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1965-03-16 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十六日(火曜日)    午前十一時四十分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 渡辺 勘吉君     委 員                 青田源太郎君                 北口 龍徳君                 小林 篤一君                 櫻井 志郎君                 温水 三郎君                 野知 浩之君                 堀本 宜実君                 大河原一次君                 大森 創造君                 北村  暢君                 北條 雋八君                 高山 恒雄君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君    政府委員        農林政務次官   谷口 慶吉君        農林大臣官房長  中西 一郎君        農林省農林経済        局長       久宗  高君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件食料品総合小売市場管理会法案(第四十六回国  会内閣提出衆議院送付)(継続案件)     —————————————
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  食料品総合小売市場管理会法案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  3. 大河原一次

    大河原一次君 先に、局長にお伺いいたします。  私は、前国会の際において、この食料法案に対して、特に欠陥と思われる生難点が欠如しておるのではないか、流通過程改革の一助として考えておるならばなぜ生産点を具体的に考えていないのかということを御質問したのですが、十分な答弁を得ていなかったのですが、きょうは、そういう点も触れてお伺い申し上げるわけですが、その前に、先般も公聴会公述人意見が出たわけですが、その際聞き漏らした点がございますけれども、現在東京都内における生鮮食料品業者ですね、どのくらいありますか。ちょっとそれ教えてくれませんか。
  4. 久宗高

    政府委員久宗高君) 概数で申し上げますが、青果が約一万でございます。それから水産関係が約五千、それから肉関係が三千五百でございます。
  5. 大河原一次

    大河原一次君 そして、現在のやはり都内における大資本あるいは中小資本によるスーパーマーケットの数はどのくらいございますか。
  6. 久宗高

    政府委員久宗高君) 若干数字が古いのでございますが、三十八年十月の東京商工会議所の資料によりますと、いわゆるスーパーマーケットが三十六、スーパーレットといいますものが九十二、それから衣料関係スーパーが二十一、日用雑貨スーパーが十九、合計いたしますと百六十八になります。この場合売り上げが一億以下のものもこれは含まれてございます。
  7. 大河原一次

    大河原一次君 この三十六のスーパーマーケットと言われましたけれども、これは資本形態といいますか、資本規模といいますか、それはどういうことになっておりますか。たとえば、この中には相当資本によるスーパーがどの程度入っておるのであるか、あるいは中小程度がどの程度になっておるのか、それちょっとお聞せ願いたいと思います。
  8. 久宗高

    政府委員久宗高君) この三十六のうち約二、三割が大資本のものでございますが、一応、年間販売額を申し上げますと、三十七年度の販売額になりますが、九十五億程度でございます。従業員数で申し上げますと、一店当たりでございますが、六十二・三人、売り場面積が約二百坪でございます。それから年間の、これは一山当たりでございますが、販売額二億六千万円、そんな数字になっております。
  9. 大河原一次

    大河原一次君 さらに、この三十六あるいは九十二のスーパーマーケットの中に、いわば委託販売によるもの、あるいはまた直営形式によるものがあると思うのですが、その振りわけはどのようになっておりましょうか。
  10. 久宗高

    政府委員久宗高君) ここで分類しておりますスーパーマーケットの三十六は直営がほとんどでございます。一部の商品につきまして、委託を受けてやっておるものもございますけれども、大部分が、経常形態といたしましては、直営のものと考えております。
  11. 大河原一次

    大河原一次君 さらに、この三十六の店のうち牛鮮食料品はどの程度になっておりますか。ほとんど生鮮食料品ですか、三十六というのは。
  12. 久宗高

    政府委員久宗高君) ここに言っておりますのは、いまあげました三十六のスーパーマーケットの中には、一部の商品として食料品を売っておるものもございますが、大部分総合スーパーマーケットでございまして、食料品関係はむしろおとり商品という形で売られておるものが一般でございます。
  13. 大河原一次

    大河原一次君 今後の傾向と申しますか、今後の趨勢と申しますか、特に通産省等におきましては、後の高度化資金あるいは合理化資金等によってやる個々小売り業者が、これらの圧力によって相当困るであろうというような中から、いわゆる経常近代化という中で、個々の商店、店舗に対する融資その他の保証政策をとっておられるようでございますが、一部には高度化資金並びに合理化資金等について、今後のスーパーの結成ですね、スーパーマーケット組織のほうにも力を入れておるということが言われておるのですが、さらに、また一面から申しますと、何かスーパーマーケットは曲り角にきたという意見も出ておるようであります。現状においてこの状態はどのようになっておるでしょうか。
  14. 久宗高

    政府委員久宗高君) 私どもはおもに食料品中心にして調べたわけでございますが、関連していろいろお聞きしておるところを申し上げますと、やはりスーパーマーケットが、先ほどはまあ三十八年十月の数字を申し上げましたけれども、その後さらに急速な角度で広がっておるようでございます。特に伸びておりますのは、やはり電鉄の関係でございますが、相当資本関係スーパーが伸びておりまして、また一部には、小売り関係者の方がみずから数人が御一緒になりましてやったものもございますけれども、まあ経験の不足その他によりまして、うまくいっていないものも相当あるわけでございます。そこで、全体として伸びておりますのは、やはり大資本によりますものが大きく伸びております。あとのものが伸び悩んでおるというふうに聞いております。
  15. 大河原一次

    大河原一次君 私が聞いておるのは、主として生鮮食料品を扱っておるスーパーのことをお聞きしておるわけですが、特に今回のようなこの法律の制定によって、今後スーパーマーケット生鮮食料品中心とするマーケットが進出すると、さしあたり東京都内に二十カ所できるということになりますと、今後これらによって影響される点が、一面には、私は、中小企業の今日の特に生鮮食料品を扱っておる方々の上に相当圧迫になってくるということと、一面には、これによって刺激されて、今後われわれもということで、共同経営によるいわゆるスーパーマーケットをやろうではないかという傾向になってくるのではないかと思いますが、こういう点に対する見通しは、今後の見通しとしてはどのようにされておるか、ひとつお聞きしたいと思います。
  16. 久宗高

    政府委員久宗高君) 御懸念の点の、影響の問題でございますが、先ほども申しましたように、今日非常な勢いで伸びておりますスーパーには、相当資本によるものが組織的に動いておるわけでございます。このような場合には、確かに経営主体が全く違いますので、具体的に小売り、そこにおる小売りの方を入れるのではなくて、別の資本が出てきて、そこにスーパーマーケットを開くわけでございます。周辺の小売り業者につきましては相当影響が実はあるわけでございます。したがって、中小企業庁におかれましても、その辺の調整に相当に苦慮しておられるようでございますが、私どものいま用意しておりますのは普通のスーパーでございますが、生鮮食料品だけ扱ったのではまあ利益が薄いわけでございますので、主として衣料品あるいは雑貨中心になりまして、生鮮食料品のほうはまあおとり商品と申しますか。そういう形に運営されておるものが普通の経営でございますと多いように思います。  そこで、今回こちらで考えております総合小売り市場は、生鮮食料品価格対策との関連におきまして、特に生鮮食料品におきます小売り業関係者構造改善モデルということを考えました点は、衣料食料品に限定をいたしまして、食料品だけのスーパーマーケットを開くというので、一般にまあ例が非常に少ないわけでございます。したがって、モデルといたしましての最初の打ち出しをいたしますまで、このような管理会というような形式を取らざるを得なかったというふうに考えております。
  17. 大河原一次

    大河原一次君 先ほどの御説明の中では、都内における生鮮食料品青果が一万ですか、それから水産関係が五千、それに三千五百の、何といいますか、合わせて千八百五十軒程度あるわけですね。私は心配しておるのは、今後都内に二十カ所の生鮮食料品のいわゆるスーパーマーケットができることによって、今日の千八百何軒かのこの生鮮食料品を営んでおる方々が、この二十カ所のスーパーの中にどの程度収容されるかという、そういうことですね。それどんなふうになっていますか。
  18. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先ほどのお答えにお答えしてなかったんでございますが、この総合小売り市場は、価格対策としてはもちろんそれを目的としているわけでございますけれども、根本的にはやはり小売り業者の方の現在の家族経営的な行き方で今後やっていけるかどうかという問題がございまして、それの構造改善一つモデルをねらっているわけでございます。したがいまして、先ほどのお尋ねの、一方においてスーパー影響される小売り業者、それがまた共同化してやりたいという御希望が非常に強いわけでございまして、政府といたしましては、中小企業庁のほうで、そういうような共同化としてスーパーマーケットをやりたいという方たち資金は一応用意しておるわけでございます。ただ、やはり家族経営からそういう新しい形態に移ろうとされますのに、それに適当なモデルがございませんので、なかなか踏み切れないということのようでございます。そこで、私どもといたしましてはここに総合小売り市場を設けまして、そのモデルを示しまして、それがやれるということになれば御自分たち一緒になってやりたいという方たちには、一応すでに資金が用意されておりますので、そのような意味モデル的な効果を特にねらってこれをやっておるわけでございます。それから影響度でございますけれども、いろいろ調査をいたしてみますと、このスーパーがこの程度規模でできました場合に、一応非常に影響をこうむりますところは、やはり五百メートル半径のところになると思われます。そこで、まあ一般には五百メートルからさらに二キロぐらいまで広げまして、その関係にどういう影響があるかということをいろいろ調査をしていただきまして調べておるわけでございますけれども、五百メートル圏内で申し上げますと、生鮮食料品と、それから加工された食品を含めまして、実際にこれが販売額影響のありますものをとってみますと、約それぞれ五店程度、十店程度を吸収いたしますれば、大体五百メートル圏内にこの規模スーパーマーケットができました場合に影響をこうむる方の販売額をほぼ吸収できるという計数が出てまいります。したがって、めどといたしましては十店程度のものが入れられれば、一応現在の販売額が上がらないといたしましても、十分に五百メートル圏内の一番影響の強いところが吸収できるというふうに考えているわけです。ただ実際問題といたしましては、これは基準でございまして、平均的に申しますと大体十五店程度のものを吸収できるのではないかという設計でものを考えているわけでございます。
  19. 大河原一次

