月でありますが、三十三年以来それの逐年の伸びの状況を示しております。三十五年のセンサス当時が約五十万台でございます。その関係は、さらにその2の資料地域別に見ております。年次を追い、地域を区分して示したのがその2の表でございます。三十八年十二月末の百八十二万台は、最もたくさん入っておりますのが関東以下ごらんのような地域分布になっております。  それから九ぺ−ジの表は、動力耕うん機個人有あるいは共有の別であります。個人有のものが四十四万六千台、共有が六万六千台、それから組織有、いろいろのそういった個人でない組織の持っておりますものが五千台、これは先ほどの表にございましたが、昭和三十五年のセンサスのときの時点で調べたもので、少し現状からは古くなっておりますが、五十一万八千台当時のそれぞれの状況でございます。動力耕うん機につきましては、個人有が八割、八五%程度を示しておる状況をこの表が出したわけであります。  それから次は、大型トラクターの三十三年以降年次別導入状況でございまして、先ほどの三十八年末で一万七千百五十七台が逐年入ってきた状況でございます。  それからその2が、それの所有形態別普及台数、少しごたごたして読みにくくなりますが、ホイール型につきましては、馬力別にそれを示しております。これで見ますと、ホイール型につきましては個人有が五七・九%ということで、かなり率として商い率を示しております。これは北海道個人有——欄二つに分かれておりまして、上欄でございますが、北海道における二十馬力程度以下の乗用トラクターがかなり個人有で入っておることを示しておるのかと思います。最近入っておりますものは、比較的に大型のものが多いと思います。クローラ型につきましても、そういった土層改良といったような意味合いが多い関係がありますが、したがいまして、所有形態別には都道府県有市町村有というふうなものがクローラ型については非常に高い比率を示しております。なお、ここで言いますその他の中には、学校でありますとか、公団でありますとか、営林関係でありますとか、そういったものを含んでおります。  それから一〇ページと一一ページは、世界の主要国につきましてのトラクター台数を、それぞれの国の農用地面積等に対応いたさせて並べてみたわけでありますが、注にありますように、資料の出所が多少まちまちであります等で、必ずしも機械的にこの数値だけで比較をいたしますことは不正確かと思いますが、適当な資料が見当たりませんのでつなぎ合わせた資料をつくったわけでございます。これで見ますと、トラクターの総台数は別といたしまして、農用地千ヘクタール当たりトラクター台数というのが、一〇ページの終わりから二欄目がそれでございますが、これで見ますと、デンマークの四十三、さらに西ドイツの七十、それからオーストリアの三十六といったようなところが比較農用地面積当たり台数の多いところであります。もっとも馬力数を示しておりませんので、正確な観察にはたえない資料でございますが、一応そういうことになっております。なお、トラクター一台当たり農用地面積で見ますと、ここにありますように、オーストラリヤあるいはソ連がやはり耕地が広大な関係で、一台の負荷面積がかなり多いように思われます。日本は三百三十三ヘクタールということになります。  それから次に、二ぺ−ジのところは、日本中心にした比較をしておりますが、トラクター台数、次に千ヘクタール当たり台数、それから一台当たり面積をそれぞれ出しております。よく言われることでありますが、一台当たり面積では、大体日本と同じ程度のところと申しますと、ソ連あたり比較的に近いように思われます。  それから一二ページ、二二ページは、昨年度農協補完調査予備調査をやりましたときの総合農協における農業用乗用型トラクター保有状況でございます。三十九年度に予備調査をやりまして、さらにアンケートその他の調査を現在やっておりますのですが、その予備調査段階で得られました結果を、こりあえずここに収録してございます。二二ページの一番下のところに合計欄がございますが、ホイール型のトラクターで、農協が持っておりますもの、借りておりますもの、それぞれの馬力別に示しておりますが、二十馬力未満で二百五十四台、それから二十馬力ないし三十馬力が六十五台、それから三十馬力以上のものが九百三十三台。それからクローラ型では二百九十四台というような保有状況で、一番右のところに保有農協数が書いてございますが、六百五十四農協ということになります。六百五十四農協で、ホイールクローラと合わせまして千五百四十六のトラクター大型トラクターが、大部分所有の形で、三分の一程度が借りた形で使われておるということであります。借りた先は、おそらくは市町村ないし都道府県が大部分であろうと思います。  一四ページは、動力防除機関係普及台数年次別に追ったものでございます。先ほど最初の表で五十六が四千台と申しましたけれども、それの逐年の状況でございます。  それから、その2は、それの所有形態別台数でございますが、その一の表に見合いますものは、その2のところでは、ちょっとこまかくなりますが、これは昭和三十五年のところでございますから、総計でその一の表で三十万五千四百七十六台、うち動力噴霧機が二十三万二千百四台であります。その二十三万二千百四台は、その2の表では、農家所有のところの総台数二十三万二千百四台、ここに出ております。それから動力散粉機のほうも同様、農家所有のところの総台数七万三千三百七十二という、この数字センサス数字になっております。そのほかに、組織有ということで、組織の持っておりますものがそれぞれありまして、総台数というのが、センサスの総台数よりもそういうものを含めますとふえて、四十万六千台、約十万ふえたもので、次に分類はできております。  それからIの7は、高性能防除機械普及状況でございます。これは、畦畔走行式動力噴霧機総体で千百七十六台、それのそれぞれの保有状況都道府県有が一番多いわけでございます。  それから次のページにいきまして、畦畔走行式の動力散粉機三百六十四台、やはり都道府県有が圧倒的でございます。これは植物防疫といったような緊急防除等の必要からこういう分布になっておろうかと思います。で、スプレーヤーが千十三台、定置配管が五千五百五十五カ所ということになります。果樹関係は、このスプレーヤー定置配管が主でありますことは御承知のとおりであります。なお、最近ヘリコプターが防除に使われておりますが、現在活用されておりますものは十四社、百四機ということになっておるのであります。  それから次の表は、動力脱穀機普及状況年次を迫って見たものであります。なお、自脱型と普及型の数字につきましては、その2の表でごらんいただきますとおわかりのように、先ほど申しましたように、自脱型が最近ではもっぱら伸びております。  それからIの9は、コンバイン台数で六十二台、昭和三十九年十月末で入っておりますが、その馬力別分布は以上のようで、五十馬力級が三十台、約半ばを五十馬力級が占めております。  それから次のページにまいりまして、各国コンバイン台数は、日本の六十二台に対しまして、各国状況、特にアメリカのコンバイン普及台数は百万台をこえております。  それからIの10は、乾燥機普及台数、三十九年末で八十一万台でございます。逐年の普及状況でございます。  それからIの11にまいりまして、そのうちから一日百石以上の処理能力のあるものを取って調べてみますと、全部で百十八あるようでございます。それぞれの型式別に申しますと、循環式が九十六、静置式が二十二、それの能力別が示されておりまして、大体百五十石から二百石程度までが多くなっております。  その百十八ヵ所がどういう助成で持たれたかというのがその2の表でございますが、構造改善事業によりますものが三十五カ所、大規模乾燥調整施設ということで、これは早場地帯の供出の便に供するために助成をいたしましたものが二十五カ所、それから新農村で設置せられましたものが十三カ所、それからその他、非補助あるいは融資等で設けられましたものが六十五カ所、約半数はそういったかなり自主的なものでございます。  その設置年次別で見ますと、三十五年以前に設けられましたものが五、それから、三十六年が十、三十七年以降が二十二、八十。構造改善事業助成が始まりましたのが三十七年からでございます。   それから一八ページは、動力カッター普及台数でございます。特に申し上げることはないかと思います。  Iの13が、自動搾乳機の普及状況でございます。利用戸数が書いてございますが、搾乳機の利用戸数を飼養規模別に分類をいたしました、利用戸数にして三万三千戸ということになりますが、  一番利用度の高いのはやはり五、六頭以上ということになるかと思います。二頭ではなかなか無理だということかと思います。次に、使用率と書いてございますのは、そのそれぞれの規模の飼養農家の中の利用戸数でございます。つまり、五頭ないし九頭の農家全体のうちの四二%がミルカーを使っております。十頭以上飼養農家では六七%がミルカーを使っておるというように見ていただく資料でございます。  それからその次が、果樹等の選果施設でございます。これは総数で二千六百十カ所あります。最近一カ年の処理量が七十二万トンというふうに報告されておりますが、ミカンを中心としたかんきつ数、それからリンゴ、ナシ等に主として使われております。  それから次のページは、生産の関係でございます。  以上が普及関係でございますが、IIの1の資料は、耕うん機、脱穀機、もみすり機等、別に三十六年度から三十九年度までの逐年の生産報告数量と出荷金額であります。  それから二〇ページは、輸出されました状況の三十五年以降のそれぞれのものの輸出台数であります。並びにFOB価格であります。かなり東南アジア等を中心にして、動力耕うん機あるいは噴霧機等もかなり輸出がされております。  それから、その次は、輸入のほうでございますが、三十五年以降の輸入台数で、トラクターが三十八年度に二千八百台。そのうち、これはもっぱら車輪型、ホイール型であります。動力噴霧機、動力散粉機についても多少の輸入がございます。  それから自家農業の労働投下量および畜力・動力使用時間と申しますのは、経営組織別の農家経済調査から取ったものでありますが、総労働時間三十七年三千二百七十四時間のうち、畜力使用が五十三時間、動力使用が百二十八時間というふうなことで、動力利用は逐年ふえて、三十二年の約二倍にふえてはおりますが、農家の総体農業労働投下量の中で占める機械、動力利用割合はまだまだというべき段階であります。  それから次のページにまいりまして、それぞれの作目別に総労働時間と畜力動力の使用時間の関係を出しております。なお、その中での耕うんの時間の関係を出しております。水稲で例をとりますと、三十二年と三十八年で見てみますと、総労働時間で約八二%におち、耕うんにつきましては動力利用状況は、三十二年当時を一〇〇といたしますと三十八年が二二六と、約倍以上になっておりますが、まだ時間数にしては、絶対時間数としては不十分と申しますか、十分なところまでいっておりません。そのうちの特に耕うんが主になっておりまして、耕うん関係以外の動力利用が十分に伸び切っていないというふうに思われます。以下その他省略をいたします。  それから次のページの、農作業の主なる動力源別農家数ということで、これも農業調査結果によりますが、水田の耕起につきましては三千、五百五十八戸。これは戸数です。それから畑作業につきましては同じく千三百二十というようなことでございます。  それから、動力耕うん機、農用トラクターの使用農家数および耕うん面積、これが田畑別に出ておりますが、耕うん面積の率で右のほうに示してありますが、水田につきましては七八・六%、畑については二九・九%がそういった動力耕うん機、農川トラクターに依存した割合でございます。
  8. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 いまの、二三ぺ−ジのIIIの3の千三百二十五戸は、百三十二万戸じゃないですか。
