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1965-02-09 第48回国会 参議院 商工委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月九日(火曜日)    午後一時二十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 赤間 文三君                 上原 正吉君                 近藤 信一君                 向井 長年君     委 員                 植垣弥一郎君                 大谷藤之助君                 川上 為治君                 岸田 幸雄君                 前田 久吉君                 阿部 竹松君                 椿  繁夫君                 藤田  進君    国務大臣        通商産業大臣   櫻内 義雄君        国 務 大 臣  高橋  衛君    政府委員        公正取引委員会        委員長      渡邊喜久造君        経済企画庁長官        官房長      村上孝太郎君        経済企画庁長官        官房会計課長   平山 正隆君        通商産業大臣官        房長       熊谷 典文君        通商産業大臣官        房会計課長    後藤 正記君        通商産業省公益        事業局長     宮本  惇君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○産業貿易及び経済計画等に関する調査  (昭和四十年度経済企画庁施策及び予算に関  する件)  (通商産業政策に関する件)  (公正取引委員会業務概況に関する件)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、昭和四十年度通商産業省施策及び予算に関する件、昭和四十年度経済企画庁施策及び予算に関する件並びに公正取引委員会業務概況について、それぞれ説明を聴取いたし、簡単な質疑を行ない、次回は十一日午前十時から開会することになりましたから、御了承を願います。     —————————————
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、昭和四十年度通商産業省施策及び予算に関する件、昭和四十年度経済企画庁施策及び予算に関する件並びに公正取引委員会業務概況について、順次説明を聴取いたします。  まず、高橋経済企画庁長官から経済企画庁施策について説明を聴取いたします。
  4. 阿部竹松

    阿部竹松君 ちょっと議事進行について。衆議院のほうで予算委員会をやっておるようですが、きょうあるいは十一日、委員長の報告がありました開催予定ですね、きょう大臣出席はどういうことなんですか、見通しについて承っておきたいと思います。
  5. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) あと通産大臣それから公取委員長、それぞれ出席をいたします。
  6. 阿部竹松

    阿部竹松君 委員長は次の予定日を申されたのでしょう。それからまた今月何回やられる予定かわかりませんけれども、そのつどそのつど大臣出席云々と討議するのはどうかと思われますので、委員長のほうで、大臣衆議院との関係上、出席見通しはどうでしょうかということです。
  7. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 一般質疑に十一日には衆議院のほうは予算委員会は入る予定でありますが、いま質問通告者がはっきりしておりませんので、まだその辺見通しがはっきりいたしませんけれども、連絡を密にして、なるべく予定どおり十一日、大臣出席のできるように取り計らいたいと思います。
  8. 阿部竹松

    阿部竹松君 質疑通告者予定がないというけれども、大臣出席されるかどうかということで通告するのであって、通告して、大臣衆議院のほうから出られませんということでは困る。あるいは今月、来月の運営について、大臣出席できない場合は当委員会はどうなんですか。
  9. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止
  10. 豊田雅孝