    大河原一次君 私の心配しているのは、都内二十カ所設定されるスーパーマーケットの中に、いわゆる現状の千八百五十軒の生鮮食料品小売り商方々がどれだけここに吸収されて、また吸収されないものがどの程度残るかということなんですけれども、それはまあ深く調べればわかると思いますけれども、ただ私の心配しているのは、このスーパーマーケットに収容されないで、むしろスーパー出現によって今日ですら非常に苦しまれておる小売り業者方々が、さらにこれによっていろんな圧迫を受けるのではないか、こういうふうに考えるんですが、ただしその際には、一応このモデルケースとして設定されるスーパーマーヶットの出現に刺激されることによって、加うるに高度化資金なり近代化資金が別意されているということになれば、それに刺激されることによって、今後共同経営によるスーパー出現も期待されるということに私はなるということも十分にわかるのですが、しかし、これは一挙にできる問題ではなくて、その間の時日の経過に従ってスーパーに収容され、あるいはまた共同経営によってマーケットを営もうというまでの間、相当私は個々業者が苦しまれるのではないか、もちろん私は構造政策の上からきた点はよくわかるし、最終段階としての消費価格の安定というねらい、これはあなたたちから言えば一石二鳥であったというねらいはよくわからないわけではございませんが、しかし、その間の小売り業者が非常に苦しまれる、それに対してどういう手当てをするかということも心配なんですが、まあいろいろな高度化資金なりその他のあれによって用意されているというのですから、徐々に、個々店舗に対しても何らかの近代化資金なり、なんなりが投入されて、店舗改善や設備の改善もはかられるでありましょうし、あるいは中には相当のしにせになっていて、そんなスーパーにおれは入る必要もないし、十分の顧客も持っていて、このままの姿で十分に太刀打ちできるという店舗もあるでしょう。しかし、その方向にもいけないで、直ちにまたスーパーにも参加することができないし、また共同経営によってもいろいろ仲間間の問題があってこれに到達することができないというところの、時日の変遷の中で苦しまれる、そういう方々をどうするかということも今後の問題として私は心配になってくるんですが、私はそれは別といたしまして、今後こういう、いま考えられておる東京都と国との間にやられるスーパーマーケット以外の、共同経営によるスーパーマーケットが今後これに刺激されてたくさんあとからあとから出てくる。時日のあれはあるでしょうけれども、進出する。したがって、現在の千八百何軒かの生鮮小売り業者方々が、相当共同経営によるスーパーマーケットがここにもあそこにもできる、将来の問題としてですね、こうなりまして、いわゆる消費大型化が結成されるというふうにも一応考えられますが、政府としてはこのほうを指導されていく考えですかどうですか。その点をひとつ。
  20. 久宗高

    政府委員久宗高君) お説にございましたように、このスーパーはあくまでモデルでございますので、これ式のものを全部つくってしまうということではないのでございます。そこで、先生の御指摘のように、こういうものができまして、これの運営をごらんになりまして、個々小売りの方がこれはやれるから共同でやってみたいとおっしゃるときは、いろいろな資金がすでに用意されておりますので、時間は相当かかると思いますけれども、そういうきっかけをつくりまして、こういうものが動き出せば、あと個々共同化をお進めになりたいという方たち資金量をいかに増していくかということになるのではないかと思います。現在は相当の量を用意はしておりますものの、まだほんとうの意味の要求が出てないと申しますか、そういうことでございまして、本格的に動き出せばもっと資金相当ふやしてやっていけるものと考えております。
  21. 大河原一次

    大河原一次君 これは大臣にちょっとお聞きしたいのですが、いまの局長の御説明のようになって、一面には通産省あるいはまた農林当局においても生鮮食料品業者のいわゆる組織化スーパー中心とする組織化方向にいきまして、全体としての見通しとしてはいわゆる消費大型化が、少なくとも東京都内中心とする消費大型化が出てくるわけですね。そうしますと、いわゆる消費段階においてこのような大型化されるということになりますと、いまのスーパーマーケット、この前の大臣の、前国会の場合における渡辺委員北村委員への答弁にあったように、現状において、この法案のねらいは生産のことを考慮に入れていないが、しかし、生産を離れた流通機構というものは考えられなということの御答弁もあったというふうに私は記憶しているわけですが、しかし、一方にこのように政府の指導なり業名みずからが積極的に共同経営化方向にいかざるを得ないところに追い込まれて、共同経営によるスーパーマーケットの進出が行なわれるという事実はある、したがって、消費大型化ができるということの予想に立てば、当然私はこれが蔵地に大きな刺激になってあらわれ、いわゆる産地スーパーマケットとの間におけるあるいはまた直売方式であるとか、今日の段階ではただブロイラーであるとか鶏卵だけが直売方式考えられているようでありますけれども、全体として消費大型になってまいりますと、いわゆる産地生産というものと直結するという、形の上ではそういう形ができるのではないかと思うし、またそうなった場合にも、産地と直結的な方策が考えられてもいいのではないかと私はそう思うのですが、将来の見通しに立ってその大臣の御見解を承りたいと思います。
  22. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) この総合小売り市場は、局長から申し上げ、また再々御討議されておりますようにモデルでございます。そのモデルにならったようなものがおいおいできることを期待して、いまのお話合理化資金のようなものや、中小企業施設改普資金等によってそういうものができることを期待するモデルのものでございます。でございますので、いまお話しのように消費大型化といいますが、たいへん大きくなって、生産地とほとんど直結してやっていくというようなものには育ち得ない、私はこういうふうに見ています。いまの小売りの形が共同化した程度で、生産地と直結というようなそれほど大型のものには私は育っていかないと思います。やはりものによってはいまのお話しのように、生産地と直結して値売的なものも出てくるはずでございますが、やはり大きくは中央市場等を通じてこういうものが小売りのほうの市場に回ってくるという形態であろうという見通しでございます。お話しのようにそれほど大きな大型化というふうには私はならぬと、こういうふうに見ております。
  23. 大河原一次

    大河原一次君 私は、消費大型化ができたから直結すべきではないかという意見を申し上げたのではなくて、この前の松岡局長なんかも、そういった場合においても何か中央市場を通じて、あるいはまたパイプを大きくすることによってという意見も私はあったと記憶しているが、私もいますぐ直結すべきではないかという意見を申し上げておるのではないのですが、しかし、こうなりますると、それほどまでに大型にならぬでも、東京都内に今後こういう総合市場ができることによって、相当これは産地を刺激することは事実じゃないかと思う。しかし、だからといって、直結することには直ちにならぬということは私も考えておりますが、そうなった場合に。しかし、それでは中央市場現状においていいかどうかということも、この見通しの中から私は出てくると思うのです。いわゆるパイプを大きくするということは、いろいろ含まれておると思いますが、現状中央卸売り市場でいいかどうかということになりますると、こういう都内において東京都あるいはまた国の出資によるところのいわば官営的な組織相当できてくる、これに刺激されて、さらに大きな共同経営によるマーケットができるということになれば、それ自体産地に対して一つの魅力になってくるのではないかと思うし、そうなれば産地としてもこれに対応する何らかの出荷体制であるとか、共販体制というものを整えなけりゃならぬということになりますると、そうなると、現状における中央市場というものは、その機構において、その他の面においていいかどうかということになると、必ずしも現状においてはいいといえないし、今日までも何回となくいろいろ問題に取り上げられた。ただ、運営の面だけは一応改善されたような姿をとっておりますが、構造機構といったような面から見ると、このような条件を満たすようなところまでは、いっていないと思うんです。私はこう考えますが、何といっても今日の中央卸売り市場の抜本的なやはり改正というものが、この自然の姿の中から出てくるのではないか、また出てくるのが当然だと思いますが、しかし、その場合に、やはり農林当局なり、あるいはまた通産当局は、将来の消費大型化を目ざすということになるならば、抜本的な改正というものをもうこの段階において考えていいのではないか、こう思うんです。大臣の御所見を伺いたいと思います。
  24. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) このこと自体から直ちに中央卸売り市場抜本的改革ということに直結いたすとは思いませんけれども、いまのお話のように、こういう制度が大体できてきて、構造的にいろいろなものに変化を来たしてくるということ、それからまたこれと離れましても、中央卸売り市場がなお卸売り市場としての機能を発揮すべく種々改革を加えていくということは必要であると、こういうふうに考えております。
  25. 大河原一次

    大河原一次君 もう前のことは繰り返したくないと思うんです.が、これは大臣先ほど申し上げて、認められておるように、消費構造の問題を考えたときに、やはり生産を離れては流通改革ということは考えられないと言っておられましたし、この法案の中にはそれと直接には関係していないが、将来の問題としては考えざるを得ない。これは松岡局長も、将来の問題としてこういう消費構造変化によってやはり生産の問題を十分に考えていかなきゃならぬ、こういうことを言われたんですが、ただ、私としては、この法案の提案されるにあたって、生産のことがほとんど考えられていなかったということが、何か抜けておるのではないかと思うんですが、将来としてはやはり生産の問題をもっと積極的に取り上げていくという、そういうお考えがございますか。
  26. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 御承知のとおり、これは生鮮食料品流通改善対策の一環として、末端の小売り関係についての対策でございますが、もちろん生産が根本だと思います。生産のほうではいま集団栽培等もやっておりまするし、あるいは価格安定等もやっておりまするし、あるいはものによっては契約栽培的な方向に持っていかなければならぬと思います。そういう面におきまして生産関係そのもの、それから生産出荷関係、そういうものがこれと関係して、非常に何といいますか、施策を進めたり強化したりしなければならぬ問題は、御指摘のとおり多々あると思います。
  27. 大河原一次

