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1965-04-13 第48回国会 参議院 逓信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月十三日(火曜日)    午前十時三十七分開会     —————————————    委員異動  四月五日     辞任         補欠選任      鈴木  強君     久保  等君  四月八日     辞任         補欠選任      植竹 春彦君     沢田 一精君  四月九日     辞任         補欠選任      沢田 一精君     植竹 春彦君  四月十三日     辞任         補欠選任      石田 次男君     辻  武寿君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         占部 秀男君     理 事                 新谷寅三郎君                 鈴木 恭一君                 安川  謙君                 横川 正市君     委 員                 植竹 春彦君                 古池 信三君                 郡  祐一君                 白井  勇君                 光村 甚助君    国務大臣        郵 政 大 臣  徳安 實藏君    政府委員        郵政大臣官房長  淺野 賢澄君        郵政省郵務局長  長田 裕二君        郵政省貯金局長  武田  功君        郵政省簡易保険        局長       田中 鎭雄君        郵政省人事局長  曾山 克巳君        郵政省経理局長  北脇 信夫君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        郵政大臣官房資        材部長      鶴岡  寛君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査電波に関する件)(郵政事業の運  営に関する件)     —————————————
  2. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員異動についてお知らせいたします。  去る四月五日、鈴木強君が委員辞任され、その楠久として久保寺君が選任されました。     —————————————
  3. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  新谷君及び横川くんから発言を求められておりますので、順次お願いいたします。新谷君。
  4. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 郵政省一つだけお伺いしたいのですが、最近、宇宙通信というものがある程度の成功をおさめましたし、アメリカやソ連によって、月ロケットの実験も着々進められて、相当成果をおさめておるということを聞いておりますが、と同時に、前々から地球の上で、どこからともなく、よくわかりませんが、とにかく非常に強い電波がときどき感じられるというような情報を新聞その他で承知しておるわけでありますが、たまたま、きょうのNHKニュースを聞いておりましたら、非常に強い電波を受信した。それで、地球以外に非常に文明程度の高い天体があって、そこからの電波らしいということでありました。世界学者連は、この電波に対しまして、これは相当文明程度の高い天体から発射させられたものであるということは、大体意見が一致しているというようなことを報道しておったのであります。私は、郵政省には電波研究所という、われわれの最も信頼する研究所がありますし、同時に、外郭にはNHK研究所もあり、NTVの研究所もあるということで、この宇宙を対象としてのいろいろ通信というものについては、一番の機関を整備しておられることでありますから、今日までこういう問題について、私は、宇宙開発というようなことについて、全体的に郵政省がこの先達になるのだということまでは申しませんけれども、それに似たような考え方をもちまして、とにかく、それだけの機関を整備しておられるのですから、今日まで何か、そういった問題について研究の結果をまとめておられるかどうか。あるいはまとめておられないとすれば、今後もう少しそういった問題に取り組んでもいいような、もう時代になっているのじゃないかという気がするものでありますから、予算にも関連するのでありましょうが、郵政省として、将来こういった問題にもう少し本腰で取り組んでもらったほうがいいんじゃないかと思うものですから、この機会に、郵政大臣の御意見を伺う次第でございます。
  5. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) ただいまのお示しのございました点でございますが、きょうのニュースの件につきましては、うっかりしておりまして、まことに申しわけございませんが、私、聞きそこねておりまして、まことに恐縮でございますが、ただいまの点につきましては、さっそく電波研究所並びにNHK研究所検討をするようにしていただきたいと思います。  それから宇宙関係に関する通信面における調査研究の点でございますが、現在、宇川問題につきましては、御存じのように、科学技術庁宇宙通信本部におきまして、総括的な研究調整をするようになっておりますが、御指摘のように、通信面につきましては、郵政省におきまして総合的に調査研究をするように話し合いながら、現在、円満に進めております。したがいまして、御指摘のように、宇宙関係における通信面におきましては、郵政省電波研究所中心になりまして、国際電電NHKと相協力しまして、御指摘のように、今後一そう研究開発に努力いたすものと存じております。ただ、なかなかいままでの経緯からいきましても、相互の連絡が問題でございますが、御指摘の線に従いまして、一そう関係団体連絡を密にいたしまして、話し合いながら努力してまいりたいと思います。ただいま御指摘のございました点につきましては、いままでのところ研究いたしておりません。
  6. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 御質問を申し上げてもお答えできない問題だということはよく承知しておるのですが、しかし、宇宙開発のほうは科学技術庁中心になってやっておられることは、それでよろしいと思うのですけれどもね、科学技術庁実行機関じゃないものですから、それぞれに各省各省分野で担当して、それを総合的にまとめていくのが科学技術庁ということになると思うのです。そうなると、一番先に手をつけて、一番先に実行してもらわなきゃならぬのは通信問題です。したがって、郵政省はその意味においては非常に私は責任を持っておられる役所だと思うのです。ですから、私は、科学技術のほうには知識がありまぜせんので、具体的には申し上げられませんが、そういう宇宙通信に必要な、たとえば機器類開発の問題であるとか、その他、送受信関係のいろいろの研究でありますとか、そういったものは郵政省が当然指導をして前進をするようにはかってもらわなきゃならないと思うのですが、今日、宇宙開発のほうはよその岡では和音に先を見越して熱意を持って進めておるのですから、ただ、ほかの国がやっておるのに追随していったらいいんだ、その成果をこちらのほうも享受すればいいんだということではなしに、日本でもここまで進んだ技術を持っておるんですから、おそらく技術は私はそんなに負けることはないと思うのですね。ですから、そういう技術を総動員して、郵政省自体も、関係機関連絡をされて、必要な予算をおとりになったらいいと思うのです。予算もとられて、もっと熱意を持って前向きに研究を進められたらどうかというのが、私の申し上げた趣旨でございます。
  7. 徳安實藏

    国務大臣徳安實藏君) ただいまお話しの点、私も寡聞にして電波研究所等から報告を受けておりませんで、御指摘を受けまして、まことにありがたく思うわけであります。この宇宙通信につきましては、先ほど官房長が申し上げましたように、私のほうが担当してやっているものでございまするし、電波研究所相当外部にも権威のある機関でありまして、それぞれの権威のある学者諸君が集まって毎日研究しておるわけでございますから、おそらくは、いまお話しのような強い電波を感受することについての研究は進めておるのじゃないかと思いします。しかし、本日は不幸にして、そのほうの関係者が参っておりませんので、御満足のいく御答弁ができなかったと思いますが、さっそく、ただいま研究しているかどうか、していれば、どういうところまでつかまえているものか、これを聞きたいと思います。そして結果を御報告いたしますが、いまお話しのように、もう月の世界まで行けるような時代になってまいったのでございますから、これは総力をあげまして、こういう感受の強い電波に対しましては、早くとらえて、そうして日本が率先してこれを解明をし、世間に、あるいは社会に、あるいは世界に発表するなんということも必要だと思います。さっそく取り調べ、かつまた、御趣旨に沿いまして、電波研究所中心に、各関係外国研究所等とも連絡いたしまして、そして研究に着手をさせるというように努力いたしたいと思います。
  8. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 横川君。
  9. 横川正市

    横川正市君 予算が終了いたしましたので、やがてこの国会が終了すると、すぐ次の予算編成に入るわけですが、たまたま私ども懸案事項として幾つかの問題をかかえておりました問題で、少し時間をかけて事業のあり方について論議をしておく必要があるのではないかと思われますので、その点について、きょう、時間の許す限り質問をいたしたいと思うのであります。   〔委員長退席理事鈴木恭一着席〕  まず、「郵便事業近代化に関する答申」が出されたわけでありますけれども事業別に見ますと、主管事業は三事業になっておるわけですが、そのほかの貯金とか保険に対する審議会答申というのは、大体いつごろを目途にして検討されておるのでしょうか。その点伺いたいと思います。
  10. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 郵便に関する答申はまあすでに出たわけでございまして、ただいま保険年金専業につきまして審議を願っておるわけであります。で、大体今月一ばいで審議を終了いたしまして、来月早々に、近代化委員会郵政審議会に対する審議経過報告というような形で何らかのものが出される見込みでございます。それが済みますと、あと貯金事業という順序に審議が進められるのではないかと思っておりますが、この点はまだ確定しておらないわけでございます。
  11. 横川正市

    横川正市君 まあ大体この三事業答申は、そうすると四十一年度の予算編成前までには間に合う、こういうふうに考えていいですか。
  12. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) まだ具体的にスケジュールを審議会会長とお打ち合せをそこまでいたしておりませんが、できる限り、その方向で今後お願いをいたしたい、かように考えております。ただ、保険が終わりましてから貯金に入りますか、事業財政問題全体に入りますか、そういった点によりまして、若干なおずれていくことはあり得るかと思っております。ただし、御指摘のように、予算等も考慮をしながら、保険あとの運び方につきましては、よく会長と御相談を申し上げたい、かように考えております。
  13. 横川正市

