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1965-03-26 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二十六日(金曜日)   午後一時二十一分開会     —————————————   委員の移動  三月二十三日     辞任         補欠選任      山崎  斉君     野上  進君  三月二十四日     辞任         補欠選任      野上  進君     山崎  斉君  三月二十六日     辞任         補欠選任      森部 隆輔君     久保 勘一君      堀本 宜実君     後藤 義隆君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 北村  暢君     委 員                 北口 龍徳君                 久保 勘一君                 小林 篤一君                 後藤 義隆君                 野知 浩之君                 藤野 繁雄君                 小宮市太郎君                 北條 雋八君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君        国 務 大 臣  増原 恵吉君    政府委員        行政管理庁行政        管理局長     井原 敏之君        農林大臣官房長  中西 一郎君        農林省農林経済        局長       久宗  高君        中小企業庁次長  影山 衛司君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選の件 ○食料品総合小売市場管理会法案(第四十六回国  会内閣提出衆議院送付)(継続案件)     —————————————
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員の異動について御報告いたします。  三月二十三日付をもって委員山崎斉君が辞任され、その補欠として野上進君が委員に選任されました。  三月二十四日付をもって、野上進君が辞任され、その補欠として山崎斉君が委員に選任されました。  つきましては、委員長は先例に従い、理事山崎君を指名いたします。  なお、本日の日付をもちまして、堀本宜実君、森部隆輔君辞任され、その補欠として後藤義隆君、久保勘一君が委員に選任されました。     —————————————
  3. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 食料品総合小売市場管理会法案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言願います。
  4. 北村暢

    北村暢君 まず行管長官にお伺いしますが、臨時行政調査会答申に対する政府態度ですね、いつごろこの答申に基づいて政府行政機構改革について結論を出されるおつもりなのか、この点についてまずお伺いいたしたいと思います。
  5. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) いろいろな機会に政府として申し上げておりまするように、臨時行政調査会答申はこれを尊重するという政府立場を堅持をいたしておるわけですが、御承知のように、たいへん広範にわたるきわめて重要な項目をたくさん含んだ答申でございまして、政府としては、まずこれを行政改革本部所管をさせると申しまするか、おろしまして、まず行政改革本部で一括してこれが処理の方針をきめたわけでございます。  まず許可、認可、その他政府限りで法律改正を要しないでなし得るものが相当ございますので、これは各省庁検討の上できるものから直ちに実施をするということで現在進行中であります。その他のもので法律改正を要するもの、許認可のうちでも法律改正を要するものは、この国会に可能なものから提出ということで、現在二十数件になると思いまするが、法案として提出中でございます。まあ一番基本的な機構改革機構統廃合等含みまする重要案件については、これは直ちに検討に着手を、各省に通牒してしてもらっておるところでございまするが、これは一応本年の八月三十一日を目途として結論を得たい、これはまあ来年度の予算なり、国会法律案提出なりということを目途として、八月三十一日までにひとつ結論を得る——もとより全部できるという結論にはならぬと思います。できるもの、さらに検討を続けるものというふうに分かれ石と思いますが、相当のものを八月三十一日までに見当をつけてもらう。なお現在この国会提出をしたいという意図を持って、行政管理委員会に関するものと首都圏庁に関するものの検討を鋭意続けておりまするが、残念ながらまだ成案を得るに至らず、国会審議をお願いする段取りにはまだ至っておらぬわけでございます。
  6. 北村暢

    北村暢君 そうしますと各省庁で、法律その他によらないものでできるものは、どんどん進めている、こういうお話しでございましたが、法律を要するものは尊重するという立場をとつて、法律を要しないものはどんどんやっているのだと、こう言っているのですけれども、政府の総体的な答申に対する結論といいますかね、そういうものはいつごろ出るのですか。たとえば、私お伺いしたいのは、この臨時行政調査会答申というのは、一年半もかけて慎重にやられて、こういう膨大なものが答申された。ところが、一部には各省庁の、いわゆる役人的な自己防衛的な考え方から、この答申というものが骨抜きにされてしまって、どうも具体的な実施というまでにはいかないのじゃないかというようなことを、しばしば聞くわけなんです。したがって、政府としてのこの答申に対する腹がまえというものを一体どの程度お持ちになっているのか、まあ私はそういう点がお伺いしたかったのです。
  7. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) 全体としての答申を、各省庁で検討をさせている段階ですが、この重要な項目、どれをとらえて見ましても、たとえば内閣における構想、国、行政権トップにおける構想をとって見ましても、これはこの国会法案提出という段取りでの検討は、とうてい間に合わぬというあれが立ったわけでございます。各省庁のトップマネージメントに関する構想にしましても、企画事務実施事務を分けるという非常に大きい構想に基づくしさいの検討、これもとうていこの国会法律案を出すという形では間に合わないということで、この国会法案提出ということを見送ったわけでございます。したがって、これはいま各省庁がそれぞれの形で検討を続けているという段階でございます。で、各省事務系統がこれに反対をすると申しまするか、新聞等にもその種の記事がたくさん出ております。そういう見方が、私は必ずしも誤まっているとは申しませんが、たとえば首都圏庁の問題を取り上げて、具体的にやっていきますと、これは首都圏という範囲を一都七県としまするか、そういうところで総合的な国の公共投資計画的、総合的にやるという意味では総合的であること間違いない。これに相当強い権限を持たせてやるということは、特に一年早めて中間答申をしてもらった首都圏庁の案なんですが、しかし、同時に建設省農林省等立場から申しますならば、全国を総合的に見てそれぞれの計画を立てる、道路五カ年計画にしろ、港湾五カ年計画にしろ、治山治水五カ年計画にしろ立てる、だから具体的に論議をしてみますと、首都圏庁長官に強い権限を持たせるという答申案でいくならば、たとえば道路五カ年計画四兆一千億というもののうち、首都圏でやるべきものを、首都圏庁長官ががんばればこれで動きがとれぬような権限を与えろというのが答申趣旨ですけれども、それでは全国的に総合的に考える場合の統一がとれないという各省庁の意見も、これはあながち権限主張とのみは言えない。また答申は、首都圏庁答申すると同時に、最後の答申では、総合開発庁を設けろ、そうして現在ある北海道開発庁も首都圏整備委員会も、近畿整備圏もこれを吸収をして、やはり全国総合的に開発計画を立てろという方向もあるわけですから、これとにらみ合いましてなかなかその調和点がむずかしいというのが実情で、必ずしも各省庁が自己の権限に拘泥しているとも言いがたいという悩みがある。しかし、何としても官僚は現在持っておりまする権限を譲ることにはたいへん抵抗を示すことは、これは間違いない事実でございます。これは適当に行政機構改革なり、運営改善に関する閣僚懇談会を活用するたてまえを、閣議においては了解をしておるわけですが、残念ながら、いままでのところまだ関係閣僚懇談会を開くには至っておりません。これはもう少し検討の進んだ段階で、関係閣僚懇談会をひんぱんに開いて、大所高所から答申の尊重の線を具体化していきたいというふうにいま考えておるわけでございます。
  8. 北村暢