    大河原一次君 局長にちょっとお伺いしますけれども、今後スーパーマーケットができまして、先ほど大臣は、それほどまでに大型にいっていないとおっしゃいましたけれども、しかし、部分的にでも大型化しつつあるということはいなめないと思うんですけれども、今回のスーパーマーケットが二十カ所なら二十カ所できることによって、やはり取引というものは大きくなると思うんです。したがって、もちろん今日の中央卸売り市場を認めた上で私は申し上げておるんですけれども取引関係にあたって、私は今日卸売り仲買い人小売りという三段階になっておると思うんですね。このように大型方向に歩んでおる場合に、取引関係においてどのように取引されるかということですね。たとえば、これは仲買い人を通じてこういうような大型化しつつあるマーケットにおいて、依然としてやはり仲買い人を通じなければ取引ができないのかどうか、私はまあ将来でなく、現状におきましても、このようなマーケットができることによって、マーケットが一体となってといいますか、組織化して、共同取引組織によって卸売りの売買に参加する方向が望ましいと思うのですが、これに対してどのようにお考えですか。
  28. 久宗高

    政府委員久宗高君) 消費大型化することによりまして、流通のやり方は変わってくるということは考えられると思います。ただ実際問題といたしましては、商品の性質にもよると思います。純然たる生鮮食料品の場合と、やや規格を相当問題にし得る生鮮食料品の場合とでは事情が相当迷うと思います。現にそういうことによりまして流通経路も違うわけであります。そこで、かりに生鮮食料品を問題趣にいたします場合でも、物によりまして現在でも仲買いを当然使わざるを得ぬ商品と、それから仲買いを必ずしも置かなくてもいい商品とあるわけでございまして、それはやはり商品の性質によってきまってくるものであるわけでございます。大量化しました場合、それがどう変わるかということにつきましては、いろいろな角度の検討が要ると思うのでございますが、やはり現在のような大きな形がふえてきました場合の分荷の現状から申しますと、やはりこの段階の無視はできないのではなかろうか、またそれだけ仲買いとしまてもそれぞれ必要な機能を果たしておられるわけでございます。ただ非常に規模が零細でございますので、先般来も中央卸売り市場のいろいろな改善策を講じました際に、仲買い人の方それ自体大型化を慫慂しているわけでございまして、そういうものと照応しながらだんだんと変わっていくのではないだろうか、一ぺんに末端のマーケットが全部塗りつぶすというような形に零細な企業が進みますまでには相当時間がかかると思います。やはりまだ途中の段階を除くというところまではまいらないというふうに考えているわけでございます。
  29. 大河原一次

    大河原一次君 私は、いますぐ、そういうものができたから、仲買い人を排除すべきじゃないかというような意見を申し上げているのではなくて、いま局長も言われたように、一方において仲買い人自体大型化が取り上げられており、一方においてはこのようなスーパーマーケットが各所にできるということになりますと、今回は生鮮食料品なのですが、したがって、生鮮食料品であるが、中には青果なら青果を何軒かによって担当し、あるいは食肉なら食肉を何軒かで担当している、その業者が入る、あるいはまた水産なら水産を担当している業者がその中に何名か入居するわけですから、だから青果なら青果、水産なら水産の共同仕入れ体制をとって、いわゆるマーケット内における一つの各部門における組織化をはかった上で、私は中央卸売り市場とのやはり取引という方向にいくのか望ましいのではないか、もちろん品物によっては仲買い人を通さなければならぬ品物もあるかもしれないが、しかし、現状においても小売り商がみずから仲買い人一緒になってせりに参加している実態もあるわけですから、とにかくこのような大型化方向へ歩んでいる場合においては、そのような方向にいくことによって、今日依然として、まだ業者自身も、この法案に賛成する方々自身もはたして一割の値下げができるかどうかということについて疑問をもっているという状態ですから、的確な方向を歩むということを考えた場合においても、もちろん二面においては産地のことも考えなきゃなりませんが、さしあたり消費段階のことを考えた場合においても、青果なら青果、水産なら水産という関係においてやはりそれぞれの部門別における共同仕入れ化を行なって、直接に卸売りに参加すべきではないか、このことによって希望を持たれておりまする一割の価格引き下げの方向に歩むこともできるんではないかと、私はこのように考えたがゆえに申し上げたわけですが、こういう方向は望めないものですか、どうでしょう。
  30. 久宗高

    政府委員久宗高君) 見通しといたしましては、やはり先生のおっしゃるような方向がだんだん出てくると思います。ただ、現在の見通しで申しますと、青果関係におきましては、現在でも仲買いを置いてない場合がございます。したがいまして、この場合には比較的そういうものが進みやすいと思うわけでございますが、水産関係になりますと、相当さい然と仲買いの機能が現実的に働かなければならない形になっておりますし、また、そういうような分荷の方向であるというようにも思われますので、なかなかその分野では進みにくいのではないだろうかと思われます。
  31. 大河原一次

    大河原一次君 こまかい専門的なことはよくわかりませんから、この面はこの程度にしておきますけれども、さらに、ちょっと先ほどお聞きできなかったんですけれども、今後スーパーマーケットの進出によって刺激されて、あるいはまた、当局の指導等もあって、民間人による共同経営によるスーパーマーケットが進められるというような方向見通しされておるわけでありますし、また、個々店舗に対しても近代化の資金を与えることによってそれぞれの態勢を整えるようにてこ入れをやるというようなことでありますけれどもスーパーマーケットは、今回は都と国とによる経営でございますが、しかし、すでに大資本によるスーパーマーケットが進出しており、あるいはまた、中小資本の合同によるところのマーケットもいまできておりますし、今後も計画されておるというような状態ありますが、私は、もう取り残された個々店舗に対してはそういうことも用意されておると思っておりますが、もっと以前にこういう構造政策がとられなきやならない。中小企業現状見通しされた場合には、このような方向にもっと以前から指導すべきであったと思いますが、たまたまこういう法案が取り上げられ、あるいはまた、スーパーマーケットの進出されるような状態になってから、そういう近代化資金高度化資金によって何とかやっていこうというようなことでありますが、やはり今後の問題としては、もっと積極的に、このスーパーマーケット出現と並行的に、残された個々の企業に対するそういう思い切った資金の導入なりその他の指導等が行なわれなきゃならぬと思いますが、そういう点がちょっと私は欠けておるんじゃないかと思う、どちらかというと、手おくれに、なっておりませんが、並行的に、一方には皆さんの御指導によってスーパーマーケット共同化を推進せしめるということと合わせてこれ以上の努力を払って、残された個々生鮮食料品業者に対するそういう資金を十分に潤沢に与えて、少なくとも時代の趨勢から取り残されないような方策を並行的に今後やるべきではないかと思っておりますが、その点はどうでしょう。大臣にお伺いいたします。
  32. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) スーパーマーケットをつくってモデル的にやると同町に、これに参加しない人につきましては、全くいまのお話のとおり、近代化をし共同化をしていくことが必要だと思います。これはもともと並行してやるべきだと思います。おくればせながら、いまのお話にありましたように、中小企業高度化資金とか中小企業施設改善資金というものが東京都にもありまして、その助成によってこれと並行していく、歩み出すといいますか、出発はいたしておるはずでございます。ございますが、また、御指摘のように、おくれているといいますか、そういう点もあると思いますが、並行して進めていかなければならない段階だと、かように思います。
  33. 大河原一次

    大河原一次君 高度化資金近代化資金の、いわゆる中小企業基本法なり、あるいはまた、関連法によってすでに基末法が出され、関連法が出されたときに、もっと積極的に高度化資金あるいは近代化資金等を投入せしめて、これを十分に利用、活用ができるような、そういう指導と体制を整えるべきであったと思うにもかかわらず、そういうことが十分に取り上げられなかったということに問題があると思いますし、また、今日までの高度化資金が一体具体的にはどのように使用されたということについても私は疑問を持っているのでありますが、これは別に譲りましてまいりまするけれども、やはり構造政策ということを考えたときに、ただ、もう立って行かれるものだけを何とかまとめればいいんだ、一本立ちにやっていけないものは、あとは適当にやりなさい、あるいはまた、おざなりのある程度の援助政策をとるというようなことだけでは問題の解決にはならぬのではないか、このように考えておりますが、こういう点を十分今後も御考慮を賜わりたいと思います。  そこで、私はまた話を少し変えますけれども、先般、大臣はお見えになっておられませんでしたけれども、ここで公述人を呼んでいろいろと御意見を賜わったわけですが、たまたまこの法案に賛成されておるという方々の中にも、先ほどの一割安く売ることに対して疑問を持っているという人もございましたし、同時にまた、一番問題なのは、やはり国がこれに参加していく、役人がこれに参加する、いわば官営的なものであるということを積極的にことばの表現として現われておるわけですが、なぜこのような官営的なものに持っていかざるを得なかったかということに対して等しく、これは反対する者はもちろんそうですが、賛成する者の中にもそういう御意見があったわけです。これに対しては、前も何かこれに対する説明もあったようですが、ここで、最後に大臣にひとつその点についてお聞きしたいのですが……。
  34. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) これは自主的に小売り商の人が集まってやるのが筋といいますか、本旨だと思います。しかし、なかなかそれに踏み切る、大型スーパーマーケット等は大資本家によって行なわれておりますが、中小の小売り商等におきまして、なかなか踏み切るきっかけが少ない、こういうような現状でありますので、過渡的にやはり国及び地方公共団体で管理会等をつくりまして、そうしてこれを推進してモデル的なものをつくっていこう、こういうような考え方から、こういう法案によってその目的を達しよう、こういうふうな考え方でございますので、特に官僚的という面は、ぜひ運営の面その他において払拭していきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
  35. 大河原一次

    大河原一次君 いろいろお聞き申したいことがあるのですけれども、また別にあらためてお聞きいたしますが、最後に、大臣にこれをお聞きしたいのです。こういう質問はまあどうかと思うのですけれどもね。それは先般私は、何か都商運といいますか、何か新聞を見たのですけれども業者方々が、もちろんこれは反対する業者方々がたくさん佐藤総理に会って、いま提案されておるスーパーマーケット法案というものは非常に問題があるということで、それぞれの立場からきわめて具体的に内容に触れて取り上げて、佐藤総理に会いまして、これはやめてもらいたいというような意見があって、それに対して佐藤総理は、これは閣議決定にはなっておるが、しかし、消費者の中にもあり、また業者の中にもちろんこれを受ける影響の多い方々の、反対の意見の方もたくさんあるということも私も聞いたので、十分にもう一回検討してみるというような意見が佐藤総理の口から出ておるということをお聞きしたのですけれども、これは大臣は御承知でございますか。
  36. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私は直接聞いていないけれども、そういう応答をしたかどうか、私もわかりません。ただ、申し上げますれば、閣議で再々、流通対策の一環として、末端ではこういうものをつくって推進していこうと、こういうようなことを再度、再々確認されておりまするし、国会の施政演説等におきましても、流通機構の問題に触れまして、こういう総合市場小売り市場を設置したい、こういう方針を述べておるわけでありますので、私はこの方針は変わりないと申しますか、そういうふうに考えております。
  37. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  38. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 速記を始めて。北條君。
  39. 北條雋八