    横川正市君 私は、この郵便近代化答申案を二度、三度と目を通してみて、第一の問題で非常に疑問を持ったのは、特別委員会委員の任命について、これは常識程度に、あるいは多数郵便物の差し出し人としてのという意味では、ある程度のそういう意見を代表する人がおるのでありますけれども、本来的に郵便業務について取り組んで、そして細部にわたって意見を出すような、そういう人は実は見当たらないわけですね。たとえば浦島喜久衛さんとか大塚茂さん、大野勝三さんというのは、これは部内で郵便取り扱いをいたしておりますけれども、大体まあ現在の郵便の事情その他からいって、常識的には一つ判断ができても、明確にいまの郵便排送についてのいろいろな問題点を解明する、そういうようなのには少し私は手不足というか、あるいはもっと広い分野から人を選んだほうがいいのではないかという意味で、少し人選の問題に問題があるのではないかと思うのでありますけれども、これは一つは、審議会あたりでどういう意見を吐かれておられるのか、実際上、それをよく知りたいわけですが、具体的には、この選考の問題で、どういう選考でこういう方々委員として御苦労願うことになったのか、その点は、これはどういう選考による結果でしょうか。
  14. 淺野賢澄

    政府委員淺野賢澄君) 現在、郵政審議会委員は四十五名お願いをいたしております。その委員に任期がございますので、おっしゃいますように、審議会委員の方、必ずしも全員が郵便近代化を御検討いただくのに理想的な方とも申し上げられませんので、それで、近代化委員会をつくりましたときに、専門委員という形におきまして、できる限り広い角度から、事業近代化について御検討をいただくのに望ましい方々お願いいたしたつもりございます。まあ何と申しましても、郵政事業は、国民各層の御意見をちょうだいいたさなければなりませんので、その点につきましては、できる限り各層を代表し、そしてまた、ただいま御指摘のような、非常に事業にたんのうな委員の方もいらっしゃいますし、また、現在までの御経験から、有意義な御意見を拝聴するのにふさわしい方々と、極力努力したつもりございます。
  15. 横川正市

    横川正市君 運営のしかたの中で、いろいろな点をカバーしながら審議をしているのだろうというように思うのでありますけれども、この委員長以下委員の大体顔ぶれを見ますと、郵務当局の出された試案とか、あるいは質問に対する答弁とか、いろいろなものが総合されて一つのまとまったものになるのでしょうが、大体郵務当局意見としてこの近代化答申案というものは受け取っていいのかどうか。たとえば、これは委員会委員メンバーからすれば、私は、なかなかこれは現状に対してみずから一つの回答を与えるということはむずかしいじゃないか。ただ、郵務当局意見を出して、それに対してよしあしの判断をするという、そういう意味での委員会ならば、私はこのメンバーで十分だろうと思うのですが、そうすると、この近代化に関する答申案というものは、これは事実上は、郵務当局の案というふうに見られていいんじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
  16. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 郵便近代化の問題は、実は最近の郵便物数が九十億からぼつぼつ百億に近づこうとしておる傾向、また他方では、労働力需給関係が非常に逼迫する、大都市内の交通などもだんだん困難になってくる、こういうような情勢からいたしまして、いままでどおりのやり方ではなかなかやっていけなくなるんじゃないかということからいたしまして、一昨年ごろから、郵務当局内でもその問題に真剣に取り組もうということになってきておりまして、外国の例なども調べて進めてまいりましたのでございますが、たまたま行政管理庁方面でもその問題を取り上げられまして、御承知のように、去年の七月でございましたか、行政管理庁からの郵便近代化についての勧告などもいただいたわけであります。その行政管理庁いろいろ監査過程、途中でございますが、昨年の初めに、郵便近代化について委員会郵政審議会の中につくっていただきまして、各方面事業経営権威、あるいは郵便経験者、あるいは言論界方々、あるいはまた機械化等についての斯界の専門家方々等にも加わっていただきまして、相当充実した御審議を願ったわけでございますが、ただいまの御質問にもございましたように、事務出局といたしまして、一つ考え方を持っておりまして、その考え方をある程度御披露して、これを御批判、御検討願う、ものによりましては、委員方々のほうから御発議になったこともありますけれども、主たる内容は、事務当局考えておりました内容を御批判願い、御検討を願うという形で答申がまとまったような次第でございますので、私ども、あの答申内容は、事務当局として非常に困るとか、そういうようなことではございません。むしろ、審議過程で私どもが教えられ、啓発されるということこそございましたが、困るというようなものではございませんでした。ほぼ、あの線に沿いまして、今後とも実行してまいりたい。細部は、さらに検討の上で、若干修正のことなどもあるいはあるかもしれませんが、全体といたしましては、あの答申の線に沿って今後とも取り進めてまいりたいというふりに考えておる次第でございます。
  17. 横川正市

    横川正市君 これは別にまた他の機会に触れたいと思いますが、ただ一つだけ、こういう種類の取り扱いについてどういう考え方なのかを聞きたいと思うのですが、たとえば「カナ文字であて書きされた郵便物はこんご急速に増加する傾向にあるので、第一極郵便物として取り扱うためには以下の要件をみたしたものであること。」、すなわち「郵便物として取り扱うためには以下の要件をみたしたものであること。」という差し出し人に対する注文のようなかっこうになっておる。これはこれから随所に出てくるだろうと思うのです。たとえば高層建築に対する郵便受け箱がなければならないとか、それから犬はつないでおかなければならないとか、いわゆる郵政省側から利用者に対して注文をつけるその問題についての取り扱いなんですが、これでいきますと、いまはタイプか何かのいわゆる製造業人たちにまで影響する問題になるわけですから、そういう点が論議をされる過程では、私はそれらに対する配意というものがあって書かれたものと思いますし、それから、その実施については、育ってみますと、取り扱い者側のこれはわがままではなくて、取り扱い者側の最小限の要求としてそれは実現しなきゃいけないということなのだから、そういうものの取り扱いについては、単に相手側のいわば協力体制とか、そういったものに依存するだけでなしに、規定化するかどうか、そういった点まで、私は準備としてはあるのではないか、そういったことで、これはまあ、かな文字の問題だけ一つ取り上げたわけでありますけれども、この種の問題の取り扱いについてはどうされるつもりか、聞きたいと思います。
  18. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまの御趣旨のように、今後も郵便を円滑にさばいてまいりますために、利用者側の御協力を願わなければならない点が多々ありまして、両者和まちまして郵便業務がこれからも円滑に行なわれていくということになってまいるかと思うのでございますが、それにつきまして、省側から利用者の方にいろいろお願いをするという点は、ただいまのお話ばかりでなしに、相当出てまいりますし、ものによりまして、その要請の裏づけとしまして法的な根拠というようなものもまた出てくるかと思います。この近代化の問題には、法律改正を要する点も相当ございますので、それらのただいまの新しい第一種たる要件というようなものなどにつきましても、法律根拠に基づく裏づけというようなものも必要かと思うわけでございます。  なお、ただいまのかな文字についてのお話でございますが、一つは、事務機械普及等からしまして、かな文字によるあて書き等がふえてくる傾向がずっと続いいるわけでございますが、御承知のように、かな文字は非常に字体も小そうございますし、また、読み方などもなかなか読みにくいところもあります。そこで、かな文字の書き方について、私どもは、分かち書きにするとか、行を変えるとか、いろいろなことも要請するわけでございますが、また、将来、郵便番号制度が採用されました場合には、郵便番号を書いてあることも一つ要件にせざるを符ないんじゃないかというふうに考えておりまして、結局、事務合理化傾向郵便業務取り扱い上の能率というものの両方の調和をそこらに求めざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  19. 横川正市

