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1965-02-11 第48回国会 参議院 地方行政委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月十一日(木曜日)    午前十時十八分開会     —————————————    委員異動  二月十日     辞任         補欠選任      山本 利壽君    大野木秀次郎君      鍋島 直紹君     川野 三暁君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         天坊 裕彦君     理 事                 竹中 恒夫君                 林  虎雄君     委 員                 川野 三暁君                 斎藤  昇君                 加瀬  完君                 鈴木  壽君                 松本 賢一君                 二宮 文造君                 市川 房枝君    政府委員        警察庁長官    江口 俊男君        警察庁保安局長  大津 英男君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律  案(内閣提出)     —————————————
  2. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  二月十日付で山本利壽君、鍋島直紹君が辞任され、大野木秀次郎君、川野三暁君が選任されました。     —————————————
  3. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 前回に引き続き、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
  4. 市川房枝

    市川房枝君 今度の銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案内容一つとして、原則として拳銃等の輸入を禁止することになっておりますね。これはこれでけっこうだと思うのですが、拳銃とよく似ており、また、ある程度犯罪にも使用されており、被害もあるようないわゆる、玩具といいますか、おもちゃといいますか、そういうものが相当あるわけです。この警察庁のお出しになりました「警察の窓」の十号に出ておりますが、玩具拳銃取り締まりということが出て、それをちょっと拝見したのですが、そういうものについては、この法律は全然関係はないわけですね。
  5. 大津英男

    政府委員大津英男君) 「警察の窓」の第十号にも書いてございまするが、玩具拳銃につきましても、いままでに金属製弾丸を発射する機能があるというふうに認めて警告をし、取り締まりを行なってきたという事例もあるのでございます。ただ純粋玩具であって、そういう機能がないという拳銃玩具、こういうものにつきましては、この法律対象にはなっておらないというようなことでございます。ただ一そういうものを用いまして、やはり恐喝をやるとかいうような犯罪があったことがあるのでございますが、この法律対象にはなっておらないということでございます。
  6. 市川房枝

    市川房枝君 警告を発したことがあるということをおっしゃいましたけれども、その警告とか取り締まりですね、ここに書いてありますが、それは法律によってなすったのか、あるいはただ行政措置としてなさったのかどうかですね。
  7. 大津英男

    政府委員大津英男君) そういう機能があると認められるものにつきましては、この法律によりまして警告をし、取り締まりをするという立場でまいっておるわけでございます。それ以外の純粋玩具につきましては、この法律対象としないということでございますが、現実には、まあ都道府県におきまして、青少年保護育成条例等が制定されているところでは、不良玩具として、場合によってはそういうものの販売を制限するとかいうような措置を講じておるというようなところもあるわけでございます。
  8. 市川房枝

    市川房枝君 この法律によって取り締まっているとおっしゃるというと、この法律のどこに…。玩具であってもこれは玩具ではない、拳銃の中に入るんだというその限界があるわけですね、どの法律になるわけですか。
  9. 大津英男

    政府委員大津英男君) この法律によりまして、金属製弾丸を発射する機能があるというふうに認められるものにつきましては、この法律の規定によりまして、第三条の所持禁止に該当するということになるわけでございます。
  10. 市川房枝

    市川房枝君 いわゆる玩具、まあこの法律に触れないものでも、望ましくないものが相当あるということは、いまおっしゃったとおりですが、まあ条例でもって都道府県でこれを取り上げているということですが、警察としては、そういう問題については、たとえば玩具商といいますか、デパートといいますか、そういうようなところなんかをごらんになって、これはまあ注意にすぎないでしょうけれども、なさるようなことはございませんか。
  11. 大津英男

    政府委員大津英男君) 純粋玩具につきましても関心を持っておるのでございますが、法律に基づいて警告をするとか取り締まりをするということはございませんで、たまたまそういうものが弊害が出ておるというような場合には、懇談的な、行政指導といいますか、そういう程度のことはやっておる例がございます。
  12. 市川房枝

