運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-02-12 第48回国会 参議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月十二日(金曜日)    午前十時四十五分開会     —————————————    委員異動  二月十日     辞任         補欠選任      川野 三暁君     小林 篤一君  二月十二日     辞任         補欠選任      横川 正市君     瀬谷 英行君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 岡村文四郎君                 北口 龍徳君                 佐藤 芳男君                 相澤 重明君                 二宮 文造君     委 員                 加賀山之雄君                 小林 篤一君                 鈴木 恭一君                 谷口 慶吉君                 西田 信一君                 山崎  斉君                 横山 フク君                 瀬谷 英行君                 吉田忠三郎君                 天田 勝正君                 奥 むめお君    政府委員        建設省計画局長  志村 清一君        建設省都市局長  鮎川 幸雄君        建設省道路局長 尾之内由紀夫君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        会計検査院事務        総局第五局長   宇ノ沢智雄君    参考人        日本住宅公団総        裁        挾間  茂君        首都高速道路公        団理事長     神崎 丈二君        首都高速道路公        団理事      桃井 直造君        首都高速道路公        団理事      八島  忠君     —————————————   本日の会議に付した案件昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十七年度特別会計歳入歳出決算昭和三十七年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十七  年度政府関係機関決算書(第四十六回国会内閣  提出)(継続案件) ○昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書  (第四十六回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第四十六回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書  (第四十六回国会内閣提出)(継続案件) ○小委員会設置に関する件     —————————————   〔理事相澤重明委員長席に着く〕
  2. 相澤重明

    理事相澤重明君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る二月十日、川野三暁君が委員辞任され、その補欠として小林篤一君が委員に選任されました。  また、本日、横川正市君が委員辞任され、その補欠として瀬谷英行君が委員に選任されました。  以上でございます。     —————————————
  3. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは、昭和三十七年度決算外三件を議題とし、前回に引き続いて総括質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  4. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 先般衆議院の決算委員会勝澤議員から質問がありました、例の高速道路建設に際して西松建設等から資材横流しに関連した問題でも不祥事件を起こしたというてんまつ質疑が行なわれたわけでありますが、その後の状態についてわかりました点についてお聞きしたいと思います。西松建設担当した区域以外も各工区に分かれておって、業者もいろいろあるわけでありますが、それらの業者担当した区域等における残材計算並びに処理等についてどのように行なわれておるか、経緯をお聞きしたいと思います。
  5. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) 西松建設をはじめとして、三宅坂地区を受け持ちました業者並びに公団の職員にはなはだおもしろからぬことがございまして、世間を非常にお騒がせしたことを、心からおわび申し上げます。いま瀬谷先生の御質疑の、西松以外、大成、熊谷、飛島であろうかと思いまするが、残材の点につきましては、本日工務担当八島理事が参っておりますので、八島君からお答え申し上げたいと思います。
  6. 八島忠

    参考人八島忠君) ただいまお尋ねにあずかりました他の三社の残材につきましては、目下鋭意その精算を行なっておるところでございまして、今月中にはその精算の結果がはっきりいたすものと、かように考えております。しばらくの間御猶予いただきたいと思います。
  7. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 目下精算を行なっておる最中であるということで、それはどのくらいかかるのですか。
  8. 八島忠

    参考人八島忠君) 今月一ぱいには仕上げるつもりでございます。
  9. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 これはもう完成してからかなりになるわけでありますけれども西松建設の場合は、その残材処理精算を終わったあとで、いろいろな問題が起こったわけじゃないのですか。
  10. 八島忠

    参考人八島忠君) 西松建設の場合におきましても、まだ精算にかかりましたころにこういう事件が起こったわけであります。その後、精算いたしまして、ようやく今年一月にその最後精算を終わったわけでございます。
  11. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 西松建設に関しては、現在までに発覚した問題以外の問題はもう生じてはおらない、それからそれ以外の業者あるいは担当工区等については、そのような事件についての懸念はないと、こういうふうに理解してよろしいんですか。
  12. 八島忠

    参考人八島忠君) 横流し、あるいは売却等の事実はないと思っておりますが、残材についての精算はまだ現在行なっておるところでございます。
  13. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 残材精算等を行なった場合に、当然のことでありますけれども西松建設で起きたような問題は発覚せざるを得ないんだろうと思うのでありますが、そういう点についての監督者立場から、やはり事前にそういう問題は感知しにくいものなのかどうか。今後、考えたくはありませんけれども、同種の事件が起きた場合に、これを予防する、十分監督をするという面でどのように考えておられるのかお聞きしたいと思います。
  14. 八島忠

    参考人八島忠君) 今回起こりました問題につきましては、公団から支給いたしました資材のうちで余剰鉄筋に相当いたすものが横流しされ、あるいは売却されたわけでありますが、この資材管理につきましては、私どもといたしましては、工事監督を厳重にする、つまり工事を実施いたします場合に、鉄筋配置を厳重に検査いたしますれば十分な管理ができるというような考え方からやったわけでございますが、ここに管理上遺憾な点がございまして、やはり普通に行なわれますように受け払いによってこの支給資材というものは管理すべきであるというような考え方を持っております。反省をいたしておるわけでございまして、今後におきましては、十分な人員現場に張りつけまして、受け払い使用両面から資材管理をやっていかなきゃならないというふうに、深く反省をいたしておる次第でございます。
  15. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 ただいまの御答弁を聞いていますと、結局は、前回西松建設のような問題については、監督立場にある側で人員が十分でなかったというふうに聞き取れます、原因としてはですね。監督その他の人員がじゃ足りなかったのか、あるいは現在そういう人員の面で同じようなことをやっていると同じことが起きる懸念があるわけでありますが、その人員の問題というふうにおもな原因を考えてよろしいのかどうか。それから、それらの人員の問題は今日どのように処置をしているのか、その点をお聞きしたいと思います。
  16. 八島忠

    参考人八島忠君) 重ねてのお尋ねでございますが、まあ率直に申し上げまして、資材支給いたします場合には、先ほど申し上げましたように、両面から、使用と蔵出しと両面から十分な管理をいたすべきでございましたが、当時の工事状況等から申しまして、遺憾ながら人員を十分に張りつけることができなかったのでございます。ただ、私のほうといたしましては、まありっぱな業者を選定いたしたつもりでございまして、ある程度業者を信頼したという面もございます。資材管理については業者に委任するという契約でございまして、そういう甘い考え方もあったわけでございます。この点も、私どもといたしましては、反省をいたしておるわけでございます。今後におきましては、資材支給いたします場合におきましては、十分な管理の責任がとれるような体制において支給いたしたい、かように考えております。
  17. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 人員を張りつけられなかったという原因は、そうするとどこにあるのでしょうか。それはオリンピックに間に合わせるために工事を急いだというところに原因があるのか、それとも工費の節約というところに帰着をするわけですか、どっちですか。
  18. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) 全くオリンピックに間に合わせるという一事に帰着するのであります。御案内のように、非常な突貫工事であり、非常な難工事でありましたので、私どもといたしましては無理を承知で仕事をした、そういう点について先ほどからお話の出ております支給資材管理ということに手落ちがあった、不十分なところがあったというわけでございまして、無理を押したということがいかにも残念でございます。申しわけないと思っております。
  19. 天田勝正