    ○北條雋八君 私は時間がございませんので、要点だけ大臣に伺いたいと思います。  この国会が始まってからこのかた、この食料品の小売市場管理会法案、これに対しましてぜひこれを成立さしてもらいたいという請願は一つもないのであります。数多くの請願が、ぜひ廃案にしてくれという反対請願ばかりが提出されております。しかも法案の審議が進みまして、その内容がはっきりしてくればくるほど反対が多くなるような傾向であります。最近、三月の請願一覧表を見ましても、反対請願の中には与党の議員の紹介で提出されたものが三通もありまして、これを見てもいかにこの法案が大衆福祉に逆行しておる法案であるかということが考えられるのでございます。大臣はこの法案に対する世論をどういうふうにお考えになっておられましょうか、その点をまず伺いたいと思います。
  40. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 世論の動向はどうであるかというお尋ねでございます。この法律の内容等につきまして、政府といたしましてもPRが十分でなかったという点は私どもも反省しております。というのは、何かこの法案が小売商を圧迫するとか、小売り商の生存権というか、そういうものに影響が甚大であるのではないかというような心配相当はびこったのではないか。中小企業の団体等におきましても、そういうことを取り上げて反対をいたしておるようでございまするが、私どもは、そういう小売り商の生きる道をこれによってひとつモデル的に考えていこうじゃないか、こういうことでございますので、私どもの本旨と反対のようにとられておりますのが、いまの請願とか、そういうものに反映しておるというふうに考えております。特に請願等にはないと思いますが——これは小売り商の行くべき道といいますか、生鮮食料等におきます小売り商等の進むべき道というものをつくっていこうという考え方でございまするし、同時にまた、消費者にとりましての便宜や価格の適正化による利点を持つものと、こういうふうに考えて、これを実行に移そうと、こういうふうに思っておるわけでございますので、消費者の代表等におきましては、相当この制度に賛成いたしまして、国会通過促進の要望等は出ておる次第でございます。でありますので、私どもの世論指導といいますか、実態を認識してもらうことにつきましては十分でなかったと、こう思いますけれども、私どもの本旨がわかれば、この問題は小売り商にとりましても、消費者等にとりましてもよりいいことだと、こういうふうな認識になっておるものもありまするし、なりつつあるのじゃないかと、こういうふうに考えております。
  41. 北條雋八

    ○北條雋八君 確かにいままでその内容がわからなかったという点もありまするが、最近になりましてだんだん国会の審議を通じてわかってきても、最近なお反対する声が多いということは、非常に私は遺憾であるのであります。で、よい法案であるにしても、もっとやはり大衆に納得させた上で実施しなければならないと思うので、それにはこの委員会国会審議を通じて、なおもっとよく大衆に納得させ期待を持たせるということが必要だと思いますので、きょうこれから二、三伺いたいと思います。  この総合小売り市場は、先ほどお話がありましたとおり、これは一つモデルをつくるんだと。これは民間だけの力ではなかなかできない。それには農林省が乗り出して、それでこの管理会を構成しなければならないんだというお話がいまございましたが、それでは、農林省が管理会をつくって運営することによってこれこれこのような利点があり、しがたって、一般小売り店で買うよりもこのような程度の値が安くなる、また、これこれの理由で品質も落ちないし、価格の暴騰暴落も防げるのだというような自信のあるはっきりした説明がいままで聞けなかったのでございますが、その点につきまして、こまかいことは要りませんけれども大臣よりわれわれが納得のできるようなお答えを願いたいというふうに思います。
  42. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 従来の小売り商経営形態を見まするというと、いわゆるコスト価格というよりも、その経営によって小売り商の生活を維持していけるかどうかという面に非常に重きがあったのじゃないか。でございますので、価格の形成につきましても、ある程度はもちろんコスト価格的な面もありますけれども、生活維持価格といいますか、そういうことで、合理的でない価格の形成という面が相当多いのじゃないか。家族を養っていくためにはどれくらいに売ったらいいかというような傾向が非常に強かった。まあ総合小売り市場につきましては、そういう点を合理化するといいますか、して、価格を適正化していくということも必要でありまするし、また、そういう方向に向けていかなくちゃならぬ。また、これは全体として労働力が不足でございます。小売り商等におきましても、労働力が不足でございますので、その価格が労働力の面でも相当のものでなくてはならないという半面があろうと思います。そういう場合、やはり共同化あるいは労働力を節約してもやっていけるような市場という方向へ持っていったほうが、これは小売り店の将来のためにもいいことだ、こういうふうに考えております。そういう面で、やはり公益的に考え価格等につきましても、一割程度の引き下げの余力ができてくると思いますので、消費者にとりましても利益するところが大きいと、こういう面でそういうモデルをつくって推進していくという意味におきましては、やはり公益性を持っておりますので、国と地方自治団体とか管理会というようなものを設けて、その方向へ推進していきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
  43. 北條雋八

    ○北條雋八君 いまのお答えによると、なぜ農林省がやらなければこのマーケットがうまくいかないかというようなお答えがないわけです。何も農林省に限ったことはないのではないかというふうに思うのですが、どういう利点があるのか、これを伺いたい。
  44. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私はこういうふうに考えているのでございますが、この総合小売り市場というのも、先ほどお話が出ましたように、流通の適正化、円滑化という面からの立場でこういうことを考えておりますから、生産から、出荷から、流通市場関係から、それから最終段階消費の面と、こういうふうに一貫して考えておりまするので、そういう点で私は一面においてそういう関連性がなければ、これは地方公共団体あるいは個人が集まってやってもいいと思います。しかし、一連の関係から、そういうふうな総合性を考えまするというと、末端の消費部門におきまする一つの指導といいますか、そういう面で国も参加する、こういうことが適当であろう、そういう意味において、国といたしまするならば、農林省が生産から流通消費に非常に関連が深い省でございますので、農林省がタッチするということが適当であろう、こういうふうに考えるのであります。
  45. 北條雋八

    ○北條雋八君 しかし、そうしますと、かりに理想的な官営スーパーモデルできたといたしましても、いまお話しのように、農林省の管理会がやったからこそできたとすれば、すなわち言いかえるならば、農林省が乗り出して管理会方式でやるのが一番いいと主張されるのならば、入居できない小売り業者が、なるほどこれは非常によいモデルだ、それにならってわれわれもぜひやってみたいと思っても、民間だけの力ではたとえ中小企業の設備近代化資金その他の融資の道は開いてもらっても、官営スーパーと同じような経営はできないということになるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
  46. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 詳しくは局長のほうからも御答弁、御説明申し上げますが、入居しない業者に対しましては高度化資金とか施設改善資金とか、相当手厚い資金を用意しております。でありますので、この管理会がやるのと同じような形で将来伸びていくべきものだと、また、伸びていくようにしてやらなければならないと私は考えております。管理会のような、国や地方公共団体が参加したものでなければできないというようなことではほんとうのモデルにならないと思います。でありますので、民間でやれるようなところへ経営など、あるいは設置などができるようなところへ持ってってやらなきやならぬと、こういうふうに私は考えております。
  47. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうしますと、結局一番理想的なのは、この官営スーパーがいいとなれば、民間だけの力でだれでもできるということではありませんから、もっと官営スーパーを大々的にたくさんつくっていかなければ解決はできないとい結論になるように私は思うのであります。資金の用意は十分してあると言われましても、やはりそれを借りるにはある程度の、従来の信用はもちろんでありますが、その金だけではできないんで、零細な小売り店というものは大部分借りられないのが従来の中小企業資金の融通についての隘路なんでありますから、その点について相当の——零細でない小売り店はある程度そういうふうに近代化できましょうけれども、大部分の零細小売り店は永久に私はそういうことはできないと思うのであります。その点につきまして、どの程度これによって近代化ができると思っていらっしゃるのか、また、あとに残された零細小売店が一体どの程度残るのかという点を伺いたいと思います。
  48. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 局長からひとつ。
  49. 久宗高

