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政府委員(
大友一郎君) お答えいたします。
私、いま
憲法調査会の
事務局長の
事務代理になっておりますが、本務は、いま
お尋ねの
内閣法制局の
憲法資料調査室長を命ぜられたものであります。それで
長官がおっしゃいました
内容をもう少し具体的にというただいま
お尋ねでございますので申し上げます。
憲法調査会の
報告書及び
議事録、
資料の
整理等でございますが、これは
先生も御
承知のように、きわめて膨大にのぼるものでございます。そうして
憲法論議、
憲法意見につきましては、これまた御
承知のように、
改正を要するとし、あるいは要しないとし、あるいは要しないまでも
運用の
改善をはかるべきであるというようにいろいろさまざまなものがあるわけであります。一本になっておるわけではございません。さらに
結論的にそういうように多様でございますのみならず、その
論拠とするものも種々さまざまのものがあるわけであります。さらにこの
調査会の
報告書といいますものは、
憲法改正是非についての
意見だけではありません。御
承知のように、いろいろな事実
調査というのがございます。
参考人としておいで願いました
憲法の
運用に
関係される皆さんの御
所見、これがございます。それから
制定の事情の諸事実がございます。のみならず、今度は
国民の
憲法に対する
考えということで開きました
公聴会、それにおきます
意見というものもございますわけで、あります。さらに問題を客観的に見るという
趣旨におきまして、
海外の
調査を行なったりいたしているわけでありまして、そういうふうに害的にも、要するに、
改正の
議論だけではなくて、
憲法をめぐる各般の事実
調査をやっている、そういうものが織り込まれて、これが
報告書の
内容をなすわけであります。
そこで
調査会といたしましても、順次段階的にしぼってまいりまして、
要点々々とやってきたわけでありますが、もう少し
要点と申しますか、それを的確につかむ、
理解するということが必要じゃなかろうかと思うのでございます。そこでそういう
論拠との
関連を見まして、ずっと一本になったものをそれぞれの
事項の
問題点ごとに
整理する必要があるのじゃなかろうか。それから
改正の要否の
議論と、現実に
憲法の
運用に当たっている人の御
意見、
国民の声、
海外の
学識者の
意見というものを通して、はっきりとそういうものの
比較対照、そういうものも整然とした姿で見られるようにつくるべきじゃなかろうか、こういうことが
政令の
趣旨じゃないかと思います。
政令の文言がわれわれの使命でございますが、その進め方といたしましては、いままずその
報告書を読む、読んで十分にすっきり必ずしもわかりかねる点がありますれば、
議事録にまで戻りまして
理解につとめ、そうして形といたしましては、要約、
要点がクリアにわかりまして、各
委員の御
意見というものと、
参考人の御
所見、
公聴会における
国民の声というものが連関してわかるようなものをわれわれとしては
考えたい、こういうことでございます。
それからもう
一つの
仕事は、
補充調査というととでございます。これはまず第一にすぐ
考えられますことは、
憲法調査会の
報告書が出まして、これに対する批判、もしくは御
意見というものは一体どういうものであろうかというものをまずキャッチして、キャッチしたものを私ども勉強いたしまして、骨子とするものはどういうものであるかということをまず第一になすべきじゃないかと思うのであります。
それから
報告書の出ましたのは昨年の七月でございまして、かなりの日は流れているわけでありますが、
憲法記念日でありますとか、そういうことをめぐりまして、この
調査会の
報告書が出ました
あとにおいても、
憲法につきましての
論議というものがあるわけであります。
国会の内部においてもあるわけでありますが、それ以外にもあるわけであります。そういう
調査会の活動が終わりました以後における
憲法論議、こういうものをやはり
あとづけしなければならぬ、そうして
要点をキャッチしておく、これがやっぱり一番重点的になされるべきことであると思っているわけでございますが、さらに
憲法調査会が、
論議をやるだけではございませんで、その基礎になります、前提になります
制定の
経過、
運用の実際等につきまして、
世論の
動向につきまして、いろいろと
調査をやったわけでございますが、私のところの室ではいま
長官からも
お話がありましたように、私を入れましてわずか三名というような程度のものでございますけれども、「ジュリスト」とか「
法律時報」だとか、そういう目ぼしいものに出ました
運用関係の
資料でありますとか、それからかりに
制定関係でもすべからく事実が出るということでありますれば、そういうものを把握をして
整理をする、そういうことが補修的に行なわれる
調査であるというふうに
考えておるわけでございます。それから、
憲法調査会にいろいろな
資料等がたくさんあるわけでございますが、これも非常に整然とした姿においてやはり整えたいということでございます。実際の問題としますと、
憲法調査会の図書とか、
資料とかというようなものは、全部ここに移されているわけでございます。そういうものは
憲法調査会なんといいましても、走るに急でございまして、
整理というまでには、とても十分だったということには必ずしもいっていない面があるわけでございます。そこで、私の現実の姿と申しますか、それがすなわち室の姿でございますけれども、
憲法調査会のそういった
資料をきちんとするということにも十分の時間をさかさしていただいておる、こういうような状況でございます。