  9. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 千戸ですから、失礼しました。言い間違いました。  それから二四ページにいきまして、動力防除機の主要作物別利用台数でございます。米に使われておりますものと、主として果樹用に使われておりますものとを、内訳を見ますとこういう結果になります。主として米用が二十六万二千台、主として果樹用が十万七千台というようなことで、かなり防除関係では果樹の関係が多いわけであります。なお、そのほかに定置配管とかなんとかがあることは先ほども申したとおり。  ヘリコプターの状況でございますが、ヘリコプターによる農薬の散布面積は、三十四年から始まりまして三十九年では総体では九十万町歩に達する見込みで、関係府県と申しますか、実施府県はほぼ全国に普及を見る段階に至りました。  なお、その九十万七千町歩がどういうものに使われておるかと申しますと、その2の表で、水稲で六十八万町歩、果樹で四千八百町歩、果樹以下はまだ試験段階といってよろしいと思います。水稲は実用化に近づいたというふうに考えてよろしいかと思います。  それから直播の状況でございますが、水稲の総体の直播をやった面積は一万八千町歩であります。大部分は手まきの直播でありますが、そのうちで動力施肥播種機を用いましたものが千百四十五町歩、そのうち大型機械を用いましたものが百八十二町歩、ヘリコプターを用いましたものが六十二町歩ということで、まだ直播の圧倒的な大部分は手まきその他であります。機械を使いましたものの割合はきわめてまだ少量、試験的な段階というふうに考えられます。  それからなおこの一万八千町歩のうち、湛水直播が一万三千町歩、乾田直播が五千町歩でありますから、そんな関係からも機械利用が非常に限られておるというように思われます。  刈り取り機の関係は、動力刈り取り機を使いました面積三百十二町歩。うち大型のものを用いましたものが約百町歩であります。小型の動力刈り取り機につきましては、いろいろなものがかなり試作の段階あるいは実用化の段階にきておりますが、約三万台程度が市販されて入っておるようでありますが、使用面積は約二百町歩というようになっております。  それから作物別の労働時間の比較というところで、これはかねてやっております農業機械化実験集落の、導入前と導入後の作業別の労働時間を、実験集落の報告結果をそのまま収録して御参考に供しておるのでございます。したがって、実験集落でございますから、いろいろの面で条件整備して、おりませんので、必ずしも、何と申しますか、机上で計算するとおりの成果をあげておるわけではございませんが、それなりに相当省力効果がうかがわれれるわけでございます。一々につきましては省略をいたさせていただきます。  二八ページ、二九ページ以下には麦の関係、それから三〇ページ以下にはカンショ、バレイショ、食用コーン等についての実験集落での調査結果が出ております。三二ページがサイトー、三三ページがテンサイであります。  それから、三四ページは、馬性能防除機械の能力と省力ということで、それぞれ畦畔走行式動力噴霧機の場合、それを大型、中型に分けまして、従来の機械に対する省力程度を一番右のところに、大型で六分の一、中型で、五・五分の一というふうに、それぞれ苦力程度植物防疫課の業務資料から拾ったものであります。  それから、IVの3は、航空水稲直播の所要労力、これはごとくわずかな面積の試験的にやっておりますものですが、そこでの三十七年度におけるヘリコプターから種をまいた場合の各作業別の所要労働力を出しております。移植の場合との比較において、まあ動力だけからいえば非常に少ないことは必然予想されますが、その状況資料でございます。  それからのVの1は、機械利用形態別水稲生産費の比較ということで、普通の年産費調査の場合の生産費と、反当並びに石当たり生産費、それぞれ三十七年で、一万一千円、あるいは行当たりにおいて七千二百七十一円に対して、耕うん機を使った場合、それから四十馬力程度トラクターを使った場合、それぞれの事例を注に書きましたように、事例調査ございますが、事例での報告状況を収録をいたしました。  それから三六ぺ−ジ以下は農機具検査関係でございます。農業機械化研究所ができまして、業務を始めましたのは三十七年からでありますが、それ以前は、農機具検査室による検査の結果でございます。薫十七年度以降は機械化研究所を設けまして、あそこでやらしておる検査の概況でございます。  それから三八ページが、これは社会勘定として統計調査部が発表しておりますものの中で、農業固定資本の形成の状況年次別の推移で示しておりますが、その中に、その固定資本の中での農機具の伸びぐあいが近年著しいものがあるというふうに覆われておりますので、その状況を、この統計調査部の社会勘定の数値をそのままここへ持ってきたわけでございます。農機具の占めます割合が最近その中が一番多くなかったのは注目されるところであります。  それから三九ページは、農業機械導入に対する助成の方式を並べて、まず第一に、構造改善事業におきまする三十七年、八年の実施結果から、どういうものがどのくらい助成されたかでありますが、両年度を通じましてトラクターが、パイロット、一般を合わせまして六百三十九台、さらにスピードスブレヤーが八十九台というふうな状況であります。コンバインにつきましては、まだ慎重を期するために延ばして、条件の成熟を待って入れるということで、今年あるいは明年度まで延ばして、十分状況を見定めて入れていくつもりでおりますが、ここであらわれておりますのは、北海道の畑作地帯におけるコンバインがすでに入って実用化に供されておる状況であります。  それから四〇ページは、構造改善事業以外の各種助成で、三十五年から四十年度予算に至るまでのいわゆる大型機械助成状況で、各種の生産対策の見地から、それぞれホイールトラクターがごらんのように畑地の生産対策の重要な一環として入っているわけです。これらが今後やはり生産対策の一翼として、それぞれの作物別に入ることは当然だろうと思いますが、この導入についての方向づけなり、計画化なりということについて、機械化行政というふうな観点から横に調整をはかるというのが、今回お願いいたしております法律の一つの趣旨でございます。  以上が機械化関係資料でございますが、あとそのほかに、機械化研究所の概要という資料をお届けしております。これは中身にわたりますと少し長くなり過ぎますので、なるべく簡略に目録のところで見、ていただきますと、まず第一に、設立及び経過の概要でございますが、設立は御承知のとおり、三十七年十月でございます。在来、国の試験研究機関がやつでおりました農機具に関する開発、改良研究、あるいは検査室がやっておりました検査の義務を、単に国だけでなく、関係業界あるいは広く関係団体の御協力を得て、財政的にもそれらの御参加も得て、特殊法人でやったほうが試験研究促進されようし、また各メーカーが別々に試験研究を持つことも必要でありましょうけれども、共通に使われます面は、機械化研究所がそういったことの共通部分試験研究もやるという趣旨で、新たに民間出資を含む政府出資も加えてできた経過がございます。それの設立後の経過が三ページまで書いてございまして、現在の機械化研究所組織、業務内容、人員配置等が四ページから八ページにわたってしるされております。  その設立後の財務の概要につきましては、九ページのところがらあとで財務概要が書いてございますが、ここで、出資なり民間寄付金の拠出状況でございますが、三十九年十二月末で見ますと、総体で千億のうち政府出資が六億、民間の出資が一億六千、それから基金寄付金という形で、出資というのと実質的には同じものでございますが、純粋の出資と番付金と二つに分かれて、それぞれ一億六千、二億五千というふうなことで三十九年十二月末で約十億になります。そのうち、政府出資の概況はその次の表にございますように、施設設備の資金として出資されましたものが四億七千五百万で、これは三十九年度で予定を終わっております。それから一番上の、資本金とありますのが、運営のための基金でございます。が、これは総体で約五億積む予定のうち、三十九年度に一億を積んだわけであります。四十年度に引き続いてさらに三億を積む予定にしてございます。それから、現物出資は、すでに御説明いたしましたところの、農耕具試験室にあります施設を三千八百万ほど出資がしてございます。それが政府出資内容でございます。今後は、一番上の資本金のところが、四十年度二億、さらに四十一年度以降積まれる予定になっております。  それから政府現物出資の三千八百万の内訳は、その次の表のとおりでございます。  あと収支及び予算の推移につきましては、できました三十七年度以降型どおり一〇ページ以降に並べてございます。  国庫補助金が出ておりますが、これは運営の利子——資本金の利息収入でなるべく総体の大部分をまかない、足らざるところを単年度ごとに政府が補助をしていくということで、逐年補助をいたしております。  以上が財務の内容であります。  それから一四ページ以下が、機械化研究所施設の概況でございますが、大宮に移転しまして設ける本館と、共同実験室三むね、その他付属の実験施設検査施設等で、あります。省略をいたさせていただきます。  なお、それらの概況見取り図は、一八ページと一九ページですかのところに、折り込みの図面で出ておりますので、それで御承知をいただきたいと思います。  それから、二一ページ以下が、研究所の設立以来の業務概要と、四十年度の研究計画の概要でございます。  それから三〇ページ以下で、同じく三十七年度以降の検査の概況、四十年度の計画、それから検査と並行して、やっております鑑定という業務があります。これは検査といったような基準を定めて行なうものとは違いますが、それぞれの機械性能等を鑑定して、普及なり実用の御参考に供しようという趣旨でやっておることでございますが、それの結果が三六ページ以降に出ております。なお調査業務、刊行業務等もありますので、それぞれ年度ごとに書いております。いずれにいたしましても、研究所検査、鑑定につきましては三十七年度以降それなりの成果をあげておりますが、まだ本格的な業務は、この大宮の場所での施設整備を待って本格化するというふうに考えております。  以上が資料の御説明であります。  なお、もう一枚、機械化研究所に対して現物出資を予定している財産一覧表というのがございます。これは今回の法律改正の結果、大宮の種畜牧場が現在使っております財産のうちどの部分大宮の今度の機械化研究所出資するかということにつきましては、本館のあります大部分でありまして、いわゆる飛び地の部分は別途公共用の用途に供される、予定になっております。  以上で説明を終わります。
  10. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 資料の要求のある方は、この際お願いいたします。
  11. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 資料の提出を求めますが、農業機械化研究所の運営審議会ですか。が持たれておりますが、この中で、農業機械化推進対策上の問題点というのが出ていますね、去年の十二月に。
  12. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 機械化研究所の運営審議会とおっしゃいましたか。
  13. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 ええ。
  14. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 政府機械化促進法が付置されております機械化審議会の懇談会の席上、御検討いただくために私どものほうから用意して出したものがございます。それではないかと思いますが……
  15. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 そうですが、その機械化審議会の懇談会で出された問題点、去年の十二月に出したそれを資料として提出を求めます。  もう一つは、コンバイン昭和三十九年度の鑑定の結果がまとまっておるようでありますが、これをひとつ提出をしてほしい。これはいいですか。
  16. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) それぞれございますから、なるべく早急に出します。  なお、コンバインにつきましては、鑑定結果、それから昨年度県有のコンバイン稼働結果を簡単にとりまとめたものがございますので、もしなんでしたらあわせて資料としてお出ししたほうが御理解が早いかと思います。
  17. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 これできるだけ早目にひとつお願いしたいと思うのです、審議の都合がありますから。私はそれだけです。
  18. 仲原善一