    政府委員久宗高君) 前の御質問もちょっと関連がございますので補足さしていただきたいと思いますが、大臣の申されましたのは、御質問の趣旨は、この管理会がやるからできるんで、そうじゃなければ一般のほうではできないではないかという御質問であったように思うわけでございますが、たびたび繰り返して御説明しておりますように、資金関係といたしましては、管理会に入居なさって共同経営をお始めになる場合も、それから個別にお始めになる場合も、大体金利関係でほとんど同じになるように組み合わせて設計をつくっておるわけでございます。これはもうたびたび御説明したとおりでありますが、ただ、御質問の趣旨はおそらく、管理会の場合には相当濃密な指導ができるだろうか、一般に個別に始めるときにはそういう後見的な指導が十分であるかどうかというふうにも解されます。私どもは繰り返し申しますように、資金的な意味におきましては、このモデルを見てこれのようなやり方でやりたいと言われる場合に、現在用意しております資金——中小企業関係資金によりましてほぼこれと同じような形の負担でできるように設計をしてるわけでございますが、ただ後見的ないろいろなアドバイスでございますとか、そういうところにつきましては、これはモデルでございますので、失敗しては何にもなりませんから、相当濃密な指導、また責任を持った指導を考えざるを得ませんので、考えているわけでありまして、これを今度個別になさいますときに、それと同じような指導ということになりますと、一般指導のほらに移されますので、あとはこのモデルでやりました内容を、よくこれからなさる方が吟味していただけば、誤まりなきスタートができるものと考えますけれども、ややその指導の点で、これはモデルそのものの中で、相当濃密な指導をいたします点が若干違うと思います。しかし、これは国といたしまして、これからなさる方のモデルを示す意味でございますので、徹底した指導が必要でございますので、今日濃密な指導をするということで御理解いただければと思うわけでございます。  なお、それとの関連で御質問の出ました、資金を借ります場合の窓口の問題でございますが、関係者お話を聞きましても、なかなか借りにくいというお話はよく聞くわけでありますが、やはりプラン、つまり計画そのものが必ずしも十分でございませんで、それを練る過程におきまして、何度も直される、あるいはそれをとうてい通らないとあきらめてしまうといったプロセスが、おそらくいままでのように、モデルがございませんので、個々に出てまいりました計画につきましては、なかなか門がかたくて借りにくいという事情はあったかと思うわけであります。これを個々に御計画なさる方を一々御指導申し上げますよりも、やはり具体的にこういうモデルを現実に示しまして、それを御勉強いただいて、具体的なプランをお立ていただくものが出てくるということが、実際問題としては望ましいのじゃないかというふうに考えているわけでございます。  なお、零細な方たちが、これからはずされはしないかという問題でございますけれども、これは私どもはそういうことは全く考えておらないわけでございまして、一応二十カ所ということで、具体的な場所が選ばれますと、そこの入居者を考えます場合におきましても、零細なるがゆえに排除するということは全然考えておらぬわけでございまして、むしろそのような方が集まって共同化の利益を得たいとおっしゃいますような方を入れるのが、むしろ本旨ではないかと思うわけでございます。現実にここで一般店舗をお借りになります場合の、たとえば一昨日でございますか、家賃のお話も出ましたけれども一般店舗をお借りになる場合とほとんど違わない形で、ここで入居なされるようなことを考えておりますのも、さようなことでございます。  それから入居できない方、これはモデルの中に入るか入らないかの問題でございますので、モデルの中に入ってやってしまおうという方はお入りになれますし、あるいはこの段階ではモデルに入らないで様子を見て、これからおやりになりたい、そういう方につきましては、再三申し上げておりますように、例の近代化資金のほうの資金が用意されておりますので、それによって、しかもこのモデルの実績をごらんいただいて、十分に案を練っていただいてお持ちいただければ、それが実現されるものというように期待しているわけでございます。
  50. 北條雋八

    ○北條雋八君 もともとこの小売り市場というものは、いまもお話しのとおり、モデルをつくってこれを示して、入居できない多くの小売り業者にも金融その他の便宜をはかって、右へならえをさせて、そうして共同経常をさせ、で、店舗の数をだんだん減らしていくというのがねらいだというふうに言われているけれども、そうするとそのねらいというのは、将来どのくらい吸収できるお見込なのか、結局そういう近代化になれない零細な業者店舗がどのくらいの割合で残るのか。全部が全部これは近代化するということは考えられないと思うのですがね。そのお見込みを伺いたいと思います。
  51. 久宗高

    政府委員久宗高君) たいへんむずかしい御質問で、お答えできないのでございますが、私ども考え方といたしまして、こういう形で、一番普通の形の小売りの方が共同化を進める場合のことを一応念頭に置きまして、そのモデルを作っているわけでございます。先ほどお話にもございましたように、相当特殊な分野で、個人経営のまま十分お続けになれる小売り業者もございましょうし、商品あるいは規模によりまして。そういう方はもちろん共同化の道でなしに、個別の小売り商形態でさらに発展なさる余地も十分あるかとも存じます。しかし、大部分の方から申しますれば、何らかの形で共同化が必要になるわけでございますが、その規模その他につきましても、それぞれによりまして相当な大きな規模になる場合もございましょうし、あるいはごく内輪で、二、三人の方でじっくりやりたいという方もございましょうし、いろいろな形があると思います。したがって、全部を共同化に持っていくのだという必要は現実にございませんし、個別経営のままでやりたいという方はやるということもあるし、また、個別経営の合理化をなさっておやりになればよろしいわけでございますので、特定の形の共同化の方式に全部型にはめて考えるということはいたしておりません。ただ、大多数から申しますと、やはり生鮮食料品現状から見まして、消費者のほうの需要もそういうかっこうで動いてきておりますし、また、経営自体見通しから申しまして特に労働力の不足を考えますと、そのような形が早く打ち出されておりませんと、一番平均的な形の牛鮮食料品関係の方がわりに早い機会にむずかしい場合にぶち当るだろう、そういう方はなるべく早くこの共同化を進めたらよろしかろう。繰り返し申し上げますように、そういう方を全部を律しているわけではございません。
  52. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうしますと、この管理会側に入れない人もそのモデルを見習って資金の融通をしてもらえ、その考え方でやるにしても、それらのスーパーマーケットに対しても農林省がやはりいろいろ指導、あっせんその他は同じようにしてやるということに承知してよろしゅうございますか。
  53. 久宗高

    政府委員久宗高君) この管理会そのものにつきましては、農林省は、責任を持ってこれをやるわけでございますが、一般小売り方々にも生鮮食料品関係共同で進めたいとおっしゃいます場合には、私どももちろん間に入ってごあっせんをいたしておりますけれども、これは直接的には中小企業庁のほうの御担当で資金が借り出されるわけでございます。その場合こういうものが相当進んでまいるということになりますと、私どもいままでこういう御要求があまり現実にはございませんので、十分なあっせんをいたしておりませんけれども、このモデルの進行状況と関連いたしまして、相当共同化の機運なり動きが出てまいりますれば、やはり直接的な関係がございますので、十分御相談いたしまして、中小企業庁のほうにあっせんなりお願いを私どもを通じてでもいたしたいと考えておるわけでございます。
  54. 北條雋八

    ○北條雋八君 その点が私は非常に不安に思うのでありまして、直接管轄が農林省でない通産省のほうの関係になりますので、はたしてどこまで責任を持っていただけるかということも非常に私は不安に思います。私どもは、この管理会の方式にどこまでも固守されるとするならば、何も農林省がやらなくても、農林省はただ外部から指導、あっせんをして財政的の助成に力を注ぐだけで、むしろ東京都におきましては、一千万都民の台所をまかなっております東京中央卸売り市場の開設者であります東京都が、むしろ主体になってやるほうがいいと思うのでありますが、その点につきまして大臣はどういうふうにお考えになりますか伺いたいと思います。
  55. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 中央卸売り市場等を東京都が管理しておる、こういうこともありますので、一応そういう御意見もごもっともかと思います。ただ、先ほどから申し上げましたように、中央卸売り市場等につきましては、相当の歴史もございます。今度の総合小売り市場につきましては、一般スーパーマーケットありますが、より小さい、大資本によらざるものの総合小売り市場をつくっていくということは一つモデルケースでもございます。そしてまた生産から流通消費という一連のものでございまして、これが生鮮食料品中心として行ならということでございますので、一応農林省がこういうモデルをつくって指導していくということが適当であろうというふうに考えたわけでございますので、あえて農林省でなくてはならんという理由はございませんが、経過的に考えますならば、農林省がこういう役割りを果たすのが現在適当であろう。こういうふうに考えたものですから、農林省の所管というふうに考えてきたわけでございます。
  56. 北條雋八

    ○北條雋八君 いずれにいたしましても、はたして成功するかしないかわからない官営スーパーがかりに二十カ所できたとしても、言われるとおりごくわずかなものでありますから、五十万人に一カ所のスーパーができる割合でありますから、大部分消費者の物価安定策とは言えませんし、またそれに反して、数多い入居できない小売り店全般に圧迫と不安を抱かせるということは、非常に私はおそれるものであります。それで、現在この都内に、農林省の指示によって、東京都の監督指導のもとに、標準小売り店というものがございます。この店の数も千八百ばかりあるそうであります。消費者の期待にこたえるにはまだまだ不完全な点が多々ありますので、私は率直に言って、この官営スーパーマーケットに使う予算は、むしろこれらの都の標準小売り店なり公設市場の増強に使うほうが、数段と全般的に効果があると考えますから、そういう点に対して大臣はどういうふうにお考えになったのでありましょうか。
  57. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 東京都に二十ほどの市場でございますので、物価の形成等にどれだけの効果が期待できるかということでございますが、二十市場でありましても、これはモデルでありまするから、数多くを支配するようなことにはなりませんけれども、二十市場でも波及的効果は相当あると思っております。同時に、この市場ができるために他の小売市場圧迫とか不安を起こさせはしないかという御指摘でございますけれども、その点につきましては、私は、むしろこういうやり方のほうが小売商の今後生きるべき道だ、こういう考え方でこのスーパーマーケットをつくって管理していこうということでございますので、私は、小売商に圧迫等を来たすことはない、また、そうしたくないと思います。でありますので、小売り市場に入居しない業者に対しましては相当資金を回しまして、この総合小売り市場と同じような施設ができるように持っていくべきだ、また、そういう金も用意しておるということを、局長からも申し上げた次第でございます。  それから、総合小売り市場と、いま行なわれておりまする標準品の小売り店の問題でございますが、いま御指摘のように、生鮮食料品価格の適正化をはかろうという措置であることにつきましては両者共通しております。しかし、標準品小売り店は既存の経営形態小売り商を前提にしたものでありますが、ここにいう総合小売り市場は、小売り業者の構造面を近代化していこう、小売り商のこれからの進むべき道をモデルによって示していこうと、こういう点に相違があろうと思います。また、現在の標準品小売り価格は、消費者への利便提供のための目安の価格であるのでございますが、総合小売り市場での価格形式は、小売り業者の指針となるような基準価格になっていくというふうに見ております。すなわち、先ほどから申し上げましたように、標準店とはよく似ておりますけれども一般小売り店の価格がまあコスト高といいますか、そういうものでなくて、生活を維持するには幾らに売ったらいいかという要素が非常に強いので、そういう点を離れて合理的な小売り価格の基準が生まれてくると、こういうふうに考えております。その他、標準品小売り価格は、既存の経営を前提としてその平均マージンを含んだもの、こういうことになっておりますが、総合小売り市場価格は大量仕入れとか、あるいは労働力を節約してセルフサービス等の近代的経営のもとにおける適正マージンを含んだものと、こういうふうな価格で形成されるということでございますので、標準品の小売り店のほうもふやしていくといいますか、そういうものを増していくことは必要であると思いますが、総合小売り市場として新しく小売りのあり方、あるいは消費者に対する利便、こういう点からも考えまして、やはりこういうものがこれからの小売り商の進むべき道だというモデルをつくっていくことが必要であろうと考えられるわけでございます。
  58. 北條雋八

