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1965-03-18 第48回国会 参議院 商工委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十八日(木曜日)    午前十時五十五分開会     —————————————    委員の異動  三月十八日     辞任         補欠選任      小林 英三君     山崎  斉君      梶原 茂嘉君     堀本 宜実君      前田 久吉君     江藤  智君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 赤間 文三君                 上原 正吉君     委 員                 植垣弥一郎君                 江藤  智君                 大谷藤之助君                 川上 為治君                 岸田 幸雄君                 堀本 宜実君                 前田 久吉君                 山崎  斉君                 阿部 竹松君                 大矢  正君                 椿  繁夫君                 中田 吉雄君    国務大臣        通商産業大臣   櫻内 義雄君    政府委員        通商産業政務次        官        村上 春藏君        通商産業大臣官        房長       熊谷 典文君        通商産業省鉱山        局長       大慈彌嘉久君        特許庁長官    倉八  正君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○特許法等の一部を改正する法律案内閣提出) ○石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律  案(内閣提出)     —————————————   〔理事上原正吉委員長席に着く〕
  2. 上原正吉

    理事上原正吉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、特許法等の一部を改正する法律案及び石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案審査を行なうこととなりましたから、御了承願います。     —————————————
  3. 上原正吉

    理事上原正吉君) 特許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  先回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  4. 大矢正

    大矢正君 今回の改正理由というものは、リスボン改正条約に基づいて条約の批准、そしてこの条約加盟をすることによって、わが国法律改正しなければならないということでありますが、そこで、リスボン改正条約というものは、私が聞いておる限りによりますると、昭和三十三年に作成され、わが国も署名をしておるというように開いております。そこで、昭利三十三年にこの改正条約ができたといたしますると、今年は四十年でありますが、六、七年の長期間にわたって今日まで手続がとられなかったということになるわけでありますが、その長期間必要とした理由について、この際長官からお答えいただきたいと思います。
  5. 倉八正

    政府委員(倉八正君) いま大矢先生の御指摘のとおりでございまして、これは三十三年の十月三十一日にリスボンで六十四カ国が署名したわけでありますが、いままでどうしてほっておいたかということでございますが、当時三十四年の一月の例の特許法実用新案法意匠法商標法の大改正国会にお出ししまして、ちょうど審議中であったわけであります。したがって、わずか三、四カ月前にサインしたのがそれに間に合わないということで、その大改正をやるときにはリスボン改正を織り込まなかったわけでありますが、その後この特許出願あたりがふえてまいりまして、特許法を何とか改正しなくてはいけないのじゃないかということで、そのときにあわせて今度のリスボン条約改正点を織り込もうというふうに進んでいったわけでありますが、この新たな改正というのがどうしても今国会に間に合わない、来国会になるだろうと思いますが、ところが、一方リスボン加盟国はどしどしふえておりますし、それから日本としましても先般御説明しましたいろいろの改正する事情が迫ってきまして、また、その必要性が迫ってきたわけでございますから、はなはだおくればせながら、今回この七点の改正を御提出申し上げまして、御審議願っている次第でございまして、おくれた理由は以上のようなことでございます。
  6. 大矢正

    大矢正君 次に、この提案理由の中に、「原産地」ということばがありますが、この「原産地」というのは、「原産」ということはわかるのですが、「地」という意味は、これは市とか、町とか、村とかいう範囲で言われるものなのか、あるいは県とか、府とか、道とかという形で言われるものなのか、この「地」というものの範囲、それから内容についてお答えをいただきたいと思います。
  7. 倉八正

    政府委員(倉八正君) この「原産地」というのは、いま先生の御指摘にありましたとおりに、非常に商習慣うらはらになっておりまして、「原産地」が最初に出たのは例のブドウ酒からでございまして、コニャック地方コニャックとか、あるいはキァンティならキァンティというイタリアの地方、そのコニャックにしろ、あるいはキァンティにしろ、日本で言えばちょうど佐賀県の半分ぐらいの土地でございますが、日本においては、しからばこの「原産地」というのはどういうふうに解釈しているかと申し上げますと、さっき申し上げましたように、商習慣うらはらになっておりまして、たとえば草加せんべいという場合は草加町を中心にするわけでございまして、昔は草加村だったそうでございますが、その村になっている。それから長崎カステラといえば長崎市でございますし、それからたとえば静岡お茶といえばこれは静岡県全部を含んでいるということでございまして、非常に「地」というのが広くもあり、小さくもあるということでございますが、その裏には商取引一つ名産として有名になるとか、あるいは一つ商取引商習慣上体系をなしている、そういうのを「地」というふうに解釈しております。
  8. 大矢正

    大矢正君 どうも御答弁があいまいなんでして、法律をつくるん、だから、やはりただいまの点は私は明確にする必要があるんじゃないかと思うのです。それで条約協定の中で「地」ということばが使われている意味と、それからわが国法律の中で「地」と使われている内容とは違いがあるのかどうかということです。
  9. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 違いはございません。全く同じでございまして、たとえばアメリカサンキストといえば、これはカリフォルニア州のロスアンゼルス中心のものであるし、それから静岡産のお茶といえば静岡県を含みますか、そういう意味でございまして、日本における原産地外国における原産地も何らそこに差別はしておりません。
  10. 大矢正

    大矢正君 そうすると、「地」というものは具体的には明らかにすることができない、出てくる出願、ないしは特許の出てくる内容によっておのずからきまるものだ、こういう解釈しかできないわけですか。
  11. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 大体概略申し上げますとそういうことでございまして、さっき申し上げましたように、その地を背景とした名産なら名産、あるいはその中心地ということで、これはひとつ社会的な商取引とかあるいは出産の体系ということになってまいることになりまして、なかなか郡はどうだ、県はどうだということは言えなくて、いま申し上げましたように取引ないし生産実態による、こういうふうに解釈しておる次第でございます。
  12. 大矢正

    大矢正君 次に、昨年の一部改正のときにもかなりこれは議論されたことなんですが、私自身も質問したのですが、出願ないしは特許申請をして、それが実際に手続が完了し、認定されるのに二年半とか三年とかいうまことに長期間を要する、この点は、先日の委員会でも上原委員から指摘をされたとおりでありまして、それに対して長官のほうから、年次計画を立ててこれを短縮する方向で進みたいというお話があって、将来にわたって努力をするという立場で、気持ちはわかるのでありますが、しかし、この間の計画がかりにそのまま実施に移されたとしても、まだまだ私は期間がかかり過ぎるという感じがするのです。そこで、こういうものは国内的にも問題があるし、また外国との間の関係という問題でも、これは期間が長くかかるということは重要な問題があるわけですね。そこで、日本では二年半とか三年とかというような現状なのでありますが、アメリカとかイギリスとかドイツとかというような比較的工業化の進んでいる国等において、この種の問題はどの程度期間がかかっておるのかということを念のために聞かせてもらいたいと思います。
  13. 倉八正

    政府委員(倉八正君) まことにおくれて申しわけない次第でございますが、日本特許実用新案が大体現在三年六ヵ月かかっております、出されてから正式に登録されるまで。それでこの実用新案というのは日本ドイツしかない制度でございまして、それを比較するにはちょっと困難でございますが、たとえば特許について申し上げますと、日本が現在三年六カ月というのが、アメリカが大体三年くらい、それからドイツが大体三年ちょっと越したくらいでございますし、オランダが大体七年くらいかかります。それからイギリスが、これはイギリス制度はちょっと違いますけれども日本流に勘案しますと、イギリスもやはり三年程度かかっております。まあ最近は複雑多岐になりましたから、各国とも非常におくれまして、悩んでいるというのが現状ではなかろうかと思います。
  14. 大矢正

    大矢正君 これはまあ最近はずいぶん技術の革新が行なわれて、新しいものがあらわれたりして、その期間的なものは早くなってきているわけだが、かりに三年六カ月も四年もかかったんでは、出願をして、それが認められたときにはもうすでにその品物は役に立たなくなるというようなことも考えられるわけです、場合によってはですね。ですから、外国の例がなるほどいま長官の言われるとおりであるとすれば、日本といえども必ずしも外国に比較して長期の期間を費やしてはいないかもしれないけれども、今日四年間たったらたいがいのものは使いものにならなくなりますよ。去年の改正のときと私は記憶しておりますが、電子計算機を入れることによってかなりの能率の上がるような話もされておったんだが、実際に電子計算機を入れてどのくらい能率が上がったんでしょうかね。
  15. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 現在のところはまだ特に、いわゆる電子計算機を入れて能率が上がったという状態にはなっておりません。と申しますのは、十二月の一日からこれは正式に活動を開始したわけでございますが、電子計算機の性格上、ルーティンワークのものを電子計算機に入れるということで、たとえば現在三十万件くらいの申請がありますから、特許出願からそれを電子計算機に入れまして、早く出願者の方にそれを番号を通知する、あるいは審査に持っていく、あるいはまた三月から実施し始めました登録人電子計算機でやるということで実施しておりまして、ただいま現在で、しからば何%上がったということは言えないと思いますが、たとえば人を換算をしますと、人がそれによって大体一割程度は少なくて済むというところまでは現在の状態でもいっておる、こういうふうに考えております。
  16. 大矢正

    大矢正君 前の委員会上原委員質問に対して、長官のほうから年度別計画を立てて期間短縮をはかるように努力をしたいという御発言がありました。けっこうなことでありますが、しかし、あの計画どおりにいったとしても、まだまだ長期間を必要とするということでありますから、さらに一そう努力をされて、期間短縮のために最善の措置を講ぜられるよう私は強く希望しておきたいと思います。
  17. 阿部竹松

    阿部竹松君 大矢委員のお尋ねに関連して二、三だけお尋ねしておきたいのですが、国内法改正ですから、国内影響あることはもちろんですが、法文の内容は諸外国ともきわめて密接不可分関係がある。当局からいただいたこの書類によりますと、この法律の根源は一八八〇年のパリ条約から始まっております。パリ条約というものは私どもが生まれる数十年前のあれですから存知しておりませんので、何条がどうなっておるということはとてもお尋ねできませんでしょうけれども、どういうような精神であるかということをまずお示し願いたい。
  18. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 一八八三年にパリで入りました条約というのは、当時工業所有権制度というものがほうはいとして各国に起こってきた。ところが、その内容というのがまちまちでございまして、このまちまちのために技術交流ができないからこれを何とかやりたいというのが一点でございます。たとえばイギリスでこういうのが発明されたけれども日本に持ってくればそれは特許にならない。あるいは日本の例のポンプなんかはそのときに発明されたものでございますが、それをアメリカにおいて特許をとろうとしてもできない。そういう国際間の障壁があったから特許交流をまず円滑にはかりたいというのが一つ。そのために優先権制度というのも設けられたわけでございます。それから第三がいわゆる特許権につきましては、同盟国に加入すれば内国民待遇を与えまして、国内の人と同様な待遇を与えて特許権を保護していこうと、こういうのが第二の点でございますし、それから第三が不正競争防止にお互いにつとめようじゃないかと、さっきも大矢先生から御質問ありました日本のものを、当時日本お茶世界市場を支配しておったわけでございますが、日本お茶をたとえばどこかのお茶というようなそういう虚偽表示はやめようと、いわゆる不正競争を防止しようということで、こういう内容を盛られてつくられたのがパリ条約でございます。
  19. 阿部竹松

