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鈴木壽君 たとえばいま
松本先生からお尋ねがあったような
事柄、これは何も
危険物という意味じゃございませんけれども、現場には、やっぱり
指摘されたような
事柄があるので、たとえば年に一回でもそういうことに対してどうなのかということの
査察といいますか
検査といいますか、そういうようなことがあれば、これは私、またぐっと変わってくると思うのです。
建物を
建てる場合にどうのこうのというので、
建築基準法とかあるいは
消防とか、いろんなことがあっても、もうできてしまえば、それに対する何らの
査察なり
検査なりというようなことは行なわれておらぬというのが、率直に言って、私は
現状じゃないだろうかと思うのです。もし
査察等がよく行なわれておれば、例としては、私のお聞きしたいこととちょっと違いますが、
奈良ホテルですか、そういうふうなこともなくなると思うのです。
災害が起こって、
あとからああだこうだとやりますが、ふだんのそういうことが行なわれないということが、
災害の発生の大きな
原因といいますか、そういうことになっているのじゃないだろうかと思うのです。たとえば、さっき申しましたように
東京なりあるいは
全国に
火薬を取り扱う
倉庫がもう相当な数になっておる、あるいは一千ぐらいあるのじゃないかといわれているのですが、かりに年一回でもあるいは年二回でも、的確にそういうことに対する
査察が行なわれておるかというと、必ずしもそうじゃないと思う。
石油タンクなりあるいはガソリンスタンドなり、その他いろいろそういう
危険物を取り扱っている
場所、これは
東京都内でも無数だと思いますね。こういうことに対して、常時目を光らせている——と言うと、少し
ことばが悪いのでありますが、
危険防止という
立場から、
災害防止という
立場から、やっぱりやっていかなければならぬ。それは
人員の不足とかいろんな制約があるかもしらぬけれども、不十分だということだと思うのです。
いろいろ法改正をやっても、それが一体どの
程度の効果をあげているかということに対して、私もやっぱり考えてみなければならぬと思うのです。ちょっと横道に入るようで恐縮ですが、さっき
長官が言った
消防法の
施行令の二十五条のこういうものを、たとえば厳格にこれをきちんと調べてみたら、これに適合してぴちっとやっているというところは、私は非常にさびしいものがあるだろうと思いますね。ともかく、そういうことで、もし人がなければ人をふやすということも、これはぜひしなければならぬということですね。さっき
大臣がお答えになったように、
人命尊重とか、こういうことを
一つの大きな政治の目標として掲げておるこういうときなんですから、人がおらぬためにそういう
査察、
検査等が不十分であるというなら、やっぱりそれに対する手当てとしては、人をふやすなり、したがって
査察の回数をもっとふやすというようなことをぜひやらなければいかぬと思いますね。その点いかがですか。