    委員長仲原善一君) そのほかございませんか。——それでは、ただいまの資料はなるべく早く製作の上、提出を願います。  午後三時まで休憩いたします。     午前十一時五十二分休憩      —————・—————     午後三時三十四分開会
  19. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日付をもって、委員武寿君が辞任され、その補欠として石田次男君が委員に選任されました。     —————————————
  20. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 食料品総合小売市場管理会法案を議題といたします。  去る四月八日の本委員会において決定いたしました本案の審査報告書の取り下げにつきましては、同日、議長の許可を得ましたので、これより本案について再質問に入りたいと存じます。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  21. 北村暢

    ○北村暢君 建設大臣に質問する前に、農林大臣が見えましたから、ちょっと農林大臣に先に、質疑を再開するにあたって御要望を申し上げたいと思うのですが、この法案の審議にあたりまして、金曜日の日に秘密理事会が行なわれて、その後不幸にして単独審議、こういうことが行なわれたわけなんですが、このことについては、手続上その他において違法行為ではない、しかしながら、国会の慣例を破ったということ、いわば道義的な問題として非常に遺憾であったと思うのです。その際に、実はわれわれ秘密理事会に入っている間に、ある新聞で見たのでありますけれども、来たことのない事務次官がこの委員会へ参りまして、われわれいないところでありましたが、こういうりっぱな法案を何でもたもたして通さないでいるんだ、というようなことで、俗にいえばハッパをかけた、こういうことを聞いておるのです。それによって与党の単独採決になったとは、私はそういうふうには理解いたしませんけれども、しかし、そういうことがあったということは、私は、行政府の者が国権の最南の機関である国会へ来て、そういうはったりをかけるということは、それでなくても日本の今日の政治というものが官僚に支配されておるというくらいに言われておるのに、そういうことが事実あったとすれば、これはゆゆしき大問題だと思うのです。私はそういうことは許されないことだと思うのですが、一部新聞の報道ではそういうふうに出ておるようであります。したがって、あなたの部下にそういう不見識な、しかも行政府の最高の責任者がそういうことをやるということについては、私は納得がいかない。この点について大臣はどのように考えられ、どのように処置されるつもりか、まず、この点についてお伺いいたしておきます。
  22. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 事務次官が、この法案はりっぱな法案で、どうしてこういうふうに、ずいぶん審議もしたのに結論を出してくれないかというようなことを私に漏らしておったことは、私も始終聞いております。しかし、国会まで出向いてきて、国会の議員の諸先生に対してハッパをかけるというようなことは、不遜でもございまするし、私は、そういうことはあり得ないし、また国会の議員の方々のほうがずっと事務次官などよりも優位であり、誇りも持っておるのでございまするから、そういうことでとやかく行動に移ったとかなんとかいうことは信じてもおりませんし、そういうことはないと思います。現在におきまして官僚の支配が相当強いということをいいますけれども、私は、むしろ国会のほうが最高の機関として相当権限を行使しておると、まあ見ております。しかし、官僚が官僚の職分を逸脱するというようなことがありといたしまするならば、これは厳に戒めていきたい、こう思っております。
  23. 北村暢

