運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-03-04 第48回国会 参議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月四日(木曜日)    午前十一時開会     —————————————    委員異動  三月三日   委員高橋進太郎君は、公職選挙法第九十条に   より退職者となった。     辞任        補欠選任      後藤 義隆君     上林 忠次君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         安田 敏雄君     理 事                 稲浦 鹿藏君                 川野 三暁君                 熊谷太三郎君                 瀬谷 英行君     委 員                 小山邦太郎君                 森田 タマ君                 米田 正文君                 田中  一君                 田上 松衞君                 村上 義一君    政府委員        建設政務次官   白濱 仁吉君        建設大臣官房長  鶴海良一郎君        建設省計画局長  志村 清一君        建設省都市局長  鮎川 幸雄君        建設省河川局長  上田  稔君        建設省道路局長 尾之内由紀夫君        建設省住宅局長  尚   明君        建設省営繕局長  小場 晴夫君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        自治省行政局行        政課長      倉橋 義長君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (昭和四十年度建設省関係施策及び予算に関  する件)  (昭和四十年度首都圏整備委員会施策及び予  算に関する件)  (昭和四十年度近畿圏整備本部施策及び予算  に関する件)  (昭和四十年度北海道開発庁施策及び予算に  関する件)  (東北地方開発計画に関する件)     —————————————   〔理事瀬谷英行委員長席に着く〕
  2. 瀬谷英行

    理事瀬谷英行君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨三日、後藤義隆君が委員を辞任され、その補欠として上林忠次君が選任されました。     —————————————
  3. 瀬谷英行

    理事瀬谷英行君) それでは、本日の議事に入ります。  昭和四十年度建設省関係首都圏整備委員会近畿圏整備本部北海道開発庁施策及び予算に関する件、並びに、東北地方開発計画に関する件を一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言願います。
  4. 米田正文

    米田正文君 先般のこの委員会建設関係予算内容をお伺いをしましたが、そのときに、国費だけでは総額五千二百五十四億の予算になるというお話で、その内容をいろいろと御説明いただいたわけですが、これは国費だけであって、建設省関係事業としては、これにまだいわゆる財政投融資の分も入るし、あるいは各県で単独事業ももちろん行ないますから、建設省関係事業全体としては、かなり大きいものになるだろうと思います。私も試算も一応してみましたが、かなり大きいものになると思いますが、建設省では大体どのくらいになる見込みか、お尋ねします。
  5. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 建設省関係の来年度予算でございますが、事業費にいたしまして、公共事業あるいは行政部費でやる事業その他財投関係を加えまして、約一兆一千億程度事業費というように推算いたしております。なお、このほかに地方単独事業がまだ行なわれるわけでございます。
  6. 米田正文

    米田正文君 いまのお話しでは、私の大体考えておるのと一致いたしておりますが、一兆一千数百億になるだろうと思います。これは建設省関係だけで、さらに公共事婆となるとこれの倍、いままでの、例年の例でいうと倍くらいになる。さらに民間の仕事が、これも大まかな話ですけれども公共事業の一倍半ぐらいになる、いままでの例によると。そういうことになると総額はかなり大きいものになると思いますが、総額では、四十年度日本に行なわれる建設事業総量というものはどのくらいの見込みになりますか。
  7. 志村清一

    政府委員志村清一君) 三十八年度におきます建設工事施行高は、施行統計によりますと、大体三兆七千五百億円程度でございます。昭和三十九年度の建設工事総量は、まだ統計資料は出ておりませんで明らかではございませんが、私どもが推定いたしましたところ、五兆四千億くらいになるのではないかと思われます。昭和四十年度の見込みでございますが、はっきりしたところはまだ私どもといたしましても推計いたしておりませんが、従来の傾向から推しますと、六兆円前後になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  8. 米田正文

    米田正文君 たいへんな膨大な建設事業量が行なわれるということはわかりますが、私もおそらくこれは世界的に見て日本が最高ではないかと思います。そういう膨大な事業量日本では行なわれておるわけで、これは世界一流国レベルに追いつこうとするための努力ですから、私はこの趨勢は今後ずっと長期にわたって続いていかなければ世界一流の国のレベルには追いつかないと思いますから、大いに勉強してこれも促進をしてまいらなければならないと思います。ただ、この六兆円前後に及ぶ事業量を四十年度で消化していくためにいろいろ問題があるわけです。きょう私はその点について少しお尋ねをしていこうと思っておりますが、この六兆円というものは、さらに細分化されて各事業所に渡っていってこれが設計となり、それが入札をされ、それが施工され完成をされていく、こういう流れ作業が行なわれてくるわけですが、その設計をする人、これは建設省関係でいえば建設省の筋の人が設計をしますし、府県においては府県のそれぞれの技術者設計をして個所別に、一定の計画には基づいていますが、個所別設計が行なわれていく。それが入札をされ、施工者に渡っていく、こういう段階を踏むわけです。そこで、建設関係設計をする技術者というものは、よほど今後勉強をして、これだけの事業量をこなすのですから、有効適切な計画を立ててむだのないように適正な設計を組んでいくことが重要な一つの要件だと思います。さらにそれを今度は入札をして施工者がきまって、これの施工に当たるということになると、その施工を担当する建設業者が完全な仕事をやっていくということにまた重大な責任があると思います。その建設業者の数が、いまこれもお尋ねしたいのですが、もう九万をこしているのじゃないかと思いますが、現在のところ、建設業者の数は大体そんなものですか、九万をこしている……。
  9. 志村清一

