○松澤兼人君
日本社会党を代表いたしまして、
提案になっております
地方交付税法の一部を
改正する
法律案につきまして
反対の意思を表明したいと思います。
反対の
理由はきわめて簡単でございますが、根本的に
地方団体の行
財政を確立するには、税及び
財政の面において確立のできるようなささえを与える必要があるのではないか。小さな町村におきましては非常に
交付税交付金に依存しているところが多いのでありまして、それではいつまでたっても
地方団体の自主独立ということが不可能である。そこで根本的にやはり税の再
配分というようなことを
考えて、自主的な
財源で自主的な行政が運営できるようにすべきではないか。そういう問題は、いま急にここで議論いたしましても
解決のつく問題ではないので、したがいまして、私
どもは常にこの
委員会でそういう
発言をしているのでありますが、独立自主の
財源を確保するということが行政の発展とまた向上に資することがきわめて大である。しかし今日の段階としては、これを
理由に
反対するということはいささか理屈に合わないことでありまして、私
どもは、かねてから主張いたしておりますように、少なくとも
交付税率というものは三二%ぐらいに
引き上げるべきであるという主張を持っているわけでありますが、今回われわれの
委員会における要望なり、あるいは
地方各団体からの要望により、また
自治相自身も非常にお骨折りをいただきまして、二九・五%というふうに
引き上げられたことに対しましては、われわれとしましても非常に喜ぶわけであります。しかし
計画額として七千百三十二億ということでありまして、しかもこれが末端市町村に
配分される場合におきましては、いろいろ
地方交付税の算定基準が低過ぎるというようなことから、
地方団体は
超過負担をしなければならないということで、この
委員会でも非常に問題になっているわけであります。いまも大臣からいろいろお話がありましたように、またこの
税率を
引き上げて、さらに
交付税をふやすということは非常にむつかしい問題であるというようなお話を承ったのでありますけれ
ども、しかし私
どもとしましては、やはり自主独立の
財源がない
地方団体につきましては、
交付税の
税率を
引き上げ、また交付額をふやしていくということは緊急の必要であるというふうに
考えるのであります。そういう
理由から、われわれはこの問題につきましては
反対の意を表しなければならないわけでありますが、特に
地方団体が自主的な
財源をだんだんと失いつつあるということは、やはり依存
財源がふえることによる中央の
地方団体に対する権力的な介入ということが漸次強化されてくる
傾向が見えてくるのでありまして、その点、私たちははたして現在の
地方団体に自主的な行政運営の資格があるか、あるいは能力があるかという問題までも
検討しなければならない段階になっているわけであります。そういう点で、一方では
交付税率の
引き上げを主張しながら、しかし一方ではやはり中央権力の介入ということを排除していかなければならない、非常にむずかしい問題を抱えているわけであります。
再び根本的な問題に立ちかえって議論しますならば、要は、こういう依存
財源にあまり依存しないで、独立な
自主財源をもつて府県市町村が自前の行政を
住民のために行ない得るような
制度を確立するということがきわめて必要である。そのためには、私
どもとしましては現在の
地方交付税制度というもの及びその率、額というものにつきましては、現在の段階として御
提案になっております
内容から見て、われわれとしては、不満足でありますし、また
反対しなければならない、こういうことで
自治大臣の今後の善処を要望しながら、この法案に対しましては
反対の意を表して私の
討論といたします。