    ○北村暢君 いまの大臣の御答弁で、私も納得したいと思いますけれども、しかし、あの強行採決をしたのに対して、一番喜んだのは、農林省の役人が喜んでおる。強行採決したのに憤慨したのは関係の業者であり、反対をやっている中小企業の人々です。その証拠に、あの委員会で強行採決が行なわれた翌日、農林省では、もうこの法案は成立した、通ったということで、PR資料を直ちに印刷をして、そして万歳、万歳でやっておった、その資料をこの委員会に提出することを要求してあります、まだ出てきておりませんけれども。そういう事実があることを大臣はおわかりになっておらないようでございますけれどもね。そういう事実がある。その印刷物はPR用でありますから、正規のニュース報道機関にも配付されておる、手に入れている人もおる。そういうものを私は見ておる。あれは何日だったですか、二日の日です。二日の午後何時、参議院農林水産委員会において採決というところまでぽつんと書いてある。経過ずっと書いてあります。そして、この法案はかくかくの法案で、非常にいい法案だというPR資料をつくっておる。そういう実態であります。私はそういう点から言って、まことに遺憾だと思います。この点は、大臣のおことばもあるのでありますが、大臣はこういうことを認められるはずもないし、私は、今後こういうことがあってはいけないことだろうと思うので、十分調査をされて、それなりにひとつ注意を与えておくことが望ましいのじゃないか、このように思いまするので、御処置を願いたいと思います。
  24. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 実はこのことにつきましても承知しておらなかったのであります。いま耳打ちで新聞記者に配った、しばらくこの法案の内容を聞いてから日がたつので、ひとつPR用にほしいというので配ったというようなことを、いまちょっと聞きました。農林省が一番喜んだと言いますけれども、まあ法案を出しておったのですから、喜んだのは喜んだと思います。しかし、私は別に手放しで喜んでいたわけでもございませんし、万歳、万歳まで言ったかどうか、そこのところちょっと、子供じゃないから、そうはやらぬだろうと思いますけれども、しかし、人情として喜んだことだけはお認めになっていることですが、あまり行き過ぎたことは、何といたしましても、私としても注意いたしたいと思います。
  25. 北村暢

    ○北村暢君 この点はもうこれ以上追及いたしません。ひとつ、大臣の良識によって処置していただきたいと思います。  それで、次にお伺いいたしたいのは、せっかく建設大臣に御足労をわずらわしまして非常に恐縮に存じますが、この食料品総合小売市場管理会法という法律は、実は非常に多岐にわたりまして、いわゆる農林省の所管ではありますけれども、農林省だけでやるということが、各行政官庁に多岐にわたっているために、この特殊法人というものを設けてやっていこう、こういうようなことのようでございます。したがって建設省とも十分連絡をとられておられることだろう、このように思うのです。  それで、ごく具体的な、こまかい問題で恐縮でございますが、この法律の第二十二条の、管理会の業務の範囲の中で、「総合小売市場の用に供する土地の効率的利用を図るため、その食料品総合小売市場の用に供する建物その他の施設と一体となる施設であわせて建設することを相当とするものの建設管理及び処分を行なうことができる。」こういうことになっておりまして、実は土地の高度利用という点から、住宅もあわせて建設管理をすることになっておるのであります。それで、この点について、住宅金融公庫から管理会に融資をするという、公庫資金を使う、こういうことがあるように聞いておるのでありますけれども、一体どのような計画で御相談に応じ、どの程度資金を準備せられておるのか、今後どういうふうになっておるのか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
  26. 小山長規

