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1965-05-13 第48回国会 参議院 地方行政委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月十三日(木曜日)    午前十一時十二分開会     —————————————    委員異動  五月十一日     辞任         補欠選任      市川 房枝君     山高しげり君  五月十二日     辞任         補欠選任      北畠 教真君    大野木秀次郎君  五月十三日     辞任         補欠選任      加瀬  完君     大倉 精一君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         天坊 裕彦君     理 事                 竹中 恒夫君                 林  虎雄君     委 員                 井川 伊平君                 小林 武治君                 沢田 一精君                 高野 一夫君                 中野 文門君                 鈴木  壽君                 松本 賢一君    衆議院議員        修正案提出者   奥野 誠亮君    国務大臣       自 治 大 臣   吉武 恵市君       国 務 大 臣   高橋  衛君    政府委員       自治省行政局長   佐久間 彊君       自治省財政局長   柴田  護君    事務局側       常任委員会専門       員         鈴木  武君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のた  めの国の財政上の特別措置に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会開会いたします。  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、すでに提案理由説明は聴取いたしておりますが、去る五月十一日、衆議院において修正議決され、本院に送付されてまいりましたので、まずその修正点についての説明を聴取した後、補足説明を願うことといたします。修正部分について説明をお願いいたします。衆議院議員奥野誠亮君。
  3. 奥野誠亮

    衆議院議員奥野誠亮君) ただいま議題となっております地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正趣旨及びその内容について御説明申し上げます。  御承知のとおり、現在、地方公共団体議会議員に対する退職給付としては、地方公務員等共済組合法に基づく地方議会議員共済会による給付が行なわれておりますが、これは、多年にわたり地方公共団体において議会活動に従事した議員に対し、老後の生活を保障し、あるいはその遺族生活の安定をはかるという互助年金制度趣旨を受け継いで、公務傷病年金の場合を除き、議員としての在職期間十二年以上を要件とする年金給付であります。  しかしながら、地方公共団体議会の任務の重要性にかんがみ、これを組織する議員及びその遺族生活の安定に資するという見地からすれば、このような共済会給付はいまだ不十分であります。たとえば、現在、給付の原資は、議員互助の精神に基づき、報酬から拠出する掛け金にこれを仰いでいるのでありますが、退職年金の実績を顧みますと、地方議会議員の約六割が在職十二年未満退職するため、この制度の恩恵に浴さず、掛け金がいわゆる掛け捨てとなっているのが現状であります。また、同じく本共済組合法適用下にある地方公共団体の長等について、年金受給資格に達しない者に対する一時金支給制度が設けられていることと対比すると、退職給付制度上の均衡を失していると言わざるを得ません。都道府県、市及び町村の各議長会から、掛け金率引き上げを前提とする一時金支給制度の創設に対する強い要望が再々なされているのも無理からぬことと存ずるのであります。  以上の理由によって、この際、地方議会議員について退職一時金等支給を行なうこととするよう、修正を加えた次第であります。  次に、修正のおもな内容を御説明いたします。  まず第一は、退職一時金等支給に関してであります。  議員在職三年以上十二年未満退職し、または死亡した場合、共済会は、退職一時金または遺族一時金を支給するものとし、その額は在職期間の区分に応じて在職期間にかかる掛け金総額の七割ないし九割とするものと定めました。  第二は、退職一時金の支給を受けた再就職者退職年金等に関する調整についてであります。  すなちわ、退職一時金の支給を受けた後、再び地方議会議員となって退職年金を受けることとなった場合の年金額は、一時金の基礎となった在職年数に応じて一定の金額を控除することとするほか、同様な場合の公務傷病年金または遺族年金についても所要調整を加えることといたしました。  第三は、掛け金についてであります。  退職一時金または遺族一時金の給付に要する費用をまかなうため所要額保険数理に基づいて算定し、これに見合うものとして掛け金の率を標準報酬月額現行百分の五から百分の七に引き上げることとしております。  なお、この掛け金率引き上げは、一時金の給付に要する費用に充てるためになされるものであり、将来このため地方公共団体負担が加重されるおそれが生じた場合においては、掛け金率等につき、必要に応じて検討がなされるべき旨を附則において定めております。  第四は、在職期間として引き続く場合についてであります。  議員任期満了または解散による選挙あるいは市町村廃置分合等に伴う選挙によって再び議員となった場合等には、前後の在職期間は引き続いたものとみなし、当該退職にかかる給付支給しないこととしております。  第五は、経過措置等についてであります。  以上の措置昭和四十年六月一日から施行するものとするほか、昭和二十二年四月末以降施行日の前日までの在職期間は、一時金の支給資格基礎となる在職期間に算入すること、施行日前の在職期間にかかる掛け金の額は、一時金支給額の算定の基礎に算入しないこと等を定めております。  以上が修正趣旨及びその内容の概要であります。  何とぞ御賛同くださるようお願い申し上げます。
