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1965-03-09 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月九日(火曜日)    午前十時四十五分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 矢山 有作君                 渡辺 勘吉君     委 員                 青田源太郎君                 北口 龍徳君                 野知 浩之君                 藤野 繁雄君                 堀本 宜実君                 森部 隆輔君                 大河原一次君                 北村  暢君                 戸叶  武君                 北條 雋八君                 高山 恒雄君    政府委員        農林政務次官   舘林三喜男君        農林省農林経済        局長       久宗  高君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        農林省農林経済        局消費経済課長  鈴木 一美君     ―――――――――――――    本日の会議に付した案件食料品総合小売市場管理会法案(第四十六回国  会内閣提出衆議院送付)(継続案件)     ―――――――――――――
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  食料品総合小売市場管理会法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。森部君。
  3. 森部隆輔

    森部隆輔君 すわったままお尋ねいたしたいと思いますが、第一にお尋ねいたしたいことは、今回御提案になりました総合小売市場管理会法案、いわゆる小売りという流通過程においては一番末端であるその末端だけをいじって、はたして流通全般のいわゆる基本的改善というものが行なわれると思われるか。その基本考え方をひとつ最初に承りたいと思います。
  4. 久宗高

    政府委員久宗高君) 御指摘のとおり、この法案そのもの小売り段階を規定しているものでございますが、御承知のように、昭和三十八年の七月に、例の生鮮食料品流通改善対策要綱というものを閣議決定いたしまして、それに基づきまして、生産から消費に至る一連総合施策をやっておるわけでございます。この点につきましては、たびたび本委員会におきましても、生産部面ないしは中間過程におきます施策について御説明しておりますので、省略いたしますが、私どもといたしましては、生鮮食料品の問題を扱います場合に、やはり基本的には、生産から全分野にわたりまして一貫した総合的な施策が必要だと思うわけでございます。ただ、一番現在まで手のついておりませんのは、小売り段階でございまして、特に毎度冬季間になりまして価格問題が、年末を控えてやかましくなります場合に、いつも小売り、特に小売りのマージンが問題になりまして、さような点から、この分野につきましていろいろ検討してみますと、やはり根本的には、小売り業構造と申しますか、構造的な欠陥がございまして、さような点から直ちに卸売り値段をそのまま反映しにくいといったような問題もあるわけでありますので、長期的に考えました場合に、価格の安定という、低位安定という点から見ましても、やはり構造改善の、やや長期施策なんでありますが、構造改善的な施策モデル的なものがぜひ要るんではないか、また、合わせて価格安定の効果をねらいたいということで、この法案をお出ししているわけでございます。たまたま、ここで出ておりますのは小売り段階だけでございますが、全体の関連といたしましては、先ほど申し上げました閣議決定の線に沿いましてその一環として取り上げているわけでございます。
  5. 森部隆輔

    森部隆輔君 この総合市場適正価格を形成するのに非常に役立つということは、たとえば設備に要する資金政府が、あるいは地方公共団体が支出するとか、あるいは補助金を出すとか、そういうような何といいますか、一般小売り業者と違った恩典とでもいうべきものがあるために、そういう適正価格の形成というものができるのであるか、この総合市場、いわゆるスーパーマーケットをなぜつくらなければならなかったか、そのことについてもう少し具体的に説明していただきたい。
  6. 久宗高

    政府委員久宗高君) いま、最初に概要を申し上げましたけれども、もちろん総合小売り市場につきましては、価格適正化ということがもちろん一つの目的でございますが、それと関連いたしまして、もう少し長期考え方構造改善モデルを示したいという気持ちが強いわけでございます。したがいまして、かりにそのようなモデルは、一般の方々がモデルとしてみても手の届かないような形で置かれたのでは意味がないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、すでにたびたび御説明しておりますように、たとえば小売り商の方が何人かお集まりになって、共同化したい、あるいは御承知スーパー的なものを設けたいというような場合には、五人以上のそういう計画に対しまして、中小企業庁のほうにおきまして特別の資金を用意しているわけでございますが、どうもみておりますと、なかなか構造改善に踏み切っていかれますのについて、適当なモデルがございませんし、踏み切りがしにくいということで、必ずしもこれが伸びていない。そこで、今回このような形でモデルを示しまして、その実績をごらんになりまして、決心がつけば、もともと小売り商の個々の方も非常に合理化を希望しておりますので、資金として用意がございますのでそれに乗っていただくということを考えているわけでございます。そこで、そのようなモデルをみて、実際になさりたいという場合のいわば可能性と、この総合市場運営とが比較できるような形のもの、全くほとんど等質のものである必要があるわけでございます。さような意味におきまして、この市場入りましたために特別な恩典を与えるという考え方はないわけでございます。具体的に申しますと、中小企業設備近代化のほうの資金でございますと、ある種の施設につきましては無利子の金が借りられるわけでございますが、もちろん施設の全部ではございませんが、大体概算してみますと、他の施設を含めまして、その無利子部分を合わせますと、大体七分五厘くらいのものになるわけでございます。そこで、私どもその総合小売り市場組み立て計算いたします場合に、それと同じような形になるように、特別な恩典がこの中に与えられることのないような形で、たとえば入居料というようなものにつきましても算定をいたしまして、組み立てをいたしておるわけでございます。そういたしませんと、これは全く高ねの花ということになっては無意味でございますので、そういうようなことを考えております。  なお、価格につきましては、このような施設につきまして引き下げが可能になるわけでございますが、これは特別な補助金があるからというのではなくして、やはりこういう施設を利用することによりまして、近代的な経営によります合理化部分と、また、仕入れ大量化といったようなものとの関連におきまして、この経営のすぐれている点から引き下げ余力が出てくるということを期待しておるわけでございます。
  7. 森部隆輔

    森部隆輔君 人口千万人といわれておるこの大都市に二十カ所ということになれば、約五十万前後の人口に一カ所の割合になると思うのであります。はたしてそれで、総合市場で物価安定に寄与できるかどうか、私ら相当な疑念を持っているんですが、これに対する御理解はどうですか。
  8. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先ほど申しましたように、この施策が、むしろ、物価問題を考えますと、やや長期的な構想になるかと思います。そこで、たとえば東京でもって二十カ所そういうようなものを置けて、直ちにそれで価格をいきなり下げ得るかどうか、全体の価格を。こういう点は短兵急な期待は私は無理だろうと思うのでございますが、ただ、このような施設ができますことによります価格それ自体の波及的効果というものも考えられますと同時に、もう少し大きなねらいを申し上げれば、先ほど申しましたような、長期的な構造改善に非常な情熱のある小売り業の方が、比較的手近にさようなモデルがあって、また自分たちのお住まいの地一区内での具体的な運営も見て、そして構造改善に踏み切っていかれる、そういう波及的効果、これは非常に大きく期待してよろしいのではないかと思うわけでございます。もちろん、こういう物価の上下の非常に激しい時期でございますので、相当、特殊な時期に価格が非常に上がりだすといったような場合に、この新しいスーパーが、その合理的な経営によりまして、特別にダンピングするわけでもないし、また、非常な商価格にいきなり追随するわけではなく、その安定的なモデルを示していくということも期待できるわけでございますので、若干短期なものも含めまして、ねらいといたしましては、やはり長期的な構造改善によりまして、価格のもっと広い意味の、広い層の合理化の基盤になることをねらっているわけでございます。
  9. 森部隆輔

