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1965-02-25 第48回国会 参議院 大蔵委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月二十五日(木曜日)    午前十時四十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         西田 信一君     理 事                 佐野  廣君                 西川甚五郎君                 成瀬 幡治君                 中尾 辰義君     委 員                 大竹平八郎君                 栗原 祐幸君                 津島 壽一君                 鳥畠徳次郎君                 林屋亀次郎君                 日高 広為君                 佐野 芳雄君                 鈴木 市藏君    政府委員        大蔵政務次官   鍋島 直紹君        日本専売公社監        理官       半田  剛君        大蔵省主計局次        長        鳩山威一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君    説明員        日本専売公社総        裁        阪田 泰二君        日本専売公社販        売部長        事 務 代 理  齋藤 欣一君        日本専売公社生        産部長      黒田  実君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○会計法の一部を改正する法律案内閣提出) ○物品管理法の一部を改正する法律案内閣提  出) ○製造たばこ定価決定又は改定に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送  付)     —————————————
  2. 西田信一

    委員長西田信一君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  会計法の一部を改正する法律案及び物品管理法の一部を改正する法律案、以上いずれも参議院先議の両案を一括議題といたします。  両案につきましては去る十八日、すでに質疑は終局いたしております。  それでは、これより両案を一括討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西田信一

    委員長西田信一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより各案につきまして、順次採決を行ないます。  まず、会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  4. 西田信一

    委員長西田信一君) 全会一致と認めます。よって、本案全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。  次に、物品管理法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  5. 西田信一

    委員長西田信一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案につきまして議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 西田信一

    委員長西田信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 西田信一

    委員長西田信一君) 製造たばこ定価決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案は、去る十九日衆議院から送付せられ、本委員会に付託せられました。本案提案理由説明は、すでに聴取いたしております。  それでは、これより補足説明を聴取いたします。半田監理官
  8. 半田剛

    政府委員半田剛君) 監理官半田でございます。  この法律案につきましては、ただいま委員長が申されましたとおり、さきに鍋島政務次官提案理由で概略を御説明申し上げましたとおりでございますが、これを補足いたしまして、次に御説明申し上げたいと存ずるのでございます。  この法律案内容は、第一には、日本専売公社が現在試製販売しておりますフィルターつき紙巻きたばこホープロングサイズ、「とうきょう64」及び「ひびき」を、今後継続して販売するために、日本専売公社製造たばこ価格表に追加すること、これが第一でございます。第二に、現在販売を中止しております葉着きたばこアストリアパイプたばこ日光及び刻みたばこ富貴煙を、この機会価格表から削除すること、これが第二でございます。第三に、現在正式販売しておりまするレギュラーサイズホープを、今後当分の間ロングサイズホープと並行して販売することができるように措置すること、以上三点を内容とするものでございます。  日本専売公社におきましては、昭和三十二年以降、いわゆるレギュラーサイズホープ販売してまいりましたが、最近ロングサイズフィルターたばこ発売を要請する声が強くなってまいりましたので、これにこたえるために、昭和三十九年七月一日からロングサイズホープ試製販売しておるのでございます。この新しいホープは、ハイライトと同様、やや細巻きになっておりますが、葉たばこの容積、品質及び原価は、従来のホープとほぼ同じでございますので、その小売り定価も、従来のホープと同様、十本当たり四十円といたしておるのでございます。  なお、このロングサイズホープは、発売以来昭和三十九年十二月までの公社売り渡し実績は、十一億四千二百万本でございますが、その需要がきわめて旺盛でございますので、今後供給能力の拡充に伴いまして、販売数量はさらに増加するものと予想されるのでございます。  次に、近年フィルターつきたばこに対しまする需要が著しく増大してまいりまするとともに、最近ではその銘柄数を増加いたしまして、消費者の多様な嗜好などに応じましたフィルターつきたばこ発売することを要請する声が、次第に強くなっているのでございます。このような要望に顧みまして、公社では、昭和三十九年九月一日から上級品として「とうきょう64」を、また同じ月の二十日から「ひびき」を、それぞれ試製販売しておるのでございます。  「とうきょう64」は、ホープそのほか十本当たり四十円のたばこに比べまして、味やかおりなどがより高級でございますので、小売り定価を十本当たり五十円といたしておるのでございます。なお、この「とうきょう64」は、売れ行きは好調でございまして、発売以来昭和三十九年十二月までの公社売り渡し実績は、三億四千七百万本に達しておるのでございます。  また、「ひびき」につきましては、その品質原価等ハイライトよりも低い水準にあることと、大衆品であることにかんがみまして、その小売り定価を十本当たり三十円といたしておるのでございます。なお、「ひびき」の売れ行きはおおむね順調でございまして、発売以来昭和三十九年十二月までの公社売り渡し実績は、二十八億八千三百万本になっておるのでございます。  以上三銘柄とも、さらに継続して販売するために、価格表に追加しようとするものでございます。  次に、アストリアは、中級葉巻きたばこといたしまして昭和二十一年十二月から販売してきたのでございますが、その後嗜好向上に伴いまして、その売れ行きが急減いたしましたので、昭和三十六年六月限りで製造を中止し、八月までに在庫品を売り終わっておるのでございます。  また、日光は、中級パイプたばことして、昭和二十四年七月から販売してまいったのでございますが、その後嗜好向上に伴いまして、これもその売れ行き昭和三十六年ごろから次第に減少してまいりましたので、昭和三十八年四月限りで製造を中止し、昭和三十九年の六月までに在庫品を売り終わっておるのでございます。  また、富貴煙は、これは刻みたばこ製造する際に発生する刻みくずを選別して加工した下級品でございまして、明治四十三年十二月から発売してまいったのでございますが、近年その需要が減退いたしまするとともに、刻みたばこ需要の急激な減少に伴いまして、その製造数量も年を追って減少してまいりましたので、昭和四十年の一月からその製造販売を中止いたしておるのでございます。  以上三銘柄とも、今後製造販売を再開する見込みがございませんので、この機会価格表から削除することといたしておるのでございます。  最後ホープにつきましては、この法律案の本則におきましては、一応ロングサイズのもののみを価格表に載せておくということになっておりますが、現在フィルターつきたばこ供給がまだ不足ぎみであることと、それからレギュラーサイズホープに対する需要も無視できませんのと、そういうようないろいろの事情もございますので、なお当分の間、このレギュラーサイズホープ販売することができるように、この法律案の附則におきまして措置することにいたしておるのでございます。  以上がこの法律案提案理由補足説明でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げる次第でございます。
  9. 西田信一

    委員長西田信一君) 以上で補足説明は終わりました。  それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  10. 津島壽一