    北村暢君 そこで、具体的にお伺いいたしますが、行政機構統廃合に関する意見書の中で、いろいろあるわけなんですけれども、行政機構問題点のところで、その三番目に、総合調整機能が不備であるとともに、各省庁の重複機構が多いこと、こういう問題点一つ取り上げて実は答申しているわけです。私どもも流通行政問題一つを見ましても、いま長官がおっしゃられる非常に高い次元の総合行政というものの必要性が非常に強く要求せられていることは事実であります。実際問題としてこの総合行政機能が不備なために、各省庁が行政が重複しているとか、あるいはお互いに一番やりにくい問題は、権限のなすり合いでもって回避するとか、そういうようなことで機能を十分に発揮していない、こういうことがうたわれているのですね。特にいま問題になっている流通行政なんというのは、非常に各省に、水の問題なんかも同じですが、流通行政なんというのもやはり農林省通産省企画庁、物価問題となれば、いろいろな各省に通じてくる問題があるんですね。そういうようなことで、この指摘に対して具体的に農林省なり通産省がどのように、現在検討中だと、こうおっしゃるんですが、取り組まれているのか、そうでないというと、いま法案がどんどん出てまいりまして、どこに権限があるのかちょっとわからないようなことができてくるわけです。たとえば、今度の総合小売市場管理会法案という法律、これがいま具体的な問題で問題になっているわけですけれども、この管理会というのは食料品総合市場をつくるというんですが、これが土地高度利用という観点から、これの上に住宅ができることもあり得るわけです。そうすると、農林大臣管轄権限だ、監督することになっておる。そうすると、建設関係住宅関係行政農林省監督で、家賃の取り立て、住宅行政まで一体になってやる、こういうことになっておる。もちろん流通面についてはこれは通産省担当になる、流通面の全体ではありませんけれども。食料品卸段階までは従来とも中央卸市場で、生産から卸段階まではこれは農林省行政でやってきた、ところが、小売り段階になるというと、これは中小企業でありまして、通産省中小企業庁行政指導範囲に入る、そういうことなんですが、そういうことで混乱が私は起きていると思っているんです。具体的にそういう法案が次次に出てくる。それで私は早くこの問題に対して結論を出して、そうして農林省なり通産省が確たる行政権限というものについて明確にしないというと、混乱を起こすのではないかと思うのです。したがって、こういう具体的な問題についてもうすでに出てきておるんです。この結論は急がなければいけない、こう思う。  そこで、お伺いしたいのは、総合行政という考え方とどっかで調整しなければならない問題が起こる、しかしながら、大筋としては農林省通産省という縦割り行政できておる。建設省住宅行政もこういうようなことで縦割り行政ですよ、それが末端の地区の行政になるというと、自治省というものがあって、地方自治体というものがそこで行政機能を発揮する、そういうふうに考えられるわけなんですけれども、縦割り行政というものを総合行政に切りかえる、そのところを一体どのように判断されているのか、中央官庁中央集権化ということが非常に進んできておる、これはいかぬ、もっと行政権限地方自治体に与えて、行政効果なり能率なり上げろ、こういうことも言われているわけですね。したがって、縦割り各省の、中央政府行政地域行政との割りどころですね。それをどういうふうに考えておられるか、その点を検討されたことがあるのか、これはどうなのか、この点ひとつお伺いいたしたいと思います。
  9. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) たいへんにむずかしい問題でございますが、現在あります各省行政なり、その権限というものを基本的に動かすという方向は、臨調答申にも出ておりませんし、われわれのほうでも考えておりません。しかし、御指摘になったように、現在の縦割り行政の中では、場合によっては権限が重複し、場合によっては権限が相似するということになってたいへん困る。そういう意味で、大きい問題としては、総務庁構想の中にこの問題を取り入れて、局長というふうなものでなしに、専門官たる調整官を置いて、これは役人の資格としては非常に高い識見なり経験を持った者でありまして、局長等にもとより相当する調整官を置いてこれが調整をしよう。今回法律でお願いをしておるのは国民生活局だけですが、青少年行政についても実はこうしたものをお願いしたいというふうに考えておったわけです。こうした総務庁構想における調整官構想が、各省にまたがって行なわれているものを総合的に企画をする、実施はやはり各省という構想一つあるわけでございます。もう一つは、いまおっしゃったように、各地方公共団体との関係で、各省における仕事のやりっぷりは、やはり各省トップマネージメントを強化し、企画調整の面と実施面とを振り分けて、むしろ各省中央企画調整に主力を置く、実施面はあっても振り分ける、実施面はなるべく、場合によっては出先権限を委譲し、望ましい形は出先でなくて、府県市町村等自治団体実施事務は大きくこれを委譲する。その際に、財源措置を適切にすべきは申すまでもありませんが、そういうもう一つ構想があるわけであります。これは構想としてはその形をひとつ十分厳守して、考えをまとめていきたいと思っているのですが、申し上げたように、具体的にその問題を、企画面実施面各省それぞれ検討してもらっておりますが、なかなかそううまくまだ割り切れないという段階になっているということでございます。したがって、基本的には、各省の大きい調整は、総務庁構想の中に調整官を置くというふうなことで一つやるし、もう一つは、企画実施事務を分けて、なるべく実施事務地方公共団体におろしていく、そこで総合的な形としての実施ができるという面を考えるというのが大きい筋だと思います。
  10. 北村暢

