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1965-03-18 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十八日(木曜日)    午前十時三十二分開会     —————————————    委員の異動  三月十八日     辞任         補欠選任      野知 浩之君     鈴木 万平君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 渡辺 勘吉君     委 員                 岡村文四郎君                 北口 龍徳君                 小林 篤一君                 温水 三郎君                 野知 浩之君                 堀本 宜実者                 森部 隆輔君                 大河原一次君                 北村  暢君                 北條 雋八君                 高山 恒雄君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君    政府委員        農林政務次官   谷口 慶吉君        農林大臣官房長  中西 一郎君        農林省農林経済        局長       久宗  高君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        農林省農林経済        局消費経済課長  鈴木 一美君     —————————————   本日の会議に付した案件食料品総合小売市場管理会法案(第四十六回国  会内閣提出衆議院送付)(継続案件)     —————————————   〔理事森八三一君委員長席に着く〕
  2. 森八三一

    理事(森八三一君) ただいまから委員会を開きます。  本日は、仲原委員長が都合により欠席いたしますので、私がかわって委員長の職務を行なうことにいたします。  食料品総合小売市場管理会法案を議題といたします。前回に引き続き、質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  3. 北村暢

    北村暢君 お伺いしたいのは、一月十九日ですか、総理大臣生鮮食料品価格についての対策本部設置をする、こういうことで、首相がこれに対する検討を指示をしたという新聞記事が出ておるのでございますが、この問題に対する消費者物価対策本部というものの構想検討するようにということを指示したということが新聞に出ておるのですが、これのいきさつをひとつお伺いいたしたいと思います。
  4. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 生鮮食料品物価対策本部設置したいというようなことを、官房長官新聞記者会見で発表したように聞いております。私も新聞で見ましたので、官房長官に会ったときに、災害対策本部のように、生鮮食料品対策は半月や一月で解決していく——きわものと言っては失礼ですが、きわもの的なものであってはいけないんだ、すでに内閣消費者物価対策の大綱もきめ、そしてまた生鮮食料品に対しましてもこまかくいろいろな対策を打ち出して、長期的とは言わぬけれども着々とその手を打っているときなんで、対策本部というような、まあ私のことばで言うと少し口は悪いですけれどもきわもの的なもので、何かそれをやればすぐに消費者物価生鮮食料品が安くなるとか、安定するとかいうような感じを持たせること自体があまりよろしくない、こういうふうに申し入れましたので、それは流れたといいますか、そのままになったように承知しています。
  5. 北村暢

    北村暢君 総理大臣は、過日中央卸売り市場の視察をされ、生鮮食料品価格安定のために非常に努力せられて、関心を持たれておるということのように私ども新聞承知をしておるわけなんですが、まあ、そういうことから関心を持っていることは私はいいと思うのですが、大臣のおっしゃるように、この問題はきわものという、そういう意味からすれば、早急に対策本部を設けたから価格が安定すると、こういうふうにはいかないんじゃないかとは確かにそう思います。しかし、今日消費行政というものが非常に重要視され、しかもこの価格安定の問題は各関係省庁に関連する事項が非常に多いわけなんですが、そういうことで総合的に対策を講じないというと、なかなかこの物価安定ということは期しがたいのじゃないか、まあそういう感じがするのでございます。また、そうしなければならないんじゃないかと思うのですがね。まあ、血鮮食料品価格安定対策は一応は決定しておりますけれども、しかし、これはなかなか農林省だけ価格安定対策に乗り出しても実効は上がらないんじゃないかというふうに思いまするので、やはり本格的にこの安定対策を講ずるということになれば、生鮮食料品だけでなくても、これだけ物価の問題が大きな政治問題化している時期でもあるから、やはり物価対策について、政府としても総合施策を講ずる意味において、物価対策本部というようなものをやるべきでないか。まあ総理大臣がそういう検討を指示したという新聞記事を見ましたので、私は適切な処置だと、こう考えておったのですが、その必要がないというふうにお考えのようでございますけれども総合行政として、私はやはり一省だけで解決する問題でないから、この問題はやはり各省にまたがる問題で、本格的にこれに取り組む上において、物価対策本部というものを設置したほうがよいのではないかと、このように思う。それに対して、何か新聞によると、農林大臣は、その必要がないんだ、こういうふうな主張をされたような、新聞記者に対する談話発表のような形で出ているのですが、非常に遺憾に思ったわけです。熱意が疑われるというか、そういうふうに思ったんです。どうでしょうか。別にその着想というものは、そこでやらなくても十分やっていけるのだ、こういう自信でもおありでそう言われたのでしょうか。この点を再度お伺いしておきたい。
  6. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 物価対策を総合的に検討する必要はなしと、こういうことは私は全然考えておりません。また、そういうことを言ったこともないのであります。  実は、御承知のように、消費者物価ばかりでなく、公共料金、その他物価対策につきましては、内閣といたしましても真剣に検討を加えておりまして、前に内閣決議等も再三いたしております。特に、毎月、経済閣僚懇談会がございますが、この懇談会におきましては、そのつど決定した要綱以上に、いろいろな物価対策につきまして新しい対策等を講じておるのでございます。特に経済閣僚懇談会におきましては、日ごろ、経済企画庁国民生活局中心になって検討しております状況報告を求め、その報告に基づいて、新たに打つべき手とか方策等につきまして、再々検討を進めておりますので、私は、その経済閣僚懇談会あるいは経済企画庁中心とした総合物価対策、こういうものを総合的に各省協力していくということが適当であろう、こういう観点で、ただその対策本部という考え方関心は非常にいいのでありますが、災害対策本部的に一月や二月くらいで、ちょっとこれを設ければ解決するというような感じを与えるようないき方はどうであろうか。もっと真剣に着実にやっていったほうがいいのではないか、こういう考え方で、新聞記者にも、対策本部というよりも、いま経済閣僚懇談会経済企画庁中心として進めておるそのほうが着実にいくのではないか、こういうことを申し上げたのであります。
  7. 北村暢

    北村暢君 過日、三月の十二日かの「日本経済」に出ておりますが、全販連が総合荷さばき場設置するということについて、食料品大口販路を確保するために総合荷さばき場設置することを検討しておる、こういう記事が出ておるのですが、全販連扱い青果物鶏卵食肉食鳥かん詰め、こういうようなものの大口販路を確保するための総合的な荷さばき場設置する、こういうことを検討中だ、それは流通合理化一環でもあるし、それから、やりたくてもそのための施設がなかった、こういうことのようですが、こういう全販の荷さばき場というようなものの設置をしてやっていくという構想について、農林省として、流通行政をあずかる上からいってどういうふうに受け取っておるか、ひとつ見解を……。
  8. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 全販連等において、ただいま鶏卵等生産には大々的に力を入れているというような実態心を私も見て、あるいは聞いております。そういう意味におきまして、生産ばかりでなく流通方面も、全販連自体として生産をした以上、流通関係のほうも十分研究するといいますか、そういう方面にも乗り出すということはあり得ると思いますし、また、流通対策関心を持って、その方法を講じてもらうことはけっこうなことだと、こういうふうに思います。
  9. 北村暢

