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国務大臣(
徳安實藏君) 当事者能力の
考え方並びに現在の情勢等につきましては、各
方面からいろいろと議論されておりまして、私も
郵政省に参りましてから非常に勉強さしていただきまして、いまの五百二十円という私のほうから出しましたものそれ自体に、私自身も個人的には満足しているのではございません。もう少し抜本的な
考え方で対処すべきであるという気持ちもございましたが、やはりこれは
郵政省だけの仕事でございませんで、他にも関連する同じような三公社五現業がございますために、やはり合わせなければならぬ点もございますし、国の
関係している
事業であるという点から、私
どもだけが独走できないということもございまして、ああいう形になっているわけであります。しかし、これは労働大臣がしばしばそういうことも話しておりますように、あの当時の段階では、
一つの
考え方としてああいう案を出したわけでありますけれ
ども、他のほうの民間等の労働条件等が改善される時期にもなっておりますから、そういうものとも見合わせをしながら、今後円満に話を収拾したいということが、政府の基本的な方針でございます。決してあれで満足しておるのでもなければ、また相手方もそれでいいと思っておられないと思います。
当事者能力の問題でありますが、私はかつて総理府におりましたときから問題がありまして、こういう問題は事務ベースではとても話が煮詰りませんから、もう少しこれは与野党で話し合って、そして
法律の
改正すべきものはし、また政府として幅のある行き方ができるならばできるように、ただいまの習慣でございますとか、大蔵省との
関係を早く直すべきではないかと、ただ事務的にやっておりましても、やはり
法律がございますし、過去のいきさつもございますから、それを押しのけてというわけにまいりません。かりに
予算の面におきましても、国会で承認を受けなければならず、あるいはまた決算におきましても、そういう形になっておるわけでありまして、女出だけは自由にしていい、収入のほうはそういうわけにいかない、国会の承認を得なくちゃならぬというようなことでありますと、やはりそこにもぎごちないものができてまいりますので、もう少しワクをはずして、そうして政府のほうで各三公社五現業とも足並みが大体そろう
程度に、もちろん民間のようにはまいらないと思います。しかし、時勢を
考えながら、仲裁裁定を得なくても調停の段階において、あるいはその以前において話し合いがつくならばまとめていいのだというところにまいりますのには、やはり収入というものを
考え、さらに支出というものと均衡がとれるようにせねばならぬような
関係もございまして、そうするというと、収入の面におきましてまあ
料金だとか運賃だとかいうものを、何らかの違った形の
機関においてきめれば、政府の行政責任者としてやってよろしいというような話し合いも与野党のうちにできたりいたしますれば、私はもっとスムーズにいくんじゃないか。しかし収入の点は
法律で押えられておりまして、支出だけはやれ、もし足りなければ借金でいいじゃないかというわけにもまいらぬ節もございますので、そこにも非常に悩みがあるわけであります。これは国会の
審議権等もございますのですから、与党が幾ら力んでみたところでだめなんで、野党とも話し合って、そして
一つの線を出したらどうかという話をもっぱらいたし、最近までそれを言っているわけです。もっと腹を打ち割って与野党で話し合ってみたらどうですかと言っているのですが、そこまでいかぬうちに、いろいろ責め立てられるものですから、今度できます公務員の何か
審議会に一応根本的なものは
検討させよう。そのほかいまのワクの中で大蔵省さえも了解すれば、
法律を
改正しなくても融通のつきそうなものだけはひとつ改めてもらって、そして少しぐらい私
どもがゆとりのある
考え方で措置できるようにしてほしいというような二段がまえでいまやっているわけであります。決して私
どももいまのような行き方がいいとは思っておりません。何とかひとつ
お話し合いをして、そして仲裁裁定を受けなければどうにも動きがとれないのだということでなしに、裁定にいかなくても調停の段階でも、あるいは話し合いの段階でも、収入の道があってそして自分のほうではこれぐらいは支出しても、この
事業には大きな赤字にならぬ。もし赤字になる場合でも、こういう処置をとれば、次の
機会にまたこういうことができるのだと、つまり会社を経営する社長なり専務や重役会で会社の収支を
考えながら組合と話し合いができる
程度に、何か
考えていただくことができますれば、あるいは
法律上の制約も解いてもらうこともできたり、あるいはまた大蔵省との相談の上においても理解し得るような問題ができますれば、非常に望ましいのではないかと、ただ、いまでは
両方とも安易な道と申しますか、
法律をつくらなくても、国会の承認を得なくても出せる道は何かと、これは仲裁裁定以外にない、それ以外は絶対にまかりならぬというのがいまのたてまえでございますから、ですからそこに到着するまでの段階でいこうというような形でございますから、私は非常にこれは不満足だと思います。早くそういうことのないように話し合いで、一発即話し合いというようなことができるような事態に早くなりたいものだと、かように
考えておるわけでございます。