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説明員(津吉
伊定君) 能率本位というおことばがございましたですが、それはまことにありがたい話でございまして、改正は確かに能率を考えて、
簡素化、
合理化、あるいは
実効のあるような
制度をとろうというような改正を目ざしているわけでございますので、先生御指摘のような
管理がルーズになるのではないかという点につきましては、それをあえてして改正をしようというふうに考えているわけではございません。
まず第一点、
会計検査院の
物品増減及び現在額総計算書の検査を廃止するのはルーズになるのではないかという点は、これは現在国有
財産法におきましても、総計算書の検査を受けるという
制度がございます。それから、御承知のように、国の債権
管理につきまして、債権の現在額報告を基礎にしました現在額総計算書というのがございますが、債権のほうは今回
物品が改正しようといたしておりますようなシステムをとっておりまして、総計算書につきましては、検査院の検査を受けるという
制度はとっておりません。ただし、これは債権にいたしましても、
物品にいたしましても、その
管理官がそれぞれ個別に
会計検査院法に
基づく計算書証明
規則によりまして、
物品の場合で申し上げますと、
物品管理官が自己の
管理行為につきまして、検査院が指定するところによりまして、証明期間三カ月、あるいは
原則的に一年ということで、
物品管理計算書というものを提出いたしまして、それぞれ自分の
管理行為は実質的に全部検査を受けているわけでございます。
物品の増減及び現在額報告書とかその総計算書といいますのは、そういうものが
管理簿と
物品の現物と両方チェックされまして、その上で上がってくるトータルでございますので、さらにあらためて計数の検査を受けるということは、非常に実質的に重複を来たすわけでございます。これは
会計検査院のほうの意向といたしましても、これは先ほど御指摘になりましたような
政府部内のなれ合いだというふうなことになるのかもしれませんが、それは実質的に、客観的に見まして、
管理計策書でそれぞれの
管理官が検査を受けている以上は、それのトータルにつきましては、これは単に計算が正しいかどうかというだけに帰するのでございまして、今回の改正を考えたという次第でございます。
それから、第二点、これは
運用計画と
需給計画の問題でございますが、従来の
制度で
需給計画といいますのは、その省において多量に調達をするとか、あるいはその省の内部において
計画的に廃止するというような
物品につきまして、
各省の長が立てる
物品の需給の見通しという趣旨でございます。それから、
運用計画のほうは、
物品管理官が自分の取得、
供用、
処分、保管につきましての
計画を自分で立てまして、その
計画を大臣に出しまして、
各省各庁の長が
承認をしまして、その
計画の定めるところに従って
物品の
管理運用をするという
制度でございます。これを両者廃止いたしまして、これに加うるに
物品の
管理に関する
計画というものを
物品管理官が立てるべきこととする趣旨は、これは
需給計画といいますものも、
各省各庁の長は確かに非常に総括的な
物品管理機関ではございますが、しょせん実務は
物品管理官がやっているわけでございます。それから、
運用計画の問題につきましても、一々
各省各庁の長の
承認を受けるということで、現実には
税務署、財務部という段階にまで
物品管理官がおります。それが
各省大臣のところに一々
承認を求めて上がってきまして、これは書類だけですけれども、それが
承認を受けられる。それから、変更を要すればその
承認が要るということでございまして、非常に
実効上は形式化するという点もございますし、今回は、したがいまして、
物品の
管理に関する
計画として、
大蔵大臣はある基準を定めまして、たとえば多量の
管理を要する、しかも補給的な機能を持っておりますような、
物品管理官の場合のように、非常に大量なものを集中して取得いたしまして、これを部内に配分してやるというようなところは、これは必ずそういう
計画を立てなさい。その他
各省各庁の長の定めるところによって、これは一例でございますけれども、いろいろと基準を考えまして、政令以上、あるいは省令というようなもので基準を書きまして、
各省各庁の定めるところによる
管理官がみずからきめる
物品管理のめどとしてこれをつくりたい。ところが、みずからきめるならばかってに変更するのであまり意味がないのじゃないかということにもなりかねぬとは思いますけれども、それはやはり単に自分が頭で考えまして、これはこのとおり私は効率的に
管理をいたしましたという口だけのことばじゃなくて、そこに
計画が物的にでき上がるということは客観的な
管理行為の基準ができ上がるということになりますので、いま申し上げました
会計検査院の
管理行為の規範にも一つの客観的なめどを提供するということになるわけでございますので、その点において意味があるということで、むしろ効率的な
簡素化、
合理化をはかりましたけれども、それによって何らルーズにしようという意図は全然ございませんので、御了承をいただきたいと思います。