    北村暢君 具体的にお伺いしますが、たとえば機構の問題にも関連する法案各省設置法というのももう直ちに行管相談されるだろうと思うわけですが、そうでなしに、いまの行政権限の問題で、こっちは通産省にしたほうがいいのか建設省にしたほうがいいのか、どっちか怪しいという問題、そんなのはやはり行管に御相談になって、法案提出というものがなさるべきだと思うのですね。いま臨調ができて、機構問題がやかましいですから、各省との行政権限をどっちにどうしたらいいかという、そういう時代なんですから、それがまた行政効果能率を上げる意味においても、当然それを調整しておる行管相談にあずかるべきではないか、こう思うのですが、どうも今度の法案は私は縦割り行政だと思うのです。末端自治体にまかせたほうが——さっき企画調整中央で、それから実施業務地方自治体にゆだねたほうがいい、こういう考え方でしたね、そういう点からいくというと、どうも今度の出ておる総合小売市場管理会法というものは、農林省通産省行政権限混乱があるようであるし、実施の面という点から言えば自治体が行なうべき筋合いのものじゃないか、私はそういうふうに感ずるのですがね。行管としては農林省から御相談を受け、これが最もいいあり方と、こういうふうに御判断になったのかどうか。また、協議があったのかなかったのか、そこら辺のところをひとつはっきりお伺いいたしたい。
  11. 増原恵吉

    国務大臣増原恵吉君) こまかい点は局長からお答えいたしますが、もとより各省権限にわたるような事項の設定なり変更は、行管相談がございます。行管相談があったあとで閣議で決定いたします。この管理会につきましても、これは具体的な相談があったのはおととしになりますか、行管協議がございまして、行管としても十分審議を遂げました上で、おっしゃるように、いろいろ権限として錯綜している面がありまするが、管理会そのものは、農林省所管としてやってもらう原案が適当であるという、行管としての検討結論を伺いまして、そういう返事をいたしたということでございます。
  12. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) ただいま長官からお答え申し上げましたとおりでございまして、これにちょっと関連いたしますが、行管がこういう特殊法人的なものの審査権を持ちましたのが、ちょうど一昨年国会から与えられたわけであります。これが、権限を与えられた早々の第一回に、この幾つかの問題と一緒にかかってきたのでありますが、検討されまして、大臣も私も、実は前任の者がやったわけでございますけれども、いろいろ御指摘のような検討が済んだ上で、これはやはりこの際としては適当なものであるということで承認した経緯でございます。
  13. 北村暢

    北村暢君 それは承認しなければ、不賛成であったら法案となって出てこないくらいのことは、私も知っているのです。そういう答弁があるだろうと思った。思ったのですけれども、しかし、ほんとう検討されて、これは行管として、いまこの臨時行政調査会答申趣旨から判断をして、これはこの答申の出る前だったかもしれません、この管理会法は前だったかもしれないけれども、この答申趣旨とはどうもしっくりいっていないのじゃないか、私はそう思うのです。したがって、そういう意味からも、この法案衆議院の与野党賛成して通ってきて、大体全会一致で通ってきた、それがここでいま三回の国会継続審議になっている。私は参議院の良識からいって、やっぱり理屈の通らないものは通しちゃいかないのじゃないか、そう思うので、実は行管長官にも御足労をわずらわしているのですよ。それで具体的にお伺いしますとね、これは小売りなんですよね、いまの管理会というのは。管理会というものが指導をしてやらせようとするのは小売り段階なんです。農林省の説明によるというと、食糧品スーパーマーケットモデルをつくるのだと、こういうことなんです。モデルをつくって、一般の九十何%にのぼるその圧倒的な小売り業者がそのモデルに従ってスーパーマーケットを、つくっていくというのは、通産省指導所管になっているわけですね。ひな形だけは農林省がつくる、そしてそれを実際にこれにならってやりなさいというほうは通産省がやることになっているのですよ。そういうことが、私は卸の段階ならまだ農林省監督権限もいいと思うのです。このスーパーは明らかに小売りの問題なんです。したがって、小売りの問題は、中小企業団体法並びに中小企業関係者法あるいは商店街その他の地域的な法律所管からいっても、これは通産省担当している、指導業務はですよ。そういう観点からして、私は一般スーパーなり、中小企業近代化高度化資金による協業スーパーというようなものは、通産省が融資をして、そして指導行政をやっているわけです。同じスーパーマーケットの問題が農林省通産省と両方でやることになる。私は、しかもその続きが全くおかしい、ほんとう流通なり、中小企業を取り扱っている通産省がやはりモデルをつくるべきだと、指導してやるべきだと、こう思うのですがね、そういう点についての具体的な問題について、行管としてはそこまで深く検討をされて賛成をされたのかどうなのか、私はそうでないような感じがするのですがね、いかがでしょうか。
  14. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 少し以前のことになりますが、いま御指摘の問題は、生鮮食料品中心といたしましては、この物資所管の役所は農林省でございます。したがって、むろん中小企業関係として通産省関係の深いことはもうおっしゃるとおりでありますし、今後の運営についても、何者が緊密な連絡をとらなければならぬということは、おっしゃるとおりだと思いますが、本件についてはいろいろと検討が進められて、結局物資所管農林省所管をするということになったように私ども承知しておりますので、関係の深いことは当然でございますが、これについてはこういうあり方というふうに考えております。
  15. 北村暢