  11. 高橋衛

    国務大臣高橋衛君) 経済企画庁の主要な施策について御説明申し上げます。  今日、わが国経済基本的課題は、開放体制のもと、内外の厳しい情勢に対処しつつ、経済成長安定基調に定着せしめ、均衡ある経済発展を確保するとともに、それと調和のとれた社会開発を促進することによって、国民福祉向上をはかることにあるものと考えます。このような見地から、経済の行き過ぎによる各種の不均衡是正するため、一昨年末以来、経済引き締め基調運営してまいりました。その後の推移をみますと、引き締め効果は、漸次、経済の各分野に浸透し、国際収支改善方向に向かい、国内経済も落ちつきを取り戻してきました。このような情勢を背景に、先般公定歩合の引き下げ等金融引き締めが緩和されるに至ったのであります。しかし、内外経済情勢は決して楽観を許さないものがあります。すなわち、消費者物価は依然根強い騰勢気配を示しており、また、国際収支の面でも、今後世界貿易が昨年のような大幅な拡大を示すかどうか問題があります。さらに、農業中小企業の立ちおくれ、住宅生活環境施設の不足、地域間格差問題等各種均衡是正が迫られております。このような認識のもとに、政府は、去る一月二十二日「昭和四十年度経済見通し経済運営基本的態度」を決定いたしました。四十年度経済運営にあたっては、財政金融政策中心とする経済政策の適切な運用により経済安定的成長をはかり、国際収支均衡確保及び消費者物価安定化につとめるとともに、経済分野における質的充実に意を用い、経済均衡ある発展及びそれと調和のとれた社会開発推進することを基本的態度としております。今後、これに基づく諸施策推進することにより、昭和四十年度わが国経済は、実質七・五%程度の安定した成長を達成し、国際収支均衡を保つとともに、消費者物価についても三十九年度を下回る四・五%程度上昇にとどめるよう努力する考えであります。  最近の国際収支動向をみますと、輸出予想以上の好調を主因に、着実な改善を示し、当初一億五千万ドルの赤字予想されていた本年度総合収支も、ある程度の黒字になるものと見込まれます。しかしながら、今後の世界経済動向については、欧米諸国経済成長の鈍化から、世界貿易に昨年のような目ざましい拡大を期待することはむずかしいものと予想され、しかも、世界市場における輸出競争はますます激化するものと思われます。さらに、貿易外収支赤字は、諸般対策を強力に実施しても、なお当分拡大傾向を避けられず、また資本収支についても、最近の国際金融面動きなどからみて多くを期待することは困難な状況にあります。したがって、わが国経済の健全な発展のためには、国際収支の天井を高めることが、従来にも増して、重要な課題となるのであります。このため、政府は、財政金融税制等、各般の施策を通じて国際競争力を培養し、国際収支改善に努めてまいる考えであります。また、南北問題が国際的な重要課題となっている今日、経済協力を積極的に推進するため、経済協力基金について原資を増加し、その業務拡大をはかるよう経済協力基金法の所要の改正をおはかりしたいと考えております。  三十九年度消費者物価は、前年度に対し四・八%程度上昇と見込まれますが、ここ三年間の六%をこえる上昇率に比べると、かなり落ちついた動きを示したものと考えられます。さらに、四十年度においては、あらゆる努力を傾注し、四・五%程度上昇にとどめ、消費者物価を一段と安定化方向に向けていきたいと考えております。最近の消費者物価上昇は、経済高度成長に伴う旺盛な消費需要がその一因と考えられますが、基本的には、生産性格差が存在する二重構造の中で、労働需給の逼迫から賃金所得平準化が急速に行なわれ、それがコストを押し上げ、価格料金上昇を招くという構造的要因によるところが大きいと考えられます。  政府は、このような情勢に対処し、去る一月二十二日「物価安定のための総合対策」を決定し、できる限りすみやかに消費者物価の安定をはかることといたしました。その対策としては、総合的、長期的観点から経済安定基調に導くとともに、生産性の低い部門における生産性向上流通機構合理化労働力流動化等構造対策を強力に推進し、さらに、価格が公正に形成されるよう、競争条件整備をはかることが基本的に必要であります。同時に、当面の緊急対策として生活必需物資等安定的供給をはかるとともに、公共料金については関係企業経営合理化により極力値上げを抑制し、値上げのやむをえないものについては、ケース・バイ・ケース経済関係閣僚懇談会に付議して慎重に処理することといたします。また、消費物価に及ぼす影響の大きいことにかんがみ、消費健全化、貯蓄の増進などを通じて国民各位物価安定に協力されんことを望むものであります。  なお、生産性格差が存在する反面、賃金所得平準化が急速に進んでいる状況のもとで、経済成長を続けながら消費者物価長期に安定せしめるためには、物価所得関係について広く社会全体が責任を分担するという立場に立って、国民経済全体が生み出す生産性成果賃金、利潤、業主所得、その他国民全体の所得に適正かつ均衡のとれるように配分されることが必要であります。したがって、生産性の高い部門においては、その成果価格引き下げにも充てることによって広く消費者にも配分されることを期待する次第であります。  政府は、開放体制下における経済運営長期的指針として、去る一月二十二日、中期経済計画を決定いたしました。この計画は、昭和三十九年度から四十二年度までの五年間を対象としており、四十三年度において経常収支均衡し、計画期間中における消費者物価上昇率年度平均二・五%にとどまるという基本的条件のもとに、経済安定成長をはかり、その中で社会開発を積極的に推進し、経済社会におけるひずみの是正近代化を最大限に行なうこととしております。その結果、経済成長率年度平均実質八・一%と見込んでおります。この計画においては、社会資本整備社会保障充実等を一そう推進するとともに、農業中小企業等の低生産性部門近代化労働力流動化有効活用住宅生活環境施設整備など国民生活質的向上といった課題を特に重視して、経済社会におけるひずみの是正社会開発につとめるほか、輸出振興人的能力向上等施策推進し、経済長期的発展の原動力を培養して、経済社会近代化のための基盤整備することをねらいとしております。政府としては、現実の経済社会の諸情勢を十分勘案しつつ、中期経済計画を、長期的な経済運営の基本的な考え方として、福祉国家の建設に邁進する所存であります。  わが国経済は、数年来めざましい発展をとげてきましたが、この間ややもすれば、国民生活の面がおろそかにされがちとなり、さらに、その向上を阻害する諸事情も見られるようになっております。今後は、経済成長成果が真に国民福祉向上に結びつくよう、より多くの政策的配慮を払うべき段階に立ち至ったと思われます。したがって、この際、独自の使命をもった国民生活行政が新しく展開されなければなりません。  このような見地から、国民生活福祉内容を構成する諸要素について、将来における望ましい生活標準を探究、想定し、その実現のため経済成長段階に応じた諸施策推進するとともに、国民日常生活の面においても消費者の保護や生活環境整備などの関係施策総合的見地から推進する必要があります。経済企画庁としては、このような政策的課題にこたえ、各種施策斉合性を保ちつつ、その積極的推進をはかるため、新たに、国民生活局設置し、国民福祉向上に一そう努めてまいる所存であります。  今日、地域開発の主要な課題は、地方開発推進による地域格差是正と大都市における過密の除去であります。地方開発については、新産業都市工業整備特別地域等拠点開発方式による産業及び生活基盤整備重点として必要な諸般施策を促進し、また拠点開発波及効果を受けにくい離島、山村その他の未開発地域については、社会福祉向上観点からも諸施策の総合的な推進をはかってまいります。過密都市については、企業人口の流入の抑制並びにその再開発による環境改善をはかるとともに、地方開発を積極的に推進し、地方における産業文化振興格差是正をあわせ行なうことにより解決をはかる必要があるので、諸対策の総合的な検討を進めていきたいと考えております。  経済発展人口の増加に伴い、水資源量的開発及び質的保全必要性はますます高まってきております。政府は、このような事態に対処して、用水の供給を確保しその利用の合理化を促進するため、利根川、淀川等重要水系中心として、上長期需給見通しに基づき、積極的に水資源開発推進してまいる所存であります。また、水の質的保全については、その国民生活に及ぼす影響重要性にかんがみ、今後とも関係方面協力を得て、河川等における汚濁防止のために一そうの努力を傾注してまいりたいと考えております。  以上、経済企画庁の主要な施策について所信の一端を申し述べたのでありますが、わが国経済発展国民生活向上とのために、今後とも一そう努力してまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。     —————————————
  12. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) この際、藤田委員から発言の要求がありますので、これを許します。
  13. 藤田進