    森部隆輔君 さっきの答えのうちに、入居者に対しては特別な恩典を与えるつもりはない、私はこういうふうに承知したんですが、この土地のいわゆる選定といいますか、獲得、それから建物に対する、設備等のいわゆる補助金あるいは出資あるいは運営上の資金運転資金等、これに対しては、あるいは融資をする――、これら幾多の恩典があると思います。私、普通のものよりか恩恵があると思うのですが、入居者が支払うべき家賃に相当するような賃借料賃貸料といいますか、借りるほうからいえば賃借料ですが、それは普通の固定資本に対する利子あるいは建物に対する維持管理費あるいは償却等も見て、普通のいわゆる相場で貸すのですか、その算定基準はどういうふうに考えておられますか。
  10. 久宗高

    政府委員久宗高君) この入居業者のお払いいただきます入居料でございますが、これはいま御指摘のございましたような要素を全部組み入れましてもちろん計算するわけでございます。ただ、ねらいといたしましては、一般の方が小売り店舗をかりに開いておられて、それがどのくらいの家賃と申しますか、そういうものを払っているか、これをやはり頭に置いて考える必要があると思います。私ども計算では、若干時期がずれておりますので少し動きがあるかと思いますけれども、大体三千円をちょっと切れる程度ではないかと考えておるわけでございます、月でございますと。そこで、このスーパーマーケットにおきましては坪当たり四千円という数字を一応頭に置いております。これは大体一般の方の場合に三千円ということを考えておりますが、この場合には非常に有利な施設を使っていただくことになりますので、その有利な施設を使うことによります分がほぼ千円というふうに考えまして、これを積み重ねますと大体四千円になるわけでございます。したがいまして、ベースといたしましては、一般の方の普通お払いになる家賃というものに根拠を置きまして、それに新たにこういうような特別な施設を使うことによる恩典をさらにそれに加えたというわけでございます。これを加えませんと、先ほど申しました比較から申しますと、不公平になるというふうに考えましたので、そういうものを加えましてほぼ四千円の水準を一応使用料としては考えておるわけでございます。
  11. 森部隆輔

    森部隆輔君 そうすると、こういうふうに了解していいですか。結局入居者の支払うべき入居料といいますか、家賃というか、これは普通の相場、決して他のものが借りた場合における賃借料と同じようなもので、特別の恩典はないのだ、こういうことに考えていいですか。
  12. 久宗高

    政府委員久宗高君) 考え方としてはさようでございます。内訳的に申しますと、土地建物相当分、先ほど四千円見当と申しましたのですが、具体的に数字で申しますと、総合使用料といたしましては、予定しておりますのは三千八百九十九円でございまして、そのうち、土地建物相当分が二千九百二十五円、それからその他の諸設備相当分が九百七十四円で、大体七五%が土地建物相当分、その他が三五%ということになります。これを割り引きますと、生鮮食料品部門と非生鮮食料品部門では若干違いますが、総合いたしますと、大体四千円見当ということでございまして、繰り返し申しますように、この考え方は、一般の方のお借りになるものに対して、それが特別に安い使用料と、そういうことならそう言こともできるであろうということのないようにいたしたいということでございます。
  13. 森部隆輔

    森部隆輔君 そうしますと、何ですか、入居者は結局従来どこかでつまり営業を、小売業をやっておった人がおそらく審議会等で選定されて決定されるものと思うのですが、結局、それらの入居者はどうなるのですか。そのスーパーマーケットのうちに住宅も移して、そこにもいわゆる住居として住むのですか、あるいは通勤をすることが原則であるか、さらに、それらの人がやはり従来のとおりのところに、従来の店はそのままやはり存続してやるということになるのですか、どういうことなのですか、具体的に。
  14. 久宗高

    政府委員久宗高君) これはいろいろなケースがあり得ると思います。普通、私どもで予想しておりますのは、影響範囲が一番濃密な地域と申しますと、大体半径五百メートルというふうに考えておるわけでございます、スーパーを中心といたしまして。したがって、その一番影響の強いところの方がお入りになることを頭では一応予想しておるわけでございますが、実際にはさような形にならないで、その区域より、もっと離れたところからお入りになる場合もあると思います。そこでもう店を全部たたんでしまって、全部こちらに入ってしまう、住居入りたいという方もあり得ると思うのでございますが、ここでは法律の二十二条の第二項に、そういう規定がございますけれども、こういう施設につきまして、スーパーマーケット施設関連いたしまして、いわゆるげたばき住宅でございますね、ああいうものも相関連して措置することができるようになっておりますので、住居ごとこれに入ってしまうという方には、そういう便宜があるわけでございます。なお、お店を残されて、別の形で残しておきたいという方もあり得ると思うのでございますが、それはやはりお入りになる方の判断でございまして、どちらでも、お通よいになってもよろしいし、あるいは住居ごとこちらにお入りになるということも考えられますし、あるいは店を一部残されるという場合もあり得ると思います。そのいかなる場合におきましても、私どもといたしましては、かりに住宅ごと入りたいというお話であれば、これも付属の施設の中にお入りになることもできるというふうに理解しております。
  15. 森部隆輔

    森部隆輔君 それではこのスーパーマーケットで取り扱う生鮮食料品、なかんずく青果物は従来のとおりの、たとえば築地なり、あるいは神田なり、こういうような従来の中央市場から仲買い人を通じてとる、品物を入れる、それを売らせる、これが原則ですか。産地生産者団体、農協とかその他の生産者団体から直接とるということもありますか、そういうことは考えませんか。
  16. 久宗高

    政府委員久宗高君) 扱っておりますこの生鮮食料品種類によって違うと思うのでございますが、全般的に申し上げますと、やはり生鮮食料品実態から見まして、現在の段階ではやはり何と申しましても、大量に荷が集まりまして、そうして価格もそこできまり、そうして相当種類がそろうということになりますと、どうしてもやはり中央卸売り市場というものが本来、こういう生鮮食料品については要るからあるわけでございまして、スーパーができたからといって中央卸売市場が要らないという問題ではございません。当然原則といたしましては、中央卸売り市場を通しまして、その正規の形で荷が分けられると思います。これは、アメリカのように相当消費のほうの段階が組織だっておりまして、あるいはスーパーが非常に普及いたしておりますところでは、数学的に見ますと、約七割から八割近いものが依然として中央卸売り市場を通して行なわれておるわけでございまして、私どもそれが現在の包装その他の関係から申しまして、輸送その他のいろいろ諸条件を考えてみました場合に、やはり中央卸売り市場生鮮食料品というものは中央卸売り市場という機能を通して行うのが一番実態に則して効率的であろうと考えておるわけでございます。ただ特殊な品物につきまして、中央卸売り市場で扱っておりませんとか、あるいはある種の岳鮮食料品について、ある時期、ある商品につきましては、生産者のほうが相当組織だっておりますので、その時期ならば直接送ったほうがよろしいという品物もあるわけでございます。そういうものにつきましては、直接これから仕入れるということもあり得るわけでございます。しかし、それは非常に特定商品と、特定の時期に限られた問題でございまして、全体の年間の運営から申しますれば、これはあくまでもやはり中央卸売り市場のごやっかいにならなければできないわけでございます。一部、中央卸売り市場の御関係のほうの方で、これを抜きにしてやるのではないかというような御不安があるようでございますけれども、さようなことは全然考えられないと思います。
  17. 森部隆輔

