○国務
大臣(
徳安實藏君) この問題につきましては、衆議院側でも強い御
要請がごさいました。私はかつて総務長官時代に八重山にも宮古局にも参りました。むしろ私が火つけ役だったと思います。非常に猛烈な
要望を聞きまして、そうして当時高等弁務管にも、ずいぶん口をすっぱくして私は談判いたしました。当時
NHKのほうでも何か歯が立たぬような形のようでごさいましたけれ
ども、私はずいぶんその当時も、当時の
会長と話をしまして、早く行動をとるようにしなさい、いずれは一本に返る場所ですから、マイクロウェーブでまいりましても、いまの八重山、石垣島のほうはだめなものですから、あすこに二つの
商業放送がございますが、これをつぶすことはもちろんできませんけれ
ども、諸君に向こうにいくような施設をしろと言いましても、商業ベースで合わぬのです。結局これは特殊法人をこしらえますか、しからされば
NHKを向こうに延ばすか、私は二つに
一つでほかに道がないと思います。ですから、いまできておりまする
放送二つをかかえながら、彼らが生きていけるようにしながら、やはり同業
放送にあらざる
放送をあのほうに及ぼしていくということで、私は帰りましてから数回総理府で、
郵政省にも話をしますし、みずからも手を出して
調査をいたしました。十数億の金がかかるということでございますが、その金の調達が私はできれば
日本の援助によって、いま向こうで受け入れておるわけですから、その援助でやってやったらどうかという話もしたこともございます。高等弁務官がこちらに見えましたときも、
NHKを手引きしまして強硬に談判しました。いずれ
日本に返るのですから、返ったときは
NHKがどうしてもやらなければならぬのですから、いまから出したらどうですかということで、向こうも相当に反応があったように思うのですけれ
ども、とうとうまだ実現に至らずして今日に及んでおるわけでありますが、私はどう
考えても、理屈を言ってもしようがありませんから、金がある者がしてやるよりしようがないのですから、アメリカも話のしかたによりましては絶対だめだということはないと私は思うのです。こっちに熱意があれば。そうして
NHKを出させることを認めさせて、向こうに何を与えて、向こうのほうの費用は
NHKが負担してやる。しかしいまのものは殺さない、生かしていくという形にやる。
もう
一つ私の
考えは、これはあまりほかに話はしていないことですけれ
ども、いまアメリカと沖繩の間に、終戦直後から講和条約に至るまでの間に損害を受けているので、それを払えという
法律がアメリカにかかっておるわけです。そうしますと、これは八十億か九十億いまの
予定では向こうからくるわけですが、その前に
日本政府の沖繩に立てかえ金十億円出しておるのでございます。それは私が交渉いたしましたときにはアメリカでできるだけ厚意をもって八十億とか九十億の金を計算して通過させるようにして沖繩に出す。しかし、その出した金の中から一本政府が立てかえておる十億を持っていくということでは、そんな理不尽なことをするならアメリカは誠意をもってやれないという話がございました。当時私は大蔵
大臣とも話をしましたし、その当時総理とも話をしまして、十億やってしまえ、そうしてその十億でそこに
テレビをつけてやったらどうだ、そうすれば全然資本を使わないものができるんだから、そしてこれを
NHKが管理したらいいんじゃないかという話をしたことがございます。大蔵省ではそれをやるのもいいが、それは
法律を単独法で出さなければいけないからめんどうくさいから、一ぺん受け入れて経済援助の中で十億よけいやるということで、そのよけいやった中でそれをやろうという話も一時進んだこともあるわけです。けれ
どもアメリカのほうがぐにゃぐにゃしまして、十億の金はきまりません。何かの形で、営業でない、商売でない
NHKが、特殊法人が金を出してやる。そうしてその管理も少しくらい金が赤字でありましても、政府がめんどうを見るという形にしてやりませんとうまくいきません。私も向こうに行きまして、台湾や中共やわけのわからない
ことばの
ラジオばかり入って、
日本のものは
一つも入っていないのですから泣いて訴えているのです。ほんとにかわいそうです。これは一日も早くやりたいと思って、私はせんだって衆議院のほうでも話がありましたので、臼井君が向こうに行くときに話をしました。君、行ったら私からの引き継ぎだから、高等弁務官に強く
要請してくれということを話をしておいたが、せんだっても話をしましたら、したとは言っておりますが、しかし、なかなかアメリカはそう簡単には落城いたしませんから、みんなの力でわれわれの同腕を救うために力一ぱい応援をして早くやっていただきたい。来年は総理府のほうで
調査費も取りましたし、私
ども技術面においては専門家ですから、いつでも多少の犠牲を払っても総理府の
要請に応じまして、相たずさえて
調査もしてまいりたいし、また技術的な援助もするという申し出をしているわけでございます。