    政府委員志村清一君) 九万をこしております。
  10. 米田正文

    米田正文君 九万をこしておると思いますが、事業量もかなりふえてまいっておりますが、建設業者の数もかなりふえてきておる。私ども建設業法ができたのはあれは二十四年ですか、あの当時は三万くらいだといわれておった建設業者が今日九万になっている。三倍になっている。だから非常に建設業者の数もふえてきておると思うのですですから、これは全体からいえば建設能力建設力といいますか、日本建設力というものが非常に増強してきておるということはいえると思います。ですからいまの六兆円というものと九万数千という建設業者とのバランス、建設能力建設量との関係は適正なりやいなやという問題が一つあると思います。これはどうお考えですか。
  11. 志村清一

    政府委員志村清一君) 建設業登録を受けておる業者の数でございますが、先ほど米田先生お話がございましたようにたいへんたくさんの数に上っておりまして、昨年の九月現在で大臣登録業者は四千をこしており、知事登録が九万をこえておりまして、両者合わせますと九万四千三百数十という膨大な数に達しておるわけであります。これを三十八年の同月と比較いたしますと、八ないし九%の増というかっこうになっておるわけでございます。これから建設工事相当ふえてまいります場合、これらの業者によってカバーできるかという問題がございますが、従来の実績等から見ますと、いろいろな施策を講じまして、たとえば建設機械充実なり建設技能者の確保なり、あるいは施工合理化といったようなことを考えてまいりますことによって、従来の実績から考えますと、六兆円前後の仕事もこなせていくことができるのではないかというふうに考えておる次第であります。
  12. 米田正文

    米田正文君 これは、ちょっとお話が出ましたが、これからの事業をやっていく上においては機械化相当に進んでいかなければならぬ、あるいは技術も高度化していかなければならぬ、そのためには資本も非常に必要になってくるというようなことで、いわゆる建設業近代化技術革新によって増強していかなければいかぬと思います。そういう努力をする建設省一つ責任もありますから、業者指導育成について、十分この点は御研究願いたいのですが、私は端的に言うと、数はもう多過ぎるのではないか、むしろ内容充実の時代ではないかと思うのですが、現実はどうも少し数がふえて内容充実のほうがおくれておるという感じを持っておるものです。これはもう別に建設省について御意見を承るつもりはありませんが、そういう感じを持っておりますから、ひとつ御研究おきを願いたい。  それで、そういう実態、いまの事情にありますが、私がお尋ねしたい第一点は、工事単価の問題です。これは昨年の募れ——十二月十五日でしたか、日比谷の公会堂で全国建設業大会が開催をされて、その席上、問題になり決議になりましたのは、工事単価引き上げという問題がありました。で、これについては、その当時国会にもたくさん出られていろいろと御意見開陳もありました。建設省からも出られて御意見開陳がありましたが、内容的に申しますと、工事単価と一口に言いますけれども工事単価というのは、内容的に掘り下げてみれば、内容は、資材労務、諸経費というような三つからかりに成り立つとも考えていいと思う。そのうち資材関係は、これはたいしてそうむずかしい要素ではありません。ただ金額は大きいでしょうが、設計を組む場合に、相当物価の変動も非常にわかりやすい。ですから設計資料としてはそう問題はありません。ただ内容的には、労務の問題と諸経費の問題が問題になるわけであります。労務賃金が最近非常に値上がりがしてきておるということが、その大会の席上非常に強く言われております。私ども現地を回ってみて、確かに非常に上がってきておるということをよく理解をしております。そこで、工事単価と一口に言いますが、これをひとつ土木関係建築関係の二つに分けてお尋ねをしたい。  まず最初にひとつ土木関係のほうの単価についてお尋ねをいたしますが、設計を組む場合に、労務賃金のきめ方があると思う。ありますので、この来年度の設計労務賃金決定といいますか、決定ということばは使わないでしょうが、協定といいますか、そういう設計に使う労務賃金の額を幾らにするかということを各省で話し合いをするわけですから、それをどういう見方できめていくかが今日の非常に重要な問題になっております。それと工事単価とは密接不可分の問題ですから、そこで、来年度の労務賃金をきめるのは、どういう方針でいまお考えになっておるか。きまるのは、おそらく今月まだきまっておらぬでしょうが、いまどういうようにお考えになっておるかをお尋ねいたしたい。
  13. 志村清一

    政府委員志村清一君) 労務賃金の問題でございますが、実施設計に使用いたします労務単価基準額につきましては、労働省が行なっております屋外労働者職種別賃金調査、それから毎月出しております毎月勤労統計調査結果というものに基づきまして、関係各省相寄りまして基準をきめてまいっておるわけでございますが、大体昭和四十年度の基準となるべき額につきましては、三十九年度と比較いたしますと、そういった実態調査に基づきまして、大体全職種の平均では一四%程度のアップを考えねばならないのではないかというふうに相談をいたし言ておるところでございます。
  14. 米田正文