    森部隆輔君 それでは肉類は別として、一応青果物のごときは従来の青果物市場、これから仲買い人を入れて買い入れる、それが原則、特殊の場合にあるいは産地から直接生産者あるいは生産者団体から例外的にとる場合もあり得ると、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  18. 久宗高

    政府委員久宗高君) さようでございます。
  19. 森部隆輔

    森部隆輔君 この中央市場で、スーパーマーケットではたして適正な価格というものが、まあ一般小売り価格というものが適正化されるということが、はたして具体的にいってどういう形において、またどういう働きによって実際上できるものですかね。その点まだはっきり、少し理解しにくい点があります。どういうふうにお考えになりますか。
  20. 久宗高

    政府委員久宗高君) 総合小売り市場によりまして販売価格をどういうふうに適正化していくかという問題でございますが、まず第一に、経営方式近代化、それから次に、仕入れの方法の合理化ということ、それをねらっていけるのではないかというふうに考えておるわけでございます。考え方といたしましては、価格水準につきまして、このようなモデル的な効果をねらうものでございますので、まだ広くばらまいておるものではございませんので、この価格水準につきまして、いたずらに他に対抗しまして非常にダンピングするというようなことを必ずしも意図したものでもございませんし、またムード的に全般に急に不当に高くなっていくものに対しましては、それによりましてやはりそれに追随しないで、要するに低位安定を目的として、価格水準を考えておったらよろしいのではないかというのが基本的な考え方でございます。また、いわば標準的な価格というものを設けまして、これによりまして価格適正化をはかってまいりたいということなんでございます。それが可能かどうかという問題もよくお尋ねがあるわけでございますが、いま私ども計算上考えておりますのは、先に申しました経常方式近代化関係でほぼ六%程度、これはセルフサービスでございますとか、あるいはチェックアウトでございますとか、総合的なレイアウトをよくするといったような一連の近代的な経営をそこに採用することによりまして、人件費とか、いろいろな経費の節減もできますし、売り上げの増加あるいは商品管理合理化といったものでいろいろはじいてみまして、ほぼこれが六%程度の計数が出てくるわけでございます。  それから仕入につきましても、経営規模の拡大によりまして、やはり市場間で共同仕入れをするというようなことも考えられますので、また、仲貰い人のほうから買い上げます場合にも、そういう規模が拡大することによりまして、若干有利な取引も可能であるというふうに考えられますので、そのほうの数字をはじいてみますと、それがほぼ四%程度見込めるのではないか。そこで、一割程度引き下げがほぼ可能であるということを申し上げておりますのは、そういうものを根拠にして申し上げているわけでございます。もちろんこれはその段階ですぐ引き下げるのがよろしいのかどうかというような問題につきましては、全般の情勢をにらみ合わせまして、また、審議会におきましてもこの辺のところをよく御相談にのりまして、一般的な価格決定基準をきめてまいりたい。ただその場合に、余力としてはどのくらい下げ得るだろうかということは、もちろんめどとして必要がございますので、私どもといたしましてほぼ一割程度のものは、この経営近代化仕入れ合理化によりまして、このうち引き下げが可能である。こういうことによりまして、あとは全体の価格の、店舗間の動きなり動向なりを見まして、どの程度小売り市場のほうが打ち出したらいいかということを日々必要があればきめてまいりたいというふうに考えております。
  21. 森部隆輔

    森部隆輔君 管理会が指導する、またはこの業務の一部を行なう、こういうようなことが示されておりますが、大体管理会役職員というものは、公務員に準じて、公務員同様に刑法上のつまり対象にもなるようになっておりますが、こういうような役人みたいなもので、はたしてその運営がうまくいくものでしょうか。とかく役人商売というものはうまくいかぬ例が相当多いのですが、どういういわゆる確信を持っておられるのですか、お尋ねしたいと思うのです。
  22. 久宗高

    政府委員久宗高君) どうもこの法律の名前が非常に悪うございまして、官製スーパーというふうに一般に言われるわけでございますが、たびたび御説明いたしましたように、管理会そのもの商売をするのじゃないのでございまして、これはもちろんおわかりだと思いますが、せっかくお尋ねでございますので、この機会に特にはっきりいたしておきたいと思うのでございますが、管理会そのもの商売するのではなくて、管理会が用意いたしました施設を使いまして、そこで、そこにお入りになりました入居業者が、これは経営の主体でございます。ただ、こういうような流通革命と言われるような過程でございますので、非常にいろんな要素が激変しておりますので、私どもといたしましては、さような場合に相当なエキスパートが、いわばコンサルタント的に経営の御相談にのってしかるべきような大きな変革の時期ではないかというふうに思うわけでございます。繰り返し申しますように、ここでの運営は、あくまで、そこにお入りになりました小売り業者の長年の経験なり専門的な知識なりが活用されまして、それが自主的に盛り上がって問題をきめていくわけでございますが、先ほど申しましたような相当大きな流通革命と言われるような時期でございますので、一般的な小売り業のあり方と申しますか、あるいは仕入れにも大きな変化に来ておりますので、さような問題につきまして、専門家が経常コンサルタント的に後見的な御指導に当たるということは必要なことだろうと、こう考えておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、いわゆる官製スーパーと言われるのが一番困るわけでございまして、とにかく管理会経営をするのでなくて、あくまでそれは後免的なコンサルタントとしての役判りを果たすものというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
  23. 森部隆輔

    森部隆輔君 それでは適正な価格総合市場の設置、運営によって解決できるということになれば、少なくとも相当消費者一般市民は深い関心を寄せるでしょうが、他の周辺の、従来から青果物あるいは魚肉あるいは一般肉類を売っている同業者に、あるいは相当な影響が有形無形にあると思うのですが、何かこの法案に対する御説明のうちには、急激な、他の中小企業、中小業者等と摩擦を避けるというようなことが書いてありますが、実際は、相当いまの摩擦というか、かなり周辺の小売業者にいろいろな悪い影響を与えて、それがために多少混乱といいますか、そういう事態が起こるようなことは考えられませんか。
  24. 久宗高