    北村暢君 どうもいまの局長答弁で、私に納得せよと言われても、長官お聞きのとおりちょっと納得するようなことには聞こえないじゃないですか、こうたくさんみんな聞いておって。そういうふうにきまったからというようなことのようで、私があまり納得できるような、私に納得さしてもらえるような理屈ではなかったと受け取れますね。  そこで、もう一つお伺いいたしますけれども、生鮮食料品中心とする食品であるから、縦割り行政農林省がその流通末端段階まで指導する、そのほうがいいんだと、こういうことのようでしたね。それじゃお伺いしますけれども、いまつくろうとするのは東京都に二十カ所だけのスーパーなんですよね。全国生鮮食料品中心とする末端小売り商指導行政というのは、それじゃ農林省はいままでやっておったのかどうか、これからやるのかどうなのか。そういうところまで御判断なさっての、生鮮食料品中心とする食料品だから農林省行政指導をやるのがいいんだと、こういうふうに判断していいんですか。
  16. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) 農林省任務権限関係する御質問でございます。先ほどの小売り店の場合に、それが農林省所管になるのかという御質問に関連して、管理局長からお答えがございましたが、農林省設置法の第三条の第二号でございます。「農林畜水産物、飲食料品、油脂及び農林畜水産業専用物品流通及び消費を規制すること。」流通関係消費関係も含めまして、物別通産省とは小売り段階までを含めまして、権限がはっきり分かれております。  第二点の、生鮮食料品と限らず、ほかの物資について、小売りについて農林省はどういう態度をとり、また将来とろうとするか、この点につきましては、米なんかで言いますと非常に簡単なんですが、これは米の小売り屋さんをいかに合理化していくかというようなことについては、かねて配慮をしてきております。その他の八百屋あるいは魚屋等についても、何といいますか、流通近代化という大きな行政需要消費者立場からも、流通担当企業立場からも、いろいろ要望が出る段階に今日なっておりますので、そういう現状に合ったような新しい行政を展開していくということは当然農林省任務である、かように考えております。
  17. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 北村君に申し上げますが、行管長官は二時にほかへの出席がございますので、その点お含みの上で……。
  18. 北村暢

    北村暢君 いや、お含みと言ったって……。
  19. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  20. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 速記を起こして。
  21. 北村暢

    北村暢君 いま中西官房長が、さもさも何でもかんでもやっているようなことを答弁されましたね、法律に基づいて。確かにそれは法律に基づいて、食料品についてはやることになっておるでしょう。あなたのあげた、特に米というのは直接統制をやっておるのですね。これは統制物資統制物資でないものとはだいぶ違うのですよ。  そういう例をあげるのは、米をあげたりするのは不適当なんですよ。あなた意識的にそういう答弁をするなら、私もあれをしますよ。一体それじゃ魚屋さん、八百屋さん、肉屋さんに対して、いままで農林省は具体的にどれだけの行政をやってきたか。全国にですよ、東京都だけでないですよ。標準価格だなんといったって、それは話にならないから、それはどれだけのことをやったか。私は、これはやはり自治体の、小売り段階通産省スーパー指導をやっておりますけれども、資金その他を流すのは、県を通じて自治体にやらしているわけですね。しかし、指導はあったでしょう。確かに考え方としてはあったでしょうけれども、行政権限が、いま中西さんがおっしゃったような権限は、それじゃ法律には書いてあるけれども、何もやっておらなかったということです。やっておったら今日のような状態にならないはずです。何もやっておらなかったのです。やることが不可能なんですよ。法律に書いてあるから、食料品について農林省末端まで責任を持って消費者の口に入るまでやるのですと、こういうことを法律で言っても、その権限の問題でできることとできないことがある。ほんとう末端小売り商の魚屋さん、肉屋さんの行政は、これは農林省が机の上で考えた行政指導ではできないのです。これはできない。できないことをいかにも行政的にやったような、それはやれるのでございますというようなことは、したがって、私は先ほど言っておるように、縦割り行政というものと企画その他の指導はよろしい。しかし、実際にやる実務については自治体権限を委譲する、こうあってしかるべきだと思うのです。そこの打ち切り方をどういうふうに理解するかということ、農林省権限があっていいのです。指導する権限があっていいのです。しかし、実際に経営の内容に立ち至って小売り業者のそこまで指導をまだやってきてもいないし、やれもしない。米についてあなたは例をあげたけれども、いまの米屋さんどういう実態にありますか。農林省ほんとう監督しておったら、行政末端に行き届いてりっぱにやっておるというのだったならば、直接その権限を行使してやっておるとするならば、闇米は電話をかければいつでも持ってきますよ、ああいうことは行なわれていいのですか。そんなところまで目が届いてないでしょう、農林省は。何を行政をやっておると大きなことを言うのです。
  22. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) お話は三つあると思うのでありますが、一つは、通産省との関係についてお話がございました。その点に関係しましては、小売り段階を含めて農林畜水産物資、飲食料品については農林省のほうが権限があり、義務があるということを一つお答えいたしました。それからお話しの中での、中央ですべてやるのか、県あるいは市町村に権限をおろしていってやるのかという点については、確かに問題としては、その仕事の実態に応じて今までの関係では、地方公共団体におろしておるのが非常に多いと思います。いま御審議をお願いしておりますこの法案関係では、いきなり市町村にその仕事全部をおろすということは不適当だという判断に基づきまして仕組みができておるわけです。  それから第三番目の、米屋につきましての現在の農林省行政は二通りございます。一つは、お話しのとおり、統制をしておるからということに基づきまして、切符制度がどうだとか、米の配給がどうだとか、精米機がどうだとかいうようなことについての統制という面からくる指導監督がございます。もう一つは、一般行政としての金融の問題、これは小売り屋さんは組合員として卸の事業と大体一体になってやっておる現状でございます。そういう意味小売りばらばらの金融ということにはなっておりませんけれども、卸に対する金融を通じまして、小売り関係の金融の疎通もはかるというようなことで、従来信用保証制度等が適用されて、いわゆる市中銀行の融資の円滑化をはかるというようなことが行なわれております。そういう意味で、誤解があると悪いと思って、米屋さんのことだけつけ加えさせていただきます。
  23. 北村暢