    北村暢君 その全販の考えているのは、御存じかと思うのですけれども、地方から送られたものの荷を受けて仕分けをする荷受け施設、それから食肉青果などを貯蔵する倉庫、それからプリパッケージなどを行なうパッケージ・プラント、包装工場ですね。それから配送施設など、こういうようなものの総合的な食料品供給センターというものをつくりたい、こういうことで、それを東京大阪等の大消費地設置をしたい、こういう非常に具体的な計画を持っておるようですがね。これをやれれば、相当これは従来の流通機構の中において非常に大きな変革が起こってくるのじゃないかと思うのです。そういうような点について、いま大臣のおっしゃるお考えでは、けっこうなことだと、こうおっしゃるのですが、そのけっこうだということは、従来の中央卸売り市場を通ずる流通秩序というものとの関連においてどのように判断されるのか、そうして今後こういうものに対する対策というものは、農林省検討したことがあるのかどうか。
  10. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私は、アメリカなどの例を見ましても、中央卸売り市場を通じての商品の販売ということがノーマルで、それが一番いい方法だと思います。しかし、いまお話しのように、協同組合等におきまして規格等が統一して、たとえばブラジルの協同組合等のような、あまり先進国ではございませんけれども、そういうところでは協同組合などが非常に発達して、協同組合自体で、中央卸売り市場等を経由しないで末端まで配給網ができるというようなこともありますが、私は、大きな筋道としては中央卸売り市場というような大きな機構を通じたほうがいいと思いますけれども、物によっては、通じないで消費面に渡るというような方法も、これは別にとめるべきものではないと、こういうふうに思っております。
  11. 北村暢

    北村暢君 いまのを、もう少しちょっと詳しくお伺いしておきたいんですが、その物によってはと、こうおっしゃられましたが、いま私が申し上げましたように青果物鶏卵食肉食鳥、こういうふうに全販は考えているようです。そして、物によってはというと、これは魚が入ってないだけで、大体農産物はこれに入っているですよね、農畜産物は入っているわけです。ですから、そういうものが全部そういう形でいかれるということについて、物によってというのは、そういう理解でようございますか。いま全販が鶏卵をやっておることは私も知っております、知っておりますが、鶏卵以外に青果物、それから食肉、こういうものをやろうというわけですね。そこら辺の調整が、いま現実にある中央卸売り市場と、それから芝浦その他の中央卸売り市場化しようという、農林省施策でいま中央卸売り市場になろうとしているわけですね、芝浦など。そういう点との関係で、その物によってはということが、ちょっとその内容をどういうふうに理解されておるのか。
  12. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 非常に専門的のような感じもいたしますけれども、なお事務当局から答弁いたさせますが、いまお話しのように、私、物によっての、思いつきと言っては失礼ですが、いま鶏卵のほうをやっておりますので、そういう鶏卵等全国系統を通じて、中央卸売り市場を通じなくてもいいのではないか、肉だとかそういうものは、私はどうかと思います。それから野菜等につきましても私は疑問を持っておりますけれども、そういう専門的な流通問題につきまして、どうも私もそう深い知識を持っておりませんので、そういう意味でお答えしたわけであります。
  13. 北村暢

    北村暢君 いまの大臣の、専門的とか専門的でないとかでなくて、こういうのはけっこうだと最初におっしゃられたのですね、だから私も、全販がやるのにはやはり限界があると思っているんですよ。限界があるとは思っているんですけれども、やられることは非常に、全販がやるというのに何も規制する理由もないし、方法もないし、何もないわけです。しかも現実に全販は場所まで、ここにやろうということを考えているようですね。何か戸田橋交通の便利なところにセンターを設けるんだと、こういうようなことで考えているようです。したがって、これはいつかもお伺いしましたけれども中央卸売り市場狭隘化の問題と関連して、首都圏整備と関連して、現在の中央卸売り市場よりははるかに大きな規模の集散地市場的なものを考えるとか、あるいは査察で行なわれました結果報告についても、中央卸売り市場はもう狭隘化して、周辺地区にさらに中央卸売り市場を建設すべきだとか、こういう意見も出ているわけですよね。そういうものをひっくるめて、やはり全販がいまやろうとしているものは相当大規模なものを考えているようですね。そういうものも私はあってもいいんだろうと思うんですが、大臣のおっしゃられるようなまだ検討不足流通問題についての検討がそこまでいっていないのかもしれませんけれども現実にはもう全販は検討しておる、場所まで選定しようと、こういうことのようです。そうすると、やはりこれはそういう流通行政をあずかる農林省として無関心でいるわけにはいかないと思うんですね。そこら辺の見解をひとつ、まあ大臣からの先ほどの答弁ではあれですから、経済局長なり官房長なり、どなたでもいいですから御答弁いただきたい。
  14. 久宗高

    政府委員久宗高君) 大臣が先ほど御説明申し上げましたように、また、先生も御指摘なさいましたように、単に数量に限定がございますと思います。したがいまして、物によりと申し上げたのも、そういう意味大臣申し上げているわけでありまして、全体の東京都の消費というものから考え壊しても、若干局部的なものにならざるを得ないのではないかというふうに思うわけであります。でございますので、東京都全体の消費体系ということでございますれば、かりにこの管理会のようなものができたといたしましても、やはり全体といたしましては、生鮮関係について申し上げれば、中央卸売り市場を通じます全体系を根本的に変えてしまうというようなものではあり得ないし、また事実スーパーマーケットが相当拡大いたしましても、生鮮部門につきましては相当部分がやはりこの中央卸売り市場を通さざるを得ない。そうでなければ動きがうまくつかめないということだろうと思います。ただ、最近になりまして急速に発達しております一部の商品につきまして、しかも相当規格化ができるものでございましたり、そういうものにつきましては、時期により、またそういう品種によりましては直接産地から荷物を引き取るというようなことが当然加わってよろしいのではないかという考えであるわけでございます。なおお尋ねの中にございました、総合的な計画が一方で進んでおって、それとの関係はどうかということでございましたが、御承知のとおり首都圏の問題も含めましていろんな計画考えられているわけでございまして、施設そのものから申し上げれば、交通も含め、全体の構想一環といたしましてある施設考えるというのが本来の筋だと思うのでありまして、私どもといたしましては施設だけではなくて、その中の経営の、たびたび申し上げますが、経営のモデル的な指導というものも含めて考えますと、そういう施設総合計画の中に全部、この管理会法案考えておりますような構想そのものを移しかえてしまうということは困難ではないかというふうに申し上げるわけであります。
  15. 北村暢

    北村暢君 前の局長の松岡さんのときに、超大型の集散地市場的なものを検討していると、こう言ったんですが、一年間たったんですが、検討の結果どうなったでしょうか。
  16. 久宗高

    政府委員久宗高君) これは御指摘の中でもそのいう意味のことを言っておられると思いますが、現にございます中央卸売り市場にいたしましても、東京でございますとか、あるいは大阪でございますとか、大都市におきましては流通規模が拡大しておりますので、集散的な要素が多分に含まってきているわけでございます。それに対して、現在の施設が必ずしも適応していないではないかという御指摘はたびたびあることでございますし、私どもといたしましても、中央御売り市場関係審議会にはかりまして、いろいろ卸計画を組んでいただきまして、その調整に苦慮いたしておるわけでございますが、別途、中央卸売り市場だけではなくして、いろいろな都市交通も含めました首都圏におきます、何と申しますか将来の構想を頭に置きまして、具体的な案が数年前から検討されているわけであります。それが、全体がきまりませんでも、そのうちの一部が、その構想一環としてそれぞれの担当庁によりまして動き出しているわけでございます。さような意味のことを前局長としては申し上げたものと思います。ただその中に、中央卸売り市場といたしましてそのままあてはめられるかどうかというような問題につめましては、中央卸売り市場そのものの運営問題も含めまして問題が残っているように聞いております。
  17. 北村暢

