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1965-03-04 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月四日(木曜日)    午前十時四十七分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 渡辺 勘吉君     委 員         青田源太郎君                 岡村文四郎君                 櫻井 志郎君                 温水 三郎君                 野知 浩之君                 藤野 繁雄君                 堀本 宜実君                 森部 隆輔君                 大河原一次君                 北村  暢君                 高山 恒雄君    政府委員        農林政務次官   谷口 慶吉君        農林省農林経済        局長       久宗  高君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件食料品総合小売市場管理会法案(第四十六回国  会内閣提出衆議院送付)(継続案件) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  食糧品総合小売市場管理会法案を議題といたします。  本法案についておはかりいたします。本法案の審査のため、参考人出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないと認めます。  なお、人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ当あり〕
  4. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  これより本案について質疑を行なうことにいたします。  御質疑のおありの方は、御発言を願います。
  5. 田中啓一

    田中啓一君 今度の法律案は、食料品市場、主として生鮮食料品市場をつくろうということに違いございませんが、まあ形態でいえば八百屋さんに魚屋さんに肉屋さん、こういうものがおもなものかと思うのでありますが、そしてまあ東京中心としてやろうというような御腹案だろうと推察しておるのでありますが、一体東京には八百屋さん、魚屋さんというのは、何軒くらい小売り屋さんがあるもんでございましょうかな。
  6. 久宗高

    政府委員久宗高君) 東京都におきまする総軒数でございますが、青果小売り店としましては七千六百三十三、それから鮮魚の小売り店が三千七百四十五、食肉小売り店が三千五百三十八、計一万四千九百十六というふうになっておるわけでございます。それは資料は、昭和三十七年の商業統計速報に基づいてつくったものでございます。
  7. 田中啓一

    田中啓一君 それからこれはたいへん粗雑な観察に基づいた、あるいは日常経験からきたような話でありますが、私の住まっております吉祥寺にももちろん何軒かありまして、それは必ずしも値段は同じではないのですね。まあ同じようなリンゴを買っても、あるいは同じようなキャベツや白菜を買いましても、店によりまして安い店は常に何でも安いし、高い店は常に高い。必ずしも品質が違ってそうなっておるようにも思われません。おそらくどの地帯をとってみてもそうじゃなかろうかと私は思うのでありますし、また業種、つまり肉屋さんや魚屋さんでもやはり同じようなことかと思うのであります。これは一体どういう事情というか、原因からそういうふうに区々たる値段が出てくるのか。しかも相当逢うんですね。農林省のほうでお考えになったことがございましたらひとつお聞かせ願いたいと思います。
  8. 久宗高

    政府委員久宗高君) 店によりまして、相当値が違う問題がございました。農業調査委員会でいろいろ調べていただいたものもあるわけでございまして、やはり私ども考え方といたしましては、小売店でございますと完全競争一般考えられがちでございますが、案外調べてみますと、消費者の選択の区域の範囲と申しますか、それが割合狭いものでございますので、その中の特定小売り店から結果において買わざるを得ないという形になるようでございます。したがって、案外に完全競争という形でなくて、市場が、売り買いが非常に特定されているのが本質ではないかというような御研究が最近出ております。  そういう点で考えてみますと、やはり消費者の選考が案外に狭められているという事実と、もう一つは、今回のこの管理法でねらっております構造改善と関連するわけでございますが、やはり一定卸売り市場値段に自動的にあるマージンがかかっているという形には実は非常になりにくいわけでございまして、小売商家族経営でございますので、卸が幾らだから幾らで売るということが本来の筋だと思いますが、きょうの売り上げで大体どのくらいかせがないと成り立たないといった事情が相当強く反映しているようでございまして、さようなことから、小売り値段が若干まちまちになる問題は、やはりその構造に関連があるのではないか。したがいまして、マージンだけをいじっておりましても本質的に片づかない問題があるのじゃないか。小売り構造改善を促進するような何らかの施設があって、さような意味でモデル的なものを打ち出してみまして、他の施策はあるわけでございますので、それでめどがつけば構造改善のほうに入っていただきませんと、最終的な小売りがいまのばらばらになる点でございますとか、あるいは単にマージンだけの問題では解決できないのではないかという認識に基づきまして、こういう管理会式のものを御提案しているわけでございます。
  9. 田中啓一

    田中啓一君 同じ問題を、少し方面をかえてお伺いするのですが、食料品の生鮮たると乾物、かん詰のたるとを問わずですが、どうもいわゆる下町地帯、ことに神田から下谷、それから築地の魚市場のほうに向けて、あの辺の地帯と、それから山の手屋敷町といわれるような地帯とはどうも値段が違うような気がするのです。これは一体どういうことでありましょうか、あるいは私どもばく然と違うように思いますけれども、そうではないのか、その辺ひとつ何かお気づきのことがありましたならばお聞かせ願いたい。
  10. 久宗高