    北村暢君 米屋さんの問題は、小売り手数料の問題から何から、これはみんなやはり農林省関係ある、米価の算定の要素からいってね。それは関係あるのです。しかしながら、全然統制でないほかの物資について、小売り末端まで行政責任の度合いが全然違うのですよ、全然違うのです。そういう点を私は伺っているんで、管理会の問題については、やろうとしていることは、これは小売り段階のことなんですからね。したがって、生鮮食料品の、直接農林省行政能力、行政権限実施可能な、監督行政としてもできるのは、いまの中央卸売市場法による問題は、これは監督権限、ここまでくらいは農林省として能力としてできるのじゃないかと思うのです。しかし、これもいまのところ中央卸売り市場というものについてだけですよ。あとの、地方市場という圧倒的に多くあるものは、これは行政としてはほとんどやってないのです。地方の生鮮食料品の卸売り、地方市場ですね、これは農林省はやることにはなっているんですよ、先ほど言ったように。やることにはなっているのですけれども、何回この委員会で地方市場の問題を問題として取り上げても、全然この地方市場の問題についてはやられていない。行政としてはやられていない。これは地方条例のあるところが半分くらい、あとは地方条例のないところなんです。そういうことで、その書かれている行政権限の問題で、卸の段階ですら、農林省生鮮食料品という特殊な商品、これについて、卸の段階だって、全国的に行政指導がいってない。それを一部についてだけ小売り段階まで行政指導をしなければならぬ。監督をいまやろうとしているわけですからね。そういうことが私はちょっと理解できないのですよ。きょうはまだ通産大臣見えておりませんから、通産大臣に関する問題は……、私はまだ全然聞かないわけなんですけれども、そういうことなんです。したがって、この小売りとかいう問題は、現実問題として、大阪の小売り市場のように非常に業績をあげているところがあるわけです。これは地方自治体農林省の御指導のもとにやられてりっぱな成績をあげている。行政効果をあげている。そういうものもある。しかし、この小売り市場は、これは農林省生鮮食料品に対しては権限はありますけれども、小売り市場の中には、大阪の例をいうと、公設市場の中に四十軒くらい店が入っている。そのうちで、農林省権限のあるのは、魚屋さんと肉屋さんと食料品だけです。それ以外のものは通産省。そしてその公設市場を設置する場合の規制は、これは通産省所管になっておるわけです。でたらめに公設市場というものは設けられないことになっていますわね。その行政通産省指導することになっています、それは周辺の小売り市場との関係で。そういうことなんです。ですから、私はモデルだとは言うのですけれども、現在のスーパーマーケットというものは、これは公設市場の食料品部分のスーパー化した高度化したものなんです。したがって、この法案を最初審議するときには、前の松岡局長は、盛んに、これは公設なんですと、公設の総合小売り市場なんですと、こういう答弁をしておったのです。国営とは言わなかったですね。公設の市場なんですと、こういうことを言っておった。まさしく東京とは別ですけれども、これは名古屋とか大阪になれば、市がやはり相当負担をすることになりましょうが、そのほうがかえって行政的にいい、こういう面もあるだろうと思うのですけれども、とにもかくにも、そういう形になっている、行政権限からいえば。したがって、このスーパーマーケットというのは、見方によっては公設的だということになれば、それを設けること自体が公設市場に近い性格を持っているのですから、それを設置する場合にはどこに設けたらいいかということは、やはり通産省が付近の状態を勘案してこれを認めるべきか、認めるべきでないかということをきめるべきなんです。そういう点からいっても、私は行政権限の、監督権限からいっても、生鮮食料品あるいは食料品という縦割り指導そのものはあるかもしれないけれども、末端流通面については、やはりこれは通産省監督指導すべきである。それが正しい、こういうふうに思うのですね。そういう点についてはいかがですか。
  24. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 小売り市場であるから、通産省ということは大きな原則論だと思いますが、この点につきましては、取り扱い物資が全く生鮮食料品でありますし、私どもの承知しておる範囲では、こういう生鮮食料品の、消費者保護といいますか、物価対策といいますか、そういうことが非常に大きな声になりまして政府として取り上げた問題のように聞いておるわけであります。したがって、一般小売り市場の所管とかいう問題もさることでありますが、先ほども申し上げましたように、通産省農林省両省の密絡を要する、今後の運営についても密絡を要することはむろんでありますけれども、本件について、施行的に農林省所管物資所管庁としてやることについては非常に異例であり、まずいというふうには考えられぬわけでございます。
  25. 北村暢

