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1964-12-23 第48回国会 参議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年十二月二十三日(水曜日)    午前十時二十六分開会     —————————————   委員氏名     委員長         柴谷  要君     理 事         岡村文四郎君     理 事         北口 龍徳君     理 事         佐藤 芳男君     理 事         野知 浩之君     理 事         横山 フク君     理 事         相澤 重明君                 大谷 贇雄君                 加賀山之雄君                 川野 三暁君                 上林 忠次君                 沢田 一精君                 鈴木 恭一君                 谷口 慶吉君                 坪山 徳弥君                 西田 信一君                 二木 謙吾君                 谷村 貞治君                 山崎  斉君                 和田 鶴一君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 加藤シヅエ君                 小酒井義男君                 杉山善太郎君                 横川 正市君                 浅井  亨君                 二宮 文造君                 天田 勝正君                 村上 義一君     —————————————    委員異動  十二月二十三日     辞任         補欠選任      横川 正市君     北村  暢君      岡  三郎君     瀬谷 英行君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 岡村文四郎君                 佐藤 芳男君                 野知 浩之君                 相澤 重明君     委 員                 加賀山之雄君                 川野 三暁君                 沢田 一精君                 鈴木 恭一君                 西田 信一君                 山崎  斉君                 和田 鶴一君                 加藤シヅエ君                 北村  暢君                 瀬谷 英行君                 浅井  亨君                 天田 勝正君    政府委員        防衛政務次官  高橋清一郎君        防衛庁長官官房  小幡 久男君        長        防衛庁防衛局長  海原  治君        防衛庁教育局長  島田  豊君        防衛庁人事局長  堀田 政孝君        防衛庁装備局長  國井  眞君        防衛施設庁長官  小野  裕君        防衛施設庁施設        部長       財満  功君        法務省人権擁護        局長       鈴木信次郎君        郵政省電波監理        局長       宮川 岸雄君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        防衛庁経理局監        査課長      高見 豊治君        防衛施設庁総務        部施設調査官   佐藤 敏夫君        郵政省監察局審        議官       石川 義憲君        会計検査院事務        総局第二局長   樺山 糾夫君    参考人        日本放送協会加        入局次長     島崎 直正君     —————————————   本日の会議に付した案件理事辞任及び補欠互選の件 ○調査承認要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十七年度特別会計歳入歳出決算昭和三十七年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十七  年度政府関係機関決算書(第四十六回国会内閣  提出)(継続案件) ○昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書  (第四十六回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第四十六回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書  (第四十六回国会内閣提出)(継続案件)     —————————————   〔理事相澤重明委員長席に着く〕