    国務大臣(小山長規君) この問題につきましては、農林省の事務当局と建設省の事務当局で、この管理会法案が通過しました暁、どのような協力態勢をとるかということを前もって打ち合わせておるわけであります。それはいまお話がありましたように、土地の高度利用のために、この市場の上に住宅を建てるという場合、その場合には住宅公団がこれにあたろうという申し合わせをいたしておりまして、住宅金融公庫から貸し付けをするということを予定をいたしておりません。
  27. 北村暢

    ○北村暢君 公団が建設をするのですね。
  28. 小山長規

    国務大臣(小山長規君) 一体となる建物を公団がつくりまして、そして下のほうは管理会に譲渡をいたしまして、売り渡しまして、上のほうは公団が賃貸住宅を経営する、こういうことになります。
  29. 北村暢

    ○北村暢君 それで内容はわかりました。  次にお伺いしたいのは、この管理会の職員のうち、一部は施設建設のための職員が当たることになっておるのです。こういう建物を建設するのには、用地買収あるいは建設、こういうことで、経験者は建設省のほうに多いのじゃないか、農林省はそういうことはあまりやらないですから。そういう意味において、この管理会の陣容を整える上において、建設関係から御相談があって、そして建設関係の人をあっせんしてやると、こういうようなことは御相談あるのですか。
  30. 小山長規

    国務大臣(小山長規君) 人事の問題についてはまだお話がありません。  ついでに申し上げますが、いま申し上げました建設省と農林省の間の覚え書きの内容は、住宅公団としても住宅をつくりたい場所があるわけです。つくりたくない場所にもってこられた場合の問題は別でありまして、おそらく、この管理会が設置される、市場が設置される場所は必ずしも住宅適地ではないかもしれませんので、われわれのほうで了解しておりますのは、住宅として経営するに適地である場所で、農林省がお建てになるというときには、われわれのほうでつくって差し上げましょうと、こういう内容であります。
  31. 北村暢

    ○北村暢君 そこで、大体わかってきたのですが、したがって、この管理会というものは、今後、総合小売り市場を設置していく場合に、都市開発、再開発をやったり、あるいは新住宅地を建設したり、こういうような建設省の都市開発の問題と非常に密接につながっていくのじゃないかと思うのです。そういう意味において、今後相当建設省とのつながりというものも出てくるのでないかと、このように思うのです。そこで、私は、建設大臣にお伺いしたいのは、従来の都市開発なり何なりというものに対して、確かに、建設省は住宅を通じ都市をつくっていくのですが、そういった計画を持っておるのですが、流通面に対する考え方を織り込んで建設していくという点について、非常に欠点があるのでないか。それは通産省とも関係があり、農林省も関係出てきて、そういう流通機構なり、その施設というものをどういうふうにやっていくかということの連絡というものが非常に足りないじゃないか、このように思うのです。ということは、最近できる住宅団地、団地というものがあちこちに相当できるわけです。その団地における流通関係、特に食料品関係の入っておる商店、公団でもいいです。そこの流通関係の商店というのは、どこでも例外なしといってもいいくらい人気が悪いのです。独占的であって、そうして値段が高くて、サービスが悪いと、これは団地の商店というのは例外なしにそういう風評があるのです。こういう点が、私は非常に問題のあるところだと思うのです。これは建設省の私のほうの所管でないと、こういうふうに言われるかもしれませんけれども、公団なり何なりの、住宅公団が建設をしている団地等においては、公団が入居する人を選定しやっているのじゃないかと、その辺の事情は、私、契約関係のことはわかりませんけれども、非常に不評判であることは間違いないのです。したがって、そういう面の配慮というものが一体どのようになされているか、この点をお伺いしたい。
  32. 小山長規

    国務大臣(小山長規君) 私どものほうの住宅団地をつくります場合には、いわゆるサービス面の施設ですね、たとえば二千戸なら二千戸、五千戸なら五千戸の団地をつくる場合には、そこに一体八百屋さんが何軒あればいいかとか、あるいは床屋さんは何軒あればいいかとか、そういう調べをしまして、そうしてそういうものをつくる場所をあらかじめきめておきまして、そうしてそういう施設を、施設といいますか、建築物はつくるわけであります。そうしてそのつくりました建築物にだれが入って、だれが経営するかというようなことは、これは公団がやるといろいろ弊害がありますので、そこで、当該市町村あるいは商工会議所などと相談をしまして、そうしてそこから御推薦を受けた方に入っていただく、こういうふうな仕組みにしております。いまお話しのように、非常にそういう評判が悪いということであれば、実態を調べまして、おそらく契約期限があるでしょうから、評判が悪いということであれば、どういう理由で評判が悪いのか、契約期限の問題とにらみ合わせて、適当な人にかわってもらうとかいうような方法はできようかと思います。
  33. 北村暢

    ○北村暢君 そこで、農林大臣にお伺いしますが、そういう点について、私は、そういう団地をつくったりなんなりするときに、いわゆるいま農林省のいっているスーパーマーケットなり何なりというものをつくるのに一番適当しているのじゃないかと思うのです。それを公営的な形でやることが、公設的なものでやるというのが一番適当しているのじゃないか、こういうふうに思うのですね。これは新たにできるのですから、いまできる総合小売り市場も、そういうところもあるでしょう、しかし、既存の小売り商に影響しないことでできるのですから、これは行政指導によってある程度いけるのじゃないか、やれるじゃないかと思うのです。ところが、これは例外なしに団地の中にできるものですから、これはもう独占的なんです。独占的なんです。自由な競争をやっていないために弊害が起こってきているのです。これは事実なんです。したがって、そういう点について、いままで農林省はそういうことは配慮して市町村を指導し、商工会議所を指導してやったという例があるのですか、どうなんですか。
  34. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私そういうこと実は承知しておりませんので、事務当局から……。
  35. 久宗高

    政府委員(久宗高君) 公団の住宅ができます場合の商店の選択の問題につきましては、建設省のほうかお答えがございましたが、そういうような具体的な場所につきましての第一次的な御相談は、地方公共団体の長がお受けになるのが通例であろうと考えるわけでございます。農林省といたしまし、具体的にある公団につきましての商店がどう入ったらいいかという問題につきまして、直接意見を申し上げたことはないわけでございます。ただ今回の管理会の創設いた、します市場につきまして、地点が、建設省でお考えの団地と一致いたします場合には非常な便宜もございますので、御援助いただきたいと考えておるわけでございますが、たまたま住宅のほうでお考えの場所と、こちらのほうの選定場所が必ずしも一致しない場合もございますので、全面的にお願いするわけにいかぬと、こう思うわけでございます。
  36. 北村暢