    米田正文君 問題は、一四%という、そのきめていく資料の問題ですが、現地実情とその資料とが十分合っておらないと困るのですが、たとえば、いまの一四%でかりにいいますと、現在職種別にきまっておりますから一がいに言えませんが、土工賃金をかりに七百円としますと、七百円前後のものでしょうが、——そうすると、一四%にすると八言百円に足りませんわね。かりに七百円が八百円になったとしても、現地労務賃金という、ものは、土工で千円ないし千二百円かかる、これが実情だということを、私ども全国各地をいま回ってみると、みなそういうのです。千円という数字も、現実に私どもが当たってみても確かにその程度賃金は支払っておる。ここにも専門家がおられますが、確かに払っておる。オリンッピクのときなんか、もっとひどい貨金を払った。それと、今度かりに七百円が八百円になっても、それに追いつかぬと思うので、したがって、一四%というのが問題です。それは、そういう実情調査建設省自体としてもしておると思うのですが、その点、それはそういう私がいまお話ししたような相違をお認めになっておりませんか。
  15. 志村清一

    政府委員志村清一君) 労働省の行なっておりますいろいろな調査は、実際仕事をやっておられます事業主体からとりました調査を取りまとめたものでございまして、実際仕事をしておられる方々が誤った申告をしておられれば誤った数字にたるわけでございますが、大体正確な数字を御提供願っているものと考えておるわけでございます。   〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕 したがいまして、それほど大きく実態と変わらないのではないかというふうに考えるわけでございますが、しかし、この基準額と申しますのは、一応各地域である程度地域区分もし、職種別区分もしていろいろときめておりますが、あくまで基準でございまして、実態に応じまして上下、ちょっとパーセンテージ忘れましたが、一五%程度だと思いましたが、アローアンスを認めておりまして、その中で実態に応じたようなかっこう賃金を支払うということになっておる次第でございます。
  16. 米田正文

    米田正文君 それが問題であって、特に各県の設計を組む基準というものは、基準資金でほとんど組む。その幅はもちろんありますが、その幅を使うためには、その理由書が必要になってくるために、実際問題としては幅を利用するということがむずかしいのです。そこで、基準がどうしても設計単価になる。これがもう原則になる。そこで私は、ひとつ建設省としては労務賃金の実際払っておる調査をよくしてもらって、自信のあるひとつ労務賃金をこの際は建設省考え方中心にやってもらいたい。労働省では、ちょっと私は、この建設労務についてはそう実態を把握しておらぬのじゃないか。あるいは安定所に来る労務者関係相当詳しいけれども建設事業に従事しておる者の実態については、十分私は把握しておらぬのじゃないかと思うのです。だから、少なくとも建設労務賃金決定については、建設省主導権を持つぐらいの、ひとつ権威を持って調査をした上できめる、ように努力を願いたいと思うのです。  それから、まあ工事単価の問題は、労務賃金のみならず、歩掛りの問題が出てまいりますから、各地において非常に歩掛りがおかしいのです。実際に非常にかけ離れたものであるということを非常に強く言ってわります。ですから、これも一律な歩掛りというものでは、そうなるのは私は当然だと思う。これが一定不変なものであって、そういう表があると、それにたより切ってやられると、現実に合わないものができてくる。ですから、これはひとつ完全な設計をつくる要素ですから、この一つがかっちりといかなければでたらめ設計になるし、したがって、それを整理していくときにまたでたらめが生まれてくるという原因になるものですから、ひとつこれは十分研究をし、しかも、来年度も間近に控えておりますから、早急に省内で研究を願って、来年度の工事については賃金歩掛り現実に合うようにひとつ至急に御手配を願いたいと思います。これはひとつ政務次官に、すわったままでけっこうです。
  17. 白濱仁吉

    政府委員白濱仁吉君) ただいま米田先生の御要望に対しましては、建設省としても十分実情に沿うように努力しようということで、いま検討している最中でございます。
  18. 米田正文

    米田正文君 どうぞその点を十分ひとつ来年度に間に合うように御研究を進めていただきたい。この問題は、六兆円の内容の問題ですから非常に重要な問題ですから、私はもう一度もう少し時間を得てやりたいと思いますが、きょうはこの問題はこの程度にしておきます。  それから、その工事入札するのですが、私の質問の第二点ですが、入札制度の問題ですが、いま建設省入札方式は、まあ私どももおったころからと同じで、ABCDEというような格づけを業者にして、そして一億円あるいは一億三千万円、一千万円、五百万円というような、ひとつのラインを引いて、A業者は一億田以上のものを原則にするというような制度になっておるわけです。が、これはもう私どもがまだ建設省におったころですから、もう六、七年前——七、八年前と言ったほうが適当かと思いますが、そのときにこさえた格づけ金額ですが、それからかなり物価の上昇もあり、工事大型化が進んできておる情勢ですから、ある程度この格づけ方式をもう変える段階ではないか、引き上げをする段階ではないかと思いますが、この点いかがですか。
  19. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) お話のように、現在もABCDEに分けまして、一億以上の工事はA、それから、三千万円以上一億円未満工事はB、それから、一千万円以上三千万円未満工事はC、二百万円以上一千万円未満のものはD、それから、二百万円以下のものはEというふうに、工事を分類いたしまして、それに見合った数の業者をやはりABCDEというふうに分類いたしまして格づけいたしまして、原則といたしましては、A業者A工事B業者B工事C業者C工事というふうに指名をいたしておるわけでございます。この金額につきましては、すでに定めましてから相当の日時を経ておりますので検討をしたらどうかという声もございますので、検討はいたしておりますが、ただこの金額を変えてみましても、工事の各等級別工事の編成に見合って業者のほうも格づけいたしております関係上、スライドいたしておりまして、これを引き上げるとか、引き下げるとかということをいたしましても、実態はそれほど違った姿にならないという結果に相なりますので、ただいまのところ、従来の分類を踏襲しておるわけでございます。
  20. 米田正文