    市川房枝君 今度の改正の中で、文化財保護に指定されておる刀剣類移動手続が少しめんどうになっておるようです。まあそれはそれでけっこうだと思うのですけれども文化財保護登録を受けておるといいますか、所持してもいいと許可されておる刀剣類は、一体どのくらいあるのですか。
  13. 大津英男

    政府委員大津英男君) 許可されておりまする刀剣登録になっておりまする刀剣と、両方になるわけでございますが、登録刀剣は、昭和三十八年末におきましての現在数で九十二万九千二百八十八、これが三十八年末の刀剣類登録されておるものでございます。それから許可になっておりまする刀剣、これが一万四千八百二十六、こういうところでございます。
  14. 市川房枝

    市川房枝君 登録されておるのは、要するに、それを持っていてもいいわけなんでしょう。これが約百万あるということは、私どもしろうとなんですけれども、非常に多い数というふうな感じがするのでございますが、そういう登録されておる刀剣といいますか、刀剣類を使っての犯罪というものは、やはり相当あるのじゃないかと思います。その内訳は……。
  15. 大津英男

    政府委員大津英男君) 犯罪に使われた登録刀剣類は百六十振りということでございます。
  16. 市川房枝

    市川房枝君 百六十……。まあその数は少ないと思うのですけれども、使われる可能性はありますね。この登録標準といいますか、どういうものが登録の資格があるかということになるのですが、その登録標準は、これはまあ文化財保護委員会のほうの標準によるわけですか。
  17. 大津英男

    政府委員大津英男君) 文化財保護委員会のほうにおきまして登録審査委員を委嘱しておりまして、そういうものの審査を経まして美術的な価値があるということで登録をいたしておるわけでございます。
  18. 市川房枝

    市川房枝君 まあ私あまりそういうことに興味がないからかもしれませんが、その中にほんとうに芸術的にといいますか、価値のあるものもあるでしょうけれども、そうでないものも百万というとあるんじゃないかと思うのですけれども、これはもう少し厳格にといいますか、そうしてもう少し数が少なくなることが、一方からいうと犯罪に使われることが幾らかでも予防できるということにもなるわけなんですが、その点はどうでしょう。これはまあその権限外ということになるかもしれませんが……。
  19. 大津英男

    政府委員大津英男君) お話のように美術刀剣として登録されたものでありましても、先ほど申し上げましたように犯罪に使用されたものもあるという状況でございますので、登録刀剣審査を厳重にして、できるだけ厳格にやってもらうということは非常に必要なことだと思うのでございますが、ただ、問題は非常に多い、九十万本というふうな刀剣がすでに登録をせられておりまするが、そういう登録をされたものはどういう人がこれを所持してもよろしいということになっておりますので、いかに刀の審査を厳重にいたしましても、持つ人につきましての審査というものは、登録刀剣についてはございませんので、それだけでは無理じゃないかと、かように考えるのでございますが、申し上げましたように美術刀剣はやはり非常に犯罪に使われておる率というものは少ないということでございます。
  20. 市川房枝

    市川房枝君 これもしろうと考えなんですけれども、そういうのを家庭に持っているという例を私ども知っておるのですけれども、たんすの中に入れておったりなんかするのですよ。そういうのも持ち主がこれを使わなくても、ほかに使われる場合もありますし、何か一定の場所にこれを保護預りするというような制度があれば……。そういうことを考えられないかどうか。所有権というものは、なかなかこれはやかましいものですから、その人の所有は妨げるわけにはいかないのですけれども、何かそういう方法がないものか。これは私の感想だけなんですが、非常に不安を感ずるわけでございます。ただ、今度の改正でその移動についての手続を少し厳格にといいますか、やかましくすることになったことは幾らかいいと思うのですけれども、これもひとつ少し厳格にやっていただきたいという希望を申し上げておきたいと思います。  それから、これは改正の問題ではないのでありまするが、この法律の中で、いわゆる刀剣類といいますか、所持してもいい刀剣類あるいは所持をしてもいいけれども、持ち歩いてはいけないという刀剣類の制限がございますが、私どもいわゆる刃物屋といいますか、市中の金物屋へ行きますと、いろんな刃物がみんな売り出してある。そういうのを見ますというと、相当大きな刃物もあって、一体こういう法律で、こういう刃物禁止がされているかどうかということを、いままあ考えられないみたいな気がするのでございますけれどもね、あれはやっぱりそういう販売店なんかで、こういう刃物はうちで置いてもいいけれども、職業というか、業者はかまわない、持ち歩くことはできない、あるいは持ち歩くものは刃渡り六センチ以下ですかのものしかいけないとかなんとかいうことなんかを、一つPRのようなものを、ああいうところへ掲げさせるというようなことはどうなんですか。一体そういうことをどうPRしておいでになるか。一般の人はそういうふうな法律ができたということぐらいは幾らか新聞やラジオでうろ覚えぐらいにはちょっと知っている人もあると思うのですけれども、大部分はちっともはっきりしないと思うのですけれどもね。
  21. 大津英男