    政府委員久宗高君) 二つのねらいがございまして、価格適正化という点と、それから合理化モデルという点があるわけでございまして、二つの要求をまとめて同町に満足しなければならぬわけでございますが、私どもといたしましては、これができました場合にどの程度影響があるか、相当時間をかけまして、関係の方にもいろいろ伺いながら吟味をいたしたわけでありますが、影響範囲で一番強いのは、そういう方たちの、専門家のいろいろな御意見を聞いてみますと、ほぼ五百メートル半径が一番影響が強いだろう。それから順次薄れていくわけでございますが、さようなものを一度計算してみまして、ほぼ影響度が一番強いところ五百メートル圏内、そういうところでございますと、現在の東京都におきます平均的な数字でございますが、ほぼその範囲の方はお入りになろうと思えば、大体この中に吸収できる程度になるかと思います。もちろん現実には、置きます場所が平均的なところではございませんで、平均と離れますので、また、五百メートル範囲の中の方でも、別にもっと専門的な小売り店になって、自分はこれで残るとおっしゃる方もございましょうし、必ずしも五百メートル圏内の者が全部お入りになるということではないのでございますので、お入りになろうと思えば入れる程度のものに考えているわけであります。しかしながら、その場合に影響度がどの程度であるかということは、いろいろな見方があるわけでありますが、売り上げがどれくらいそれによって吸収されるかどうかという点を吟味いたしましてほぼ私どもといたしましては、五百メートル圏内で影響をお受けになる方たちの店舗の数、それをその中に吸収できるなという見込みを持っておるわけでございます。  なお、その場合に影響が全然なければ、これは効果がございませんし、そうかと申して、これが直ちに非常な大きな影響をもたらすような形で設置いたしますことは、これは本来の構造改善というような点から申しまして、構造改善だけでございますれば、本来全然別の世界にこういうモデルがあって、それをごらんいただけば一番いいわけでありますが、そういうこともできませんので、同じ地域社会の中にこれを持ち込みますわけでございますので、私どもといたしましては、影響が全然ないとは言えない、相当あり得る。しかし、その場合にそれらがスーパーの中にお入りになればよろしいわけでございますが、どうしても別の理由でお入りになりたくない、また、自分で別にやりたいとおっしゃる方には、繰り返し申しますように、例の五人以上の兵同化につきましては、そういう資金が現にすでにございますし、また、個人で店舗と改善なさりたいという御要望につきましても、従来は流通部門には、そういう金が必ずしも十分用意されておらなかったわけでございまして、目下中小企業庁と大蔵省等とも相談いたしまして、小売り施設店舗の改造につきましても有利な資金が出せますように目下努力いたしておりますわけでございます。
  25. 森部隆輔

    森部隆輔君 あと一点お尋ねしたいと思いますが、そうしますと、いまの周辺と同じ同業者には多少の影響があり、あるいはまた思わざるいろいろな摩擦等も起こるかもしれないが、周辺の小売り業者に対しては、低利資金を融資するとか、その他の方法によってできるだけの援助といいますか、救済というか、そういうことを考える、こういうふうに解釈していいですか。
  26. 久宗高

    政府委員久宗高君) さようでございます。一番影響度の強い五百メートル圏内の方がお入りになろうと思えばこの市場の中にお入りになれるような規模市場を考えておりますので、それによれば全部吸収できるという考え方でございます。ただ、これはあくまで平均的なお話でございまして、それと違う場合もあり得ると思いますので、かりにスーパーマーケットとは関係なしに別にやりたいという方には、先ほど申しましたような施設を用意するように努力をいたしたい。協業化につきましてはすでに資金はあるわけでございますが、個人施設につきましても努力をしてまいりたいと考えております。  なお具体的には、こういうモデルとして発足いたしますものでございますし、影響につきましても慎重な考慮が要りますので、具体的にこれをつくります場合には、これはもちろんこの場合には東京都ということになりますが、都におかれましても私どもも御相談いたしまして、もっともモデルとしてやって意味があって、そうしてなるべくこの仕事の効果を期待いたそうとすれば、あまり大きな急激な変動を与えて、いたずらに混乱を巻き起こさないような形で、適当な場所を具体的な選定の場合に考えてまいりたい。また、運営審議会においても強いいろいろな御要望が出ると思いますので、そこの運営運営上のよろしきを得たいと考えておるわけでございます。
  27. 森部隆輔

    森部隆輔君 あともう一点だけ。そうしますと、いまのモデルということを何べんも繰り返して言われたんですが、そうしますと、この二十カ所の成績がかなり適正な価格の形成に役立ち、いわゆる国民生活の安定に寄与することが非常に大きいと、こういうことになれば、東京都内においてもまた二十カ所を増設するとか、あるいは東京以外の他の大都市にも将来これと同様なものを設置する、こういうようなことをお与えになるのですか。
  28. 久宗高

    政府委員久宗高君) さようでございます。一応スタートでございますので、二十カ所程度を考えておりますが、東京都におきましても、その種の施策が、価格安定のひとつの拠点といたしましても、あるいは構造改善モデルといたしましても、二十カ所では少し少ないのではないかというふうに考えまして、必要があれば若干ふやす必要があるのではないか、もちろんこれはやってみないとわからないと思いますけれども、そういうつもりでおるわけであります。また、他の都市におきましても、同様な、特に過密都市的な要素を持っておりますところにつきましては、そういう必要があるであろうと思いますので、必要があり、また、成功した場合であって、その地域に必要があれば拡大していく考えで対処してまいりたいと思っているわけであります。
  29. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  30. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 速記を始めてください。
  31. 北條雋八

    ○北條雋八君 今日石田委員が質問のところでありますが、病気をしたので、私がかわって二、三質問をしたいと思いますが、委員の出席も非常に少ないし、特に大臣も御出席ありませんから、事務的に事務当局に二、三私は質問したいと思います。  第一に伺いたいのは、食料品の総合小売市場管理法案、これは申すまでもなく、適正な小売り価格の形成、安定、また流通の合理化目的としておることは言うまでもありませんが、要は、低所得の消費者、零細な小売業者、ひいては生産農家を対象として、いずれも歓迎されるものでなければならないと思うのでありますが、ところが、この法案に対する世論というものは、すこぶる評判が悪いので、この法案に反対する者が非常に多いのであります。で、この法案の内容がだんだんにわかってくればくるほど、反対の陳情も多くなってきているような始末でありますが、政府としてこの世論の調査について、いままでどのような検討をされたか、また、その結論として、どういうふうに考えておられるのか、まずもってその点を政務次官から伺いたいと思います。
  32. 舘林三喜男

    政府委員舘林三喜男君) 政務次官の舘林でございます。ただいま北条委員から、政府がこのたびスーパーマーケットの管理法案を出しましたのでありますが、まあこれは消費者大衆はもちろんでございますけれども一般の零細小売り業者あるいはまた生鮮食料品生産者、そのようなものがすべて歓迎すべき性質のものでなければいけないという御趣旨ごもっともであります。やはり一つの法案を出す場合には、各界、各方面のすべての人が満足いくというようなことが、これが理想だと思います。ただ、今日政府といたしまして、また社会的にも、最大の問題は、これは消費者物価をどうして抑制するかというこの一手にかかっていると思います。しこうして消費者物価抑制のためには、まあ生鮮食料品価格を安定させるということが一番大事なことでございまして、さような立場から、いままで標準小売り店という新しい小売り制度をつくりましたが、今度さらにそれに加えまして、スーパーマーケットの制度をつくったわけでございます。今日非常に日本の、御承知のとおりに、流通機構と申しますか、小売り機構と申しますか、複雑多岐でありまして、しかも必ずしも合理化されているとは言いがたい、また、近代化されているとは言いがたい、さような中で生鮮食料品価格を安定させるということは非常に困難でございまして、さような意味で、必ずしもこのスーパーマーケットをわずか二十カ所ぐらいつくりましたために、直ちにここに小売り制度というものが合理化されるということまで、大それた考えは持ちませんです。ただ、モデル的に、提示効果と申しますか、そんな意味でつくったわけでございます。少なくとも消費者といたしましては、ある程度の、この点につきましては相当賛成していただけると思います。また、これによりまして非常に小売り業者に対して重大な打撃を与えるということも考えておりませんので、やはり小売り業といたしましてはいつかはそんな意味合理化されなくちゃいけないし、近代化されなくちゃいけない、そんな意味で、そして先駆的な役割りを持たせるという意味で、この法案は非常な意義があると思っております。  なお、世論調査ということでございますけれども、もちろん一部の方におきましては必ずしもこの法案に賛成されないことも聞いておりますけれども、やはりこれは消費者と生産者あるいは販売業者との間に利害が必ずしも一致することがあり得ないわけでございまして、大体の大量観察からやはりこの法律案は社会的な立場から見て、全体的な立場から見て、必要だと、かような気持ちで提出した次第でございます。
  33. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうしますと、一般の世論といたしましては賛成しているものが多いと政府のほうでは見ておられるんでしょうか、どうでしょうか。
  34. 舘林三喜男