    横川正市君 そういう関係のものが幾つかあるわけで、それについては、ひとつ慎重であると同時に、相当積極的な私は行動でこの問題を解決していかないとならぬのじゃないかと思うのですね。たとえば、四階以上のものにポスト一つ設けるといっても、何年もかかったわけですから、その予算の支出の問題もあろうし、ですから私は、こういったこの種の問題については、相当決意を持っておらないとなかなか実施ができないのじゃないかというふうに思うわけです。そういった点で幾つかこの種の問題がありますので、十分ひとつ検討されて、実施については遺憾ないようにしていただきたいと思います。  それから、この物の増高の度合いによって、昭和三十年を一〇〇としますと、指数は、たとえば郵便物引き受け数量で、昭和三十九年の十二月は二一六、それから小包は三八六、それから外国郵便差し立てば四三七、差し立て小包が五二七と、その指数が急速度上昇をいたしておるわけですが、こういう上昇近代化に対する問題点幾つか出されておりますが、それは十分合理化委員会としては論議をして答えを出しているのかどうか。現実の物の増高に合わせて近代化委員会答申は最も適切な答申なのか。その点どうお考えでしょうか。適切だとお考えになっているとすれば。少し問題があるのじゃないかと思うのですが。
  20. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 物数かただいま仰せのようにふえてまいりますのに、労働力関係はなかなか国全体としまして、社会全体としまして逼迫の傾向にあるというようなことからしまして、それじゃどうしたらいいかという点から、近代化の問題に取り組まれたわけでございますけれども、一方では、できるだけ——限度はございますが、できるだけ機械化することによって人力を省くという問題、それからもう一つは、制度改正で全体としてやりやすくするように、郵便物全体を取り扱いやすいように変えていくという問題、両方から検討されまして、制度の問題としましては、現在の郵便制度で非常に物数がふえていく段階におきましては、問題がいろいろあります中の大きな問題としましては、現在、郵便物種別を、通常では一種から五種あります郵便物種別は、主として内容によって区分するということになっております。五種等につきまして、内容区別をし料金にも差をつけるということは、実際問題としてほとんどできかねますので、むしろ形、重量、あるいは封筒の質、   〔理事鈴木恭一退席委員長着席〕 そういうような点で区別してしまうというようなことを考えたわけでございます。しかも、そういう形とか重量とかで区別をしますと同時に、形の大きなもの、取り扱いにくいもの等につきましては、料金も少し高く、あるいは送達速度でも優遇しないというようなことによりまして、郵便全体として取り扱いやすい郵便物がずっとふえてくるというようなことを招来することを期待している次第でございます。
  21. 横川正市

    横川正市君 いまの問題も一つ解決だろうと思うのでありますけれども、根本的にはもっと触れておかなければならない問題があったのではないかと思うのですがね。抽象的には触れているわけです。これは「民間同種産業に比して近代化の点で著しく立ち遅れている。」という事実と、それから「本来の通信の全国的な翌日配達に向って努力しなければならない。」という要望があって、その現状は何があって、将来何をしなきゃいけないかというのは、抽象的には触れているわけですね。ですから、そういう一つ現実をとらえた問題と将来の一つ解決しなければならない課題について、一体、近代化答申案というのは十分答えたかどうかという点で、私は、これ全部読みながら、どうも看板はりっぱな看板をあげているけれども内容はなかなか充足しておらないんじゃないか。その充足をするためにはどうしたらいいかという問題については、少し消極的な解決策じゃないかという気がするわけです。ことに郵便の規格や何かをやるというようなことは、さして私は問題じゃないんじゃないかと思うんですよ。たとえば今年までの建築計画で、平面作業場というもの、これをずっととってきましたね。平面作業場というのが、いわゆる能率その他について現状ではこれが最善のものだと、こういうふうに、いままでずっと郵務当局では考えておった。それで、唐突と京都の中央郵便局のようなやつが出てきたわけですね。京都の中央郵便局を私、見まして、率直に言って、あれば、日本郵政事業にとっては画期的な一つの作業環境というのはつくり得たと思うのですよ、機械化によって。それは、第三者が見に行く郵便局としては、あれはもうすばらしいものと思う。しかし、事実上あの地位にあってあれだけのものをやるのには、たとえば局舎が狭隘であるとか、それから機械の点検設備がまだ不十分であったとか、さらに、取り扱いその他の物数からいってみて、小色の場合は適当しておったけれども郵便の場合にはあれは適当なものであったかどうかについて、疑問があるんじゃないか。まあ非常にわずかな時間で、私、三十分くらいしか見ておりませんから、全部結論だとは思わないのだけれども、ああいうものをつくるよりか、もっと簡便な、機械化というよりも、合理化のほうが当面は適切な処置じゃないかという気がするわけです。ですから、一つ意見は、ああいうふうに中央郵便局のようなものが出てきても、あとの数千の局がいま育ったような従来の形式で事を運ばれているし、これをもし近代化し、機械化し、合理化するなんということになったら、これはたいへんなことになるんじゃないかと思うので、その点が、いわゆる旧来の近代化に非常におくれているという点と、それから本来、翌日配達を全部しなきゃならないという要望との間に、何かまだ規格の面で欠陥があるような気がするわけですがね、郵便の全体の問題で。その点の私は検討を十分やってもらわないと、この郵便事業近代化答申というのは生かされてこない、中身は。そういう意味で、私はどうも不十分だと思うので、できればこれはもう一回練り直してもらいたいような案だと思っているのですよ。具体的に言えばそういう問題があるわけなんですが、実際上これをやっていく、たとえば郵便の規格だけやればいいんだとか、それから、この中に、現行よりか後退する問題とか前進する問題とかありますね。たとえば農産物の種子の取り扱いについては、これを廃止するという一面、いまの五種郵便物の五十グラムごとに十円というのは料金が高いから安くするとかというように、いろいろ問題がふえているわけですけれども、私はこういうことだけでないんじゃないかと思うわけですよ、実際は。だから、これはそういう意味で、具体的に私まだどういうことがいいかについて自分で意見も持ちませんから、ぜひひとつこれは、実施に移す段階では、さらにもう一回検討してもらいたい、こう思うわけです。  それと、これからも相当大局を建てる場合には、やはり京都の中郵のようなシステムのものを採用するわけですか。それともあれは一つ研究材料としてこれから検討することになっておるわけですか。そのどっちになっているのですか。
  22. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまのお話のように、郵便事業は、一つは、本質的に全国非常に数多くの場所で取り扱わなければならないということ、それから一億の国民ほとんどが郵便を出される、いろいろな形でいろいろな形の郵便を出されるということだとか、ほとんどが人力に依存しなければならないというような制約がございまして、同種の民間産業に比較して近代化が立ちおくれているというような御批判は、形だけから見ますと当然かと思われるわけでございますが、郵便事業がしからば、十数万の職員を擁する民間産業のように大きな工場形態をとれるかというと、それは全然とれないわけでございまして、そういう面から基本的な制約があります。民間の大企業と同じようなシステム、同じような機械を取り入れて、同じような能率をあげていくということは、根本的に不可能でありまして、そこらは省といたしましても、あるいは審議会委員方々としましても、十分理解した上で、その範囲内でどの程度まで機械化がやれるか、あるいは能率があげられるかというような点を中心にして答申がつくられていまったというふうに考えているわけでございまいます。そういう限定されました範囲でも、ある程度集中いたしますと、機械化、合理化がやりやすくなってくるということなどもございまして、たとえば京都中央郵便局は仰せのように、当時の国内の東京中郵、名古屋中郵、大阪中郵等の経験を生かし、あるいは外国の当時進んでおりましたいろいろな運搬関係あるいは区分関係の機械等もできるだけ取り入れてつくりまして、ある意味では実験的とも言ってもいいような気持ちも込めましてつくったのでありますけれども今後の方向といたしましては、私どもは、たとえば東京都内におきましても小包専門局を三つつくっていく、あるいは郵便物の、大型の通常郵便物を処理するための専門局をつくっていくとか、あるいは将来の問題として、いまの東京中郵においてほとんど全都内で扱っておりますものをもう少し分割する必要があるのじゃないか、東京中郵に似たようなものをさらに別の個所につくる必要があるのじゃないかというような観点からしまして、できるだけやはり郵便局というものを相当分放しなければならないという基本的な宿命はそれとしながら、その範囲内でも、できるだけ集中し能率化するという方向で考えてまいらなければならぬのじゃないかというふうに考えております。
  23. 横川正市

    横川正市君 私は中央郵便局に行ったときに、たまたま郵便の区分機が故障を起こして実際に動いておらなかったのです。それで、あの機械の上にみな人があぐらをかいて、そうして郵便の区分をやっていたのですよ。だから、最も近代的な上にあって、最も原始的な方法で郵便の区分をやっているのを見たものだから、まだまだあれはちょっと実用というところにはもう少し時間がかかるのじゃないかという気がしてきたのですよ。  それからもう一つは、大体局舎が狭隘ですよ。あれだけの機械を入れるのには、もう少しゆとりのある坪数というものがあってもいいんじゃないか、そう思ってきたものですから、これはひとつ、もっと慎重に検討してもらいたいと思うのです。それからもう一つは、作業環境の施設の問題なんですけれども、五カ年計画を修正されて、四十年度で一応この計画が終わるわけですが、四十一年以降の建築計画については、どういうふうになっておりますか。いま検討中ですか。
  24. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 三十六年度からの五カ年計画で進めてまいりまして、その後の郵便物の増加とか、あるいは建築の単価だとか、いろいろな関係からしまして、当初の予算のワクとか等の関係もございまして、三十六年度から発足いたしました五カ年計画は、まあ一〇〇%完遂というところまではまいっておらないのでございますけれども、普通局、特定局を通じまして、全体としては一〇〇%というところまではまいっておりませんが、たとえば普通局におきましては、月数では九一%でしたか二%ぐらい。坪数では、まあこれは逆に一〇一%程度というふうに、その後の状況の変化を反映しまして内容も変わってきております。それから、さらに三十六年度以降、最近にまいりましての物数の動向とか、土地の地況の変化ということなども考えまして、今後どういう局舎計画を立ててまいるかということは、ただいま検討中でございますが、特定品等につきましても、国費で建てるもあの局の品位とか、そういうようなことも、さらにまた五年前と比べまして再検討しなければならないと思いますし、普通局につきましても、先ほど申し上げましたように、あるいは東京中央郵便局に類するようなものも、いままでの小包専門局、大物専門局のほかにも、さらに考えていかなければならないのじゃないかということなどもございまして、ただいま資料を取り集めて計画、立案中でございます。
  25. 横川正市

