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政府委員(
宮本惇君) 御
指摘の、
関税還付並びにプールの実際の
やり方についての御質問でございます。御
承知のように、一昨年の第一次
石炭調査団に基づく
石炭対策大綱というものが出まして、その当時の状況は、
先生御存じのように、たとえば昭和三十八年度に
電力業界と
石炭業界の自主的な引き取り
数量というものがございまして、これが当時千八百万トンであった。ところが、第一次調査団の報告によりまして、それじゃ足りないので、もっとよけい引き取れということで、三十八年度が二千五十万トン、それから四十二年度が二千五百五十万トン、四十五年度が三千万トンと、ずっとふえていくわけでございます。したがいまして、いままでの約束したものをこえる分については
原油の
関税の
特別還付をしようということで、六%の
特別還付という
制度ができたわけでございます。ところが、そういう
制度ができたのですが、
先生御存じのように、三十八年度は、したがいまして、そのもとになる基準量が千八百万トンで、引き取り予定量が二千五十万トンで、この差額、千八百万トンをこえて二千五十万トンまでいった分について計算をして
重油の
関税を返してやる、こういうことだったのですが
現実には
石炭が千八百四十七万トンしか出てこない。これはいわば
電力側の責任ではないということで、三十八年度の
関税還付は、たしか七千万円ぐらいで、非常に少なかったわけです。それから三十九年度、つまり今年度でございますが、今年度もやはり基準は千八百五十万トンに上がったのでございますが、
現実に入炭したのはやはりほとんど千八百五十万トンしかこないというようなことで、三十八年度、三十九年度は、
関税還付制度はございましても、
電力側に言わせれば、
石炭側の責任でこないために金がちっとももらえぬじゃないかと、こういうことになりまして、そこで、今度の
負担増対策、いわゆる
関税還付制度というのは少し性格を一般還付に近いようにする。したがって、しかも、
先ほど申し上げましたように、三百円
アップということを現在
負担増対策としてやり得るのはこの
関税還付制度であるというだけに、一応計算いたしますと、まあ今度千九百万トンくるということになっております。むしろこの引き取りを下げまして、二十七億円はくるように、むしろベースを下げよう。ですから、それだけは必ず返るんだ、いままではよけい引き取ったらその分だけ返るということで、
制度は、同じ運用をするにしても、
趣旨は少し違いまして、それで二十七億円は必ず返してやるから三百円
アップをのめと、こういうふうになってきたのです。
そこで、具体的な問題になるわけでございますが、御
承知のように、
先ほど申し上げましたように、
関税還付というのは、
九州、
北海道には、
重油を使いませんから、返そうにも返せない、こういうことでございます。そうしますと、結局具体的に試算をいたしますと、たとえば四十年度千九百万トン引き取ろうという場合に、
北海道が百四十三万九千トン、
九州が三百六十一万七千トン、トータルいたしまして積み地の計が約五百五万トン
程度、したがって、
残りの揚げ地の計が
——これは北陸
電力は現在
石炭の
発電所がございませんから、これを除きまして、
残りの六社につきまして千三百九十四万トン、約千四百万トン、これだけを一応
石炭に割り振っておくわけでございます。それと同時に、今度は
重油を使う量が各
電力会社でそれぞれ違うわけでございます。そうしますと、一キロリットル当たり
先ほどの六%というのが二百三十円返るということで、一応それぞれの
電力会社が使います
重油の量にその二百三十円を掛けます。そうしますと一応返してもらい得る限度というものがおのずから出てくるわけであります。そのトータルが約二十七億と、こういうことになるわけであります。ところが、
北海道、
九州には返りません。したがいまして、
先ほど申し上げましたように、
北海道は
重油がないから、もしほうっておけば非常にダイレクトに受けるということで、
北海道の炭の
値上がり分をかりに五十円、
九州は百円とした場合、そうした場合に、その
残りの、しかも、平均三百円
アップするということのためには、
残りの六社を平均いたしますと三百七十八円
アップになるのです。しかも、いろいろな
数量の
関係で三百七十八円
アップなんですが、個々の
会社にとりましては、たとえば中部
電力なんかわりあいに
重油の還付量が多いから、それだけ高く
石炭を買う。わりに少ないところでは
値上げ幅がわりに少ないというようなことで、
電力会社がいまの
販売会社に払います金はそれぞれみんな違うわけです、この還付を考えますから。しかし、トータル五十七億円というものはとにかく
販売会社に集まる。
販売会社から今度
石炭会社に払うときには、全部三百円
アップでずっと払っていく、こういう
操作をするので、非常にややこしいわけでございます。したがいまして、
先ほどお話のございました十五条の
価格をやる場合に、中部
電力は非常に
値上げ幅が高くなり、
北海道電力は非常に低く出る、こういうややこしい
操作をしませんと結局プールというものはできないということでございまして、こうでもしなければプールができないということで
電力業界ものんだ。詳細ないろいろな数字その他はまた後ほど御
説明いたしますが、大体
考え方はそうでございます。