    津島壽一君 簡単なことを、何といいますか、希望を含めてお尋ねしたい。  この法律案を読みまして、私は前から考えておるのですが、巻きたばこについて、口つき両切りフィルターつき、大体いま三つあると思うのです。これが同じホープであっても、あるいはほかのたばこ種類についても、一々フィルターつきとか口つきとか両切りとかいうものを、減らすか増加するか、その場合場合に、価格も変わらない、それから使う葉も変わらない、質も変わらないのに、そういったものを一々法律を制定する必要があるのかということについて私は疑問を持っておる。専売公社というのは、これは営業機関ですから、一般の民間の商売と同じように、製造業と同じように、もっと弾力性を持たしたらどうかという考え方、すなわちフィルターつきだとか口つきだとか両切りだとか、内容は変わらないものを一々、改正するときに、どちらかの種類に変わる場合に、法律改正を要するということは非常に煩瑣なことだと思います。  したがいまして、この問題は、一昨年ですが、十月にオリンピアスというたばこ、これは寄付金つきたばこ、あれが初め両切りでやるということだったのです。それで法律が通った。売っている途中で、フィルターつき売れ行きがいいだろうから、希望もあるから、それに変えたいのだというけれども、法律改正をしなければそれができない。そういうようなことのために、せっかく一年の間にたばこの売り上げでオリンピック仕事を資金的に援助しようということが十分行なわれなかったということがあったのです。  そのときに私は言ったのです。これはもうフィルターつきだとか両切りだとか口つきだとかいうものは、ほんの小分けであると見て、それなら初めからちゃんとそれは三つの場合があるということを書いておけばいい。それを一々法律改正してそういうことをやることは、煩瑣であり、時期を失するのであり、私は営業としては非常にまずいという観念で、これは今後の立法の場合にはそういったようなこまかい区分をもって一つ法律をつくるということはやめにしたらどうだという意見を述べた。これは公社総裁もおそらく御存じだろうと思います。  これは今回の法律を見ますと、やはり立法の形式が、フィルターつき一つ種類で、そのこと自体が国会の、何というか、議決を経なければならないという立法技術が、どうも私は時勢に合わないし、また営業的でないと思うのですが、その点について御研究があったかどうか、ひとつその点をお伺いしたいのです。
  11. 半田剛

    政府委員半田剛君) ただいまの津島先生の御意見でございますが、先生の御質問のとおり、ただいまの製造たばこ定価決定又は改定に関する法律というものは非常に、厳格と申しますか、そういうふうにできておりまして、お話のとおり、あらゆるたばこはすべて製造のときは試製という形になっておりまして、「販売期間は、六月をこえないことを例とする。」ということになっておりまして、もし六カ月をこえて販売されるためには一番近い機会においてこの価格表に追加の措置をとらなければならない、こういう仕組みになっているのでございます。したがいまして、先生の御指摘のとおり、同じたばこフィルターをつけるというだけでございましても、いまのような所定の手続をとって法律改正するということになっておるのでございます。  これはもともとの精神は、御承知のとおり財政法三条の問題から来ているのでございますが、いかにも私たちも非常に、こちらから言うとおかしいですが、厳格の規定になっておるのじゃないかと考えますのと、また津島先生はじめ方々からそういう意見がございますので、かねてからこれを、財政法三条の精神にも違反しない、しかもその間におきまして公社営業としての幅と申しますか、屈伸性をもう少し与えるような法制にならないかと、かねてから研究をしておるのでございますし、目下も研究を続けております。この研究をすみやかにさらに進めたいと存じておる次第でございます。
  12. 津島壽一

    津島壽一君 大体向いているようないまの答弁ですが、なるべく早い機会にそういった立法形態をとることにするほうが、専売公社仕事の上においても非常に利益があると思うのですが、これはぜひ実現願いたいということをあらためてこの機会に申し上げておくわけです。  それから、ついでにちょっと、きわめて簡単に。フィルターつきたばこが非常に嗜好に投じて売れ行きが多いという事態は、これは公社の方も、われわれ愛煙家のうちにおいても話が出るのですが、製造能力にいつも制約されて、フィルターつきたばこ地方へ行って買おうと思うとないので、東京から持ち込むようなことを私どもやっておるわけですが、一体この製造能力を増加することについて一定計画をお持ちであるかどうか。従来の何というか、たばこ消費というか、売れ行きの場合から見れば、だんだんと両切りたばこに対しての比率が大きくなってきているのです。この傾向はさらに私は増加すると思うのです。外国におけるたばこ販売状況から見ても、フィルターつきのほうへ移ってきておるように思うのです。ところが、需要はあるのに供給が間に合わないというのが現状だろうと思うのです。しかも、この状態は過去フィルターつきができてから、もうはっきりあらわれておる事実です。それでなお足りないということは、どうも私は商売気がないと思うのです。  そこで、一体製造機械設備関係でいろいろ制約されておるということは承知しておりますが、今後の製造計画の上で、これに相応した機械設備とかその他についての一定計画がおありだろうと思うのですが、それをちょっといま資料があれば、お伺いしたいのです。
  13. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 津島先生の御指摘のように、フィルターつきたばこに対する需要というものは、一般の喫煙される方の趣味の変化ということだろうと思います、非常に多いわけで、製造がこれに追っつかないという状況を呈しておりまして、まことに申しわけないと思っているわけですが、ただいま御質問の点、ちょっと状況を御説明申し上げますと、大体、昭和三十九年度では千六百四十六億本くらい売る計画なんですが、そのうち約四百八十五億本ですか、これがフィルターたばこになるといった状況になっております。全体の三割程度がフィルターたばこになっております。明年度は、全体販売いたします計画は千七百六十五億本ほどを考えておるわけですが、そのうち八百五十億本ほどがフィルターになる、大体五割くらい。ことしはこの三割ですが、来年度は五割くらいがフィルターになる、こういったような計画を考えておりまして、内容的にも、全体に占める割合がふえますので、フィルターたばこ銘柄種類等も、本年度もふやしましたが、来年度も新しい種類を出しましてやっていきたいと考えておるわけです。少し先のことを考えますと、世界の各国、欧米等状況を見ますと、フィルターつきたばこの占める割合は七割、八割といったようになってまいっておりますのが実情であります。将来の問題としましては、わが国でも七割五分とか八割近い状況まで持っていきたいと考えて、さような意味計画をいたしております。  それで、需要に対しまして製造が追いつかない理由は、主として設備関係であります。フィルターをつけるための特別の機械が要るわけです。この機械を現在専売公社機械製作所でつくっておるわけでありますが、それがなかなか追いつかないということでありますが、本年度から機械製作所製作台数もいろいろ都合いたしましてふやすことにいたしまして、すでに毎月の製造台数もふえてきておりますし、来年度は相当機械の増設ができますが、さらに、それでも追いつきませんと考えますので、外国から高速度の紙巻き機並びにそれにつくフィルターのアタッチメントを輸入いたしまして、増産をはかっていきたいと考えております。  なお、本年は、工場の操業でありますが、フィルターたばこをつくっております工場につきましては、超過勤務、時間外勤務を、これは労働組合と話し合いましてやることにいたしまして、それで増産をはかりましたわけでありますが、来年度も、これから労働組合と交渉する問題になりますならば、できるだけフィルター工場につきましては超過勤務もして製造本数をふやすことにいたしたいと、かように考えておるわけであります。
  14. 津島壽一

    津島壽一君 大体それでわかりました。いま配給関係で、フィルターつきは大都会とかそれに限って、国内一般一定割合配給して販売しておるというような状況であるか。従来は五大都市か六大都市に限っておったのです、ホープの場合について。いまどうしておりますか。非常にほしいところにはない。また、都会は非常に潤沢だといったようなことが往々にしてあったのでありますが、いま配給状況はどうしておりますか。
  15. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) フィルターたばこにつきましては、発売当初は大都市とかあるいは地方県庁所在地とかいうふうなところからまず売ってまいったのでありますが、まあ不足がちではありますが、だんだんと数量全体で三割とふえてまいりましたので、現在のところでは一応原則として全国各地域で売っております。ただ、やはり地方によりまして、都市農村ということで需要状況が違いますので、多少配給状況都市に厚いとか農村地方にはやや少ないとかいったような違いがございますが、販売地域としては現在のところは全国的になっておるということであります。
  16. 津島壽一