    横川正市君 この郵便局合の建設予定地の選定についての方針というのは、いまどういう方針をとられているんですか。一時私どもは——これはたしか金沢郵政局管内のどっかの局だったと思いますが、たんぼの中に普通局が建っているんで、どうしてこんなところに郵便局を建てたのかと聞いたら、これは郵務局の方針で、普通局はそう重要なところでなくてもいいと、窓口だけ都市の中心にあればいいから、作業場は離れておってもいいというので、それをだいぶん都市から離れたたんぼの中に建てたという話を聞きましたが、その後は何かそういう方針はないようで、やはり中心的な地といいますかね、あるいは利便上から考えて便利なところとか、そういうところを、相当高い場合であっても土地を購入して建てるような、そういう傾向があるようですが、この局舎の予定地としての選考について、何か方針みたいなものあるんでしょうか。それとも、必要によって、まあ購入のできる最弄の場所と、こういうところなんでしょうか。どういう方針でやられておりましょうか。
  26. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまのお話にもございましたように、郵便局は窓口としての機能と、それから集配局、集配事務を扱う場所としての機能と、まあ両方あるわけでございまして、窓口としての機能は、できるだけ多くの利用者に便利なように、また、集配局としての機能は集配区域全体に配達するのにぐあいのいい場所ということで、双方が一致していれば一番これは問題もございませんし、望ましい姿でございますが、時に町村合併等によりまして両方のまん中、地形などからしまして、両方のまん中あたりに局を選ばなきゃならぬというようなところなどもございます。私ども、できるだけその窓口機関としての機能、やはりその行政区内の集配局というのは、どうしても中心になる郵便局でございますから、できればその行政区内の中心地に近いところに、中心となる郵便局にふさわしい局を建てていくということが望ましいと考えておりますが、具体的にはいろいろな場合が出てまいります。その上、土地が人手できるかというようなことなどと関連しまして、時として、いまのような現象も出てくるような次第でございます。
  27. 横川正市

    横川正市君 ことしの建築予算は百十五億というふうになるんですが、これは専業別に、この予算の中でどれだけ負担をしているわけでしょうか。これは郵務、それから貯金保険——共通はそれぞれ各事業別の負担になるんだろうと思うんですが、どれだけぐらいずつ負担しているんですか。
  28. 北脇信夫

    政府委員(北脇信夫君) 財源としましては、総額で、おっしゃるとおり百十五億円でございまして、その財源の内訳は、借り入れ金が五十七億円と、自己資金が五十八億円でございまして、さらに自己資金の五十八億円の中に、減価償却費が十六億五千万でありまして、そのほかに、施設負担金が四十一億五千五百万でありまして、この四十一億何がしのほうが貯金保険に分かれまして、貯金が三十三億円、それから保険会計から十九億五千万円、こういう関係になっております。
  29. 横川正市

    横川正市君 これは四十一年度の建築計画を立てるのに、いまは現実答申指摘されているように、局舎の増改築や、そういう発展地域の配達局の新設等、まだまだ十分でないという、いわゆる老朽狭隘局舎等の問題等を含めて、どの程度までは現在までの年次計画で完遂して、どの程度が四十一年度の建築計画に残るのか、同数か何かでわかっていれば、ちょっとおっしゃっていただきます。
  30. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 四十一年度以降のものにつきましては、ただいま地況等も勘案しまして資料を収集中でございますので、今後幾つぐらい、どのくらいの規模の局をつくるかということをちょっとお答えできるところまでまいっておりません。三十六年度当時考えました計画につきましては、実はその当時考えました計画といたしましては、普通局の新築百五十三局、特定局の新築五百六十局でございまして、四十年度までの五カ年間に、予算で成立いたしまして、ほぼこれは実行されるわけでございますが、普通局が百五十三局に対しまして百三十九局、特定局が五百六十局に対しまして五百十五局でございます。したがいまして、同数からいたしますと、普通局におきまして九〇・八%、特定局におきまして九二%でございます。ただし、先ほども申し上げましたように、地況の変化等に対応いたしまして、普通局では面積は——面積のほうは普通局で一〇一・七%ということになっております。特定局のほうは九一%の面積と、さような次第でございます。
  31. 横川正市

    横川正市君 これは、貯金保険関係の支出されている金額は、どういう計算でこれはたとえば貯金二十二億、保険十九億というのは出るわけですか。
  32. 北脇信夫

    政府委員(北脇信夫君) 設備負担金の分担の割合でございますが、四十年度で申し上げますと、貯金会計からの分担額は、地方貯金局の建設資金と、それから郵便局等共通の局舎の事業別の使用坪数比でございます。したがって、簡保会計からの設備負掛金も、同様に、地方保険局の新増築の資金と、それから郵便局等の共通な局舎の使用坪数比と、これによって計算した分担金でございます。
  33. 横川正市

    横川正市君 実はこの建築費の問題は、これは大臣にちょっと聞いておいていただきたいんですが、老朽狭隘局舎とか、改善局舎とか、そういったかっこうで、いまどういう点をとらえるか。結局、どこまでしかとらえないという、それ以下のものはとらえていないのですよね。だから、おそらく、全部、老朽あるいは改築必要局舎といってとらえたら相当なものになるのじゃないかという気がするわけなんです。その実情と、それから、この建築予算の百十五億というのは、いかにも多いようですが、やはり私は少し少な過ぎるのじゃないかという気がするのです。それの資金の捻出のしかたは、きょうはここで質問しませんが、ぜひひとつ考えていただきたい。たとえば、長期借り入れ資金は返済の見通しが立たなければ借りられないということならば、返済の見通しはどういうふうに立てられるかという点をひとつ検討されて、もう少しこの予算をたくさん取ってもらいたい。それから、改善の要求のある局については、これはぜひ短期間にやって、そしてあとは返済のめどについてそれを立てていくというような方法をとっていく、これは限度があると思いますけれども、それをとっていけないものかと思っております。この点ひとつ検討していただきたいと思うのですが、どうでしょう。
  34. 徳安實藏

    国務大臣徳安實藏君) お話のように検討いたしたいと思います。
  35. 横川正市

    横川正市君 それからもう一つあわせてこの問題でお聞きいたしたいのですけれども、大体窓口の公衆利用、同時に、これは言ってみれば、事業の割り当てに対する消化率というふうにもなると思うのですけれども、その窓口の公衆利用の度合いは、三事業を区分いたしますと、私は、一般的に、都市の場合は、貯金相当窓口利用というのでは多いと思う。それからその次は郵便ということになりますか、為替ということになりますか、そういう一つの段階みたいなものがあるのじゃないかと思うのですが、そういう意味で、貯金関係とか、あるいは、それに続くところの仕事として保険とか為替とかいう、そういう業務の窓口に対しては、特段の熱意を持って改作していかないと、これはますますおくれるのではないかというふうに思うのですけれども、たとえば、この前、私、盛岡市内の三十六局の局を歩きました。その二十六局のうち、ビルの一階を借りて作業をしておる特定局というのは、これは非常にりっぱなものです。言ってみれば、信用金庫とか相互銀行とかに匹敵するような局舎でありますし、それから実際上の利用者その他も、非常に明るい環境のところでの作業を見ていると思うのです。そのほかの、たとえば去年建てられた個人支出の局舎、それから互助会局舎がありましたけれども、これは私は、金銭を取り扱う窓口の状態としては、非常に遺憾ながら合格点にはないと思うのです。おそらく、あんなものはたばこの火でも落ちたら一ぺんに燃えてしまうような、そういう状態、これが二、三局ありました。あとの二十二、三局というのは、これは駅前にあったやつは、どうしても貸しておる人が貸してくれないというので、裏へ入って、郵便局が見当たらないところへ入っておりましたが、そこはもう物置きですね、こういうような環境、いわゆる一番目抜きで一瞬利用者が多いと思われるようなところの郵便局は裏通りへ入って、物置きのようなところで作業をやっておるわけですよ。それはそういうものに匹敵する島が二十三局ぐらいあるわけです。これはもう昼間から螢光灯をつけていなければ暗くて仕事ができない。そして、私どもちょっと入っていますと、もう、仕事しておる人が一回立っていすを寄せなければ奥へ入っていけないというように、その作業の状態というのは、一人当たり平均坪数はいま何ぼになっているか知りませんが、たとえば、二・五坪くらいだとすれば〇・五坪くらいな状態で、そんなところで実は都市における特定郵便川の作業というのは行なわれておるわけです。そういうところが多いわけです。これをどうこれから改善するかという問題に当然ぶつかってくるのじゃないかと思います。これは私は、特定局問題というのは、労使関係で紛争をいたしましたけれども、その問題は一つの大きな転機になってきておるのじゃないか。郵政省があくまで個人の財産にたよって、提供局舎というものにその大方を依存をしておれば、ますます局舎の老朽、それから狭隘というのはひどくなると思うのです。そうではなしに、一般的に公衆に対する最も適当な地域、すなわち、事業成績もあがるというところに、相当長期の金で窓口というものを、これを事業自体が負担をする。すなわち、銀行がみずからの体裁を整えるために、町のどまん中にでっかいやつを建てるというところまでいかなくても、ある程度のものは、その貯金事業保険事業あるいは為林貯金事業というような、そういう種類の事業は、郵便局は、これは町の切手売りさばき所で切手を賀って、ポストがあれば、ある意味では一応業務というのはさばけますけれども貯金とか保険とか為替というものは、そういうわけにいかないわけですから、そういう意味では、事業自体がこの局舎の問題に対して解決をする、そういう金の使い力というのがあっていいのじゃないか、私はそう思うのですけれども、そういう意味ではどうでしょうか。大臣、ちょっと突拍子もない質問だということになれば別ですけれども、常識的に考えても、それくらいの事業負担費というものはあっていいのじゃないか、こういうふうに私は思うのですけれども、この点はどうお考えですか、お聞きいたしたい。
  36. 徳安實藏