  2. 相澤重明

    理事相澤重明君) ただいまから決算委員会開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  本日、横川正市君及び岡三郎君が委員辞任され、その補欠として北村暢君及び瀬谷英行君が委員に選任されました。  以上でございます。     —————————————
  3. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、理事辞任についておはかりいたします。横山フク君から都合により理事辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認めます。それでは、理事二宮文造君を指名いたします。     —————————————
  6. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、調査承認要求に関する件を議題といたします。  本委員会といたしましては、今期国会開会中、国家財政経理及び国有財産の管理に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を本院規則第七十四条の三により議長提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  8. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  昭和三十七年度決算外三件の審査並びに、ただいま議決いただきました調査承認要求議長において承認されましたならば、本調査をも含めまして、自然休会中に委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員人選派遣地派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本院規則第百八十条の二により議長提出する委員派遣承認要求書作成等便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  12. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  昭和三十七年度決算外三件の審査に資するため、今期国会中必要に応じ政府関係機関等役職員参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認めます。  なお、日時人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 相澤重明

    理事相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  15. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは、昭和三十七年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。  質疑に入ります前に、前回防衛庁審査の際答弁を留保いたしております件等につきまして、これより順次報告を聴取いたします。
  16. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 問題の一つは、厚木基地におきます騒音規制につきまして神奈川県並びに防衛施設庁の行ないました現地調査の結果はどうなったかというようなことだろうと思うのでありますが、それにつきましてお答え申し上げます。神奈川県におきましては、大和市及び綾瀬町の協力によりまして、本年五月一日から九月の上旬にかけまして、厚木飛行場周辺におきます騒音調査及び住民意向調査を実施いたしました。これをもとにいたしまして、現在これを集計いたしまして、整理いたしておりますところでございまする旨、神奈川県から報告を受けておりまする次第でございます。また、当庁——と申しますのは横浜防衛施設局でございますが——におきましても、十月の二日から三日間にわたりまして継続的に騒音調査を実施いたしましたが、これによりますると、合同委員会において合意されました規制措置米軍によりまして順守されているものと判断されまするが、さらに神奈川県の、実施いたしました調査結果の完成を待ちまして、これと比較検討いたしまして総合的な判断を下す考えでございます。  以上御報告申し上げます。
  17. 相澤重明

    理事相澤重明君) なお報告をしていただきたいのは、前回横川委員から千歳飛行場周辺騒音被害の現況と対策ということで指摘をされておりますので、あわせて御報告をいただきたい。  次に、大船PX移転の件について並びに横浜磯子湾埋め立て地工場誘致電波障害の件について関係者の御答弁をいただきたい。
  18. 小野裕