    北村暢君 これは大臣にお伺いしますが、いまの局長答弁だと、どうもはっきりしないので、その大集散地市場的なものは検討の対象になって検討しているようですけれども、まだ結論が出ないというのかどうか知らないが、そういう構想河野大臣のときから考えられておったのですよ。もうだいぶたつわけなんですが、やはりこの流通問題というのは、中央市場にしても何にしても、あのままの状態でいいということではなしに、相当意地があるわけです。したがって、その集散地市場的なものを相当、まあ神田市場の五倍ぐらいの規模のもの、こう言っているんですから、これはもうたいへんなもんだと思うのです。そういうものをつくる、つくらないということになると、流通面における非常な大きな改革になるのじゃないかと思うのですが、したがって、いままで考えたことないことなんですから、その集散地市場的なもの、現に築地の魚関係は、これはもう数県どころじゃないところまでいっておりますから、東京都の市場ではなしに、近県、相当新潟その他までいっておる。こういう状態で集散地市場的な性格を非常に帯びているわけです。ですから、それを、いまの狭隘化のためにまだもっと大きなものをつくろう、こういうことになれば、やはり相当問題なわけです。特に周辺地区に、首都圏整備の中で、農林省考える以前に首都圏整備委員会で、もうこことここに市場をつくるのだとか何とかいう論議がすでに出ているやに聞いている。そして現実にその周辺地類似市場周辺地市場関係者は、あっちだのこっちだのと土地を物色して動いているというようなことも聞いているわけです。ですから、この問題は、やはり検討検討中というのじゃなくて、どういう機関でどういうふうな結論を出すのか。先ほど言った総合行政というのは、私そういう意味も含んで首都圏整備と、都市づくりの問題と関係があるでしょうし、交通事情の問題とも関係あるでしょうし、いろいろな意味において、生鮮食料品中央卸売市場法の中における審議会でいま検討中というふうな話もあり、それらと、この首都圏整備委員会との関係とか、そういうことでどの程度話が進んでいるのか。また、どういう構想を持って農林省としては対処しようとしているのか。その点をお伺いしておきたい。
  18. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先ほどの答弁をちょっと補足させていただきたいと思いますが、前局長が申し上げましたのは、そういう問題の一環といたしまして、私ども従来から、東京都の中央卸売り市場拡充整備につきますめどを検討いたしたいと思いまして、東京中央卸売市場立地研究会というものに委託いたしまして、相当広範な調査をいたしたわけでございます。本年の二月に、やや膨大なものでございますが、一応の、第一段階の調査報告書が出てまいりまして、現在それを吟味いたしているわけでございますが、できるだけ近い機会に、中央卸売市場審議会にこの経過をご報告いたしまして、さらにこれをどういう形で展開してまいりますか、御意見も伺いながら進めたいと考えております。
  19. 北村暢

    北村暢君 次にお伺いしたいのは、大阪東部市場の、昨年の暮開設されたのですが、その開設された以降における運用について、ひとつ知っている範囲において、うまくいっているのかどうなのか、御報告をいただきたいと思います。
  20. 久宗高

    政府委員久宗高君) いろいろな経緯があったのでございますが、大阪市並びに大阪関係者の非常な御努力によりまして、一応ああいう形で発足したわけでございます。まだ発足後日が浅いので、決定的に申し上げられないと思いますけれども、現在まで私どもの、その後の経過につきまして関係者の話を聞いておりますところによりますと、大体所期の計画にそごはない、まあうまくいっていると申し上げてよろしいのじゃないかと思います。ただ、御承知のとおり立地的にも若干の問題がございますのと、それからまた少し背伸びをいたしまして、新しい方式を導入したり、せり方法その他についてやっておりますので、まだ必ずしも習熟してない点もございますので、いろいろ研究しながら進めてまいりたいと、こう思っております。
  21. 北村暢

    北村暢君 ああいう形で発足したというのは、つまりどういう形なんですか。それをもう少し詳しく説明していただきたい。それは、うまくいっているということのようですけれども、私の聞いている範囲じゃ、うまくいっておらないようですね。たとえば、全国で初めて使った機械せり状況、これが目的どおりフルに運用されているかどうか。それから青果並びに鮮魚のほうも、荷受けは一本で発足をいたしましたが、実際その一本で発足した鮮魚なり青果なりの運用状況ですね。それは具体的にいろいろあるわけですが、そこら辺の状況ですね、それは具体的にいろいろあるわけですが、そこら辺の状況をもう少し詳しく説明をしていただきたいと思います。
  22. 久宗高

    政府委員久宗高君) 概況等につきましては、ただいま申し上げたようなことでございますが、非常に具体的なこまかい最近の状況までについてのご質問でございますが、相当課長から御説明さしていただきたいと思います。
  23. 鈴木一美

    説明員鈴木一美君) まず、青果のほうにつきましてご説明を申し上げたいと思います。御承知のように、青果につきましては卸売り業者が単数、そして仲買い業者が、大体法人的な仲買い業者ということで発足いたしました。そしてそのせりのしかたは、御承知のように、できるだけ機械せりでやりたい、こういうので進めておりますが、せり機械は一つでございます。それで、そのやり方につきましては、青果のほうにつきましては、われわれとしてはうまくやっておると、こういうふうに思っております。特にせりにつきましてのせり機械の使い方でございますが、すべての商品に使うということはまだできません。それで、現在比較的に果物関係、こういうものに使っております。特に、いわば地域的な産品、すなわち、たとえて申しますればレモン、そういうふうな商品に使いやすくできておるということを聞いております。それで、これにつきまして、リンゴだとかミカンだとか、こういうようなものにも発展させていきたい、こういうふうにいま研究を進めつつあるわけでございます。そこで問題の点は、売るほう、すなわち御売り人及び出荷者、これはせりを非常にきちんとやって、そして特にそのせり機械を使いたい、こういうふうな現状のようでございます。しかし、買い手のほうにつきましては、できるだけ従来のよりな手のせりでもってやりたい、こういうふうな状況でございます。その次には、今度は買うほうの者が、ただいま局長から御説明がありましたように、立地的な関係で必ずしも交通の便がよくないと言われておりますものですから、市がバスまで仕立てまして、できるだけ買う需要者を集める、そういう交通の便を与えようという、こういうので努力したような次第でございます。  その次に、水産でございますが、御承知のように、卸売り会社としては単数でございます。しかし、売り場といたしましては二つ、こういうふうなかっこうでやっておりますが、福島の本場、そしてさらに今度できました東部市場との関係におきまして、それぞれの卸売り会社が連絡をとりつつやっておる。そしてできるだけ連絡をしておるけれども、まだ十分なところまでいっておらぬけれども、とにかくできるだけ努力をしておる、こういうふうな状況でございます。そしていまの買い受けのほうは、御承知かと思いますが、大体仲買いとしては法人のやり方でもってやっておる、こういうふうな現状であります。通じまして、この三月まではできるだけ従来のものを努力させ、さらにこの四月以降もう少し今度は立ち入って指導していきたいというので、大阪市と話し合いを進めておるような現段階でございます。
  24. 北村暢

    北村暢君 いま御説明あったように、魚のほうは、会社は一つだけれども内容は二カ所でやっていますね。これは初めからそういうことでやった。承知してやったわけです。まあ行く行くは一本になるだろう、こういうことなんでしょうけれども、名前は一つだけれども内容は二つ一本でやっておる。それから青果でも、魚でも、仲買いの大型化ということで、実は法人化をして、大部分法人化をして仲買いを入居させたわけですね。その結果、一体どうなっておるのか、この報告がちょっとないのですが、非常にうまくいっておるように言われておりますけれども、これは全然そういっていないのです。仲買いは大型化して、四店舗なり五店舖なり共同で、株式会社なり、法人化して、そしてそれでなければ入居させないのですから、それで、そういうことで入った。実際にどうなっているかというと、それは何々株式会社のA、B、C、Dで、せりもみな分かれて、店の配列も、名前だけは会社ですけれども、大型化されたということになっているが、実際はそうなっていないのです。別々にやっている、そういう実態になっています。そういうことを御存じですか。
  25. 久宗高