    津島壽一君 最後に、それは了承いたしましたが、この改正案には、「とうきよう64」というのが正式に価格表の中へ追加されることになっております。これはオリンピックには非常にふさわしいと思って適宜にやったことを私は了承したのですが、「とうきよう64」というのは六四年——昨年の年号ですね。これを永久に出すつもりですか。こういう価格表にあらためて入れるのはどういう意味ですか。私はあれを非常にりっぱなできばえだったと思っておったのですが、これはオリンピックの年のみであって、これはもうオリンピックの年が済めば、これは何というか、製造販売を見合わすものかと、私はそう思っておったのですね。この六五年になって初めてここへ顔を出して、六五年に顔を出すたばこが、正式の法律上これが64という文字で売るのは、たばこ内容、実質は変わらぬのですけれども、こういう銘柄名称ですね、それがどういうような趣旨を持っておるものか。オリンピックを回想するたばこという意味ですか、どういう意味ですか。
  17. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 御指摘のこの「とうきよう64」という名称は、オリンピック東京六四ということを記念してつけた名前でありますが、そのときに発売いたしましてたいへんに評判がよかったわけで、引き続き売ろうと、こういうことになったわけでございまして、やはりそういう来歴といいますか、記念するといったような意味で、引き続きそういう名前を使っていきたいというような趣旨でやっておるわけでございます。  これはちょっとよけいな話ですが、ドイツにエルンテ23というたばこがあるのですが、23というのはやっぱり一九二三年という年号になっておるわけです。ちょうどその年に非常にたばこが豊作といいますか、いいたばこがとれた年でありまして、いいたばこができたもんですから、そのときにそういう名前たばこができたらしいのですが、それを記念して、いつまでもそういう名前をつけておる。そういったような例もあるわけであります。  非常に意義のあるオリンピックというものを記念して、そういうような名前でいつまでも売っていきたいと、こういうつもりでつけておるわけでございます。
  18. 津島壽一

    津島壽一君 ドイツの場合はそれで理由があったんでしょうけれども、ちょっとこういうことは売れ行きの上において、商売ですからね、日進月歩しなければいかぬものを、どうも、ドイツの場合はそれでいいでしょうが、ちょっと古いような感じを持ってくるのじゃなかろうか。この売れ行きが将来ずっとよく売れるかどうかという問題、これは売れ行きの問題を考慮する場合に、どんなもんでしょうか。だんだんしり細りになるおそれはないかという心配なんです。その見通しはどうですかという質問です。何かこれは正式に入れるんなら、もう少し考え方はないかというのです。
  19. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 「とうきよう64」という名前を引き続き使っております趣旨は、先ほど申し上げたようなことでございますが、この64というたばこオリンピックを記念して出したわけですけれども、割合評判がよろしいわけでありまして、オリンピックのときには、外人客等オリンピックに参りまして、かなり売れたわけでありますが、その後も引き続きよく売れておるわけであります。本年になりましても、売れ行きが落ちておりません。むしろ多少ともふえるくらいの状況でありまして、大体十分従来どおりのベースあるいはそれ以上で将来も売れていくだろうというふうに考えておるわけでございます。
  20. 津島壽一

    津島壽一君 この案には、葉巻き製造をやめようということが書いてある。アストリアをやめるということは私はけっこうだと思うのです。残るはグロリアのみだ。  これは希望ですが、どうも日本ではシガー製造技術を持った者が非常に少ないのですね。したがいまして、戦前から戦後にかけて、どうも葉巻き製造において諸外国に非常に技術上負ける点があると思うのです。せっかく国際的に日本を中心とした会合が非常に多いし、観光客も多いわけですが、シガー製造技術向上することについて公社としては何か特別の手段を講じておるかということを聞きたいのですね。これは観光関係からいっても、なるべく日本におけるたばことしてシガーも相当りっぱなものができるということは、一つの大きな魅力なんです。これはシガーをのむ人でないとわからない。いきなり、外国新聞記者なんか参りまして、報道陣がシガーをさがす。悪い、持ってこなくちゃだめだぞ、こういうことになるわけですね。その点において、はなはだ卑近な例でありますが、台湾専売局があった時代にグロリアというシガーがあった。日本専売局においてもグロリア。同じ名前。大体価もそう変わらないが、はるかに日本内地シガーのできが悪い。これはだれにのましてもみんなそう言う、シガー通は。今度はグロリア、まあ台湾にないから競争にならぬでしょうが、いまやっておるかどうかわかりせんが、これはささいなことでありますけれども、製造するなら優秀なものをつくってもらいたい。技術がなければ、もうこっちはシガーはつくらぬというくらいな結論出すかどうかという問題なんですが、これは製造技術面はどうなっておるか、ちょっとお伺いしたい。
  21. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) シガーのことについての御質問でありますが、シガーにつきましては、日本では御承知のようにわりに需要量も少ないようでございまして、私どものほうでも現在御承知の業平工場工場だけが製造しておるわけです。ここで研究もいたしておるわけでございますが、何ぶん、先ほど御指摘ありましたように、フィルターたばこその他につきましての需要が非常に大きい、またこういうものを開発していくことが急務でございますので、どうも研究、その辺が少し葉巻きのほうには十分でなかったというようなきらいがあると思います。御趣旨もございますので、こういう方面につきましても、将来のことを考えますといろいろ研究していかなきゃならないというふうに考えております。  ただいまのついででございますが、グロリアという御指摘ありましたが、現在公社ではグロリアというたばこ、これはマニラ系を主にいたしまして、ハバナもちょっと使っておるものでございますが、そのほかにハバナ葉を主体にした。パンドールというシガー製造しておりまして、これもかなり出ておるわけでございます。いろいろ海外から人が来られたときなどに、日本にいい葉巻きがないということで非常にぐあいが悪いということでありましたので、グロリアよりもややいいものとしてパンドールというものをつくりましたわけでございまして、昨年IMFの総会等ありました機会等には、国産のたばこを出すということで、パンドールのほうなど使いましたわけでございますが、これはてまえみそになるかもしれませんが、わりに皆さん方の評判がよかったように伺っております。
  22. 津島壽一