    政府委員舘林三喜男君) 世論と申しましてもいろいろ、消費者の立場からの世論、あるいはまた生産者の立場からの世論、あるいはまた小売り業者の立場からの世論ということはあるだろうと思いますが。少なくとも消費者の立場の方はこれに賛成していただけると思います。また、小売り業者の立場から申しましても、これによって小売り業の権益を非常に強く圧迫する性格の強い法律案じゃないと思います。先ほど申し上げましたように、今後の近代的な小売り業のあり方という立場から、モデル的につくったというわけでございますから、やはり今後としてはかような経営の状態をごらんになりまして、小売り業者の方々もやはりいままでの経営方式を改めていかなくちゃいけないというようなことがいつかはわかっていただけるでしょうし、いつかはまた、小売り業者の反対の方もおられるでしょうが、そんな方も御理解していただけるだろうと私は考えております。
  35. 北條雋八

    ○北條雋八君 まあ小売り業者のあらゆる団体が、これは申すまでもなく反対しておるのですが、中小企業にみんなそれが関係しておるのでありますが、中小企業は御承知のとおり非常なたくさんの数でありまして、おそらく二千万をこすんじゃないかと思うのでありますが、そういうものが反対しておるということは、このうちの家族のものを考えると、やはりこれは消費者でありますから、結局二千万以上の消費者が反対しているということにも紬諭されるわけだと思うのです。で、また、だいぶ前からこのスーパーマーケット法案というものは国会で審議されていることも御承知のとおりでありますが、現在でもなおこの法案の内容をよく知らない小売り業者がたくさんおるわけです。まあ生鮮食料品小売り業者、特に組合に関係している組合長、そういう者に会って聞いてみましても、この法案の内容をよく知っていない、むしろこちらからいろいろ話してやると、そういうことなら、なおさらこれはとんでもないことだということで、なおさら内容を知れば知るほど反対者が多いという現状であるのであります。政府としましていままで直接関係あるものにどんな方法で、また、どの程度の認識をさせたつもりでおられるのか、その点について一応伺いたいと思います。
  36. 舘林三喜男

    政府委員舘林三喜男君) まあ日本の小売り業者生鮮食料品関係小売り業者二千万とおっしゃいましたが、おことばを返すようでございますけれども、私は必ずしも二千万の小売り業者がこぞって反対されているということは考えておりません。もちろん東京に二十カ所つくる、その周辺の方々はあるいは反対されるということかわかりませんけれども、しかし、冷静に考えますと、そこに一定の場所をきめてスーパーマーケットを開く、しかし、その周辺の方々がスーパーマーケットにお入りになって営業していただくわけでございまして、ただ管理会といたしましては、土地を買い上げ、建物をつくり、そうして管理事業だけをやる、あとは周辺の小売り業者がそこに入って、それぞれ合理的な経営を営むわけでございますから、私は必ずしも周辺の者は反対されないのじゃないか、また長い目で見ますと、やはり今後の小売り業のあり方といたしましても、相当合理化していただかなかったならば、激しい競争の中には耐えることができないのじゃないか、そんな競争にうちかつためには、やはりこんな経営がいいというモデル的な、パイロット的な意義があるというところに大きな効果があると信ずるわけでありまして、おいおいにこのマーケットが成立し、成長いたしますと、やはり全国の小売り業者の方々も十分に御理解していただけるだろうと私は確信しております。
  37. 北條雋八

    ○北條雋八君 先ほど森部委員からもいろいろ質問がありましたが、その中で、総合小売り市場に入る者は五人以上の共同経営モデルを示すのだというふうに伺ったのでありますけれども、この市場に入居する小売り業者は、各業種別に組合とか、あるいは会社とか、そういうものをつくって経常の形をとらせるでありましょうかどうか。
  38. 久宗高

    政府委員久宗高君) いま御質問の中に、先ほど森部委員にお答えした五人以上云々という問題がございましたが、これはスーパーマーケットではございませんで、いまかりに、五人以上の方が共同してスーパーマーケットみたいなものをつくりたいとおっしゃいますときに、そういうものにつきましては、高度化資金のほうで無利子の金を貸し付けます用意がございますという点を申し上げたのでございます。したがって、これはスーパーマーケットにお入りにならない方が別におつくりになる場合のことを申し上げたわけであります。スーパーマーケットそのものにつきましては、前回にもたしか申し上げたと思うのでありますが、理想の形といたしましては、単一の経営体が一番合理的であると思いますので、そういうふうにお話がまとまれば、一番それが望ましいと考えておりますけれども、ただ、これはなかなかむずかしいことでございまして、いきなり一つの経営体にお話がまとまるということは、これは非常に特殊なケースにあるいはなるかと思います。そこで、私どもといたしましては、そういう形がもしとれれば、一番経営としてはいいと思いますけれども、非常に無理にそういう形に、それでなければいけないというふうにはこれはできないと思います。そこで、具体的には青果なり、あるいは生鮮なり、そういう部門によりまして幾つかにわかれるということは、これはやむを得ないだろう、ただ、それをおやりになって御経験を積まれれば、各部門をさらに一本にしたほうが、全体としての市場運営としては有利だなということがかりにおわかりになってくれば、さらにそれが一本になるということを期待するということでございまして、決して最初から一本でなければいけないというふうに、無理をする必要はないと思います。ただ、一つの部門で申しますれば、やはり売り場もばらばらではこれは意義がございませんので、一つのレイアウトの中で一本で経営されるのが一番望ましいわけでございますので、少なくとも部門につきましはなるべく一本になりますように、これは、突っ込んだお話し合いをいたしましてでも、したほうがよろしいのではないかというふうに考えております。
  39. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうしますとなんですか、八百屋なら八百屋、魚屋なら魚屋そのものだけは、三店なり五店なりが共同の経営をするという形をとらせるわけですね、一軒一軒ばらばらに店を並べるわけじゃなしに。
  40. 久宗高