    国務大臣徳安實藏君) 私もお話のように考えます。ただ、非常にたくさんの一万五六千の局舎でございますので、過去において調査の結果が、おおよそ五千くらいは至急に改築しなければならぬ。そのうち千くらいは、概略でありますが、国の費用で建てよう、四千くらいは、やはり特定局として従来各所有しておる諸君から、改善をしていただいて借り入れようというような基本方針を立てて進んでおるようであります。いかにも貧相な局であり、あるいはまた、その貧相なことが、国営であるという立場からいって望ましい場合もあるかもしれませんが、一般の商業銀行のように、あるいは金融機関のように、天を摩するような堂々たる建物は、あるいは困難であるかもしれませんが、しかし、お金を扱う点からいきましても、あるいは従業員の待遇の改作からいたしましても、そういういまのような考え方でやることはできないかもしれませんが、本年の予算につきましても、大蔵省と折衝いたしまして、郵政省の特異性を考えて、できるだけ改善、増築、改築等に対して出してもらいたいということで、相当強硬に突っぱりまして、昨年よりか少しよくなってきたと思います。百億にはなかなかならなかったようですが、ことしは突破したわけでございますから、もう一ぺん、こういう問題につきましては再検討を加えまして、そうして国の予算で一体どの程度までできるのか、いま申し上げたような計画で進んでおるようでありますけれども、各方面の建築物がどんどん近代化されておるときに、相変わらずのバラック式のようなものがそのままであっていいとは考えられない。といって、それを全部国の力でやるということも非常な大きな財政上の負担にもなりまして、その辺の調整というものが困難だと思いますが、一応私は、先ほど申しましたとおり、五千ばかりのものを、千ばかりは国が至急に建てる、四千くらいは、いままで持っておる人に建ててもらい、そうして借りようという方針のようでございますが、博期も、だんだんに計画も進んで最終段階にも及ぶと思いますから、再検討いたしまして、そうして岡のほうの財政で、あるいはこの特殊性にかんがみて、集めた——つまり、国民から預金せられた中で、ただひとり財政のみにそういうものをつぎ込むだけでなしに、みずからの手でみずから改善するというような趣旨をもっと強く徹底させまして、予算も拡大をし、そうして困難な都市等の郵便局等につきましても、もっと早くこれを改善をはかりたいと、かように考えておるわけであります。まあ、一応は従来の計画どおりにやっておりますが、重ねて現在の情勢等も勘案いたしまして、改むべきものは改め、また改善すべきものは改善をし、計画を立てていくことに決してやぶさかではないと思っております。
  37. 横川正市

    横川正市君 私は、従来の経過からいくと、郵政省には結局、こういうかっこうのものはなかなか取れないような、そういう何かがあるような気がするわけであります。これは貯金局長さん、どうですか。あなたのほうで一つ事業の仕事をするのには、人とそれから家がなければこれは仕事ができないわけで、なるほど、いまは窓口は借りてやれる、そういう依存をした事業をやっておりますけれども、自分の事業費の中に、預託利子六分五厘でどうやったらどのくらいの金がどうなったと、そのうちの、たとえば一年に二十二億くらいでなくて、その三倍くらいは事業費として、仕事をするために必要なものとして、それくらいの傘は出してもいいのじゃないか。これは当然民間の企業ならそういうかっこうになるわけであります。店舗を持たずに仕事をするなんというのはとんでもないことでありますから、店舗を持つという意味での——それまでいかなくても、ある程度事業費負担というものは、他の専業とも関連して窓口を、これを自分で持つという意味からも負担をしていいのじゃないかと、私はそう思うのでありますけれども、金は別として、考え方としてはどうお考えですか、お聞きしたい。
  38. 武田功

    政府委員(武田功君) 貯金事業そのものから見ますと、確かにに、先生のおっしゃるように、最近伸びてもおりますし、取り扱い量の増加等にかんがみまして、やはりそれ相応の経費を使用していくということが妥当なことかと任じます。で、私どもも、そういうような見地から、たとえば局舎の設備の負担部分というものの場合でも、またあるいは、窓口施設の改作にあたりましても、現在の郵便局、特に小局におきますと、やはり貯金、為林事業が一審大きな比重を占めておりますので、そういう方面で少しでも役に立ちたいと、こういう考え方は持っておるわけでございます。したがいまして、先ほど経理局長から御答弁申し上げましたように、建設費におきましても、三十九年度は郵貯特別会計の設備負担金は八億八千万円でございましたのを、四十年度は二十二億五千三百万円と、こういうふうな増額を見ておるわけでございます。したがって、また、窓口施設関係におきましても、十分とは言えませんけれども、本年は一億数千万円特に貯金関係から負担いたしまして増額を見たわけでございます。大体考え方といたしましては、できるだけそういうふうな事業の伸びを見ながらやっていきたいと思っておりますが、何ぶん御承知のように、郵便局自体は三事業の総合的な経営になっております関係で、それぞれの一応負担金の基準のワクはある程度これは守っていかなければならぬということは、先ほど経理局長答弁のとおりであります。
  39. 横川正市

    横川正市君 いまの問題は、ひとつこれはぜひ検討をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。それからもう一つ利用者負担という精神ですね。それからもう一つは、公共性という義務ですね。しかし、この公共性と利用者負担とのかね合いというのは、きわめてこれはむずかしい問題だと思うのでありますけれども、たとえば新設局をする場合に、局間距離とか享便戸数とか、そういったものに一つの基準を持っておるようですが、その局間距離とか享便戸数というのは、言ってみれば、たとえば貯金の目標が幾ら、保険の目標が幾ら、為替の取り扱いが幾ら、それから郵便取り扱いについてはどの程度、そこで、市内については三人局、市外については二人局という基準は、いわゆる経常としては赤字にならない度合いというものを基準にしているのか、それとも、公共性がきわめて強いので、そういったことは無視して、単に享便戸数と、それから局間距離ということで置局をしていくのか、このどちらをとっておられるのでしょう。
  40. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 郵便局は、郵便貯金保険の三業を経営しておりますけれども、窓口機関としては、貯金郵便ということがほとんど主になっているかと思います。  窓口機関の設置の基準でございますが、郵便事業の観点からしますと、窓口機関をふやしたから非常に取り扱いがふえるというようなことはあまりありません。若干はございますが、あまりありませんで、結局、窓口機関をふやすことば、公衆の利便を増していくという観点からやっていくわけでございますが、同時に、あまりその公衆の利便ということに重点を置き過ぎまして、非常なへんぴなところ、利用者の少いところ、距離の短いところ等に置きますと、経営上非常にマイナスの度合いが激しくなっていくという点からしまして、ただいまの程度の基準でやってまいっているわけでございますが、現在のやり方にしましても、たとえば無集配局の局長と局員一人ずつ、合計局員二人というような状態は、局員側からも、局長側からも、あの状態は非常にやっていきにくいという声なども、最近かなり強くなってまいりまして、そういうことなども、今後の置局のことについては、ある程度考慮する必要があるんではないかというような考え方もしているわけでございます。
  41. 横川正市

