○野溝勝君 私は簡単でございますが、五分ばかり
大臣にお聞します。
さっそくでございますが、私は二月の十八日に農林
委員会で砂糖行政に関する質問をしました。その際いろいろ質疑をしたところ、農林
大臣から慎重に考慮して善処する旨答弁がありました。昨年甘味資源二法案が出ましたが、その際の法案の精神からいうと、自給度の向上、生活の安定といいましょうか、そういうようなことがうたい文句でした。まあ、自由化を一昨年実施し、おくればせながら国内産糖の保護体制をとったわけです。ところが、御
承知のとおり、最近の糖価不安で、精糖業界も清さん農民も消費者大衆もこんとんとしている状態であります。このことについては赤城農林
大臣も、全くそのとおりです、よわったものです、昨年資源法を制定したが、どうもそのとおりいきません、こういうような答弁をされております。
それで、今後一体どうするのだということなんですね。
大臣、砂糖問題は単に、糖価安定というだけの問題じゃなく、これは一つの国民食糧ですから、国民生活全体の問題なんですね。ですから、私は非常に重大に考えているわけです。御
承知のとおり、農民は農民で非常に不満です。沖繩の農民も八割がやっぱりサトウキビの農民ですから。その問題も、その際に臼井君も
政府委員席に来てもらいまして、私は申し上げた。ところが、臼井氏は最近沖繩に行きまして、サトウキビ買い上げを増すという努力をする。私どもの質問の要旨にこたえてくれて努力をされているわけです。ところで、最近砂糖価安定法というものを考えておる。しかし、これには
事業団を設立して、これに対応しようというような考えもあるようです。しかし、
大蔵大臣、やはりこれが
予算に
関係してくるというと、あなたのほうの意見というものが入るわけですから、この際、私は
参考に申し上げておきます。これは単に粗糖の問題、原糖輸入の問題だけじゃないのです。いま言うとおり、国内糖との
関係ですね。甘味資源法案をつくってみても、国内産糖はわずかしかできないのですからね。ですから、これは原糖に依存するところが非常に多いのでございます。その間をどういうふうに調和していくかということが問題なんでして、結論から先にいえば、私は
事業団くらいのものではとてもだめだと思うのです。いろいろ沿革はあるが、いま英国では砂糖の管理をやっておるわけですよ。こういうことは農林
大臣だけではなかなかやりにくいことと思う。
大蔵大臣がひとつ特に赤城さんと相談をされたい。新聞報道のような
状況であるなら、その総理の裁断を得る前に、やはりあなたのところに意見はどうかということで聞きに来ると思うから、その際に、何々法をつくって失敗だったと、これだけじゃ
目的は達せられないのだということを、後になってからまた言うことのないようにしてもらいたい。
この際、私は意見を提示しておきますが、ある程度、やはり国家管理性を帯びた
——あなたたちのほうは国家管理という名がどうもおもしろくなければ、公社でもよろしいから、そういう方向の考えをもって、この際全体をにらんで法案をつくることにしないと、自由化の失敗の上塗りになりますから、この際十分考えてもらいたい。やはり砂糖の自由化は失敗でしたよ、ざっくばらんにいえば。農林省が告白しておるのだ、こんなことになるとは想像しなかったということを言っています。この
政府の失敗には重大な責任がありますよ。しかし、失敗は失敗で、いまさらしょうがないという面もあります。だから、次にはそういう失敗を繰り返さぬように特に考えてもらいたい。だから、私は最後に一言ここで言うのですが、私はこういうふうに考えておるのですね。
大臣、
政府がアルコールを専売化したときがありますね。あの結果は非常に成功していますわね。これは前の話ですけれども、やったことがありますね。だから、今日の砂糖問題に対処する場合、非常に
参考になると思うのです。砂糖は、御
承知のごとく、相場商品、銘柄商品でもないわけです。付価価値も少ない単純血産ですね、こういう
関係から、そういうことができると私は思うのです。そこで、原糖は統制し、輸入糖、国内糖についての差益は、これは生産農民や国内産糖や澱粉業者にも還元する。そして生産面は全国のメーカーに委託加工をさせる、それで賠償額を払う、こういうことを考えておるのでございます。これは今日
大臣からその答弁を聞くというのじゃない。日本の財政にも非常に影響します。
関税、
消費税関係の問題もありますから、非常に影響が大きいわけですから。きょうの新聞を見ると、例の砂糖類問題懇談会の
答申に華づき法案をきめるについて佐藤総理の裁断を仰ぐようだと言っておるが、この際、やたらに佐藤総理が裁断に応じちゃ困るので、あなたが十分そういう意見をひとつ佐藤総理に進言して、将来誤りなきを期してもらいたいということを要望しておきます。
ですから、あなたの具体的な答弁はよろしいが、その考え、ぼくの構想を大体了承できるのか。批判してみよう、
検討してみようという気持ちがあるのか、そういう点をひとつお答えを願いたい。