    政府委員久宗高君) 名店街みたいになってしまってはどうも意味がないと思いますので、やはり一つの部門におきましては少なくとも一本になることが望ましいと思います。ただ、その場合におきましても、最初のスタートのときから、はっきりそういうふうになれるかどうか。若干やってごらんになって、相当数の方が一本になろうとおっしゃって、そして若干の方がどうもそれは困るというようなお話がございました場合には、具体的な場所がすでにもうきまっておるわけでございますから、お入りになる方が、いまは共同化のほうに踏み切っておられないでも、お入りになることが望ましいし、客観的に見ても入ったほうがしかるべきだというような場合に、これは若干時間の猶予を置いてもお話し合いがついて一本になったほうがいいのではないか。これは具体的な指導の段階で考えてまいりたいと思います。繰り返し申し上げますが、望ましいのは、やはり一本でスタートなさるのがスーパー運営としては一番よろしいと思います。それを非常にきつい形で最初から強制することがよろしいかどうか。それは具体的な場所がきまりました場合に、そこの方とお話し合いできめていったらいいと思います。
  41. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうなりますと、共同経常ということになりますと役所の仕事みたいなことになってしまう。各商店がいま商売意欲を燃やしているというのは、結局自分がいろいろ仕入れを安くして、そしていい品物をお客さんに売って、そしてお客さんから喜ばれるということが一つの商売意欲になりましてやっておるのですが、もしも共同経営で共同計算になってしまったなら、働く者がなくなってしまう。また、それがために人手が減るから安く売れるじゃないかというようなことがあるかもしれませんが、それ以上に、今度、商売意欲というものがなくて、そういうことならその店に入りたくないというような者が非常に多いのじゃないか。現に、現在のスーパーを見ましてもいろいろな業種がありますが、いままで業種別にやっているのは、ほとんど個人の資力のある者が一人でやっておるというのが多いわけです。ですから、おそらくこういうことをしてもはたしてその希望者があるかどうか。もしあるとしても、零細な小売り店はそういう共同経営みたいなことを好んでやる者はほとんどないのじゃないか。一部の比較的有力な、また資産的にもしっかりした零細でない小売り店が結局こういうマーケットに入るのじゃないかという心配があるわけです。その点については、政府のほうでは希望者はどんどんあるものと思っておられますかどうでしょうか。そのお見込みはどうでしょうか。
  42. 久宗高

    政府委員久宗高君) 御指摘のような共同化一般に伴ないます御批判があると思います。特に小売りのような場合に、その特色を生かされて専門的にやっていこうというような方もあり得るわけでございますので、おっしゃるような問題は確かにあると思うのでございますが、ただ、非常に特殊な店として個別にやっていける方、また、相当規模が大きくて現在の体制のままでもおやりになれる――いろんな層があると思うのです。いわゆる平均あるいはそれ以下のところで、一般的に考えました場合に、一番苦しんでおられますのは、やはりそういう家族経営で労働力がどんどんなくなってまいりますし、市場関係もどんどん変わっていくという中で、いまのままの体制では、先々行ってどうなるか見当がつかないというような方が、私は層としては相当多いのではないかと思うのです。そういうところを特に私どもといたしましては対象にいたしたいと申しますか、この中に組み入れてまいりまして、また、こういうモデルがあることによりまして、やろうと思えば御自分たちでもできるという姿を示してまいりたいというのが本来の気持ちでございます。ただ、いまの共同化を進めます場合に、したがいまして、どうしてもそれでいやだという方は、これは強制するわけにもちろんいきませんし、これはあくまでもモデルでございますので、先ほど申しましたように独自の道をお歩きになるならば、それはそれなりに私どもとしては援助いたしたいと思うわけでありますが、この総合小売り市場に入ってこられます方につきましては、これを設置した意義は、やはりそういう形の共同経営で、近代的な経営で大規模経営にしてやっていこうというのがたてまえでできておるわけでありますので、お入りになった以上は、やはり共同化の線でやっていただくのが本来の姿ではないだろうか、ただ、個々の店をお入れするのであれば、それだけの国費を使い、あるいは公共的な援助をいたしましてもやる意味は必ずしもないのじゃないかというふうに考えております。
  43. 北條雋八

    ○北條雋八君 私はその点が非常に危ぶまれるわけでありますが、先ほども森部委員のほうからの質問に対して、このマーケットに入店しても必ずしも特別の恩典はないのだということも伺いましたのですが、そうなれば、管理会が単にコンサルタントだけの役目で、そのほかの恩典はないのだということになれば、何も農林省が乗り出して管理会をつくらないでもいいのじゃないか、これはむしろ一千万の都民を預かっている東京都が、現在もありますが、公設市場をもっと完備増設して、それで農林省は外部から指導あっせんをして、それで財政的の援助助成をしてやればいいのじゃないか。この管理会がこういうところまで乗り出してやるからには、どういう特典があるのか、その点が私どもよくわからないのですがね、その点をもう一回、どういう消費者にとり、また入った者にとって利益があるのか、恩典がないとすれば必要ないと思うのですね。
  44. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先ほどの、恩典があるなしということよりも、森部委員の御質問は、何か特別な他と違った有利なかっこう、有利な融資でありますとか、あるいは補助でありますとか、そういうものがかりにあったのではモデルとしての意味がないのじゃないかという質問だったのです。そこで私のほうは、ここにお入りになる方に特別な補助をするなりなんなりいたしまして、その結果たとえば安くできるとか、したがって、よく売れるとか、そういうようなことで恩典がいくというようなことは考えておりませんという御説明をたしわけであります。したがって、この管理会については、そこにおります小売の方が入られるのを前提としておりますので、この管理会をつくりまして、それによって特別な補助をその方にして、それなるがゆえに、その方がほかのお方よりも有利にできるのだというようなことは考えませんで、この施設を使って経営合理化することによりまして、一般的に小売価格を下げるような引き下げ余力が出てくる、あるいは経営構造がよくなるということはもちろん期待しておりますけれども、その方に特別な補助を与えたために、よそよりうまくいきますということにはしないという点を申し上げたわけでございます。したがいまして、ねらいといたしましては、再三申しておりますように、価格それ自体の低位安定と、それから構造改善モデルを示すということになるわけでございますが、まず、消費者のほうからいえば、物価が、一番問題になっております消費者につながります小売り構造改善が進むということによりまして、長期的に小売り価格の安定を期し得るということが考えられておりますし、また、一番当事者でございます小売り業そのもののほうにつきましては、どうも個人ではなかなか、踏み切って共同化がしたいし、規模も拡大したいけれども、できにくいという場合に、ここにお入りになって、この施設を使いながら経営合理化をはかっていくこともできますし、また、何らかの事情でここにお入りにならない方は、ここのデータをごらんになって、御決心がつけば、数人の方が御相談になって、こういう施設をつくろうとすれば、ここに施設がございますからということで、そういうような結果としての効果というものはもちろん考えられるわけでございますが、それなるがゆえにこれだけの提案をいたしておるわけでございます。ただ、繰り返し申し上げますように、特定な、ここにお入りになる方に特別な援助をして、それだからよそよりうまくいくというような形でないように、そこには十分な配慮を払ったつもりでございます。  なお、東京都と私ども関係でございますけれども、やはりこれは個別な店舗の改善というよりは、小売り業全体の構造改善に関する一連施策でございますし、物価対策の、生産から消費に至る一連関係で持ち出したわけでございます。具体的には東京都でこれは始めることになると思いますので、東京都自体についていえば、いろいろお考え方ができると思いますが、私どもとしましてはやはりこれは一つの全国的な体制の中で、特に小売り段階に非常に問題のありますところに、必要があればこれを拡大していきながら、全体としての物価対策、特に小売り業構造に関するような問題でありますので、私どもこういう形で作業いたしまして、都と御一緒に相談しながらやれるような形に特別な考慮を払いまして、まあ特殊な規定を入れてございますが、そういう意味でございます。御一緒にやってまいりたいということを考えております。
  45. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうしますと、なんですね、入店希望者が多くあるということは、結局そこに入って利益がよけいなければならないという結論になるわけですが、この管理会法案が実施できれば、その市場では、先ほどもお話しがありましように、普通の店よりも一割ぐらいは安く売れるのだと、その根拠はどういうところにあるのですか。特に農林省が乗り出して管理会をつくったために一割安くなるというその根拠はどこにあるのですか、もう一回。
  46. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先ほども若干触れましたけれども、結局ねらいといたしましては、この総合小売り市場によりまして、経営方式近代化仕入れ方法の合理化というその商売のやり方そのものによりまして、少なくとも一割程度価格引き下げ余力がこの合理化の中から生まれてくるというふうに考えておるわけでございます。その内容といたしましては、繰り返して申し上げませんが、一割の基礎といたしましては、主として経営合理化の点でセルフサービスなり、チェックアウト、あるいは全体の総合的なレイアウト、あるいは近代的な経営方式の採用によりまして人件費等、その他所要経費の節減、計数的にいろいろ御説明できるわけでございますけれども、それを要約いたしますと、そういう関係でほぼ六%、それから仕入れ合理化によりましてほぼ四%ということで、一割程度のものは私ども計算によりましても十分に価格引き下げ余力が出てまいるということでございます。もちろんこれは直ちにすぐ一割引き下げるのがいいかどうか、その段階余力としては生まれてまいりますけれども、全体に及ぼします影響なり、この経営の進捗度合いなりを見まして慎重に検討すべきだと思いますけれども計算上の余力といたしましては、いまの新しい方式の採用ということによりまして、少なくとも一割程度の軽減はできるというぐあいに考えておるわけでございます。
  47. 北條雋八