    政府委員久宗高君) 私もその辺の事情を詳しくのみ込んでおりませんが、一般にいわれておりますことといたしましては、消費者のほうのお考えもだいぶこれは反映すると思います。たとえば大阪辺でございますと、売るほうも、またお買いになる消費者の方も、相当屋敷町の方でも、かごをさげてマーケットにいらっしゃるというような形で、相当経済的に売るほうも買うほうもおえ考になるようでございますけれども東京の場合でございますと、山の手下町とよく一言で申し上げるように、だいぶ消費者のほうのお考え方も違って、それが価格形式の面にも相当反映しているように常識的には考えております。
  11. 田中啓一

    田中啓一君 それからもう一つ、また少し違った方面から申し上げますと、私の住まっている吉祥寺あたりというのは、戦前は私は非常に安かったと思う。ところが、三十年ごろから、みなりっぱな店にはなりましたが、そして使用人もたくさん置くようになり、みな四輪車を一台も二台も持って盛大にやっているようになりました。これは、一面は背後地の人口が非常に膨張した。したがって、ものはたくさん売れるから大きい店になれるということもありましょうが、同時に、どうも値段も高くなった。つまりその値段が高いということは、神田築地、あるいは新宿の卸売り市場値段小売り値段との差が非常に大きくなった、こういうような、これもまことに粗雑な観察でありますけれども、実は感じがいたすわけであります。それはなぜでありましょうか、やはり私は、先ほど局長の言われたように、構造的な問題で実はあろうと思っているのでありますが、何かそういうようなことはお感じになりませんか。
  12. 久宗高

    政府委員久宗高君) 先生の御指摘のとおり、やはり根本的には最近急激に膨張してまいりました過大都市化の傾向の一連のあらわれかと思うのでありますけれども、周辺にやはりいわゆる昔山の手といっておりました、いわゆるホワイトカラーの方が集団的に移っておりますので、あるいは団地化というふうな問題も関連いたしまして、昔のそういう東京におきます都内と郊外という問題とは若干問題が違ってきているように思います。しかも、それだけ広がりました東京都に対しまして、生鮮食料品を集め、分けていくという態勢が必ずしも膨張に追いついておりませんので、いろいろなギャップが地域的に出てきていると思うのであります。
  13. 田中啓一

    田中啓一君 まあ私は生鮮食料品の店の値段の上がり方というか、マージンの増加ということも感じているのでありますが、最も顕著なものは実はサービス業です。これは直接本法律案には関係はないのでありますけれども理髪屋とか、美容だとか、その他そういったようなものは、これは著しく高くなってきておるわけです。しかも張り札を見ると、組合決議によりまして値段を上げますと、こういうことが書いてあるわけです。まあある程度はそういうようなこともやむを得ないかと思うのでありますが、そもそも自由企業であって、何で一体サービス業決議によってやらなければならぬものなのか。しかも聞いてみると、それをやらないと組合から罰を受けるのだというようなことを言うわけですね。何やら独占禁止法違反しておるようなふうにも思われるのですが、やはりみな一種の小売店でありますが、そういうグループもあるということは、他山の石として生鮮食料品にも考えなければならない。そしてまた、そういうものがあっちにもこっちにも目につけば、生鮮食料品についてもまねする者はまねしたくなるのも当然だろうというふうに思われるので、あれは一体いかなる事情でああいうふうになるものか、何かこれもお気づきのことがあれば事情話としてひとつ伺いたいものだと思います。
  14. 久宗高