    北村暢君 いま管理局長は、生鮮食料品と言われましたけれども、しかし、今度のスーパーというのは、生鮮食料品、まさしくそれもやるのですよ。だけれども、生鮮食料品だけやるスーパーじゃないのです、これは。お菓子から、みそから、しょう油から全部口に入るものはほとんど取り扱うのですよ、加工品をね。そういうスーパーマーケットなんです。したがって、生鮮食料品だけ取り扱うマーケットならこれはそれでいいでしょう。農林省だけでいいでしょうという理屈も一応は私は成り立つと思うのです。しかし、お菓子屋さんの製造から販売に至る行政というのはどこの権限ですか。それと、みそ、しょう油なんというのは、これはどういうふうに行政権限分かれておりますか。
  26. 久宗高

    政府委員(久宗高君) 所管物資といたしましては、飲食料品ということで農林省所管になっております。
  27. 北村暢

    北村暢君 それで、農林省所管物資にはなっているけれども、お菓子屋の工場を指導監督したり、製造について農林省、何かやっているですか。
  28. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) 現在何をやっておるかということについては、一般的な金融を農林省から通産省のほうへ申し入れて、共同で金融対策を講じておる。あるいは企業合理化のための、最近でいいますと、パンの中小企業の近代化をどうしてやっていくかというようなことについての具体的な計画をつくって、それをもとにして、審議会等におはかりするというような措置をとっておりますが、いずれも、農林省指導といいますか、まず動かなければ通産省は受けて立てないかっこうであります。過去のことになりますけれども、菓子、パン、みそ、しょうゆ等について、あるいは原料である砂糖の問題、小麦粉の問題、あるいはみそ、しょうゆについては、原料の大豆かす等について物が足りないというような話がございました。割り当てをしろというような話もあったわけです。そういう時代のことを例として申しますと、農林省の中の、パンとか菓子とか、あるいは、みそ、しょうゆを担当している部課から発議をいたしまして、砂糖なり大豆かすを所管しておる課に申し入れをするという形で、そういう要望が満たされてきておるわけです。最近そういう割り当てをするというような物資が非常に減ってきておりますので、そういう引例は適当でないかもわかりませんが、権限なり任務なりが農林省の中にあるということについての傍証としては、御説明の中に採用していいのではないかと、かような感じでおります。
  29. 北村暢

    北村暢君 食糧品は総括的に農林省所管であるということは、何回か答弁聞いてわかっているんですよ。ですから、その営業自体の指導だの何だのというのは、これはみんな自治体がやっているのでしょう。それから小売商業調整特別措置法ですね、これによって小売市場の許可というのは、指定する都市というのは札幌、名古屋、京都、大阪、北九州市ですか、これがその「区域内の建物については、都道府県知事の許可を受けた者でなければ、小売市場」の「その建物の全部又は一部をその店舗の用に供する小売商に貸し付け、又は譲り渡してはならない。」こういうことで行なわれておるのです。これは第三条に「(小売市場の許可)」というのがあるわけですね。私はあまり通産関係詳しくないのですけれども、小売商業調整特別措置法というのはどういう目的の法律であるか、これをちょっと御説明願いたい。
  30. 影山衛司

    政府委員(影山衛司君) 小売商業調整特別措置法は、通産省所管でございますが、これは指定地域内におきまして小売り市場を設置しようとすると、あるいは小売り市場を貸し付けようとする場合に、付近の小売り商業に対して影響を与える場合をおもんぱかりまして、その保護の見地から認可、許可制に置いておるわけでございまして、これは指導とか育成とかいう問題ではございませんで、小売り商業全体の保護という見地からであります。一般的な権限から出ておるわけでございます。
  31. 北村暢

    北村暢君 そのとおりなんですよ。したがって、小売り商業というその経済行為ですね。これを指導し、指導育成業務といいますか、権限というのは通産省にあるわけですよ。そういう面からいくというと、生鮮食料品であろうと何であろうと、農林省生鮮食料品については権限あるのですと、こうおっしゃる、しかし、小売り商業全体とすれば、通産省がやはり監督権限を持っているわけです。監督というか、指導する行政権限というものを持っている。そこの調整の問題だと思うのですがね、私は。したがって、スーパーマーケットというのは、これは見方によればその地域の小売り商業に非常に影響が出てくるのですよ。したがって、これをどういうふうに設けるか何とかということになると、いまは小売り市場ということになっているのですがね。この小売り市場にいまの管理会のいう総合食品小売り市場というものが該当するのかどうなのか。私は、直ちに法律的にはそうなるといりふうには言わないかもしれないけれども、しかし、これは精神からいえば当然その許可の対象になっていい性質のものである。いまの局長答弁せられたこの小売商業調整特別措置法の精神からいえば、当然そうあってしかるべきだ、こう思うのですがね。どうでしょうか。その点は。解釈的にいって、直ちにこの管理会法による、スーパーがそれに該当するのかどうだか知りませんけれども、ここら辺のところをひとつ。精神は私はそうじゃないかと思うのです。その点をひとつお答え願いたい。
  32. 影山衛司