    ○北村暢君 まあ、いままでやってなかったに相違ないのです。指導なんかやってない。具体的にお伺いしますが、いま日本の最大のモデルのニュータウン、千里です。千里の都市建設にあたって、ニュータウン建設にあたって、これの計画の概要をまず説明していただけませんか。
  37. 尚明

    政府委員(尚明君) 大阪府の千里丘陵団地の計画の概要は、約三百五十万坪、市町村地域は豊中市と、それから吹田市の両市にまたがっております。そして全部できますと人口約十五万人住める大阪のベットタウンになるわけでございます。ただいまのところおおむね一万戸、四万人くらいの人が住むぐらいに家は建っております。
  38. 北村暢

    ○北村暢君 その千里の、約四万人からの人口を擁する中に、生鮮食料品を含む食料品の規模ですね、食料品を売る店の規模、そのほか理髪関係から何からいるわけですが、一体どの程度になっておりますか。
  39. 尚明

    政府委員(尚明君) 詳しくは私も数字をあげて申し上げられませんけれども、大体住宅建設をいたしますときには、おおむね千戸程度を単位にして、そこに日用品の商店をつける。さらにその千戸のグループが相当多くなってまいりますと、またその幾つか集まったところに大きな商店街を置くというような方式でやっておりまして、この数字につきましては、いろいろ団地計画の手法につきまして各種のデータがございまして、そのデータに基づいて、大阪府はいまその設置を住宅の建設と合わせつつしているという実情でございます。
  40. 北村暢

    ○北村暢君 この千里のニュータウンの物価の向いことは、これは有名です。それは施設が近代的であるからやむを得ないといえばそうかもしれませんけれども、千里のニュータウンに住んでいる人はこぞって流通機構のあり方について批判をしております。これはいま言ったように、計画的に千戸に対して小さいものができ、中心にショッピング・センターというようなものをつくる。私も現に行ってみましたけれども、なかなかうまいような形にはなっておらぬようですね。ということは、これは日本的であるのかもしれませんけれども、昨年ストックホルムの郊外のニュータウンを見てまいりましたけれども、これと比較してみて、そういう面の配慮というものは非常に行き届いておりませんね。確かに、そういう施設のあるところは、郵便局から警察に至るまで一カ所にまとまっているわけですね。しかし、その施設たるや実にモータープール式なものもあまりない、まことに狭いところにごちゃごちゃとあるようですね。このショッピング・センター式のものをやはり考えないというと、この千里のニュータウンは、周辺はほかの都市と近接しておらないんですね。完全に隔離された新しい町だけです。そこにごく少数の流通機構しかないわけです。どこで何買うといったってないんですから、そこで買う以外にない。そうして計画によって、どこにでもパーマ屋さんつくったり床屋さんつくったりすることはできない。これは絶対できないんですね。食料品を売る店も、指定せられたところ以外にはできないわけです。そういう非常に世の中から隔離せられた新しい町をつくるのに、消費者というものを考慮された形の流通機構というものはできていないんです。これは大阪府でおそらく計画を立てて、建設省もこれの計画の相談にあずかっているはずです。そうしてあらゆるデータをつくって科学的に分析せられて、どれだけの人口に対しどれだけの食料品店があればいい、計算されてやっているに相違ない、やっているに相違ないんだけれども、そういう科学的にやったものが、入り方がおかしい、その公団なり府営の住宅もあるんですから、どこで指導しているかわりませんけれども、どこで許可しているか知りませんけれども、とにもかくにも、やろうと思えば、これは農林省の意図したようなスーパーマーケットなり何なりというものはできるわけなんですね、新しくつくるんですから。それが今日何らなされておらない、そうして千里の消費者は異口同音に不平を鳴らしておる、これは一体どこに欠陥があるんですか。私は、これは総合的にやはり通産省なり建設省なり農林省が、だれかが音頭とって、消費者にいいような方法を考えてやらなきゃならないと思うのですが、りっぱなことを言ったって、千里のニュータウンですよ、これは。しかもこれは将来日本の過大都市を分散させる意味において模範になるニュータウンですよ、これは。やろうと思えば、その施設なり何なりりっぱなんですから、それは家賃もあまり安くは貸せないでしょう。そうして独占的なんですから、したがって、これは品物を高く売らざるを得ないということになっているんじゃないか、ここら辺にもう少しあったほうが競争していいなと、こう思っても認められない。食料品ばかりでない、先ほど言った理髪屋にしてもパーマ屋にしてもない、一切つくれないんですから。住宅以外にはもうつくれない、そういうしかけになっておる、そこで計画がうまくいかないというのは一体どういうことなんですか。そういうことを検討されたことは、建設省、農林省、千里のニュータウンについて流通関係を検討されたことあるんでしょうか。
  41. 尚明

    政府委員(尚明君) 御指摘のとおりに、この千里の店舗のつきぐあいその他において、必ずしも入居者の満足すべき状態でないことは聞いております。これはすべて大阪府の計画に基づいてやっているわけでございます。大阪府は、この案を練る前に、約三年間にわたりまして、都市計画あるいは住宅、あるいは建築等の学識経験者その他にいろいろ協議して、相当の案を練りました。その骨子としますところは、中央部に非常に大きい商店街をつくり、そうして専用の住宅地のところには、比較的小さい日用品の商店街をつくるというふうにして配置されて、それはそれなりに研究されているわけでございますが、この建設経過におきまして、このすべてができ上がりますのに、やはり七、八年ないし十年かかります。それで初めに、小さい住宅地の区域のところで、やや数の足りな目な商店を設置したきらいがございます。そうしてその全体としてある程度の戸数がまとまってきたときに、大きな商店街をつくるというようなやり方を大阪府としては試みたわけでございます。したがいまして、最初に入りました商店が、やや住居戸数に比べても商店が足りない、またそれの指導が十分でなかった点もあって、やや独占的なきらいを示しまして、評判がよくなかったという点がございまして、これにつきましては大阪府も、商工部と経済部局と連絡しまして、ただいまそれをいかにしたら円滑にいくかということで、経済部局のほうも乗り出して鋭意研究中でございます。こう全体がなりましたことは、私はある程度やむを得なかったと思いますし、また残念だと思いますのは、わが国では、三百五十万坪からの隔絶したニュータウンをつくる経験にいままで乏しかったわけでございます。したがいまして、この建設途上における経過をどう結びつけていったらば、最初に住む人たちにもそう不便を与えないでやっていけるか。しかも今度は、商店のほうは、それほどまだ入居者がついていないのに、購買力はそうないわけでございますが、一通りの種類をそろえることは、これは非常にむずかしい問題でございます。つまり入居者はまだ一万人か二万人しかいない。しかし、その人たちのために必要なる種類は、町が完成したときがほぼ同様くらいの種類が要る。それをどうするかというあたりのところにおいて、わが国ではまだ経験が浅かった点もありまして、若干遺憾な点がある。それが入居者の不満をある程度生じたというふうに考えられるわけでございまして、大阪府もこれを機会に、これではならぬということで、また積極的な研究を始めたわけでございますし、これは今後のそういった問題を解決するための非常に大事な試金石になる問題だと、こういうふうに考えておりまして、私としては残念ながら、わが国では三百五十万坪をわずか数年で開発するという経験がなかったために、建設計画といいますか、工程というようなところにおいて、若干その点に遺憾があったというような感触を持っております。
  42. 北村暢