    津島壽一君 私は、葉巻きをつくってやるならば、公社は大きな身代ですから、これは外国に負けないような——製造技術上一応葉たばこの質いかんによってはいたしかたないのですが、いまのパンドールのごときはハバナ葉をお使いになる、これは最高峰な原料ですから、技術さえよければ私はりっぱなものができるのじゃないかと思うのです。たとえ少量の売れ行きであっても、売れないからつくらないとかいうことでなしに、技術を改善して、技術がよければ、いいものをつくれば売れるようになるのですね。そういった意味において、何年かをりっぱな技術者を養成するか、あるいは外部の技術者に教わるか、そうしてせっかくつくるなら、しかもハバナを入れてまでやろうということならば、日本にはやっぱり少量でもいいシガーができるということは、国の体面からいっても、専売という大きな力でやっておる、民間のたばこ製造業者ではないのですから、それを御研究願って改善に力をいたしてもらいたい、こう思う次第でございますので、これだけを希望を述べて私の質問を打ち切ります。
  23. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この際、専売関係のことについていろいろとお尋ねしておきたいと思いますが、まず第一に、いまちょっといろいろ事務当局のほうから御説明を伺い、あるいは別途の予算書の説明読んだらわかったわけです.が、この「昭和四十年度予算の説明」、六二ページに専売公社が一番最初に載っておるわけですが、(3)のところに収入と支出が項目別に書いてあるわけで。普通でいうなら、この(3)のこういう書き方がいいか悪いかといういろんな意見のあり方があると思うのですが、元来なら、私たちが見たときに収支がバランスしておって、これだけは専売益金ですよということまで書いて、収支決算の合計額が合うようにしていただいたほうが、別なほうの資料にはそれが書いてありますから、それでいいと思いますけれども、こうしたほうがいいのか、あるいはどちらがいいかということについて、何かこれにしたという特別な意味でもあれば承っておいたほうがいいと思う。そうでなければ、私は普通の収支決算書のようにしてもらったほうが、われわれは首っ引きで両者を比較してみるということもあり得るわけですけれども、一冊で事が足りると思いますが、これはどうでしょう。
  24. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいま御不審抱かれたところ、まことにごもっともと思いますが、どうも先ほどお話ありましたように、公社というものは企業といいますか、事業ということで仕事をやっておるわけですが、したがって、予算のほうの形は、これは政府の一般会計なんかと同じような収入支出の予算の形でできておる。それで、どうもその関係が符合しないわけであります。収入支出の予算でありますから、損益計算、利益損失の予算と全然違うものになっておる。それで、結果として納付金というもの、これは損益のほうから出てくるわけでありますので、その関係が合わないわけであります。その辺、公社の会計といいますか、予算決算、収支予算の形としてはやはり事業の実態に合ったものがわれわれとしては望ましいというふうに考えておりますが、そのほうがまた一般の方がごらんになりましても御了解がしやすいのではないかと思っておりますから、やはり現状はそういったふうな予算制度に法律的になっておりますので、どうもまことにやむを得ないということであると思います。  この予算書の形式その他につきまして、もう少し御了解が願いやすいように編集をくふうするということは、これはあり得るわけですが、基本的にはそういうふうなことになっておるわけであります。
  25. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私はそういう趣旨だということもわかるわけです。できたら、私たちが見やすいように、しかもわかりやすいようなふうにしていただくと非常にいいではないか。単に読みますと、専売納付金と言われると、何か専売益金という数字は、たばこだけがこれだけもうかるかしらと、こう思うのですが、ようやくわかりましたことは、千六百四十三億で、内訳を大ざっぱにいって、千二百億くらいたばこ収益があって、あとは資産増というような形で四百億くらいのものがあるのだ、そこでこういう数字が出てきたということがわかったわけですが、であるとすれば、一体専売でたばこそのものだけの利潤というものは幾らか、これは引いたらいいじゃないか、こうおっしゃるかもしれませんが、なるほど公社という特殊なものであるからこういう書き方をしていると言われますが、一度どちらがいいかということについて、私結論持っておりませんので、できたら、ひとつ希望としてはわかりやすいような予算の説明書であったら非常にいいじゃないか。これは希望ですから。
  26. 半田剛

    政府委員半田剛君) いまの成瀬先生のおっしゃっている点は総裁の答えたとおりでございますが、確かに政府なり政府機関全体をまとめたいまの説明書はわかりにくくなっております。政府機関だけのこまかい予算につきましては、いま言いましたように、専売納付金と利益の関係、そこら辺がこまかく書いてありますが、片方のまとめた説明は確かにわかりにくいことは事実であります。その辺は、関係当局とよく相談いたしまして、わかりやすいように今後検討してみたいと考えております。
  27. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 続いて、塩が千二百億くらい赤字になる、こういうことが予算書にあるわけです。これは端的にいってどうして赤字になるのか、御説明していただきたいと思います。政府委員半田剛君) ただいまの成瀬先生のお話では、塩について非常にばく大な額の損失というふうに承ったのですが、こちら、いま全体のまとめた書類を持ってきていないのでございますけれども、塩だけを見ますと、たしか支出額で、四十年度の予定でございますが、収支差額四億八千五百万……
  28. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 千二百万円の赤字です。私、数字を間違いまして、えらい失礼いたしました。千二百万の赤字が見込まれてこうなっておる。そこで、千二百万円の赤字の原因は何ですか。
  29. 半田剛

    政府委員半田剛君) ただいまの先生の御質問の約千二百万の赤字というのは、おそらく塩関係の専売納付金ですね、それだと思います。先ほど私の四億と申しましたのも、これは間違いじゃございませんで、収支差額のほうの赤字が四億になっておりまして、それからいろいろな計算をいたしまして、成瀬先生指摘のとおり、約千二百万というものが赤字になるというのが実情であるわけであります。
  30. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 その原因は何ですか。
  31. 西田信一

    委員長西田信一君) 質問は、赤字の原因がどこにあるかということです。それをお答え願います。
  32. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 塩事業の勘定におきましては、過去におきましてはいろいろ赤字が相当巨額に出たこともあるわけでありますが、ここ数年間は大体収支とんとんといいますか、損益がほとんどないといったような形になりますように、塩の販売価格、いろいろ経費その他も勘案してやっておるわけでございます。ただ、収支全体はかなり大きい額でありますので、収納価格あるいは販売価格との関係から、ぴったり収支が合うというわけにはなかなかまいらないと思います。たまたま千万程度の差ができた、こういうことになっておるわけでございます。  大体、目標といいますか、考え方といたしまして、特に塩関係では利益はあげない、さりとて損失も出さないといったような形で、塩事業としては、もっぱら生産、配給の調整をやるというような形でやっておるわけでございます。
  33. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 また機会があれば、塩はいろいろな問題で、国民関係から、これは必需品の問題であります。それから、塩害なんかの問題もございましょうし、いろいろありますから、たばこ関係がきょうは法律案としてかかっておりますから、こういう点はやめます。  次に、たばこで承りたい点は、たばこは非常に伸びておるといわれておりますが、これはたばこを吸う人口が伸びたということを意味しておるとするなら、それは女がずっとふえてきたのか、あるいは年齢が下に下がってきたのか。そうじゃなくて、ふえておるというのは、値段を上げることによって、たとえば十一円や十五円ぐらいの原価のものを三十円、五十円で売る、そういうところで収入が上がってきたというのか。収入がふえておる原因はどういうようなところにあるか。一番心配しておる点は、喫煙年齢が下がっているのじゃないかという点を、これは私は統計をもって言うわけじゃございません、ただ単に想像で申し上げておるわけですが、あなたのほうにはどういうふうな資料というのですか、そういうような点について御研究になっておるのじゃないかと思いますが、お答え願いたいと思います。
  34. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 喫煙人口の増加の問題、あるいはどういう関係販売本数なり消費がふえておるか、こういう問題でありますが、いま喫煙人口という点からいいますと、いろいろ喫煙者の部分的な調査等もいたしておりますが、なかなかはっきり実態がつかめない点がございます。  ただ、非常に大ざっぱに観察いたしまして、ここ数年ぐっと喫煙人口といいますか、成年に達した人間の数というものはずっと増加を続けておりまして、先ほど御指摘のような未成年者あるいは女性の喫煙といったようなことを考慮に入れませんでも、成年に達した人口というものが全体としてここ数年ふえておるのであります。その関係一つと、それからあと大きな点は、何といいましても、国民所得が増加してまいりまして、国民の消費生活の水準もだんだんに上がってまいりましたので、そういったような関係で喫煙の本数というものもふえておるのじゃないか。さらに、喫煙する銘柄といいますか、そういうものもだんだんと高級なもののほうに移ってくるという傾向が見られるので、非常に大ざっぱにいいますと、そういう三点。要するに、成年人口の増加ということと、国民所得が上がってまいりましたその結果、消費生活が向上してきた、こういったようなところが、大きくいいまして基本的な原因であるのじゃないかと思っております。  公社におきまして、将来のたばこ販売見込み、これを立てませんと、いろいろの設備計画とか事業の計画ができないのでございます。そういうものを立てます場合にも、主としてそういうところを基準に見当をつけておるわけでありまして、それ以外に新しい方面といいますか、販路を開拓するということは考慮に入れないでやっております。
  35. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は深く掘り下げているわけじゃないのですが、あなた、成年人口がふえていると。それじゃ、一体その伸び率はどのくらい伸びているのか、それであなたのほうの専売益金の伸び率はどうなっているか。それから、消費水準が上がったということになると、価格の問題になりますが、それはどのくらい上がってきているか、それと専売益金の六十二億、そうしたものと大体合ってこなければならないと思いますが、あなたのおっしゃるように、おれのほうも販売製造計画を立てる、こうおっしゃるなら、何か基礎的な数字があってしかるべきだと思いますから、資料がそこになければ、私は後刻資料としてお出しいただいてもけっこうでございますが、わかればここでお答えを願います。
  36. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ここに非常に詳細な数字を持っているわけじゃございません。また、ただいま御指摘のありましたような点についても、こまかく分析して、どの分でどれほどふえたかということは、なかなか申し上げにくいと思いますが、大体成年人口の増加はここ数年二%程度毎年ふえておるというような統計になっております。こまかい数字は、御要求がありますれば、後ほど提出いたします。  それから、それに対しまして消費生活の向上その他でふえる分でありますが、これは本数でふえる、よけい吸うというような傾向、たくさん吸うという傾向面と、それからより質のいい、より高いものを吸うという二つの面があると思いますが、より高いものを吸う、平均単価がその結果上がってまいりますが、そういったような面でいいますと、大体これも毎年二%くらいずつ平均として上がってまいっているようであります。結局、そういたしますと、その差し引いたものが一人当たり喫煙者の吸う本数の増加といったようなものになるのじゃないか。大ざっぱに申しまして、大体その三つが同じような程度に作用して、現在の消費の増加という結果になっておるのじゃないかというように、非常にざっぱな話でございますが、考えております。
  37. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それから、葉たばこの耕作面積なんですが、これは四千九百十ヘクタール増だというんですが、これは何か新しく開拓されるわけじゃないですから、たとえばいままでは桑をつくっておったものがかわるとか、いろいろなことでかわってくる以外にないと思うのですが、どういうふうに——増と簡単におっしゃるわけですが、耕作地が葉たばこに、いままでは野菜をつくっておった、野菜からかわることはないと思うのですけれども、何がどういうふうにしてこれがかわってくる、ふえてくるのか、御説明願えませんでしょうか。
  38. 黒田実