    天田勝正君 関連して。どうも答弁を聞いて、おりますと、歯切れが悪いのだな。これは理事長等も御存であろうと思いますが、ここの工事をする際に、国会側との折衝——当時、西畑理事でございますが、担当技術者を連れて、こういう申し出があったのです。全部を地下にやりますと三十たしか二億でありました。そういうことであり、いまのごとく一つ地上一つ地下にすれば十八億である。そうして全部を地上にするならば八億である。そうして、全部を地下にすればこの辺の景観も最もよろしいのでありますけれども、あそこがたまたま衆参両院の議長の前でもある等の関係から、ひとつそこを国会側で理解していただきたい、こういう話、それに対して参議院の議院運営委員会といたしましては、それならば全部を地上にしたらどうか、国費がさように三十二、三億から一ぺんに八億になるというならば、こんなけっこうなことはないというので、この種のことはたいてい各派持ち帰りというのがここの慣例であるにもかかわらず、即決で出先の議運の理事が一度に承諾して、実は西畑理事もびっくりした、こういういきさつがあるのですよ。それほど国会側としては協力をして、そのあと先ほど瀬谷委員の指摘されたような事件があった。そのこと自体でも、はなはだしく遺憾なんです。ところへ持ってきて、支給資材管理云々というようなわけで、その管理も何やらどうも、資材支給するとき自体にもう人員配置がなされなければならないはずなのに、あとになってどうもそこらが足りなかったとか言われても、われわれのほうから見ると、そこにまた別の心配があるのです。図面によって支給資材というものは本来ちゃんときまるべきものなんです。それがよけいあって横流しできるような筋合いはもともとない。人数があるとかないとか、そこで現物を監視しているとか、そんなことでなしに、支給資材それ自体に余裕がないのが、これが設計なんです。それでなければ、一体何のために設計するのかわからない、こういうことなんです。そうであるから、次の心配はどうかというと、使うべき資材を、特に地下において使わなかった部面があるのではないか。大体の工事汚職なんというものは、使うべきものを使わないということにある。上であっても心配でありますけれども地下においてそうしたようなことが、いま精算をして云々という、つじつまが合うとか合わないとかいう問題よりも、目に見えて使わざるものがあったとすれば、もし何かのきっかけで、あれが崩壊するなんということが起きないとも限らない。その起きるときは当然何年か先であります。つくったときに起きるのじゃない。そうなったときにはたいへんなことになると思う。海外に向かっては、日本技術が著しく名誉を失墜する、こういうことにもなるのでありまして、国内のことであっても、とにかく、ここのインターチェンジというものは世界一つだと言われるくらい、日本土木技術の成果をはかられるというふうにも考えられるのであって、そういう面から、その使うべくして使わなかったというふうなことについても、調査されたんでありましょうか、どうなんでしょうか。まあ説明が長くなりましたけれども、もとから国会側は協力しておったのですが、いかがですか。
  20. 八島忠

    参考人八島忠君) 使うべき鉄筋が使われてないじゃないかというお話でございますが、この余剰鉄筋が出ました千四百八十三トンの中には、スクラップの四百九十二トンがございますが、それ以外の九百九十一トンにつきましては、工事をやりますときの途中におきまして工法を変更いたしましたもの、あるいは鉄筋を二本継ぎ合わせる予定のところを、工事を急ぎます関係で溶接にいたしましたので、継ぎ合わせ部分だけか少なくなった、あるいはまた、締め切りを、土どめをやっておりますが、土どめをやりますIビームあるいはけた等を、これを抜いてしまいますと非常に危険になるという状態が随所に実は出たわけでございまして、その鋼材を埋め殺しにいたした部分が相当ございます。したがいまして、その分につきましては、鉄筋が入らない部分がございまして、そういうものをずっと最後に拾い集めて精算いたしました結果が、九百九十一トンという数字が出ておるのでございまして、この工事につきましては、先ほどお話もございましたように、公団といたしましても、非常に重視した構造物でございまして、お話のように、世界にも珍しい工法でございますだけに、単に現場監督員だけではなく、本所からも、あるいは建設省の本省からも、しばしばおいでをいただいて、この御指導を願っているようなわけでございまして、その間におきまして、工事手抜きというようなことについては、私どもは毛頭考えておりません。
  21. 天田勝正