    阿部竹松君 長官お茶カステラ等々を例に引いて答弁されておるのですが、さいぜんの大矢委員質問に対するお答えは、いまより五年か六年前に特許法大改正をやったことがございますね。そのときの長官は、私の記憶にあやまりなければ、当時の長官井上さんだと記憶しておりますが、そのときいまのような問題が出まして、当時井上長官答弁は、一切関係ございませんと、これは速記録を見ればわかることですが、そういうように明確にお答えを私どもはいただいておるような気がしておる。記憶に残っておるわけです、いろいろこれは相当論争をやりましたから。しかし、いま突然出てくるということについてはなかなか理解ができないわけですが、もしこれを否認したと、国会で議決しないということになると、これは外交上の問題がどういうことになって、国の内外に与える影響はどういうことになるか、この点をお尋ねしたい。
  20. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 当時の不正競争防止法というのはいわゆる虚偽表示静岡お茶でないのを静岡お茶だというふうにはっきり書く、いわゆる虚偽表示を禁止しておったわけでございますが、これを今度は誤認を与える表示をやった、こういうふうに改正したわけでございますが、たとえばこの条文だけを、日本が留保しまして加入するということは、実際はできないわけでございまして、その分だけは日本は権利を留保するということはできない。したがいまして、日本というのはこの前のロンドン条約には加入しておるけれども、このリスボン条約不正競争原産地協定リスボンマドリッド協定には日本は参加できないということになるわけでございまして、国際的な問題がどういうことになるかということにつきましては、またいろいろ問題があろうかと思いますが、これは国際的な問題というよりも、やはり日本としても最近のように非常に生産活動が大きくなり、それからいろいろの過当競争がふえてきたということからみますと、たとえそういうものがなくても、日本でも何かそういうことをしなければならない、だろうという必要性も出てきたわけじゃないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、これだけ留保してリスボン改正条約に加入をするということは、条約のたてまえから私は不可能ではなかろうかと思います。
  21. 阿部竹松

    阿部竹松君 その前段のロンドン条約というのは一九三四年ですか、これをさして御答弁いただいていると思いますが、それはどういうわけでそういうことになるのかということが第一点。長官のいまのお話は一九三四年のロンドン条約をさしておっしゃっているのであろうと私は思うのですが、それが第一点。どうしてそういうことになるのか。それから長官お答えが具体的で、ノリとかカステラを例に引いて御答弁をいただいているわけですが、そうなると、国内に照らした場合、朝鮮からノリが八十万帖、九十万帖くるが、朝鮮ノリというのは国内一つもない。全部浅草ノリだ。有明海とか駿河湾等でとれるノリも全部浅草ノリ。ああいうのは外国にはさしあたり影響がないとしても、国内で言えば、もうこれに違反だということでひっかかってくるということになりはしませんか。
  22. 倉八正

    政府委員(倉八正君) いまのたとえば韓国ノリ浅草ノリということで表示したらば、現在の法律においてもそれは違反でございます。それから同じ国内で、たとえば九州地方にとれる有明海ノリ浅草ノリと言えば、これはいまでも違反でございます。したがいまして、今度の虚偽表示というのはどこが違うかと言いますと、たとえばまああるところで、静岡以外のところで、お茶がとれたといたしますと、そのお茶表示をたとえば清水の次郎長をかいてみたり、富士の山をかいてみれば、まあ消費者はそれを見ればこれは静岡だなと、こういうふうに思う。たとえばサンキストと言いましたような場合、サンキストというのはカリフォルニア産でございますが、それをたとえばほかのアメリカの州から持ってきて、それをたとえばゴールデンゲイトなんかの絵をかけば、これはサンフランシスコのものに違いないというふうに誤認を与える。その誤認を今度は新しく追加したわけでございますから、いまの九州でとれたノリ浅草ノリと言うのは、もうすでにいまでもこれは違反でございまして、この虚偽の問題以前の問題ではなかろうかと思います。
  23. 阿部竹松

    阿部竹松君 長官違反だと断定されましたので、その違反がどう反映していくかということは、当委員会でやるべき筋合いのものじゃないから、ただ、これに関連してお尋ねしただけですから、それでけっこうですが、重ねてお尋ねしたいことは、たとえば、わが国外国登録商標実用新案あるいは特許を、外国許可なしに日本でかってに使用した、あるいは日本長官のところに明確に許可願いを出して可とされておるものを、諸外国が使ったということになると、これは裁判ざたになるわけですね。やはりオーケーということにならなければ。そういう問題はわが国でどれくらい起きておるか。あるいは外国に行って日本がどれくらい問題を起こしておるか。こういう点をお開きしたいのと、いまガスライターでいろいろ問題になっておりますね、私どもは一般の商業新聞とか、業界の新聞を見ただけで承知しておるわけですから、詳しい知識はございませんけれども長官のところで認可を与えるべき問題が、国の内外で相当起きておるやに承っておる。この実態をお知らせいただきたいと思う。
  24. 倉八正

    政府委員(倉八正君) たとえば、日本国内で登録された特許権なら特許権商標権なら商標権について、どのくらいの違反があるかということは、これは裁判所の問題でございまして、私のほうに、いまたまたま資料がないわけでございますが、何件あるかということははっきりわかりません。ただ、これで推定できるのは、認定制度というのがございまして、裁判所からわれわれのほうに依頼がございまして、こういう訴えが出ているが、これがはたして訴えどおりか、あるいは違うかということを認定してくれという制度がございます。これは法律上の問題でございます。その認定が年に二百件から三百件くらいのものがあります。これは、だれか、が自分がせっかく持っている特許権を第三者が使ってけしからぬと、したがいまして、両方の話ができないから、特許庁にどっちが正しいかという認定を持ってくる、あるいは裁判所から依願を受けるということでやっておる次第でございますから、大きな問題としましては、少なくとも二百ないし三百件は毎年あるだろうということを回内では言えるわけでございます。  それから後段の御質問の、外国についてはどうかということでございますが、これは少なくとも日本は十年くらい前までは、外国から全部文句が来ておりまして、たとえば一番代表的なものは、イギリスから日本の陶磁器あるいは毛織物のいわゆる意匠法ないし商標法違反ということが盛んに言われてきたのでございますが、最近はそれが非常に減りまして、逆に日本のものが外国からまねされているというのが非常に多うございまして、これは先般大体ざっとした調査をしたわけでございますが、たとえば日本が主として東南アジアからまねされておると思われるのが百二、三十件くらいございます。それが主として東南アジア——香港であってみたり、あるいはシンガポール、それから台湾であってみたりするのが調べただけでも、いわゆる違反あるいは違反すれすれだと思われるのが百二、三十件程度ございまして、これは今後ますますふえていくだろうとわれわれは考えております。
  25. 阿部竹松

    阿部竹松君 東南アジア等のは数量においても少ないし、額も小さいのですね。しかし、さいぜんお尋ねしたようにイギリスアメリカにあるロンソノあるいはダンヒル、あるいはフランスにあるパリス、こういう会社日本会社が争っておるのは、億単位の金額なんです、賠償金をめぐって違反であると。これをあなたのところで知らないというはずはない。  それからもう一つ、この法律をもしわが国国会で認めなかった場合には、国の内外にどういう影響を与えるのですかという御質問をさいぜんしておりますので、あわせてお答えを願いたい。
  26. 倉八正

    政府委員(倉八正君) いま御指摘の、たとえばガスライターにおけるロンソンあるいはダンヒルとの争い、それからポリプロピレンにおけるモンテカチーニとの争い、こういう大きい争いといいますか、係争というのが、現在日本裁判所に出ているのが、大体三十件程度あると思います。一番いま問題になっているのはモソテカチーニと日本会社との例のポリプロピレン、これが、はたしてイタリーの特許権アビサン法に触れるかという大きい問題があります。あるいはコダックの問題もありまして、そういうので日本裁判所に出ているのが、大きいものだけ取り上げれば三十件くらいあります、それから日本外国に訴えられておるのが、やはり大きいものでは十件程度ございます。  それからあとの、入らなかったならばどういう影響を受けるかということは、これは第一に、こういう一つ工業所有権という国際協定日本のような世界五大工業国といわれるところが入らないのは、国際協力上恥ではないかというほかに、日本が最近非常に輸出商品にバラエティーが多うございまして、各国ともその源産地虚偽表示というものを厳重に取り締まろうじゃないかというときに、日本のある非常に有名なもので、たとえば東京生産のものが出ていっているのが普通の状態の場合に、大阪である人がその名を使いまして、東京産のこれこれだというようなことを出していくのは、日本対外貿易にも影響する、こういう実態上の問題も考えなくてはならない。いわゆる対外的に国際社会に入るという外交上の問題、それから経済的には日本輸出多様性という問題が、あわせてわれわれの考慮の対象になるのではなかろうかと思います。
  27. 阿部竹松

    阿部竹松君 最後にお尋ねしますが、さいぜんの御答弁の中で、出願してから三年数カ月かかるというお話でございます。数年前の話ですから、変わっておるかもしれませんが、出願してから許可のおりるのが一番早いのがドイツ、その次がフランスアメリカ日本などは世界で有数におそい国である。したがって、あるものによっては千二、三万件、あるものによっては二十万件も停滞しているわけですね。これはひどいじゃないかというような論議がここでなされたときに、審査官が二百数十名足りません、昼夜兼行でやっておってもなかなか足りない、こういう答弁を聞いたように記憶しております。そこで、いろいろと当時の通産大臣に意見等も具申いたしましたが、その後どういうようなことになっておるのか、お尋ねしたいわけです。というのは、いまでも三年数カ月かかるというわけですから、審査官も足りない、その種の担当者が足りないということは、お聞きせぬでもわかるような気がしますが、その点が第一点。  それからもう一つ出願して許可になるのであれば、三年待ってもあるいはいいかもしれません。早いにこしたことはないといたしましても、許可になるのであればまだいいが、四年も五年も待たせられて、実はだめでしたというようなことになっては、特許庁に願い出てそれを言売買する人もあるわけですから、被害をこうむるわけです、長いことあなたのお役所で書類がストップされておるということは。ですから、その点が解消されておるのかどうか。あるいは解消される見通しについてお尋ねしたいということが第二点。  それから、これは直接長官関係でないかもしれませんから、政務次官のほうからでもけっこうですが、電気試験所とかあるいは工業技術院とか、そういういろんな国の研究機関がある。そこにそれぞれりっぱな技術者がおって、それぞれ研究なさった結果をあなたのところにこれを許可してくれぬかといって届けが出される、その許可になったものが、たとえば阿部なら阿部、あるいは椿なら椿と、その者の名目によって許可されるものか、電気試験所なら電気試験所、あるいは通産省なら通産当局の所有権というか、権利にたるものか、その点をひとつ最後にお尋ねしておきます。
  28. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 最初の、審査官不足が非常に急を告げて、したがって被害者が相当ある、これは全く申しわけないのでございまして、歴代の長官が早くなる早くなると言いましたけれども、どうもひとつも早くならないで、私申しわけないと存じておりますが、この解消の見通しというのは、年七%増の出願があるとすれば、大体来年がピークでございまして、来年は驚くなかれ六十万件くらいの滞貸を生じまして、それから先は毎年々々減っていくわけでございます。と申しますのは、御承知のように審査官が一人前になるのに四年かかりまして、初年度が一〇%、二年度が六割、三年度が九割、四年度がフルに働くということになりまして、それで来年がピークになりまして、それから先は、たとえ七%増の出願があっても減っていくということでございます。それでこの解消問題につきましては、人の充実のほかに制度自体をいま改正審議会で検討しております。  それから国の研究機関が発明したのはどうなるかということでございますが、これは昨年が二百七十六件国の研究機関の研究者が発明したわけであります。これはいわゆる職場発明でございまして、その場合には登録というのは、それは本人と国の研究機関との話し合いによるわけでございますが、国の研究機関が大体その登録者になりまして、その研究を実際に発明をした人は、いまちょっと私何%もらうかということは忘れましたが、特許が実施された場合には、その人に対して報酬を一定のパーセントに応じまして渡す、こういうことになっております。
  29. 阿部竹松