    藤田進君 通産大臣、今次国会が開会されまして、ここ長大重要な段階のこの商工委員会になったわけでありますが、通産大臣に若干お尋ねをいたしたい。  通商産業政策重点について一読いたしますと、かなり重要なことも書かれているのであります。そこで、私は通産大臣がその所管業務について、その政策遂行のかまえとして伺いたいことがある。大臣に就任されて、当参議院の商工委員会において、前福田大臣等議会における答弁等についてはいかなる態度を持つのかという問いに対して、これを受け継いで実施するということであった。しかし、私は通産大臣のその答弁とはかなり違った現象が出ているようにも思われる。そこで過去あるいは将来にわたって、通産大臣議会に対して、あるいは他の党に対して通産大臣として約束したこと、言明したこと、答弁したことについては、これを責任を持って遂行するだけの信念を持つのかどうか、まず伺いたい。
  14. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 藤田委員が御指摘せられたとおりに、以前御同様の趣旨の御質問をちょうだいしたと思います。私としては可能な限り誠心誠意努力をいたしまして、行政遂行に当たっていきたい、その決意には寸分もたがうところはございません。
  15. 藤田進

    藤田進君 いろいろ具体的に指摘したい問題もありますが、まずその第一に伺いたい。去る国会において電気事業法の成立を見ました。この中には衆議院における修正によって電気事業審議会発足をみることになっている。あわせて、この委員会には、多くの六十カ所に余る本法にある省政令は、すべてこの委員会にかけるということをお約束になっている。にもかかわらず、今日いまだその本体である審議会発足をみていない。しかも、法の施行は迫ってきている。この間の事情について具体的なことを御答弁をいただきたい。
  16. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私としては、法に定められた審議会は早く設置するほうがいいと、こういうことで、そのように手順を踏むようつとめてまいってきております。ところが、なかなかその人選に苦労をしているようなわけでございますが、一方におきまして、政令省令準備はいまお話のとおりに非常に広範囲に及びますので、かりに審議会発足をいたしましても、まだ付議すべき段階にまで用意が整っておらないようであります。もちろん、この電気事業法審議の際にこれらの事項審議会にかけるというお約束をしておりますので、これは当然かけるべきでございまして、それに間に合うように審議会設置すべきだと、こういうふうに私は承知いたしております。
  17. 藤田進

    藤田進君 それなら聞きますが、電気事業法はいつから施行されることになるのか、そうして審議会発足とこれが法律の実施にあたって、どれだけの期間があるのか、間に合うようにと具体的にでなく抽象的に言われるけれども、膨大な内容を持ち、しかも、その政令省令自身がまだ全部まとまっていないということで、あなたの所管されている責任が全うされているのかどうか、はなはだしく疑問に思う。委員会発足めど、省政令の試案のできるめど、私はこれらの問題について、ここまで来た以上、省政令が逐次でき上がる、完成ではないけれども、これを審議会にも問うという態度をとってしかるべきだと思う。いつ委員会発足考えているのか伺いたい。
  18. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 当初省内におきましては四月に発足をいたしたい、こういう考え方で進んでまいりました。ただいま申し上げたように、私はそういう考えでおりましても、政令省令準備の都合上から、現状において審議会が早く発足しなければ四月に間に合わぬじゃないかというようなふうに私も若干思っておるのでありますが、その準備がまだ十分でございません。できれば四月に実施をいたしたい。またそれに間に合うように審議会設置し、政令省令もかけたい、こういうことにいたしております。
  19. 藤田進