    政府委員久宗高君) 御指摘のように、結局労賃の急激な値上がりと関連いたしまして、第三次産業、特にサービス関係におきましてはそれが非常に問題になるわけでございます。そこで、たとえば床屋でございますとか、そういうものにつきましては、環境衛生関係ということで特別な調整規定が設けられるようになっておるわけでございますが、これはまあ商売の性質によるものでございまして、生鮮食料品につきまして、さような意味調整規定を設けて処理するというのは、物の性質上おそらく考えにくいことだと思うのでございます。したがいまして、労賃が値上がってまいりましたり、あるいは消費構造が非常に変わってまいりましたというようなときにおきまして、やはりいまの調整規定的ないき方ではなくて、やはり根本的には構造改善以外に方法がないのであろうというふうに私ども考えておるわけでございます。特にしばしば物価問題が問題になります場合に、最終の小売りマージンが非常に目立ちますので、問題になるわけでございます。いろいろ調べてみました場合に、確かに経営をしております小売り経営構造から見まして、構造改善いたしませんとコストの引き下げができにくい。しかも、いまのままで参りますと、当然家族経営特定の雇い人を雇ってやっていくというようなことが困難になりますことは非常に明白な事実でございます。それから特に東京都の特別なケースで申し上げれば、非常に過大化しておりますので、ここに生鮮食料品を適時にお配りするということは、やや神わざに近い仕事でありまして、その一番末端を受け持っておりますところの小売り構造が、さような意味構造的な矛盾があって、合理化が非常に推進しにくいということは、先々は非常に心配になるわけでございます。特にそういうふうなことが反映いたしまして、生産部面にも、農村の側にもいろいろ問題がございますけれども、安いときには安いときで、あるいは高いときには高いときで、最終的な小売マージンの問題が非常に表に出ますので、そこに何らかの改善の歩が行なわれておらないという場合に、生鮮食料品を供給する側の農村の側に、これはつまらないという問題が起こりますと、これは非常に大きな問題になると、こう考えられますので、私のほうといたしましては、できるだけ早くやはり構造改善を進められるような道を開いておきたいというのが、この法案を出しております真意でございます。
  15. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 関連して。いまの田中委員の問題に関連して、政務次官にお尋ねいたしたいのですが、環境衛生法には、あまり質問に対しては的確な答弁だとはいま受け取りかねるのです。それで政務次官に伺うのですが、御承知のように、環境衛生法サービス業中心として対象業種が設定されることは、多少の異論はあっても一応まあ納得できない点ではないのですけれども、その中に食肉小売り業というものが環境衛生法対象に入っている。これが現在発動はされていませんけれども農協等組合員自家消費に回る分を、農協で他の業者よりも当然安く配給する仕事中心になっているのですが、こういうものが環境衛生法によって、同業組合によってあらかじめ実際は相談された協定販売値段というものを、アウトサイダー規制をする意味の拘束を持っている法律が現存しているわけです。したがって、当然いま田中委員から提起された問題は、一体農林省として、政府全体ということではなしに、農林省として、こういう環境衛生法の中にサービス業以外のこういう小売販売、しかも生鮮食料の一部門を、食肉販売業というものを入れて、しかもこれが業者以外の団体、いわゆる農業協同組合、これの自主的な目的をもって、他の業者よりもより有利に、適切、迅速に設備を整えて取り扱っているものに、アウトサイダー規制をするというような法律は、われわれとしては断じてこれは認めがたいということは、機会あるごとに政府にその意見を出しておりましたが、こういうものを看過して、スーパーごとき管理会方式でやるところに、大きな政府自体の盲点がある。これを一体次官はどういうふうにお考えになっていますか。
  16. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) ただいま渡辺先生のお話の件につきましては、環境衛生法の一部を改正しようとしました際に、問題として取り上げられたことがあったことを私記憶いたしております。そこで、この取り扱い処置についてどうするかという問題で、いろいろと厚生省とも話し合い農林省でいたしまして、食肉小売業調整規定設定について厚生大臣が認可する場合においては農林大臣協議する、こういうことで、農林大臣の了解が得られなければその規制はできない、かようなふうに私記憶いたしております。あまり適切な答弁じゃないかもしれませんけれども、さよに記憶いたしております。
  17. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 もう一つだけ。いまの御答弁に関連しますが、主管省厚生省であって、それが農林大臣協議をするというたてまえは承知しております。いまの法律を直さない限りは、そういう運用で解決するよりほかはないことは承知しておる。当然そういう食肉取り扱いについて、アウトサイダー規制協議をもしも持ち込まれた場合は、一体どう処理されるという基本方針に立っておられるのか、その点をもっと政府の態度を明らかにしていただきたい。
  18. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) お答え申し上げます。少なくとも価格協定に関します限りは、これは認可しないという既定方針で臨んでおるのでございます。
  19. 田中啓一

    田中啓一君 私も実は先ほどサービス業を持ち出したのは、そのつもりで持ち出したわけであったのでありますが、こちらはなるべく安い小売り価格食肉を売らせたい、こういうつもりだと思う。でありますから、非常に消費者側がこの法律案を支持しておるのだと私は思うのであります。ところが、環境衛生法食肉値段を、協定価格をつくってしまって、どういう構造の店であろうが、こういう事情の店であろうが、一等の牛肉はこの値段以下で売ってはならぬというようなことをやられれば、本計画はたいへんな支障を受けるわけだと思うのです。それで、事食肉に関しては、いままで小売り屋は実際に値段協定するということはやったことがないのかどうなのか、一ぺんそこの環境衛生法ができてから以来の経過をひとつ伺いたいもんだと思うのです。
  20. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) お答え申し上げます。環境衛生法の改正がございましたけれども、それ以来まだ一回も農林省協議した事例はございません。と申しますのは、まだその点について重要な問題が起こった経過がない、かように御判断願いたいと思います。
  21. 田中啓一

    田中啓一君 協議の有無ということは、農林省がタッチされる一番の要点でありましょうが、私はもっと伺いたいことは、事実一体肉屋さんたちは協定をやってはせぬのかどうなのか。どうも私はやっているような気がしてならない。これはなにも政務次官でなくても、知っている人だれでもひとつ御答弁願いたい。
  22. 久宗高