    阿部竹松君 国立大学も同じですか。
  30. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 国家公務員は全部同じでございまして、国立の大学もそうでございます。
  31. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いまの問題に関連してですが、いつでしたか、近藤委員から例の輸出のトランジスターラジオのことで、ファイブ・スター・ゼネラルというのとゼネラル、この一つの商標を、ファイブ・スター・ゼネラルのほうが外国から注文を受けている、これで出して違反にはなりませんかという、何といいますか、判断を特許庁に書類をもって求めたが、二カ月たっても回答がない、いまのお話しを聞いておりますと、二ヵ月やそこらでなかなか回答が出るわけがないと思います。ところが通商局は、これは見たところ違うのだから、このままで輸出されても差しつかえはなかろうということで輸出認証を与えた。ところが、しばらくして横浜の警察でそれが問題になって特許庁に意見を求められた。そうしたら、二カ月どころか、わずかな時間で、これは違反の疑いがあるという認定をあなたのほうで出された。そのことが問題になって、輸出業者が検挙されたという問題がございます。警察が認定を求めた場合には早くできて、輸出業者のほうが認定を求めたときには二カ月たっても結論が出ない。こういうことの調整、解決を、輸出振興を国策とするわが国といたしましては、何らかこれは解決しなければならぬ問題だ、こう私も思ってでいるわけですが、あのときの質疑応容では、その対策が明らかになりませんでした、その後御研究の結果はいかがでしょうか。
  32. 倉八正

    政府委員(倉八正君) たしか十二月の初めだったと思いますが、例の八欧電機と平岡の問題で御質問を受けたわけでございます。そのときに、いま先生指摘のように、同じ通産省でありながら何か意見が一致していないのじゃないか、重工業局はトランジスターラジオの承認をしながら、特許庁はそれはどうも八欧電機の商標に違反しているというような回答を出して、輸出業者が押えられて非常に困るというような御指摘を受けたわけでございますが、あのときも私お答えしましたのは、重工業局がやっているのは、できるだけ輸出のテンポにあわせて早く、しかも数量、価格について見るのが普通でございまして、実際商標法あるいは意心匠法の内容までは見てないということで、その辺のギャップが確かにあろうと思います。しかしながら、せっかく輸出されたものが、特許庁がそれは違反だということのために押えられたというのはまことに気の毒ですから、これをどう解決するかということにつきまして、こういう制度をやっておるわけでございます。それからもう一度申し上げますが、いまの横浜地検から来た問い合わせは、これは民訴の第何十条かに基づきまして、公務員はそういう場合には協力しなければならないといういわゆるわれわれのほうの非公式な見解でございまして、ちょっと認定とは違いますが、しかし、考える影響というものはさほど違わないのじゃなかろうかと思います。それをどういうふうに実際に輸出とかみ合わせるかという問題ですが、疑わしいものに関する、たとえば原局が輸出許可をする場合には、特許庁に知らしてくれ、相談してくれ、そうすると、特許庁は同じ省内の一つの問題として、それはまずだいじょうぶだろうと、あるいはあぶないだろうというようなことを知らしてやる。そういうことで、輸出の円滑化をはかっていきたいということで、われわれとしましては、原局とたえず連絡をとっております。なお、ちなみに申し上げますが、この前の例は全く異例な例でございまして、ああいう事件というものは、この数年間一回もあったことはないとわれわれは聞いております。
  33. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 それで、あの質疑応答がかわされまして以後、ああいう事件はめったにないのだからということで、その対策をお考えになっていないのか、それとも輸出認証を与える原局で、この輸出の認証をする以前に特許庁に合議をして、そうして何らかの意見を早急に取りまとめて輸出のほうに資するように、内部の連絡を密にするということになったのかどうか。
  34. 倉八正

    政府委員(倉八正君) いま先生の御指摘のあとのほうでございまして、各原局が輸出認証をする場合に、一番大きい問題は、商標と意匠の問題だと思いますが、その場合に、特許庁に下相談しまして、われわれがそれをすぐなるべく早くその結論を出しまして、さっき申し上げましたように、これはだいじょうぶか、これはあぶないかという判定と申しますか、そういう結論を出しまして、原局の輸出振興に協力する、こういう体制を整えておる次第でございます。
  35. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 重ねてお尋ねをいたしますが、あの質疑応答がかわされる以前にはそういう方法はなかったが、あの質疑が出て、めずらしいケースではあったけれども、これは通産省として部内のことだから、特許庁とたとえば重工業局との間に考えが違うようなことがあっちゃいけないから、将来安心して輸出業務に携わることのできるようにするために、内部の意思調整を新たに考えた、それがいま御答弁のとおりである。こういうことですか。
  36. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 大体そのとおりでございます。従来からも決してそういうことがなかったわけではないのでございまして、たとえば意匠なら意匠につきましては、絶えず連絡をとっておりましたが、先般のああいう非常にお気の毒な例を一つの契機としまして、さらに原局との連係を密にするというふうに踏み切ったわけでございます。
  37. 上原正吉

    理事上原正吉君) 私から少しお尋ねしたいのですが、特許につきましては、世界国内容が違う点が多々あるわけですが、ことに物質特許、物質そのものを新しくつくり出したり発見したりした場合には、先進国では物質特許というものが行なわれる国が多いのですが、こういう国が国内で物質特許を獲得して、そしてそれをわが日本出願してくれば優先権があるわけですね。その優先権は日本特許法によってその特許内容がきまるものか、外国特許法によって特許内容がきまるものか、これがはっきりしないと思うのですが、これをお答えいただきたい。
  38. 倉八正

    政府委員(倉八正君) 物質特許がいいか、あるいはいまのように製造方法の特許がいいかというのは大きい問題でございますが、日本につきましては、物質特許はまだ認めておりません。したがいまして、化学物質につきましては日本では物質特許を認めておりませんから、その当該化学物質について外国から優先権の主張がありましても、それは認められないということでございまして、これは今後の大きい研究問題の一つとわれわれ考えております。
  39. 上原正吉

    理事上原正吉君) そうなりますと、物質そのものが特許にならなくても、これをつくり出す方法というものは、わが国特許法に照らして適用されて、優先権が付与されるかどうか。これはどうなりますか。
  40. 倉八正

    政府委員(倉八正君) その製造方法につきまして、外国人が日本特許を何しましたら、・それは日本特許出願と、さっき申し上げましたように内国民待遇でございますから、同じ扱いをいたしまして、新規性がなければそれを拒絶しますし、それが新規性があれば許可する。全く内国民待遇でございます。
  41. 赤間文三

    ○赤間文三君 私は一つ希望があるのですが、特許の事務は非常に重大でございますので、一挙に全部を解決するということはできないでしょうが、三年計画なら三年計画で、審理なんかが敏速にいくように、人間をふやさなければならぬのなら思い切ってふやせばいいし、どかうひとつ能率を上げて四年も五年もかからないように、私の考えでは二年くらいのうちにはもう処理がどんどん済むように御考慮をひとつお願い申し上げます。
  42. 村上春藏

    政府委員(村上春藏君) ただいま赤間先生からお話のありました、非常に特許許可がおくれておるということにつきましては、従来からも十分研究しておったわけでございます。今後とも十分検討いたしまして、すみやかにできるような方法を考慮いたしたい、こう考えております。
  43. 上原正吉

    理事上原正吉君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 上原正吉

    理事上原正吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 上原正吉

    理事上原正吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  特許法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  46. 上原正吉