    藤田進君 私は通産大臣答弁なり、あるいは言明なり、速記録にあらわれた議会答弁について、その実施について基本的な問題を実はただしたいのであります。具体的にいま触れておるけれども、重要な施策をここで御披露なさっても、これが実際に実施されないようなことではこれは全然絵にかいたもち。そこでいまお尋ねしている審議会は、これは一つの例です。いつ発足しますか。四月に実施するのに、昨年法が成立いたしまして、今日まで政令省令作業にいまだその完成をみていないというような実態では、かりに二月の本日、委員会発足したとしても、二十名からなる委員会に諮問をするためには、そんな二カ月かそれ足らずで、しかも連日やるわけにはいききすまい、非常勤の委員で。こう考えてみると、もうすでに発足はおそきに失している。この点はいかがに考えますか。
  20. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私としてはただいま申したように、四月を実施目標にしてまいりましたけれども、不幸にして準備が整わずに、それが若干ずれるというような事態もいまこの段階予想ができるかとも思います。しかし現状においては私は四月にいたしたい。したがって、それに間に合うように審議会設置をし、政令省令もかけたい、こういうように思うのであります。しかし、これは現実的にどうもそれは無理じゃないか、こういうことになっていけば、若干事業法実施を延期せざるを得ないと思います。
  21. 藤田進

    藤田進君 そこが問題なんです。議会に対しては法の施行は一年以内ということになっていて、それが委員会発足がみずからの所管の怠慢によっておくれて法の施行が延びていくという、院の議決をそういった態度でいいのですか。あらためて私は伺いたい。そんなに自由に所管大臣が法の施行日を延ばしていいのかどうか。しかも、委員会発足についてはいつを目途にするという確答はない。
  22. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) これは私が申し上げるまでもなく藤田委員十分御承知で御質問であろうかと思うのでありますが、電気事業法は七月十日までに実施をすればいいじゃないかと思うのであります。しかし、私としては当初四月、こういう年度の変わりなどが一番いい。こういうことで正直にそういう作業を間に合うようにしてもらいたい、こう言ってきたのであります。しかし、その準備ができない。これは私が一切やるわけじゃないので、私が気がせいてもなかなかその準備が整わなければこれはやむを得ないと思うのであります。そこで、現状において七月ごろだのというそういうことを申すわけじゃありません。しかし、もしいまの時点で、おまえの言うことおかしいじゃないか、こう言われれば、それは若干のズレが出るのじゃないか、こういうふうに正直に申し上げたい。
  23. 藤田進

    藤田進君 逆算して、委員会発足はいつをめどにしているのか聞きたい。
  24. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) それは十分審議のできる期間を持つように、そういう期間はおきたい、こう思います。それはお話しのように、十ぱ一からげに持っていってこれを頼む、そういう不見識なことはいたしません。
  25. 藤田進

    藤田進君 大臣所管事項について自主性を持っておるのですか、いないのですか。聞くところによると、表面は美しいことを言われるけれども、ある方面から委員会発足にストップ、かかかっておる、通産大臣もこれをのうのうと受けている、そういう事実はありませんか。したがって、委員会発足についても、通産大臣所管権限でありながら、いかんともしがたい。あなたはそういう事態になってもなお国会を乗り切れると思いますか、この国会を。そんな自主性のないことで。伺いたいのです。
  26. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) どういうことのお尋ねか、ちょっとわかりかねるのでありますが……。
  27. 藤田進

    藤田進君 わからなければわかるようにしますよ。
  28. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私としては当然審議会設置し、また電気事業法実施に支障のないようにつとめる、これは間違いないことであります。
  29. 藤田進

    藤田進君 答弁になってないですよ。もう一ぺん言いますが、どんな重要施策だとあなたが言われても、電気事業審議会委員所管事項でさえ遂行できないようなことでは、それをこのまま受けるわけにはいきません。自分の権限でありながら、なぜ進められないのですか。委員会発足が、一月一ぱいに発足するようにするという言明もあったはずであります。なぜこれがとまっているのですか。それを聞いておるのです。
  30. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私としては誠心誠意その人選を進めているのでありますが、まだ発令の段階に至っておらないということであります。
  31. 藤田進

    藤田進君 私が具体的に指摘していることに対して否定なさらなければ、これは私の指摘していることをあなたは肯定したことになる。通産大臣自主性はないことになってくると私は指摘しておる。そうなのかどうか。
  32. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 自主性がないと言われると非常に遺憾でございますが、私としてはやりようもあろうかと思います。しかし、できるだけ審議会設置することにおきまして、設置後にこの審議会運営が円滑にいくほうがいいのじゃないか、こういう私の配慮があるいは多少の時日の遷延になっているかと思います。
  33. 藤田進

    藤田進君 通産大臣権限に対して、自由民主党なりあるいはその他からいろいろな制約を加えられて、よってこの審議会発足がストップしておるという事実はあるのですか、ないのですか。
  34. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私は私自身の判断で審議会設置はできます。
  35. 藤田進

    藤田進君 しからば、いつごろを目途にされておるのか、重ねてお尋ねしたい。
  36. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) したがって、先ほどから繰り返し申し上げますように、政令省令準備ができ、審議会にはかれるという段階を迎えますれば、当然審議会設置いたします。
  37. 藤田進

    藤田進君 それでは、ことばをかえて聞きますが、省政令をかけ得るということについて一つ目途がなければならない。両院議決が一年以内ならば七月になる。それで所管大臣としては、年度のきりがいい四月一日からということで、目標とする、だとすれば、審議日程というものがなければならない。そういたしますと、省政令のかけ得る状態の目標というものをいつに置いておるのか、その点をまず聞きましょう。
  38. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) これは繰り返し申し上げているのでありますが、四月を目標にしてきたが、若干それがずれている、用意ができれば審議会発足せしめたい、こう思っております。
  39. 藤田進