    政府委員久宗高君) これはやってないと考えております。
  23. 田中啓一

    田中啓一君 実はむずかしい問題だと思います。やればおそらく表向き違反になるだろうと思います、公正取引法違反になるだろうと思う。だけれども、私は肉の卸値が下がっても小売り価格は下がらないといわれている最大の原因は、実質的には何らかのものがあるであろう、こういうふうに実は察しているのです。といって、私そんなにしっかりと調査したことはないので、根拠はいささか薄弱でありますけれども、いま同僚諸君も、どうも何かあるぞ、こういって声が出るような次第でありまして、どうも常識的にはそんな気がしてならないのです。この委員会、うちうちの委員会というてはまことに恐れ入るけれども、まあ私はそれほど四角四面で言質をとることはなにもないのでありますから、どうしようというわけでもありませんから、実際どうなのか。いまの、卸売り値段が下がって小売り値段が下がらない、上がるときはまことに勢いよく、むしろ先んじて上がる。こういうのは一体何が原因だということを、ひとつその方面からでよろしゅうございますから、お答え願いたい。
  24. 久宗高

    政府委員久宗高君) 最初の、ないと申し上げたことでございますが、私どもはこれはできないだろうと思うのでございます。規格が非常に正確なものでございませんと、そういうことはできませんので、かりにそういうお話し合いが出てきて、つくったといたしましても、品質規格につきまして最終的な、これはこういうものだというふうに規定できない性質でございますので、むしろその実効性について、かりに関係者がそういうことをお考えになっても問題がございますので、実際問題として認可申請という形も出てまいりませんし、また実際におきましても、多少そういうものの話し合いがかりにあるといたしましても実行ができないだろう。したがって、表に出てこないのだと思います。  それから卸売り価格小売り価格との関係でございますけれども、やはり特にこの小売り価格のほうがいわゆる価格硬直性がございまして、先生の御指摘になりましたような卸値の上下に従いましてそのまま反映して変わってくるということがなくて、特に上がります場合、そういう問題があるというふうに考えております。そのほかに、さらに食肉と申しますか、生鮮食料品で申しますと、冒頭に申し上げましたような、やはりあそこにおきます家族経営構造から申しまして、一定売り上げを日々持ちたいということが経営の根本の構造になっておりますので、さような点がございまして卸値との間に乖離が起こるのだろうというふうに考えております。
  25. 田中啓一

    田中啓一君 そこで、私も表向きといいますか、環境衛生法に書いてあるような内部協定もなかろう、また、いわんやアウトサイダーまで規制するような場合には、それは農林大臣協議を要するので、受けたことはないから、それはやっておらん。私はそれはそう言えると思います、一応は。というのは、現に私の郷里の大垣の有力な小売り店と言いたいけれども、これは牛の屠殺からやっておるんでありますから、まあ何もかも一人で兼ねておる、博労から小売り店まで兼ねておるのでありますが、これは非常に安いのです。現に、隣同士の町の岐阜に比べても三割は安い、そういう店が二、三軒あるわけです。彼は称して、食肉報国だと言ってやっております。そして、よう繁盛して、それでもちょっとも衰えない、隆々たるものなんです。いろいろ支店も設けておることだと思っておるんですが、そういう事実を見ましても、全国的に環境衛生法がそのままで行なわれておるとはむろん思いません。私もそう思いませんが、しかし、どうも東京などでは、何か小売り屋ども協定なり、あるいはそのボスの指導なりというようなものがありゃせぬかという気がしますので、この市場法を実施していく場合には、農林省管理会も相当腹をきめてやるべきことでないかと、こう思うわけであります。  それからもう一つは、もっと一般的な問題になりまして、まあ生鮮食料品を大きく青果と魚類と肉類とに分けますと、一番卸売り市場をよく反映するのは青果で、次は魚で、食肉は一番反映しないと私は思っている。がしかし、いずれも十分には反映しない。そこで、せっかくつくるのでありますから、かりに、いわゆる卸売り市場というようなところが需給関係を反映しての値段が出るものとすれば、小売りのほうもそのままにそれを反映する、つまり今日の経済組織としては需給調整価格で行なわれておる。私はやはりこれを本質的なものだと考えなきゃなるまいと思うのです。とすれば、小売りも願わくは反映をさして、そうして安ければよけい食い、高ければそのものは少なく食うというようなことでなからねば価格の機能はほんとうに行なわれぬわけであります。でありますから、今度の食料品総合小売り市場というものがなるべくそうあるように運営をされるおつもりでありますか。また、この組織上それができると思うておられますか、そこらをひとつ、お見通しと腹案のほどを聞きたい。
  26. 久宗高