    政府委員久宗高君) 私どももさような点は聞いております。ただ、この種の問題につきまして、私どもといたしまして、相当時間をかけて、過渡期におきましては雑多な問題がございましても、大型化せざるを得ないということは、関係者もよくおわかりの上で、ただ、一時点でいきなりできないという実情にはやはり即してもらいたいと思いますので、あまり画一的にやりたくない。また、いまかかえております問題も承知はいたしておりますけれども関係者のほうも、時あってそれを早く本来の形に戻したいという気持は十分あると考えておりますので、あまりこれは無理したくないと思います。
  26. 北村暢

    北村暢君 ですから、皆さんがよく指導をする場合に、大型化しなければ入れないぞ、こう言うものだから、入るときには何しろ大型化しないと入れないから、そういうことでやったのですね。これは無理にそういうことをさせるというと、大型化するという意思は……、指導もいいんです、私は反対しないのだけれども、それが役人の一方的な押しつけでやるというと、実態はいま言ったように大型化になっておらぬ。内容は名前だけです。そういうことが現実に起こるということは、そういうことを知っておって、うまくいっていますという報告は、局長、これはうまくいっているんじゃないのじゃないですか、それは東部の場合。その点は率直にそう言ってもらわないと、最初聞いたときには、うまくいっています、よくよく聞くと、うまくいっていない、実際は。それから青果の場合、荷受けを一本にしてやってあるのはよかったのですけれども、これがやはり周辺の類似市場を収容できなかった、ほとんどのものが残ってしまったわけですね、類似市場として。その結果どういうふうになっているか、その類似市場は依然として非常に繁盛していますよ。そして、あれだけの膨大な近代施設をした中央市場の荷が、仲買いはせりで落としても、それを買いに来る小売り人がいない、そういう状況です。それで、結局仲買いが荷を落として、それを類似市場へ持っていっている。それでなければ荷がさばき切れないのです。そういう実態にあるのですよ。それで、あなた方うまくいっておりますなんという、そういう認識じゃちょっとおかしい。そういう実態にあるのか、もう少しよく調べていただきたい。あの東部市場ができたために、全体的にいって混雑が緩和されて、流通がうまくいって、合理化されて、消費者物価の値下げなり安定に寄与しているかというと、決してそういうような形になっておらないんですよ。そういう点はひとつ、こういうことは大臣はおそらく御存じないんじゃないかと思うんですが、どうですか大臣
  27. 久宗高

    政府委員久宗高君) うまくいっていると申したのは、あるいは言い過ぎかもしれませんが、事情を詳しく御存じの先生でございますので、ただ、私どもの気持ちを申し上げますと、あれは非常に長い期間を経まして、紆余曲折を経てああいうまとまり方をしたわけでございまして、私どもといたしましては、その問いろいろな経緯がございましたけれども、とにかく関係者の方たがやはりああいう形で、いま仲買いの大型化にいたしましても、あるいは卸売りの一本という問題にいたしましても、やはり本来はそういうふうにいかなきゃならぬなというお気持ちでまとめていったものを思います。その過程にずいぶん強いお話もいたしましたわけでございますけれども、それだけの時間をかけて取りまとまったと思いますので、それの方向が固まってまいりますのには、やはり相当時間が私はかかると思います。それから、特にいま御指摘の、周辺の問題につきまして、これは時々刻々変わっておりますので、私は最近の状況は必ずしもつかんでおりませんが、ああいう市場がそこにできまして、それが本来の機能を動かし出しますためには、いままでできました市場の発達の経緯から見ましても、相当の時間がかかると、そしてそれが固まっていくものと思います。特にあの場合におきましては、類似市場の問題も含めての御検討でございましたけれども、それが第一日からいきなり切り変わるという問題は、実際問題として困難だろうと思いますので、時間をかしていただけますれば、方向といたしましてはあれでねらったような方向に逐次動いていくというふうに考えておるわけであります。
  28. 北村暢

    北村暢君 だから、非常にうまくいっているような御説明ですから、知らない人が聞けば何かうまくいっていると思うのですよ。ところが、そうはいっていない実想なんですね。だから最初私は、この類似市場を全部一括して入れるべきだと思う、地域のね。少なくとも二キロ周辺くらいのものは入れるべきだと、こういうことはずいぶん警告したんですけれども、どうもそういうふうにならない。それがいま言ったような形で、せっかく膨大な市場をやっても買いに来ないんじゃ何にもならないですね。類似市場のほうに圧倒的に行っている。だからもう荷が非常に不合理な、仲買いがもう——これは二、三カ月、先ほどの説明だと、三月末か四月によく検討するとおっしゃるのですけれども、そのときまで仲買いがもたないのじゃないかという状況すらあるのですよ。どういうことでやっているかしらぬけれども、借金借金でやっているのじゃないかしらぬけれども、よく持ちこたえているというような実態すらあるようです。これは全部が全部ではないでしょうけれどもね、そういうようなことなんです。あれだけもんで、できてから一年間くらい入るか入らないかでもんだんでしょう。もんだあげく、大阪市も苦労し、農林省も指導をし、建物できてしまって、完備してしまってから、一年間ほったらかしておいたのでしょう。そうして、あげくの果て、結論出してやったら、理想的な日本一の近代的な施設東部市場が、中に入るものがそういうような状況ですからね、うまく回転していない。そういう実態ですね。だからしたがって、いま局長が言われますように、こういう生きた商売をやっている人を預っているのですから、なかなか頭で考えたように理想どおりにいかないと思うのですよ。私の言いたいのは、あまり無理をしてやっても、理想どおりにはなかなかいかない。やはり経過的な、流通革命の時だとか何とか腐るほど言われて、そうして関係者も皆わかっている。わかってこういう実態はやはり大臣に、今後の流通行政をやる場合に十分ひとつ理解をしていただきたいと思うのです。ああいうことを、私らから言わせれば、これはほんとうに何をしていたのか、一年間もほっぽらかして、すったもんだして、農林省も指導をやっておって、結果がああいうものができるということについては、農林省に私は相当な責任があると思うのですがね。しかも、中央卸売り市場、これは農林大臣が監督することになっているわけですよ。そういう監督権限を持たなければならないものがああいう状態になっているということについては、これはいま質問しても、大臣はおそらく何も承知をしておらない。こういうことですから、末端の補佐も悪いのだと思うけれども、少しどうだろうかと思いますね。これはどうですか、ひとつ大臣のはっきりした責任ある答弁をお願いしたいのですがね。
  29. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私も、建物だけ見て、その実態をあまり承知していなくて、いま聞いたのでございますけれども、小売り業者が入らぬような状態では、せっかくつくった市場の機能も発揮できないと思います。それを改良改善すべき点があるように聞いておりますので、なお一そう事務当局調査さして、改善を加えていきたいと思っております。
  30. 北村暢

    北村暢君 この問題は、せっかく膨大な、何十億かけてできた中央市場ですから、まあ、それもあまり無理して農林省が言えば、また実態に沿わない無理押ししてしまうので、私も、局長のおっしゃるように、時をかさなければそう簡単にうまく、幾ら指導してみたところで、うまくゆくとは思いません。ですが、この点はやはり将来の中央市場その他どんどん今度から、これからも建設していくのですから、いい参考だと思いますから、十分ひとつ実態を検討されてみたらいいんじゃないか、このように思います。この点はこれ以上追及してもあれですから、やめます。  次に、おとといの日、資料要求をいたしましたところが、昨日夕方、もうこれだけの資料が届いたわけなんですが、あまり早く出してもらわなくてよかったのですけれども、早くきちゃって、農林省の職員は徹夜でやったらしいので、相当多数の人が徹夜で貸料をつくられて、非常に恐縮しちゃってるのですが、資料をいただきました。そしてこの要求した資料のうち、要求に合ってるものと合ってないものとございますけれども、これは今後の審議の中で、質疑をしながらやっていきたいと思いますが、大阪東京の小売り市場その他の資料が出ているのですが、この資料の概略について、相当な資料でございますけれども、要望した点が入れられてない点もあるので、そこら辺のところも含めて、資料の一応の説明をひとつお願いしたいと思います。
  31. 久宗高