    政府委員小野裕君) 千歳の周辺における騒音状況あるいはその他の問題につきましては、いろいろ問題がございますが、いまこまかい資料を持ちませんので、まことに恐縮でございます。ただ、これにつきましても、いろいろ騒音予防措置につきまして地元と御相談をし、また航空自衛隊あるいは地元航空局の出張所といろいろと御相談をしているところでございます。  それから、大船米軍PX移転問題につきましては、そのうち資材の部門につきましては、来年の七月ごろをめどとして移転をするという計画につきましては徐々に進行をしておるようでございます。その結果といたしまして、その部分の土地が不用になるがどうするかということもお尋ねがございましたが、この点につきましても、今後できるだけ日本側に返還させまして、活用させる方法で持っていきたいということで、折衝を続けております。  それから、磯子湾埋め立てによりまして防衛庁自衛隊の通信に対する障害が起こりますので、その付近には建築物高度制限が適用されるという問題でございますが、この問題につきましては、まだ具体的な御計画を伺っておらないのでございまして、この点は所管といたしましてはむしろ建築基準法あるいは電波法関係になるわけでございますので、そのほうでお手続になるわけでございますが、その具体的な計画が申請されました場合に、そうした将来の障害をどうするかということで防衛庁側と御相談があることになると考えております。  以上であったかと思います。
  19. 相澤重明

  20. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) 厚木米海軍航空基地航空機騒音による人権問題につきましては、その後調査を終了いたしまして、本年十月二十八日付をもちまして、法務省人権擁護局長名防衛施設庁次長あてに次のような通知をいたしました。すなわち、いまの問題につきまして、「大和市上草柳一五六番地知久重一厚木基地爆音防止期成同盟委員長)から横浜地方法務局に申告があった標記事件について調査した結果は左記のとおりであり、その結果を総合すると、飛行場周辺及び飛行機の進入路下にあたる地域においては、騒音が激しい場合があり、その地域相当多数の住民が精神的及び日常生活上ある程度の被害を受けていることが認められる。右の騒音が、これら住民基本的人権を侵害するものであるかどうかはその程度が今日における健全な国民感情に照らして受忍すべき限度をこえているかどうか、その発生を防止軽減し、あるいはその伝播を阻止減少する方法があるかどうか、更にそれら防止軽減等措置が経済的にみて不相当に高額な費用を要しないで行ないうるかどうか等諸般の事情を総合して判定すべき問題と思われる。ところで、本件騒音は同一地点においても、季節、天候、日時飛行方法等により著しく変動があって、その実体を正確に把握することは困難であること、技術的にこれに対して防止軽減等措置をとり得るかどうかを判断するには、高度の専門的知識を要すること、そのためには相当多額の経費を必要とすることが当然予想されること等を総合勘案すると、本件騒音住民基本的人権を侵害するものであるかどうか、にわかに決し難いところである。しかしながら、憲法の理念としている基本的人権尊重観点から考えるとこのまま放置することはできない問題である。よって、担当行政機関である貴庁において、更に調査検討の上適当な措置を講ぜられたくその参考として本件調査結果を通知します。」といたしまして、以下「記」と、相当「記」の部分が長文になりますが、これは大体前に中間報告をいたしたものと大体において内容は同じでありますから、「記」の内容は省略させていただきたいと思います。  以上のように、本件調査結果を通知いたしまして、さらに担当行政機関である防衛施設庁におかれまして調査検討の上、基本的人権尊重観点から適当な措置を講ぜられたいという意味で通知をした次第でございます。
  21. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、ラジオ、テレビの聴視料減免の件及び科学的な騒音調査の件について、島崎参考人
  22. 島崎直正

    参考人島崎直正君) 最初に、基地周辺受信者受信料免除実施状況でございますが、お手元に資料を差し上げてございますが、三十九年九月末で、全国十五基地において実施いたしておりまして、受信料免除者は、契約甲におきまして九万一千九百二十七、契約乙につきましては八千二百七十八、合計十万二百五となっております。その減免額は、契約甲については一億八千二百一万五千円、契約乙につきましては四百九十六万七千円となっておりまして、合計で一億八千六百九十八万二千円となっております。  次に、科学調査の件でございますが、騒音被害地域を何キロというふうに面積の形で正確にきめることは音響の性質上からきわめて困難でございます。また、この種の地域策定については、その根拠を規定した適当な法規もございません。そこで、NHKでは、先般厚木基地合同調査をいたしました。また、みずからも厚木あるいは小牧で調査を実施いたしまして、被害のひどい地域を二キロ、一キロの線に結んで得られる長方形の区域を騒音被害地域の最大公約数として決定いたしておる、こういう次第でございます。
  23. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、前回委員会浅井委員質問に対する訂正がございますので、訂正を許します。石川監察局審議官
  24. 石川義憲