    理事上原正吉君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 上原正吉

    理事上原正吉君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  48. 上原正吉

    理事上原正吉君) 速記を起こして。     —————————————
  49. 上原正吉

    理事上原正吉君) 石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。  先回に引き続きご質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  50. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま提案されています。石油資源開発株式会社法の一部改正法案は、取締役の人数を七人以内から九人以内にする。それからSKが海外油田の開発ができるように明記するというふうな点が主要な改正点のようですが、あとでも触れたいと思うのですが、三十九年の八月二十五日に有澤団長から提出されました海外エネルギー事情調査団の報告の第一ページには、これまでとった石油政策に反省を加えまして、総合的な考慮を欠き、十分効果的な手段が石油政策に打たれなかったうらみがある。エネルギー調査団は、欧米各国の石油事情を見、日本のとりました石油政策について反省を加え、総合的な考慮を加えなかったために十分効果的な手が打てなかった、こういうことをうたっていますが、今回提案されましたこのSK法の一部改正法案というものは、石油政策全般の長期的な見通しに立った、どういう全般との関連でその一環としてこれは出されているか。調査団の報告等にかんがみて、そういう点はどうなっていますか。
  51. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) お答え申し上げます。ただいま御指摘をいただきましたとおりでございまして、昨年の八月二十五日の海外エネルギー事情調査団中間報告というのには、総合的な考慮が必要だ、従来は欠いていたうらみがある、そういうことが述べられております。その中に「石油政策の前進と刷新」という題によりまして、石油、天然ガスにつきまして、国内や海外での開発がきわめて望ましいということが強調されております。これを受けまして、昨年の十一月の十九日でございますが、産業構造審議会の総合エネルギー部会におきまして、総合エネルギー政策に関する中間報告が同じく出されております。その中の一番大きなテーマといたしまして、海外原油の探鉱開発を推進すべきである、ということがうたわれております。このような線に沿いまして、海外原油の開発を今後、力に応じましてしっかりやろうという線に沿いまして、今回の改正案が出されているわけであります。
  52. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま局長が申されました十一月ですか、その報告といいますか、決定は、当委員会に出ていますか。
  53. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 提出してないようでございます。
  54. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そういう重要な決定があれば、ぜひひとつ至急にそういう御協力をいただくことが、法案審議にもわれわれがお力添えするわけですから、ひとつ至急に、午後にはそれを御提出願いたい。
  55. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) かしこまりました。
  56. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 石油業法が三十七年の五月十日に発効しましてから、この五月十二日でちょうど満三年になります。この石油業法の第一条には、「石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図り、もって国民経済の発展と国民生活の向上に資することを目的とする。」ということで、まあ低廉なということについては国際的にも安いほうですし、そう問題はないと思うんですが、私つまびらかにしないんですが、通産当局のとられている業法ができてからの何を見ますると、国際石油資本の跳梁ばっこといいますか、そういうことで、国内市場が非常に混乱したりして、ただ新規の精製業をどう規制するとか、ガソリンスタンドをどうするとかいうようなことで、ほんとうにこの法案の第一条にうたっている、石油の安定的な確保をはかって、そして国民経済の発展と国民生活の向上に資するという、そういう点が非常に採算割れの点にテコ入れをするという部面だけが中心になって、ともすればそういうことを生む根本であるその安定的な確保とか、これは国際石油資本を相手にしてたいへん困難なことだと思うのですが、その方面が抜本的な手が足らなんじゃないかと思うのですが、業法発効以来とられたおもなる施策は何であったでしょうか。
  57. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 業法施行後に石油の安定的な供給のためにどういう施策がとられたか、こういうことでございますが、先生に御指摘をいただきましたように、価格が低廉であったことは、低廉過ぎたというくらいの状況でございます。したがいまして、石油製品の市場の安定をはかるということが最も緊急に迫まられた一つの宿題になっていたわけでございますが、御承知のとおり設備に関し、適正な設備能力に持ってゆくというのが一番根本のものでございますが、それと別に石油の供給計画というのをつくりまして、毎期適正な需給計画を達成してゆくということをねらっております。こういうふうな供給計画を目安にしまして、生産調整というのが行政指導の形で行なわれておるわけであります。さらに価格が非常に不安定であるということで、標準価格の制度がございまして、三十七年の十一月に標準価格が示されております。以上が大体業法に基づいて実施したところだと思いますが、安定供給という意味で一番根本的なものは原油供給源の分散等がございまして、その点は今回の改正につながるわけでございますが、海外原油の開発にも力を入れていこうということにしたわけでございます。
  58. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 先日の新聞では、ガソリンスタンドの規制ですか、やられるということですが、午後の委員会にはひとつ、大体石油連盟等と話がついて新聞にも出たと思うのですが、それを御提出願いたいということと、ただいま局長が申されましたような点も必要ですが、やはり石油の供給源を分散するといいますか、フランス、イタリー、ドイツ等がやっている国際石油資本、石油資本といいますか、七つの石油帝国ともいわれるそのものとの本格的な取り組みなしには、それらが起こした結果を根本には触れずに、そこにはさわらずにこうやっておられるから、なかなかいつまでたっても効果が上がらんのじゃないか。そういうものは今回提案されている調査会等の報告を待って本格的に取り組まれていくように思うのですが、私はやはり、石油の供給源の分散等も含めて、そういう市場を乱す根っこに対しての取り組みが、あとでこれは中間報告にからんで質問したいと思うのですが、そういう点はなかなか手が触れられないものですか。
  59. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 七大国際資本といいますか、石油資本といいますか、石油資本と根本的に対決をするといいますか、対処するようなことはどうかということだと思いますが、これは非常に大問題でございまして、むずかしい問題ではございますが、先ほど御指摘いただきました海外エネルギー調査団の中間報告によりますと、感じとしてはナショナリズムとインターナショナリズムとの対立等の議論は今回は非常に緩和をされている。国際資本とも協調的な体制でゆくということに、相当そういう印象であったということが欧米のエネルギー市場の概観の中にも報告されております。現実の問題としましては、大半の供給源が大会社に占められております。わが国の、石油精製業が今日まで苦闘してきたということについて、海外の資本に依存をしたということもいなみ得ないところでございまして、現実としては協調的な体制を保ちながらナショナルインタレストといいますか、わが国の立場で進めていくということではなかろうかというふうに考えます。
  60. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 第一次調査団と第二次調査団との大きな点は、ただいま申されましたように、国際資本とかなりきびしく対決しながらナショナルインタレストの線を押し進めておったが、ENE等を見そもあるいはフランス等を見ても、ただいま御指摘のように協調体制をとるような方向にいきつつあるということは、二つの調査団の報告を比較検討すればよくわかるのですが、ところが、日本はまだまだそこまでいっていないです。あとでお尋ねしますが、アラビア石油の引き取り問題を見ても、協調ではなしに追随といいますか、国際石油資本の思うままになっているのじゃないかというふうに思うのですが、その点はどうですか。
  61. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) いろいろなむずかしい問題ではございとますが、国際石油資本の追随のままということでもないのではないかと考えますが、アラビア石油の引き取りについて御指摘がございましたが、やはりあれだけの大きな数量を引き取りますと、相当経営の問題もございますので、決定をするまでには多少のやりとりということもやむを得ないかと思いますが、三十九年度までには順調に引き取りまして、現在四十年度の話をしている、こういう状況でございます。
  62. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これも午後資料をいただきたいんですが、三十九年度はアラビア石油の引き取りは一千万トンですか、ところが四十年度は千三百万トンくらいできるということを伝え聞いているんですが、石油連盟の加盟各社はいろいろな方式を持ち出して、なかなかそれすら引き取れないというように聞いておるんですが、その関係はどうですか。
  63. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 四十年度のアラビア石油の引き取りにつきましては、アラビア石油のほうは千三百二十万キロリッターということを希望して提示をしておりまして、それに対しまして石油業界のほうは千百二十万キロリッターということで、そこまで引き取ろう、昨年は一千万キロリッターでございますが、それを千百二十に上げましてあと二百の開きがある、こういう状況でございます。それからアラビア石油のほうの主張は、供給能力があるわけだからそこまで引き取ってほしい、こういうことでございますい石油業界のほうの言い分は、三十九年度のシェアといいますか比率を、ひとつそのまま延ばして千百二十ということにしたい。といいますのは、硫黄の問題が一番大きな問題になっておりまして、公害の問題もあるので、サルファが非常に御承知のとおり高い油でございますので、私どもは昨年の比率でやらしてもらいたいというようなことで話し中でございます。
  64. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それでは、これから資料の提供、だけお願いしておきたいんですが、石油業法の第三条によりますと、石油の供給計画という問題なんですが、「通商産業大臣は、通商産業省令の定めるところにより、毎年度、当該年度以降の五年間について石油供給計画を定めなければならない。」というので、四十年度ですと、案だと思うんですが、ひとつその案をお示しいただきたい。それを出していただいてから、それを中心にいろいろ御質問したい。  きょうは午前中は、自民党さんがおられぬし、この程度で……。
  65. 上原正吉

    理事上原正吉君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  66. 上原正吉

    理事上原正吉君) 速記をつけて。  午前の審査はこの程度にとどめ、暫時休憩いたします。   午後零時八分休憩      —————・—————   午後二時五十五分開会   〔理事上原正吉委員長席に着く〕
  67. 上原正吉

    理事上原正吉君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、小林英三君、梶原茂嘉君、前田久吉君が辞任され、その補欠として山崎斉君、堀本宜実君、江藤智君が選任されました。     —————————————
  68. 上原正吉