    米田正文君 まあ私の言っているのは、もう七、八年前の一億円というのはいまの二億円か、あるいはそれ以上にも相当するようになっておるのだ。その当時は、仕事の量によってそういう区分をきめておったのだから、ベースアップで賃金はどんどん上がっておるのですから、それとこれとは必ずしも並行しているものではないが、およそ物価賃金等もやはり工事とはこれはもう一体のものですから、そういうふうに上がってきておるものですから、実態がそうなっておるものであって、実態がそうなっておるというなら、設備あるいはその監督者技術力というようなものがやはりそれについて上がっていっておるべきものであって、いまの、そのまま一億円を据え置くということは、それらのものに人員、機械等伴っていっておらない。むしろ従前より小さい工事をやっておるという、逆にいえば言えないこともない。それはちっと当初の考え方とおかしいのではないかということで私は申し上げている。まあひとつそういう金額だけの点から考えないで、工事内容、性質からひとつ考えてみる必要がないかという、こういうことを言っておるわけだ。そして、最近はいろいろ現地に参りますと、確かに各地地方業者も非常に建設力がついてまいっておる。建設力が向上してきておることは事実です。地方業者、いままでは機械力もあまりなかった、あるいは技術力もあまりなかったような業者も、みな最近は非常に整備をされて、機械力も持ってきた、あるいは技術力も持ってきたというふうに、非常に内容整備されてきていると思う。それらの人たちが、建設省仕事というものはわれわれには入札に参加さしてくれないのかという声が非常に強く今日出てきております。これはもう皆さんもお聞きになっておると思いますが、非常に強くなっておる。そのゆえんは、いま申し上げたように、非常に内容整備してきておる業者が多くなってきておるということだと思います。それらをひとつ偏見のないように、いい業者引き上げて、能力のある業者建設省仕事もやらせるという方式——方式というものじゃないですが、そういう運営をするように努力をひとつお願いをしたいと思いますが、いかがですか。
  21. 鶴海良一郎

    政府委員鶴海良一郎君) 現在の取り扱いにつきましては、先ほど御説明申し上げましたとおりでございますが、下の等級業者につきましても、特に優秀な業者につきましては、二等級上までの工事がとれるというふうな制度になっておりまして、これを活用することによって、お話のような点が解決していくというふうに考えております。
  22. 米田正文

    米田正文君 じゃ、次のひとつお尋ねですが、最近労働福祉行政が非常に進んでまいって、建設業についても中小企業退職金共済法建設業に適用されるようになって、その退職金共済の契約をするものもだんだん出てきておる。そうすると、それは掛け金が毎日二十円かかるということで、その掛け金二十円の負担を企業者においてやってもらいたいという希望が非常に強く出ております。これはもちろんお聞きになっておると思いますが、それについてはどういうお考えをしておりますか。
  23. 志村清一

    政府委員志村清一君) 建設労務者退職金制度につきましては、一日一人二十円という掛け金がございますが、これを積算の中に入れてくれという要請が業界からもあるわけでございます。この点につきましては、建設省内におきまして技監室中心として積算に関するいろいろな審議をやっております。土木工事費積算部会というのがございますが、そこでただいま審議をいたしまして結論を出したいという努力を続けているわけでございます。
  24. 米田正文

    米田正文君 それでは、それは来年度から実施ができるようにひとつ御努力をお願い申し上げておきます。  それから、それに加えてですが、最近工事安全管理か非常にやかましくいわれてきて、労働災害防止団体等に関する法律という法律があって、それによって労働災害防止をやっておる。これは労働省が所管ですから、労働省からお聞きするほうがいいのですが、そういうことを非常に最近は強調されてきておる。それでなくても建設関係は非常に災害が多い、人的災害が多いというので注意をされておるところですが、しかし、これを現地では労働省から非常に強く建設業者に対して注意をし、管理を受けておるわけです。そうすると、機械器具その他の設備等は、いままでよりももっと安全な方法でやらなけれ、ばならぬようになる。また、そういうことを指示されておるわけです。そらなると、そのための経費がかさむわけです。そういうことは一体労働省建設省とは打ち合わせをしておるのかどうか、あるいは打ち合わせをもちろんしておると思いますが、しておれば、そういうために相当経費がかさむわけ、だが、そういう経費のかさみについては、設計等で考慮するような方法を講じておるのかどうかをお聞きをしたい。
  25. 志村清一

    政府委員志村清一君) 安全管理費は、従来の積算の中におきましても、諸経費等の中にある程度含まれておるわけでございますが、先ほど先生からお話がございましたように、最近建設労働災害というのは漸次少なくなっておりますが、工事規模が拡大し工事件数もふえたので、絶対数としては必ずしも減っていないというようなこと等から、さらに安全管理を強調する必要があるというようなことで、いろいろな制度ができております。先ほどの中小企業の退職金の掛け金とあわせまして、安全管理費についても、どう考えるかということにつきまして、技監室中心といたしまして、土木工事費積算部会等におきまして検討を続けておる段階でございます。
  26. 米田正文