    ○北村暢君 これは、若干遺憾な点があったというようなものではないのですよ。あそこに住んでいる人の話聞いてもらえばわかるのですけれども、非常な不満を持っていますよ。したがって、私ここでお伺いしたいのは、これは政策的にやろうとすれば、また計画的に科学的なデータを集めてやっているのですから、これはできないはずないのですよ。できないはずがない。それが、若干遺憾であったなんという程度でなしに、非常に不満を持っている。ふんまんやる方ない状態にある。これはいつか改善しなければならないと思うのですね。一体このニュータウンにスーパーマーケット式の規模のものが、どの程度になって、流通の合理化の見本のようなものができているのかどうか。そういう面について農林省は、おそらく農林省は指導したことはないのだろうと思うのですが、きょうは通産大臣が見えておりませんので、ちょっと聞きにくいのですけれどもね。食料品の総合小売り市場のこのモデルをつくるという農林省ですから、当然これは千里のニュータウン等において、そういうりっぱな、世界にもまれに見る大規模な都市ができるのですから、そういう時期に、そういう中に、最も近代的な合理化されたマーケットができていいのじゃないかと思うのです。それが遺憾でありましたどころではない。非常に物が高い、そしてサービスが悪い、こういうことを言われているのですけれども、そういうものが出てくるということ自体が私は考えられないことだと思うのです。どこの監督の無責任なことでこういうことになるのですか。一体だれがこれ監督し、だれが指導をするのですか。
  43. 尚明

    政府委員(尚明君) この千里の場合は、直接的には大阪府が計画し、大阪府が建設し、そして大阪府が商店を選び、指導しているわけでございますので、直接的には府がすべきだと考えます。
  44. 北村暢

    ○北村暢君 府がすべきでなくてね、これはきょう通産省見えておりませんからね、通産大臣見えておりませんからですが、こういうマーケットなり何なりつくるといった場合に、融資なり何なり府を通じてやる、やられるわけです、通産省はね。融資なり何なり、おそらくこれは千里のニュータウンだって、通産省の高度化資金なり何なり使っているのじゃないかと思うのですね。その場合、府はこういうマーケットをつくる場合に、計画を通産省へ出すことになっているのですよ。そしてその計画を通産省が認めたところで融資をする、こういう仕組みになっているはずです。そういう点については、一体農林省は事食料品に関する限りは、協議を受けるのですか、協議は受けないのですか。意見を述べることができるのですか、できないのですか。
  45. 久宗高

    政府委員(久宗高君) 私は県におりました経験で申し上げますと、先ほどの小売り商の問題につきましても、県の中の事務処理ではやはり物ごとに分かれるわけであります。たとえば農林部で食料品の扱いをいたすわけでありますが、融資その他につきましても農林部で扱いまして処理をいたすのが通例かと思います。ただ、今回のこの千里の御計画は、非常に大きなものでございますが、先ほど建設省からお話のございましたように、やはり第一次的には府が処理をなさる問題だと思います。ただ、非常に大きな規模で、しかも日本で初めてのような企画でございますから、当然建設、その他につきまして建設省にもお話があったと思うのでございますが、そこにおきます具体的な流通問題、特に生鮮食料品についてどういう措置をとるかということにつきまして、農林省のほうに府から御相談はございませんでした。府独自で、相当あそこは能力もございますので、いろいろ御計画があったと思うのでございますが、おそらく先ほど建設省からお話のございましたように、建設の過渡期におきます処理が非常に困難であったのではないかというふうに考えられます。
  46. 北村暢

    ○北村暢君 過渡期と言うけれども、一つの区画ごとに完成していくのですよ。それはまあ住宅はできたけれども、中学校ができないとか、小学校がおくれたとか、こういうことはあるのです。あるのですが、もうABCで区画ごとにできて、先ほど説明があったように、千戸なら千戸について一つのマーケットができるのですよ。そういう計画でできている。ですから、過渡期だからうまくないとか何とかいうのでなしに、これはもう初めから計画で出来ているのですよ。で、いま中心のショッピング・センターなんていうのは相当大規模なデパート式のものもできているのでしょう。私鉄もここまで乗り込んでいるのですし、おそらくそういうことになるのだろうと思うのですね。ですから、そういう十カ年計画なら十カ年計画で完成したときには、その中央のショッピング・センターというもの、ショッピング・センターはやはりこの都市建設にあたって、周囲二キロなり三キロなり離れて、それは道路も非常に整備されて、おそらくこういうところに住む人は自家用車を持っている人が非常に多く出てくるのです。したがって、一キロ、二キロ離れたところからこのニュータウンに、おそらく毎日の日用品以外に、衣料その他ではこのショッピング・センターに集まってくる、こういうしかけの都市計画になっていると思うのです。これはもう当然のことなんです。したがって、ショッピング・センターというものは、これは十年後に町全体が完成するときでなければできないかもしれないけれども、そうじゃなしに、いま千戸なり何なりというものの対象にしたところの日常のマーケットはできているのです。これは郵便局もあるし、交番もあるし、何から何までそろった団地ができているのです。銀行もあり何もできる、こういうふうになっているのです。それでなければ町というものは構成されないのですから当然のことです。したがって、流通関係はもうほんとうに科学的にやっておれば、消費者から文句の言われないものができるはずなんですよ。できるはずのように計画されておるのですから、A地区、B地区、C地区というふうに完成して、そして入れていくのですから、そうなっているのです。したがって、だんだんできてくるけれども、過渡的だからこれはうまくいかなかったのだという申しわけは絶対にできないようにできているのですよ。これは。そうでなければ、周囲に部落もなければ店もないのですから、日常品のものはそこへしか買いに行けないようにできている。あとは電車で大阪へ行くとか何かでなければできない。通勤がありますから大阪からもちろん買ってくるでしょうけれども。日常生活がちゃんとできるようにできているのです。それがいま不評判だということは、これは設けたマーケットに対する通産省なり何なりの指導が悪い、これ以外にないのです。したがって、あなた方はいま食料品総合小売市場管理会法でモデルのマーケットをつくって、そしてこれからつくっていくのだなんていうけれども、いまできるニュータウンですらあなた方の行政指導は何も行き届いてないんじゃないですか、一体これはどういうことなんですか。どこにも影響しないですよ、これは。丘陵の松林みたいなところを平らにして、何もないところへぽつんとつくるのですから、ほかの小売り商に影響するのでも何でもない。つくろうと思えばりっぱなものができる。そういうものすら満足にできない。一体これはどういう行政の欠陥なんでしょうか。農林大臣、千里に行ってみたことございますか。
  47. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 残念ながらまだ見てないのです。
  48. 久宗高