    政府委員大津英男君) 御指摘のこの法律の第二十二条によりまして、刃体の長さ六センチ以下の刃物その他のものでございますが、それをこえる刃物、そういうものを正当な理由がなくして持ち歩くということが二十二条によって禁止をされておるわけでございます。したがって、こういうものを持って歩くことがいけないということのPRにつきましては、三十七年のこの法律改正直後におきましても法の趣旨の徹底につとめたわけでございますが、その後におきましても、刃物を持たない運動とか、いろいろな連動を通じまして全国的に各家庭のすみずみまで、そういう運動を通じて、こういう趣旨が徹底されるようにつとめてまいったつもりでございますが、なお不十分な点があるということでございますれば、今後もそういう努力をしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
  22. 市川房枝

    市川房枝君 六センチ以下のものは持ち歩いてもいいわけですが、ライシャワー大使に危害を加えた子供は、あれは切り出しナイフでしたね。あれもちゃんと許可になっている程度のものでしたね。それからせんだって来の三鷹の通り魔事件少年犯罪に使ったのは、肥後守であって、これも許可されているものでしたね。そういう許可されているというか、これは制定のときの問題になるのですけれども、この程度のものは差しつかえないとして、六センチ以上ということで規定されたのだけれども、それ以下の中にも、そういう重大な犯罪に使われている例がどの程度ありますか、それも伺いたいのですが、それについてどういうふうにお考えになりますか。
  23. 大津英男

    政府委員大津英男君) ライシャワー大使に対しまして傷害に及んだときに使われましたものは十一センチありまして、これは違法ということになっております。それから先般の通り魔事件少年の使いましたものは肥後守で六・九センチ、こういうものでございます。この関係につきましては、銃刀法の二十二条というのがちょっとややこしく書いてございますので、もう少し詳しく申し上げますと、要するに刃体の長さが六センチメートル以下のすべての刃物はよろしい。それから刃体の長さが八センチメートル以下のはさみはよろしい。それから刃体の長さが八センチ以下の折りたたみ式ナイフはよろしい。それから刃体の長さが八センチメートル以下のくだものナイフはよろしい。刃体の長さが七センチメール以下の切り出しナイフはよろしい、こういうふうなことで、総理府令で定めるところではかったはかり方によりまして、二十二条の規制がそれぞれ異なっているということになっているわけでございます。こういう銃砲刀剣類に入らないで、二十二条の六センチをこえ、またいま申し上げましたようなものにも該当しないようなものを携帯してはならない。そういうものの統計は、ある程度あるのでございますが、それ以外のこの二十二条にも違反しないというような刃物につきましては、統計が実はうまくとられておらないわけでございまして、ちょっと申し上げるような資料が手元にないわけでございますけれども、ただ、一般的に申しまして、いままで検挙補導等から見ました凶器の使用状況から見ますと、三十八年で申しますと、小刀類ということでは三十八年度二百六十八、かみそりが五十一、その他の刃物が二百三十六、こういうふうな数字があるわけでございますが、これも正確にどうだというふうにとってございませんので、これが正しい数字で、これ以外ないんだということは申しかねる状況でございます。
  24. 市川房枝