    米田正文君 たいへんけっこうですから、ぜひ来年度から設計等にそれが込めるように、間に合うようにひとつお考えを願いたいと思います。  で、次の質問ですが、第四点ですが、これは自治省見えておりますね……。いまの契約保証金及び入札保証金という制度があるのは御承知のとおりです。国においても会計法で、保証金が一般競争の場合でも、指名競争の場合でも、あるいは随意契約の場合でも、契約保証金の制度があるわけです。それで、会計法でも百分の五以上の保証金を取ることになっておるわけです、これは入札保証金の場合に。しかし、それは実際上建設省工事の場合には取っておらない。それから契約保証金もこれは予決令で百分の十取ることに——国の工事も取ることになっておるわけですが、これも取っておらない。で、それはその発注者が必要のないと、担当官が必要のないと認めたときには取らぬでいい、非常に簡単な規定があって、それで取らぬような運用をしておる。法律には必要がないと認めたときは取らぬでよろしいとなっておる。非常に簡単な表現でできておる。それで国としては取らないという長い間の慣習もあって、そういう制度を運用しておるわけです。のみならず、建設省としては、業者の育成のために前払い金制度を活用しておる。前払い金を、四割というような前払い金を契約と同時に渡して——もちろん保証制度はあるが渡して、そうして工事の促進をはかっておる。完全化をはかっておる。入札保証金や契約保証金等は一切取らないというのがいまの実情です。私は、たいへんこれは業者に対する助成策としてむしろ当を得ておる。非常な大雪な事業が今後行なわれる場合においては、資金等で業者が非常に困るのですから、そういう場合を大いに助成していこうという方針から出ているものということで、一環で非常にいい運営だと思う。ところが、自治省の関係地方公共団体においては、逆に本年度から入札保証金も契約保証金もどんどん取り出しておる。そして地方の弱小業者から入札保証金を取っておる。それもかなりいま言ったように額が大きい。入札保証金はたしか百分の一以上を取っておる。契約保証金も、これはまあ地方公共団体でそれぞれの規則をつくってきめることでしょうが、これも政府の予決令では百分の十だからおそらく百分の十まではいっていないだろうと思うのですが、百分の八なりなんなり、その辺のところを取っているのじゃないかと思うのです。かなり大きい数字のものを取っておる。一割近いものを契約と同時に保証金として取っておるということ、国の工事をやっておる抱笹と非常に相反しておる。国の仕事をやっておるものは比較的大業者、そういうものには大いに助成の方途を講じておるのに対して、地方公共団体のほうの、これは弱小業者が多いと見なければならぬと思うのですが、比較的弱小業者については入札保証金も取るし、契約保証金も取ることに契約保証金のごときは一割に近いものを取って工事の完成まで押えておるというようなことになると、非常にこれは圧迫をしておる、資金圧迫をしておると言わざるを得ない。業者としては非常に窮状を訴えております。これについて私は自治省としては今年から突如としておやりになっておるのだが、当時私どももこれはしばらくやってみて、適当でなければいつでも変えますという大臣の話も開いております。そんなことで、私はこれは他の方法を講ずることによって、地方公共団体が損失の負担を招くようなことがないような方途を講ずることにしてこの制度は私は廃止すべきではないかと思っておりますが、ひとつ自治省の見解をお聞きしたい。
  27. 倉橋義長

    説明員(倉橋義長君) この入札保証金と契約保証金を取ることに相なりましたことは、従来この保証金制度をめぐります運用が非常に適正を欠きまして、いろいろ特に市町村の段階におきまして問題があったわけでございますが、今回入札保証金、契約保証金を取るたてまえにいたしましたことにつきましては、入札につきましては契約の担保、契約につきましてはその履行の担保を一そう確実にするという趣旨から、そういう措置をとったわけでございます。したがいまして、その契約なり契約の履行なりの担保が非常に確実であるという場合におきまして、すべてしゃくし定木に、たとえて申しますれば、国なり地方公共団体が工事を請け負うという場合等、これは先ほど申し上げましたような趣旨でございますから、そういう場合におきましては、契約保証金、入札保証金の減免ということは考え得るわけでございます。こういったことにつきましては、一昨年の十二月にこの通牒を出しまして、確実なものにつきましては、これは例示してございますが、規則をもちまして入札保証金なり契約保証金の全部なり一部を免除するという措置を指導いたしております。
  28. 米田正文