    ○北條雋八君 大阪の公設市場は非常にぐあいよくいっておるという話がありますし、東京の標準小売り店は非常にまだ完備していない点が多々あるというわけでありますが、さしあたり全般の消費者に対して効果をあらわすのは、やはりたくさんありますこの標準小売り店の完備を急いだほうが私はいいと思うので、この点について農林省としましては、東京都のほうにいろいろ財政的の援助その他指導をされまして、すみやかに完備されることをこの際希望しておきます。  なお、この際ちょっと伺いたいのは、入居することができた小売り商が、従来の自分の個人の店舗をそのままにしておいてもいいのだと、また場合によれば他の業者に譲渡しても差しつかえないのだということを、前にこの委員会で伺いましたけれども、そうしますと、店舗の数が減らないで、場合によってはそれだけ店舗の数がふえるということにも考えられるのでありますが、現在東京都にあるスーパーマーケットに行って聞いてみましても、そこに入っている生鮮食料の業者は、やはりそのほかに自分の店を持っている業者が多いわけです。そういう点を考えてみますと、店舗があまり減っていくようにも考えられないのですが、その点は、事務当局でけっこうですが、どういうふうに考えておられますか。
  59. 久宗高

    政府委員久宗高君) いまの設計といたしましては、全部おやめになって入ってきた場合ということを頭に置いていろいろな計算を立てておりますが、現実の問題といたしましては、ある特定の場所にこれが設けられました場合に、そこに入られる方が全部自分のお店をたたんで住居も含めて入ってこられるかどうか。これはそれぞれの方の選択によるわけでございます。小売りそのものがいわば許可制でもございませんし、それを継いでやる方があるかどうかという問題は、このおやめになる方と市場との関係によりましてそれぞれ違うと思います。入居される方が家族構成によりまして、入ってはみたものの、まだ心配だから、たとえば自分の店は残しておきたいというお気持ちの方もあろうと思います。実際問題といたしましては、その方の使用し得るまあ家族労働も含めました労働力その他によりまして変わってくるわけでございますので、これを一律に店をたたまなければ入ってはいけないとか、そういうふうには私はできなれのじゃないかと思います。ただ、長い目で見ました場合に、お入りになりました方が居住も含めまして、やはりその市場にそっくりお入りになってしまうというケースが実際問題として一番多いだろうというふうに考えております。経過的にはそれを整理するという考えは一応持っておらないわけでございます。
  60. 北條雋八

    ○北條雋八君 私の調べた範囲はわずかではありますが、ほとんど全部が自分の店は持って、スーパーの中に入っておりますので、その点は非常に私は懸念するわけであります。なお、時間がございませんから、もう一点伺いたいのは、食料品流通改善の一策としまして、この法案でも、先ほども大河原さんからお話がありましたが、生産者から直接消費者へ供給することも考えておられるようであります。政府としましては今後このような直接産地から出荷消費地にするという方法をどの程度推進していかれるつもりか、また、その形はどういう形で推進されていく方針であるか、伺いたいと思うのであります。また、昨今新聞にも出ておりますけれども産地から消費地へ直接運ぶという働くスーパーですか、食品移動販売車というものが急にふえてまいりまして、これは消費者にとっても非常に喜ばれておるように考えます。そういう点に対して今後政府ではどういうふうに考えておられるか、その点を伺いたいと思います。
  61. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 現在の何といいますか、機構といいますか、生鮮食料品生産及び消費の実態のもとでは、仕入れは中央卸売り市場を通さないで産地から直接行なうということは、一般的には仕入れの合理化にならない場合が多いと考えますので、むしろ中央卸売り市場を活用することのほうが効率的であろうとは考えております。ただ特定の品目等につきまして生産者団体が組織的な出荷を行なっておる、そういう場合におきましては、それとの結びつきによりまして仕入れの合理化が可能となる場合がございます。そういう場合には直接仕入れもし得ると考えますが、中央卸売り市場を経由しない特定の品目について考えられることであろうかと思うのでございます。そういう意味におきまして、品目により、あるいは生産者団体が組織的な動きをしておるというものとは直結してくることが、荷を受け入れることがあり得るし、そういうことも進めていいと思います。が、全体的に見まするならば、やはり中央卸売り市場からの仕入れということが一般的ではなかろうか、こういうふうに考えます。
  62. 北條雋八

    ○北條雋八君 何でもかんでもできるわけじゃもちろんございませんけれども、山梨県あるいは長野県あたりでも、農協スーパーというものがあるそうでございます。私は、将来は農協がこの生鮮食料品流通革命に向かって大いに力を入れなければいけないと思うのでありまして、いまの動くスーパーなんぞも、場所によっては今後農協でやるというようなこともだんだんふえてくるのじゃないか、またふえてくることを私は望むものでありますけれども、農協と、この生鮮食料品の何といいますか流通関係につきまして、大臣とされてどういうふうに将来を考えておられますか。その点を一点伺いまして、私の質問を終わります。
  63. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 私は、かねがね栽培等につきましても契約栽培的な考え方が進んでいかなければならぬというふうに思っているものでございますので、出荷等につきましても、農協等が組織的に市場等と約束をして出荷する場合におきまして、物によりましてはそういうことは進めるべきだと思っております。一般的に、大体の多くの品物につきましては卸売り市場を通じませんとなかなか手に入らぬということもありますが、特定のものとか、特定の組織的な出荷団体として農協がそういう役割りを果たしておるという場合におきましては、そういうものの販売をするということは望ましいことだと、こう思っています。
  64. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ちょっと速記とめてください。   〔速記中止〕
  65. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 速記起こしてください。
  66. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私、これ事務局でもいいですが、聞きたいのですが、東京都を中心としての生鮮食料品店というのはどのくらいあるのか、それから市場の卸屋と仲買い人はどのくらいおるのか、これをまず聞きたい。
  67. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先ほどおいでになりませんでしたときに、全体の数を申し上げたのでありますが、青果といたしまして約一万、それから水曜関係が約九千、それから肉の関係が三千五百程度というふうに申し上げたわけであります。それから卸売り人でございますが、青果関係では十八、それから仲買い人が五百六十一でございます。それから水産関係では卸売り人が、九、仲買い人が千六百八十四でございます。
  68. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 大臣にお聞きしたいのですが、いま事務局から発表されたように、基本的に考えれば価格の安定というやっぱり主たる目的になろうと思うのです。政府は一割下がるということを言ってておられるのですから、その流通機構には現在の仲買いを適用していくということがまず大前提だと、こう言っておられるわけですね。それが前提になっておるのにもかかわらず、その根本的な流通機構改善にメスを入れるということでなくて、小売り商店のマーケットをまず手をつける、しかもその影響は非常に大きいという反対意見先ほども北條さんから御質問があったように、意見があるわけですが、そういう点に手をつけられたということはどこにあるのか。この点が、私たちはちょっと理解に苦しむものですから、一応御説明願いたい。
  69. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 先ほどから申し上げましたように、流通対策でございますので、生産の面も考えなければなりません。生産出荷考えなければなりません。それからいま御指摘のように、卸売り市場というのが、大きな機能を持っておりますので、卸売り市場等の改革といいますか、合理化を進めていかなければならぬのではないかと思いますが、そういう面におきまして、卸、仲買いを通じて合理化をしていこうということ。あるいはまた、手数料の問題なども、そう、たいへんな影響ではございませんけれども、手数料の問題等も改定する。あるいはまた設備なども大きくしていかなくちゃならぬじゃないか。こういうこともやってきているわけであります。また、なお進めなくてはならぬ問題もございます。ございますので、この小売りの面だけをとらえて、管理会をつくって、価格の適正化をしていこうということではございません。これだけではございませんで、すべて関連を持ちまして、生産から市場等の流通、末端の小売り段階、こういうものを通じて価格の適正化をしていく、流通の円滑化をしていく。こういう面で、総合小売り市場の問題をとらえていただきたいと思いますが、そういう考え方でございます。
  70. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうなりますと、三十八年の七月に、生鮮食料の流通機構改善対策の要綱として、閣議決定しておられるのですよ。そのときの閣議決定というのは、流通機構改善ということが、まず第一前提であったと私は思うのですが、それは間違いありませんか。
  71. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) そのとおりでございます。
  72. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうなりますと、これも北條さんとダブりますけれども、私もふに落ちないから御質問申し上げるのですが、結果的には中小企業庁がもっと総合的なものを考えるべきではないか。その総合的なものの中に、今度の小売り市場の問題が入ってくるということであるならば、これはお互いに、その反対者の意見も私はないのではないかという気がするのですが、それで、犠牲になろうという、われわれが心配する対象人員が大体七万ですから、これは約五倍くらいですが、それだけの人間の総意があるのに、犠牲になろうという不安の方がそれだけおるにもかかわらず、小売り商店の集中化をはかったそのやり方というものに矛盾はないのかどうか、この点、まず、見解を聞きたいのですが。
  73. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お話しのように、一方においては総合小売り市場を設置いたしまして、小売り市場のあるべき姿、こういうもの、また、消費者にとっての適正価格が設けられるような価格、こういうことが考えられるわけでございますが、一方におきまして、そういう小売り総合市場に結集されない人々、こういうものにつきましては、いまお話しのように、これからあるべき小売り商の姿に進んでもらうということが並行して行なわれることが必要であることは御指摘のとおりでございます。でございますので、中小企業庁の方面におきましても、中小企業基本法もございまするし、あるいは中小企業の間度化資金とか、あるいは都におきまする中小企業施設改善資金等がございまして、そういうもので、スーパーマーケットの設置などに向かうように、それを協業によって向かうような指導をし、また金の裏づけを持っているわけでございます。で、先ほどから御指摘がありますように、両々相待って進むべきことが必要でございます。ただ、この総合小売り市場のようなものができませんというと、一体進むべき——観念的な、頭の上や番数の上ではこらこういうものに行ったらよかろうというような一つのめどはあるかもしれませんが、実際に実践しているところの総合小売り市場というものを、やはり何といいますか、実際にモデルとして見ていかないと、そうしないと、思い切ってこういう方向へ踏み切れない面があるのではないか、こういうふうに考えます。その点で、総合小売り市場モデル的なものにひとつつくっていきたい。同町に、この小売り市場に入りない人々は、そのモデルにならったような形で、こういう資金等を活用して、共同化、協業等によりまして、スーパーマーケット的なものに進んでもらいたい。その他商店街近代化資金等もありますので、店舗改善等の方向も指導しておりますけれども資金の裏づけもありまするけれども、そういうことなどもやってもらいたいと思うので、両々相待って、と思います。ただ、実際にどういうふうにやったのがいいかという形を見せるために、総合小売り市場、こういうものをつくったということだ、こう考えております。
  74. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それで、大臣考え方としては、やっぱり野菜の指定産地の制度をやるとかあるいは野菜の生産者の安定をはかるための事業団をつくるとか、こういう構想もお考えになっていると思うのです。それと相待たないこの市場法案というものがモデル的なケースで、政府が言っておられるような一割安の販売ができるかどうかというその疑問点はたくさん残ろうと私は思う。この間の参考人の御意見の中にも、それも出ておりましたが、私たちもそう思うのですよ。それで、これは局長でいいですが、実際に合理化をして店員を減すとか、あるいはまた共同仕入れをやる。共同仕入れをやっても——大体市場、仲買いを通じてやるわけでしょう。共同仕入れでは——現金仕入れをやるということなら、いまの段階では一番安く買えると思う。たたいて買うという方法ですね。これは一番安いのです。商売はすべて現金でやるというのが一番安いのです。大メーカーならそういうことにはならないと思いますが、野菜ならそういうことができると思います。漁業でもそれができると思うのです。ところが、政府のやっておられるモデルケースの考え方をここにやって、実際に一割安くなるような販売ができるのかどうかという点は、非常にこれは問題だと思うのです。もしそこで一割安く完全にそれができたとすると、先ほどの御質問の中にもあったように、一体入居の条件にかなわない零細商店はどうするのか、ここに問題が私はあると思う。この点ひとつ自信のほどを明確に私はお答え願いたいと思う。
  75. 久宗高