    説明員(黒田実君) 四千九百十ヘクタールの増反でございますが、これは御承知のように、昭和三十七年から原料不足緩和のために毎年増産をやってきまして、毎年面積も伸ばしてきたわけでございます。四十年につきましては、ただいまの四千九百十ヘクタールの増反と、こういう計画になっておるわけでございますが、最近は葉たばこを耕作します地帯はほとんどもう全部つくっておりまして、新しい町村につくるというような例はほとんどございません。従来はつくっていた市町村の中でふやしていくというのが、ほとんど全部になっておるわけでございます。また、内容的に見ましても、従来つくっていた町村で、従来たばこを耕作していた耕作者の方が個人の面積をふやすというようなことで、消化しているのが大部分でございます。  そういうことでございますが、もちろん、それだけ面積をふやしますと、ほかの作物の分も若干食うということにはなるわけでございますけれども、大体、主として西のほうでたばこと競合していますのは、カンショが大体多いわけでございます。カンショとか、あるいは養蚕も若干競合するわけでございます。まあ、カンショが一番多いんじゃないかと思います。ただ、最近の傾向といたしましては、従来たばこは畑作物としてつくられていたわけでございますが、西日本におきましては水田を使いまして、米の前作という形でたばこをつくっている場合も多いわけでございまして、したがいまして、御指摘のように、それだけふえれば何かを食うわけだということにはなるわけでございますけれども、そうほかの農業関係との調整が非常に乱れる、そういうような大規模なものではないように私ども考えております。
  39. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そう大きなものじゃないと、こうおっしゃるのですが、実は相当大きなものだと私は考えているわけですよ。耕作面積が八万五千九百五十ヘクタール、そして伸び率から見ますと五%ずつふやしていかなくちゃならぬ。これは何年までいったらいいかわかりませんけれども、私もたばこというものはいろいろな意味合いにおいてふえていくだろうと思います。いま簡単に三十九年度に比べて四十年度は約五%増、そうしますと、これが非常に品種などが改良されて中身がよくならなくちゃならないんで、量が私はそう別にどうこうということじゃないと思う。そうしますと、五%ずつふやすということが、これからも毎年こういうふうにある一定の限度はあるかもしらぬけれども、いま言ったようなかっこうでふえていくだろうと思います。そうすると、輸入に相当依存をしなくちゃならぬことになりはしないかと思うから、こういう耕作面積の確保と申しますか、水田の前作でやるというのは一つの非常にいいことだと思うのですが、どういうような形で今後耕作面積の増に対して考えておいでになるか。たいしたことはないから、まあみんなが適当にいいぐあいにやってくれるわと、こういうようなお考えだけでは行き詰まってしまって、輸入をうんとしなくちゃならぬようなことになりはしないかという点を心配しておりますけれども、そういうことはございませんでしょうか。
  40. 黒田実