    理事上原正吉君) 午前に引き続き、石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  69. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 午前中に、石油業法の第三条に基づきます石油の供給計画について、昭和四十年度の案があると思うのですが、それについてまず御説明をいただきたいし、資料の提出をお願いしておったのですが、どうなっているでしょうか。
  70. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) お答え申し上げます。四十年度の石油の供給計画につきましては、お手元まで資料を差し上げてございます、(1)に「原油の生産数量および輸入数量ならびに石油製品の生産数量および輸入数量」とございますが、四十年度から四十四年度までございまして、今月の一日に開かれました石油審議会でその審議にかけたものでございます。原油のほうは四十年度について説明さしていただきますと、国内生産数量が七十万キロリットル、それから輸入数量が八千四百万、合計いたしまして八千五百万、こういうことになっております。それから石油製品のほうでございますが、生産数量は七千四百万キロリットル、それから輸入のほうが一千四百万、こういうことになっております。  それから(2)のほうに「特定設備の処理能力」というのが載っております。非常に簡単でございますが、一応御説明いたします。
  71. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 飜訳も出ていますが、OECDの「今日の石油一九六四年」というのがありますが、それによりますと、一九五九年から一九六二年までの状況については、ロビンソン報告と大体変わりがない。そしてエネルギーの全体の伸び率は六・八%である。石油消費の伸び率は年率一五・五とありますが、わが国のそれはどうなりますか。それと全産業におけるエネルギーコスト、特に石油が占めるコストの割合はどうなっておりますか。
  72. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 石油需要の伸びでございますが、三十四年から三十九年までの五ヵ年間をとりますと、石油製品の伸び率でございますが、二六%だったかと思います。それから四十年から四十四年、ちょうどこの石油供給計画でございますが、この伸びが平均いたしますと、伸び率にしまして一三%だったかと思います。四十年から四十四年のほうがちょっと伸び率が落ちておりますが、最近ガソリンの需要がだいぶ落ちておりますようで、ちょっと伸びの鈍化が多少見られるようでございまして、国民総生産の伸びとか、鉱工業生産指数の伸びとか、そういうものを基礎にいたしまして、計算をしたのがこの表になるわけであります。それからエネルギーコストでございますが、全産業それから全エネルギーをとりましたのが四・二九%ということになっております。これは石油だけではなくて、それ以外のエネルギーも加えたものでございます。
  73. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 石油はどうなりますか。そのうち幾らですか。
  74. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) ちょっと石油の数字を持っておりませんが、三%ぐらいではあるまいかと思いますが、ちょっといま資料を持っておりません。
  75. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 では、これはまた調査会の設置法案のときでもいいですから、ひとつ知らして下さい。  石油業法に基づけば五年ということになっていますが、やはり長期の展望に立った政策が必要だと思うんですが、たとえばヨーロッパの共同体のエネルギー連絡委員会では、その発足以来欧州共同体におけるエネルギーの長期見通しとしいうのを一九六三年の一月に発表し、一九六〇年、一九七 ○年、一九七五年と、十五年ぐらいのかなり長期の展望に立って試算をし、そしてOECD、EEC加盟各国の利害を調整しながらだん、だん歩調を合わせていくというようになっていますが、やはり日本ではこの程度しか長期の展望は立たぬものでしょうか、どうでしょうか。
  76. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) お説のとおり、長期の展望も必要でございまして、中期経済計画では五〇年と六〇年を多分試算したと思います。総合エネルギー調査会というのがスタートいたしますと、この問題もまた当然検討が必要ではあるまいかというふうに考えます。  それからOECDでございますが、OECDの石油小委員会には日本加盟いたしまして、本年から共同作業に参加をするわけであります。これは一応一九七〇年から八〇年ごろをやるということになっておりますので、一応そういう勉強も必要になろうかと考えております。
  77. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ひとつこういう問題は、どうもたいへんこの法案の審議を急いでおるようでありますし、また具体的には設置法のときにやりますが、次にお伺いしたい点は、最近鈍化はしていますがかなりの消費量です。そうしますと、まあ私の知ります限りでは、米麦やトウモロコシやマイロに次ぐ最も大きな輸入品目だと思うのです。それに次ぐおそらく輸入品目だと思うのですが、外国為替予算の推移と、その中に占める石油輸入のポジションといいますか、それは一体最近どうなっていますか。
  78. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 三十八年度の原油の輸入量は六千百九十九万キロリットルでございますが、邦船の積み取り率を五割弱という実績で計算をいたしますと、所要外貨は約七億ドル、こういうことに実績では出ております。現在一番新しいところではこの三十八年度の実績でございます。それから四十二年度の試算でございますが、総輸入額が八十八億ドル、そのうち石油は十五億ドルを見ております。これは産業構造調査会のときに使いました中期経済見通しであります。
  79. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 三十九年はどうなりますか。
  80. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 至急にいま調べましてお答えいたします。
  81. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それでは、まあ時間が急ぎますし、重ねて申し上げますが、次の委員会のときにそういう問題もやりたいと思いますので、少なくとも昭和三十五年度以降ぐらいなところから三十九年度ぐらいまで、輸入貨物の全体に対して石油はどれぐらい占めておるかというのを年次別に示していただきたいと思います。  その次にお尋ねしたいのは、三十九年度がありませんでしたら三十八年度でもけっこうですが、日本の原油輸入の量に占める外資系と民族糸の比率、特に自由選択のできる、ひものつかない割合はどうなっているのでしょうか。
  82. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 三十九年度の見通しによりますと、外資系の会社が占める輸入の数量というのがちょうど六〇%でございます。民族系のほうが四〇%ということになります。民族系のうち半分以下、半分をちょっと割っておりますが、その程度がひもつきというふうに考えられます。
  83. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 きょうは時間がありませんから申し上げませんが、どうしても、日本に入っています七つの大きな会社ですが、石油帝国ともいわれるアメリカ、オランダ、イギリスのそれとの関連で、国民的な利益と国際性との協調というような問題では、私はどうしてもこの原油採掘事業の採算制というものが非常に重要ではないかと思うわけであります。いただきました資料によっても、日本に入っています会社は、国際石油会社はほとんど産油部門で大きな利益をあげまして、輸送や精油や販売部門ではほとんど利益がない。こういうようなことになって、ばく大な装置産業である石油精製業等がいろんな施設をしても、そういう七つの会社が原油、精油、版売部門を含めての利益を、その原油を輸入することによって皆利益を独占しているのじゃないかと思うのですが、その関係はどうでざごいますか。
  84. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 石油の採掘から精製のところまでといいますか、原油の販売まででございますが、そこのところで非常に大きな利益があがって、それから精製段階以下の石油製品の販化というところではあまり大きな利益があがっていないというのは御指摘のとおりでございます。これは比較にならぬほど両方は差があるというふうに言われております。
  85. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 たとえばアメリカは海外投資の収益が二十二億七千六百万ドルあって、石油だけでそのうち四二%を占めておる。イギリスでも三億四千万ポンドの利益に対して石油部門の販売だけで一億四千万ポンド、オランダでも十一億四千六百ギルダーの中で大体石油部門で六九%の原油販売の利益を得ている。大体私の聞いているところでは、一キロリッターについて千円くらいな原油販売の利益を得ているのじゃないかということが言われていますが、それは大体当たっているでしょうか。そうしますと、七千万キロリッター程度も入るとすれば、日本で七百億くらいが、石油を入れることによって利益を得ているのではないかと推定されるのですが、その関係はいかがでしょう。
  86. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 相当な利益をあげていると思いますが、ただいま正確に計算した数字を持っておりません。
  87. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 鉱山局は長い歴史もあり、石油業法が出たときにはいろいろな資料も完備され、そういうことがたしかできていると思うのですが、私がそういう質問の通告をいたしておかなかったことは悪いのですが、私は一キロリッターについて大体千円の原油販売の利益で、ほとんど精製から販売までの利益を原油部門で得ていると聞いているのですが、どうでしょう。
  88. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) ほとんどの利益を原油段階で得ているのではないかというのはお説のとおりだと思います。文献等によりましても、全体のうちの九割以上、九割をこす利益を原油の段階で得ているのではないかというのを見たことがございます。もちろんこれは油田の状況あたりで相当違うと思いますが、はなはだ不勉強で恐縮でございますが、ただいま正確な数字を持っておりません。非常に大きいだろうということは聞違いない、御指摘のとおりだと思います。
  89. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は、いろんな資料から見て一キロリッターで千円ぐらいと聞いているのですが、ひとつその点は次回でけっこうですから、設置法のときでけっこうですからお調べをいただきたいという点と、次の機会の資料要求として、十六社ですか、外資系と民族系その他合わせれば。そういうものは、その販売や精製の段階の利益もごっそり原油部門で得られておって、丸善さんのような放漫経営、あるいは和田さんのような和田神社をつくるようなことをしての苦況もあると思うのですが、そういう石油の国際カルテルによる独占七社が競合しながらその原油部門で利益を符ようとすることによって、なかなか石油精製業が合理化をやっても採算が合わぬのじゃないかというふうに思うわけですが、いま石油の十六社のこの精製業の収益関係はどうなりますか。あるいはあとで関連するSKと帝石等も含めて一体どうなっているか。
  90. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 石油業の収益状況でございますが、三十九年度の上期というのは、これは十四社でございますが、純利益が十二億二千九百万ということになっております。それから三十八年度は割合に利益の状況が出ておりまして、純利益が下期六十九億、上期七十四億、こういう数字が出ておりますが、三十九年度の上にかけて非常に悪化をしてきたということが言えます。
  91. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これもひとつ、十四社ですか、私数えたのでは十六社じゃないかと思うのですが。
  92. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 決算期の問題もあると思いますが、再調製をさしていただきます。
  93. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 その各社別の収益状態の動向についても、設置法のときにお尋ねしたいと思いますからお願いします。  せっかく櫻内大臣がおいでになりましたのでお尋ねいたしますが、石炭産業の不況、石油の占める重要性等から数次にわたり海外に調査団を出しまして、三十九年の八月二十五日に、海外エネルギー事情調査団の団長の有沢広巳さんは、通商産業大臣の櫻内さんに対してその中間報告を出していますが、これは前の一九六一年の十二月二十二日に出されました欧州石油調査団の中間報告等とは、かなり内容的にも今度は変わってきていると思うのですが、そういうことについて、お忙しいでしょうが、なかなか目を通されるひまもなかったと思うのですが、どのように御理解でしょうか。
  94. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 有沢さんお帰りになりましてから、私お会いいたしました。そのときに、この書画による御報告のほうは実はその話を聞いたものですから、詳細読んではおりませんが、特に有沢さんのそのときの強調されましたのは、日本の原子力エネルギーに非常に見劣りをする点がある、自分が今回海外へ行ってみて、急速に原子力の利用というものが進んでいるから、これだけは特に大臣として考慮をする必要がある、こういうことを言われました。そのおりに、他のことはどうぞ報告書でというので、その点だけを非常に強調されました。はたしてその報告書の中でどういうふうに取り上げられておりますか、私は承知している範囲はその程度でございます。
  95. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 大臣はお忙しいですから、ただいまの御答弁でけっこうですが、鉱山局長にお尋ねしますが、私は石炭を含めて三回ですか、調査団が行って、だんだんと変わってきていると思うのですが、そういう点について、どういう点が非常に目につく大きな差だと御理解でしょうか。
  96. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 昨年の八月二十五日に出ました海外エネルギー事情調査団中間報告でございますが、第一にこれからの基本態度、第二が石炭政策の確立、第三が石油政策の前進と刷新、第四が原子力発電への期待、こういう四項目に分かれております。  それからただいま御指摘いただきました前回の調査団との声でございますが、これはエネルギー政策の一般的な方向という中に「三年前には、いわゆるエネルギー革命の激動期にあって、石油と石炭の将来性に関し、活発な論争が展開されていた。しかし今日では、石油と石炭の敵対的な関係、エネルギー価格の低廉性と安全保障との対立、ナショナリズムとインターナショナリズムとの対立などの論議は緩和されておる。」と、全般的にそういうことで、対立ムードが緩和をされまして、協調というか、そういう空気になったということがうたわれております。