    天田勝正君 公団側で考えているとかいないとかで、それを指摘しているのではないのですよ。工事担当者が、幾ら建設省監督だって、地方のトンネル工事等でも、幾ら監督したっても、その施工する当事者、つまり、この場合には建設会社ですが、そういうところで、確たる使うべきところはきちんと使ったのだ。さっき人数が少なくて監督不行き届きの面があるのだと言うが、そのほうの心配が出てくるのは当然でしょう。ですから、それを私は申し上げておるのであって、第一、工事変更云々と言うけれども工事変更たびごとにそういう余剰資材が生まれるなんということはあり得ませんよ、工事の常識から。そういうものもちゃんと設計にのるのでありますから、そうすると、設計図を見れば、いかなる資材が幾ばく要るということは、何も現場へ年じゅう来て見なくたって、図面上で明らかなんです、そうでしょう。ですから、どうも歯切れが悪いけれども瀬谷さんの質問にくちばしをいれたわけですから、私は委員長に要望申し上げるのは、今日、検査院のほうからも来ておるようでありますから、このことを記憶されて、検査院のほうにおかれても、特段の、検査の場合注意してもらいたい。これだけ申し上げておきます。
  22. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 問題は、今後の安全について、われわれはいろいろ心配するわけです。ちょっと性質は違うかもしれませんけれども、こういうことがあったですね、いまから十何年前に、国鉄の日暮里駅でもって、跨線橋の上でお客が混雑して、押し合いをして跨線橋羽目板がはずれて、線路の上に何名かのお客がおっこった。そのおっこったところに電車が入ってきて相当数の人が死んだという事件があった。この事件は、よく調べてみました結果、現場担当者が起訴をされましたけれども、調べてみた結果、現場の係員には過失はないという、しかし、工事の面で調べてみると手抜きがあったということがわかった。つまり、跨線橋羽目板等についての手抜きがあったわけです。おそらくこれは、工事をする場合には、乗りかえのお客一ぱいに詰まって、押し合いをするということまでは想定をしていなかったのかもわかりませんが、とにかく、外見上はわからないわけです。外見上は、穴があいているわけじゃないからわからないわけですが、押してみたら、とにかく、ある程度の圧力をかけると、羽目板がはずれるようになっていた、ボルトであるとか、パッキングであるとか、そういった専門用語は私はわかりませんが、そういうものの手抜きがあった。そうして、結果的には、多数の死傷者を出してしまったのです。こういうことが道路工事でもって行なわれたりすると、あとあとが私はおそろしい、こう思うわけです。  で、常識的に考えて、資材を用意する場合に、こういう工事をする場合にはこれこれの資材が必要だということは、私は初めからわかっておるのじゃないかという気がいたします。鉄材のようなものは、ほかの野菜とか魚と違いますから、長い間置いているうちに、水分が抜けて軽くなったということは私はなかろうと思う。そうすると、あらかじめ数量等はわかっているわけですから、それが余った、横流しができるほど余ったということになると、しろうと考えでは、どっか抜いているところがあるのではないか、こういう心配が出てくるわけです。われわれがそこの高速道路なんか見ましても、あれだけの自動車の走る道路を、丸い鉄の柱でもってささえている。しろうと考えでは、これでだいじょうぶだろうかという心配がある。しかし、専門家に言わせると、これでだいじょうぶだという計算なんです。だが、われわれが外見上見ただけで、あるいは、たたいただけで、そこに必要にして十分な資材がちゃんと用いられているかどうかということは、確かめようがないわけです。だから、もし、かりに何か事故が起きて、よく調べてみたら若干手抜きがあったというようなことがあれば、私はゆゆしいことだというふうに思うわけです。だから、そういう手抜きがなかったかどうか、粗漏な工事が行なわれたという心配がないかどうかというような点検は、できるのかできないのか。そのような点検の面でも、完ぺきに行なわれてきたのかどうか。要員不足の面で、それらの点についてまで手が回らなかったということになると、今後非常におそろしいという気がするのです。以上の問題について、私はお伺いしたいと思います。
  23. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) 確かに人手不足であったのでありますが、いま、その人手不足の面をいかにして切り抜けるかということで、結局、資材を保管いたしますその保管した資材受け払い等には人手不足の面をかぶせて、実際に配筋——鉄材構造物の中に入れる面、配筋工事の面、この面には十分な人手を回して、そうして配筋を、先ほど八島理事を申しましたように、公団本所ばかりでなく、建設省からも来ていただいて十分調べておりますので、万が一にも配筋というのは手抜かりがなかったと確信いたすのであります。人手不足のために遺憾であったというのは、その配筋まで持ち込むまでの支給材を保管しておる場所の管理がはなはだ不十分であった、こういうことでございます。
  24. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 どうも理事長答弁では、私も非常に理解しにくいです。たいへん失礼ですけれども、あなたは技術屋でございますか。
  25. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) 遺憾ながら技術屋ではないのでございます。
  26. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 では、事務屋でございますか、過去の経験は。
  27. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) 事務屋でございます。
  28. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 事務屋であれば、私は、事務屋立場からひとつ若干伺ってみたいと思います。  ただいままで、だんだん関係委員から質問をされて、その答弁で明らかになったように、人手不足資材管理が行き届かなかった、こういうことに尽きるような感じがするわけです。そこで、一体、工事が計画されて、しかも、あなた方が監督管理をしてかりに特定の請負業者に請負させる、つまり、入札でしょうから落札をさせる、こうなりますと、当然工事設計書が出てくると思うんです。それに伴いまして、事務的には、つまり工事に必要とするそれぞれの仕様書が出るわけです。その仕様書には、どの工事には鋼材幾らセメント幾ら、砂利が幾ら等々、全部明らかになっていると思うんですね。それを積算されたものが、たとえばA工事ならA工事については、鋼材が何百トン、あるいはセメントが何トン等が明らかになって——あなたのほうの公団制度そのものを私はよう存じておりませんけれども、事務的に考えますと、それによって経理され、物品会計上出納されるものだと思うんです。しかも、これは支給材になっているわけでしょう。そうすると、私どもどう考えてみても、つまり、千四百八十三トンなどという余剰鋼材が余るほど支給をされているというところに、事務的に考えてみて私は納得がいかない。そこで、私は制度上ひとつ聞いておきますが、こうした支給材ということできめたものが決算書に載るものか。あるいは帳簿上の扱いとして、貯蔵品としての扱いになるのかどうか。受け払いの場合の伝票扱いはどういう扱いをしているのか。若干事務的ではございますけれども、あなたが事務屋だということですから聞かしていただきたいと思います。
  29. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) いまの最後のこまかい点は、私、事務屋ではあるが存じませんので、きょう経理担当桃井理事が参っておりますから、桃井理事からお答えいたしたいと思います。
  30. 桃井直造