    ○北條雋八君 いまのお話でありますけれども仕入れを一括して大量にできるから、それで四分程度安くなるのだ、また、チェックアウトとか単品化とか、あるいはそういうような経営近代化によって六分ぐらい安くなると、合わせて一割ぐらい安くなるのだというお話ですが、一括仕入れ、大量仕入れで必ずしも安くはならない場合があると思うのですね。品物の少ないときに大量仕入れをするということは、結局かえってよけい金を出さなければ取れないという場合もありますし、また、チェックアウトスーパー方式によりますれば人件費も減ってくるだろうししましょうけれども、しかし、いろいろ聞いてみますと、それには相当手数もよけいかかるし、また、非常に万引きみたいなものが多いのですね。ですから、ロスのうちのほとんど八〇%は万引きだというようなことも聞いておりますし、また、いろいろそれを取り締まるには人も減らせないし、かえって手がよけいかかる場合もあるということも聞くのです。ですから、これは一概に机上でもって、大量仕入れだから安くなる、また、チェックアウトその他の近代化をやれば安くなるというふうなことは、非常に考えが甘いのじゃないかというふうに考えるのです。で、現在も大阪でやっている小売り公設市場、これなどが非常に評判がいいわけでありますが、川代といいますか、安いのです。そういうような恩典があるからこそ安く売れて評判がいいということも聞くのでありますが、単にいまのチェックアウトその他の近代化仕入れの一括大量仕入れで安くなるなんということだけでなしに、やはり何かそこに特典といいますかね、そういうものがなければ、そう甘く考えることは危険じゃないかというふうに思うのです。大阪の公設市場の例なんぞも聞いてみますと、あそこには三十四店舗ぐらいあるそうでありますが、そのうちの二カ所なんぞは非常に設備がよくて、暖冷房がついてりっぱな市場だそうであります、私は見たことはないのですが。そして価格も非常に安く、サービスもよくて、非常に評判がいいということは、結局その原因は、暖冷房などのついていない普通の店で、一軒一カ月五百円ぐらいで貸しているそうです。それから暖冷房のついている店は一カ月二千円ぐらいで――一軒です、一坪じゃないのです、そんなもんで貸している。ですから、そういうような恩典があればこそ安く売れるんだというふうに聞いておりますけれども、この点私は非常に、いまお話を伺っただけでは、なかなか一割など安く売れないんじゃないか、また、したがって入店の希望者もこっちで考えているようなぐあいに、特に零細な小売り店はとても希望者はないんじゃないかというふうに思います。  その点はそのくらいにしておきまして、もう一点伺いたいのは、現在スーパーマーケットと言っておりますけれども、これの定義はいろいろあると思うのです。で、今度の管理法案スーパーマーケットなんというのは、扱うものが生鮮食料が七〇%というようなことでありますから、普通のとはちょっと違うと思うのです。売る商品の品目の範囲にもよりましょうし、また営業の形式ですね、いわゆる一企業業体でやるとか、あるいは業種別企業体でやるとか、いろいろ違いましょうけれども、こういう定義というのは大別すればどんなふうに分けられるんでありましょうか。現在東京都にありますスーパーマーケットというものは、どんな程度に分けられるんでありましょうか。ついでに、都内にスーパーマーケットと称する店舗が幾つぐらいあるんでしょうか。お調べになったものがあれば伺いたいと思います。
  48. 久宗高

    政府委員久宗高君) スーパーのこまかい分類と、その数字につきましては、担当課長のほうから数字を申し上げさせていただきたいと思いますが、考え方といたしましては、私どもは、これはスーパーマーケットという呼称がついておりますけれども品物を限定しておるわけでございます。食料品に限定いたしまして、そしてしかもそれの物価対策の一環として、さらに構造改善をねらうというような欲ばった考え方をしているわけでございますが、いわゆるスーパーマーケットなり個別企業で衣いります場合、特に私どもがこれを緊急に急ぐと考えておりますのは、本来言われておりますスーパーマーケットは個別資本、しかも相当大きな資本によりましてどんどんつくられまして、そしてこの場合には、生鮮食料品そのものが目的ではございませんで、別途の営業方式に基づきまして、その一環として生鮮食料品がかりにおとり的に使われるというような問題があるわけでございまして、小売り業者に対します影響は全く違うわけでございます。これができました場合の周辺の小売り業者は、文字どおりそのあふりを食うわけでございますので、ほうっておきますと、これがどんどん数からいってもふえてまいりますし、また、主要な場所を占拠していくというような事態で、そういう意味からも、時間的にもこれはあまりおくれをとってはならないというふうに考えまして、むしろそういうことではなくて、国なり公共団体がバックいたしまして、それにかわって施設をつくって、そして他のスーパーマーケットの場合には、むしろ小売り業が排除されるわけでございますが、この場合にはその主体に、そこの関係小売り業者の方をこの中に入れて、入れものをこちらがつくるということを考えているわけでございまして、いわゆるスーパーマーケットとはある意味では本質的に違うのではないかというふうに考えておるわけでございます。いまの、数と分類につきましては、担当課長から説明をいたさせます。
  49. 鈴木一美

    説明員(鈴木一美君) 数の点につきまして御説明申し上げたいと思います。これは三十八年の十月現在でございます。これは日本化繊協会の資料によりまして、そして人口十万以上の百二十六都市について、年間一億円以上のセルフサービス実施店、こういうものを一応スーパーマーケットとして調査いたしまして、三十八年に累計七百四十一ございます。それから、これは三十一年以降順順にふえておりますが、特に最近三十六年、七年、八年の増加率は非常に多いような状況になっております。  その次に、分類でございますが、いわゆるスーパーマーケットというものにつきましての定義、先生のいま定義いかんというお話でございますが、完全なる定義というものはなかなかむずかしいのでございますが、通常言われておるのは、いわゆる食料品を主体として、しかも主としてセルフサービスをやっておる店であって、年間売り上げ筒一億円以上、こういうものを一応スーパーマーケットと言っております。その次に一億円未満のもの、これをスーパーレット、そして今度は衣料品主体のものを、いわゆる衣料品の販売額が八〇%以上の店舗は一応衣料スーパーと言われておるようでございます。そして、以上のほかに、日用雑貨を主とするもの、こういうようなものもございます。それで、いろいろスーパーマーケットという定義につきましては、現在のところ、いわゆるこういうものであるという定義は、定義として一応言われておるのは、大体年間一億円以上の食料品を主とするものが一応スーパーマーケット、こう言われておるような状況でございます。  さらに、その数でございますが、先ほど御質問の、東京都内の二十三区の数でございますが、これは東京商工会議所の資料によります、そして三十七年度末の調査によりますと、東京でスーパーマーケット三十六、ストパーレット九十二、衣料スーパー二十一、日川雑貨スーパー十九、合計百六十八、こういうふうになっております。
  50. 北條雋八