    政府委員久宗高君) 膨大な資料になりますので、御要望にほぼ沿ってつくったつもりでございますけれども、一応必要な御説明をいたします。  第一の、一ページでございますが、これは大阪東京都におきます公設小売り市場の概要ということでお書きしたものでございまして、これは特に御説明は出しないかと思いますが、ただ、一ページの一番下のところに、店舗の使用料の数字が出ております。非常に低い額で出ておりまして、これが低いからうまくいってるのじゃないかというようなお話をときどきよそで聞くわけでございますが、これは低くなっております理由は、(4)のところに書いてございますように、相当古いあれでございますので、償却済みでございます点がおもでございます。ただ一番下の(注)に書きましたように、陳列設備でございますとか、あるいは冷房装置、壁、床等の美化費用といったものが個人持ちになっておりまして、これはご承知のとおり、相当の金額になるものでございますので、そういうものも含めますと、やはり相当の額になるものと考えておるのでございます。  二ページのところへまいりまして、大阪市場がうまくいっておりますことにつきまして、やはり市の指導の関係の方が非常に習熟しておられまして、実にみごとな指導をしておられます。私も何人かお会いいたしまして実際に聞いてみまして、まことに感服したわけでございますが、指導がいかに必要かということを痛感いたしたわけでございます。  三ページにまいりまして、三ページの一番下のほうに、大阪市公設小売り市場の特徴というような点を書いてございますが、いま申しましたような指導体系が非常に整っておりますということが一つと、それからもう一つの、これは特徴と申しますよりは実態でございますけれども、これはやはり発足が古いので、いわば個々のお店がそのまま入という形をとっておるわけでございます。そこで、むこうの責任者のお話を聞きましても、ややそのいき方についての限界が見えてきた。現在の小売りの方がそのまま入る形としては、私どもはこれ以上ちょっとやりようがないぐらいうまくやってるように思うのでありまして、関係者の方も、今後のいき方といたしまして、このままの形で個個の小売りの構造改善なしにやっていくのは限界があるだろう、そういうことを言っておるのが印象的でございました。ちょうど三ページの中ごろに、利用状況が出ておりますが、やや三十六年から三十八年度にかけまして、利用の度合いが若干落ちているように思います。売り上げ高はもちろん価格が入りますので、六・九%ということで伸びておりますけれども、利用の関係が若干これまでずっと伸びてきておったわけでありますが、落ちておりますのは、関係者のご意見では、スーパーその他の影響が無視できないのではないかという認識を持っておるようでございました。それから東京都の関係につきましては、ここに簡単に書きましたように、二つございまして、三十八年度でございます。これは四ページでございますが、北区の西ヶ原のところで、農林省用地を提供いたしまして、東京都の公認小売り市場がつくられたわけでありますが、また、それのための管理に当たりますための協会ができまして、指導する建前でやったわけでありますが、これは残念ながら指導が非常に徹底しておりませんで、この五ページにその実績が出ておりますが、必ずしもうまくいっておりません。三十八年の十月に発足したわけでございますので、この十一月、一カ月あとの経過がここに出ておるわけでございますので、発足当時ということもございますが、その後の経過を見ますと、データそのものもできていないということで、はなはだ指導が徹底を欠いて、ただ家主であるにすぎないという実態であるということは非常に遺憾であります。  六ページ、東京都の区の設置しておられます小売り市場がございますが、これも一括して申し上げられることは、指導が全く不徹底でございまして、いわば大家さんの機能だけが残っておるというような状況でございまして、大阪と対比されて考えました場合に、まことにうまくいっていないと言わざるを得ない次第でございます。  それから七ページは、第二の御質問でございます生鮮食料品関係の小売業の資金借入状況はどうなっておるのかというお話でございます。これは生鮮食料品に限定いたしましてみようといたしますと、これは御承知のとおり、センサスしかないわけでございまして、三十六年二月のセンサスによりますれば、借入金をどこから借りたかということは、詳細は全国的に見られるわけであります。さらにその中で六大都市がどういうかっこうになっておるというのが見られるわけでありますが、このほうで若干特徴的なものは、全国の場合と六大都市の場合では、どこから借りておるかというウエートが若干違うように思います。  たとえば青果で申し上げますと、一番上のほうから、青果の小売業関係で申し上げますれば、信用金庫が二一・六%、これが第一位になっておるわけでございまして、それが六大都市で見ますと、ウエートといたしましては信用金庫は相当なウエートがもちろんございますけれでも、それとほとんど同様なものが、親戚知人というところにウエートがかかっておるというようなことでございます。  それから鮮魚関係で申し上げますと、地方では相互銀行のウエートが一番高い数が出ておりますが、六大都市になりますと、都市銀行が三二%それから鮮魚関係で申しますと、取引先の数字が三〇%というウエートを持っておるわけであります。これはもちろん運転資金がおもだと思うのでありますが、そういった特徴が見られます。  それから八ページでございますが、これは生鮮食料品関係小売り業従業者の年齢別構成でございます。これはセンサスしかございません。そこで、センサスの中での区切りは十八才未満と、十八才から五十五才まで、それ以上という形でしか資料がどこにもこれはないわけでございまして、十八才以上五十五才未満の方が八割というのが全体を通じましてのこれの特徴でございます。  それから九ページに、食料品中心といたしましたセルフサービス店の売り場面積の規模別従業員数でございますが、これが一店当たりの平均で、左のほうに売り場面積を書きまして、三十八年、三十九年を対比しているわけでございますが、この中で(注)の3のところに、食品中心のセルフサービス店と、こういっておりますのは何かということが書いてございますが、この中には食料品販売額が総販売額の五〇%以上のセルスサービス店で、スーパーマーケットとここで言っておりますのは、一億円以上、スーパーレットが一億円未満、その他が一般食料品店ということになって、それを含んだ数字でございまして、資料といたしましてはセルフ・サービス協会の数字を使っております。  それから第五番目は、食料品総合小売市場におきます経営目標ということで、従来個別にお話をいたしましたものを表にまとめたものでございます。  それから二ページに、中小企業の高度化資金の貸し付け状況はどうかというお尋ねがございます。これを見ますと、この中には商業集団化等資金、これは一番左のところにワクがございますように、二つの大きな区分があるわけでございますが、一番共同化と直接関連がございますのは、一番下の欄から二番目に、小売り商業店舗共同化資金というのがございます。これを見てみますと、三十八年には三十七店舗分が予算として用意されまして、ほぼそれが計画の上でも実行されたわけでございますが、三十九年におきましてはいろいろ私どももお願いいたしまして、その額をふやしていただいたわけでございます。国庫補助は内割りでございますので、都道府県の貸し付け額のところを見ていただきますと、十五億を用意したわけでございますが、また百五十店純分を一応念頭に置いたわけでございますが、実行されましたのは四十八店舗でございまして、六億三千万円程度のものしかこの段階で出ておらないわけでございます。これは来年度ももっとふやしたいと思っておるわけでございますが、この伸びが少のうございますので、あまり大きくふくらんでないわけでございます。これはやはり手前みそになるかと思いますが、いろいろ関係者の話を聞いてみますと、計画そのものが非常に熟しにくい、共同化というようなことのむずかしさはもちろん前提にあると思いますけれども、やはりどういう形でやったらいいかという設計そのものが適当なモデルもございませんし、非常につくりにくい、こういうことが原因ではないだろうかということを担当の方からも聞いております。  それで、さらにこれにつきまして一二ページ以下に、この前とあとはどうなっているかというお尋ねで、これは資料といたしましては通産省でもまとめておられませんので、もとの資料を拝借いたしまして、この中から全部抜き書きしてみたわけでございますが、この小売り商業のどこの家庭にどのぐらい貸したかということでございます。