○林塩君
精神衛生法の一部改正につきまして、私もいろいろ根本的のことを伺ってみたいと思っておりましたが、
藤田委員がその大半の質問をされまして、お答えもありましたので、時間もないことですから、それを繰り返すことをやめたいと思います。
で、
予防ということを
考えていっている立場におきまして、この
予防対策に非常にお金が要るものですから、このことでおくれがちになっているということは、もう
厚生省でもよく御存じだと思います。で、
予防をやって、そうしてできるだけ一人でも
患者の発生を防ぐということが、将来のこの精神衛生に関する経費を省いていくことになるのじゃないかと思います。で、百五十九億の中で、予算をそれだけとってございますが、先ほどその方面についての研究その他をしてPRもやっていかなきゃならないというふうなお答えでございましたが、国立精神衛生研究所に対しては百四十七万しかお金がないようでございますが、これあたりを
考えてみましても、将来
予防方面に、そうしてもっと研究その他に予算がとられていかなきゃならないのじゃないかと、もちろん予算の問題はむずかしい問題でございますのですが、
国民がみなそれに協力するという立場が大事だと、それは
藤田委員も言われたとおりでございますが、かって結核の撲滅運動を
国民運動として展開しようとしたときにずいぶん大きないろいろなことがなされまして、そうして二十年前ぐらいでしたかしら、大きな
国民運動になりまして、いま結核が撲滅されたわけではございませんけれ
ども、一応
国民の中に、結核は決して伝染病ではないという観念は植えつけられたと思います。それから、その
予防法その他についてもずいぶん進歩したと思いますが、それだけの熱意をやはり展開していかなきゃならないのじゃないか。十何年前でしたが、私アメリカにおりまして、アメリカの精神衛生運動というのを見ておりました。それで、そのときに大きなポスターをたくさんにつくりました。そうして精神衛生、精神病
患者を一人なくすることによってこれだけの国が得をするのだ、これだけの得をするのだというようなポスターをずっと張りました。で、
国民運動をどうして展開するかというときにそういうことも
考えられてよろしいのじゃないかと思うわけでございます。で、いまは
患者さんの、先ほど病院の問題なんかたくさん出まして、それに対する御答弁もございましたので、まあその
内容その他については、私は質問することを、時間もございませんので、差し控えますが、当面の問題としては、やはりいまある
患者をできるだけなおすということ、それから、リハビリテーションをして、どうしても症状固定した人が病院にいなくても、
社会で何とか
自分で自活をしていくような状態をつくるというようなこと、そのために作業療法などがございます。職業指導もございます。で、そういうようなことを
考えますと、やっぱり一連の
施策というものをお立てになる必要があるのじゃないかというように
考えるわけでございます。これは精神病
患者、そういう者だけでなくて、先ほど
藤田委員もしきりに言っておられましたけれ
ども、やはり経済の問題とか生活水準の問題とかいうようなものとかみ合わせなければなかなかできないことはよくわかりますが、一応やはりせっかくできました
精神衛生法の一部改正というときに関連いたしまして、もっと何か焦点をびしゃっと合わせたような
施策が出ればと、こう思っておりましたが、なかなかただおざなりに
精神衛生法だけが出たというだけで、
施策がないように思います。で、いま病院の中に入っている
患者さんの取り扱いでございますが、精神病
患者の治療法につきましては、精神医学の向上その他でずいぶん進んでいるのだといわれております。これにも書いてございますが、一体その進んだ医学を
ほんとうに現在いる
患者が受けられるような状態かどうかということについて、まあ先ほど御答弁ございましたから、私も御答弁を望みませんが、付け加えて、そういうことについてうんと
考えていかなければならないのじゃないかということでございます。で、御答弁を聞いておりまして、一応規則はできているのですけれ
ども、そういう運営の問題とか監査の問題になると、まことにできていないということは確かでございます。それで、一例を申し上げますと、精神病院の中の
患者さんの生活状態というものは、先ほど
藤田委員が御指摘になったようなことが非常に多い。それで、生活指導を通じて
患者さんはなおるというのが先ほど
局長も御答弁になりましたが、そのとおりです。だれが指導しているかということの問題でございます。だれが指導しているかというときに看護面の問題が出てまいります。で、そういうところで適当な指導者の人員が足りないということでございます。それについては、ここが私がぜひこのことだけを伺っておきたい点ですが、どんなふうにお
考えになっており、どんな対策をお持ちですか、伺いたい。