  4. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 次に、本案補足説明を願います。佐久間行政局長
  5. 佐久間彊

    政府委員佐久間彊君) お手元にお配りいたしております「地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案要綱」をごらんいただきながら、この法案の内容につきまして補足説明を申し上げたいと存じます。  第一は、恩給法改正に伴う措置でございます。  御承知のとおり、恩給制度につきましては、恩給年額の計算の基礎となっている俸給年額現行の二万円ベースから二割アップすることにより恩給年額増額するために、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしまして御審議をいただいておるわけでございますが、これに伴いまして、地方公務員退職年金制度につきましても所要措置を講ずる必要があるのでございます。  その(一)は、市町村職員共済組合支給する旧恩給組合条例規定による退隠料等年額改正についてでございますが、その年額恩給年額改定に準ずるよう改定することといたしております。これは旧恩給組合条例は、新共済制度施行と同時に失効しておりますため、この条例に基づく退隠料等増額について法律上の措置を講ずることといたしたわけでございます。なお、旧恩給組合条例以外の都道府県及び市の退職年金条例に基づく退隠料等につきましては、従来どおり条例準則を示す等の行政指導によりまして増額改定措置を講ずるようにいたしたいと存じております。  その(二)は、市町村職員共済組合支給する旧市町村共済組合法規定による退職年金等年額改定についてであります。その年額国家公務員共済組合支給する旧国家公務員共済組合法規定による退職年金等年額改定に準じ改定することといたしております。  その(三)は、退職年金支給についての高額所得停止基準是正についてでございます。退職年金以外の高額所得を有するため、恩給法取り扱いに準じて高額所得停止を行なっておる退職年金について、当該支給停止基準を今回の恩給法是正に準じて是正することにいたしまして、その支給に関する制限を緩和することにいたしております。  その(四)は、旧軍人加算年取り扱いについてであります。終戦後外地において抑留されておった旧軍人在職年恩給法上計算する場合におきましては、その抑留期間一ヵ月の加算年が認められることになったのでありますが、この加算年恩給法上の文官の在職年には算入されておりませんので、他の旧軍人加算年と同様に、組合員期間には算入しないことといたしております。  その(五)は、地方職員共済組合等支給する国家公務員共済組合法規定による退職年金等の額の改定に要する費用につきましても国家公務員共済組合取り扱いに準じ、恩給公務員期間及び旧国家公務員共済組合法組合員期間に対応する部分については全額国または地方公共団体負担するものとし、国家公務員共済組合法施行日以後の組合員期間に対応する部分につきましては、労使並びに国または地方公共団体の三者が負担することといたしております。  第二は、その他の事項についての処置であります。  その(一)は、職員団体事務に専従する組合員長期給付に要する費用のうち、いわゆる公的負担分に相当する百分の十五の額は、国家公務員共済組合法改正にならいまして、地方公共団体負担するように改正いたしております。  (二)は、旧町村職員恩給組合資産管理組合解散した場合におきまして、その権利義務当該町村職員恩給組合資産管理組合を組織していた市町村にかかる市町村職員共済組合が承継することにいたしております。  日は、健康保険組合職員期間取り扱いについてであります。地方公務員等共済組合法施行時または施行後に解散した健康保険組合職員であった期間で、解散の日まで引き続いている者につきまして、その期間を旧共済組合組合職員であった期間と同様に組合期間に通算することとするとともに、健康保険組合職員から地方公務員となった者の当該健康保険組合職員としての在職期間のうち、地方公共団体条例により旧長期組合員に準ずる取り扱いを受けておりました期間につきまして、前述の解散健康保険組合職員であった期間と同様に組合期間に通算することにいたしております。  その他、若干規定の備整を行なうことといたしております。  以上申し述べました改正措置のうち、恩給法改正に伴うものにつきましては、昭和四十年十月一日から、その他の事項に関するものにつきましては公布の日から実施することといたしております。  以上で補足説明を終わります。
  6. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 本案についての本日の審査はこの程度にいたします。     —————————————
  7. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案議題といたします。  これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。——ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  8. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 速記を始めて。  一時まで休憩をいたします。    午前十一時二十七分休憩      ——————————    午後一時十分開会