経営内容がございますので、店舗名は一応番号で省略させていただいたわけでございますが、それぞれの北海道なら北海道の1、2、3、4というのは、もちろん具体的なお店があるわけでございまして、これがその次のページ——ちょっと一三ページをお開きいただきますと、一番おしまいに計が出ております。一三ページの一番下の欄の左のほうを見ますと、先ほどの三十九年度の四十八件という実績の中を拾ったわけでございますが、そういうことをなさった方が法人の形態で申しますと、株式会社になりましたものが、二十二、有限会社が一、それから合名会社が一、協同組合が二十四というような形式でございます。それから中身でございますが、いわゆるスーパー、これはチェック・アウトを主体としたものを称しているわけでございますが、スーパーという形をとったものが十二件、それからいわゆる百貨店、間仕切りをしませんでやるものでございますが、これが十一、それから寄り合い百貨店、これは間仕切りをいたしまして名店街みたいなかっこうになるわけでありますが、これが二十四ということでございます。  そこで、この表の見方でございますが、いま開いておられます一三ページの一番典型的なもので、私ども考えているものとやや比較されるような似通ったものを拾って見ますと、ナンバー三十三というのがございます。石川県の三十三号、これはこう読むわけですが、これは結果におきまして株式会社という形をとって、やり方はスーパーで、それで計画に参加された方が十のお店の方で、やりました結果、もとのお店をすっかりやめてしまってすっぽりお入りになったというのが十ございます。ちょっとその上の三十二号というのをごらんいただきますと、これは寄り合い百貨店でございますが、計画には十七の業種の方、参加したけれども、店舗をおやめになった方は八人である。こういうことです。  それから次は扱う商品名で、あとは建物の面積、所要資金ということになりまして、その次の欄が、参加前にどのくらいの売り上げ高を持っておったか。それから、こういうやり方をしてからどのくらいふやしたと、たとえばこの例で申しますと、参加前のあれが一億七百万ぐらいの売り上げでございましたが、こういう計画によりまして約三割ふやしまして一億三千万くらいの売り上げを目標に計画を立てた、こういうことでございます。  そこで、いま申しました二二ページの、スーパーの中で、具体的にはどんな形で行なわれただろうかというものまでも資料を要求されましたので、それ以下のところに、一四ページ以下に、実際に、たとえば十店舗がどうなりましたというお話をしましたものを、個別の資料を加えたわけでございます。これの一番典型的なものといたしまして、一五ページをお開きいただきたいと思います。一五ページの一番下のところに、さっき例で申し上げました石川の第三十三号というのがございます。これで見ますと、この例は比較的生鮮食料品がおもで、ほかのいろいろな雑貨とか衣料の入っていない例でございます。これを見ますと、十の参加店があったわけでございます。その中で生鮮魚をやっておりました方が六人、青果が二人、菓子が一人、精肉が一人、こういうことでございます。従前の形が全部小売りの方でございます。従業員の数がそれぞれここに書いたような数字になっておりまして、その合計が、従前は三十人になります。計が落ちておりますが、三十人でございます。それから売り場面積がこういう形でございまして、年間売り上げ高を見ていただきますと、一番大きい方は二千八百万円、ところが、下のほうをごらんいただきますと、精肉で申しますと五百万円とか、あるいは菓子の方は二百四十万円、あるいは魚で小さい方を申しますと、第六の方は、三百六十万円、売り場面積が十六平米というような非常に少ない方であったわけでございます。これがどうなったかというのが上のほうに書いてございますが、ページをおめくりになるのはごめんどうかと思いますのでここで申し上げますと、これの特徴は、十人の方が計画をいたしまして、十人とも店舗をやめた形になっております。それから従業員数でございますが、従前は三十人でありましたものが二十八人になっております。それからその売り場面積が、この合計が二百八十六平米になっておりますが、それが新しい計画では四百十九平米になっておりますが、売り場面積が相当拡大されておる、こういうことだと思います。したがって、人数は減っておりますけれども、あまり減らせないという形ではないかと思います。これが一番もう食料品で申し上げました場合の典型的な形と思います。  それからその次のページ、一六ページをごらんいただきますと、これは兵庫県の例でございますが、これは非常に特徴的なのは、参加店が十七でございますけれども、お店をやめた方は五軒しかないというのが別の数字で出ております。これで見てみますと、大体どれもそうでございますけれども食料品だけでやった方の場合にはほとんどお店をやめまして、結果的には入っているということがいえると思います。そこまでいきますのに相当御議論があったと思うのでございますけれども、最終的には、やはりお店を持ちながら片方でやるということは、非常に中途はんぱになりますので、全部お入りになった例がほとんどでございまして、こういうふうに参加された方と、実際にお店をやめた方が非常に食い違いますのは、食料品以外のものが多い例が、ほとんど例外なく、その人数のイコールになりませんで、やめた方入った方の数に対しまして、若干の方が持っておった店をそのままにしてお入りになっておるということでございます。  以下そういうことでずっと数字が出ておりますが、もう一つ例を申し上げますと、一八ページ、一番下のところをごらんいただきます。これは大分県の例でございますが、七人の方で、ここに掲げましたような精肉、食肉鮮魚、雑貨が一部お入りになりましたものでございます。こういうもので、これで見ますと、たとえば従業員数はここに計が出してございませんが、これは十五人でございます。計画後の人数がさらにふえております。二十名ということになっております。いろいろ原因を見てみますと、売り場面積が約四倍近くふえておりますので、その関係で人数がふえていると思います。いろいろそれぞれによりまして事情は違うようでございますが、達観して申し上げられることは、幾つかの例を調べてみますと、生鮮食料品と、あるいは加工食品も含めまして、食品関係だけで純粋にお集まりになった場合には、旧店舖を比較的残さないで動いた方がほとんどである。この事例から見ますと、ほとんどがそういうふうに出ておるように思われます。そうでない場合には、他の日用雑貨が含まれました場合には、相当お店が残りながら参加されるというのではないかというふうに思われます。  それから次の一九ページに、これは中小企業関係の設備近代化資金、個人関係のものでございますが、それの三十年ごろからの数字を全部出せというお話でございましたので、一応これは通産省の資料によりまして、三十九年の計画までを、これは実績が出ておりませんので、計画を含めましてお出ししたわけであります。これは農林水産部門がちょうどまん中辺にございますが、金額もふえておりますし、パーセントの率、カッコの中に入っておりますのは全体に対するパーセントでございます。これも若干はふえております。  しかし、その次の二〇ページをごらんいただきますと、どういうものに貸したかというのが業種別に出ております。ちょうどまん中の一番下のところに農林水産関係が出ておりますが、これは食料品と製材と特認があるということで、おもに製材と食料品部門に出ておりますが、出ております内容は、御承知のとおり流通部門ではございませんので、この近代化資金全体がそういう形でございますが、製造工業に対しての裏打ちという形をとっておりますので、この食料品関係でも、たとえばとうふでございますとか、かん詰めでございますとか、そういうものが多うございますが、流通部門にはまだ門が開けてないわけでございます。流通部門と申しますか、サービス部門で特例ができましたのは、本年度にクリーニングが一部、社会開発の一環という形で金が出たのがトップでございまして、現在私どもといたしましては、流通部門全体に拡大することはいろいろ問題があろうけれども生鮮食料品関係については物価問題とも関連があり、ぜひこの中で特別な考慮をしてもらいたいということで、現在通産省と折衝中でございます。  それから二一ページ以下が、御要望のございました農林省関係主要特殊法人の役員調べというものをおつけしたわけでございます。  大体以上でございます。
  32. 北村暢