    市川房枝君 まあ学校で鉛筆削りに使う肥後守といいますか、ナイフなんかまで禁止するというわけにいかないでしょうし、そこはなかなかむずかしい問題だと思うのですけれども、これはさらにそういうのでの犯罪が、ことに少年犯罪が私は関連してくると思うのですけれども少年犯罪許可されている刀剣類といいますか、こういうものとの関係をもう少しお調べいただいて、ひとつ御研究を願いたいと思います。  それから今度の法律は、暴力団に対しての一つの対策として改正が行なわれたようでありますが、これに関連して暴力団に関することをちょっと伺いたいのですが、この間いただきました暴力団数字を拝見しますと、四十年の二月五日の警察庁の三十九年中の暴力団犯罪取り締まり状況の中の検挙状況という中に、売春防止法違反というので検挙件数が七百八十七、検挙人員が六百八十五、こういう数字が出ておりますが、これはどういう関係か、もう少し具体的な内容を伺いたいと思います。
  25. 大津英雄

    政府委員大津英雄君) 暴力団関係者が介入する売春関係事犯、こういうもののことでございますが、例をあげて申しますと、暴力団の親分が家族や配下の名義で料理店、バー、旅館等を経営しまして、ここに売春婦を集めて、幹部級配下に監視をさせる、これに配下ポン引きが連れてきた客に売春をさせる、まあこういうふうな事例。それから売春業者と結託しまして、暴力団ポン引きあるいは見張りをしているというような形態のもの。それから家出娘や食堂などで働いている女を、甘言や暴力で誘惑をして、自己の支配下に置いて、売春婦として働かせたり、売春業者に引き渡して不法な利益をあげているというようなもの。それから家出娘等を誘惑して、強制的に肉体関係を結んで、みずからひもになって売春を強要し、ポン引き見張り等をするかたわら、ときにその女をそそのかして売春相手客から金品を奪うとか、売春の代償を騙取するというような、こういう事犯が例をあげてみますれば出ておるわけでございまして、こういうものがいま申し上げました暴力団関係取り締まり検挙のうちの売春防止法違反として出てきておる、こういうことでございます。
  26. 市川房枝

    市川房枝君 その報告のおしまいに、最後の五の暴力団の種別、団体数及び構成人数というのが出ているのですが、そのいまの売春防止法違反関係暴力団は、ここの中のどういうグループが主としてといいますか、そういう統計がありませんか。
  27. 大津英男

    政府委員大津英男君) 三十九年、昨年の一月から九月までの暴力団関係での売春関係事犯検挙をしたものを見ますと、これは年間でございませんので、数字が必ずしも一年分のものもその率で出ておるとは限らないわけでございますが、売春暴力団が二百四名、それからばく徒で百四十一名、テキヤで百九名、青少年不良団が三十三名、その他八十一名、計五百六十八名が検挙せられている。それから売春防止法違反被疑者のうちに占める比率としては一八%、こういうふうなことが出ております。
  28. 市川房枝

    市川房枝君 売春防止法違反はいろいろあるわけですけれども、その中で暴力団関係が、暴力団女たち関係の問題が、私ども一番女たちにとってはかわいそうな事例だと思うのです。ですから、こういう問題については警察としては特に厳重に調査して、それにお臨みくださるように特に私はお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、ことしの何月でしたか、世田谷で有名なボロ市といいますか、これは暮れにやるのだけれども、暮れにはやめて新年になってからやったのですが、これはその当時新聞で私は拝見をしたのですが、町会としてはこのボロ市の弊害をみんなが認めて、これはやめたいということでやめることに決定した。ところが区長警察署長が、その間に暴力団といいますか、テキヤといいますか、そういうものも中に入って、そして復活するということで、町会に申し入れたというのですが、どうもおかしいというようなことが新聞に出ておりまして、一般の都民、新聞を読んだ者たち印象は、警察はいわゆる暴力団——ことに昨年から暴力団検挙のためにずいぶんお骨折りになっているのだけれども、しかしまあこの事件においては、何んだか警察暴力団とはある程度つながっているみたいに——応援をなさるような印象をちょっと受けるのですね。どうも少しおかしいという感じを持っている。いや私自身もそういう印象を実は受けたのです。その間のこまかい記事は、二月五日の週刊朝日に少し出ているのですが、どれが真相なのか実はよくわからないのですが、この週刊朝日記事を読んでみても、やはり裏にテキヤがいて、そしてテキヤが動いているのだということは、はっきり出てきているのですが、警察のほうとしては、この問題どういうふうにお考えになっておりますか。
  29. 大津英男