  9. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日付、加瀬完君が辞任され、大倉精一君が選任せられました。     —————————————
  10. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案議題として質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようでございますので、本案についての質疑を終了したものと認め、これより討論を行ないます。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  11. 竹中恒夫

    竹中恒夫君 私は、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案に対して賛成し、あわせて各派共同による附帯決議案を提案いたします。  案文はお手元に配付いたしておりまするので、朗読を省略いたします。  新産都市建設及び工特地域整備事業は、既成大都市における産業、人口の過度の集中を防ぎ、地域格差是正をはかり、国土の均衡ある開発発展及び国民経済の発達に資することを目的とし、本来国家的事業といえるものであり、国も財政責任を有すると考えます。その意味で、この法律案によって関係地方公共団体財政援助を受けることになるのはきわめて妥当な措置といえます。しかしながら、現在、新産十三地区及び工特地域について、総事業費六兆三千億円に達する基本計画がそれぞれ承認されておりますが、これによっては必ずしも十分な成果を期し得ない面もあり、その再検討が望まれるのであります。また、基本計画は、全計画期間を通ずる目標が示されたものであって、年度別事業別事業計画がまだ明らかになっていないため、地域ごと地方負担内容が必ずしも明確でなく、事業具体的施行等についての見通しが立てにくい状況にあります。今回の措置によって地方負担は相当緩和されるのでありますが、その負担額は膨大であり、なお負担の過重に苦しむ地方団体も考えられ、さらに、工業用水上水道等については、一定期間にわたり相当の先行投資が必要であり、また、県営港湾事業等に対する市町村負担金がかなりの額に達する場合も予想されるのでありまして、今後、財政援助措置が一そう充実強化される必要があります。また、新産建設事業債のほか、事業実施に必要な地方債についても、ワクの拡大償還年限延長利率引き下げ等について特段の措置が望まれるのであります。  以上の理由によりまして、ここに附帯決議案を提案した次第であります。
  12. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ほかに御意見もないようでありますので、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。  新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案全部を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  13. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました各派共同提出による附帯決議案を問題に供します。本決議案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  14. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 全会一致であります。よって本附帯決議案は、全会一致をもって本法律案についての本委員会決議とすることに決定いたしました。  それでは、ただいまの附帯決議について自治大臣の所信をお聞かせ願います。
  15. 吉武恵市

    国務大臣吉武恵市君) ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して検討していきたいと存じます。
  16. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) なお、本案審査報告書につきましては、先例により、委員長に御一任願います。本日はこの程度にいたしたいと存じます。次回は五月十八日火曜日午前十時開会の予定でございます。本日はこれにて散会いたします。   午後一時十四分散会      ——————————   〔参照〕    新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案に対する附帯決議  新産業都市建設及び工業整備特別地域整備に関しては、この事業が本来国の重要施策の一環として行なわれるべきものであることにかんがみ、国において特段の施策を要するものであるので、政府は左の諸点について適切な措置を講じ、もつて所期の目的を達成し得るよう努力すべきである。 一、建設整備は必ずしも充分な成果を期し得ない面もあり、経済情勢の変化に即応して今後基本計画を再検討するとともに、年度別事業計画を策定し、事業計画的執行を確保すること。 二、建設整備のための膨大な地元負担については事業実施状況とにらみ合せて特別措置対象事業範囲拡大、国の負担割合引き上げ、道県に対する特別措置内容等につき、引続き検討し、実情に即して改正に努めることはもとより、港湾事業等県営公共事業に対する市町村負担金工業用水道事業及び上水道事業を、特別措置対象とすること。 三、地方債については、枠の拡大償還年限延長及び利率引き下げ等措置を考慮すること。  右決議する。      ——————————