    政府委員(影山衛司君) この小売商業調整特別措置法の対象としておりますところの小売り市場と申しますものは、その建物の中に独立の小売り業者が十軒以上入っているというものでございます。それで、農林省のほうでお考えになっておりますところの総合小売市場、これは個別に十軒以上が入る場合もあれば、あるいは現在のところ、スーパーマーケットとして指導していきたいというお話でございますので、おそらく個別の企業としてではなくて、合同したようなかっこう、あるいは協業化のかっこうでお入りになるのではないかというふうに考えています。そういたしますと、この小売商業調整特別措置法の直接の対象にはなりません、それからまた東京都は現在のところ、指定地域でございません。  それで、そういうことに法律上の解釈はなるわけでございますが、もう一つ管理会が特殊法人でございますので、その点からの問題もございますけれども、精神から申しまして、この小売商業調整特別措置法が、小売り商業保護という見地を持っておりますわけでございます。まあこの総合小売市場の管理会法案につきましては、当初から農林省からも御相談がございまして、私どもも先ほど申し上げました小売商業調整特別措置法に盛られておりますところの小売り商の保護という見地から、この総合小売り市場を設置することによって、付近の小売り商相当な甚大な影響が与えられるという場合は困りますので、そういうことのないように、たとえば先ほど先生の御指摘になりました設置の場所であるとか、あるいは入る人たちの人選の問題であるとかというようなことを、私ども小売り商業の一貫した保護という見地から御相談にあずかって、この総合小売り市場の設置を進めていこうというようなお話し合いになっているわけであります。
  33. 北村暢

    北村暢君 それはね、法律には何も協議することになっておりませんわね。法律的には何もなっておりません。したがって、それは行政的に両名間の行政指導の面の打ち合わせでそうなっているというだけで、ございません。協議することにはおそらくなっていないのじゃないかと思います。  そこで、私お伺いいたしますけれども、これは技術的なこまかいことですから、局長にお伺いするのですけれども、小売り市場とスーパーと、この流通形態のその発展の形として、小売り市場のようなものがもっと合理化され、近代化されていったならば、このスーパー的なものになってきたというふうに判断しているのですがね。したがって、通産省がいままで考えていた小売り商業の保護の立場に立てば、当然百貨店法に規制があるように、過大資本のスーパーの進出等についても、私は規制があってしかるべきじゃないか。小売り商業の保護の立場に立てば、そういうふうに思われるのです。したがって、これはもうそういう考え方がすでに出てきている。しかし、これはまだ私は研究不足でありますからなんでありますが、法律的には何にもないじゃないかと思うのです。いまあるのは、やはりこの小売商業調整特別措置法によって規制をしていくだけで、スーパーに対しての規制というものは法律的にはないじゃないかと、こう思いますが、そこのところをちょっと教えていただきたい。
  34. 影山衛司

    政府委員(影山衛司君) 御指摘のとおり、スーパーマーケットに対する規制の法律はございません。  それで、御承知のように、スーパーマーケットと申しますのは、最近、この二、三年間、小売り商業の経営の近代化の新しい形態といたしまして、流通革命の一環といたしまして、急激に増加してきたわけでございますが、そういう見地から、過去におきまして付近の小売り商に対して影響を及ぼした場合もございまして、この小売商業調整法と同じような規制をしてほしいという申し入れが二、三年前も非常にあったわけでございます。中小企業基本法を制定する際におきましても、そういう強い要望があったわけでございますけれども、私どもがいろいろ内部でも、それから審議会等でも議論をいたしました結果といたしましては、非常に大きな流通の近代化というこの流れの、その一つの形としてのスーパーマーケットというものは、これをうしろ向きに規制すべきものではない、大きな流れである、小さい小売り商というものは単独ではなかなか資本も金融もつきません。だから、ひとつ団結の力で、協業の力で、このスーパーマーケットを経営したらどうでしょうかということで、中小企業協業化資金というものを設けまして、この協業化という——一緒になって、団結して、小さな人たちが協業して、大きい力のスーパマーケットと対抗していったらどうかという、前向きの方向で解決していこうじゃないかということで、そういうふうな方針を打ち出したわけでございまして、保護と申しますか、規制のほうは、ただいま、そういう趣旨によりまして、できていないわけでございます。
  35. 北村暢

    北村暢君 これはいまおっしゃるとおりで、閣議で青果物の値上がりの問題が問題になって、そうしてこれは何とかしなければならない、こういうことから農林省も青果物の安定のために努力する、こういう形から今度の流通面の合理化をして、少しでも消費者物価が安くなり安定をする、こういう趣旨でできたと思うのです。しかし、そういう閣議で問題になったためにこうなったのであって、私はやはりこのスーパーマーケット自体の指導なり、あるいは、いま次長が言っているように、実際に融資もするし、何もやって、育成もし指導もしているのは、これはやはり通産省行政権限だと思うのです。したがって、生鮮食料品中心とするからということだけで、モデルといえども通産省のほうが中小企業として指導するほうのことのほうが行政権限分野からいって正しいのではないか、こういうふうに思っておるのです。そうしてスーパーマーケットというのは、マーケットそのものが付近の小売り店に影響することはもちろんですし、また、それだからといって、そのスーパーマーケット独自でもってそこの地域の経済というものが成り立つわけじゃない。そこの商店街を形成するものは、いろいろな業種のものがあるわけですね。そういう中でお客さんも集まり、何も集まってくるのであって、商業行為としては、末端行政からいえば、通産省は、青果物だから農林省にそこだけを任せる、協議をしてやってもらう、あとは通産省が全部やる。たとえば通産省商店街の改造、ことばは適当でないのですが、商店街振興組合法というものがあるのですね。この法律に基づいて、商店街の振興の中には、いま農林省の言っているような食料品スーパーマーケットも入ってくる。入ってもいいわけなんです。また、そのように通産省指導をしておるわけです。商店街というそういう規模からいけば、やはり農林省生鮮食料品の物価安定のためといってスーパーをつくるというが、それはとんでもないお客さまもこない所にぽつんとつくって、それで成り立つものじゃない、地域経済というものは。したがって、これはあくまでも中小企業商店街の振興というようなことからいえば、通産省指導をやっていくのが一番適切なんです。したがって、行政効果の問題としてできるからやるのでなくして、法律に、生鮮食料品は私のほうが指導しろというのでやるのでなくして、末端行政としてだれにやってもらったら一番いいのかということなんです。そういうことを判断しなければ、ほんとうに地元の人は迷惑しますよ。生鮮食料品だけは農林省指導でやる、あとの商店街の形成というものは、商店街振興組合というものをつくって、通産省から指導を受けて、そうしてやっていこうというのより、総合的にやったほうがはるかに行政効果は私は上がると思う。どうなんですか、農林大臣お疲れのようですけれども、そこはどういうふうにお考えになりますか。あくまでも農林省がやったほうがいいと、こうお考えですか。
  36. 赤城宗徳