    政府委員大津英男君) この問題につきまして警視庁のほうから報告を取りまして、また、世田谷署長にもいろいろ聞いてみたわけでございますが、ボロ市は四百年も昔からの、ずいぶん古い伝統で開かれておったのでございますが、終戦後だいぶ乱れてきているというような状況もあったわけでございますが、警察としてもできるだけ明朗、健全なものにしていきたいという気持ちをもって今までも臨んできておったわけでございますが、今度のボロ市の廃止を一たん決議をして、その後再開になったという状況につきまして、概略、報告をもとにして申し上げますると、新年になりましてからのボロ市の開催——年末にやっておったわけでございますが——そのボロ市の開催につきまして、いままで交通上あるいは衛生上の問題がございまして、地元町内会の一部には、こういうものはやめたほうがいいという空気もありまして、しかし一方には、やはり伝統的なものであるから開くべきものであるという意見もあったようでございますが、十一月の二十五日に区役所それから地元側警察消防関係者が集まりまして打ち合わせ会を行なったわけでございます。この打ち合わせ会におきましては、従来のボロ市に対しまして若干の規制を加える案をきめて、さらに地元側と話し合うというようなことでございまして、その内容としましては、いままでのボロ市での道路使用はやや野放しに近いということで、周辺道路も整備されて交通も激しくなっておることだから、開催を通称ボロ市通りに限定するという方向考えたらどうかということ。それから放尿その他の問題で衛生上の苦情が非常に多い。悪臭がひどいというような地元民の苦情も多いということで、区役所地元とよく話し合って、仮設便所を設けるようにしてはどうか。それから従来はどうも主催がはっきりしておらないというので、町会が主催するということをはっきりして、すっきりした管理体制でやる。また、町会の一部だけではなくて、よくみんなの意見を聞いてやるというようなことでやる考えにしたらどうかというようなことであったわけでございますが、どうも一番問題になりました大小便の処置について、仮設便所のことが町内区役所との間におきましての交渉でなかなかうまく進まないというようなことがございまして、十二月の六日に町会としては廃止決議をするというようなことになったわけでございます。ただ、地元側にも先ほど申し上げましたように、一部、せめてことしだけでもやるようにしたらどうかというような声もございまして、何べんか会議を開いたのでございますが、いま申し上げましたような中止を、十二月の六日に第三回目の打ち合わせをいたしました結果、そういう決議町会としてはとても責任は負い切れないからやらない、こういう決議をしたというわけでございます。警察といたしましては、もし、こういう中止に伴って妙なことにでもなってはいけないということで、よくその点PRをやるということ。それから町会幹部等暴力等が行なわれるというようなことがあっちゃいけないということで、パトロールを強化するというような活動をしておったのでございますが、十二月の十日か十一日ころになりますけれども世田谷区長から署長に電話がございまして、区の行政立場から区の後援のもとに近代的な感覚にマッチした明朗健全な市としてこれをやっていく。名称も性格、内容も改めて再開するように地元町会にはかりたいからと、こういうふうな連絡がございましたので、いままでのいきさつから申しましても、署長としましてもこれに応じるというような状況がございまして、十三日に区長それから消防関係警察それから地元町会役員等も集まりまして会議を開きまして、区長からは「世田谷何んでも市」というようなことにして新しいスタートをしていきたい、こういう提案がございました。特に区長から、後援をして本腰を入れてやるからというので、再考するという方向地元町会のほうも打ち出したわけでございます。その後十八日にも打ち合わせをいたしまして、仮設便所の設置、それから出店区域規制緩和をする、地元も出すのでもう少し緩和をする。それから警備に万全を期する。それから地元の商店の希望者は優先的に出店をさせる。こういうようなことも出まして、こういう点を区長署長は十分考慮してやるからと、こういうことになりまして、一月九日の会議におきまして、十五、十六の両日「何んでも市」としてこれを開くということを決議をしておるわけでございます。で、警察としましては、そういう地元町会決議もございましたので、これがうまく行なわれるように、やり方といたしましては、ぽろ市通り一本という考えが前にあったわけでございますが、交通の支障がないであろうというので、旧道百二十メートルにつきましてさらに道路使用許可を与えるということで緩和をする。それから一括しての申請ではなくて、個々の申請地元町会出店承諾書を添付して出してもらって、それに対して許可を与えるということにいたしまして、地割りも警察地元の者がやっていくというようなこと。それから区のほうは仮設便所を五カ所、それから広報スピーカーを四カ所つけるというようなことで、あやまちのないようにやっていく。こういう線を打ち出してまいったわけでございます。そういうようなことで、地元の店も出るようになりましたし、一月十五日と十六日には、相当な人出も見たわけでございますが、スムーズにボロ市が開かれまして、ほとんど事故らしい事故もないというようなことで、地元では好評を得ておった、こういう報告でございます。この間、何か暴力団が働きかけたのでああしたとかこうしたとかいうようなことがいわれておるようでございますが、いままで私ども直接聞き、また報告を受けた範囲におきましては、絶対そういうようなことはなかった、あくまでも地元町会の意思を重んじて、また区役所ともよく連絡をとって健全な形でこれが開かれていくように署長としてはいろいろ配慮してきた、こういうのが実情でございますので、御報告申し上げる次第でございます。
  30. 市川房枝