    政府委員久宗高君) 本委員会でたびたび申し上げておるわけでございますが、どれくらいの目安かというお話がございましたので……。
  76. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 大臣、けっこうです。また今度おいでになるでしょうから、まだわからぬところたくさんございますから……。
  77. 久宗高

    政府委員久宗高君) 一割程度引き下げ余力があるというふうに御説明しているわけです。経常のああいう近代化をいたしますので、私ども相当内論に計算いたしましても、一割程度の値下げ余力は、相対的な、いまの他の小売り商に比べまして、可能であるという目安を持っているわけでございます。ただ、たびたび申し上げておりまするように、直ちに一割すぐ下げたほうがよろしいかどうかという問題につきましては、その地域で、どこから、どの市場から荷物を引いてくるかといったような問題も考慮に入れまして、一ぺんに、ただ形式的に一割下げるという形をとっていいかどうかは相当問題があると思います。その辺のことにつきましては、運営審議会にもいろいろな方がお入りになりますので、相当具体的に御意見も伺ってやりたい。ただ、物的施設その他から、あるいは従業員数その他から計算いたしまして、私どの計算で、内輪に見まして一別程度の引き下げ余力はあるということをはっきり申し上げられると思います。  ただ、もう一つの問題といたしましては、小売り価格のとり方の問題になるわけでございますが、一番問題になりますのは、この卸売り価格の、たとえば年平均がどう伸びて、小売価格が年平均どう伸びたということよりは、その時点時点におきまして、卸売り価格の高低にかかわらず小売り価格が日々非常に硬直的である場合があるわけでございます。つまり、卸売り価格は下降傾向をたどっているにかかわらず、何らかの理由で小売り価格が下がらない、あるいは上がる場合すらあるわけであります。そういうギャップが実際には非常に小売り価格の問題点であろうかと思うのでございますので、そういうような意味から申しますと、先ほどもちょっと御議論が出ましたけれども、現在やっております標準居でございますと、卸を基礎にいたしまして小売り価格を何らかの意味で規制しようといたしますと、実際問題として非常に困難な場合に遭遇する場合があるわけでございますが、この総合小売り市場におきましては、いまの日々の、いわば現在の小売り経営形態から来ますような問題による卸売り価格との乖離といったようなものをできるだけ調節いたしまして、本来あるべき姿のものを実現していきたいということでございます。ただ、そのままずばりとやりますと、全く経営形態の違うものが片一方にあって、モデルモデルとしてかって気ままにモデルらしいやり方をしてしまうということになりますと、これまた非常に問題があろうかと思いますし、モデルは、これを見て、次に、その周辺の方がみずからも共同化をしていただくその手助けでございますので、したがいまして、いまの一割程度の余力がございましても、それをどういうふうに日々の価格にあらわしていくかということにつきましては、きわめて慎重にやる必要があるだろうというふうに考えておるわけでございます。
  78. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうなってきますと、これはだれでしたか、参考人も言われておるように、食料、いわゆる生鮮食料というものは地域において非常に格差があるのですね、現在でも。そうすると、たとえば、何といいますか、日本橋の近所につくったとしますか、それと荒川を中心とした、あるいは日暮里でもいいですが、下町を中心とした場合、これはもう価格が違うのですよ、現在でもね。だから、現在のランクをつければ、A、B、C、もっとあるかもしれない。こういうふうに価格の違うものを一体、合理化されたからといって、非常にこの点は、むずかしい問題だ。確信があるとおっしゃるけれども、これはもう全く不安定なものだろうと私は考えるのです。そこで、そういうモデルということは試験中だということですが、試験中の中に入るというのは、結果的には、これまた北条さんの言われたことにつながるのですが、店舗を二つも、多い人は三つも持っている人があるでしょう。そういう人だけが入る条件になるのではないか。つまり零細な魚屋ですね、あるいは生鮮食料をやっておるという人は条件にかなわないし、また、やってみたって不安定だからやれないという要素が多分に出てくる。こういう点については、その確信のほどと、実際に入居をさせるものの選択ですね、これを一体どう考えておられるのか。これで大体私はきょうの質問は打ち切りますが、それをお聞きして、次にまた、大臣がきょうは見えませんから、次に伺いますけれども、その答弁だけを一つお願いしておきます。
  79. 久宗高

    政府委員久宗高君) 地域によって価格は非常に違うということは、おっしゃるとおりでございまして、その問題で二つ私どもとしても考えなければならぬ問題があると思います。たとえば、ある何々区で、その辺の方たちの荷の引き方がどの市場から引いてくるということによりまして、市場ごとにやはり若干のその荷の相場が違いますので、仕入れ価格は違ってくるということからくる仕入れの値段の違いというものもございましょうし、また仕入れしてまいります品物につきましても、山手とその他で違う、こういうような問題がございますので、そういう一般的な差というものは一つあると思います。  そのほかに、やはりある居とある店の違いというものが相当大きいのじゃないかと考えております。たまたま仕入れてこられたものに、所定のマージンを加えて売ってもやれるような規模小売り店もございましょうし、そういう形では残念ながら生計が確保できないということで、別途な考え方で価格をきめる、こういうこともございます。したがって、わりに近い距離で、一方の店は相当である値段であるにもかかわらず、ある店では非常に高いという問題も起こり得るわけでございますので、それが相当小売り関係につきましてはアンバランスがあるわけでございます。そういうところに、具体的にこの市場モデルとして設置されますので、設置されますについてはどういうところに設置すべきか、また、その地域の方がどういうふうにそれを受け入れるかという問題は、きわめてこれは慎重に吟味いたしまして設置をいたす必要があるわけでございますが、現実にどこか一つきまりますと、その地域の価格形成がどういう市場とのつながりで出ているか、また、その中にどういう形の小売りの方がばらまかれているかという現実問題になるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、そこにできました市場そのものは、施設その他につきましてこれだけの考慮をいたしておりますので、形態から申しましても、当然これは近代化されておりますのでありますが、一応計算をいたしますと、相当の合理化余力が出るわけでございますし、また、出なければ全くやる意味がないと考えるわけでございますが、そうかといって、その一割の余力をいきなりそこでもって、モデルでございますからということでやってよろしいかどうかにつきましては、ねらいが、短期的にすぐ価格を下げると申しますよりは、何と申しましても、東京で二十程度のものでございますので、それに相当に関心が集まって、これならば私ども体制を切りかえてやりたい、切りかえてもやれそうだという、そのめどを見せて差し上げるのが一番基本的なねらいだと考えますので、そちらのほうのねらいのほうがむしろ大きいと思うのでございまして、また、いつの日かそれに手をつけておきませんと、毎度こういうかっこうを繰り返していくのはまずいと考えまして、こういうものを打ち出しておりますので、いまの引き下げ余力をそのまま実施するかどうかにつきまして、とにかく審議会にも、消費者の方も、あるいは小売り関係者もお入りになりますので、そういう方たちの御意見をとくと聞いて、また地域、地域によって若干違ってもやむを得ない、また、それがほんとうではないかというふうにすら考えているわけでございまして、それから試験中でということで、まあ、いわば自分の店を残しながらお入りになる、あるいはそういう方であれば相当数店を持った方ではないだろうかという御質問でございますが、先ほど申しましたように、一応私ども考え方といたしましては、相当余裕のある方がちょっと入ってみるという考え方よりは、ほんとうに合理化の必要性を非常に痛感しておられる、むしろ零細な方が、自分ではとても踏み切れない、また、資金はあっても関係者と、いま四、五人の方が一緒に組もうとしても適当なのが——経験者もいない、モデルも見つからない、そういうようなことで踏み切れなくて、一番合理化の必要を具体的に考えておられるのは、むしろ零細な規模、つまり平均よりもあるいは下のような方がむしろそういう御要望が強い、しかもできないという場合が多いと思いますが、むしろそういう方を頭に置いて、そういう方が踏み切ってでもできますということでこれをやっておりますので、たまたまその地域に当たりますれば、この中に入居していただくまでに踏み切っていただきました場合には、そういう入居の形でその方の希望が実現されるというふうに思うわけでございます。もし、そういう方がそこでやって、相当うまくいくということでございますれば、そのときに踏み切れなかった他の零細な方たちも、それじゃやってみようかという、かようなきっかけがつかめるのじゃないかと思います。いずれにいたしましても、大多数の方が、やはりこういうモデルを見て、やればやれるのだという一つの確証と申しますか、そういうものを持たれて、現実に用意しております資金に要望を出していただきませんと、全体の合理化が進みませんので、こういう程度モデルで歯がゆいわけでございますが、そういう意味で私どもはこれを進めたいと考えておるわけでございます。
  80. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 あなたの話を聞いておると、全く何もない人が入っていけるのだ、こういう気もしないではないのです。しかし、政府がこれだけの金を出して入居させるについては、条件があると思うのです、これは。その条件もないような人が共同精神さえ持てば、協業をやるという精神さえ持てば、政府がすべてのめんどうを見て入れることができると、こうおっしゃるのですか、それはどうですか、その点……。
  81. 久宗高