  97. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま局長が申されたような点が基本的な相違だという点では間違いないと思います。そこで、冒頭に申し上げましたように、とにかく総合的な配慮を欠いて、十分な効果的な手段をとれなかったということをうたい、時間か長くなりましてたいへん恐縮ですが、そこで、世界のエネルギー事情には、もう石炭と石油の対立に象徴されたような、そういうエネルギー革命の事情は大体収拾段階に入って、エネルギーの安全保障も多元的、多角的に取り上げ言るような新しい事態になっているというようなことをうたい、そうして、石油政策の前進とその刷新については、国内や海外での資源の開発、輸入とその供給源の多角化、分散化、石油製品価格の安定、国内系石油会社と外資提携会社との調整、円滑な関係の樹立などが必要だというようなことを言い、そうして特に申し上げたいことは、いろいろな政策をやる際に、中途半端なやり方ではもう成功しない。思い切った総合的な政策をやらぬといけぬということを痛感したというようなことが非常に重要だと私は思うのです。もうエネルギー政策については中止半端な政策をとっても実効は上がらぬ、こういうことを言い、そうしてわが国の産油会社が積極的に開発に努力し、これに対して国が強力な援助の手を差し伸べ、さらに、これは将来取り上げていただきたいと思うのですが、外資提携会社内外の油田開発を担当させるような手を打つべきだ。産油会社は、七つの石油会社は、最終段階までの利益をもう原油の販売だけで得てしまって、ちっともその一番リスキーな、リスクの多い開発投資なんか一つもない。まあ少なくとも日本に七千万トンの原油を輸入すれば、私の聞いているのに誤りなければ、七百億のもうけをしているわけです。そういうものに対して最もリスクの多い、とにかく探鉱等のそういう油田開発の危険を背負わせるような協調態勢をとることが必要だというようなことがあり、最後に、わが国国内系石油会社が原油の生産から精製販売までの全段階にわたって、将来国際的にも十分活躍できるようなインテグレーテッド・オイル・カンパニー、イタリーのエニのようなものをつくることが絶対必要だということを報告をしているわけであります。ところが、それを受けて、これはまあ中間報告でしょうが、櫻内大臣が御説明になっている本委員会に提出されています昭和四十年度の通商産業省の予算案を見ますと、必ずしもそういう予算的な措置がとられていないのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。まあそれはガスの開発というか、探鉱に対する補償金やSKに対する七億の出資等ついてはいますが、私はこの総合エネルギー調査団の報告を待つまでもなく、じんぜん日を過ごすことなく、やはり昭和四十年度の予算に三度日の調査団の報告がもっと積極的に打ち出されてしかるべきではないかと思うのですが、これはいかがでしょう。
  98. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 前段の総合エネルギーの必要性、これにつきましては、産業構造審議会の中で、いま御審議をいただいておりますが、総合エネルギー調査会の設置を待つままでもなく、総合エネルギー問題に取り組もうというので、産業構造審議会の中に一つの部門を設けたということは御承知であろうと思います。その会の発足のおりに、いま中田委員の御指摘になった御意見を有沢さんから私も承りました。そして今回の予算措置の場合におきましても、海外油田の開発について、西ドイツのとっておるような思い切った施策をやるべしという御要請があちこちからもございましたが、何ぶん昭和四十年度の今回提案を見ておる予算案は、非常に財源的にここ二、三年を比較しますと、欠けるところがございまして、通産省の思うように予算の確保ができなかったわけでございまして、したがって、いま中田委員のおっしゃるようなもの足りないものになりました。しかし、現にある日本の石油精製会社、これらができれば海外油田の開発に、原油の採取まで伸びていく必要もあろうかと思いますし、またアラビア石油や、ただいま御審議を願っておるこの石油資源開発の関係でどんどん開発に乗り出すということは、これはもう論をまたないところだと思います。今後におきまして、中田委員のおっしゃる御趣旨を、十分体しまして積極的に取り組んでいきたいと、かように思います。
  99. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これもきょうはお持ちではないと思うのですが、私お尋ねしたい点は、石油、ガスを含めての産業に対する補助金とか財政投融資の年次別な一覧表はいまお持ちでありませんか。
  100. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 石油及び天然ガス鉱業に対する政府資金の投入量でございますが、合計で出し上げますと、三十五年度が九十億円、それから三十六年度が百二十二億円、三十百年度が六十八億円、三十八年度が五十八億ということになっておりまして、三十年度から三十八年度まで全部合計をいたしますと、四百二十一億ということになっております。中身は補助金それから投資、融資、政府保証の社債等も全部ひっくるめてございます。
  101. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま阿部委員に聞きますと、先日も質問があったそうですが、私も自分でさがして一覧表をつくってみたのですが、非常に少ないと思うんです。私がなぜそういうことを申し上げますかというと、それではお伺いしますが、この石油関係の税収ですね、これがまあ昭和二十八年に関税が課けられ、それから三十年に揮発油税がかかり、三十一年に軽油引取税がかかり、地方税では電気ガス税等がかかり、私のいま持っている計算でも、昭利三十七年度までだけでも、合計して石油関係から政府が取り上げたのが九千四百九十一億円の税金を取り上げているわけであります。これはまだ地方税でありますガス税等は入っていないわけであります。三十七年、三十八年、三十九年、四十年度等を合わせるとどうなりますか、そういう計算はお持ちですか。
  102. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 三十七年度は関税、揮発油税、軽油引取税、全部合計いたしまして、二千五百三十四億ということになっております。三十八年度は三千六十三億になっております。三十九年度は見込みでございますが、三千三百億をちょっと上回ると考えております。
  103. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これがまあいつでも、これまでは少なくともこの予算書よりも税収は実際伸びているわけであります。この四十年度の租税及び印紙収入予算の説明を見ましても、揮発油税だけでも三千四百二十一億、石油ガス税で三百九十四億というふうに、まあとにかく四千億ぐらいは取り上げるわけでしょう。それがまあ若干は石油石炭産業やあるいは電気事業に出されているでしょうが、さきに局長が申うされましたように、三十八年度までに対して四百二十一億しか出していないわけであります。補助金、財政投融資その他を合わせて四百二十一億しか出していない。三十七年度まででも石油関係税収が約一兆円もあるのに、四百二十一億しか出していないということは、これは私は非常に問題だと思う。また、道路さえよくなればガソリンの消費が伸びるのだからそれでいいのだというような、そういうことでありますから、またそういう政策をとりながら、あとでも述べますが、SKなるものは、もう第二の帝石になるかもしれないというような重要な危機に立って、そういうてこ入れをするこの法案が出たのでしょうが、私はそういうことではとうていSKをてこ入れすることもできぬと思うし、日本の期待する石油の探鉱開発のにない手となることが十分できぬのじゃないかと思うわけであります。そういう点について、特に櫻内大臣に御期待申し上げたい点は、まあ三十五年から三十八年度までに四百二十一億といえばかなりの額のようですが、三十七年までに取り上げている税金だけでも約一兆円である。私はもっと外資系の会社が自主性を高めるような、外資のローンにあまり依存せぬでもいいような手とか、あるいは民族系の会社に対してもっと手厚い保護をするとか、あるいはSKに対して、もうお前のところは自前でやれというようなことで、とにかく政府保証債に切りかえてしまって、国内の探鉱に対しては出資をしないというようなことでは、これは私はあとでも具体的に申し上げたいと思うのですが、十分でないと思うのですが、あまりにも取り上げる税金が大きいのに、道路さえよくなれば、ガソリンの消費量さえふえればそれでいいんだというような放策ではいかぬのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
  104. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほども申し上げたように、石油資源開発会社や、あるいはアラビア石油などに対しての政府の施策が不十分な点はこれは認めます。しこうして、いまお話のごとくに揮発油税その他を合わせて一兆からの税金が上がっているじゃないか、それに石油施策に対する政府の支出がきわめて少ないという御指摘は、数字からいえばそのとおりだと思います。この税金をどういうことでそれだけ取り立てていったかという点は、いま御指摘のあらたように、道路の財源、道路の改修の財源に充てるためにこの税金がどんどん取り立てられていったという、そういう経緯があろうかと思います。まあ道路の問題を考えずにまいりますならば、あるいは揮発油税などをそう増徴する必要がなかっただろうと思うのであります。そういう近路の財源として求めたことと、それからいまの石油の開発に対す支出の少ないということと全然関連なしとは申しませんけれども、それをまっこうから比較して非常に少ない、こう言われてみますと、まあちょっと私もお答えがしにくいのであります。なるほど一方で石油関係の税金を取っている、しかし石油に対する施策の費用は少ない、こう言われると、ごもっとものようにも聞こえますが、しかし、どうして税金がふえたかというと、それは道路をよくしようということであったと、こう思います。しかし、これは特に私がへ理屈を言うわけではないのでありまして、もっと石油開発のために施昨を大いにやるべきであるということについては同感でござごいます。
  105. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私も、欧米に比べればだいぶおくれていると思います、私もドイツのアウトバーンなんかも見、翻訳をしたこともありますが、そういうおくれを取り戻すためにこういう税金をかけることも余儀ないということは認めます。しかし四千億も一年間に税金を取れば、相当やはりそれを生むもとである石油関連産業を育成強化するということは、当然とるべきだと思うわけであります。たとえば櫻内大臣も、衆議院の予算委員会で問題になった農事用のトラクターその他に使うものを非課税にせいという問題、なるほど道路をよくするために取るんなら、実際あれは道路をあまり使わぬのです、たんぼの中を走るんですから。実際百姓が道路を直すガソリン税を払う、トラクターに対してガソリン税を払うということは明らかに矛盾です。それは徴税上の困難はありますが、しかし、そのためにはなかなか百姓は選挙の有権者として相当強いものですから、じゃ、それに見合うものを、農道や林道の予算を画期的にふやす措置として出すというくらいはあるんですが、私は何も四千億のうちの一割も出せとは言いません。しかし、相当やはり一年に四千億も生む石油関連産業に対してもっと手厚い保護をし、SKを強化し、あるいは帝石が成り立つようにし、そうして外資提携会社がさらに自主性を高めるために、それの応分な支出をすることは必要ではないかと思うんです。まあ最近やっと開銀の融資も若干ついたようですが、私はそれをきっかけに、やはり四千億も生む——また外国は鉱山局からいただいた資料を見ますと、フランスドイツやイタリア等は相当画期的な手厚い保護をしているわけであります。関税をかけるとか、専売制をとるとか、補助金を出すとか、やっているんですから、決して私の言っているのは牽強付会の説ではないんじゃないか。特にお尋ねしますが、アラビア石油は私は準国産石油だと思うんです。それに対しても関税がかけられているということですが、どれくらいになるんでしょうか、関税の額は。
  106. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) いま関税の額がわかるまで、ちょっと一言申し上げておきたいと思うんです。今回総合エネルギー調査会の設置を御審議をわずらわしておるわけでありますが、この調査会が発足をして、総合的に名エネルギーの検討をする、また施策を十分にしていくということに私どもとしても大いに期待をしておるわけであります。いま石油に対する政府の施策が乏しいということでございます。それを私は否定をしておらないんでありますが、エネルギー全般として石炭とか、あるいは電源開発とか、あるいは原子万発電とかいう面に相当な従来支出を必要としてまいったと思います。今後におきまして、現在までの名エネルギーに対する支出の状況から見まして、われわれが石油施策に取っ組んでこれを積極的に推進していけば、これはもう当然国家的に必要なことでありますから、ただいまお話しのような御批判を念頭に置いて、私としては前向きにいろいろやれると、またそうしたい、こういう考えのあることはこの際御了承をいただきたいと思います。
  107. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) アラビア石油から輸入します原油にかかります関税額でございますが、三十九年度の一千万キロリットルは、キロリットル当たり六百四十円でございまして、合計六十四億、こういうことになります。
  108. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これはやはり関税法によって、どうしても国産原油として取り扱うことはできないもんですか。
  109. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 関税法によりますと、これは輸入ということになっておりまして、海外から輸入するため国産原油の扱いとは違い、輸入原油であるということで関税がかかっております。
  110. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 櫻内大臣お尋ねしますが、関税法によって六十四億もどうしてもかけざるを得ないということですなら、それに見合った、やはりSK中心なり、あるいは別な海外探鉱開発の会社でもつくったりして、そういうものを見返りにしてやるということはいかがなものでしょうか。さっき申されましたように、原子力発電とかあるいは電力会社が石炭産業のために高い石炭を引き取るので、それに対してまたそういうものを使われたりすることも私はよく了解しますが、しかし、そういうことだけの犠牲になって、それを生むもとをやはりほったらかしにして、外資提携会社の自主性をあまりにもなくしてほっておく、そしてSKや帝石が重大な危機に直面して、どうにもならぬようになるようなことではいけぬと思うのですが、いかがでしょうか。その六十四億というものをもとにして、やはり石油の探鉱活動ということをもっと内外とも積極的にやるような施策を単に七億や四億の補助金でなしにやったらと思うのですが、いかがでしょうか。