    参考人桃井直造君) お答えいたします。  いまの鋼材は、建設現場建設資材として貯蔵品勘定になっております、残材は。
  31. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 貯蔵品扱いになるわけですね。そうしますと、私もある事業体におりまして経理担当したことがありますが、貯蔵品という関係になりますれば、余剰残材として残るわけがないじゃないですか。決算品扱いとしたから、経理上はいわゆる余剰残材ということになって決算されているから、つまり、横流しのようなやり方をやれるものが、そこに要素として残っているということになるでしょう。貯蔵品で残っておるならば、帳簿上残るわけですから、受け払い制度はどういう制度になっているか別として、用品課長から、それぞれの担当の係長が判を押して、理事長の決裁を経なければ、貯蔵品を払うことができないでしょう。そうなりませんか。あなたはいま、貯蔵品扱いだということになれば、こういう千四百八十三トンというような残材が残るはずがない。そうした私は制度上の欠陥があるのじゃないかと思いますが、どうなんですか。
  32. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 御説明申し上げます。私のことばが足りませんで申しわけございません。
  33. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 足りるようにちょっと答弁してください。
  34. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 鋼材を購入いたしまして業者に渡します、その段階で受け払いがあるだけで、今度、業者から最後に戻ってまいります、戻ってまいりましたものを整理いたしますのに、建設部貯蔵品勘定で、整理へ戻らない前は業者渡しのままになっているということでございますので、ちょっと御説明不足いたしまして申しわけございません。
  35. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、一たん貯蔵品から支給材として払い出すというのですけれども先ほど来の説明の中に、継ぎ目工事をすべきものを溶接したために材料が節約された。そこで一たん決算しているけれども、その残材が出た場合に貯蔵品扱いにするということですね。そうすると、受け払い伝票では、必ず第二貯蔵品として受け払わなければならぬことになりませんか、一たんそこで決算しているわけですから。そうでしょう。ですから、そこで決算されたものがさらに入ってくるということは、別会計を設けて、そこへ受け入れして貯蔵品扱いをしなければならぬということになりませんか、その辺はどういう扱いになっておりますか。
  36. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 鋼材支給材といたしまして業者払い出しをいたします。払い出しをいたしました場合に、払い出しがどういう鋼材について何トン、こういう記録が行なわれるわけでございます。そして最後鋼材が余ります。余りましたときに初めて今度は、余剰材として建設部でそれを保管材として貯蔵品勘定に入れる、こういうことになります。
  37. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 もうちょっと最後のところを……。
  38. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 業者から残材として余ったものは引き渡して返すという契約になっております。したがいまして、その余ったものが戻りましたらそのときに、それぞれの建設部鋼材貯蔵品勘定になっているわけです。
  39. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、いまのあなたの話は、業者との契約がそういう契約をしている、こういうことですから、契約の全体の内容を見なければわかりませんから、あとで契約の内容をひとつ私は見たいと思いますから、提出していただきたいと思います。  そこで、かりに契約がそうなされたとしても、いやしくも国民の税金を使った膨大な資材支給材としてされているわけですから、その場合の扱いは、私は、業者にやったものではないと思う。仕様書によって、あなた方はかりにこの貯蔵品から決算したとしても、物品の授受については、当然監督者現場におって、その仕様書に見合うそれぞれの材料というものを供給するように、支払い伝票を切るはずだと思う。そういう事務の扱いはどうなっているのですか。そこらあたりに、こういうインチキをやられる要素が多分に私はあると思っている。
  40. 八島忠

    参考人八島忠君) 先ほども申し上げましたように、そうした伝票あるいは受け払い整理によってやらなかったということは、私どもといたしましても反省をいたしておるのでありまして、私ども現場といたしましては、完全に構造物に支障のないように使用されるかどうかということを厳重に監督することによって、資材精算が後刻できるという考え方からやっておるのでございまして、その使用てんまつにつきましては、写真にもとっておりますし、現場監督員図面にもそのつど記載をいたしまして、あるいはまた野帳等によりまして記録いたしております。それを後刻精算の場合に、それらを一括いたしまして、後ほど精算をするというような方法をとっておるわけでございます。先ほどしばしば御指摘のありましたように、伝票等によりまして事務的にもすっきりと整理すべきものでございましたが、そうしたいまから考えますと、まことに甘い考えでございましたが、そういうようなやり方をいたしましたために、こうした横流し、あるいは売却等事件が起こったんでございまして、この点はまことに申しわけないと思っておる次第でございます。
  41. 相澤重明

    理事相澤重明君) 先ほど吉田委員から御要請のあった参考資料、契約書は、すみやかに提出するように。
  42. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 関連質問ですから、私はあまり長くやりませんけれども、いま、どうあなた方が言い方をじょうずにいたしてみても、会計制度上、現場における物品の授受というものは、当然事務として、伝票をもって支払わなければならない。そうでなければ、あなた方が物品会計上、帳簿から、どういう実態でしからば資材支給されているかということはわからないわけです。ですから、あなた方のいまのお話を聞けば、端的に言って、一たん決算された以降のものについてはどんぶり勘定で業者に材料を支給していたということになります。これはそうではありませんか。どういうあなた方が言い回しをしてこの国会で答弁しようと、結果的にそういうことになる。ここにこういうインチキ、悪らつな不正が行なわれているという大きな私は原因があると思う。これは会計検査院の方々もおいでですから、こういう点は十分私は指導監督していただきたいというふうに思いますよ、この点はね。  それからもう一つは、そういう制度を、これは理事長すみやかに改めなければいかぬですよ。あなた方は、国家財政から膨大な投資をされている特殊公団ですから、そういう運営をする場合に、いま申し上げたように、今日までつまり伝票の授受さえないようなやり方で放漫な経営をしておったというところに、非常に私は問題があろうと思いますから、制度上やはりあなた方の責任において、すみやかに改めなければいけないと思いますよ。世の中に、伝票を持っていかぬで膨大な金額にわたる千四百八十三トンも余るような一体物品の授受をやっているような企業なり商売がありますか。特に、企業の中心というのは、資材と金と人ですよ。その中における人が、先ほどあなた方も認めておるように、不足である。いま事故が起きたから、人手ということだけにあなた方責任転嫁しておる。しかし、だんだん話してみると、機材の運用についても、まことに放漫なでたらめな運用をしている。金のほうは、親方日の丸で、国民の税金が国からくる。こういうところも、甘いなどという表現では私は許されないと思う。これはあなた方全く無責任な公団経営、そして、業者に対してまことに放漫なやり方をしていたということになると思う。私は、あとで契約書を見せていただきまして、実際に精査をして、さらに次の委員会で私も今度質問をいたしたいと思いますから、きょうのところは関連質問ですから、この程度でよしますけれども会計検査院としては、十分ただいまの帳簿上、伝票の授受もなくて物品を供給するところに、こういう不正行為が行なわれる原因があるということを頭に置いて、指導監督していただくことを要望して、私の質問を終わります。
  43. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 会計検査院検査報告があって、その中で注意事項というものが指摘されていると思いますが、この注意事項の要点と、一体、不当金額がどのくらいを含んでおるのかといったようなこと。それからこの検査院の注意に基づくところの公団の改善状況等の御説明をいただきたいと思います。
  44. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまの先生の御質問は、首都高速道路公団に対する改善意見の点でございましょうか。
  45. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 そうです。
  46. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 改善意見の要旨は、お手元にすでに配付されていることと存じまするが、昭和三十八年度の検査報告二二一ページ以下に記載してございます。その要旨は、ただいまいろいろ問題になっておりまする工事鉄筋支給にあたりまして、非常にその支給またはその後の管理に対する処置が適当でないという点であります。  それから、材料を支給扱いとなっておりますが、これは材料を支給扱いとしたほうが著しく有利であると認められるようなものを請負人持ちとしたために、不経済になっているという点、それから、購入仕様書に規定いたしておりまする、これはセメントでございまするが、規格以下のものをそのまま検収しているというような点、この三点が主要な指摘でございまして、これらの点につきまして、公団としては早急にひとつ改善をしていただきたいというのが、改善意見の大体の趣旨でございます。
  47. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 金額等についてはわかりませんか。
  48. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) まず第一に、鉄筋管理の点は、これはちょっと金額がわかりません。  あとの(2)のテーパーポール、これを支給扱いにしたほうが経済的であったじゃないかという点だけが——ちょっとその点は、あとで調べて、すく答弁さしていただきたいと思いますが、その点だけが、金額的にどのくらい節約になったかということでございまして、そのあとの二点は、ちょっと金額が、御報告いたしかねます。
  49. 相澤重明

