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政府委員(亀山信郎君) 現在、日本人船員が乗り組んでおります極東軍管区軍事海上輸送部、MSTSといっておりますが、この輸送部
関係の船舶はLSTが十七隻でございます。これに乗り組む日本人船員で雇用されておる者は八百二十五名、内訳は、乗り組み員が七百二十五名、その予備員が百名、こういうことに相なっております。このLSTに乗り組むために雇用されておる日本人は、いわゆる直接雇用でございまして、米軍との間の契約によりまして、個人個人の契約によって乗り組んでおります。したがいまして、一般に外国籍の船舶に乗り組む日本人と同様、船員法の
適用はございません。これらの船員の労働条件は、MSTSの日本人船員人事管理規則という、いわば就業規則のようなもので労働時間、休業、災害
補償等のいわゆる労働条件が定められておりまして、この人事管理規則は、これの
適用を受けます船員の所属しておる全日本海員組合と米軍
当局との間の協議の結果
内容がきめられ、今後の変更につきましても両者の協議でということに相なっております。このLSTの行動範囲は、おおむね日本、沖繩、フィリピン、それから韓国というふうな地域並びに南ベトナム地域の所要の輸送行動に従事いたしておる次第でございます。これらの船員の
身分は、ただいま申し上げましたように、直接雇用で、船員法の
適用はございませんが、入国管理令上、出国に際しては日本人であることの
身分が明らかである必要がございますので、これにつきまして、従来LSTの船員が
昭和三十七年のたしか七月末まで調達庁の雇用、いわゆる間接雇用、この間接雇用の時代には船員法の
適用がございまして、船員手帳の受有が義務づけられておりました。しかし、直接雇用に切りかわったときから船員手帳の受有の義務はなくなったわけでございますが、
関係省と協議いたしまして、船員法の
適用のある船員につきましては、船員手帳が出入国に対する
身分を証明する資料として入管のほうで認められております。これら船員法の
適用はなくなりましたけれ
ども、従来ずっと使っておりました船員手帳に、この者は米軍に雇用され、LSTに乗り組む日本人であるという証明をつけまして、これをもって出入国の際に日本人であることの
身分を証明する資料といたしておったわけでございます。その後、私
どもで、この証明方法はそれはそれとして、入国管理令上も有効な措置と認められておりますが、このLST以外に、一般外国商船に乗り組んでおる本人が現在も五百名以上おります。これらはすべて旅券でいっておりますので、このLSTにつきましても、旅券によることのほうが、日本人で外国船に雇われた者の出入国の
身分証明資料としては、一般的に旅券のほうが適当であるという判断をいたしまして、現在旅券に切りかえる手続を進めておる次第でございます。