    藤田進君 省令政令をかけ得るように通産省の中で部下を督励しておやりになるはずです。いつまでにはぜひ省令政令の案をつくれ、そうしましょうという、その日程がないはずがない、何にもないのですか。それがかけ得るようになったら委員会発足をするとおっしゃる。委員の発令なんか早くして、委員諸公にもそれぞれ事前に知識をおさめられて、慎重の上にも慎重な審議ができるような、そういう委員会をつくり上げることが最も大切だと私は思います。政令ができるまで発足を待たせて、政令ができて、それから任命して、こういうものですよと、そういう委員会ではなかったはずです。もっと具体的に承りたいです。
  40. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) このめどはどこに置いたか、これは四月に置きましたが、それが現実にはおくれておるということを先ほどから申し上げておるわけであります。したがって、いまの段階で、ここでまたいつごろを今度めどにしているんだ、そういうことを申し上げるよりも、できるだけすみやかにやりたい、こういう私の心境でございます。また準備ができますれば、審議会発足して、当然政府としては処理していきたい、こう思っております。
  41. 藤田進

    藤田進君 そういたしますと、通産大臣自主性を持って自分の所管事項については対外的、会に対しても約束したことはこれを守ると、あくまで。また電気事業審議会委員会発足については、それに先立つ委員の任命等については通産大臣自主性を持ってやり得る、こう言明されたと思います。まずその点を確めておきたい。
  42. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) それはそのとおりでございます。
  43. 藤田進

    藤田進君 その際には、前福田大臣以来、私は当委員会において社会党の推薦したい者もある、これは必ず入れるのか、それは尊重して入れますという言明にもなっている。その後具体的になっている。これは守りますか。
  44. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私は誠心誠意その努力をいたします。
  45. 藤田進

    藤田進君 あなたの努力するなんということは通り越えて、約束していることはみずからの権限において実施すべき必要がある、またそのことは自主性を持ってやり得るという言明をしたではありませんか。矛盾するじゃありませんか。やり得るじゃないですか。約束どおり自主性を持ってやりますと言明して、私はたたみかけていま再確認したら、そのとおりだと言いながら、その直後にまあ努力いたしますと、努力じゃないですよ、実施するのかしないのか、あなたの権限なんです。自主性を持っているんです、どうなんですか。
  46. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私のでき得る限りのことをいたします。
  47. 藤田進

    藤田進君 でき得る限りということは、みずから約束をしたことについてはこれを履行するという趣旨ですか。
  48. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) なかなかそういうふうに言われますとお答えがしにくいと思います。私としては審議会発足せしめたい、そうしてこの審議会が円満に運営されることを期待をいたしております。そうしてまた先ほどからお話しのように、福田大臣以来のいろいろいきさつがございます。これを反映してやっていきたい、こういうふうに思って極力進めておるわけでございます。
  49. 藤田進

    藤田進君 その約束のとおりを実施するという心がまえであることは間違いありませんか。
  50. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 私はそういう心がまえで進んでいきたいと思います。
  51. 藤田進

    藤田進君 それから、いろいろ問答をかわしたけれども、四月から法の施行をしたいにもかかわらず、もうすでに二月です。どうですか、委員会発足は今月中にかりにしたとしても、あと二カ月しかないじゃありませんか。それであの膨大な省政令その他を、こんなに発足がおくれていて十分審議する日程がとれるのですか。納得のいく答弁をいただきたい。
  52. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) これは先ほどから繰り返し申し上げますように、私はそういうめどできましたが、多少準備の都合上ずれております。したがって、そのずれたらずれたなりに十分審議のできる期間が設けられるように考えていかなきゃならないと思います。
  53. 藤田進

    藤田進君 そこがくせ者なんですよ。いろいろ言われるけれども、結局二月中には発足するつもりなんですか、委員会というのは。
  54. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 二月といわず、私としてはすみやかにやりたいのであります。
  55. 藤田進

    藤田進君 いま二月なんですよ。去年の十一月から二月といわずにということでしょう。きょうは二月の何日ですか、九日ですか、とすれば、あと十八日ですか、それは待たないで、それよりも早く、二月といわずにというそういう趣旨なら、二月の十五日になるか二十日になるか、少なくとも二月一ぱいまでにはということなんですか。そうでなければ、あなたの言うような審議会十分審議をしていただく期間を貫くという趣旨が、これは全くみずから否定することになりはしませんか。
  56. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) これはひとつすみやかに設けるということでお許しいただきたいのです。いまこうやっておくれている実情は、審議会の円満な運営を期したい、また省内の準備の進行状況、これは督励をしておる段階でございまして、準備ができ、人選が終われば、すみやかに発足をいたしたい、それをいまここでいついつというふうに言いますと、また私食言をしておしかりを受けるということになってはいかぬので、できるだけ早くやりたいと思います。
  57. 藤田進