    理事相澤重明君) すみやかにそれは調査をして報告のできるように……。
  50. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 公団の、すでに予定されている路線の建設完了が、予定どおりに進捗をしておるのかどうか、予定どおりに完了できるという状況にあるのかどうかということ、それをひとつお伺いしたいと思うのです。  それから費用の問題でございます。オリンピックの関連道路オリンピックまでに完成させるためには、かなり無理をしているのじゃないかという気がいたしますけれども、用地費であるとか、工事費であるとか、費用の単価の引き上げを行なわざるを得なかったのじゃないかという気がいたします。その引き上げがどの程度のものであるのか、それからこの単価の引き上げによって、オリンピック関係以外の道路工事等にも影響があったのじゃないかという気がいたしますが、それらの影響は一体どのようなものであったのか、以上の点についてお伺いいたします。
  51. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) ただいま御質問公団の既定八路線、これは大体四十三年度までに全線完成の予定でございます。  また用地費その他の値上がり、経費の問題につきましては桃井理事からお答えいたしたいと思います。
  52. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 御説明申し上げます。オリンピック関連で私ども高速道路の経費がどういうぐあいな推移をたどったかと申しますと、御承知のようにオリンピック道路は一号線、四号線、一号線というのは、羽田から海岸沿いを走りまして本町に至る線であります。四号線は江戸橋から神田橋、それから赤坂、神宮の外苑、内苑を通って甲州街道に参る道路であります。それらを合わせて三十一キロございます。この間につきまして当初の事業費は四百十五億でございました。それが七百二十一億になりまして、最終的には昨年の十月一日に完成をいたしております。これを工事費と用地費に分けましてどういうぐあいに変更になり、増加になったかということを申し上げますと、工事費につきましては当初三百五十六億でございました。それが二百四十八億増加になりまして六百四億に変更いたしましたわけであります。その内容は大きく分けますというと、四つの事項に分けられるわけであります。一つは物価の値上がりによる増額分でございます。それが九十六億円でございます。それからいま一つは、関係機関との協議の結果構造が変更されたその結果、たとえば高架構造がトンネル構造になった、こういうふうな問題、それが七十六億円でございます。それから精査の結果による工法上の変更によるものこれが七十三億円、これは調べてみたら土質の関係でもう少し深く掘らなくちゃならぬ、こういうようないろいろな関係の問題でございます。あとその他が二億円くらいでございます。以上が工事費の内容でございます。  次は、用地及び補償費につきましては、これは当初四十七億円でございましたのが四十九億円増額して九十六億円になりました。その内容は主として地価の値上がりによる増でございます。
  53. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 先ほど二の材料を支給扱いとしたほうが経済的であると認められるものの金額概算は、約九百七十万円ほどでございます。
  54. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 そうすると、キロ当たりの単価は結局は完成したあとでどのくらいに当たっておるのか、各路線等についてわかっておりましたらお知らせを願いたいと思います。
  55. 桃井直造

    参考人桃井直造君) いま、こまかく各路線ごとに一キロ当たりどのくらいという数字をお聞きですが、いまちょっと手元に資料がございませんので、後刻資料をそろえて御提出するようなことにしていただけば非常に幸いだと思います。
  56. 佐藤芳男

    ○佐藤芳男君 ただいまの桃井参考人答弁は、重大問題でございまするが、きわめて明らかで、私はお聞きいたしておりまして当然のことながら妥当だと思っておりますが、先刻の吉田委員質問に対する答弁は、どうも的確でないように思うのであります。まだ時間がございまするからいろいろと質疑が行なわれると思いますが、でき得べくんばもう少しポイントをはずさないではっきりした答弁をしていただきたいと思うのであります。もしもこれがはっきりいたしませんというと、結局本委員会にこれに関する調査特別委員会でも設けなければならぬというようなことになることを私はおそれるがゆえに、かようなことをこの際申し上げまして御注意を喚起をいたしておきたいと思うのであります。どうかさように了承賜わりたいと思います。
  57. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 いまの御発言でありますけれども、結局今後の安全ということと、それから不祥事件の発生を予防するという意味では、やはりこの問題は一時間二時間の質疑等では不十分な点もあるような気がいたします。そのほかの質問もこれはずっとやっていられないことになると思いますが、ただいままでいろいろと論議されましたこの問題等について、やはり小委員会を置いて調査をする、こういうような形にしたほうが私はやはりいいのじゃないか、こういう気がいたします。ここでこまかくやっておりましても、どうもきりがないし、また事務当局としても即座に答えかねるような問題もあるわけであります。そういう意味で、せっかくのただいまの御発言でありますけれども、一応私は全般的な問題にも触れたいと思っておりますので、小委員会を設置をするというふうに動議を提出したいと思いますがどうでしょうか。
  58. 相澤重明

    理事相澤重明君) 委員の皆さんにおはかりしますが、いま、瀬谷委員から首都高速道路公団のこれらの事案について特別小委員会を設置をして調査をする、こういう動議の提案がございましたが、委員長理事等で御相談もしたいと思いますので、この際休憩をして委員長理事の打ち合わせをしたいと思いますがいかがでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 相澤重明

    理事相澤重明君) よろしゅうございますか。——では暫時休憩いたします。    午前十一時四十分休憩      —————・—————    午前十一時五十分開会   〔理事相澤重明委員長席に着く〕
  60. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは再開いたします。  おはかりいたします。  本委員会の調査の一環として、首都高速道路公団に関する小委員会を設けることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認めます。  なお、小委員の数及びその選任は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 相澤重明