    市川房枝君 いま御報告をいただいたようであれば、新聞記事は誤解であった、こういうことになるわけで、けっこうだと思うのですが、この機会に、暴力団との関係で、私従来から考えておることを申し上げれば、結局暴力団がだんだんふえて、ずいぶん検挙しててくださるのだけれども、むしろだんだんふえていく、その原因は私いろいろあると思うのですけれども、その一つの問題は、前からいわれているように、やっぱり暴力団が政界とつながっておる、政治とつながっておるのだ、したがって警察にもつながっておるのだ、こういう印象といいますか、を、いまも私はそれを消すわけにはいかないのですが、そういう疑いがやはりあるのですね。だから、これは私非常に残念だというか、不名誉なといいますか、ことだと思うのですが、警察の場合だけで申しますならば、警察はほんとうに国民大衆のための警察なんであって、大衆の治安の維持といいますか、あるいはそういう人たちの福祉の増進にお骨折りをいただいておるという印象を国民一般に与えていただきたい。暴力団なんかの味方ではないのだということを私ははっきり機会あるごとに示していただくといいますか、どこにもそういう誤解を受けないように、今後もしていただきたい。まあ新聞なんかのこの間のそういう記事が、事実はそうでなかったのにそうであったとすれば、これはお気の毒ということになるのですけれども、まあいまの御報告のまだ裏があるのかもしれないし、週間誌なんかには表向きは大体あなたがおっしゃったようにこの記事にも出ておりますけれども、やはり裏の政治的な動き、あるいはテキヤの動きなどもでてきていて、私はそうだろうなというふうに思うのですけれども、そういう点をひとつ今後御努力いただきたいと思います。それをひとつお願いして私の質問を終わりたいと思います。
  31. 江口俊男