    藤田進君 事務当局に問題があるように大臣言われるので、専務当局に伺いたい。なぜ人選が進んで大臣の手元に行かないか。
  58. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 人選はある程度いたしたわけでございますが、人選はわれわれ事務レベルといたしましてはいたしました。ただしかし、いまの問題につきましては、大臣の進めろという御指示があるまではちょっとストップしておるような状態であります。
  59. 藤田進

    藤田進君 それはおかしいじゃないですか。大臣いまのを聞きましたか。人選は進めているのだが、大臣がストップということでとまっておる、こういうことじゃないですか。あなたは事務当局にじゃんじゃん言って進めているということをさっき答弁した。進めていないじゃないですか。
  60. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) そういうストップという意味は、大体候補者は前々から人選をいたしておりますが、ただ諸般情勢でいま候補者が出ておりますが、それをそのままにしておる、こういう意味でございます。
  61. 藤田進

    藤田進君 だから、できているが、それを塩漬けか氷漬けか知らないが、そのままに置いてとめてある、大臣の命令で。そこを私が言っているのですよ。だから、あなたがここで何を言われたところで、それは意味がないのだ。私も十何年の議会生活をしていますが、初めてこんなことに当面しました。ですから、あなたの言われる前に、私は聞かなければこの委員会としての責任が済まない。どうなんですか、塩漬けにしているかどうか知らないが、委員会人選はできているが、これはそのままそっとしておくのだ、大臣の命令で。何を言っているのですか。その辺の食い違いはどうなっているのですか。
  62. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 要するに……。
  63. 藤田進

    藤田進君 大臣答弁をいただきたい。
  64. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) いま大臣がお話しになりましたように、電気事業審議会のスタッフに関しまして、省政令が非常に膨大であるためにおくれておるわけでございます。これはほとんど係官が連日……
  65. 藤田進

    藤田進君 そんなことはいいよ。
  66. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 徹夜に近い状態でやっておりますが、非常におくれてきております。したがいまして、四月一日ということが、実際問題として一生懸命やっておりますが、なかなか進まないということでございまして、そういう意味からも、大臣からお話しいただきましたように、まだ十分に素案をおかけするまだ段階に至っておりません。それで、審議会のほうとも見合いまして、とりあえず現在事務的には省政令を一生懸命に進めておる、こういう段階でございます。
  67. 藤田進

    藤田進君 そんなうそを言うものじゃありませんよ。そんなうそを言うからぼく璧頭に取り上げるのです。よそ行きの美しごとですよ。省政令が何がどこで詰まっているのですか。業界との打ち合わせもやり、私が何も知らないと思っているのですか、あなたは。ここで一々言うまいと思っているのですけれども、なぜ審議会発足がおくれるか、省政令が整ってそれから発足を見ようなんて、そんなばかげた行政審議会はどこにありますか。人選が整えばすぐ発足して、委員にもその予備知識を与えていく、省政令も逐次資料を与えていく。しかも四月を前にしている。時間的に見ても、省政令が全くできあがって、印刷も刷りあがって出せるようになって、これから審議会発足だと、そういうやり方はおかしいじゃないですか。大臣の命令で塩づけにしているのだ、こう言うんですよ。
  68. 宮本惇

    政府委員(宮本惇君) 私が申し上げましたのは、省政令をおかけする場合に、その案というものをある程度まとまったところでおかけしなければならないと思って、それをやっておるわけでございます。私はさっきそういう意味で、ある程度の素案ができたところで委員会におはかりするというのが順序だと思いますので、そういう努力をいま一生懸命やっておるところでございます。
  69. 藤田進

    藤田進君 それは違う。よく審議会のあの法文を読んでもらいたい。省政令をかけるだけが電気事業審議会の役目ではない。諮問に答えることもあるが、建議することもある。いま石炭問題をはじめ、エネルギー全体、特に電力問題については重大な段階になっているじゃありませんか。このような重大な問題があるにかかわらず、審議会発足をストップするということはどこに理由があるのか。省政令にこだわって、それができるまでということは全く本末転倒だ。大臣にこの際聞きます。いまのような、あなた自身の手で石炭問題を——あすは石炭特別委員会があるが、そこへ出て私は聞きますよ。毎日聞きますから。そういう状態の中でこの重大な電気事業審議会発足できないということは、これは一体どういうことなんですか。あなたの権限の中で自分でやると言いながらやっちゃいないじゃないですか。すみやかに発足します、二月一ぱいなら二月一ぱいに発足するということぐらいなぜ言えないのですか。委員人選は手元に持っているというじゃないですか、いつ発令するか。これは大臣の裁断です。
  70. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 先ほどから申し上げているように、すみやかに私としては発足せしめたい。そしてその発足した後に審議会が円満に運営ができるようにということに非常に努力をしておるわけであります。
  71. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記中止。   〔速記中止
  72. 豊田雅孝

  73. 藤田進

    藤田進君 あす、引き続き私はこの問題について、その後の具体化について迫っていきます。石炭特別委員会も開かれるし、通産大臣出席を求めているところで、これは明十日の予定、明日までにいまの結末を十分もっとはっきり答弁できるようにしてもらいたい。よろしゅうございますか。
  74. 櫻内義雄