    説明員(黒田実君) 実は最近非常に目立ってまいりました現象は、十アール当たりの収量が非常にふえてきているわけであります。数字で申し上げますと、たとえば黄色種という種類を全体の六側つくっているわけでございますが、これが過去五年間の平均で二百十一キロくらい十アール当たりとれております。それが三十九年産の場合は、天候の影響もあったわけでありますが、二百八十六キロというような非常に大きな数字になっております。したがいまして、私ども前々からこの製品たばこ消費増に見合いました長期的な見通しを立てていたわけでございますが、二、三年前に比べまして非常に見通しが、耕作面積については変わってきたわけでございまして、現在のように十アール当たり収量がふえてまいりますと、そう大幅な増反を今後しなくてもいい、こういうような見通しを持っているわけでございます。もちろん、これは長い目で見ますと、毎年少しずつは増反しなければいかぬわけでございますが、少なくともここ一、二年は、かなり在庫の状況も回復しておりますし、収量もふえておりまするので、そういう大幅な増反はここ二、三年は少なくもしなくていい、こういうような現在の状況でございます。  ただ、先々になりますと、これはもちろん消費の増加に見合った増反をしなくちゃいかぬわけでございまして、その点につきましてはなかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、現在の状態におきましては、比較的産地におきまして、葉たばこ価格が安定しているというような点で、割合に歓迎されている地帯が多いわけでございまして、たとえば四十年度の面積のときは公社が八万六千ヘクタール弱の公示をしているわけでありますが、産地の耕作希望はその八万六千ヘクタールを相当上回るというような希望もあるわけでございまして、先はともかくといたしまして、現在のところ、公社計画している程度の増反につきましては達成できるのではないか、こういう見通しを持っておるわけであります。
  41. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 葉たばこの、たばこ原料と申しますか、そういうものの輸入というものは、たとえば三十九年度はどれだけあって、四十年度はどのくらい計画されておって、それは何%くらいの、数量でもいいのですけれども、あるいは額でもいいのですけれども、国の総生産量の量に対して、あるいは国の葉たばこの総生産の額でもいいのですけれども、どのくらい依存しているか。
  42. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 御質問にお答え申し上げます。大体の考え方を申し上げますと、過去数年間輸入しておりました葉たばこ割合と申しますか、輸入割合と申しますか、これは一割から一割五分程度、その同だったと思います。
  43. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それは価格ですか、数量ですか。
  44. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 数量でございます。それで、本年度、来年度も大体その程度の割合になると思います。  数字で申し上げますと、三十九年度、これはまだ終わっておりませんので、一部見込みが入るかと思いますが、数量にしまして約二千万キロのものを輸入するということに相なっております。それから、来年度におきましても、大体これより若干上回るということになろうと思います。
  45. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 金額はわかりませんか。
  46. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 金額を申し上げます。ただいま申し上げました三十九年度の二千万キロの見込みでございますが、これに見合う金額は大体百四十二億程度、円にいたしまして百四十二億円程度に相なります。
  47. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これは、原料が不足というよりも、むしろ味の関係のほうが多いのですか。
  48. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) いま先生がおっしゃいましたように、もっぱら味と申しますか、品質の問題でございます。と申しますのは、日本の葉たばこだけで——たばこと申しますのは、そもそもいろいろなたばこを組み合わせましてつくるのが一般のやり方でございまして、諸外国でもそういうことをやっておるわけでございます。日本の葉たばこではどうしても出ない味というものを、外国の葉たばこを若干加えることによりまして、日本の葉たばこの味を促進し、あるいは悪い点を押えましたり、あるいはもう少し積極的に、何と申しますか、味つけに使う、味の素のようなかっこうで味つけに使うといったようなことで使っておりますので、そういうような意味におきまして、量が足りないということでなくて、もっぱら品質の問題で輸入せざるを得ないということで輸入しておるわけでございます。
  49. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 たばこというものはいろいろと種類があるということもわかりますし、なるたけ種類のあるのはいいことだと思います。大体、諸外国等と比較をしてみて、民営でやっておるところと、それから官営とあると思いますけれども、日本に私は何種類あるか知りませんが、それはもちろん両切りだけに限っても幾つくらいが妥当だ、ということはちょっとむずかしいかもしれないけれども、諸外国に比べてみまして、日本種類が多いほうですか、それともまあまあというところでしょうか。
  50. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) これは専売の国あるいはそうでない国と、いろいろ諸外国にはあるわけでございます。私たちが一番近い——近いと申しますか、よくお目にかかっているたばこはアメリカのたばこで、アメリカには大きなメーカーが六つございまして、そのほか小さいメーカーがたくさんあるのでございますが、名前の通ったたばこだけ、銘柄だけあげましても、五十くらいある。それから、民営のところでございますと、イギリス、ドイツ、みんな同じようなことで、かなり銘柄の数としましては多くなっております。専売局で申しますと、比較的大きな専売局としましては、フランスとかイタリアというところが専売局になるわけでございます。その銘柄の数といたしましては、日本に比べますと四倍とか五倍とかいったような非常に大きな数になっております。もっとも、その中で非常に売れております大きな銘柄というのは、そう多くございません。非常に小さな銘柄まで合わせますと、数としては非常に多いように聞いております。
  51. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 ハッカの入った、アメリカのたばこですか、クールというのがありますね。あれは婦人向きにつくったものかどうか、私は意図がよくわかりません。それから、しかし日本で、これは私らの小さいときにあったと思うのですが、何とかという細巻きの、何というたばこですか、あれ……。
  52. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 麗ですか。
  53. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 麗ですか何というのか、ちょっとわかりませんけれども、婦人向きのたばこがあったと思うのです。嗜好が男と女が変わらない、喫煙をするのに男女には差がないということになるかもしれませんけれども、今後あなたのほうでそういうことについて研究をされようとしておるのか、まあそういうことは考える必要はないという段階ですか、いまどういうところにあるのですか。
  54. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいま御指摘の点、まことにごもっともな点があるわけでございまして、実はアメリカでは、いまお話のありましたクールのほかにセーラムとかニューポートとか、いろいろそういうハッカを入れましたたばこ、しかも昔とだいぶ夜わりまして、少しハッカの薄い、非常に軽いハッカ入りたばこが出ておるわけでございまして、しかも、そういうものの売り上げの伸び率が非常に高いわけであります。それで、まあ日本におきましても、やはり潜在しておる需要といいますか、そういったものに対する需要がやはりある程度あるわけでありまして、現在専売公社では「みどり」というハッカ入りのたばこを売っておりますが、これはただいま御指摘がありましたクールとかセーラムとかいうものに比べましてかなり強いたばこでありまして、そういったような現在の需要にあまり向かないたばこでありますので、現在公社としましては、アメリカ等で、諸外国でありまするようなライトメンソールと申しますか、軽いメンソール入りのたばこ研究しておりまして、近い将来そういうものを製品化して売り出すことも考えたいということで、いま研究しておるようなわけでございます。
  55. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 最後に、津島さんも御質問になっておりますが、この「とうきょう64」といいますかね、これはまあ意味は、私もできた意味オリンピックの六四年をとったと思うのです。これを来年は65、66と変えるとすると非常にたくさんの費用がかかってしまって、うろちょろしとったら損することになってしまっても私はたいへんだと思うが、しかし、変えていくというのもちょっとおもしろいアイデアだと思うのですよ。ですから、六四年に、そう拘泥せずに、これは非常に金がかかるというなら、私は、しかし六四年に意味があるということならこれもわかるのですが、変えるというのも一つ意味があることだと思うのですが、どんなふうにお考えですか。六五年になって六四年のたばこ吸っておったら、一年おくれたことになる。
  56. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) まあ私どもとしましては、「とうきょう64」ということで売り込んだ商標でありますので、まあ続けていきたいと考えておりますが、いま御指摘のような点も、まあちょっとおもしろい考えと申しますか、でありますので、研究はしてみたいと思います。ただ、そういうふうに毎年変えますことは、ただいまかかっております定価法の関係などで、毎年国会にかけるということで非常にめんどうなことになりますので、まあその辺は考えなきゃなりませんが。
  57. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 ちょっと簡単に一、二点伺いたいのですが、最近の外国たばこの輸入は非常に多いようで、若い人なんか非常に喫煙しているのが多いのですが、大体わかっておる輸入金額というものはどのくらいですか、ごく新しいもので。
  58. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 大体、本数で申し上げますと、両切りの本数にいたしまして年に五億本から六億本程度になっております。で、まあ全体の国内で売れますたばこが千六、七百億本でございますので、割合にいたしましては非常にたいした大きなものでございません。金額は、予算書に載っておりますが、来年度、まあ本年度オリンピックもありまして若干多うございましたが、来年度は円にいたしまして約十四億円ということに相なっております。
  59. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 これは何ですか、アメリカが一番多いのですか、イギリスですか。
  60. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 割合ははっきり覚えておりませんが、まず八割くらいはアメリカだと思います。あとイギリス、ドイツ、それから津島先生から御指摘のありました葉巻きなどにつきましてはベルギーでございますとか、フィリピンでございますとか、そういったところからも輸入しております。
  61. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから、最近まあパイプたばこが非常に多くなってきておるのですが、したがって、どうもはっきり、私なんかもどうもパイプ党なんだけれども、正直いって専売公社のものはあまり進んで買おうとも思わない。なけりゃしかたないから吸うですが、まあ買った場合にはしかたがない、ブランデーでも少しまぜてのもうというような苦肉の策をやっておるのですが、まあ非常に私どもは、パイプ党というものはますますふえていると思うのですが、将来もっといいものを、桃山なんかよりもはるかにいいものをつくる計画はないのですか。
  62. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど津島先生からシガーについて御指摘ありました。今度はまたパイプたばこで、非常に恐縮なんですが、パイプたばこのほうも、私どものほうでは業平工場のほうだけで製造しておるのですが、そこでいろいろ研究いたしておるわけでありますが、ただ、パイプたばこのほうは実際いいものをつくるということはなかなか、葉巻きよりもさらにむずかしい面があると思います。まあイギリスあたりでも非常に長年の伝統がありまして、各工場もかなりまあ手工業的な、小さい工場でやっておるわけでありますが、長年の伝統がありまして、秘伝みたいなものがあってつくっておると、こういった性質のものでありまして、なかなか日本で早急にやりましても、すぐにイギリスあたりの一流品に匹敵するようなものができにくい、こういう事情がございますので、まあアメリカあたりのパイプたばこ程度のものならば勉強次第ではできないことはないだろう、こういったようなものでありまして、非常にむずかしい面があるわけでありますが、しかし確かに御指摘のように、最近パイプたばこに対する需要がふえておるといった面がありますので、私どものほうでも引き続き研究を進めてまいりたいと考えております。
  63. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから、葉巻きの問題ですけれども、現在でも業平では手巻きのやつはやっておるのですか。製造しておるのですか。手巻きでやっているやつですね、上等のやつ、何という名前か知らぬけれども。
  64. 阪田泰二