    ○北條雋八君 いまのは三十五年ですか。
  51. 鈴木一美

    説明員(鈴木一美君) 三十七年でございます。
  52. 北條雋八

    ○北條雋八君 最近はないのですか。その後非常にふえているわけでしょう。
  53. 鈴木一美

    説明員(鈴木一美君) 公の調査というのははっきりしたのがございませんが、ふえております。
  54. 北條雋八

    ○北條雋八君 東京商工会議所の調べで、三十九年の四月ですが、千八百九十五店となっております。三十九年の十一月、これはある金銭登録機械株式会社の調べですが、これはもう非常にまたふえて、四千二百十三店になっております。
  55. 鈴木一美

    説明員(鈴木一美君) 東京都だけでございますか。全国ですか。
  56. 北條雋八

    ○北條雋八君 これは全国ですか……。
  57. 鈴木一美

    説明員(鈴木一美君) 全国だと思います。そしてさらに、いわゆる一億円未満のものも全部含んでいるんだろうと思います。
  58. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうすると、東京だけでは一億円未満のものを込めてですと、全体でどのくらいになるのですか、三十九年は。
  59. 鈴木一美

    説明員(鈴木一美君) 三十七年で百六十八でございまして、その後の最近の新しいそういうふうな公のものはございませんものですから、まだ把握されない状況でございます。
  60. 北條雋八

    ○北條雋八君 昨年までどんどんふえてきて相当の数になっていると思うのですが、昨年から今年にかけてスーパーが非常に倒産が多いわけです。これはまあ中小企業のいわゆる倒産が多いのでありますから自然そうなるかもしれませんけれども、この倒産の数なんというものも、当局としては調べておられると思うのですが、その材料がありましたらお知らせ願いたいと思う。
  61. 久宗高

    政府委員久宗高君) 最近の倒産の事情で、スーパーそのものの数字はいま持ち合わせがございませんので、できるだけさがしてお答えいたしたいと思います。ただ、私どもいまのお尋ね関連いたしまして、スーパーの数が傾向的にはふえておりますけれども、中にはいわゆる泡沫スーパーと申しまして、やってすぐ消えてしまうというようなものがございます。そこで、一番私どもが問題にしておりますのは、むしろそういういわゆる小規模スーパーで、できたり消えたりするものの問題でございますけれども、やはり一番組織的に相当大きな資本で、しかも地理的には非常にいい条件のところで、いわゆる戦略地点というようなところをどんどんどんどん、いわばそういう私的な大規模な、その企業が企業の目的との関連におきまして、いわゆるスーパー経営していこうという傾向が非常に強くなっておるように思うわけでございます。この場合には、小売業に対しましては非常な具体的な影響がございますし、その傾向が非常に顕著でございますし、かりにこちらで金融その他で裏打ちをしてやる場合におきましても、地域としても若干競合するような場合がございますので、最近の傾向といたしましては、最近そういうところがどんどん進出してまいりまして、それによって具体的に小売業者がまともに影響を受けまして、つぶれていくというような事情は放置できないというふうに考えておるわけでございます。これもスーパーと言われておりますけれども、決定的な違いは、片方は私的な資本でございまして、こちらはそういうような場合に、むしろ被害を受けます小売業者がこのスーパー経営の主体であるということでございます。繰り返して申しますように、管理会そのものが後見的なバックとして、経営そのものにつきましては後見的なバックでございますが、経営の主体はあくまでここに入居される小売業者そのものにあるという点が、やはり一般スーパーと決定的に違う点でございます。
  62. 北條雋八

    ○北條雋八君 これは道府産業者の企業局で調べたものでございますけれども昭和三十七年に倒産したスーパーは四十四店舖ある。そうしてその総負債額が二十二億六千九百万円。それから三十八年が五十九店舗にふえている。その総負債額が四十一億四千二百万円。それから三十九年度はぐっとまたふえまして、百七十一五店舗、百十七億六千万円というふうに出ておりますが、この三年間で四倍にも倒産がふえている。むろんその倒産の原因はいろいろ、金融の引き締めそのほかいろいろありましょうが、まあ放漫経営、それから過小資本、資本が少ない、また、人材難でむりな経営をしておるというようなことが多いというようなことになっております。このようなことを考えますと、ことしの中小企業白書を見ましても、一瞬はスーパーをやれば何でももうかるといって、スーパーのブーム時代がありましたけれども、ことしの白書では、スーパーの反省期ということをはっきり指摘しております。金融機関でも、最近はスーパーに対して非常に警戒しだしたというようなことも聞いておりますが、こういうような際に、いわゆる官製スーパーといいますか、武士の商法でありますこの官製スーパーに踏み切ることは非常に危険じゃないかというふうに思うのでありますが、これに対して政府としてどういうふうに考えられておりますか、確たる自信がおありであるのか、どうか、政務次官からひとつお答え願いたいと思います。
  63. 舘林三喜男

    政府委員舘林三喜男君) いま北條先生から詳しく統計でお話がありましたとおり、従来、スーパーがすべてやったらもうかるということで、あちらこちらに続出したことは事実でございます。しかし、それはいろいろ企業の経験とか、あるいは仕入れのほうがうまくいかないとか、あるいは販売機構にうまく経験が伴わなかったとか、幾らでも条件があると思うのです。したがって、私どもが今度管理会法でやりますスーパーにつきましては、ぜひそんな点につきましては十分にひとつ改めていきたい。さような意味で、先ほども北條委員からお話がありましたように、共同化する、ほんとうに創意、くふうということを抑制するためによくいかないじゃないかというお話でございましたけれども、しかし、これはあくまでも利潤を求めるということにつきまして否定するというものではございませんので、自由競争という立場から見ますと、利潤の追求は第一点ではないか。そういう意味で共同化の効果をいかしながら、しかも自由主義的な利潤の追求と、両方認めていくということになりますれば、私は、経常はもちろん経営の才が必要でありますけれども、必ずしもこれがよくいかないという見通しは立てていないわけでございます。もちろんこれにつき票しては、いろいろ管理会法ということばがありますために、いかにも官製的な何か商売をやるということでございまして、価格の決定までも管理会でやるということになりますと、これは失敗することはもちろんでございますが、ただ、いわば入れものを提供する、土地建物を貸して、そしてもちろんある程度の販売等の基準等は設けますけれども、ほんとうにその範囲内におきましてはお互い同士の自由競争を進めて、そして利潤もその合理化過程において生み出すというかっこうでぜひいってみたいと思っておるわけでございます。
  64. 北條雋八

    ○北條雋八君 きょうはこの程度で、私質問を打ち切ります。
  65. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 以上で、本委員会は本日は散会いたします。    午後零時十八分散会      ―――――・―――――