    理事相澤重明君) さよう決定いたします。     —————————————
  63. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、質疑を続行いたします。
  64. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 この首都高速道路公団の目的というのは、首都の機能の維持改善ということになっていると思うのでありますけれども、現在までの利用の状況ははたしてどういうような状況になっておるのか、収益等について、当初の予定と比べて現在の状況は、結果的にどういうものかという点についてお伺いしたいと思います。
  65. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 御説明申し上げます。  当公団の首都高速道路三十一キロの供用開始が昨年の八月一日からでございます。まだその間日も浅いし、実はもう一点オリンピックに関連いたしまして、東京都内の当高速道路と並行している路線がかなり改善を見ております。したがいまして、まだ的確に、私どもの首都高速道路の実現による首都交通に対する効果を明確にすることがただいま困難でありまするが、すでに完成いたしました一号線、四号線と競合する街路に関連いたしまして、交通量とか平均の速度とか、こういうようなものをとって考えてみますと、実は首都高速道路一号線——羽田から東品川を走る路線でございますが、この首都高速道路一号線と並行して第一京浜国道で走っております、これの道路の品川区役所付近の昼間十二時間の交通量を調べてみました。昼間十二時間の交通量は約四万台でございます。これに対しまして、当高速道路の一号線の大体その付近に位する五色橋、この付近の昼間の十二時間の交通量を調べてみましたら、昼間十二時間で三万五千台でございます。大体第二京浜国道とほぼ同じ程度の交通量を運んでいると、そういう機能を営んでおる、こういうことがいわれると思います。また江戸橋から甲州街道に参りまする首都高速道四号線でございまするが、これにつきまして、甲州街道に通ずる四谷見附付近の昼間十二時間の交通量を調査いたしてみました。そうすると、それは約三万五千台でございます。私どもの四号線はその近傍で約二万台であります。また平均の速度、これを見ますというと、私どもの一号線は、一時間に六十キロであります。ところが、第一京浜国道は、大森−江戸橋間も、街路では大体一時間二十二・五キロの計算になっております。また首都高速四号線につきましては、私どもでは一時間で五十キロでありますのに、日本橋−半蔵門−新宿間、これらにつきましては一時間二十二キロでございます。これらの数字をあわせ考えましたときに、まだ三十一キロの供用の段階にとどまっておりまするが、首都交通にかなりの寄与をいたしておるのではないか、こういうぐあいに考えております。  それから、いま一つつけ加えて申し上げたいのは、いま一日平均七万台の自動車交通をになっておるわけでございます。
  66. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 この工事費にいたしましても、四百十五億のつもりであったのが七百二十一億、約倍近くかかっているわけです。この傾向というのは今後も続くのじゃないかという気がするのでありますけれども、新年度の予算でやはりこの工事費とか用地費の値上がりに対処するためにはどういうふうにしたらいいかという点が、これは当然考えられなければならぬことだと思うのです。まだでき上がってない路線もたくさんあるわけであります。その点で、新年度の予算あるいは今後の予算についての対処の方法等についてお聞きしたいと思います。
  67. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 御答弁申し上げます。  御承知のように、一月二十九日の閣議決定で道路整備五カ年計画がきまりました。私どもの首都高速道路につきましても、二千二百五十億で百三キロを整備しろ、こういうことが三十九年から四十三年の五カ年計画の内容になっております。この五カ年計画の策定にあたりまして、すでにわれわれが体験してまいりましたオリンピック道路の事業費、用地費、それからそれの過去の推移、そういうようなものを十分しんしゃくいたしまして、この五カ年計画に入れていただいております。また昭和四十年の予算につきましても、このオリンピック関連の三十一キロの実績を基本にいたしております。その点は、当初の計画とは違って実態がかなり強く入っているということが一点。  それからいま一つ、もちろんいま先生から御指摘がありましたように、運営に当たりまして実情に即しまして経費の節約、それから用地の折衝も適切に執行してまいりたい、こういうぐあいに考えておるわけであります。
  68. 相澤重明

    理事相澤重明君) いま瀬谷君のは、政府側から答弁を求めておいたほうがいいと思いますから、建設省から答弁をさせましょう。
  69. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 建設省答弁を求める意味で質問したいと思います。  いままでにはっきりしてきたことは、公共投資の面で見ても、相当ばく大な投資をしているわけです。ばく大な投資をしておって、いまの説明によると、かなりの貢献をしているのではないかということであります。もちろん何も貢献をしない道路では意味をなさないのでありますから、ある程度の貢献をしていると思うのでありますけれども、ばく大な公共投資に見合うだけの役割りを果たしておるのか、機能を発揮しているのかどうかということが問題だと思うのです。そのことを考えてみた場合に、首都の問題ですね、過密都市対策というようなことが問題になっているわけでありますが、今日の首都の問題に対処をする国の方針として、一体この首都高速道路公団に多くを期待してよろしいのかどうか。これで、ざっくばらんに言うと、間に合うのかどうかということになるのです。これは建設省として慎重に考えなければならぬことだと思うのです。道路公団の果たし得る役割りには限界があるという気がいたします。国として、一体東京都のこの過密問題を解決をするためにはどうしたらいいか、道路公団で足れりとするものかどうか、そのほかにはどうしなければならないのかという点について、政府側の見解を聞きたいと思います。
  70. 鮎川幸雄

    政府委員(鮎川幸雄君) ただいまお話がございましたように、首都公団だけで過密都市対策、特に交通の混雑の解消をやるということは、おのずから限界があることは御指摘のとおりでございますが、この過密都市対策につきましては、これは都市行政の面からの問題だけではなく、総合的な、国家的な立場から考えなきゃならない問題がございまして、この点につきましては、建設省におきましては計画局におきまして、また、国全体のそれぞれの立場において検討されておるわけでございます。あとから計画局からもお話があると思いますが、全体としては、御承知のように、新産業都市の整備、工業地域の整備という点を推進されて、大都市に流入する人口の抑制、その他地方都市の育成等をやっておるわけでございますが、都市局の面におきましても、都市における人口の集中、産業の集中等を抑制いたしますために、研究学園都市の整備、あるいは大都市周辺におきます都市を育成いたしまして百万都市を形成をするという連合都市の考え、あるいはその他の地方都市の育成という点を検討いたしておるわけでございます。また、大都市内部の問題もあるわけでございまして、大都市内部の問題につきましては、交通の発生源になるような点をできるだけ除去をするという点を考えなければならないわけでございまして、それに対しましては、特に問屋、倉庫その他、交通にいろいろ関係のあるそういう機能を持つものを都市周辺部に移す。流通機構の整備とともに、そういうことを具体的に実施するために流通センターを設ける。こういうような点の施策を考えておるわけでございますし、なおこのほかに、副都心の整備、その他一般的には幹線街路網等の整備を首都高速道路の交通体系と合わせて考えまして、交通の混雑緩和等に対処いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  71. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 自動車の台数が年々歳々ふえてきているわけです。それから交通事故の件数も、統計的に見ると年々歳々これはふえてきているわけです。道路の幅、道路の整備状況というものと、自動車のふえ方、人口のふえ方、こういうものを計算をしてみれば、先行きどうなるかということはおのずから答えが出てくると思うのです。その答えが、一体どういう答えが出てくるのか。首都道路公団等においてこれをさばき得るのかどうかという答えも出てくると思う。そうなれば、二年後、三年後、五年後の答えが、これはもう完全に出てくるわけなんでありますから、その状況はどうなるかということをここに明らかにして、しかる後に、過密都市対策というものもいまから練っておかなければならぬと思うのでありますが、それらの数字等は建設省でもはじいていることじゃないかと思いますが、そういう点で、一体道路の整備の問題、あるいはまた過密都市対策の問題等については、もう明確な青写真というものができてなきゃいかぬと思うのでありますが、どうでありましょうか。
  72. 志村清一

