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吉田忠三郎君
総理大臣並びに
大蔵大臣、建設
大臣がお見えになっておりますが、時間がありませんから、簡単に要点だけ
お尋ねをいたしたいと思います。
第一に
総理大臣については、
会計検査院の
あり方について私は伺っておきたいと思います。申し上げますことは、
昭和四十年度の
予算が、
総理大臣御承知置きのように、三兆六千五百八十億八千万円
政府原案としてきまりまして、ただいま
国会で
審議中でございます。この
予算編成を終わった直後に、
総理大臣は、この
予算の
執行にあたっては、
政府と
国民が手を携え、目的をしっかり考えてと、
各省庁に要望をいたしました。ところが、皮肉なことには、この要望を決議した三日前に
会計検査院が
昭和三十八年度の
決算報告を発表をいたしております。この
報告書をながめてみますと、
政府及び
政府関係機関の
予算の使い方で、ただいまも
指摘されたように、不当
事項としては六百十六件、金額にいたしまして約二十三億二千万円、かようにのぼっている、こう
報告をされております。しかも、
検査院が扱った
書類検査は、十九万四千冊、五千五百八十余万枚、大よそ普通家庭でございますと八畳間に天井まで積み重ねて二つ半ぐらいのものになる、こう発表されているわけであります。しかも、この中で不当
事項と
指摘されたものが六百十六件と記録されております。改善を要する
事項とされたものは十四件、いわゆる不正行為であります。警察とか検察庁に摘発をされたものがこの不当
事項の中に入っております。しかも、しさいに
検討してみますと、私はここに問題があると思いますが、たとえば郵政省の職員が二千万郵便貯金を横領した等々の件が七件含まれまして、金額といたしまして四千三百万円、私はこれはあまりにも、
会計検査院が
指摘をした結果として出てまいりました、しかも検察、警察の
関係に摘発されたものですから、この人々は遠慮会釈なく
処分されていると思うのです。ところが、いま同僚の
横川委員からも
指摘されたように、私は
総理大臣に伺いたいことは、この種の問題より以上
国民に迷惑をかけている、つまりむだづかいをしている問題については、何ら
政府としては手を打っていないし、さらに
会計検査院として、つまりこれが
検査の範疇にあるかどうかという問題にも私は問題があろうと思いますので、
総理大臣に、今後
会計検査院の
あり方として、これをどう扱うのかということを私は具体的に尋ねてみたいというふうに思うのです。
その
一つは、大蔵省
関係でひとつ実例をあげます。
大蔵大臣おりますから実例をあげますけれ
ども、東海財務局が、
昭和三十八年四月、東洋プライウッド株式会社に、愛知県の春日井市の元名古屋の陸軍造兵廠のあとの土地三万二千坪、それから建物八百三十坪、工作物等を一億一千六百八十万円で売り渡しているのです。この売り渡し価額は約二千四百万円安く、国に損害を与えたと認定されています。私はその認定の根拠を
指摘しているわけです。
会計検査院は認定の根拠を
指摘しております。巨額の払い下げがずさんな認定で行なわれたとしても、個人の
財産の売り払いならともかく、国の
財産、貴重な
国民の
財産二千万円も過小評価されるなどということは、私はあり得てならないことだと思う。ただ、この売り渡しした場合に不正が伴っていたかどうか、ここらあたりになってくると、
会計検査院が関知せざるところだ。一体こういうことが
国民に、ただ単に
会計検査院が関知せざる
事項であるということで納得いくかどうか。一体
会計検査院というものの任務は何なのか非常に疑問を持つんです。会計
監査ということは、
国民の税金の番人だと思う。それが大事なところにくると、関知せざる範疇にある
事項だということになると、だれのための
会計検査院、こういう
国民が疑問を持つことは不思議じゃないと私は思うんです。こういう
事件が
一つございます。
それから、もう
一つ建設
大臣がおりますから実例として
指摘をしますけれ
ども、えてして、この
会計検査院の
報告を見まして、不正不当
事項に
指摘されているものの大半が大蔵省
関係、
建設省関係に多いので、ですから、いま実例を
一つあげますけれ
ども、大阪で
昭和三十七年九月から三十九年
一月までに
工事費二十四億九千九百万円で施行した大阪地区の地盤沈下
対策事業三十三
工事というのがございます。これに対しては、国庫補助金が九億九千九百万円交付されております。ところが、この
工事の鋼矢板塗装が必要以上に丁重過ぎたために、
工事費約一億一千万円、うち国庫補助金四千五百万円がよけいに使われている、つまりむだに使われている、こういうことが認定をされました。このやり方等については、単価の低いコールタール塗装をしているにすぎなかったということもあわせて
指摘をしているわけです。ですから、従前のこういうむだなやり方でないやり方をいたしますればどうなるかというと、一億一千万円も安く済んだ
工事だと、これの
指摘をされているんです。こうした事柄を、わざわざ業者におおばんぶるまいをしたケースとして、他の
関係の
工事等についても言われているわけです。これらは、
佐藤さん、
総理大臣、業者との間にくされ縁があったかどうかいまだに明らかになっていません。しかし、民間
工事です。民間の
工事でこういうばかげた乱費をしていくような
考え方というものは、私は成り立たないと思うんです。成り立たないと思います。したがって、前の
横川先生も
指摘したように、ただ学に、
会計検査院が
監査をした結果、
指摘だけされて、私は済まされていいかどうかということについては非常に疑問がある。このことを
是正しない限りにおいては、こういう不当不正な
工事というものはなくならないと私は思うんです。ですから、
総理大臣に対して、今後
会計検査院の
あり方としてどう考えるか。それから、
大蔵大臣に対しては、ただいま例をあげて申し上げましたけれ
ども、あなたの所管しておるところに非常に多い、こういうことが。建設
大臣もしかりです。ですから、ただいま申し上げた例のようなものがたくさんあると思いますので、今後これらに対して所管
大臣としてどう対処するのか、このことをお聞かせを私は願いたいと思うのです。