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林虎雄君 いま
お答えになったように、最近の
状況は、こんなことをいつまでも繰り返していてはいけない、お互いの不幸だという
良識派がだいぶ力を持ってまいりまして、
融和の方向に動いていることは事実のようであります。いままでは
当該地域の人は
選挙権を棄権をしてしまう、あるいは納税を意識的に滞納しておるというような、非常に
法治国家として認められないような
状況だったのでありますが、最近はだいぶその点も緩和をしてきたようでありますけれ
ども、しかし、依然として二重
地帯というものに対しましては、それぞれの希望的な観測を持っておるために、これははっきり
自治省が腹をきめてもらわなければ
解決ができないのではないか。前にも申し上げますように、二重
行政地帯は、お
調べになっていただいたと思いますけれ
ども、個人の
土地の
所有状況であるとか、あるいは人と
所有地がほとんど一〇〇%この旧三
部落にまとまっておるわけであります。そしてまた
水利権や
地形上等の状態も、合理的に
長野県に残った三
部落に所属するのが適当であるというふうに見られておるわけでありまして、
中津川へ
合併した
部落の耕地は入作はほとんど皆無でありまして、
山林が二
町歩くらいその中に食い込んでおるというだけでありますから、
地形上から見ても、先ほど
申上しげた神社とか
お寺とかというものから見ても、
農業経営の上から見ても、だれが見てもこれは旧三
部落の、つまり現在の
山口村の
地域であると見て差しつかえがないと思って、そういう点を十分に
検討した上で
長野県知事は
告示をしたと思うわけでありますけれ
ども、二重
地帯の
確認といいますか、二重
地帯を、
県境はここであるということに
長野県知事の
告示がありますけれ
ども、これを
自治省に認めてもらえばおのずから
解決するということになるわけです。これを依然として残されて、いまに、まあだいぶ緩和してきたから自然にそれも
解決するだろうというような
見方は、これはどうもかなり甘い
見方ではないかというふうに思います。ということは、これは
地元の諸君でなければ真相はわかりませんけれ
ども、いま申し上げたように、三
部落に密接に
関係のある
地域が二重
地帯となっておる、これをもし
中津川のほうへ、つまり
岐阜県の
地域として認められるようなことになれば、三
部落の
住民の手足を奪われ、営農もできないし、
お寺、
神社の
関係も変なかっこうになってしまうということで、経済的にも社会的にも
山口村に残っておることが非常に困難になってくる。そうなると、勢い再び越県
合併というような問題が起こる
可能性といいますか、
危険性があるわけです。そうなりますと、越県
合併という問題は非常にむずかしい問題でありまして、あのような騒ぎになった、再びこれが繰り返されるということになりますと、これは
長野県と
岐阜県だけの問題でなくして、これは政治的にも非常に大きな問題になるわけで、おそらくこれは
紛糾するだけで
解決のできない問題に発展するのではなかろうか。三
部落はその
自分の営農する
土地、いろいろな歴史的な
関係、伝統的な
関係というようなものを奪われると、非常な
窮地におちいるということにならざるを得ないと思いますが、まあそれを
地元の三
部落の
見方としては、そういうようにわれわれを
窮地におとしいれて、そうして
中津川との
合併をしていくような
政治的配慮がこの中に含まれておるというような
見方すらしておるわけです。真偽のほどは私知りませんけれ
ども、いわば
政治的謀略で一角を
——外堀りを埋めて内堀りをというその
考え方が、この
境界線に非常に不合理な
境界線を
中津川合併派がしたということになっておるようでありまして、これを
自治省が断を下していただけば、いろいろな
角度から見て、これは
長野県知事の
告示した
境界線が合理的であるというふうに認めてもらえば、さらに緩和しつつある
空気は一挙に
解決してしまう、最終的な終止符を打つことができると私は見ておるわけでありますが、まあ
自治省としても、
長野県側だけでなくて
岐阜県側の主張もあるでありましょうから、いろいろやりにくい点はあろうと思いますが、大局的な立場に立って断を下していただく時期がきておるのではないか。情勢も、一般の
空気も緩和しておりますから、この際、はっきりと最後の結論を出していただくことは、これは
自治省の責任ではなかろうかと思うのでありますが、この
境界に対する
見解、それからこれに対する決断をしていただく時期等についての
考え方、見通し等について承りたいと思います。