    北村暢君 それで、時間の関係もありますから、ちょっと二、三点だけお伺いしておきますが、このスーパーの資金調達のところですけれども、これの内容ですね、三十九年度要求額の内容と、それから実際に管理会が総合小売り市場を建設するに要する費用、これをひとつ説明をしていただきたい。
  33. 久宗高

    政府委員久宗高君) これは前に差し上げた数字でございますけれども、全体で二十億近い資金が要るという中の内訳でございます。一市場当たりで先に申し上げますが、用地取得資金といたしまして、一市場当たり五千六百四十九万円。建物の建造資金が二千五百四十三万六千円。設備整備資金、といたしまして千六百四十八万五千円。合計いたしまして、一市場当たり九千八百四十一万一千円かかるわけでございまして、合計二十市場分ということで、十九億六千八百二十二万円ということになっております。それの内訳といたしましては、国の補助が一億四千八百八十万円、それから地方公共団体の、これは同様でございますので、一億四千八百八十万円ということになりまして、補助金の計が約三億でございます。二億九千七百六十万円。それから敷金収入その他市場使用料も含めますので、これが九千三百五十六万五千円、残りは全部融資ということで、十五億七千七百九万五千円ということになります。
  34. 北村暢

    北村暢君 そのうち、何か融資の内訳ですね、八億が地方債で、そのほかは民間資金を借りるのだろうと思うのですがね、その融資の条件をひとつ説明して下さい。
  35. 久宗高

    政府委員久宗高君) これは地方債資金によりまして都が管理会に貸し付けますもののうち、四億円は資金運用部資金、これは年利六分五厘でございますか、によりまして国が引き受けるわけでございます。あとの四億円は都の公募債によりまして調達するわけでございます。これは年利七分五厘の見込みでございます。あとは市中金融機関からの借り入れになりますものが七億七千七百五万五千円ということになるわけであります。
  36. 北村暢

    北村暢君 市中金融機関の利子はどのくらいでございますか。
  37. 久宗高

    政府委員久宗高君) 一応九分を予定に組んでおるわけでございます。
  38. 北村暢

    北村暢君 それで、これの焼却はどういうふうに見ているんですか。
  39. 久宗高

    政府委員久宗高君) 土地建物は七十年の償却でございまして、それから設備のほうは十年ということになっております。
  40. 北村暢

    北村暢君 それで、次にお伺いしたいのは、小売り商店舗共同化資金、これの貸し付け条件です。
  41. 久宗高

    政府委員久宗高君) 共同化資金の条件でございますが、貸し付け率はどれも同様でございます。これの関係の資金はみなそうでございますが、二分の一でございます。それから償還期限が五年、それから据え置き期間は一年でございます。貸し付け条件としてはそういうことでございます。
  42. 北村暢

    北村暢君 それは、対象は土地、建物それから施設、これはどういうことになりますか。
  43. 久宗高

    政府委員久宗高君) 貸し付けの対象でございますが、まず店舗と倉庫、その他の建物、それからBといたしまして——二つに分かれまして受配電施設、冷凍機械、冷蔵施設、照明及びレジスター関係でございます。
  44. 北村暢

    北村暢君 土地は対象になりませんか。
  45. 久宗高

    政府委員久宗高君) 土地は対象になりません。
  46. 北村暢

    北村暢君 ただいまのやつ、いま説明を聞いただけじゃちょっとわかりませんから、そういう詳しい資料をひとつ出していただけませんか。これはやはりモデルとの比較の問題ですから、ここは厳密にひとつやりますから、資料をひとつ出してください。
  47. 久宗高

    政府委員久宗高君) 資料は資し付け要綱そのものになるわけでございますが、それでよろしゅうございましょうか。
  48. 北村暢

    北村暢君 それでいいです。それと、予算できまるんでしょうけれども、大体どの程度の構想でやられるのかという貸金のワクですね、それをひとつ、それも含めてひとつ出していただきたいと思います。
  49. 久宗高

    政府委員久宗高君) おそれ入ります。ちょっと聞き漏らしましたので、もう一回おっしゃってください。
  50. 北村暢

    北村暢君 いまの貸し付け条件と、実はモデルになるものと、それから実際に皆さんが奨励をして、こういうふうなものをやりなさいという場合に、その貸金の条件がみんな違うんですよ、違う。いま土地が対象にならないということだったけれども、それだけでもモデルと合わないんですよ。ですからそういうことが対照的にわかる資料をひとつ出してください。
  51. 久宗高

    政府委員久宗高君) お尋ねの趣旨をちょっと取り違えておりまして失礼いたしました。再々御説明申し上げておりますように、個別に共同化でやろうといたしますときの条件と、それからこの小売り市場管理会のいたします総合小売り市場にお入りになりました場合の個々のほうから見た条件があまり違わないようにということを常々配慮しておるということを申し上げておるわけでございますが、そういう点からの関連で申し上げますと、先ほど申し上げました共同化資金におきましても、所要資金の全部をお貸しになるというわけではございません。ちょうど私のほうの関係でも所要資金全部が特別な補助金とか、特別な低利なものということにはならないわけでございまして、全体で申しまして約七分五厘になるという話をしているわけでございますが、ちょうど共同化資金のほうにおきましても、こういう施設には無利子のものでお貸しします。それにはまらないものももちろん計画の中に加わるわけでございますが、そういうゼロのコストの資金をお貸ししない分は自己で調達なさるたてまえになるわけでございます。そこで、いまモデルとの比較で申し上げますと、いまの用地の問題でございますが、これは用地の買い上げ資金はもちろん見ません。これは御自分の土地なり、それを提供されてやるというたてまえでございますけれども、全体としてそれがどのくらいの金利に回るだろうかという計算をいたします。便宜上私どもで計算しておりますのは、用地といたしましては四千二百万円、これは坪十五万、同じに見ましてそれの二百八十坪分を見た数字でございます。建物につきましては坪五万、これは向こうで見ております建物の標準建設費が五万五千円になっておりますので、つまりその分までを見ると、あとは自己負担というかっこうになりますので、その分を計算いたしますと、建物といたしまして千五百四十万、それから基幹設備でございますが、これは先ほど申し上げましたように冷蔵設備と冷凍機械、レジスター、受配電、証明施設、こういうものについて見られますので、この部分を考慮に入れますと、基幹設備といたしましては八百六十万円、その他の設備といたしまして、これも規定があるわけでございますが六百万円。合計いたしますと七千二百万円ということになるわけでございます。そこで、この七千二百万円のうち店舖共同化資金で借入されますものが千二百万円でございまして、これはもう利子はないわけでございますので、あとは一般市中金融に借入部分が六千万円になるわけでございますので、これを七千二百万円で見ますと平均金利が七・五%ということになるわけでございます。こういう杉で、ある施設につきましてはゼロの資金が貸されますが、全体の計画の全部がこの対象になるのではない。これは普通ああいう補助をいたしましたり、特別な低利をいたしました場合の方式といたしましては、そういう形しかとれませんので、全部を見てはいないわけでございます。そこで、両方比較してみますと、たびたび申し上げておりますように、大体七分五厘でそういう全体の所要資金をまかなったような計算になるということをめどにいたしまして、全体の設計を立てているわけでございます。
  52. 北村暢

    北村暢君 その説明は聞いただけではちょっとわかりませんから、あとからよく検討して、また質問いたしましょう。  次に、農林省関係の主要特殊法人の役員の調べで、これで農林省関係におった方の、農林省ばかりでなしに、大蔵省その他ああるんでしょうけれども、かつて役人をやっておられた人はその直前の前歴だけしか出ておりませんので、その点ひとつ提出していただけませんか。
  53. 中西一郎