  111. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 最初に、アラビア石油がせっかく海外でああやって開発して持ってくるものに関税がかかる、これについては実は通産省側として産業政策の推進の上から言うと、どうも私もほんとうは割り切れないのであります。ただ単にアラビア石油だけではございません。アラスカパルプのような場合、あるいはウジミナス製鉱でもそうだと思うのであります。日本が相当な犠牲を払って海外で開発をしておる、御指摘の北スマトラの石油もその中に入ると思いますが、これはひとつこれからの問題として、私もこういうものに対して関税をかけることに対して反対の意見を持っておるのでございますけれども、しかし大蔵省といろいろ話してまいりますと、いま中田委員も御指摘のように、何か関連したところへこの関税がある程度戻ってきておることは事実なんですね。今回の石炭政策にあたって、原重油の関税特別環付を二年延長するとかいうような施策もございますから、一がいに、とるだけとって一つもめんどうを見てくれぬじゃないかというわけでもないのでありますが、しかし、先ほどからお話がございますように、この石油関係でとる税金、関税、それらの収入から考えていくと、帝石や石油資源開発や、あるいはアラビア石油にしても、北スマトラ石油にいたしましても、これらに対する政府の施策が不十分であるということにつきましては、今度十分改善をしていきたいと思います。  なお、蛇足のようでございますが、ただ補肋的な施策以外に開銀の金を使わすとかいうような施策もほかにございますから、それらを総合して、もうひとつ積極的な施策をしてみたい、こう思います。
  112. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 開銀のことが出たのですが、たしか前局長の加藤さんが開銀に行っておられますね。われわれも開銀の融資をたのまれて行ったこともあるのですが、開銀の原資は国の資金ですから、たんねんに審査をすることは必要だと思うのですが、なかなかあそこはエリート意識が強くて、半年も一年も審査を楽しんでいるというような、どだい、もうスピーディーに間に合わぬのです。これは大きな相当な会社でも半年も一年もかかって、特許のようなことと同じように、それも貸すのならいいが、半年も一年もしてから、おたくはだめです、全く審査を楽しんでいると言っては恐縮ですが、もう少し私は国の資金をつけるのですから、これがペイするかどうかということも大事だが、もっとスピーディーにやってもらうことが必要だと思うのですが、ついでにと言いますか、これについての御所見を……。
  113. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 開銀が事務処理が非常に渋滞しておるのじゃないかという御見解だったと思います。私はそういう事実に直面をした経験がないものでお答えがしにくいのでありますが、現実にそういう御経験をお持ちのようでございますので、おそらくこれは問題ごとによって違うのではないかと常識的に判断をするのでありますが、しかしそうでなく、お話のように、何かいたずらに遷延しておるというようなことがありますならば、それは厳に戒めなければならないと思います。
  114. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 時間がありませんので、今度の石油資源開発株式会社法の審議に入っていきたいと思うのですが、今度の改正は数点ありますね。このいただいたバランスシートを見て、そういうこともないでしょうが、一部にはSKは第二の帝石になるかもしれぬというようなことも言われ、その起死回生策として海外に出ていかれようというようなこともあると思うのですが、いただきましたこの資料を見ますと、「油、ガス田、原油、天然ガス、LPG生産状況、昭利三十九年十二月末」というのがあります。それを見ますと、たしか昭和三十八年をピークにして急激に生産が減ってきておるわけなんです。これは私は非常に問題じゃないかと思う。この程度のことでは、この石油資源開発株式会社法によって五年間は配当しちゃいかぬというようなこともありますが、そういうことがとうていできぬことは、またそういうことを期待することもこの会社には問題だと思うのですが、非常に減っているのじゃないかと思う。そういう点で払は非常に問題ではないかと思うのですが、昨年は一昨年より、本年は昨年よりさらに減るのじゃないかということがいわれて、これがSKと帝石との対立を狭い国土の中でますます激しくし、共倒れとはいいませんが、非常に問題を含む点ではないか。むしろ今度のような三つの点を主要にした改正だけではどうにもならぬのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
  115. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 御指摘いただきましたように、三十八年度をピークにいたしまして、三十九年度は若干下がっております。お配りいたしました資料のうち、三十九年度の売り上げ高でございますが、三十七億、御指摘のとおりでございますが、これは一−三月がまだ入っておりませんで、時期からいいますと、一−三月の売り上げが多少多くなってまいります。それから新潟地震の影響という異例の要素が入っておりますが、大体三十八年度とあまり違わない程度の実質上のペースではあったのではないかというふうに考えておりますが、それにしてもそう好ましい状況ではないということは言えます。しかし、来年度の計画等では相当力を入れておりますので、今後はさらにこれからずっと下がるかということになりますと、せいぜい努力をして、もうちょっと上向きにいたしたいと、こう思います。欠損のほうは、繰り越しの損金が三十四年度までの三十四億、これもお手元に差し上げてございますが、これが一番多かったわけでございますが、それも毎年減ってきておりまして、三十八年度は二千四億ということになっております。それで四十一年末までにはその損金を消してしまいたいということで来たわけでございますが、最近の状況で若干おくれることもやむを得ないのではないかというふうに考えております。  海外の開発のほうでございますが、御承知のように四十年度は十一億円ということで、インドネシアの三カ所を計画をいたしておりますが、油がほんとうに出てきますのは、四、五年は普通でいけばかかると思いますが、もちろん資産勘定には上がってくるにしましても、会社の収益に大幅に寄与するというのは、まだちょっと先の話ではないかというふうに考えております。
  116. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この見附なんかが半分以下に減ってきておるということを私はよく知らぬのですが、これなんかは何の原因ですか。
  117. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) これも先生がお詳しいかと思って恐縮でございますが、技術的なことはあまりよく存じませんが、油田の生産量といいますのは、年とともに減っていく。最初当たりましてから漸減傾向に入るわけでございますが、それをできるだけ命脈を長く保ちまして、多くの原油を採取するというのが技術的な観点から大切だということになりますが、主天然ガスのほうも、八橋の油田というのが原油ともども天然ガスも急激に下がったというのは、顕著な例でございますが、そういうことでだんだん減っていく。この分だけを新しく探鉱いたしまして、埋蔵量は生産量の五、六年分なりは必ず安全な安定した埋蔵量というのを確保していかなければならないわけであります。見附自身はよく存じませんが、大体そういうことでやはり下がってきているのではないかと思います。
  118. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私の聞きましたのでは、大体いまの状況では二〇%ぐらいはまた減るのじゃないかというようなことになりますと、ただいま局長が申されましたように、昭和三十八年度にはなるほど二十四億に赤字が減ってきていますが、こういう減り方も三十四年をピークにしてずっと減ってきたようなことはなかなか期待できるかどうか問題じゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
  119. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 御指摘いただきましたように、三十八年度は五億円益金を出しまして二十四億ということになりましたが、三十九年度についてはまだ期間も終わりませんので、最終計算もしておりませんが、若干の黒字という程度で、こういう五億ということはとても望めないというふうに考えております。先ほども申し上げましたように、やはり新しい油田をさがしていきまして、いまの程度生産規模ないし若干上向きの生産規模を今後とも維持するということしかないわけでございまして、新しい油田の開発に努力をできるだけするようにやっていきたいと考えております。
  120. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 このエネルギー調査団の報告によりますと、国際的にはRP指数が最初非常に少ないのじゃないかと言われたのが、埋蔵量を生産量で割ったのが三十六年分もあると言われているのですが、国内のは埋蔵量を生産量で割ったRP指数は大体少なくとも十年ぐらいが日本でもノーマルじゃないかと言われるのですが、だんだん六年あるいはそれを割るのじゃないかと思うのですが、石油資源開発株式会社が今回特に海外の探鉱を明記するというような点は、もう国内に見切りをつけて海外に出るというようなことと関連があるのですか。埋蔵量を生産量で割った指数の最近の動向はどうなんです。
  121. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 国内の埋蔵量を生産量で割った数字でございますが、天然ガスを含めまして、ガス、油田ということで五、六年程度であります。国内生産がもう見込みがないから海外に行くのかという御質問でございますが、現在石油鉱業合理化計画の五カ年計画を実施中でございまして、三十七年から四十一年度まででございますが、これでは原油は百五万キロを目標にしております。この線に沿いまして、国内についてもなお努力をしていく、希望をかけたいというふうに考えております。
  122. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 櫻内通産大臣にお伺いしたいのですが、石油資源開発株式会社は政府のまあ手厚いとは申しませんが、百五十億の資本金で、配当もなしでやれて、それですらなかなかたいへんな赤字があると。そうすれば、その一端をにないます帝国石油の事情が、通産省や大蔵省の要請で含み資産を売ったり、千人の人員整理をしたりしても、なかなかこれはとても多難だと思うのですが、やはりこのSK法の一部改正法案が出るからには、やはりこの両者をどうするかという基本的な観点に立って、その一環としてやはり石油資源開発株式会社法改正するというふうになるべきじゃないかと思うのですが、なかなか手がつけにくいこととは思うのですが、それはいかがでしょう。
  123. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 帝石が非常に苦境であることも、また石油資源開発会社の経営の見通しの困難性のあることも、これは御指摘のとおりだと思います。ところで、このヨーロッパ各国の石油事業に対する考え方は、相当な犠牲を払って、イタリアでもドイツでも海外の開発をしておる現状でございます。したがって、この石油資源開発会社に今後積極的に海外開発の仕事をさせるということにつきましては、当面この貸借対照表の上での計算というものをあまり神経質に考えておったのではいけないんじゃないか。まあいま国内の資源状況が悪いんじゃないかというようなお話もございましたが、それよりも石油政策の今後の重要性にかんがみまして、この際石油資源開発会社が海外の開発に積極性を持つということに私は大きな意義があるのじゃないかと思う。まあ採算を度外視してということを申しては、これは少しことばが過ぎるかと思いますが、やはり国策として石油政策を重要視していくというたてまえの中にあると、かようにお考えをいただいたらどうかと思います。
  124. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この石油資源開発株式会社の副社長さんでありますが、岡田さんの「欧州の石油事情を視察して」というのを見ますと、昭和二十年にドイツは五十六万トンの石油を出しておったわけです。そのときに日本は二十四万トン出ておったわけであります。ところが、一九六一年には、昭和三十六年には、ドイツは六百万トン、いまはまあ少し頭打ちだといううわさですが、六百万トンも出ているわけであります。ところが、日本は百万トン足らずです。百万の大台をはるかに割っているわけですが、これは一体地質構造によるものですか、国の施策がよくなかったによるものですか。そういう点はどうですか。
  125. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 非常に大きな差がヨーロッパと日本で出たということは、地質構造の差が大きいのではないかと考えます。しかし、投資額といいますか、金の援助のほうも相当差があるということも事実でございます。
  126. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ちょうど戦争が終わった年には二対一だったものが十対一になっちゃったというのは、やはり相当政策の貧困という問題があるのじゃないかと思うのですが、それならお尋ねしますが、私の聞くところでは、探鉱活動をやって当たる率はむしろ日本のほうがはるかに多いということを開いているのですが、たとえば日本では七本掘れば一本は当たる。アメリカでは二十五本掘って一本当たる。ドイツは十本くらい掘って一本しか当たらない。イタリアのごときは五十二年にシシリー島に手をつけて、何十本掘っても当たらなんだ。しかし、粘り強くやったところが、ジュラーだとか、ラブーザだとかというところに当たって、いまは三百五千万トンも出るということですが、一体国内の石油資源の乏しいドイツやイタリア、フランス日本等の掘って当たる率は一体どういうぐあいか、これは開発課長さんでもけっこうです。
  127. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) ただいま国別の詳細なデータを持っておりませんが、大体二割当たるというのが常識的な数字でございます。アラビア石油のように非常によく当たったというところもございますが、幾ら掘っても当たらなかったというところもあるわけでございますが、日本国内では当たった場合に、その油田の規模が非常に小さいということは間違いのないところでございます。
  128. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 じゃお伺いしますが、石油を探鉱開発する場合に、一体探鉱費というのは、石油の当たるのもあるし、当たらないのもある。一キロリッター当たりに対して何千円くらいになるのですか。それはSKと帝石別にどうなりますか。
  129. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 石油資源開発株式会社のほうが一キロリッター当たり千三百円くらいになっているようであります。それから帝石のほうはただいま調べておりますが、ちょっと時間がかかるようでございますから、出次第御報告いたします。
  130. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、きょうの法案の採決は、答案の出るまで待つんですか。
  131. 上原正吉