    横川正市君 私は、いまの問題点種々ありますけれども、裏街道には郵便局、表街道には銀行なんていうのではなしに、郵便マン、郵政関係の仕事をする人は、もっと、がめつく金をもうけてやろうというくらいの気持ちがあって仕事というのはやっていっていいんじゃないかという点、これはあまり消極的だから、私は積極的な意見を言うわけで、その調整は、皆さんが経営しているわけですから考えてやっていただきたいと思うのですよ。  そこで、ことしの予算では、一応被服関係ですね、資材関係で、品質改良というのが予算化をされたようです。ところが、この改良は一体、何年たったら改良されたものが全体に行き渡ることになるのか。それから、この更改については、おそらく計画があってやられているんだろうと思いますが、その計画がどういう関係を考慮された計画になっておるのか。ことに被服関係では、日本のように南北きわめて長い地域の被服については、改善の余地が私はあるのではないかと思うわけですが、一律同一種類でもって全国を対象とする被服計画、こういう計画でまだ進められるかどうか。それから被服の生地は、本省の皆さんはできてきた新しい服を見るから、非常に品質がよくなったように思うわけですが、あれを一年なり外を歩いた人の損粍率、二年なりの損粍率などというのを実際検討してみて、品質改善というのをやったのかどうか。ことし改善されたものはどんなのかわかりませんけれども、いままでのやつは少しひど過ぎるのじゃないかという気がするわけです。そういう点から、改善についてどういう配慮をされたのか、その点合わせてひとつお伺いしたいと思います。
  42. 鶴岡寛

    説明員(鶴岡寛君) まず第一点でございますが、冬の制服は、四十年の十一月から更改を始めまして四十二年の十一月で終了いたす予定ございます。夏の制服は、四十一年の五月から四十三年の五月までに更改を全部終了する予定になっております。その他作業シャツは、四十年の十一月から四十一年の十一月、そのように取り計らっておるわけでございます。  第二点の地域差の問題でございますが、確かに御指摘のように北海道も九州も同じ被服であるということは、合理的でないわけでございます。従来とももちろん若干これに対する配慮はいたしておりまして、たとえば北海道であればスキー型の冬帽を支給するとか、あるいは軽快であたたかいアノラックを至急しておる。あるいは長ぐつを比較的長く着用しますので、長ぐつの貸与期間を他の地域よりも短縮しておるというような配慮は加えておったわけでございます。しかし、それだけではもちろん不十分でございますので、現在考えておりますのは、たとえば北海道のようないわゆる極寒地域には防寒ぐつとか、あるいは防寒手袋を支給する、あるいはまた東京以西、いわゆる西日本の地域には帽子も夏帽を支給し、そしてまたいつも軽くて風通しのいい夏ぐつを支給するとか、そういうことを現在検討中であるわけでございます。ただしこれらの点については、まだ四十年度の予算では成立を見ておりませんので、この四十一年度の予算要求をして、そのような措置をしたいと考えておるわけでございます。  それから第三点の生地は、制服につきまして、着用後一年あるいは二年たったあとが問題ではないかという御質問でございますが、確かにそのとおりでございまして、私ども今回の生地の改善をいたします際にも、特にその点に配慮いたしたわけでございます。すなわち、まず従来一年、二年いたしますと型くずれがする、そしてまたよれよれになるという点に配慮いたしまして、従来毛、そしてスフ等の混紡でありましたものを、毛とテトロンの混紡にして、まあいわば生地に張りを持たせるということを考え、さらにまた裏土地、しん地、そういうものにも十分配慮をいたしまして、型くずれや何かその他の防止を考えたわけでございます。さらに、色が何となしに日光で焼けて褪色をするという問題についても、特に染色の技術の向上に力を注ぎまして、数回メーカー側の染色担当者も省に呼びまして、そうしてまあ、現在日本考えられております最高の染色の技術を今回取り入れたつもりでございます。ただし、褪色にはいわゆる日焼けのほかに、ほこりが付着しまして、そのために色ざめがするという点もございますので、今後着用者諸君に対しまして、被服の手入れについても十分考慮をしてくれるように指導もしたいと存じておるわけでございます。
  43. 横川正市

    横川正市君 この被服の発注は、織り方とか糸とか、そういったものの選定をやって、規格に合ったものを郵政省自体でとるというかっこうは、そのまま継承しているわけですね。  それからもう一つは、この被服は三年で更改するわけですが、一年の被服予算は幾らでしょうか。
  44. 鶴岡寛

    説明員(鶴岡寛君) ただいまの第一の質問に対しましては、御説のとおり、そのとおりでございます。生地をメーカーから買い入れて、これを縫製業者に縫製させるという形をとっております。  被服の予算は、四十年度の予定額といたしましては、十億四千百五十七万四千円でございます。これにはもちろん作業シャツその他一切を含んでおるわけであります。
  45. 横川正市

    横川正市君 昔、天里が地方に行幸すると、被服の更改の年数にかかわりなしに、新しい被服を支給したものなんです。まあ予算関係もあることなんですけれども、私は、新しいのができたなら、なるべく早く着せる方向に努力すべきだと思うのです。三年で更改しますといっても、三年目の人はたいへんきたないものを着ているというかっこうになる。更改の年数、その他予算も要ることですから、これはひとつ検討していただきたいと思います。  大臣、この問題とはちょっと別個なんですが、関連性を持たせて一問だけ質問しておきたいのです。全逓との間の紛争が、最近いよいよ何かきびしくなってきたようで、そのきびしさの中で、大臣自体はこの当事者能力というのをどういうふうにお考えになっているかという点で質問しておきたい。最初何か五百二十円という回答が出ましたね。地方に行ってみますと、大臣の当事者能力五百二十円ということになっております。当事者能力が五百二十円ということで、まあそのあとで、周囲の賃金の上昇情勢があれば、また何か考えられるそうだ、こういうつけ足しがついているわけなんですがね。私は、これはいってみれば私も同僚なんでして、処分を受けて、そうしていやな思いをして問題を解決をしたその額が、たとえば三千円だった。ところが、一体郵政省で出す金があれば、さっさと三千円出して、もうたたいたけれども、これだけだ、これでひとつ何とかしてくれと、そういうことで処分というようなことのない問題の解決があって、それが当事者能力じゃないかというふうに私思うのですが、当事者能力として五百二十円というのは、大臣どういうおつもりでこれ提示された金額なのか。実はこのままずっと持ち込んでいきますと、やはりいろいろな問題が起こってくるわけですが、もし出すならば、問題が起こらないうちにさっと出して解決をしておいたほうがいいんじゃないかというようなかけ引きもあるでしょうが、その点はどうでしょうかね、実際には。きょうも新聞で大臣の何か訓示を見まして、非常に積極的に管理者を督励されているようですが、問題はその督励のことも大切ですが、問題の解決も大切なんで、その解決に当事者能力としての郵政大臣は、どうこれからこれを発揮して解決されようとするのか。この点お聞かせできればひとつお聞かせいただきたいと思うのですが。
  46. 徳安實藏

    国務大臣徳安實藏君) 当事者能力の考え方並びに現在の情勢等につきましては、各方面からいろいろと議論されておりまして、私も郵政省に参りましてから非常に勉強さしていただきまして、いまの五百二十円という私のほうから出しましたものそれ自体に、私自身も個人的には満足しているのではございません。もう少し抜本的な考え方で対処すべきであるという気持ちもございましたが、やはりこれは郵政省だけの仕事でございませんで、他にも関連する同じような三公社五現業がございますために、やはり合わせなければならぬ点もございますし、国の関係している事業であるという点から、私どもだけが独走できないということもございまして、ああいう形になっているわけであります。しかし、これは労働大臣がしばしばそういうことも話しておりますように、あの当時の段階では、一つ考え方としてああいう案を出したわけでありますけれども、他のほうの民間等の労働条件等が改善される時期にもなっておりますから、そういうものとも見合わせをしながら、今後円満に話を収拾したいということが、政府の基本的な方針でございます。決してあれで満足しておるのでもなければ、また相手方もそれでいいと思っておられないと思います。  当事者能力の問題でありますが、私はかつて総理府におりましたときから問題がありまして、こういう問題は事務ベースではとても話が煮詰りませんから、もう少しこれは与野党で話し合って、そして法律改正すべきものはし、また政府として幅のある行き方ができるならばできるように、ただいまの習慣でございますとか、大蔵省との関係を早く直すべきではないかと、ただ事務的にやっておりましても、やはり法律がございますし、過去のいきさつもございますから、それを押しのけてというわけにまいりません。かりに予算の面におきましても、国会で承認を受けなければならず、あるいはまた決算におきましても、そういう形になっておるわけでありまして、女出だけは自由にしていい、収入のほうはそういうわけにいかない、国会の承認を得なくちゃならぬというようなことでありますと、やはりそこにもぎごちないものができてまいりますので、もう少しワクをはずして、そうして政府のほうで各三公社五現業とも足並みが大体そろう程度に、もちろん民間のようにはまいらないと思います。しかし、時勢を考えながら、仲裁裁定を得なくても調停の段階において、あるいはその以前において話し合いがつくならばまとめていいのだというところにまいりますのには、やはり収入というものを考え、さらに支出というものと均衡がとれるようにせねばならぬような関係もございまして、そうするというと、収入の面におきましてまあ料金だとか運賃だとかいうものを、何らかの違った形の機関においてきめれば、政府の行政責任者としてやってよろしいというような話し合いも与野党のうちにできたりいたしますれば、私はもっとスムーズにいくんじゃないか。しかし収入の点は法律で押えられておりまして、支出だけはやれ、もし足りなければ借金でいいじゃないかというわけにもまいらぬ節もございますので、そこにも非常に悩みがあるわけであります。これは国会の審議権等もございますのですから、与党が幾ら力んでみたところでだめなんで、野党とも話し合って、そして一つの線を出したらどうかという話をもっぱらいたし、最近までそれを言っているわけです。もっと腹を打ち割って与野党で話し合ってみたらどうですかと言っているのですが、そこまでいかぬうちに、いろいろ責め立てられるものですから、今度できます公務員の何か審議会に一応根本的なものは検討させよう。そのほかいまのワクの中で大蔵省さえも了解すれば、法律改正しなくても融通のつきそうなものだけはひとつ改めてもらって、そして少しぐらい私どもがゆとりのある考え方で措置できるようにしてほしいというような二段がまえでいまやっているわけであります。決して私どももいまのような行き方がいいとは思っておりません。何とかひとつお話し合いをして、そして仲裁裁定を受けなければどうにも動きがとれないのだということでなしに、裁定にいかなくても調停の段階でも、あるいは話し合いの段階でも、収入の道があってそして自分のほうではこれぐらいは支出しても、この事業には大きな赤字にならぬ。もし赤字になる場合でも、こういう処置をとれば、次の機会にまたこういうことができるのだと、つまり会社を経営する社長なり専務や重役会で会社の収支を考えながら組合と話し合いができる程度に、何か考えていただくことができますれば、あるいは法律上の制約も解いてもらうこともできたり、あるいはまた大蔵省との相談の上においても理解し得るような問題ができますれば、非常に望ましいのではないかと、ただ、いまでは両方とも安易な道と申しますか、法律をつくらなくても、国会の承認を得なくても出せる道は何かと、これは仲裁裁定以外にない、それ以外は絶対にまかりならぬというのがいまのたてまえでございますから、ですからそこに到着するまでの段階でいこうというような形でございますから、私は非常にこれは不満足だと思います。早くそういうことのないように話し合いで、一発即話し合いというようなことができるような事態に早くなりたいものだと、かように考えておるわけでございます。
  47. 横川正市