    説明員石川義憲君) 去る十二月四日当院決算委員会におきます浅井先生の御質問に対しまして、私のほうのお答えのうち二点ほど数字上の誤りがございましたので、深くおわび申し上げますと同時に、御訂正申し上げます。  その一点は、昭和三十七年度の犯罪金額に対する郵政省の未回収金額は幾らかという御質問でございましたが、それに対する私のお答えは、二百五十七万と申し上げましたが、これは全く私の考え違いで、実はその回収額の一部を申し上げたのでございまして、御質問の三十七年度の犯罪に対する金額の未回収額は四千三百十三万円でございます。  次の一点は、三十七年度における特定局長犯罪被疑者は何人かという御質問に対しまして、私は誤解いたしまして、五万円以上の犯罪特定局長といたしまして八名と申し上げましたけれども、御質問の趣旨は全員ということでございますので、これを二十四名と訂正さしていただきたいと思います。  以上、深くおわび申し上げまして、御訂正方をお願い申し上げたいと思います。
  25. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  26. 天田勝正

    天田勝正君 防衛庁関係について質問いたします。私の前回質問は、いずれも、高橋政務次官まだ就任早々ということで、あいまいになっておった点が三点であります。  その一点は、この三十七年度決算参照昭和三十七年度決算検査報告に関し国会に対する説明書の二ページにあるものでありまして、これは防衛庁関係不当事項として指摘されたうち(4)、(5)に関連するものであります。すなわち、これは補給処における受領検査の際に、航空自衛隊慣例に従って、開梱して梱包内容を確認しなかった、こういうものであります。  そこで、これに対して一応の答弁を受け、かつ、その答弁は、将来大いに注意するということでありましたけれども、問題はこの「航空自衛隊慣例にしたがい、」こういうことでありますから、そういたしますと、この慣例が続く限りは、幾ら注意してみたところで、開梱しての検査というのがないことになるのでありますから、これはたいへんなことだと思います。私としては、委員長報告にもこの点は指摘していただきたいと、こう考えている部分でありまして、いろいろ人員の関係で全部開梱して内容検査ができないというならば、抜き取り検査方法もあるであろうし、あるいは何回かの納入の場合の一回だけを検査するという方法もあるでありましょう。それが前進というものであって、幾ら注意しても、これが慣例となってずっと続く以上は、相も変わらずこのような不当事項が続くものと、こう考えるのであります。したがいまして、この点に対する答弁はまことに不備でありますから、今後どうされるのか、この点をまず伺いたいと思います。
  27. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 御存じのごとく、この問題はきわめて重要でもございますし、先般の委員会におきまして天田先生から御懇篤な御勧奨がございました。御心配のほども承りましたような事情もございまして、いままでの慣例もございましたけれども、その範囲においてあとう限り善処する部面も出てまいりました。時宜を得た御質問であろうと思うのでございますが、ただ、一言申し上げたいことは、従来、航空、海上、陸上の中におきましては、特に航空自衛隊におきまして、その調達物品について、製造工場で所定の検査を経たものは、重要装備品高価品、破損しやすいものを除きまして、納地での検査は、納入異状ない場合、開梱しませんで検査することができることとしてあったのでございます。これは、御存じのごとく、航空自衛隊におきましては補給部品の数がきわめて多いのであります。また、湿気を避けなきゃならないというような部品がたくさんございますということからいたしまして、特にこのような方法がとってこられたものでございます。  なお、詳細につきましては、監査課長がおりますので、具体的なことにつきまして御答弁をいたさせます。
  28. 高見豊治

    説明員高見豊治君) ただいまの次官説明を少し補足して説明させていただきます。  航空自衛隊等におきます検査内容につきまして、少し具体的に、先に一般的に御説明いたしまして、御理解の資にいたしたいと思います。  検査の中にはいろいろございまして、この受領の際におきます数量検査国会で問題になっておると思いますが、受領検査におきます際の数量検査について御説明したいと思います。  数量検査につきましては、航空自衛隊調達規則の第七章の「検査等」のところに詳細規定がございますが、その規定を概括的に申しますと、まず、数量検査にあたりましては、検査官は原則として受領すべき調達物品全数について検査するという規定に一応なっております。しかしながら、全数検査が不適当であると判断されるものについては、その外装もしくは検査証票その他に異状がないと認めたときは、その梱包数内容量をかけたものをもって数量として検査することができるというような——開梱しなくても検査することができるという規定になっております。もちろん、この場合は当然的に、その製品工場で製造します場合において、各種の製品検査その他が行なわれることが前提となっております。ですから、工場におきまして製造過程でそういう検査が行なわれていない場合は、当然受領検査の場合は開梱して数量検査をしなければならないということになるわけでございます。