    政府委員久宗高君) これは入居なさる方の基準になるわけでございますが、いまの零細な方にもいろいろあると思いますけれども、やはりはっきり共同化の意欲を持っておる、そういうことにつきましては、やはり同業者の方から見ても、あの方を推薦したらいいじゃないかというような方を選定したいと思います。選定の基準につきましては、型どおり申し上げればいろいろございますけれども、やはりこれは運営審議会あたりで具体的に相当御議論があって、そうしてまたそれを適用いたします場合の具体的な場所によりまして、相当突っ込んだ御研究があってそれで入れるということになると思います。そういうような意味から考えまして、ただ、ばく然と共同化したいからということで、そういうものを全部これに拾い上げるという考え方はないわけでございます。これはあくまでモデルでございまして、たまたまそのモデルを、物的なモデルでございますならば、どこかに陳列すればいいわけでございますけれども、営業そのもの経営形態モデルでございますので、どこかで現実にやらざるを得ないということから、どうしてもある場所でやらざるを得ない。したがって、そういう小光り業者の方に中に入っていただいてやるという形式しかとれないわけでございます。
  82. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 これは、そうだとおっしゃっていただけばいいのだが、結果的には条件が整い、その協業化をやろうという人が意見が一致しなければ、十人入る者なり二十人入る者が、選択をして、そうしてその資格を有する人でなければ入れない、こう見るべきが正しいのですね。私の言うのは、零細の人が入れないから困るじゃないかということは、ずいぶん質問も出ておるわけです。これはそのとおりだと思うのです。しかし、二十人の協業をやろうとする人が、あんなのが入って、何にもないものが入ってもらったら困るじゃないか、こういう反対があれば入れないわけです。そうではなくて、むしろそういう資格のない、店舗一つしか持たない人を糾合して、十分にそれをめんどうを見てやろうという趣旨ならば、これはあなたのおっしゃるような方法で、簡単にああそうかというような納得もいくけれども、そうではなしに、二十人の人の同意を得、しかもそれが資格がなければ反対者が一人あってもだめだということになれば、これは何ぼ協業精神を持っておってもだめだろうと私は思うのですが、そのとおりですね。
  83. 久宗高

    政府委員久宗高君) 二十人の人の同意ということではございませんで、入店の資格が客観的に一応きまるわけです。その基準の中に入ってまいります場合に、特定の具体的な資産のある方でなければ入れないというような条件をつくったのでは全く意味がございません。そうかと申し上げて、一応の何と申しますか、小光りの方の、たとえば零細な小売りと申しましても一応標準があると思います。そうして、またそういう方がこれからも小光りを続けていきたい、ただ、違った形態でやりたいという意欲を持っているかどうか、そういうようなところから選考してまいりまして、その地域で行なうべき方がそこへ入ってくるということになりますので、私どもは特定の零細な企業の方を排除する考え方は全然ございません。それからまた、何人かの方が御一緒になるわけでございますが、もちろんその場合に、結果において、お入りになる方が、入るまでについていろいろ御相談があって、一本の共同体にするか、あるいは商品別に分かれるか、いろいろな御相談があって、やっと固まっていくものと思いますので、その過程におきまして、おのずからどういう方がお入りになったら適当かということも、そういう過程を経てきまってくるものというふうに考えているわけでございます。
  84. 北村暢

    北村暢君 私、資料を要求しておきますが、東京と大阪の公設市場店舗の使用料、その使用料を中心として公設市場の構成といいますか、運送されている状態がわかる資料をひとつ出していただきたい。  それから小売り店の、もちろんいま対象になっている青果、鮮魚、食肉の小光り店の、これはまあ東京都ぐらいでいいと思うのですが、これらの小光り店の資金の利用状況、これは国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金、信用金庫、地方銀行等のそういう面、その他の金融機関もあるでしょうが、それの資金の利用状況のわかる資料を出していただきたい。  それから、これらの小売り店の年齢構成ですね。それからスーパーの、これは規模別に従業員の年齢構成、従業員とか経営者も含めての年齢構成、それから賃金、それからいま盛んに説明せられておるモデルにするのだというスーパーマーケットの、——一応資料としては、調査室の出した資料がございますけれども、これは坪数と、二十市場を設ける程度の資料で、大体モデルというものを想定した場合にどういうものになるのか。従業員はどのくらいで、青果なり鮮魚、肉の売り場面積がどういうふうになるのか。それからモデルモデルと盛んに言われるわけだから、そのモデルの実態をひとつ資料で明らかにしていただきたい。  それから次に、小売り商業に店舗共同化資金の貸し付けを通産省は行なっているわけですが、それの三十八年度、三十九年度のスーパーマーケットの内容ですね。これは中小企業に関する年次報告の中に共同化の内訳が出ておりますけれども、これでは内容がわかりませんので、これらのスーパーマーケット売り場面積、売り上げ高、青果、鮮魚その他ですね。おそらく加工食品もやっているのだろうと思いますが、そういうものの売り上げ高、この内容のわかる資料をひとつ出していただきたい。  それから、店舗共同化をやっているわけですから、実際にこの共同化をやった場合の共同化以前の状態  小売りがばらばらにあったわけです。そのばらばらにあったものの内容、それが共同化してどういうふうになったか、この比較のできる資料、これはおそらく通産省にあるだろうと思いますが、これをひとつ出していただきたい。  それから次に、中小企業近代化資金の運用状況、これは業種別の貸し付けですね、業種別の貸し付け状況、盛んに先ほど答弁でも資金は非常に潤沢に貸してくれるようなふうに言われておりましたが、従来の中小企業近代化資金の運用状況、これは三十年ころから年次ごとにわかれば出していただきたい。  それから、農林省関係の公団、事業団等の役員の簡単な経歴と給与。  いま気のついた資料はその程度です。これをひとつ出していただきたいと思います。
  85. 仲原善一

    委員長仲原善一君) できますか。
  86. 久宗高

    政府委員久宗高君) できるだけ整えてお出ししたいと思います。  ちょっとお尋ねしてよろしゅうございますか。
  87. 仲原善一

    委員長仲原善一君) どうぞ。
  88. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先ほどのお尋ねの中で、共同化後と以前の状況の比較できるような資料というお話でございましたけれども、これはどういう意味——実績でございましょうか。
  89. 北村暢

    北村暢君 そういうことですね。たとえば、三十八年の通産省が行ないました店舗共同化スーパーマーケットが、三十八年は会社形態が二十一、協同組合が三、参加企業体数が、会社のほうが四百九十九、共同組合が四十一、その他売り場面積等も出ているのです。したがって、この参加した企業数、これが共同化する以前はどのくらいの従業員で、どのくらいの売り上げでやっておったものか。そういうものが一緒になって会社をつくったり協同組合をつくったりしているわけですから、どれだけその合理化に役立っているのか、そういう点を知りたいわけですよ。おそらくそういう面からいけば、これはちょっと調べればわかるんじゃないかと思うのですがね。
  90. 久宗高

    政府委員久宗高君) 相当多数調査の御要求がございまして、私どもできるだけ勉強いたしまして、御要望に沿えるように準備いたしたいと思いますが、中には分析のとてもできないようなものも、私の省でない関係で、いま特に御質問申し上げたような共同化前とその後の関係の、いまの御質問のようなものは、あるいは御満足のいただけるようなものはできないかと思いますが、できるだけ調べましてお答えいたしたいと思いますが……。
  91. 北村暢

    北村暢君 いまの共同化の以前の各店舗ですね、以前の店舗規模ですね、それがわかればいいのです。そういうものが幾つか集まってできておりますから、そういう資料、そういう以前の状態、それからスーパーマーケットをつくりましたときの実態、生鮮食料点の光り場面積、売り上げ高が幾らか、それから加工品なりその他日用品だとか何かあるでしょうから、そういうものの比率がわかるように、経営内容がわかるような、これは実際現地でやっているのですから、見に行きたいと思っているのですが、これはだから東京都でどのくらいといったような、各都市にできているようですから。通産省のは各都市で出ているようですから、どういう場所にどういう店ができているのか、どこにあるのか、そういったことも知りたい。これは全国のあれですから、どこにどういうものがあるかわかりませんので、そういうものをひとつ見に行きたいと思いますので、場所が知りたい。
  92. 久宗高

    政府委員久宗高君) なかなかむずかしいので、ちょっとお約束できにくいのでございますが、お知りになりたい内容がわかりましたので、できるだけ御要望に沿えるものを出したいと思います。
  93. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 本日はこれをもって散会いたします。    午後一時五十七分散会      —————・—————