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木村禧八郎君 もう
一つ伺いたいんですが、いま
証券局長の
お話ですと、三年くらいたてば必ず相当利益が出てくるだろうと、こういう
お話ですがね、この
共同証券をつくった当時と最近では非常に情勢が変わってきていると思うんですよ。それで、今後の
見通しについても、利潤率は今後ずっと低下していくと私は思うんです。で、利潤率の低下ということが
株価がなかなか回復しない根本の原因だと思うんですよ。それはいろいろその他にも事情があるんですけれ
ども、いまの資本主義の
経済機構のもとでは、利潤率低下ということが
株価を低落させていく根本の原因だと思うんです。こういう情勢が簡単に直るものではないし、今後長期的に見ましても利潤率が低下せざるを得ないと思うんですよ。その場合に利益が予想されるということは基本的に私は
考えられないのですが、しかし、
日本共同証券がずっと
欠損を続けちゃ困るから、そこでいろいろ市場操作というものをやって、損しないようにするんではないか、こう思うんです。
もっとも、今後損しないようにインフレ政策をとれば、私は
株価も上がっていくと思うんです。ですから、結局はインフレ政策がとられて、そして負債過剰の企業をインフレによってその負債を軽減していく、こうさせていくという政策が長期的にはとられると思うんですけれ
ども、しかし、
欠損しないようにいろいろ
株価操作をすると思うんですが、また、
共同証券ばかりでなく
株式保有組合も、
株価操作の
一つの手段で
株価を安定させ、あるいはもっと
株価を引き
上げていきたいということが目的だと思うんです。
それで、私が前から疑問に思っているのは、いまの
証券取引法でそういう
株価操作は私は許されていないと思うんですよ。これはもっと根本的に
考えるべきだと思うんです。いまの
証券取引法の百二十五条を改正すれば別ですが、百二十五条の第二項をお読みになってごらんなさい、どう見たって、
日本共同証券とか
株式保有組合等をつくって
株価操作をすることはできないことになって、いるんですよ。やはり
株価は自然の
需給関係から自然に安定させるということが主であって、そうした相場操縦については禁止されているんですよ。われわれ常識をもってこの第二項を読みますれば、どう見たって、
共同証券とか
株式保有組合で
株価を操作する、それから政府が前に大体
ダウ千二百円を目標にして安定させるということは、そういうことは許されていないと思うんですが、どうなんですか。
たとえば第二項の「何人も、有価
証券市場における有価
証券の売買取引を誘引する目的を以て、左に掲げる行為をしてはならない。
一 単独で又は他人と共同して、当該有価
証券の売買取引が繁盛であると誤解させ、又はその相場を変動させるべき一連の売買取引又はその委託若しくは受託をすること
二 当該有価
証券の相場が自己又は他人の市場操作によって変動するべき旨を流布すること
三 当該有価
証券の売買取引をなすにつき、重要な事項について虚偽であり、又は誤解を生ぜしむべき表示を故意になすこと」
こういう点ですね、前に私は主として第三項について
質問したのですね。つまり、「何人も、単独で又は他人と共同して、政令で定めるところに違反して、有価
証券の相場を釘付け、固定し、又は安定する目的を以て、有価
証券市場における一連の売買取引又はその委託若しくは受託をしてはならない。」、この点を前に私は
質問しましたが、しかし、前は「政令で定めるところに違反して」とあるから、政令によって違反することにはならないと、こういう
答弁だった。しかし、今度は第二項のほうを見てみますと、それよりももっときつい規制になっているわけですよ。
大体、資本主義のいまの
経済の自由企業を原則とするたてまえのもとで、こうやっていろいろ市場操作をして
株価を左右するということは、これは禁止されているはずなんですよ。それで、異常の事態であるからやむを得ないと。そんなら、私は
証券取引法に何かそういう規定がなければならぬですよ。ところが、どこをさがしたってありませんよ。ですから、やりようによっては、これは非常な大きな弊害を生じますよ。大体まあインベストメント−投資であるといいますけれ
ども、投機−スペキュレーションの面がかなりあるわけですよ。そうして、
大蔵省の指示によって、また
大蔵省の指導によっていろいろ
株価が操作される。また最近では、大蔵
大臣が公定歩合のことを怪々に発言したりなんかする。そういうことはみんな
株価に
影響するのですから、もし悪意をもって
考えますれば、それは
大蔵当局が
株価を操作してもうけようと思えばもうけることはできますよ。
証券業者と結託してやればできないことはありませんよ。ですから、そういう点は厳重にここに規制されているわけです。そういうことは、相場操作の禁止についてはこれに非常にきびしい規定があるのですよ。それと、最近の
共同証券とかあるいは
株式保有組合あるいは
大蔵省の
株価安定に対するいろいろな指導というものは、どうも私はこれに触れると思われますが、これは
証券局長、どういうようにお
考えになりますか。