    政府委員(江口俊男君) ただいまの御懸念でございますが、暴力団と政界とのつながりがあるかどうかということにつきましては、世間でも相当あるというふうにいわれておりますから、どういう関係で、どういう筋で、またいかなる形であるかということにつきましては、暴力団の解明の一つの重要な要素として気をつけております。しかしながら、非常に関係があるとか、あるいはいわれたほどでもないという結論は、現在出ておりません。だから、あるかないかということについて、これは差しひかえますが、その点は注目しているということは御了承願いたいと思います。ただもう一つ市川先生のお話で、したがって今度は警察関係があると言われる、そのおことばに対しましては、私たちの立場としては、かりに政界と暴力団の間のつながりがあっても、それでは警察と政界との間は必ずそういうつながりがあるという論法は、私はむしろない。しかし、例外として何らかの形で出てくることが皆無だとは申しませんけれども、ないことが原則だと、こういうふうに御了承願いたいと思います。
  32. 市川房枝

    市川房枝君 いまの長官のおことばは、私はたいへんうれしいのです、そういうおことばを聞くと。どうかそういうお気持ちでやっていただきたい。私の質問はこれで終わります。
  33. 鈴木壽

    鈴木壽君 関連して。いまの暴力団と政治、政界というか、政党、政治家、こういうものとのつながり、それからいま一つ警察とのつながりですね、後段の警察とのつながりについては、私は長官のおっしゃるとおりだと思います。そんなことはあるべきことではない。ただ、中にきわめて一部ですが、何か暴力団に対してのつながりを持っているのではないかと思われるような事件がないわけではないのですが、それはそれとしていいのですが、前段の問題について、長官は非常に遠慮してものを言っておられるのですが、やはりあるのですね、実際は。あなた方もこれはつかんでいると思うのです。特に最近の暴力団と右翼との結合のその中に、一部政界あるいは政治家との間のそれがもう出ているのですね。それから右翼と結んでいる。それからもう一つ暴力団が政治結社をつくってやっている。最近の一つの新しい、新しいと言っちゃあるいは言い過ぎかもしれませんが、最近の一つの傾向としてそういうふうになってきている。その連中の資金関係を見ますと、これはやはり政治家あるいは一部の政界とのつながりがあるというやはりはっきりした証拠がありますね。これは私が乏しい知識で言うよりも、あなた方すでに十分御承知のことだと思うのですがね。ですから、ただ注意しているということだけでなしに、私は、そういう問題に対してははっきりした見解を示しながら対策をやはり考えていくべきでないだろうか、こういうふうに思うのですがね。いかがでございますか。あるかないかわからぬというようなおことばでなしに、やはりお認めになるんじゃないでしょうかね。
  34. 江口俊男

    政府委員(江口俊男君) 私遠慮して申し上げたわけではございません。ただ、事実についてそういう声もあるし、また現実にただいまおっしゃったように、個々の場合をとれば、これはどういう筋からどういう糸を引いているなどというようなことは出てくるわけです。しかしながら、現在の暴力団のやりますることを取り上げていきますというと、どうしても団といいますか、組といいますか、一つのかたまり全体が政界のほうのAならAというところに結びついているとすれば、出てこないような事件というようなものが交錯して起こってくる。だから暴力団の首領のほうでは、かりにAというものに結びついておりましても、その構成員の行動に至りましてBのほうの立場でしか理解できない、あるいはCのほうの立場でしか理解できないという行動が出てくるわけです。具体的の事件を通して、あの系統だけというように見ていきますというと、とんでもない間違いをおかす結果が出てくる。過去の事例を一々あの事件はこうだったというようなことは差し控えますが、そういうことになっておりますので、私たちは、現在の暴力組織がそういうふうに鉄の団結になっていないという点もよく考えて、むしろどちらかといえば、個々人の利害というものが相当その間に入ってくる要素が強い。こういう点で私は関係があると、まあ関係がないとは申しませんけれども、それじゃきちっとした関係になっているかどうかという点について、相当あやふやな点があるように思いますので、そういう立場から申し上げたわけであります。  それから政治結社を名のればいくらか体面もいいとかあるいは寄付集めも便利だというようなこともございまして、一昨年、去年あたりは、政治的な綱領とかなんとかいうものとは別にできた団体でも、同時に政治結社の届け出をしたり、あるいはそういう目的を掲げたりしてやってきたものが相当出た傾向は、御説明を申し上げたとおりでありますが、近ごろになりますというと、そういうものがふえる傾向じゃなしに、むしろやはり自分たちを暴力団と自分で名のるものは一つもございませんけれども、とにかく政治とは無関係に行動すべきだ、政治のような看板をあげたから、あるいはそういう顔をするからかえって弾圧を食うのだ、抑圧をされるのだというような言辞が相当出てまいりました。現にこの前申し上げたように、政治結社の看板を一たん掲げながら、最近になってこれをはずした、あるいは大きな親睦団体をつくりながら何らか政治的な意図があるように見られるからいかぬというので、これを解散するというような事例が出てまいっておるようなわけでございまして、いまからだんだんそういう傾向が多くなるだろうか、あるいはそうでなかろうかということについては、まあ先を見なけりゃわかりませんけれども暴力団取り締まりを強化することによって、そういう仮装ということは意味がない。むしろ意味がないよりも特ににらまれるというようなことで、私は、どんどんふえていくんじゃなかろうかという心配は、まあないものだと現在は考えております。
  35. 鈴木壽