    米田正文君 それは、これは指名入札が多いですから、指名入札というものは、そういう工事責任を負えないような人は選ばないのですから、信用のあるものだけを指名して行なう入札のことですから、だから、まず前提としては、そういう信用のない人は入札に入れないということで私は一つの解決の方法もあろう。のみならず、いまの地方公共団体の実情を見ると、特に市町村のごときは前払い金をやるなんということはない。前払い金どころではない。工事ができ上がってから金を払うというのが、まあ大部分そうです。まあ途中で中間払いをするところも多少あるようですが、それよりも、もう完成後支払うというのが大部分のようです。そういうような実情を見ると、私は保証金まで取ってやるのはちょっと酷だと思う、いまのやり方が。したがって、まあ大体この法律、もう少し、国の会計法なり予決令のように、もう少し緩和の条文を入れて、国のように、必要のないときは除外するとか、必要がないと認めたときはもう取らないとかというような、その条項でも入れてやっておくと、それは現地において第一線の公共団体が入札をする場合にそういう方法をとるのですけれども、法文で取るということが原則になってきちっとしておるものですから、末端における運営においては取るのが原則というか、どうしてもそうなる。そこにまあ私は苛酷さが生じておる。ですから、ひとつ、いま法律をすぐ改正するということがむずかしいならば、運用において、そういう損失を公共団体に与えるようなおそれのないものについては取らぬでよろしいというような趣旨を徹底するようにお願いをしたいと思うのですがいかがですか。
  29. 倉橋義長

    説明員(倉橋義長君) お趣旨の点につきましては、すでに三十八年の十二月の一日付をもちまして、規則等で減免等を定め得る幅を示しております。なお昨年の四月から財務会計制度実施に移してございます。運営の状況等を勘案いたしまして、さらに検討いたしたいと考えております。
  30. 米田正文

    米田正文君 これは自治大臣も、そういう点についてはそれはなるほど無理だと、そういう点については改めますと、こう言っておりますから、よくひとつ大臣と相談して適当な措置を、方法を講ずるようにお願いをしておきます。  最後に一つ私は建設業法の問題ですが、いまの劈頭申し上げたように、工事量と業者の数、能力とのバランスですが、私はもう今日は業者能力のほうが少し上回っておる、今後もそういう状態が続くのではないか。というのは、内容充実をだんだん業者がはかっていますから、そうすると能力がどんどんふえていきますから、したがって、もう新しい能力のない者をまたどんどんふやしていくということは適当でない。むしろ今度は建設業者全体を圧迫することになって、建設業者全体も共倒れになるおそれすらあるというところにきておるように思います。で、これはひとつもう建設業法改正して、許可制に直すべきではないか、業者の許可制をやるべき時期にきておるのではないかと思いますが、どうお考えですか。
  31. 志村清一

    政府委員志村清一君) ただいま米田先生お話のございましたように、登録業者の数が九万四千件をこえておりますが、そのうちの九九・七%はいわゆる中小業者でございます。大手はきわめて少ないわけ言でございます。この中小業者のほかに、実は登録を受けないで五十万円未満仕事をやられる業者の数、推定でございますが、約二十万ぐらいおるのじゃないかと考えられておるわけでございまして、ある意味におきましては、業者の数が相当多いということもいえるかと思います。しかしながら、建設業法を制定いたしましたときの経緯等から考えまして、現行の制度を直ちに変えるかどうかということは、きわめて大きな問題でございますので、今後十分慎重に検討してまいりたい、こう考えております。
  32. 米田正文

    米田正文君 まあ、これは職業の自由選択の憲法の基本の問題もあるから、なかなかこの問題は、いまここで建設省が方針を変えるわけにはいかぬ点もありましょう。しかしまた一面、業者が共倒れになるようなおそれがあるならば、これはまた公共的に見て大問題ですから、社会的に見て大問題ですから、私はこの辺の見合いをして踏み切るべき時期ではないか。建設省がやりにくければ、議員立法でもやるべき時期ではないか、こういう感じを持っておるところであります。これは建設省お話しをする問題ではないですが、そういう考えを私は持っているということもつけ加えて私の質問を終わります。
  33. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 一点お伺いしますけれども、三月の一日に利根川と荒川を結ぶ利根導水路の通水式が行なわれたわけです。この通水式の際に、行田地区の人たちが何百人か白はち巻きでのぼりを立ててこの工事反対の気勢をあげたということが、埼玉版に載っておったわけです。いままで道路の開通式やら何やら、こういう儀式の際に、地元の人がはち巻きを締めて、のぼりを立てて反対の気勢をあげるというような例はあまりなかったような気がします。行田の人の話を聞いてみますと、利根川から荒川を結ぶこの導水路は、東京都民の水であるとか、あるいは県南地区の上下水道、工業用水道の水源であるとか、こういった緊急通水に役立つために行なわれたということは承知しておっても、そのために地元の連中がある程度犠牲をこうむる。犠牲をこうむるわりあいには得るところがない。たとえば行田方面に通ずるところの上武国道のような道路関係は一切音さたもないじゃないか、これが地元の人たちの不満だという。行田の市議会は満場一致で非協力、こういう方針を打ち出したということを聞いておるわけです。だから、これは結局水路と道路と今度関係してくるわけですけれども、水路をつくる、そのために地元に犠牲を求めるならば、懸案となっている道路の整備のほうも当然考えてしかるべきではないかというのが言い分だと思うわけです。それらの言い分に対して、十分に地元の要請にこたえるという約束さえ行なっておれば、通水式にわざわざいやがらせのデモなんかは行なわれないで済んだんじゃないかと思うのでありますが、その辺は一体どのような事情にあるか、御存じだったらばお知らせ願いたいと思います。
  34. 上田稔