もちろん、この場合におきましても、次官が御説明になりましたように、非常に高価なものであるとか、それから重要装備品であるとか、それから輸送途中において破損しやすいもの等につきましては、工場でそれぞれの過程検査をいたしておりましても、受領の際にはこれは開梱して数量検査をするという規定になっております。また、その場合、全数検査が不適当であると認めて開梱せずに検査いたします場合におきましても、もし受領の際に外装異状がある場合は、これは当然開梱して中身を調べなければならないという規定になっております。全数検査が不適当であるというものはどういうふうなものであるかということになると思うのでございますが、この場合は、ただいま次官が御説明になりましたように、内容的に梱包そのものが、たとえば乾パンなるものは、これは使用するときに開梱するものでございますので、これを補給処あたり受領しまして開梱しますと、これはちょっと困るものでございますから、こういうものは開梱しない、いわゆる不適当なものということになっております。ですから、こういうものは当然一個の中に幾らあるということは製造過程でわかっておりますので、これは梱数かける内容量で受け取るというようなものもございます。それからまた、航空自衛隊では非常に多量の部品その他を調達いたしております。そして、これが補給処納入されまして、直ちに部隊等にまた輸送されてまいります。その場合に、補給処受領いたしましたときに開梱いたしまして、また再びそれを梱包し直して部隊に送るという、いわゆる梱包をあけて、そしてそれぞれ中身を出して、それぞれ補給処に格納して、それをまた別個の梱包で送るという場合は別でございますが、いわゆる梱包のまま、一個の中身が正規の品物が入っております、そして梱包のまま保管いたします、そしてそのまま部隊に補給するというふうなものがございます。そういうふうなものが、いま言いましたように、製造工程でちゃんと検査をいたしますと、それは梱包数かける内容量受領検査をするということになるわけでございます。で、この検査院で御指摘になりましたスチール・ボックスにつきましては、これは大体一メートルと一メートル五十くらいの梱包に一個が入っております。組み合わせ品が入っております。これはそのまま補給処受領いたしまして、そしてそのもの要求があった場合にその部隊に輸送するわけでございますので、それを補給処で開梱いたしますと、また輸送するときに同じ梱包をしなくてはならない。経済的、労力的な面もございますので、こういう規定で、工場製品検査包装検査をやります際に内容をきっちり確認しておいて、受領検査の際は梱包数内容量数量検査をするという規定に該当させてやっておったわけでございます。これがいわゆるここに書いてございます「航空自衛隊慣例にしたがい」ということの実情でございます。そして、このことにつきましては、そういうふうな不適当と認めた場合でありましても、ただいま申しましたように、梱包数だけで検査をする場合は、こういう御指摘のようなことも起こり得るということでございます。本年の一月二十日に数量検査実施基準という措置を一応通達を出しまして、ただいま申しました、開梱しなくて、いわゆる梱包数内容量とで数量検査受領ができるというふうな規定になっておるものにつきましても、一応抜き取り検査をやるというふうに規定を改正いたしまして、今年の一月二十日から航空自衛隊では実施いたしております。  以上でございます。
  29. 天田勝正

    天田勝正君 最後の部分だけ言えばいいので、どうも前のが正しかったようなことをるると述べられて、私の質問とは違って、何か数量数量というので、数量のほうにすりかえている。そういうものじゃないですよ、ここで指摘したのは。私はきょうの時間を節約するために前に言ったことを繰り返さないだけであって、ここに指摘されたことは、検収処置当を得ないため不良品をそのまま受け入れている、こう指摘されている。だから、質の問題なんです。だから、数がいかがあろうとも、質において、検収当を得ない、こういうことを言われているんだから、抜き取り検査するしか手がない。もしあなたが説明するように、工場検査したのだからだいじょうぶなものだといえば、こういう指摘事項は起こってこない。これは、そこで検査しなければ、配属した部隊で今度は検査する、こういうことになるだろうと思うのだけれども、もしそこでも十分な検査がなければ——二重にやってたいへんだということをいろいろなことばをもって説明したのだろうと思うけれども、しかし不良のものであったらさっそく人命にたいへんな影響になるでしょう。単にここは決算で金銭のことだけを調査するのではなくて、ものが当を得なければ、事は航空自衛隊なんです。陸上ならどこも落ちることはなかろうけれども、飛行機ならば、つけてしまったものを、その部品がこのような調子で、もし部隊で発見できなかったとか、あるいは会計検査院で発見できなかった、それで使用した場合のことば、実にたいへんでしょう。そういうことですから、あまりいままでのが正しいようなことを言わないで、正しければそのまま変えないのがあたりまえ、最後の部分で、抜き取り検査でも、それでもできる。それを私のほうからすでに言っているんですから、あまりことばをたくさん使わないで、あっさり、指摘されたのだから、最後の部分の、抜き取り検査にいたしました、これでいい。  