    政府委員(中西一郎君) 役所時代の最終前歴でよろしゅうございますか。
  54. 北村暢

    北村暢君 役人であったかなかったかわかればいいのです。
  55. 中西一郎

    政府委員(中西一郎君) わかりました。
  56. 北村暢

    北村暢君 たとえば森林開発公団の理事長塚野さんは、森林開発公団理事、こうなっているのだが、前の前歴がこれでは役人であったのかなかったのか、この人が役人であったのは事実なんです。そういうのがわからないのですよ。それで役人であったかどうかということを調べたい。
  57. 中西一郎

    政府委員(中西一郎君) 了承いたしました。
  58. 北村暢

    北村暢君 それはあとから出してくれるというのですね。
  59. 中西一郎

    政府委員(中西一郎君) そういたします。
  60. 北村暢

    北村暢君 それから、この中で関係機関を異動している人がいる。たとえば農地開発機械公団から愛知用水公団へ行ったとか、こういう人がおるようでしたね。そういう人に限ってひとつ勤務年数と退職金ですね、これを調べてもらいたい。たとえば日本中央競馬会の、石坂さんなんというのはそうじゃないかと思うのですが、こういう人の退職金をひとつ調べて下さい。よろしゅうございますか。
  61. 中西一郎

    政府委員(中西一郎君) 調整いたします。
  62. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 私も、私の審議に必要な資料の提出を要まします。しぼって二つだけにします。一つは、過般科学技術庁で、生鮮食料品のコールド・システムについての発表が新聞等でなされましたが、本法案審議には非常に密接な関係のある課題を提起していると思いますので、これは所管は科学技術庁ですけれども、そこから生鮮食料品のコールド・システムについてのまとめた資料を一つと、それからもう一つは、生産から消費の直結は仕入れの合理化にはつながらないという大臣の、前の委員会での答弁でしたが、それはいささか私は違った角度で審議をしなければならんわけで、そのためには、六大都市中央卸売り市場における流通改善、これが三十八年七月九日の閣議決定でも大きく取り上げられている第一の課題であります。この六大都市中央卸売り市場における流通改善の五番に、中央卸売り市場に対する監督の強化を、項を新らたにして閣議決定をしているわけです。この閣議決定の前とあとの検査の強化の機能がいかに発揮されたかということを、内容を含めて確認する意味で、これは経済局の消費経済課が担当している仕事ですから、その三十八年度と三十九年度で、いままでまとめた、その二年でけっこうですから、その監査報告を資料として要求します。
  63. 久宗高

    政府委員久宗高君) 監査報告そのものをお出しするわけにいきませんが、内容を調整しましてお出しします。
  64. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 監査報告そのものを要求します。審議の上で必要ですから要求するのです。
  65. 久宗高

    政府委員久宗高君) 普通、監査いたしまして、これは大臣に対する報告になるわけでございまして、監査の対象につきまして、私どもの責任で調べるわけでございますが、それを表にそのまま公表することは、普通監査の常識としていたしておりませんので、内容を調整いたしまして、監査の内容を御報告するという形にさせていただきたいと思います。
  66. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 調整というのはおかしい。
  67. 久宗高

    政府委員久宗高君) 調整ということばは適当でないのでございますが、そのままの形で出しますのには、やはり監査の対象に対する了解という問題もございましょうし、普通、監査のたてまえから申しますと、報告を受けた者がその内容をこなして御説明するということで、直接監査報告書を国会にお出しするということは、私はないのじゃないかと思います。
  68. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 私が要求するのは、そういえば少し詳しくなるけれども中央卸売り市場は絶えず黒いうわさに取りまかれている。これが記事になっても、何ら反発したためしがない。その当事者も監督官庁もこれに耳をおおっておる。こういう基本的な問題にメスを入れないで、何で流通合理化ですか。監査報告そのものの資料を要求します。
  69. 北村暢

    北村暢君 監査するその会社その会社の、どこの会社がどうだということはいかんと思いますから、それはAでもBでも何でもいいですけれども、事実はね、取捨選択されちゃって、三矢じゃないけれども、都合のいいところだけ出されたのじゃ、これはどうにもしようがないですよ。だから、名前は秘匿していいけれども、その事実は事実として、監査の結果を正しく報告していただきたい。
  70. 久宗高

    政府委員久宗高君) いまおっしゃったような意味であればできます。
  71. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 それでは、具体的な固有名詞は符号で置きかえるということで、その他は監査報告そのものを提出をしてもらうということに確認してよろしゅうございますか。
  72. 久宗高

    政府委員久宗高君) これは、大臣の御了解を得ましてからでないと、私はお答えできない立場にございますので…………
  73. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 それじゃ大臣を呼んでください、まだ時間があるんだから。
  74. 森八三一

    理事(森八三一君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕
  75. 森八三一

    理事(森八三一君) 速記をつけて。
  76. 久宗高

    政府委員久宗高君) 検査でない、監査をいたしました場合の取り扱いが、各省統一していろいろやっておりますので、ただいまの問題につきましては、各省と御相談をいたさなければなりませんので、行政管理庁のほうにも御意見を聞いた上で、大臣の御了解を得まして提出いたしたいと思います。
  77. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 国会法百四条でうたっていることを、もう少しすなおに理解したらどうですか。官庁に対する会計検査院の報告だって、当然、これは出ておる。われわれは、何も、法案に関係のない資料を要求しているのじゃない。現実に、流通合理化をするためにはいかにあるべきかということの課題の中で、この具体的なデータなしに、抽象的な審議したくないから、その資料を要求している。それが各官庁と相談して云々ということであれば、審議が進まないということを承知してください。
  78. 久宗高

    政府委員久宗高君) 報告書そのものをそのまま出せとおっしゃいましたので、それはできないと申し上げたので、内容につきましては、もちろん先ほどお話しいたしましたように、お話しすることはもちろんかまわないわけでございます。報告書そのものを出せとおっしゃいますというと、それは私のほうはできないと申し上げざるを得ないのでございます。
  79. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 だから私は、最初に私が要求したことに固執しないで、会社の固有名詞はA、B、Cでこれを抽象化してけっこうですといっているじゃありませんか。審議に必要な資料ですよ、私からいえば。生産者の立場から、消費者の立場から。政府ではそのために担当者を七人も担当さしてやっているのでしょう、そういう責任が一体どうなっているかということも、これは完全に遂行されていればそれにこしたことはないし、流通合理化のこれはもう根本の点ですよ。かつては捜査二課が活動するような経過もあった。そういう黒いうわさというものを払拭しなければならぬでしょう、そのためには、せっかく監督官庁が検査の強化ということを閣議で決定した課題にこたえるために、どういうことをやられたのか、どういう失態なのか、それが合理化にどう役立っておるか、そういうことを審議するための資料として私はお願いしている。
  80. 久宗高

    政府委員久宗高君) 私どもといたしましても、ぜひ内容をよく御説明して御理解をいただきたいと思うわけでございますが、ただ、最初申し上げましたように、報告書そのものをお出しできないということを申し上げただけでございます。なお取り扱いといたしましては、各省との連絡もございますので、先ほど申し上げましたような手続も踏ましていただきたいと思います。
  81. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 手続を踏むことは承知しましたから、手続を踏んで、とにかく出してください。手続の陰に隠れちゃいかんですよ。手続を踏んで出すという前向きの態度で答弁してください。どうですか。
  82. 久宗高

    政府委員久宗高君) 手続を踏みましてお出しいたします。
  83. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 了解。
  84. 森八三一

    理事(森八三一君) 他に御発言ございませんか。——御発言なければ、本日はこの程度にいたしまして散会いたします。    午後零時二十七分散会