    政府委員久宗高君) ただいま御指摘のございましたとおり、まさに需給によって価格が形成されるわけでありますが、したがいまして、政府といたしましては生鮮食料品が非常にやかましい問題になりましてから、生産から流通、消費に至ります一貫した施策を進めておるわけであります。ただ本委員会でもしばしば御指摘のございましたように、生産から卸売り市場にまいりますところにつきましてもまだ十分行き届いておりませんで、指定産地というような制度はもちろんやってはおりますけれども、何ぶんにも産地が非常に大きく移動しておる現状でございますので、十分にそういう販売面をうまく組織化できないということから、根本的な卸売り値段そのものがうまくコントロールがついていないという実情でございます。この点は再三の御指摘もございますので、できるだけその分野を固めまして、その先へ進みたいと考えておるわけでありますが、小売り関係につきましては御指摘のように、かりに卸売り市場がうまく組織化されてやや安定的な需給調整、あるいはそれがさらに生産を方向づけるぐらいな意味を持ってまいると、かりにいたしました場合に、一番残された問題といたしましては、さような卸売り値段が的確に小売りに反映するかどうかというところに実は根本的な問題がございまして、一番困難な問題だと思うわけでございまして、繰り返して申しますように、主として生鮮食料品小売りの御関係の中の大多数の方がやはり家族経営、小規模な零細経営でございますのと、また、経営と家計も必ずしも分離しておりませんし、いまのような形でまいりました場合に、卸値が適正に形成されましても、それにそのまま付随して動くという態勢に、極端に言うとないという問題があるわけでございます。そこで、数の多いことでございますので、その合理化というのは、ちょうど農業の面におきます、生産面におきます構造改善のようなむずかしさがございまして、本来これは価格の問題から小売り市場の問題が出てきたような形になってしまっておりますけれども政府考え方といたしましては、価格政策といたしましてはやや長期な考え方でございまして、構造改善のモデルケースとお考えいただければ非常におわかりいただけるのじゃないかと思います。特に、共同化その他につきましては、通産省特に中小企業庁あたりでたいへんに努力をされまして、いろいろな資金も用意されて待っておるわけでありますが、どうも、なかなかそれについての御要望が出てこない。これはごもっともでございまして、なかなか構造改善に踏み切られますのに、家族経営でその必要はお認めになりながらも、何かやはりこわい、踏み切れないというお気持ちがあるわけでございますので、そこで、私どもといたしましては、やり方によってはこういう形がとれますというモデルを示しまして、その中味も決して飛び離れてまねのできないものではないという形でやってまいりまして、これができるのなら私どももやってみようかなというお気持ちができますれば、一方に資金その他も用意しておりますのでそれが促進されてくる。そういうやや長期のものをねらっておるわけでございます。ただ、ちょうどこれが出ました時期が、価格でわあわあ言っておりました時期でございましたので、何となく価格をいきなり押えるという感じに移ってしまったのは非常に遺憾に思うわけでございますが、根本的に、これは長期的な価格対策の分数でいえば、構造改善のモデルケースというようにお考えいただければ一番本質に沿っているものじゃないかというふうに考えております。
  27. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 私は、この生鮮食料品価格形成の適正化をはかり、国民生活の安定に寄与するという、この法律の趣旨については賛成をしておるのでありますが、何か、最近言われておる新聞あるいは雑誌あるいは政府においても、物価高を抑制しなきゃならぬということはよくわかるのですが、その抑制の対象になるのが、生鮮食料品というようなところを目のかたきのように扱うような印象を受けるのですが、これはもうまことに私は遺憾に思うのであります。そこで、これを抑制するといいますることは、まことにけっこうでございまするが、こういう法律が出て、そしてマージンの適正化、合理化そして価格の安定をはかるということには、これはもう当然異論を唱えるものはないと思うのです。そういうことをすることの前提に立って生産というものも考えてやらなければ、ただ流通のことだけに主眼をおいてやるというような印象だけが強く反映をすることは一つのセットにならないような気がするのですよ。何か生産方面の、たとえば産地指定の問題もございましょう。特約生産、特約で出荷をするというようなこともあると思うのですが、あるいはまた生産者から直接に取引をするというようなこともあり得ると思うのですが、そういうようなことにもう少し力を入れなければならぬのじゃないかと思うのであります。  そこで、私のお尋ねしたいのは、価格形成というものが、これはもう五、六年前の私の調査でございますので、いまそれであるとは考えられませんが、野菜に例をとってみますと、三、四、三ということばがございます、三が生産者、荷づくり、運賃、それから卸し売り、中間仲買いというものが四、そして最後の三が小売りであり、若干の荷痛み代金の取りかえ、そういうようなものがあって、小売り部門に属するものだと思いますが、そういうように三、四、三ということになると、百円の野菜の最終価格消費者が百円で買うものは生産者は三十円しか手に入らないということにもなりかねないと私は思うのでございます。そこで、これはもう古い統計だと、さっき前提に申し上げたのでございますが、いま政府はこれら生産者と、卸、仲買いの部分と、小売りとの価格形成の現実について御調査をされておることがございますか。もしあるとすれば、その比率がどういう構成になっておるのかお知らせを願いたいと思うのです。
  28. 久宗高