次に進みます。これはさきの委員会におきまして、防衛局長がおられませんのでこれは保留した問題であります。すなわち、政務次官説明の八ページから九ページを見てください。ここにあることは、要は十三個師団の態勢を完成いたしましたほか云々と、いろいろな説明がございますが、そう言われても、私の調べでは、この年度の初めにおいて約三万名の欠員が陸上自衛隊で不足しているんだ、これを聞いたところが、防衛庁のほうの調べでも二万九千名、いずれにしてもたいした数の開きがなかった。そうすると、いまの師団編成の人員からすれば、実に四個師も足らない。十三個師といってみたところで、三分の一も足らない。それでは一向に、十三個師団の態勢を完成いたしましたということは、てんでそのことばが当たらぬじゃないかということを指摘した。結局、そのために、特に陸上自衛隊はもう恒常的といっていいくらいえらい不足を来たしているのだ、そういうことで議論が発展いたしまして、要するに、結局は自衛隊員に社会に出ても十分通用する技能者になるよう何かの教育を行なう以外にないじゃないか。そこで私が例示したのは、たとえば通信隊で言えば、いかなる学校よりもはるかに豊富な機材がそろっておって、実技的にも社会に出た場合には非常にこれは尊重される、そういうことであるから、そうしたらどうかということを例示として申し上げた。問題は普通科部隊ですけれども、普通科部隊であっても、たとえばオペレーター、そういうようなことで、本来の任務のほかに教育の部分をかみ合わせればさようなことはないのじゃないかということを申し上げたわけでありますが、その点について一生懸命今後努力するとか、いろいろ抽象論の話はございましたが、さて前向きに、じゃ解決策というのは別にとっておるのか、それに対する答弁を求めたい。  それからもう一つ、先日言わなかったことですが、これは政務次官も聞いておいていただきたいのですが、国は地方公共団体に補助金を出して、この隊員募集の委託をしているのですね。その募集事務地方公共団体委託費と、こういうので予算に計上されておるそれが、三十八年度でいいますと、四千四十九万円、三十九年度でやはり同額でしょう。そうすると、これを町村割りにすると、四、五百円になりはしませんか。たぶん四、五百円というようなことだったら、まあこれは零細補助の典型で、配分の労多くして、一向、四、五百円だったら、ほとんど何も使えない。かようなものはむしろ整理して、他の方法で何かやったほうが当然いいとだれしも考えられると思います。そこで、私としては、でありまするから、この際、過去五年間、三十五年以降でけっこうですから、都道府県別、市町村別の補助金を渡した、あるいは向こう側から見れば受領した、こういう統計、それから四十年度の要求額、これがどうなっておるか、それから、さような数字的にこの際明らかにできるならばしてもらいたいし、もし、ここに用意されていないというのならば、いま申し上げた三十七年度の決算を審議するまでに、ちゃんと資料を整えて御提出願いたい、こういうことは、後段の分は要求しておきます。
  30. 海原治

    政府委員(海原治君) 先般、当委員会において天田先生から御質問がありまして、防衛庁側としては、先生のお考えでは十分な説明になってなかったというただいま御指摘の、十三個師団の態勢を完成したという点に関連しまして、私から御説明いたします。なお、今後の募集対策等につきましては、人事局長より、私の御説明が終わりましたあとで御説明いたします。  現在、約三万近い欠員を陸上自衛隊は持っております。これは師団の数に直せばほぼ四個師団相当ではないか、それであれば、十三個師団の態勢を完成したというのは間違いではないか、こういうお考えと思いますが、実は少し具体的な数字で御説明してまいりたいと思います。  この陸上自衛隊におきまして、約三割近い欠員をかかえておることは事実でございますが、これがどこに見出されるかと申しますと、士長、一、二士、いわゆる昔で申しますと、兵の階級にその大部分が実は集中しておるわけであります。この普通科の連隊で、これは昔の歩岳連隊でございますが、この普通科の連隊におきましての普通科の中隊——歩兵の中隊でございます、これにつきまして数字をあげて御説明申し上げますと、現在、この普通科の中隊は、定員二百十三名をもって一個中隊を編成しております。その中で幹部は九名、曹——曹は昔の下士官でございます、これは四十六名。それから士長、一、二士のところは百五十八名という数でございます。そこで、具体的に申しますと、この三割の欠員というのは、士長、一、二士の百五十八名のところにまずほとんどがあるわけであります。さらに申し上げてみますというと、幹部と下士官のところは一応充足いたしております。この上のところで百五十八名なければならないところが、その三割、すなわち五十名程度近いものが欠けておりますので、百名程度で編成している、こういう形に実はなっておるわけであります。このことは、もちろん、この士のところが完全に充足されておる場合と比べまして、教育、訓練なり、あるいは部隊の行動等におきまして非常に問題が多うございます。しかし、一応部隊としましての意味を考えました場合におきましては、指揮関係の者がそろっておりまして、いわばその手となり足となって動くところに三割程度の欠員があるということになりますと、十三個師団という全般の編成的な態勢から申しますと、一応これは形はできておるというふうに見て差しつかえないものでございます。