    国務大臣櫻内義雄君) 繰り返し申し上げておるとおりでございまして、また明日御質問があれば、その機会にお答えをいたします。
  75. 藤田進

    藤田進君 まだ時間があれば私質問やります。どうなんですか、時間があるのですかないのですか。
  76. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ありません。
  77. 藤田進

    藤田進君 全然ない……。あと何をやるのですか。
  78. 向井長年

    ○向井長年君 一言だけはっきりしておきたい問題があるのですが……。
  79. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 簡単に。
  80. 向井長年

    ○向井長年君 簡単に。ちょっと大臣、時間ございませんし、藤田君のに関連した問題で、一つだけ確認しておきたいのですが……。
  81. 藤田進

    藤田進君 おかしいじゃないですか、委員長。私質問がある、残っているがと言ったら、時間がないと言ったじゃありませんか。
  82. 向井長年

    ○向井長年君 委員長に指名してもらったのだから。
  83. 藤田進

    藤田進君 委員長、時間があるならなぜ許さないのですか。
  84. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ごく簡単に。さっきからのあれですから、ひとつ簡単に発言してもらって、そして議事を進めます。
  85. 藤田進

    藤田進君 それでははっきりと取り消しなさい。
  86. 向井長年

    ○向井長年君 簡単です。いいですか。
  87. 藤田進

    藤田進君 それはおかしいじゃないですか。時間がないとあなた言ったじゃないですか。
  88. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記とめて。   〔速記中止
  89. 豊田雅孝

  90. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、渡邊公正取引委員会委員長から、公正取引委員会業務の概要について説明を聴取いたします。
  91. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 昭和三十九年中の公正取引委員会業務の概略につきまして、お手元に資料をお届けいたしましたが、そのうちおもな点につきまして御説明申し上げます。  昭和三十九年の公正取引委員会業務を振り返ってみますと、物価総合安定対策の一環としての違法な価格協定の取り締まりの強化、硬直的価格動向調査、不当な歩積み両建て預金の規制の方策の検討など、当委員会といたしましては、前年に引き続き相当活発な活動を行なった年であったと考えております。  まず、昭和三十九年には、本委員会におきまして御審議いただきました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律の施行により、事務局に取引部及び札幌地方事務所が設置され、定員も十五名の増員となり、公正取引委員会の活動もより充実したものとなりました。  次に私的独占禁止法の規定に基づく業務といたしましては、まず国際契約等の届け出は六百三十一件にのぼり、前年に比較するとやや減少しておりますが、依然として届け出件数が多く、自由化の進展に対処するための技術導入が積極的に行なわれたものと見られます。会社の合併、営業譲り受けの届け出は、それぞれ九百二十一件、百七十七件となっており、前年に比較して若干減少しておりますが、私的独占禁止法上特に問題となるような合併等はございませんでした。  不公正な取引方法の指定に関する業務といたしましては、従来から指定されていた新聞業に関する指定のうち景品の提供に関する事項を不当景品数及び不当表示防止法の規定に基づく告示に切りかえ、差別対価、押し紙等の禁止を内容とする指定を新たに行ないました。  また、数年来問題となっております不当な歩積み、両建てにつきましては、昭和三十九年三月末現在及び同年九月末現在について中小企業者を対象にその実態を把握するためのアンケート調査を行ないましたが、必要があればいつでも特殊指定に踏み切れるようその具体案について検討を続けております。  私的独占禁止法の規定に基づく共同行為の認可につきましては、不況に対処するための共同行為として新たに本年六月末を期限としてPCP除草剤の出荷数量の制限に関する共同行為を認可したほか、企業合理化のための共同行為として、従来認めていた合成染料、麻糸、綿とビスコース・スフとの混紡糸、溶解用鋼くず、ベアリングの各共同行為につきまして、それ、それ期間延長の認可をいたしましたが、いずれも法定要件を満たすものと認めたものであります。  次に、私的独占禁止法違反被疑事件につきましては、昭和三十九年中に百六十二件につきまして審査を行ない、そのうら審判手続を開始したものは二件であり、これは、鐘渕紡績ほか九社による再販売価格協定事件と、日本郵船など外国海運業者を含む十七社による三重運賃制度設定事件であって、いずれも審判係属中であります。また、勧告を行なったものは十九件で、このうち昭和三十九年中に勧告審決を行なったものは十六件であり、そのおもなものは、セロファン工業会による価格協定事件、日本電池らによる価格協定事件、日本水産による不公正取引事件等であります。なお、昭利三十八年に勧告し、昭和三十九年に勧告審決を行なったものは八件あります。  次に、下請代金支払遅延等防止法の規定に基づく業務といたしましては、下請代金の支払い状況を中、心に二千九十二の親事業者を調査し、支払い改善の勧告を行なったもの十六件、行政指導により支払いの改善をはかったもの百七十五件でありました。  また、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づく業務といたしましては、「新聞業における景品類の提供に関する事項の制限」を告示し、また、悪質な表示を行なった宅地建物取引業者七名、精糖業者二名に対して排除命令を行なったほか、日本防虫剤工業会及び新聞発行業者等四百五十二名から申請のあった「防虫剤の表示に関する公正競争規約」及び「新聞業における景品類の提供の禁止に関する公正競争規約」をそれぞれ認定いたしました。  最後に私的独占禁止法の適用除外法に関する業務のうち、おもなものにつきまして申し上げますと、輸出入取引法の規定に基づく共同行為等の処理件数は百七十四件、中小企業団体の組織に関する法律の規定に基づく共同行為等の処理件数は千八十三件、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の規定に基づく共同行為の処理件数は十二件となっており、いずれも慎重に検討を加えた上、問題はないものと認められましたので、主務大臣の協議等に応じました。このほか、物価問題に関連しまして、硬直的価格動向調査についても引き続き力を注いでおります。当委員会といたしましては、今後とも私的独占禁止法等の厳正な運用によって、公正な競争秩序の確立をはかるとともに、一般消費者の利益の保護に万全を期したいと考えております。  なお、昭和四十年度予算案でございますが、本国会に御審議をお願いいたしております当委員会関係予算は、総額二億五千九百二十五万五千円でありまして、昭和三十九年度に比校して三千七百十五万七千円の増額となっており、仙台地方事務所の新設、定員十一名の増員がそのおもな内容となっております。  今後当委員会業務は、従来にも増して繁忙の度を加えるとともに、重要性を増すものと考えられますが、皆さま方の御支援を得まして、重責を果たしたいと思っておりますので、どうぞよろしく御指導御鞭撻のほどをお願いいたします。     —————————————
  92. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、村上官房長から経済企画庁予算について説明を聴取いたします。
  93. 村上孝太郎