    政府委員久宗高君) 私どももしじゅうお聞かれしますので、その種調査を一応いたしております。ただ、やってみますと、しばしば問題になりますように、どの時点でとるとか、また、ものによって非常に違いますので一概に申し上げられないわけでございますが、ただ、そういうものを調べました最終的な判断といたしましては、当然のことながらマージンの率で、たとえば三、四、三というふうなよく言われることばでございますが、そういうものを当たってまいりました場合に、一番最後に残ります問題は、要するに小売りマージンというところに非常に問題が集中してしまうわけでございます。そこで、それを卸がこうだ、値段がこうだから、この時期に、この商品でこう、だからこうあるべきだというかっこうで調べてみますと、どうも意外にそれが、そういうもので調べたものには、ある時点では安く売っておったり、ある時点では非常に高く売っておったり、その原因をつきとめますと、先ほど冒頭に申し上げましたよりな小売り業生鮮食料品の中でも、肉とか、野菜とか、魚で若干違います。やはり卸し売り値にかかわらず、ある一定売り上げを上げざるを得ないというところにどうも行きつくように思うわけでございます、特に高くなりました場合に、追跡調査というのがございまして、たとえば茨城県のどこでつくったものが何時何分どこへどう入ったかという調査もございますけれども、それを何回繰り返しましても最終的に行き当たる問題は、どうも小売りのほうの構造問題だというふうに私ども考えておるわけでございます。そこで、目立つものですから、そこが非常にやかましく言われまして、小売りマージンをたたくというような形に行政としては動かざるを得ないかっこうになるわけでございますが、よくよく調べてみますと、やはりその前提が欠けておりまして、それを無理に強制すること自体に根本的に無理があるというふうにも考えます。そこで、どうしてもこれはやや長い目の施策にたりますけれども、やはり構造改善に手をつけない限り、いつも同じことを繰り返すというふうに感じてこの法律案を出すことになったわけでございます。  なお、御質問の中に、生鮮飲料品の問題がそれ限り切り離されて扱われているという点いかがなものであろうかというお話がございましたが、数年前から私どもこれに忙殺されているわけでございますが、正直に申し上げますと、私ども自身が生鮮飲料品の問題が起こりました場合に、もちろん私ども施策のまずさはたなに上げるつもりはございませんけれども、やはり何か若干おかど違いの感じを担当者としては持っておったわけでございます。最近になりまして中期経済計画のアフターケアもいたしましたあとの段階におきましての生鮮飲料品問題の扱いといたしましては、企画庁におきましても、政府全体といたしまして生鮮食料品の問題を、従来のような狭義の流通問題というよりはもう少し広い角度で取り上げるべきだ、これは前に文書でもそういうことが出ておりましたが、ややことばの上の指摘にとどまったと思うのでありますが、取り組む考え方といたしましては、相当はっきりと企画庁あたりでも、そういうふうに問題を出してきております。私どもといたしましても、それが本来のこの問題の取り扱い方ではないか、また、この小売市場考え方といたしましても、やはりどちらかと申しますと、目の前の価格政策と申しますよりも、長期的な構想によりまして、再三繰り返して、生鮮食料品問題の悪循環というものの一角を早くくずしておきたいということで御提案したわけでございます。
  29. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 もう一ぺんいまのお答えを追及する、いまのお答えについて反論いたします時間がございませんので、他の人の御質問の時間をお借りして質問を申し上げているので、いずれゆっくり質問を申し上げたいと思いますが、私は、生産者というものに対して、生産者の立場に立って販売機構、流通機構というものを考えなければならないと思うのでございますが、この場合は、主としてそういうことの概念が入っておらぬというふうに思うのでございます。  そこで、これはしいてお答えをいただこうとは思いませんが、農業者というものは、きわめてきたない肥だとか、土だとか、たいして清潔でない仕事をしているのでございます。これはもう私が申し上げるまでもないのでございますが、ところが、それから、できるものは、きわめて新鮮なものをつくるわけですね、そうして、できたものはどこで生産されましても、それが直ちに市場に出ていかなければ鮮度も落ちる、そうしてまた保管ができない、保管すれば価格がたいへん落ちてくる、普通の規格ならばたいへん落ちてくるわけでございます。ですから、これらを一面考えながら、こういう一連の、何といいますか、生鮮食料品の流通改善対策というものの中にもそういうものが、施策が加わっていかないとうまくいかないんじゃないか、ただ末端だけをつかまえてどうしよう、ああしようといってもいかない。私は卵でもそうだと思う。卵でも、いつまでも置いておけば——規格を今度つくると言われますが、規格をつくって一等になる、二等になったからといって、それがその卵の中の規格のよしあしを判断する一つの目標にはなるでありましょうが、それが価格の形成には私は直接の影響はなかろうと思う。むしろそれが腐敗する、鮮度が落ちる。等級等をつければだんだんとそういうことも明らかになる。早くそういうものをどこかへ貯蔵してやらなければならないのじゃないか。ことに卵あたりは、一つの例を引きますと、私は、液卵というようなもの、つまり卵一個一個の販売じゃなしに、あるいはあの卵というからをかぶったものを一キロ幾らだとか、一貫目幾らだとかいう販売方法でなしに、主としてマヨネーズだとか、菓子屋だとか行くようなものは、ちゃんと一定の器に入れて、そうして冷蔵しましても非常に容積をとらない、場所をとらないような形で貯蔵ができるようなシステムに直してやる。そうして農村には少なくとも冷蔵庫というようなものが、これはただに政府だけの力でやれとは申しませんが、そういうものができて、そしてその販売のアジャストが、調節ができるような仕組みにやはりやってやらないと、農家というものは灯で取れたものでも何でも、白菜にしても、カンランにしても、畑から取ったら、放っておけば花が咲いてどうにもならなくなるのですから、早く収納しなきゃなりますまいが、収納したらすぐに市場に、安かろうが高かろうがもう手放してしまわなければならぬという悲運な中へ突入していくわけですね。これはよかろうが悪しかろうがそうなってくる。私は、それの調整というものなしに、この流通改善といいますか、そういうものをやろうとすることに無理がある。もう向こうは貯蔵しておくわけにも、ためておくわけにも、どうにもアジャストするわけにいかない。ただまきさえすればやがて出てくるんだということを持ち受けて、網ですくって取ろうというような姿の中へそのまま放任していかれるということに、私は非常な不満があるのではなかろうかと思うのでございます。  そこで、それともう一つ、これはついでだから申し上げますが、いろいろな対策がございます。たとえば、野菜の指定産地の制度でありますとか、野菜の生産安定事業でありますとか、あるいは特殊なものに対しましては不足払いと申しますか、価格の保障をしてあとから払ってやろうというような制度がございますが、その制度でも、生産者と生産県においては何がしかの助成的な措置を講じておるんだと思う。ところが、受け入れる都には何にもないじゃないですか。何にもやらないんじゃないですか。受け入れる都のほうでも一体何をどのくらい必要とする人だという一つの計画があって、それに見合って安くといいますか、新しいもの、鮮度の高いものをなるべく定期的にその数量が入ってくるようなふうにしなければならぬということのためには、都もその生産を契約をする場合における、あるいはいろいろな資金面についても、財政面についても私は少し援助をするというか、努力をするということがなければ、売るほうばかり責任持たしておるということはおかしいじゃないか。これはいずれゆっくりまた例を引き、その法律なり、法律の内容について御質問したいと思いますが、そういう点はどういうふうにお考えになりますか。いわゆる百姓がつくっている新しい鮮度を失わないように、そうして産地からの調節ができるようなことがされないかという点にしぼって……。
  30. 久宗高

