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説明員(
阪田泰二君) 先ほど、例として
ピースを
値上げしました場合のことを申し上げたのですが、当時、新生が非常に売れたわけでありますが、そのときに新生も
値上げしたらどうか、
増収になるのじゃないかというお話もあったのでありますが、やはり
たばこの
消費というものは、
国民の所得といいますか、
国民の
消費生活の中で、趣味、嗜好品でありますから、それに回される
金額というものもある
程度、きまっているわけではございませんが、そのときどきの情勢に応じてある
程度限界があると考えますので、全体を
値上げすればこれは必然的に
消費量の減少という結果が出てきているわけであります。これは欧州の
専売等で数年前に
たばこを
値上げをした例はありますが、そういった場合にはやはり
消費の減ということが必然的に起こってきております。同町に、そういうときに非常に危険でありますのは、結局まあ
価格と味といいますか、そのものの
品質のバランスが問題になってきておりますので、欧州のそういうことをやりました
専売などにおきましても、
外国たばこの
輸入がふえるとかあるいは密
輸入がふえるといったような現象を起こしているようなところもございます。やはりそういうような場合は、先ほども申し上げましたように、
たばこというものは趣味、嗜好品でありまして、先ほどまあちょっと葉組みなんか変えて高い
たばこで売り出せばごまかせるのじゃないかというお話もあったのでございますが、なかなかそういうものではございません。喫煙される方は非常にその点注文が多いといいますか、非常に判断のきびしいものがございます。
専売公社にもしょっちゅういろいろ批判はあるわけでありますから、そう簡単には事は運ばないわけであります。
外国の
専売等においても、そういった場合は結局よそのうまい
たばこが
価格等の相対的判断において入ってくるということも防ぎとめられない。結局、われわれの
専売事業といたしましては、そういった何といいますか、ただ、独占であるから
価格を上げるとか、あるいは少し内容を変えて実質的に
値上げをするといったような、そういう権道といいますか、そういう
方法では
増収ははかれないと考ええているわけでありまして、やはり
消費者の嗜好を満足させられるようないい
たばこをつくって売らなければほんとうの
増収ははかれないのじゃないかというふうに考えているわけであります。
それで、先ほど将来の売れ行きの
見込み予定はどういうふうに考えているかというお話もちょっとありましたが、
専売公社といたしましては、やはり将来の
国民生活が上がっていく、喫煙人口もふえていくといったようなことも考えまして、将来においてある
程度の
たばこの
売り上げがふえていくということは見込んでいるわけでありますが、そういうふうに
見込みを実現していきますためには、やはりいまこういった
法律もできまして、
消費者の注文動向、これはだんだんと変わってまいりますので、そういうものに応じたいい
たばこを敏感につくってまいりまして、
売り上げを維持し、また、
増収いたしていくということがどうしても必要になってくると思います。こういった
法律ができますれば、われわれといたしましても、そういう意味で非常にやりよくなるということは申し上げられると考えているわけでございます。