    政府委員(志村清一君) お答え申し上げます。過密都市の問題は非常に重大な問題でございまして、それと同時に、地域格差是正という両方の問題が非常に大きな問題として取り上げられていることは御存じのとおりでございまして、先年策定されました全国総合開発計画におきましても、過密都市の弊害を除去し、地域格差を是正するために過大都市の抑制をし、地方におきます拠点都市の整備を行なっていくという大きな方針を打ち立てているわけでございまして、建設省といたしましても、その方向に沿いまして地方の拠点部市の育成につとめて大都市への産業と人口の集中をチェックする、同時に、たとえば東京について見まするならば、首都圏域内に東京へ集まってくる産業、人口を散らばしていく、それから都市局長から御説明がございましたように、市街地開発地域等ともに、百万都市というような構想を立てまして、各方面に仕事を進めるというようなこともやっておるわけでございます。と同時に、都市内につきましても、たとえば東京は日本におきます中枢管理機能を持つ大都市でございます。東京になくてはならないようなもの以外、たとえばいろいろな問屋等につきましては、東京の既成市街地の内部にある必要が少ないわけでございますので、そういったものを外側に移して、流通センターをつくるというような方式、さらには、東京などは一点集中型の都市でございます。これを多中心型に移すという意味におきまして、新宿の副都心等をつくるというような方向、それによりまして大都市内の交通情勢その他を分散緩和し、中枢機能のにない手としての東京の町を形成していくという方向で検討を加え、また、ある程度結論の出たものにつきましては実施に移っている次第でございます。
  73. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 最後に、これは公団並びに政府双方にお聞きしたいと思うのでありますが、公団がその目的とするところの首都の機能の維持及び増進のために、現状における予算あるいは事業規模で十分にやっていけるのかどうか、そういうふうな自信がおありになるのかどうか。これは公団側の現在の仕事の規模の面から、おのずから将来の見通し等についても行なわれておるのじゃないかと思いまするので、その点をお聞きしたいと思います。  その次に、政府として一体、いままで御答弁がありましたけれども、具体的にどうしたらいいかということを考えなきゃいかぬと思う。閣議で、たとえば東大の移転といったような話が出ました。それは、東大の移転をすれば多少はこれは過密都市対策に役に立つかもしれないけれども、今日一千万の人口を擁する大東京から東大やら何やら若干が疎開をしてみたところで、これはもう焼け石に水じゃないかということ。これらの問題は、道路公団にまかしたり、あるいは思いつきでもって若干の役所だとか学校だとかを移転をさせてみたり、あるいは移転を奨励してみたりする程度で間に合うとは思われないのですけれども、一体、これはもう年々歳々ひどくなっていく交通事故やら過密都市の及ぼす弊害等を考えて、根本的には一体どのようにしなければならないかという点を明確に私は答えを出していただきたいと思うのであります。  以上で終わります。
  74. 神崎丈二

    参考人神崎丈二君) 首都高速道路公団のためにきまっております将来の予定で最もはっきりしておるのは、五カ年計画の二千二百五十億であるということは、先ほど桃井理事から申し上げましたが、この五カ年計画が整備されれば、むろん一応も二応も首都の交通に寄与するものであると確信いたします。また、この二千二百五十億も、大体これまでの経験その他を十分織り込んでつくられた予算でございまするから、この範囲において十分やっていけると、予定計画はやっていけると考えます。が、しかし、首都高速道路公団としては、まだまだこれからいろいろ伸びていく道を考慮しなければならないかと考えます。この点については、建設省ともよく打ち合わせの上、また東京都とも打ち合わせの上、研究を続けてまいりたいと思います。
  75. 鮎川幸雄

    政府委員(鮎川幸雄君) ただいまお話がございました中の特に大都市問題の交通量について、またその対策についての考え方を申し上げますと、交通対策、特に交通混雑の緩和をいかにするかという点は、非常にむずかしい問題でございまして、これにつきましては、内閣においても閣僚懇談会等が設けられまして検討されておるわけでございます。また、交通対策につきましては、道路の面からのみではなく、国鉄の輸送力の増強、あるいは地下鉄の整備、こういう点も必要になってくるわけでございまして、この点につきましても、それぞれの方面に十分検討されているわけでございます。  道路の面で申しますと、これは道路整備五カ年計画に基づきまして、今後の道路の整備及び街路網の整備というものをあわせて考えてあるわけでございますが、私どもはこの方針に基づいて今後の街路網の整備、高速道路の整備ということを考えておるわけでございます。しかし、この道路整備五カ年計画もおのずから財源の制約もあるわけでございまして、この整備五カ年計画は大都市問題のみならず、全国の全体の地域の開発等も考え、いろいろな点を総合して考えられてつくられておるわけでございまして、必ずしも大都市問題だけに使うというわけにもまいりませんので、必ずしも十分なことはまだまだできない点があるかと思いますが、私どもはこの方針に基づいて幹線街路網の整備、首都高速道路の整備ということを進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  76. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは首都高速道路公団については以上で終わります。     —————————————
  77. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、日本住宅公団関係について一、二委員長のほうから簡単にお尋ねしておきたいと思います。  昨年暮に当委員会で日本住宅公団の横浜市磯子区矢部野町を中心とする洋光台団地の問題について御質問しておきましたが、その後この該当地区における公団と地元との話の結果はどうなっておるのか報告を願いたい。
  78. 挾間茂