その意味で十三個師団態勢を完成したという表現を使ったのでございます。  もとより、先ほど申し上げましたように、士のところが完全に充足されておりますことは理想でございますが、たとえば昔の例を申しますと、私、個人的なことを申し上げて恐縮でございますか、私は昔の歩兵連隊の機関銃中隊に一兵卒で入隊いたしました。この機関銃中隊は九名で編成しております。銃手が四名、弾薬手が四名、分隊長、こういうことでございますけれども、実際の訓練は、弾薬手が全部戦死した場合を想定して、銃手が弾薬手のかわりに訓練をやるということがしょっちゅうあります。兵のところは、戦闘を前提といたしますので、約半数の者がかりに戦死しても、なおかっこの部隊としての行動ができるというような訓練も実はやった次第でございます。そういうことでございますので、昔の兵、すなわち、現在におきます士のところの三割近い欠員というものは、先ほど申し上げましたように、部隊の機能を発揮する上から申しました場合におきましては、必ずしも致命的な欠陥ではございません。この三割が、たとえば幹部である、あるいは下士官に集中しておりますと、これは指揮中枢が成り立ちませんので、非常に部隊としての行動その他の問題に影響がございますけれども、まあ不幸中の幸いでございまして、一応三割近い欠員が士のところにあるということで、私どもは、何とかしてこの充足の率を高めていくための全努力はいたしますけれども、特に全般的な部隊としての意味合い、部隊としての任務というものを考えました場合には、十三個師団というものの態勢はこれでできておるという考え方が、これは成り立つ次第であります。まあそういうことで、この御説明の中に、十三個師団の態勢を完成いたしましたという表現を用いました次第で、ひとつ御了承を願いたいと思います。
  31. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) お答え申し上げます。  天田先生のお尋ねの、十三個師団の編成が完結をしておっても、三万名に近い欠員があった場合には、三ないし四個師団の兵力がないということになるんじゃないかというお尋ねにつきましては、いま防衛局長からお答え申し上げたとおりでありますが、それではその三万名の人員は充足できないものであるかという点につきましての、人事局としての見解を申し上げますと、私どもは充足できないとは考えておりません。と申しますのは、これも数字でお答え申し上げますと、陸上自衛隊を志願いたしました志願者と、入隊をいたしました隊員との数の比率を調べてまいりますと、昭和三十五年ごろは大体十八万人ぐらい志願をいたしました。二万五千人採用されております。約七倍応募者があるわけでございます。三十六年が六・二倍、三十七年が四・三倍、三十八年が約四倍という状況でございまして、志願者と入隊者の関係は、志願者の絶対数が全然足らないからそれで採れないんだということではないというふうに私どもは考えております。ただ、御承知のように、試験の基準と申しますか、採点の基準をある一定の基準で押えませんと、やはり入ってまいりました者が適当でない、能力的に落ちる、あるいは入ってからすぐ脱落してしまうというようなことがございますので、やはりある程度は基準というものをはっきりいたしまして、それ以下の者は入れないということをやらざるを得ませんので、この四倍の人間をそのまま採ってしまうということはいたすことはできませんし、また、していないわけでございます。  そこで、それではその四倍の人間をふやす方法があるかどうかという問題でございますが、これは私は、最近の募集の状況、応募の状況を数字で見てまいりますと、この十月以降非常に成績がよくなっております。理由は、経済界のいろいろな状況が変化をしたということも一つはあるかと存じますけれども、やはりオリンピックで自衛隊が一生懸命に仕事をした、これが国民の皆さん方に理解をしていただけた、やはり自衛隊はなかなかいいという印象を若い青年諸君が抱いてくれたんじゃないか、自衛隊に対する関心が深まって応募していこう、あるいは応募しようという人たちがふえたのではないか、そういうことも一つの理由ではないだろうかというふうに考えますので、やはり質のいい応募者をもっと多く獲得をする方法があるのではないか、つまり、自衛隊を国民大衆の中に深く知らしめる、宣伝をする、正確な宣伝をして自衛隊を理解させるという努力をもっとしていくならば、先ほど申し上げた四倍の応募者が五倍になり、六倍になるのではないか、そういうふうに私どもは考えます。  なおまた、今度は、応募して採用され、入りました隊員が、雨漏りがしたときにかさをさして隊舎の中を歩くといったひどい状態の中で生活をしておりましたのでは、これはやはり魅力が薄れてしまいますし、飛び出してしまうということになるので、入りました隊員が中で定着を——非常に快適であるという生活ではないまでも、少なくとも普通の会社、工場に入って働いておる勤労青年とあまり程度が違わない居住条件を与えてやる、生活環境を与えてやるということで定着性がつくのではないか。  それから、先生がやはり御指摘になりました、二年間おれば、あとは任期か来るんだから去らねばならない。確かに去りますと町に放り出されるわけであります。