○林塩君
関連ですけれども、他の
委員のおっしゃっておることよくわかります。ただ、この看護料金の出る場所がないということです。今回
医療費が上がる中で、基準看護料が一応査定としてあがっております。しかし、
病院業務、
診療所業務その他の
医療行動の中でただいま算定されておりますところの
医療報酬の点数の中に、
看護婦に支払うべきものの具体的なものがないためにどこも困っているということです。絶えずそのことについては、
厚生省当局にはそれぞれのところから言っているのですけれども、何か
厚生省当局が、
医療の中における看護というものについての認識というものが
ほんとうになされていなかったのじゃないかと、私はしみじみ思います。でありますので、料金をどこから支払われているかということについて、よほど
検討していただかないと、この問題はもうなかなか解決できないのじゃないかと思います。
根本のものがどこかということが一番大事なことです。ただ、これは
労働問題だけでなくて、
医療の中における
医療問題でございますので、
労働問題だけとして取り扱わないようにしなければ
医療はよくならない。したがって、国民の健康とかいうような問題と
関連して福祉につながる問題でありますので、
看護婦不足は深刻だということを十数年来言っておりますけれども、なかなか解決ができないというのは、よく
検討してみますと、一連の施策が足りていないのじゃないかと、こういうふうに
考えます。そのうち何とか
看護婦は出てくるのだというふうに、非常に安易な
考えで当局はおられたのじゃないかということをしみじみ思うのです。それで、教育の問題から、
養成所の問題から、
病院の運営の問題からというようなこと、ずっとその中で筋を通して、ぜひ
根本的に
検討してもらいたいものだと思うわけです。どこを取ってみても
看護婦は出てくるわけです。
医療の中のどの断面を取ってみましても
看護婦が出てきますが、それが真剣には
検討されていなかった、教育もそのとおり。今回この
報告の中にも書いてございますけれども、看護教育をどこでやっておるかといいますと、
医師会でずいぶん
努力をされて、それから何といいますか、
病院も
努力しておるししますが、そういう教育費は
ほんとうに国は出しておらないということ、そういうものは必要であるのに、そういう教育はどこにもなされていないということです。
医療費に頼ってそれがなされていたということですが、その足りない
医療費でもって教育をすること
自体が大きな矛盾なんです。
それから、もう
一つ考えられますことは、
業務の
検討ということをしてもらいたいというようにずいぶんやっておりますが、
看護婦でなくてもできるであろうという仕事が全部
看護婦に押しつけられているという
状態がありますので、したがいまして、それが
労働過重になっているということは確かなんです。これは明らかに
病院管理面の
指導が必要じゃないかと
考えます。それから、どこの
医療の断面を見ましても看護が出てきますのに、何ら施策ができていない。
医療点数
自体は査定されますが、その査定の中に看護
自体はどのくらい査定されるかというと、微々たるもの——ありません。それで入院料金にいたしましても、改定されて千円になりましたですけれども——なるかならないか、これからの論議でございましょうが、しかし、いままでは七百八十円という入院料の中でどうしてそれができたろうか。魔術でもなければできないだろうというふうな
状態であります。したがいまして、
病院収入が非常に少なければ
看護婦——
看護婦だけではありません。他のものに支払われるべきものが少なくなるのは当然です。その辺の財源のことを何も
考えないで、ただよくしろよくしろといっても無理だと思います。私その点で調べてみましたが、
看護婦が
一体どのくらい働いているだろうかということの査定なんです。査定が、点数から割り出しますと、
病院の中で一番働いていないのが
看護婦という評価になります。そうしますと、一番働かされて一番つらい
条件であるのが、それが
看護婦というのと逆になるわけです。ですから、
看護婦の働きというものについての正しい査定というのができておりません。このたび
医師のほうから出ております再診料の要求とかいうのもございます。看護の技術料というものが何らそこに査定されていないということ
自体が
根本じゃないか、こういうふうに思います。ですから、具体的にいいますと、美容師でありますと、頭を洗って、そうして結うだけであれ三百円とります。
看護婦はそれでは何をしているかというと、それよりももっと何といいますか、価値のある仕事をしているはずなんです。それが全然査定されていないというようなことは今後の問題じゃないかと
考えますので、一応意見を申し上げておきます。具体的にはまたいろいろ申し上げたいと思いますけれども、そういうことを一貫して
考えられませんと出てこないということは確かである。
厚生省当局は、そういうことについて、長年なぜ
看護婦が
不足するか、なぜ給料が低いか、なぜそういうふうになるかというようなこと、
学校の運営はどうして運営されておるかというようなことについては熱心にしていなかったことは確かです。これはもう一連した施策というのができていなかったというふうに思います。その結果が出てきたのじゃないかと思うわけでございます。一言意見を述べておきまして終わります。