    鈴木壽君 関連ですから、きょうはこれ以上やりませんが、それはあなたのいまのお答えの中の初めのほうですがね。何々団とか、あるいは何々組とかというもの、団をあげ、組をあげて、組織全員がある一つの政治家なり、あるいは政党の一部なり、そういうものに全面的に結ばれているんだと、こういうことで私申し上げたのじゃないんです。そういうことは、実情からあまりないと思うのですが、しかし、少なくともその首領とか幹部、こういうものがつながっていて、ときには金をもらい、いろいろな連絡をしているというようなことがないのかどうかということになりますと、私はないとは言い切れないと思うのですね。この前、ここに名前をあげて言っていいかどうかわかりませんが、河野さんの邸の焼き討ち事件ですね、これなんか私ども詳細はわかりませんが、あの事件の裏にいろいろそういう問題があるということも、もっぱらいわれているのですね。これは私それ以上はわかりませんが、そう言っているのを聞いたり記事を見たりした程度しかわかりませんが、しかし、何かやっぱりあるんではないかという感じはしますね。  それからもう一つは、政治に非常に、何と言いますかね、一つの圧力団体みたようなかっこうになってきている動きも最近ありますね。これは一般新聞には出ておらなかったのですが、最近も大日本愛国団体連合時局対策協議会という右翼団体の連合体が、政府に対して申し入れをしているのですね。橋本官房長官と会って申し入れをしている。申し入れの内容なんか見ますと、私どもからしますと非常に心配なような問題も中に入っておる。しかもそれに対して官房長官は、何ですか、けっこうだから大いにやりましょうと、全幅的な賛意を表したとかなんとかいうようなことがありますがね。まあこれは新聞記事がどこまで正確に事実を報道しているのかわかりませんが、ともかく何かそういうふうな動きというものが出てきていることだけは確かだと思うのですね。だから、こういう問題を、まあケース一つ一つそれはそれぞれ違うし、いろいろな複雑な要素もあると思いますが、あなた方の手でとことんまで究明をしながら、そういう事実があったならば、これはやっぱりひとつ暴力団対策あるいはこれにつながる右翼の問題、こういう問題をなくするためにも、はっきりした態度で、公表するものは公表する、あるいは必要な手段を講じるというようなことをするのがほんとうじゃないだろうか、私はこう思うのですがね。そういうことがはっきりなされないから、さっき市川委員が言われたように、警察もどうもこれはどうにも手がつかぬのじゃないだろうかと、こういうふうな、あなた方にすれば心外なことを外部でいろいろ言われたり、ささやかれたりするのですね。まあ私、先ほど申しましたように、きょうは市川さんの質問に関連してちょっとお尋ねしたので、これ以上申し上げませんが、その事実関係というものをあんまり隠しておかないで、はっきりするところははっきりしたほうがいいんじゃないかという意見一つ申し上げておきます。
  36. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 本日の審査はこの程度にいたしまして、次回は二月十六日火曜日午前十時に開会の予定でございます。  それではこれにて散会いたします。    午前十一時十六分散会