    政府委員(上田稔君) お答えを申し上げます。この二月一日の導水路の通水式の際に、そういう白はち巻きの方が出られましたことは、私どもといたしましてもまことに遺憾に存じているのでございますが、実は、この白はち巻きの方々は、導水路の入り口が現在見沼代用水の取り入れ口のところから将来は取る、本格的に工事をやりまして大きくして取るというようになっているのでございますが、そして利根川の河道が現在どんどん下がっておりますので、現在のままでは見沼代用水そのものも取り入れが非常に困難にもなるし、また、見沼代から下流の諸用水がございます。取り入れがございますのですが、それらも非常に取り入れが困難になるであろうということを予想いたしまして、そしてそこに利根川にせきをつくりまして、そして合口をいたしまして、農業用水の見沼代の用水の入り口を大きくいたしまして、いま先生がおっしゃいました東京都への水、あるいはまた新河岸川等の維持用水のものであるとか、あるいは県南の工業用水、上水道というようなものの用水を一緒に取り入れる工事をやろう、こういうことを計画をされているわけでございますが、そのときに、見沼代の取り入れ口の下手のところにせきをつくるという工事をやりますと、に沼代の取り入れ口のところというのは非常に利横川といたしまして狭い、狭窄部でございます。それでそういうせきが川の中にできますと、利根川の洪水がまいりましたときに非常に危険になりますので、その部分は広げなくちゃいけない。つまり川の中にいろいろな構造物ができますから、それがために河せきか狭まる。したがって、それを大きくしなければいけない。したがって、結局引き堤をしなければいけない。前に考えておりましたように、引き堤をしなければいけないということになりますので、そういう点を考えると、どうしても引き堤をして何せきをふやすということになりますので、したがって、いままで堤内地であったところを買収をして何せきをふやさなければいけないということになる。そうすれば、結局埼玉県のその付近の方々は土地を失うということになるわけでございます。もう一つ、先ほど言いましたように、農業用水が下流のほうにたくさん入り口がある。これを、そのせきをつくることによって、そこで水位を一定にして取り入れられるようにする、合口ということ、農業用水の合口ということをやらなければならない。そうすればそこに合口水路というものをつくらなければいけない。そうすれば、水路をつくるのでございますから、それも結局堤内地につくるということになりますから、どうしても用地が要る。そういうことのために、非常に用地がなくなる。それでその用地のなくなり、また、水路ができることによって、いろいろ不便ができるからということをもって、そのお話を地元の方々にいたしているわけでございますが、まだ十分に御理解がいただけなかったという状態でございます。それで上武国道の問題といいますか、上武国道という名前が妥当であるかどうかちょっと問題でございますが、行田といたしましては、非常にいま国道から離れている。したがって、行田のほうに近づけるような国道というものを考えてもらいたいというお話は出ております。この点につきましては、道路局長のほうが詳しいのじゃないかと思うのでございますが、私どものほうといたしましても、河川局といたしましても、道路局と十分にお打ち合わせをして、この点はいろいろお願いをいたしております。
  35. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 道路関係の質問もしたいのですが、この間、通水式は一日であったのですけれども、二日の目に天田議員のお葬式が熊谷であったわけです。参議院からも重政副議長をはじめ自民党、社会党、公明党、それぞれの議員が東京から熊谷まで車で行かれたわけです。ところがたまたま、私も椿社会党参議院議員会長と一緒に行ったのですが、普通二時間で行けると見当をつけて行ったところが、鴻巣−吹上間の国道で自動車の追突事故があって、たちまちあすこがつながってしまったわけです。皮肉なことには、利根導水路をはさんで、あの導水路をはさんで、吹上−鴻巣間というものは車の行列ができてしまったわけです。で、結局は三時間ほどかかったわけです。汽車で行けば一時間のところを車で三時間、平均時速にすると二十キロ、オリンピックのマラソンの選手よりもおそいようなかっこうになるわけです。  こういうような現象がたまたまこの間出て、重政副議長毛だいぶ御迷惑をこうむったんじゃないかと思うんですけれども、上武国道という名称の国道がいいか悪いかということは別としまして、現実にバイパスは鴻巣までできておるけれども、その先の一七号国道というものは二車線でもって何かあるとたちまちその間自動車が詰まってしまうという状態では、地元の人たちが憤慨するのは無理ないと思う。この水路のほうは、河野大臣の当時のお声がかりで非常に早く、地元の人の犠牲のもとにでき上がったのだけれども、あれだけ早く水路ができるものならば、この渋滞をしている道路も拡張整備ができないわけはなかろうという素朴な疑問が出てくるのも、私は当然だと思うんです。そういう疑問が、結局は行田市議会をして、市長はじめこれらの工事には協力できぬという態度々とらせたんじゃないかと思うのでありますけれども、何も上武国道という形で新しい国道をつくるかつくらないかということを考えるよりも、当面の一七号国道を拡張するなり、あるいは行田方面に対する国道の利用方法考えるというぐらいのことは、こういう導水路の工事をやる場合には、地元の人たちの要請にもこたえて、納得をできるような処置はできなかったものかどうか。その点をひとつ道路局長のほうにお伺いしたいと思うんです。