    政府委員(久宗高君) 結果からみますと、御指摘のようにまずい点があるように思うのでございますが、先ほど建設省のほうからも申し上げましたように、ニュータウンと申しますか、初めての経験でございますので、そこにおきます入居者が入ってくる人数のふえ方、その方たちの嗜好といったようなものがざいますので、日用品を全部種類別に、適時に、ふえていくのに沿って整えるということはむずかしいことだと思います。大阪のように非常にたんのうな担当者がおりますところ、でも、なかなかそれが非常に実際問題としてもむずかしかったのじゃないかと私は思います。それからもう一つは、おそらく最後の形にこだわり過ぎたのかと思いますが、中央のセンターと、それから地域が広うございますので、さらにそれのブランチとしての小売りの店舗を考えて、しかもそれが恒久施設でございますので、過渡期の流通が非常に困難ではなかったのかという感じがいたすわけであります。いずれにいたしましても、直接にはやはり府で相当御研究になりました上で、建設省の建設計画に合わせながらお進めになったと思うのでございますが、そういう場合に、私のほうで気がついて、前もって御相談しておけばよかったと思いますけれども、具体的には、このような場合に当然に農林省に御相談があるという形にはなっておりませんので、うかつに過ぎたわけでございます。
  49. 北村暢

    ○北村暢君 この千里の問題は、いま日本で代表的なニュータウンですね。それをどこの責任かわからないで、何となく府の計画でできたが、できたものがまずかったというのじゃ、これはちょっと私は受け取れないと思うのです。しかもこれは非常に意欲的なんですよ、建設省がね。これはもう行けば、建設関係の人だったら皆ここへ案内して見せてくれる。まさしくアパートなり何なりはりっぱにできておりますよ。道路もりっぱにできておりますよ。新しい学校もどんどんできている。幼稚園もできている。社会福祉施設もできている。いろいろなものが総合的に考えられてできているのですけれども、住むのはいいのだけれども、食べるほうについては全く欲求不満です。高いものを買わされる。どうにもならないじゃないのですか。これは都市計画やる際に、建設省はそういうものを計算に入れてつくるわけですね。おそらく建設省はこの全体計画については協議を受けていることは間違いないです、これは間違いない。その際に、マーケットなりショッピング・センターの位置なりというものについてどうするということは、当然計画の中に入っている。ところが、その中に入ったものが、これは商人ですよ。それを監督する権限建設省にはないわけですね。どういうものを入れようかということは、県の行政であり、通産省の指導であり、農林省の指導でなければならぬ。したがって、建設省に、物が高いことはけしからぬということを言ってみたところで、私のほうは建物と道路をつくるのがこうでございまして、物価のほうはと、こういうふうに逃げるにきまっているのですね。したがって、建設大臣悪いとは私言いませんよ。しかし、この都市計画をつくる際に、ここに小さな千戸なら千戸対象のマーケットしかつくらせない、あとのとんでもないところに、かってにパーマ屋もできなければ絶対にできないのです。あそこの町は何もできないのですよ、許可制であって。だからもう完全な独占企業になっちゃうのですね、ここは。そういう都市計画になっておるわけです。だから、それならそれを受け継いだところの経済官庁は、そういう独占の弊害が起きないような措置というものが考えられてしかるべきだ。それが何にもやってないから、独占の弊害が出ている。それでだれが一体、建設省の住宅局長が、物価の高いうわさを聞いていて、遺憾でございますと言って、建設省の住宅局長があやまる筋合いのものではない、実際上は。これは農林省なり通産省があやまるべき筋合いのものなんです。だから、私はそういう点からいって、こういう都市計画なり何なりをする際に、ひとつ関係官庁が総合的に連絡をとってやらないと、こういうミスが起こってくる。建設省は建物なり何なりをつくるだけでいいということにはならない。独占的になっているのですから、そういうものを配慮した場合に、非常に公共性を織り込んだところのものでなければならない。消費者に迷惑のかからないものでなければならない。そこまでやはり各官庁が協議をしてやられるべきである。こういう点が非常に抜けているということです。  建設大臣は四時半までということでございますから、私の質問は、きょうはこれで終わりますけれども、とにもかくにも、現実の問題として起こっている千里の問題は、これはひとつ閣議にでも出して、関係閣僚は協議をして、すみやかに大阪府を指導をして、実際独占の弊害が出て、物価高騰、サービスの悪いことで苦しんでいる千里の住民にこたえる意味においても、早急にこの問題を解決していただきたい、このように思いますが、大臣の決意のほどをひとつ伺っておきたい。
  50. 小山長規

    国務大臣(小山長規君) この千里の計画は、先ほど住宅局長が申しましたように、大阪府の計画なんですが、いま若干誤解があるのではないかと思いますのは、ショッピング・センターの区域の坪数はきめてありますけれども、そこに肉屋を一軒しか置いちゃいかぬとか、八百屋は一軒しか置いちゃいかぬとか、そういうような統制はしていないわけです。ですから、必要に応じて、肉屋が足りないと思うならば肉屋が出てくるでしょうし、魚屋が足りないと思えば魚屋が出てくるでしょうし、計画の中には坪数をきめているだけであって、何の店は何軒なければならないというような許可制はとっていないということだけは申し上げておきたいと思います。
  51. 北村暢

    ○北村暢君 建設大臣らしい流通問題の全然わからない人の答弁なんで、私はそれ以上追及いたしません。建設大臣が通産大臣だったら、いまの答弁は私はいただけないのです。建設大臣のあなたは、坪数だけを何坪ときめて、そこに何が入ろうと、わしの知ったことじゃない、こうおっしゃるが、まあそれはそれでいいです。すぐ統制しちゃいけないというのではなく、自由競争をやったほうがいいという意見とそういう肉屋を何軒建てるよりは、大きくして流通経費をかけないで、一つでもいいから安く売るというのが農林大臣の考え方なんですよ。したがって、そういう答弁をされたら、さようでございますかと、いただくわけにはいかない。これはいま申しましたように閣議で十分、これは模範になるものですから、ひとつりっぱなニュータウンをつくっていただきたい。それでなければ、建物はりっぱでも、住んで住み心地の悪い町なんというのは、これはお話になりませんよ。建物だけりっぱで、見た感じはよかった。住んでいる人は、生活物資で苦しんで住んでいる、そんなばかなことはない。そんなことはあり得ないのです。ですから、これはひとつ早急に、日本の代表的なニュータウンですから、衆知を集めて、住みよいニュータウンをつくっていただきたい。その点はひとつ農林大臣から、経済閣僚なんだからひとつ経済閣僚らしい答弁をしていただいて、きょうの質問は終わります。
  52. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 一々ごもっともな御意見を拝聴いたしました。私もさっき言い漏らしたのですが、千里は見ないが、ロンドンの郊外のニュータウンを一度見たことがあるのです。それは何か北村さんの言っているように、よくいっているように私は見てきたのです。それには一つの法律をつくったり、閣僚が相当総合的に建設することに協力しておる、こういうことじゃないかと思います。そういう意味におきまして、いまお話しのような点はよく私はわかりますので、総合的に指導できるようなことにいたしたい、こう思います。
  53. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 本日はこれをもって散会いたします。    午後四時三十七分散会      —————・—————