    理事上原正吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  132. 上原正吉

    理事上原正吉君) 速記を起こして。
  133. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 石油資源開発株式会社に対しまして昨年ですか、二億ついたんですかね、海外に。そうですが。
  134. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) さようでございます。
  135. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そのときの国会審議に、速記録を拝見しますと、この金額がふえますと、たしか加藤局長だと思うんですが、昭利三十年のできた当時にさかのぼってもう一ぺん石油資源開発株式会社の性格について根本的な反省といいますか、再検討をする必要があるんじゃないかという、伊藤さん、野溝さんその他の質問に答えて、肯定的な答弁をされているんですが、まだこの程度の金額の増はSK法にそう本質的に触れる必要はないと御理解ですか、どうですか。
  136. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 四十年度は、先ほど御指摘いただきました三十九年度の二億円から七億円ということになったわけであります。それで法律改正そのもの、それから石油資源開発株式会社の根本的な再検というのは今回はいたしません。といいますのは、先ほど御質問いただきました帝石との関係等でございますが、その点には触れずに、海外の原油開発ということはしっかりやっていこうということで、必要最小限度の改正にとどめ、海外の石油開発ができるというだけの改正にとどめたわけであります。
  137. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この石油資源開発株式会社法の第七条ですか、海外に行けるということを明記するという改正は。そうでしたね。
  138. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) さようでございます。
  139. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、いつも石油資源開発株式会社と帝国石油と問題になっています第七条の二の「石油の採取及びこれに伴う可燃性天然ガス」の開発、「これに伴う」と、まあ、石炭と石油との関連がありましてなかなかめんどうなんですが、これは非常に問題になると思うんですが、そういうあいまいなことを、海外に出れるように明記するという重要な改正をなされるのに、これはいつもトラブルの対象になるわけなんです。まあ石油が出ると思って掘ってみたら、「伴う」のではない、ガスが主体であったというようなものも出るでしょうし、なかなか問題があると思うんですが、こういう点はどうですか。
  140. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 御指摘いただきましたように、石油を掘りますと、構造性の天然ガスというのが一緒に出てくるわけであります。会社が設立されたときには、石油資源開発株式会社のほうは、石油のほうを主にやる、それから帝国石油のほうは天然ガスのほうを主だということでスタートしたわけでございますが、先生御承知のとおり、帝石のほうも水溶性のガスというのが、地盤沈下問題等がございますために、どうしても重点を構造性の天然ガスのほうに移していくというようなことから、どちらも同じようなものを掘っているのではないかということでございます。しからば、石油資源開発株式会社のほうを、「これに伴う可燃性ガス」というのをすっかりやめて、天然ガスそのものを事実にはっきり明記するかという問題も、確かに御指摘のとおりあるわけでございますが、帝石のほうが現在せっかく再建期間中でございますし、今回の改正は海外開発に伴う必要最小限度のものにしたいということで、この際この問題を取り上げることはやめたような次第であります。
  141. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は石油資源開発株式会社が設立の当初と達って、まあ「伴う」でなしに、ガスを本体でやってもいいという立場から質問しているのじゃない。まあこういう二つの意見があるわけですね。将来一体この狭い日本で、石油資源開発株式会社と帝国石油をどうするかという際に、どうせこれはSKに、まあ政府の退職された役人の人も、今度の改正で九人になれば行けるでしょうし——というようなこともあるとは、言いませんが、まあそっちを中心にして、どうせ将来は一本にしてしまうのだというようなことから、昭利三十年にできた当初のガスは帝国石油、最も困難な石油探鉱はSKというのを大目に見てといいますか、だんだんとそこにけんかになってきても、これはやはり非常に問題があって、まあどうせ狭い国内で二つが対立していてはいけないから、一本になるべきだという意見もあるし、むしろもう一ぺん昭和三十年度の設立に立ち返って、政府が国内の探鉱に対してSKに出資をやめるようなことをせずに、もっと政府出資をつけて、最も困難なリスクの多い探鉱活動をやって、できたものは、リべートつきで帝石にやったらいいじゃないかという意見と、二つあるわけなんだ。もうどうせSK一本にすべきだ、どっちも一本にすべきだという意見と、最も困難な探鉱活動国内も国外もやって、その開発のほうはまかしたほうがいいのじゃないか、そうしてその出た幾らかはSKに還元すべきじゃないかという意見とあるのですが、櫻内通商産業大臣は、一体これに対してどういうお考えですか。
  142. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど大慈彌局員が申し上げておりますように、現在帝石のことをも考えまして、いま中田委員の御指摘のような、これを一本化したらばどうかというような根本的な検討と考え方をしようとは思っておらないのであります。現状におきましては、石油資源開発会社に対して海外開発を積極的にやらせる。そしてその経緯を見つつ、さらに御指摘のような問題点について今後掘り下げて考えることは、これは必要だと思いますが、ただいまのところ両者を一つにして考えるというようなことはまだ検討しておりません。
  143. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この海外開発のための出資は七億ですね。
  144. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) はい。
  145. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは石油資源開発株式会社だけが使うわけですか。あるいは北スマトラ、帝国石油等が海外に出るときにも使えるわけですか。その点はどうなりますか。
  146. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 七億円は石油資源開発株式会社に対する出資金であります。したがいまして、石油資源開発だけであります。
  147. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私の聞いているのは、必ずしもそういうふうには聞いていないのですが、ただ金額が少ないから、石油資源開発株式会社だってこんなことじゃ私はいけぬと思うのです。私の聞いているのでは、何か北スマトラ、帝国石油等が出る場合もその出資をやる便宜を考慮するというように聞いているのですが、そういうことはどうなんですか。
  148. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 立て方の問題といたしましては、石油資源開発株式会社だけでなくて、ほかの社にもあるいは補助金で出すとか、あるいは経済協力基金から金を出すとか、いろいろやり方があると思います。また石油資源開発株式会社から出資をするというようなやり方もあろうかと思います。しかし、四十年度の七億円につきましては、石油資源開発株式会社への出資ということになっておりまして、それに自己資金等四億円を合わせまして、十一億円の規模で海外原油の探鉱開発をやろうという計画にしております。
  149. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それは、たとえば北スマトラとか、石油資源に対してはそれを実施するということはできないのですか、法的には。余裕が私はないとは思いますが。
  150. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 法的にはできるとは思いますが、ちょうど先生指摘いただきましたように、余裕がないということで、これは資源開発そのものの金ということで予算に計上してあるわけでございます。
  151. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうすると、たとえば帝国石油等がボルネオですか、どこかでやろうとするというようなときにはどの基金を使うわけですか。
  152. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 帝国石油のサバ帝石オイル株式会社でございますが、これについてはただいままだ規模も小そうございますし、資金的な話は現在のところは聞いておりません。しかし、探鉱資金につきましては、経済協力基金から出すとか、それから開発資金については輸出入銀行の金を使うとか、こういう方法はあるわけであります。
  153. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ちょっと聞き漏らしたんですが、どことどこですか。
  154. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 経済協力基金でございますが、それを輸出入銀行であります。
  155. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 とてもこれはめんどうで、実際はなかなか使えんという話も聞いておるのですが、そういうことはないですか。
  156. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 現在山のほうにつきましては、経済協力基金から四件ほど探鉱資金が出ております。
  157. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それでは時間がありませんが、この取締役の数をおふやしになるのですが、私の調べたのでは、通産省関係では非常に多い取締役の数になるんじゃないか。七人以内という取締役を九人以内にするというのは、電発に次ぐ一番多い役員数ではないかと思うのですが、事業規模から比較してそういう必要がありますか。
  158. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 取締役の数でありますが、関連した類似の機関のうち、電源開発株式会社の取締役は御指摘のように十名でございます。それから日本航空株式会社、これは十八名でございますが、日本航空機製造は七名ということで、会社によりまして相当大きな幅があります。たとえば従業員の数だけでもまいりませんし、相当仕事の内容に相違があるわけでありまして、石油資源開発株式会社については二名増員をお願いしまして、九名ということでお願いしているわけでございます。
  159. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 九名にされるのですが、まあ私実は欠席ばかりしていて、重複するかと思って恐縮ですが、どういう点がウイークで、どういう点を補強するために二名ふやされるのですか。
  160. 櫻内義雄

    ○国務大臣(櫻内義雄君) 今回改正をしていただきます最重点が、この海外への進出でございます。そこでこの面に対する取締役を一人ぜひほしい。こういうことが第一点であります。それから第二点は、設立当初から考えますと、非常に従業員数がふえております。そこで労務担当の取締役を一人専門的見識のあるようなものを加えたい。こういうことで二名の増員をお願いしておるわけでございまして、ただいま局長が御説明申し上げましたように、日本航空機製造の七名のほかは、二名増員をいたしましても、電源開発、日本航空、道路公団等に比較してやはり何人かは少ないのでございます。まあそういうようなことで、この会社の業務が拡充された。あるいは設立当初考えられなかったような労務関係の担当者が必要になった。こういうことから二名増員をお願いした次第です。
  161. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 どこでも労務問題は重要ですが、ついでにお聞きしますが、局長が申されましたように、なかなかそう赤字も減らぬし、最近産油量なりガスが少し減る傾向があるというようなことで、臨時雇等は整理されつつあるんじゃないかといううわさがあるんですが、そういうことがありますか。
  162. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 臨時雇を整理しているというようなことは聞いておりません。
  163. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 改正の今度の第十条の鉱業権の譲渡等で、そういうのが非常に譲渡しやすいように変えられるわけですが、まだやはり譲渡を受けられね、ばならぬような鉱区がたくさんあるでしょうか、そういう関係で。
  164. 大慈彌嘉久

    政府委員(大慈彌嘉久君) 鉱区の整理につきましては、会社が設立されました場合に、帝石との間の整理が一番大きな問題であったわけですが、これはもう終わっておりまして、最近はそれほど大きな数がないわけでございます。年間でいいますと十件と十五件か、そういう数字かと思いますが、特に鉱業権の譲り受けだけは、金額のいかんにかかわらず、すべて通商産業大臣の認可を受けなければならないという現行法になっておりますが、これは帝石等の関係の調整の問題ということで特別にいたしましたわけで、第九条の重要な財産の譲渡等は、一定額以下は認可を受けなくてもよろしい、こういうことにもなっておりますし、会社の事務の運営の合理化、そういう観点から、今回少額のものにつきましては認可が要らないようにいたしたいという改正案でございます。
  165. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 まだ質問したいことは山ほどありますが、まあいろいろ皆さんの御都合もあるようですし、エネルギーの調査会の設置法案ができますから、そのときに十分質問の時間を与えていただくということを希望しまして、私質問を終わります。
  166. 上原正吉

    理事上原正吉君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  167. 上原正吉

    理事上原正吉君) 速記起こして。  ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議がございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 上原正吉

    理事上原正吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 上原正吉

    理事上原正吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  170. 上原正吉

    理事上原正吉君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  171. 上原正吉

    理事上原正吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時四十六分散会