    参考人(挾間茂君) ただいま委員長からお尋ねがございました横浜市洋光台団地の件につきましては、この委員会の席上で私から概況を御説明申し上げ、また委員長から御要望がございましたので、私も実は先月の十四日現地にまいりまして、よく見てまいったわけでございます。また、開発事務所長等からもその後のいきさつ等についてよく尋ねて、対処をいたしております。  概要を申し上げますと、昨年の十二月十九日に笹下町の方々の御会合を願いまして、権利者側からの御要望を承り、公団側としてのその点についての御意見を申し上げたわけでございます。次いで昨年の十二月二十五日矢部野部落の代表九名の方々と公団側と会合を持ちまして、いろいろ意見の交換をいたし、権利者側からの御要望、また公団側としてそれに対して、どういうふうに配慮し、御希望に沿うようにいたすかということを御協議を申し上げたのでございます。さらに一月七日に矢部野町の代表の方々と会合を持ちました。次に今年の一月三十日に、これは地元で市の農政課長また地元の農業委員会の方々等も加わっていただきまして、地元の権利者側の御要望、それに対する公団側としてのとるべき方針等について御協議を申し上げたのでございます。いろいろ御要望がございまして、結論的に申しますと、たとえば減歩の場合におきまして、平均いたしますと三五%くらいの減歩になりますけれども、非常に土地をお持ちになっている面積が小さい場合には、それが三五%の減歩ということになりますと、実際土地利用の価値ができないわけでございます。かような特例的な場合につきましては、区画整理審議会において審議をいたす場合に、その減歩を減歩するということは、他の地区においても時々例があることでございますので、そういうような扱いをいたしまして、また、農業を営んでおられる方々につきまして、その換地はなるべく現地換地にしてほしいという御要望がございますので、これまた区画整理審議会の審議の際に、でき得る限りそういうふうな努力をいたしたいと思って、その点御了解をいただきたいと思います。なお、特別の場合がございまして、公団側におきましては、公団が取得しております保有地の一部を御要望の方の換地に接続して換地するとか、これはかなり予想せざるいろいろな問題がございますので、それはよく御協議を申し上げ、御了解を得て円満にこの事業の進行をするようにいたしたいと思っておるのでございます。  昨年の決算委員会お尋ねがございました点につきまして、ただいままで鋭意努力いたしてまいりました点を御報告申し上げまして、また、なお地元の方々で、反対をしておられる方々につきましても、るる御説明申し上げまして、言葉を簡単に申し上げますと、前向きの姿勢でこの問題を対処するように、私どもとしてできるだけの努力をいたしたいと、こういうふうに考えて進んでいるわけでございます。
  79. 相澤重明

    理事相澤重明君) 委員長の手元に、ことしの二月十日付で、洋光台団地開発民有地区画整理反対者同盟委員長諏訪部作治、横浜市磯子区矢部野町八十、外約三百名の人たちの陳情が出ているわけです。いま、挾間総裁から、いままで相談されたことについての報告を受けましたが、工事はいつごろ開始をする予定ですか。
  80. 挾間茂

    参考人(挾間茂君) ただいま現地測量を終わりまして、縦横断測量をいたしております。その後いろいろ計画を立てまして進める必要がございますので、おそらく今年の半ば以後に工事を始めるということにいたしたいと考えております。  それから私のほうへ二月四日の日付をもちまして質問状が十一項目ばかり出てまいりました。この点につきましては、ここに十一項目のいろいろの質問がございます。この点につきまして、一々ここで申し上げるのもたいへん時間を要すると思いますが、御要望の点につきましては、私どものほうとして、でき得る限りの努力をして御要望に沿いたいという点が相当ございます。先ほど申し上げましたような点は、その一つでございます。  なお、減歩の問題とか、あるいは現地換地をなるべくするように極力努力をいたしますとか、また特殊の農業に従事しておられる方がございまして、これは区画整理の手法上そのままにそれを残すということはでき得る限りいたしたいと思います。なお、できない場合には客土をいたしまして、従来の農作に支障を来たさないように手配をいたすつもりでございます。御存じのとおり区画整理事業といたしまして、市街地住宅という一つの構想のもとに進めますので、その点と見合いつつできるだけりっぱな団地をつくり、そこに住まわれる方々のためにも十分な利便をそこなわないようにするという方針を柱といたしまして、この事業を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  81. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは、いまのその質問状に対する回答を出した場合には、委員長の手元にその回答書の写しを提出するように。よろしいですね。
  82. 挾間茂

    参考人(挾間茂君) はい。これは文書によって回答を申し上げるのも一つの方法であると思いますし、また現地に参りまして、この各項目について鳩首いろいろ話し合いをするという方法もあると思い、またそのほうがかえって四角張らぬで適切に話し合いが進められるのじゃないかと、私いま考えておりますので、文書でお答えするという場合にもそれだけの手段を尽くしました上で進めたいと思います。でき上がって出しますときには、委員長のお手元に差し上げたいと存じます。
  83. 相澤重明

    理事相澤重明君) それからなお、今年半ばごろから工事にかかるというのでありますから、できるだけ円満に解決するように努力を、いまの総裁の御答弁のようにしてもらいたい。
  84. 挾間茂

    参考人(挾間茂君) 今年の半ば過ぎごろと思っております。できるだけ円満に工事が進められるように、それまで宅地開発本部並びに開発事務所一体となりまして、地元との十分な協議を遂げて、工事のスムーズな進行ができるように進みたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。
  85. 相澤重明

    理事相澤重明君) いま一点お尋ねしておきたいのは、藤沢市の鵠沼にある日本住宅公団のところに、さらに国有地があるところに対して住宅公団として住宅を建てたいという申請を行なっておりますか。前の米軍の演習場であった国有地ですね。わかりますか。
  86. 挾間茂

    参考人(挾間茂君) 元の演習場約三十万坪でございまして、実は私が公団に参ります以前の問題でございますが、この土地の全部を出資をいただきまして、公団住宅並びに分譲宅地を造成したいという希望を持っておりましたが、その後神奈川県との間の話し合い、大蔵省との話し合いの結果、約五万坪を公団に出資を受けまして、すでにそれは住宅の建設を終えまして、入居いたしております。他に学校の敷地とかいろいろございます。また汚水処理場等も茅ケ崎市でつくられるというような場所もございます。残りの場所五万坪余りが、たしか県の県立公園として使いたいというお話でございましたので、一応はそういうことになっておりましたけれども、それをお取りやめになるというようなことでございますので、この残っております五万坪につきまして、国有財産の出資をいただき得るように申請をいたしております。
  87. 相澤重明

    理事相澤重明君) 公団が団地造成等する場合は、輸送力の関係、いわゆる通勤、通学等の問題もありますから、関係方面ともよく相談して建てられるように、委員長から特に希望しておきたいと思うのです。
  88. 挾間茂

    参考人(挾間茂君) ごもっともなことでございます。われわれ団地を造成する場合に、一番頭を悩ましておりますことは、地元の公共団体の財政問題と交通関係の問題でございますので、その点は十分——十分と申しますか、できるだけ考慮をした上で、適切なる土地を選定をいたしたい、こういうふうに考えております。
  89. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  90. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記を起こして。  本件の審査は、本日のところこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。    午後零時二十八分散会