    横川正市君 ひとつその点は十分努力していただきたいと思います。私は当事者能力というものは、いろいろな拘束があっても、相手方と話し合って解決するのが、当事者能力だと思うわけですね。その当時者能力を完全に持つように努力をしていただきたいと思いますし、関係閣僚とも相談をしていただきたいと思います。  最後に人事関係ですが、この「通信文化」をちょっとのぞいてみたら、いかにして職員に将来の希望を持たせ、いかにして勤労意欲を高めるかに重点が置かれて、来年度から郵政の人事制度というものが諸政策が遂行されるそうですが、これは総体的に見てどういうことをやろうとお考えになっているのですか。たとえばまあここには特別昇給というような給与面ではそういったことがぽつんと出ておりますけれども、これでは全体の職員が希望を持ってやれるわけはないので、一部の人間だけが満足するということになりますが、そういった点で、全体の職員に対して希望を持たせたいという気持は、私はわかるのでありますが、その方策としてこれはどういう検討をされた結果として考えられているのか。総体的なものをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  48. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) その雑誌に出ました「人事制度上の諸方策」という記事につきましては、当局におきまして各課からいろいろな意見を出させまして、その意見の取りまとめたものか、そこに載ったような次第でございます。したがって、まだ省全体としてただいま御指摘の特別昇給制度を最終的にどうするかという問題につきましては、きまっておらぬわけでございまして、全く人事局内の、しかも各課の案だというぐあいに御理解いただければありがたいと思います。なお総体的に見てどういうことを考えているのかというお話でございますが、先生御指摘のとおり、私ども何と申しましても、多数の従業員をかかえております郵政事業におきましては、職員の勤労意欲を向上させ、一人々々が自分の能率を最高度に発揮していくということに、郵政事業の栄枯盛衰がかかっていると考えますので、その点を最大の眼目としまして、そこにお持ちのいろいろな方策を検討した次第でございます。
  49. 横川正市

    横川正市君 私はこれには非常にいろいろな意見がありますが、まだきまってない案だと言いますから、要望を一つだけしておきたいと思います。郵政事業というのは、言ってみれば、人で動いている仕事だと、こういうことになりますね。だから、人件費をまかなうのに、三事業通じてみて非常にいつも苦労させられている仕事だと、こういう感じ方が非常に粗いのが、郵政事業の特質だと思うんですよ。そうではなしに、私は事業全体が、たとえば事業全体を一〇〇として八三%が人件費だと、こういう言い方を、人件費をどうするということでなしに、収入の全体を高めて全体の中で五〇%と、そういう持って行き方というものは、やはり事業経営の立場からあると思いますよ。それが、いま大臣の言うように、与野党協力して、料金値上げだということになってしまうかと思いますけれども料金問題だけでなしにいろいろ考えられる点があるんじゃないか。その点をひとつ十分検討してもらいたいと思うんです。そうすることによって、私はどうも八三%も人件費がかかる事業だなんというと、計数的に言うと破産しそうな事業に見えるわけですが、しかし、依然として郵政事業もありますし、これからも発展していくわけですから、そういう点で人件費の占める割合というものが、事業にどういう関係を持つかという点については、いまのようなうしろ向きでなしに、もう少し前向きな形で解決する方法で、考え方というのはとっていただきたい。これは総体的なものとして、私は希望を持って働かせる意味の基礎になるんだと思っておるわけなんですよ。  それから、もう一つ、この間中央郵便局へちょっと行きましたら、三千人近い人がいるわけですが、そのうちの千二百何ぼというのが、いわゆる私立大学卒業者なんですね。私立大学というのは何をやるところかというんで、私がいろいろ検討してみたんですが、資格でもないしということになれば、教養だけ高めるということになるのか、しかし、何か大学へ行ってそれを自分のかてにしようとする意欲というのが、どうも郵政省に就職してからというか、役人になってからのほうが、総体的な意見になるかと思うけれども、なってからそういう勉強しようとか、身につけようというものが実際に生かされておらないんじゃないか。そういう点が非常に強く私は感ずるわけなんですよ。もちろん郵政事業の場合には、年功積み重ねで、生活というのを立てていくというものが相当多いわけですから、その岡には、いわゆる満足のいくような役職につけてだんだんそれを高めていって、そしてその個人は満足しても、大半が満足しないというものがあれば、これまた問題の起こる事業ですから、そのかね合いというものは、私は十分な調和をとりながら、もっと人材を生かす方法というものはないものかと、こう私ども考えるわけで、その点をひとつ、これからの事業の中のいわば能力を活用する意味で、何か方策というものがあっていいんじゃないか。そういう点を考えますので、その点と合わせて二つだけこれは要望として申し上げておきたいと思います。  きょうはこれで終わります。     —————————————
  50. 占部秀男

    委員長占部秀男君) この際、委員異動についてお知らせいたします。  本日、石田次男君が委員辞任され、その補欠に辻武寿君が選任されました。     —————————————
  51. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 光村君。
  52. 光村甚助