  36. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) ただいまお話しの国道一七号につきましては、国道四号と同じように二車線で開通しましたところが、非常に交通がふくそうし、また事故もあるということは、私ども承知しておるわけでございます。そこで大宮のバイパスの先必要な都市内はバイパスやっておりますが、二車線の拡幅のできるところは現状の拡幅をいたしまして、少なくとも熊谷まで早く車線を確保したい、こういうことで工事をやっております。ただ、ただいまお話のございました行田につきましては、行田市の発展のために、かねてから現在路線の拡幅ではなくてもっと現在の行田市域に近づけるように、こういうような要望も三、四年前からあったわけでございます。それを上武国道というような名前をかりにつけまして、一七号の新しいバイパスとしてその路線をできるだけ行田市域に近づけるということが、行田としても一番切実な要望であると承知しておるわけでございます。私どもはそういうことについても検討したんでございますが、先ほど申しましたように、とりあえず二車線区間を拡幅する方法があるならばその線でいったほうが早いだろう、また安いだろうということで、そういう方針で進んでおるわけでありますが、先刻お話がありましたように、利根用水の問題から、再びこの行田市といたしましてはただいまお話しのように、東京に水をやるということだけではなくして、行田市域の直接利害のあるような道路の建設を要望されたのだと、まあ了解しているわけでございます。  そこでこれにつきましては、行田市のためにどういうような道路の整備が必要であるかということにつきまして、埼玉県当局ともいろいろ相談したわけでございます。中には国道のバイパスというよりも、むしろ行田に通ずる別の道路枝線を整備したほうがいいではないかという考え方もあるわけですが、大体埼玉県といたしましても国道のバイパスを、将来そういうふうに考えてもらうということのほうがやはりいいのではないか、こういうふうに行田市の要望に近いような考え方にまとまりつつございますので、私どもはただいま熊谷のバイパスを準備しておりますが、これに引き続きまして新大宮と結びます別のバイパスがいずれ必要になるだろうということで、そういうような線につきまして調査をしていきたい、かように考えているわけであります。
  37. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 これは私感じたことなんですが、行田というところは、吹上から分かれて行く道路があるわけです。だから吹上までの国道がある程度整備をされておれば、あとは吹上——行田間の道路ができれば、新規に道路をつくらなくてもたいした違いはないわけです。だから新しいバイパスが行田を経由できるような方向をとるということも将来計画としてはいいと思いますけれども、当面の問題としては、たとえば通水路をこしらえたような場合、あの水路の両側にもある程度の道ができているわけですが、ああいったようなところを利用するといったような方法検討できないのかどうか。せっかくああいう工事をやったついでに、護岸を兼ねて道路をつくってしまうということも、一つ方法としてはあるのじゃないかということを感じたわけです。これはまだ専門家意見を聞いて見なければわかりませんけれども、そういったような方法を講ずるなり、とにかく地元の人たちにとって、水を通す道があれだけ早くできるのに、車を通す道が一向にできないというのはおかしいという疑問を持たれることだけは確かなんです。そういう意味で、当面の問題をなるべくすみやかに解決するという方策は、私はこの際地元民の要請にこたえるためにやはり行なわれなければならないと思うのでありますが、そうすればああいったような、通水式にわざわざ気勢をあげるというような行為も、必ずしもそのまま起こらないで済んだのではないかという気がするのです。だからそれらの点について地元の説得をするためには、ある程度の約束をしておりさえすればよかったのじゃないか、こういう気がするわけです。これは片方は水だし、片方は道路だから、多少専門は違うかもしれませんけれども、地元にしてみれば同じ政府がやることだから、そのくらいの約束はして当然だという気持ちになると私は思うのです。これはもう通水路は完成したけれども、水の問題にも将来いろいろ問題はあると思う。しかしこの水の問題に関連した地元の声を無視しないでもらいたいということは、副知事も当時の式のときに言ったそうですが、建設省当局としては地元の要請にこたえるという気持ちがあるのかどうか。あるとすれば、どういう形でもって地元の要請にこたえるようにお考えになっているのか、この際お伺いしたいと思います。
  38. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) この利根の通水路と道路の関係につきましては、実は私どものほうに、そういう地元の要望がそれと関連して、あがってきたことは、実はなかったのです。昨年導水路の工事がある程度進んだ段階におきまして、そういうような話を聞いたんでありまして、私どもむしろ先ほど言いましたバイパスの路線を早くきめてほしい、こういう意向であったということに判断しておるわけです。したがいまして、ただいまお話のございましたような水路のわきに道路をつくるというような具体的な要望もございませんし、また水路のわきに道路をつくるということも、これは必ずしも道路の技術上いいとは言えないものであります。ただ、そういう要望が強くあれば、あるいは私どもとしても検討したかもわかりませんけれども、今日までそういう話を聞いておりません。先ほど申しましたように、むしろ行田市域に道路を近づける、こういう要望のほうが強く私どものほうに通じておりましたので、それを中心にして考えてまいったものですから、先ほどお答えしたようなことになったわけでございますが、なお、行田の今後のそういうことにつきましての要望がございましたら、ただいま先先お話のように、国道から行田に通ずる道路の整備を当面急ぎたいというようなことであれば、またそれも積極的に考えていく必要があろうかと思います。ただいままでは、むしろバイパスの要望というふうに単純に考えておりましたので、若干行田との意思疎通については、私どもでも取り違えておったことがあったかもわかりません。よく連絡して聞いてみたいと思います。
  39. 安田敏雄

    委員長(安田敏雄君) 他に御発言もないようでございますから、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会