    国務大臣(赤城宗徳君) いろいろこれは見方があろうと思います。御説も相当考えてみる必要があろうと思いますが、いきさつからいいますと、先ほど申し上げましたように、生鮮食料品流通対策を生産から末端までやっていこう、こういういきさつであったものですから、それでは、そういう価格の形成等につきましても、生鮮食料品につきましては、ひとつ農林省が乗り出して一役買ってみようじゃないか、こういういきさつから、私はこれでやってみたい、こう思っています。
  37. 北村暢

    北村暢君 まあ、はやりもののようなものですから、農林省もそれに飛びついたのはわからないわけでもないですけれども、しかし、本筋からいけば、私はやはり通産省にまかせたほうが、これは行政効果からいっても何からいってもはるかにいいんだと判断して——これは見解の相違といえばそれまでですけれどもね、私はそうだと思います。そしてまた商店街連合の方々、それから小売り商の実際の方々も圧倒的にそれを望んでいるのではないか、このように思います。したがって、役所の、各省のなわ張り争いとか、あるいは椎限争いとかということで、そのことのために中小企業の、実際に経営の問題で苦労をされておる、そういう人に迷惑をかけるような行政のやり方というものは、私は断じてこれはやるべきでない。役所のための行政であって、それは国民のための行政ではない、私はそう思うんです。まず小売り商なり何なりの立場に立った行政でなけりゃいけない。そういう意味からいって、今度の通産省農林省権限争いみたいなことの、よく意思統一はしてやっておりますと、こう言うけれども、それはそういうふうにはいかない。迷惑するのは、実際に携わる小売り商なり何なりが、そのなわ張り争いのために迷惑をする。したがって、私はこの問題については、そのねらいは、スーパーをつくってそうしてモデル——モデルがいいのか悪いのか知りませんけれども、とにかく近代化していこう。したがって、そういうものは、先ほど通産省局長も言っておるように、前向きの形でいけば、なるべく中小企業が大型化して、合理化していくということはいいことだから規制をしない、そういうことはいいですけれどもね。したがって、そのスーパーを設けること自体について、私はとやかく言っておるのじゃないんです。行政能率からいっても行政の効果からいっても、当然やはり通産省がやってしかるべきだ、このように思うのです。これは金融の面から、何からかにからお世話をしておるのは通産省なんですから。そうしてまたその小売り商のつくっておる団体も農林省所管の組合ではないわけなんです。商工会にしても、小売り商の協同組合にしても、商店街の連合にしても、いずれもこれは通産省所管の問題なんです。そういう点からいって、私は、これだけ言えば大体行政管理庁もなるほどなと思うのじゃないかと思うのだけれども、まだがんとして、これのほうがいいと強情を張られるかどうか。論争をやるなら幾らでもやりますけれども、ちょっと行政のいき方としてはおかしいのじゃないかと思いますね。
  38. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 先ほど農林大臣の御答弁もありましたように、経過もあることで、私どもいま臨調の勧告によって指摘されておる特殊法人の調査を実はやっておる最中でございます。本件も、主としては所管の問題が非常に御意見のある点のように伺っておったわけですが、これが発足いたしまして、やはりいま北村委員がおっしゃるような実情が出るということになれば、当然われわれ検討しなければならぬというふうに考えます。いまの段階は、繰り返しになりますけれども、従来の経緯もこれあり、農林省所管で事を進めるのだったらよろしい、かように思っております。
  39. 北村暢

    北村暢君 私は、いまの局長答弁の公社、公団、事業団の改革に対する答申については何も聞いていないのですよ。これは局長では、だめだから、大臣に聞こうと思って、聞いてないのです。ですから、これはまあ次の質問になるわけなんですけれどもね、これは管理会のことを聞いておるのじゃないのですよ、私は。末端小売り段階行政というものはやはり通産省のほうがいいのじゃないか。管理会というのは、管理会が何も仕事をするのじゃないのですからね。管理会は建物をつくって、ああやれ、こうやれといって指図して、なるべく合理化したようなものをしろというだけのことなんで、入って営業をやるのは、通産省指導を受ける。経営のやり方だの、こうやったら近代化になりますよとか、零細な経営者にはこういうお金をお貸しいたしますよとか、経営指導をするのは全部通産省なんですよ。通産省局長、そういうふうになっていませんか。
  40. 影山衛司

    政府委員(影山衛司君) 小売り商一般指導は私どものほうでいたしておるわけでありますが、この特定の総合小売り市場というものについては、また別途の考え方もあろうかと思います。
  41. 北村暢

    北村暢君 三時までだそうでございますから、ここで終わりますがね。いまの通産省局長答弁をお聞きになっても、まことに自身のない、たよりない答弁で、ほんとうに真からこれがいいと思った答弁ではないと思う。したがって、これは通産大臣にやはりはっきり私は開かなければいけない。きょうはこれで質問を終わります。
  42. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 本日はこれをもって散会いたします。    午後二時四十九分散会