    ○光村甚助君 かねて不審な点で、開き直ってお聞きするほどのことはないんですが、いい機会ですから、時間の関係上四点ほど続けて質問しますから、お答え願いたいと思います。  まず、第一点は、先ほど横川委員からお話がありましたように、答申案の中に封筒の規格の問題がございますね。これは、私は平生から郵政省の皆さん方におすすめしているんですが、郵政審議会の方から答申をいただかなくても、私はできる問題だと思うんですよ、封筒の規格を早くきめるというような。ことは。郵政省でやれば風当たりが強いからおやりにならないのか、郵政審議会がそういう答申をすれば、そこへ風当たりをよけるつもりでおやりにならないのか。実際に日本の封筒というものはでたらめだと思う。これを一ぺんにおやりになると、つくっている民間会社あたりから、相当風当たり強いと思いますがね。ただ郵政事業近代化近代化といっても、封筒の規格を早くしないと、いつまでたっても、区分機をつくったって意味ないですよ。ここにもこういう大きな封筒から、ソ連大使館から送ってくる雑誌がございますが、まだこれよりか大きいんですね。最近日本の私らの使っている郵便受けというのは、こういうのが入るようなあれになっていない。ただ一種か二種が入るくらいの郵便受けなんです。それだから、ポストに入れずに一軒一軒家に持っていかなければならない。どうして早く封筒の規格をおきめにならないのか。世間の風当たりを心配なされておるのか、あるいは封筒つくっているところに気がねされているのか。こういうことでは、幾ら口だけで近代化を唱えても、これは無意味だ。これが一点。  それからもう一つは、最近郵便屋さんが犬にかまれるので、催涙弾かなんか薬を持っていかれるということが新聞に出ていました。これは私が議員になってしばらく、三十四年か五年に国会を通ったはずですが、その時分にお聞きしますと、一年に七千人くらい犬にかまれるという報告があったんで、それはけしからぬじゃないか。郵政省というところは犬にかまれてまでもそんなにサービスの押し売りをしなければならないのかということで、犬のいる家にはよくつないでくれ、そういう家に配達しなくてもいいのだという法律ができた。それにもかかわらず、まだまだ犬にかまれている人がたくさんいる。これは実に嘆かわしいことだと思うのです。あまり犬を撲殺したりすると、貯金保険の募集にも影響すると思うのですが、それ以前に、私はかまれること自体がたいへんだと思う。その薬でも、どろぼうに使われたりしたらたいへんですよ、犬のいる家に夜に行って。その前に、どうしてもう少し犬を飼っている家に強力な措置をとらないか。これが二点。  それから、第三点は、さっきの郵便局舎の問題です。局舎ができても、二年くらいしたら、年賀はがきのときにバラックをつくるのですね。たいがいの郵便局がそうなんです。四階か五階かやっておけばいいのだ。三階くらいでやっているから、また二年くらいしたら足さなければならない。郵政省の気持ははわかります。大蔵省あたりで相当予算をもらえないから、そういうことになるのだと思うのですがね。薄く広く郵便局を建てる。たくさんの申し込みがあるから手を広げる。そうすると、そういったような狭い局舎ができる。そういう三年くらいしたらまたバラックをつくるとか、あるいは上に継ぎ足すということをするよりか、厚く重要なところからやったほうがいいのじゃないか。そういう点についてお考えになったことがないか。これが第三点。  それから四点目は、郵政省の機構のことですが、行政簡素化で局の増資なんということは認めないということですが、一体郵政省の郵務局というのは、あれ一つでいいのかということです。例をとっては悪いのですが、電電公社というところは、昔逓信省の時分には、あれは工務局と電務局ですか、あれが非常に大きくなって一時電通省になりました。それからいま電電公社になって局が十二もありますね。しかし、郵政省もこんなにやれとは言いませんが、片のままに郵務局一つで、はたして仕事が円満にいくのかどうか。この点も私は平生から不審に思っている。その点四つについてお答え願って、そして、答弁が気に入らなければ、また次の機会質問いたします。きょうは四点だけをお聞きしておきたい。最後の点は、ひとつ大臣から。
  53. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまの御質問の中  の封筒の規格化の点でございますが、郵便法の関係からしまして、差し出されます郵便の形などについて、相当これを、規格化を要請していくということもできないわけではありません。実は取り扱いそのものからして、規格化されてなければどうしても困るというような、いわばそこまで進歩しておる場合に、初めて強く要請もできるというような感じもいたします。いわばまあ、両々相まって進めるということが、この郵便物の規格化の問題ではないかと思っておりますのですが、ただいまいろいろ研究委託をしたり、あるいは試作を委託したりしております内部区分機等からしますと、非常に厳密な、一種類あるいは二種類のものでなければどうにもならぬというところまで、現在のところまだ発達しておりませんので、逐次全体として取り扱いやすいような郵便が出るということで進めているわけでございます。で、JIS委員会のほうの有力メンバーとしまして、私どものほうも通産省その他関係人たち協力してやってまいりまして、いままではほとんど無限といってもいいぐらいにありました封筒の規格が二十二種類に、三十七年でございましたか、九年でしたか、ちょっと忘れましたが、二十二種類になり、さらにことしの二月からして、その規格の数も少なくなってきているわけでございます。今度の答申でございますが、委員会答申がなければできないとか、できるとかという問題になりますと、それは先ほど申し上げましたように、いろいろ法的な裏づけ等によってもできるわけでございますが、私ども考えております方向等につきまして、委員会方々の御意見も伺ってまいるというようなことからしまして、委員会のほうにも規格の問題についてお願いし、またああいう答中をいただいているわけでございます。結論といたしまして、将来の区分機の発達等に関連しまして、あるいは現在よりもさらに数の少ない規格等を要請しなければならないんじゃないかというふうにも考えておりますのですが、現在はこの答申にございます長さ十四センチから二十三・五センチ、幅九センチから十二センチ厚さ〇・五センチ以内というようなものを、現在の段階では最も扱いやすい、好ましい郵便物の形として考えておりますし、その中で、この範囲の中で、ちょうど最小このぐらい、最大このぐらいになりますが、この範囲の中で、ただいまのところ三種類くらいの規格を、私どものほうは特別推奨規格ということで進めてまいりたいというふうに考えております。なお非常に大きな封筒等が、郵便取り扱い上好ましくないことは仰せのとおりでございますけれども、いろいろ出されます郵便物等の内容によりまして、規格内におさめることが不可能あるいは不適当なものもございますので、そういうようなものにつきましても、道を閉ざしてしまうことは、少しまだ無理ではないかということからしまして、扱い上の料金、あるいは送達等の扱い上の差を設けることによりまして対処してまいりたいというように考えておるわけでございます。  第二の犬の関係でございますが、非常にくせの悪い犬がおって被害を受けた、あるいは非常に受けやすいようなところについては、犬をつなぐことを要請し、それを聞かれない場合は配達しなくてもいいというような法的な裏づけをつくっていただいておるのでございますが、極端にそのことが非常にはっきり出ているということでもないような事態で、被害を配達員が受けたりすることも間々ございまして、そういうようなためにああいう薬もできましたことでもありますので、薬の管理については、よく気をつけるということにしました上で使用してみることにいたしたわけでございます。
  54. 光村甚助

    ○光村甚助君 一般の人も買えるのですか。
  55. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 一般の人が買えないようなたてまえにはなっていないのではないかというように考えます。そこのところは私あまり詳しく存じておりません。  なお、局舎が新築されたら、すぐ一、二年のうちに狭くなってしまうというお話につきましては、ただいまのお話しのように、予算のワクが片方ではある、片方では増改築をしてもらいたいという数が非常に多いということからしまして、そういうような点もございましたですが、最近におきましては、五カ年計画が大体進捗いたしまして、将来の郵便物数の増加等につきましては、ほぼ十年程度先というものを見込みまして、広さ等をきめていくということにしております。ごく最近できました局舎につきましては、仰せのようなことはなくて済むかと思います。ただ、たとえば東京近郊地のように、私どもが予想しておりましたよりも、はるかに激しい速度で膨張していくような、郵便物数がふえていくようなところにつきましては、今後ともよく気をつけてまいるつもりでございますが、比較的新しくできた局舎で狭過ぎるようになるということも、幾つか例を経験しているわけでございます。それらにつきましても今後特に気をつけてまいりたい。
  56. 徳安實藏

    政府委員徳安實藏君) 郵務局の仕事の量並びにいまの局だけで、一局でいいのかというお話でございますが、電電公社等の例から考えましても、郵務局がこのままの機構でいいということは考えておらないようでございまして、郵政省としましても、機会あればさらに拡大と申しますか機構の改正も行ないたいという意思を、もともとから持っておるようでございます。ただ政府のほうで、法の改正、あるいはその改正も大きくなるような改正は、なるべく押えたいという歴代の内閣の方針で、実際はそういうことを頼みたくとも頼み切れなかったという実情でございます。今年あたりは少し改正等がございましたが、これは大体政府のほうで、臨時行政調査会のほうで答申をもらいまして、その答申の中に織り込まれておる線につきましては、大体与野党とも国会でも御承認を得るだろうということで局の新設、あるいは部の新設等はお願いしておりましたけれども、あの調査会の答申に漏れました分につきましては、一応御遠慮するというような方針で、一例をあげますれば、総理府の青少年局等は、政府としてはぜひというお話もありましたけれども、昨年の経緯もございますので、それが答申に漏れておるというようなことから御遠慮申し上げて、政府としてしばらく推移を見たらよかろうということで、差し控えをいたしました。そういうような関係で、どうしてもいずれ機構の大改革をせねばならぬ時期がもうきておると思うのであります。行政調査会の答申そのままを実行できるかどうかは、別問題といたしまして、少なくもそうした線に乗って改正すべき時期がきておると思いますので、政府でも、これに対して検討を加えておる最中でございますから、そういうときをとらまえまして、量の非常に多い、そうしてしかも国際的にも重要な役割りもいま演じているわけでありますので、国内的ばかりじゃございません、そういうふうな問題をこのままほっておくこともいかがかと考えますから、十二分に検討もいたします。また同時に、必要も私ども認めているわけでありますが、ただ、いままでそれを予算化することができなかったというところには、そういう意味がございましたということを、ひとつ御了解いただきまして、郵務の仕事の関係で渋滞をいたしましたり、あるいはかかえきれぬほどの大きな仕事を一局でかかえ込むということも、これは考えなければならぬことでありますから、今後十分検討いたしまして、他局のほうに多少の制約を加えましても、必要な部門に対しましては拡大することも、もちろん考える必要があると思いますから、慎重に研究いたして、善処いたしたいと思います。
  57. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後零時三十一分散会      —————・—————