○阿
具根登君 しかし、私がただいま申し上げましたように、「
中性洗剤と食品衛生」という本が衛生協会から出ておるわけなんです。それの最初に、「モチはモチ屋にまかしておけばよい。」、「最後に強調したいことは、今後このようないいかげんな発表により国民を不必要な不安にかりたてないように願いたいものである。」、こうきめつけておるわけなんです。いいかげんなものであるかどうかです。そうすると、一方的にこういうようにきめつけてあるこれが私はおかしいと思うのです。
学者の中にも二色あって、一人の方は三十グラムくらいのABSなら飲んでみせると、こうおっしゃっておるわけです。一人の方はまたおかしいので、十五グラムくらいならおれも飲んでみせるとおっしゃっておるわけです。毒のないと言う
方々です。その毒のないと言う
方々が、一人は三十グラムまで飲む、一人は十五グラムまで飲む、こうおっしゃるのもおかしい。これは大体
厚生省関係の
方々です。今度そうじゃないところは、これは
毒性があるから、飲むことなんかもってのほかだと言っておる。そういうことはできない、皮膚から入っただけでも肝臓がおかされてきておるのではないかということを言っておる。そうして千五百何万か使ってこの特別研究
報告をした科学技術庁のこれの中でも、皮膚から入って、そうして体内を通って尿となって出てくるということを認めておるわけです。これに書いてあるやつは一応
毒性を認めてある。非常にはっきりこれを飲んだらどうだこうだということはないけれども、これは
毒性を認めてある。国費を使って権威ある
調査したこれが認めてある。そうすると、今度これを出されたこいつも、これを基礎にして、調べたとおっしゃっているわけです。そうするとおかしい。考えてみると、
厚生省関係の人は、これは毒はないと言っている。飲んでも毒はないと言っておられる。一方は、今度はこれは毒があるから、使うのにも注意しなければならないと、こう言っている、そこが私はおかしいと思う。というのは、あまり憶測して質問するのはまずいと思うのです。私もそう思っている。思っているけれども、事、人命の問題だから、これを推薦される方は、こういうことを書類に書いて、書籍に書いて出版されるだけの自信がおありになるんだから、だから私はこういうことを言っているのですが、ひとつどうでしょう、これはそういう毒がないから三十グラムおれは飲んでみせるとおっしゃる方もおられるのですね。名前も何も発表していいですよ。もう一人の方は十五グラムまでならおれは飲んでもよろしいとその方はおっしゃっておられるそうです。一方は全然そういうものを飲んではならないとわざわざおっしゃっている。私は医者でも何でもないから、あなた飲んでみなさいと言うことはできません。できませんけれども、それだけ自信のある
方々が同じ
学者で対立されておるならば、どうしてその
学者の
方々を十分納得させるだけの研究なり何なりをしないのか、こういうことを私は考えるわけです。それで、極端に言えば、やはり先ほどの論争からお気づきになっていると思うのですが、一般国民から見れば、何かこれは業者の圧力があるんじゃないかという気を一般国民は持つと思うのです。食紅なんかばっさり切られた。だれもまだ中海した者もおらない、死んだ者もおらない、公害を与えておらない、それがばっさり切られた。一方は公害が目に見えて出てきて、諸外国では全部それを切っておる。それだけならいざ知らず、
毒性があって、
学者の間でまだまだ論争が続いている、それを切ることができない、何かありはせぬかと疑問を持つでありましょう。だから、そういうことのないように、ここでばっさり切るなら切る、あるいはその推奨が悪かったのでこれはこういう誤解を生むならば、これはこういう
毒性があるから注意して使ってくださいと、なぜわかるようにもう一ぺんやり直さないのか、その上で白か黒かをはっきりして、そうして反対の
学者なら反対の
学者に学問的に究明させればわかると思うのです。そうしてこれは毒じゃないと納得さして、毒じゃないということを安心させればよろしい、しかし、現在のところではまだ不安が皆あるんだから、その不安があるならば、それは解消するまでに時間がかかるとおっしゃるならば、何かの手を打たなければならないでしょう。当時、高野
委員も二年前に質問した、そのときから
調査します
調査しますということばなんです。だから私はいまこれを持ち出して皆さんにお尋ねしているのは、国民の健康をほんとうに考えておられる皆さんですから、私も皆さんに負けないように国民の健康というものを考えていきたい、これが本
委員会の一番大きな任務だと思っておりますからこういう口ぎたないことまで申し上げるのです。
犠牲者が出てからではおそいのです。かぜ薬でも、あれが続けば
厚生省の責任があるのです。じゃんじゃん飲め飲めと飲まして、これさえ飲んでいれば医者は要らないといって飲ました。そうしたら七人も八人も死んだじゃないですか。死んだ人はだれが
補償するか、薬屋は知らぬ顔、それを許可した
厚生省も知らぬ顔、死んだ人はどこで浮かばれますか。今度の場合、この死んだ人が
中毒死だということがはっきりされているのだから、そうじゃなかったらそうじゃないようにあなた方は立証してもらわなければならない。あなた方が推薦して飲ました。これは誤飲ですからまた違います。誤飲でも、飲んで死ぬということになるならば、三十グラムぐらいなら飲んでも死なないという人もおるのだから、これはひとつ皆さんの前で実験して見なければわからぬのじゃないか、こういう気持ちもするのです、しかし、お互い
学者だから、私は学究的に、学問的な立場から論争されるならば、おのずからこれは出てくるものだと思います。その出てくるまでに
厚生省が先に立って、国民の健康保持のために業界にこれを推奨する、そういうようなことはたいへんな間違いだと私は思うのです。どう処置をされますか、お尋ねしておきます。