    政府委員久宗高君) 広範囲な問題の御質問でございますが、私どもといたしましても、三十年以降急速に経済の様子が変わってまいりまして、普通流通革命といわれるような問題が論じられてきたわけでございますが、そういうものに対しまして生産から流通に去る一連の施策が必ずしも的を射ていないという感じは、やりながら私ども実は持っておるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、非常に生産地の事情が激変しておりまして、生産地が移動しておるわけでございまして、まだ、それも何と申しますか、最終的に落ちつくに至っていない。大体の方向は近郊からよそに移っているという事情はわかりますけれども、その辺が十分固まっておりませんために、個々の施策がそれに追いつけないで十分な施設ができてない。特に御指摘のございましたような受け入れる側におきます処置等におきます冷蔵庫その他はもちろん努力はしておりますけれども、何分にも取引の規模が大きくなっていますので、それに間に合わないといったような事情があることは十分承知しております。なるべく打開を急がなければならないと考えておるわけでございます。ただ、最近におきまして、あるいはすでにお目に触れておるかと思いますが、科学技術庁におきましても、この一連の流通革命の問題と関連いたしまして、ただいまちょっとお触れになりました、いわゆるコールド・システムと申しますか、そういうものにつきまして相当突っ込んだ御研究を中間的に発表されまして、私どももその調査には前々から参加いたしまして、その問題点も一応のみ込んでおりますし、そういう方向で行政のウエートをそっちに移してまいりたいと実は考えております。繰り返して申しますように、生産地、農村関係の激変にちょっと追いついていけないという問題と、一方、過大都市のほうの膨張、これもまた追いついていけないというかっこうになっておりますので、非常に私たちむずかしい過渡期で実は弱っておるわけでございます。ただその段階で、いま出しております小売りのこれは末端の問題でございまして、生産者の問題が全然出てないとおっしゃるのでございますけれども、私どもこれを急いでおります気持ちの中には、これを早く手をつけておきませんと、その他の一連の、いま御指摘にもなりましたような、現在におきます農村の変革なり流通革命に対応して、一連のシステムを組み立ててまいります過程におきましても、昨年来、一昨年来繰り返しましたような、非常な暴騰、暴落の過程で、生産者の側で最終的には、どうも小売り値段が自分たちの手元を出たときとまるで違うのだということからきます反発が生産そのものの意欲を非常に押さえてしまう、こういう心配もございました。特にそういう近郊地帯におきましては労働不足の極端な形になってきておりますので、そういうことになりますと、全体の構造がやや整って、そういう流通革命に対応するような一連の施策が本格的に動きます前に、生産地の形ががたがたになるというようなことになりますと、これは相当大きな問題になりますので、少なくとも流通革命のいかなる措置をしました場合にも、最終的な段階はやはり消費者につながるところで、小売りという段階をどうしても悪くせざるを得ないという形になりますので、こちらのほうはまずもってそれについてのやや長期的な構造改善施策を打ち出しておかないと間に合わないという気持ちでございまして、それも全部こういう形式でやるというのではございませんで、あくまでモデルで早くめどを一応お示しして、個々の小売りの方が本米自分たちの問題としてもやっておこう、またやれるめどがつくというようなモデルをお示しして、そちらが早く先行しておきませんと、どうもこの過渡期の様相からしまして相当むずかしい問題でございますので、その間にあるべき形の、施策の熟さないうちに生産関係が非常に大きな、何といいますか、混乱と申しますか、そういう形になりますことは、生鮮食料品でございますと日常のことでもございますし、私ども一番それを心配いたしまして、ややあせりながらこれをお願いしているようなことでございます。
  31. 田中啓一