    政府委員阪田泰二君) 公社でつくっておりまする葉巻き、いずれも手巻きといいますか、現在諸外国で合成たばこなどをつくりまして全部機械化してやっているのでございますが、そういうものは採用いたしておりません。多少は機械は使いますが、原則として手巻きでつくっております。
  65. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それから、いま二つ伺いたいのですが、小売り関係なんですが、これは場所によっては非常に売れるところもあるし、また場所によっては売れないところもある。そういう状況というものはむろん勘案して配給をしておると思うのですけれども、たとえば銘柄も非常に数多くあるのですが、銘柄というものは何も全部小売りに配給する、そういうことじゃないのでしょう。それはどういうようなシステムでやっておるのですか、小売りへの配給は。
  66. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) これは地域によっていろいろ若干違った点がございますが、大体のやり方を申し上げますと、私どものほうの職員が参りまして、小売り屋さんから注文を取ってきます。その注文に基づきまして、翌日あるいは翌々日あたりに配給するわけでございますが、小売り屋さんの中には、いろいろ在庫の状況あるいは売れ行き状況、そういったことで、的確の判断ができぬというふうなこともあろうかと思います。私どものほうでできるだけそういった点は指導いたしまして、品切れが起こらないようなかっこうでやっていることはやっているわけであります。  それから、もう一つ、これはたばこ屋さんによりましては、必ずしも全銘柄をそろえなくてもいいじゃないか。といいますのは、さっきから御指摘ございますように、葉巻きとか、それからパイプたばことか、比較的需要の限られたものがございます。そういった場合には、ある地域たばこ屋さんにはそういったものがあるけれども、あるいはいなかには置かなくてもいい、そういったようなことは具体的な場所に応じましてやっているわけであります。
  67. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 必ずしも小売り業者自身に完全に選択権を与えているということはないわけですね。
  68. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 原則といたしましては、小売り屋さんがほしいとおっしゃるものはできるだけ差し上げたいということでやっておるわけでございますが、先ほどから問題になっておりますように、フィルターの製品などにつきましては、どうしても全体の数量が足りませんので、どの小売り業者もほしいとおっしゃる。これを小売り屋さんの御希望どおりに差し上げられないというのが現在の状況でございます。そういったものにつきましては、ある程度配給といいますか、割り当てと申しますか、そういうふうなこともやらざるを得ないような状況に現在ではなっております。
  69. 津島壽一

    津島壽一君 いま大竹委員のおっしゃった中で、私は関連して専売局にお願いしたいのですが、パイプのたばこですね、これは非常に愛好者が多くなっているということは大竹委員のおっしゃったとおりだと思う。そこで、専売局は、これは独占企業であって、競争者がないということで、どうも私はいろいろくふうが足りないのだろうと思う。いま何でしょうか、これもしあったら、私は知らないので不明なんですが、パイプたばこのバラ売りですね、それやっておりますか。かん入りだけですか。
  70. 齋藤欣一

    説明員(齋藤欣一君) 現在やっておりませんです。
  71. 津島壽一

    津島壽一君 そこで、これは専売局の事業のやり方に関係があると思うから、こんなつまらぬことを言うのですが、英国あたりでは、専売法のない関係もあるが、パイプたばこはバラ売りで何グラムとか、あそこはオンスといっておりますが。そうすると、大きなかめの中からブリキの容器に入れてくれる。非常に新鮮なものです。においもいい。ところが、かん入りで長く店頭に置いておくと、それにもつようにつくるかどうか知らぬが、あまり味のいいものはできない。においも消えてしまう。そういう意味において、私は試みに、やれないといえばそれきりですが、どっか大きな店あたりでは、専売局でつくったパイプたばこをバラ売りするのです。大きなかめで。そうして何グラムくれと言ったら、その中から、箱を持ってくれば渡すというふうにすれば、非常に味のいいものができるのですね、かおりのいいものが。そういうことが、もしそこに競争力を持つ私企業が日本に許されたとすれば、必ず商魂たくましくやると思うんですね。しかし、買いに来ても買いに来なくてもいいという、大きな身代のところだと、どうもそういった意欲が少なくなってくるのではないかということを私は感ずるのですが、こういう点についても私は、民間で、独占企業でなく競争者がある、そういうたてまえで勉強すれば、消費者は非常にそれに対してありがたがるし、売れ行きもよくなると思うのですが、いろいろくふうもあると思うが、それ以外の点においても、そうい気持ちで、ほかの紙巻きたばこその他のものを、シガーについても同様ですが、いまパイプたばこのことがちょっと出ましたから、私、英国におった時分には、自分の好きなような葉ぶみをして、そうしてそれをかめに保管して、必要があればかんを持ってきて買っていく。それはずいぶんフレッシュなものです。  そういう意味において、これは一例ですよ、これは必ず絶対なものだという意味じゃないけれども、その気持ちを私は営業面の上において応用して、くふうをこらしていく。これは何でもないことです、やろうと思えば。いまのパイプたばこのごときは、これは銀座とか、大きなところで、大きな特約の店で、ちゃんとかめに入っている。そそうすると、それを買いに行くのですね。そういう意味において、ほんの私は感想ですが、希望をまじえて、もう少し何かくふうする余地があるのではないか。サービスですね、営業に対する。これは私企業が一部に許されたら、どんどんやるだろう。いまのようなサービス本意の経済界においては、そういう点についてもひとつごくふう願いたいということを、希望として申し上げておきたい次等でございます。
  72. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 ちょっとお聞きしたいことは、一ころは肺ガンとたばこの問題が十分論議をされて、世間を騒がしたこともありますけれども、専買公社としてもこの問題は当然それなりに研究をなさっているはずだと思いますが、その後たばこと肺ガンとの関係について、どういう——結論というものはなかなかむずかしいですけれどもどういう方法で研究を進めているか、差しつかえない限り、そういうデーターがあったら示してもらいたいと思います。
  73. 阪田泰二

