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参考人(
八島忠君)
工事監督の面に関連いたしましてお
答え申し上げます。この
工事が三十七年に
契約いたしましたときは、この
資料にも書いてございますが、非常にまあ工期がおくれました
関係で、概算設計で一応
契約いたしました。主として本体
工事についての
契約によりまして鉄筋の
購入等をいたしました。その当時の、一番最初の
契約当時の設計
数量は約八千三百トン余でございます。その後細部にわたる設計を組みましたが、その間におきまして、掘さくあるいは仮設
工事等をやっておりました。その間を利用いたしまして第一回の
設計変更をいたしまして、相当こまかい
数量を出したわけであります。そういうような
関係で、当初の八千三百トンが第二回の
設計変更のときには一万一千百三十トンくらいになりまして、それが先ほど来問題になっております
支給資材の重でございます。
工事の監督の体制といたしましては、この
契約書に基づいてむろん監督をいたすわけでございますが、先般も申し上げましたように、この
工事は非常に各方面から注目の的になっておりまする大
工事でございます。したがいまして、
公団といたしましても、若い優秀な技術者をすぐってこの
現場には出したつもりでございます。土木
関係の
現場の第一線に働く者約二十四名がこれに従事いたしておりまして、昼夜兼行この監督をいたしておったのであります。たとえば銅材の問題につきましても、これはまあ隊道のことでございますから、昼夜兼行で二十四時間作業をいたすわけでございますが、この二十四名の
現場担当員が夜昼なしに交代して勤務いたしておったわけでございまして、
現場の職員といたしましては、精一ぱいの努力をいたしてくれたと私
どもは思っておるのでございます。鉄筋の問題につきましても、地上の置き場の問題につきましては、十分な手が回りかねたわけでございますけれ
ども、
現場で使用いたします鉄筋につきましては、一々スチール・テープではかる、あるいは鉄筋が非常に込み入っておりまして、穴のようなところをもぐって行ったりしなければならぬ状況でもございまして、これらにつきましても、スチール・テープでもって一々その
材料を確認する、その上でコンクリートを立てるというような作業をいたしておるのでございまして、それらは
工事主あるいは
現場の写真等につきましても、後ほど確認ができるのでございまして、また
現場の監督にしましても、単に
現場職員だけでなくて、第二
建設部からも随時参っております。また私をはじめ、本部の職員もたびたび
現場に参っております。何とかこの
工事を恥ずかしくないようなりっぱな仕事を予定の期間内に、また他に街路の交通等に支障を起こさないように、また
千駄ケ谷等で不幸にして事故が起こりましたが、ああした人身事故を起こしてはいけないというふうなことから、精一ぱいの監督なり、努力をいたしたつもりでございます。
ただ、まことに残念なことは、
材料置き場におきますところの
資料の
横流しされた事実を全然知らなかったのでございまして、
現場監督員はいつも二十四時間穴の中にもぐっておるというようなこともございます。また鉄筋を
現場に運びます場合には、加工場からやはりトラックでもって外に出すというようなことでございまして、
現場の人間もトラックでもって積み出されても、やはりああした交通量の非常に多いところでございますので、その目で見、初めから疑ってかかれば別でございますけれ
ども、やはり
現場に搬出されるものというふうな非常に何と申しますか、あとから考えれば人がよいと申しますか、そうしたようなことから、こういう
横流し事件というようなことが起こったのであります。
材料の
管理につきましても、しばしば御
指摘ございましたように、私
どもといたしましても、十分な
管理ができていなかった、もう少し何とかやる方法があったんじゃないかということを、あとから痛切に感じました。またこうした事件を起こしましたことにつきまして、まことに申しわけないと深くおわびを申し上げる次第でございます。
今後のそれでは、こうしたことについてどういうふうな対策を考えているかということでございますが、私
どもといたしましては
資材を
支給いたします以上は、やはり十分な
管理ができるような人間を
現場に張りつけて、そうして先ほど吉田
先生からも
お話がございましたように、十分な
管理が、受け払いというものが十分できるような態勢を
現場に与えてから、こうした制度をやるべきではないかというふうに反省をいたしているようなわけでございまして、この点まことに申しわけない、深くおわびを申し上げる次第でございます。