    政府委員村上孝太郎君) 昭和四十年度経済企画庁予算案につきまして、簡単に御説明申し上げます。  昭和四十年度経済企画庁予算は二百二十億四千九百万円でございまして、本年度の百五十一億八千八百万円に比べまして、約四五%増の六十八億六千万円の増加となっております。この増加額のうちで、行政部費の関係の増は三億二千九百万円でございまして、他の六十五億三千百万円が公共事業の関係予算の増額となっております。  まず第一に、行政部費の増加額のうち、おもな施策となりますものを御説明申し上げます。  行政部費、の増加額のうちで、まず経済企画庁の項に属しまするものは、国民生活行政推進のために国民生活局の新設及び増員、並びに国民生活向上物価の安定等国民生活充実に関する経費でございまして、このうちには、国民生活研究所に対する補助金の増加分も含まれております。その他、山村振興に関する新規経費を含む国土総合開発に関する経費、水資源開発に関する経費、内外経済事情調査に関する経費がそれぞれ増加の内容となっております。  次に、土地調査費の項の中では、国土調査事業十カ年計画に基づく第三年度分といたしまして、地籍調査の規模が増加したことによる補助金の増一億七千九百万円がその内容となっております。  また、経済研究所の項といたしましては、大型電子計算機の導入によりまする今後の科学的な資料の収集等五千万円の増加がその内容となっております。  次に、公共事業費の関係でございまするが、公共事業費の増加額のおもな内容について御説明申し上げますと、国土総合開発事業調整費の項では四十四億五千万円、本年度に比べまして十億四百万円の調整費の増加額がその内容となっております。  次に、離島振興事業費の関係では、要求額は九十三億八千七百万円となっておりまして、本年度に比べまして十九億四千四百万円の増額となっております。増額の内容となりますものは、離島の後進性を除去するために、最も重要な施設である道路、港湾、漁港、空港の整備などによるものでございます。  次に、水資源開発事業費の項では、要求額は六十三億九千二百万円となっておりまして、本年度に比較しまして三十五億八千百万円の増額となっております。この内容をご説明申しあげますと、水資源開発公団が行なう印旛沼開発事業、群馬用水及び利根導水路の建設事業に要する経費、並びに同公団が行なう矢木沢ダムほか五つのダム、利根川河口堰の建設事業等がその増加のおもな内容でございます。  最後に、経済企画庁財政投融資関係内容につきまして御説明申し上げます。まず、海外経済協力基金につきましては、一般会計からの出資金十億円のほかに新たに借り入れの制度を設けまして、財政投融資関係で十億円の借り入れ金を計上いたしております。  次に、東北開発、株式会社につきましては、来年度も本年度に引き続きまして会社の再建をはかることに重点を置くことにいたしておりまして、事業資金の総額は四十億円となっております。産業投資特別会計からの出資金十四億円と公募債二十六億円が計上されております。  次に、水資源開発公団につきましては、その事業の拡大に伴い、総事業費は本年度の百八十九億円から来年度二十一億円増の二百十億円を確保することになっております。  また、北海道東北開発公庫につきましては、運用資金は前年度の三百二十億円に対しまして、来年度は四十億円増の三百七十億円を予定いたしております。産業投資特別会計からの出資金五億円、財政投融資及び公募債をそれぞれ百三十五億円、自己資金は九十五億円となっております。  以上が経済企画庁の明年度におきます一般会計及び財政投融資計画の概略の御説明でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  94. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 以上で経済企画庁公正取引委員会に関する説明は終了いたしました。  別に御発言もなければ、本日の説明に対する質疑は後日に譲ることといたしまして、本日はこれをもって散会いたします。    午後二時三十一分散会      —————・—————