    政府委員阪田泰二君) たばこと肺ガンの関係の問題、これは昨年アメリカで報告等が出まして、非常に重要な問題であります。公社といたしましても、それ以前から研究委託費というものを計上いたしまして、各方面に肺ガンに関する研究をお願いしているようなわけであります。三十九年度は七百万円の予算でございましたが明年度は一千万円の予算を計上いたしまして、もっぱら委託研究という形になっておりますが、研究をしていただいているわけであります。  委託しております先は、東北大学の瀬木教授でありますが、癌研究所の太田博士、高山博士あるいは東大伝研の河合博士、それから虎ノ門病院のほうにも委託しております。それから東京大学の勝沼博士、それから肺ガン研究会、これは千葉大の名香教授の河合さんが主になってやっておられるわけですが、全国に会員といいますか、大学病院等の会員がございまして、そういうものと連絡をとりまして肺ガンに関する研究をやっていくというような形になっておりますから、そういうところにお願いしているわけでございます。いろいろ統計的な観察という面、あるいは生理学的な研究の面、あるいは臨床的にいろいろ調査いたします面、各方面それぞれをもちまして御研究をお願いしているわけでございます。  ただ、これも御承知のとおりでございまして、ガンそのものがいま非常にむずかしい問題でございます。さらに、たばこと肺ガンという、さらにその中でも非常に具体的な問題になりますと、なかなかそう簡単に一朝一夕に結論が出るというもでもありませんので、公社といたしましても、引き続きこういうような形でやっていきたいと思っておりますが、すぐこれによりまして来年度結論が出る、こういったふうなことはとうてい考えられないと思っております。
  74. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 これは非常に国民の健康に重大な関係のある問題ですから、公社としてもそれなりの研究を独自の立場で進めるということは、私は当然あってしかるべきものだと思いますけれども、やっぱりそれを国民の前に研究の過程でもいいからどんどん知らしていくということは非常に大切なことじゃないか。なるほど結論が出るのは五年先か十年先かあるいは出ないかもしれないといった状態では、私はまずいじゃないか。やっぱり研究の過程を知らしていくということが必要じゃないか。たとえば世上では、これはしろうと考えだからやっているかもしれませんけれども、何かフィルターつきたばこを吸っていれば幾らかそういうことの害が救われるんじゃあるまいかというはかない愛煙家のあれもあって、最近フィルターつきたばこがふえていっているという傾向も、それはなきにしもあらずだと思うんですよ。ですから、極論をすれば肺ガンの世上におけるところの恐怖を利用してフィルターたばこでもうけていくといったような、そういうことがあっては非常に私はまずいことだと思う。ですからおそらくもちろんそんなことをお考えになっているんじゃないでしょうけれどもやっぱりこの肺ガンとたばことの関係というものについてはできるだけ科学的な研究の成果を時々やはり国民に知らしていき、その方向はどういうことなんだと、少なくともその方向においてひとつ節煙するとか、禁煙までいかなくても節煙するというような方向へ導いていくということのほうが、売れることを考えるよりも国策としては私は大事じゃないか。その点についてはなかなか専売公社という立場からは答えにくい点があるだろうけれども、そういうことについては一体どういうふうに調和を考えながら進めているか、総裁にひとつ、総裁としての立場でお聞きしたいと思って言っているわけです。
  75. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) いろいろ私のほうで委託研究をお願いいたしております状況につきましては、これは毎年二回ぐらいですか研究先の方々を集めまして、研究発表会等をやっておりまして、いろいろ私どもその経過を伺ってみるわけですが、さらにたとえば東北大学の瀬木先生の御研究といったようなもの、これはそれぞれ発表されているわけです。ただ、何と申しますか、これらの研究はいずれも研究の途中といいますか、途中の経過的な発表という形の性質のものが多いと思います。  それから、内容的にいいまして、なかなかわれわれにもわかりにくい点があるわけですが、一般世間の方々にはこのままの形ではなかなか御理解がいきにくいといったようなものが多いわけでございます。端的にたばこは肺ガンの原因とか、そうでないとか、ぴしゃと出たものでありませんので非常にむずかしいものです。あまりそれをまた何といいますか、くだき過ぎるといいますか、ジャーナリスティックにこういうものを世間に出しますと、かえって誤解を与える。私は、アメリカの例のサージヱント・ゼネラル・コミッティーの報告は、むしろそういうきらいがあるのではないか。あまりはっきりしないことを断定的に、要するにジャーナリスティックに発表し過ぎたきらいがあるのではないかという感想を持っておりますけれども、そういうような意味で私どもの関係研究につきましても、あまりこれをそのままの形で、結論に至っていないものをはなばなしく出すということはどうかと思っております。  それから、たばこ一般の、ただいまフィルターたばこ等を例にとって御指摘がありましたわけですが、これはアメリカの肺ガン報告でも、フィルターたばこが肺ガンを減少させるといいますか、肺ガン対策になるという証拠は何もないということをちゃんと言っているわけでありまして、報告では別段そういうことは言っていないわけでありますが、私は、フィルターたばこが非常に売れる、はやるということは、やはりこれは肺ガンの問題も多少はあるんでしょうが、そういう心理的な要因もあるでしょうが、やはり一般の喫煙者の趣味嗜好が変わってきたという点が大きいのではないかというふうに自分では考えておるわけであります。そういったものとして、われわれが専売としてもたばこを売ります場合に、やはり変わってまいりました皆さま方の趣味嗜好に合うような製品を売っていくのだという、こういうつもりでやっているわけで、何も肺ガンの問題をたてにとってフィルターたばこを売っているというつもりはないわけであります。  それで、たばこ販売、売る宣伝の問題でありますが、その宣伝の問題につきましては、ただ何でもたばこを売ればいい、よけい吸ってもらってよけい消費してもらえばいい、こういったような形の宣伝は公社としてもこういう状態でありますので避けたいということで、書近の、現在の方針といたしましては、たとえばきょうも出ておりますような新製品を販売いたしますこういうようなときに、新銘柄でありますから、そういうものを周知徹底させるための、内容をよくわかっていただきますための宣伝費がどうしても必要でありますが、そういったような宣伝、あるいはちょっとお話も出ておりましたが、社会的といいますか、公共道徳的な宣伝、喫煙のマナーでありますとか、未成年者の喫煙の防止でありますとか、あるいは節煙といいますか、節度のある喫煙、あるいはまあたばこによる火災の防止とか、あるいはその辺をよごしまして都市美を害するといったようなことのないようにするといったような、いろいろそういったようなほうにむしろ重点を置いた宣伝をしてまいりたいといったように考えております。だんだんとそういう方面の、そういう形の宣伝のほうに重点を置いて今後もやっていくつもりでございます。
  76. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 資料としてお願いしたいと思います、これは質問するとかなんとかという意味じゃなくて。小売り販売店から、八%ではとてもたまらぬから、これを一〇%ないし一二%くらいに上げてほしいという要望がしばしば出されているわけですが、一体、ほとんどこれは兼業だと思うのですけれども、小売り店数は全国にどのくらいあるのか。で、平均収入は大ざっぱにいってどのくらいあるのか。それはいろんな私はランク、いまでもランクでしょう、八%だけじゃないわけでしょう。だからそのランクに分けて資料を出していただきたい。もう一は、労務費が七十三銭と、工場経費が同じように七十三銭と、こういうふうになっているわけですが、これの基礎計算になるようなものをお出し願えれば非常にいいと思います。
  77. 半田剛

    説明員半田剛君) ただいまの成瀬先生の資料、できるだけそろえまして提出いたしたいと思います。
  78. 西田信一

    委員長西田信一君) 他に御発言もないようでございますから、本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会