    田中啓一君 御答弁者も関連質問者もたいへん頭のいい方でありますから、私が次に御質問しようと思ったことは、ほぼおやりになりました。したがって、私はあと一問でよろしいかと思います。結局、この法案が出てまいりまして、いろいろ言われるのでありますが、一体農林省が流通機構をなぶるなんというのはおかしいじゃないか。それは通産省だろう。農林省はむしろ生産者の立場に立って大きく需給調節を考えて、生産のほうをひとつあんばいをしたらいいだろう。こういう意見が行なわれておるわけであります。まあこれは、所管問題というのはどうでもよろしいのでありますが、そうしてまた、そういうことを言われる人も誤解に基づいておることは、だれももうここにおられる方は御承知でありますから、そんなものを質疑応答でする必要はないのでありますが、その供給の調整ということを農林省もできるだけやっておられて、これも所管からいえば園芸局も一枚加わるというようなことで、できるだけやっておられる。それからまた、いま堀本さんの話にも出ましたように、加工とか貯蔵とかいうところに今日の技術進歩を応用して、もっと新規事業を出したならば、流通合理化にもなるじゃないかというような点もできるだけやっておられる。もっとやるべき点もむろんございましょうが、しかし私は、結局需給調整といったところで、本来の最終消費調整のしようがない。消費組合というようなものがほんとうに全国的にありまして、何かみずから消費の計画をしてくれれば別ですけれども、おそらくそういうことは困難であろうと思われますし、したがって、私は、需給調整のやはり最大の、最有力の根本的なものは価格だろうと思うのです。そこで、価格といっても、消費者小売りに接続しておるわけですから、ここに反映しなければ私は需給調整はできないと思う、中断するものがあるからいけない、こういうところに私は非常に着眼をするわけです。であるから、私はここにひとつ、いわゆるモデル小売り店をつくろうという構造的な着想をされたことは、私は非常に一つの大進歩だ、こう思います。ただ、そのかわりに、小売り店というものの存在理由は——小売り店というものは、これはサービス業ですよ。そこで、どこまでも消費者を大事にして、商売冥利を心得た、そういう何といいますかな、商売精神でなければいけない。いまのように、これは何も生鮮食料品に限りませんけれども、売ってつかわすぞというようなことではいけないので、ほんとうに消費者が便宜を得るように、小売り店というのは私はそういう精神でやってもらわなければいけない、経営者も、みんなそういうことでなければいかぬ、こういうことを実は思うわけであります。上に幹事会があったりなんかしまして、何だかお役所の商売のような感じに受け取れるものもあるのでございまして、そういうことのないように、やはりあの大阪ののれん精神のような精神でやっていくところに、私は、ほんとうの自由経済の自由経済たる人間生活ができるのだと思うのであります。でありますから、ひとつそういう精神で農林省も御指導願いたいと思うのでありますが、私申し上げましたことについて、御感想がありますならば伺いまして、これで終わりにしたいと思います。
  32. 久宗高

    政府委員久宗高君) 全く同感でございまして、さようなことにいたしたいと考えております。
  33. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 本日はこれをもって散会いたします。    午前十一時五十六分散会