そのときに、たとえば航空とか、あるいは海上の自衛官でございますと、それぞれ海技の資格を得る、あるいはパイロット、整備の能力を持って外に出るわけでございますけれども、特に陸上の普通科、片のいわゆる歩兵の部隊に入っておりました若い隊員諸君は、ほとんど何らの資格も得ないで出るわけでございます。この隊員諸君に自動車の運転免許あるいは整備、通信、いま先生が御指摘になりました通信士の資格等を得られるような条件を与えてやりますれば、二年たって除隊をして帰っていきます人たちは、新しい職場にすぐそのまま復帰することができるわけでございます。そういうような定着し得るような生活環境を与えてやる、また同時に、出てまいりますときに、自衛隊の組織を利用いたしまして、就職援護についても強力なバックアップをしていくといったような、入ってから出るまでの全体にわたっての行き届いた配慮をさらに重ねてまいりましたならば、私は四倍の応募者が五倍になり、六倍になり、もっと良質な隊員が採用できるようになるのではないか。そういたしますと、先ほど御指摘のございました三〇%の欠員というような問題も解決いたしていくのではないかというふうに考えまして、募集の問題、生活環境の整備の問題、就職援護の問題等につきましては、個個にくふうをいたしまして改善を重ね、御指摘のような欠点をなくしてまいりたいというふうに考えております。  それから第二の、腕に職をつけるという点について、どういうことを考えておるかという御指摘でございましたが、これは公資格を容易に獲得ができまするように、たとえば部隊の中に運転免許をとるための試験場の施設等をつくりまして、運転の練習が容易にできるとか、あるいは整備の工場等で容易に整備の仕事が覚えられるような施設をするとかというようなことを予算でお願いをいたしまして措置いたしております。しかし、これは非常に限られた職種しか現在では行なわれておりません。たとえば就職をいたしました人たちの分布を見てみますと、やはり自動車の運転手が一番多い。そのほかはやはりあまりないわけであります。これではいけませんので、労働省と相談をいたしまして、新たに職業訓練の措置を考えていくということを、具体的に今年度からは打ち出しております。たとえば特技訓練場に派遣をいたしまして、退職をする前に特定の訓練をいたすとか、あるいは勤務をしております勤務時間外に、訓練場にあって勉強をするというようなことを考えて、関係者省と御相談を申し上げておりますが、そこにはやはり訓練と職業訓練のための——訓練と申しますのは部隊本来の訓練でありますが、訓練と、職業訓練を与えるための自分の勉強との間の時間の調整というようなことに若干問題がございます。それから労働省で御指摘になっております職業訓練の期間、時間数、こういったようなものが、やはり部隊の隊員としての実際上の日常生活との間で時間的にもう少し調整をしなければならないというような問題がございますので、そういうような法制的な問題も、ある程度詰めて解決をいたしませんと、大幅にこの点は解決ができないわけでございますが、逐次、特技訓練の拡充の問題、あるいは、先ほど申しました公資格を与えてやる施策等はこまかく具体化いたしていくように努力をいたしております。  なお、第三点の、地方公共団体に交付しておる金について、スズメの涙のようなものではないかという御指摘でございますが、まことにそのとおりでございます。いま、数年前からの各府県別の配賦の数字を持っておりませんので、後刻、資料で御提出申し上げようと思いますが、先ほど御指摘がございましたように、今年度は四千一百万円でございます。これは四十六都道府県並びに二千五百数市町村に配賦をいたしますので、結局、非常に少ないところは、年間数千円というような状況でございます。数千円の費用をお渡しして、いろいろ研修をしていただいたり、あるいは告知板をつくっていただいたり、あるいは募集に必要な看板の作成をお願いしたりというようなことは、まことに虫のいい話でありまして、府県あるいは関係市町村等が非常に御不満であるということは、全く御指摘のとおりでございます。私どもはこの際、四十年度の予算要求としては、一応五千万円ふやしまして九千一百万円お願いするように、大蔵省に請求をいたしておるという状況でございます。
  32. 北村暢

    北村暢君 関連して。いまの定員の問題で若干関連をして御質問いたしますが、これは陸上自衛隊に欠員が非常に多いということのようですが、総体的にいって、定員の何%ぐらいが欠員になっておるか、そのパーセントをひとつ教えていただきたいと思います。
  33. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) これは本年度の十月末現在の数字でございます。陸上自衛隊が、欠員二万九千八百八十二名、充足率が八二・六%でございます。それから海上自衛隊が、欠員が千七百八十二名、充足率が九四・六%、空が、欠員が千六百九十一名、充足率が九五・七%であります。総計いたしまして、欠員総計が三万三千三百五十五名、充足率が八六・三%と相なっております。
  34. 北村暢

    北村暢君 そうしますと、総体的にいえば、充足率が八六・三%ですか、ということのようですと、一般の官庁の欠員の率と比較して大体どうなっておるか。そうして、いま一般官庁では、大体欠員は不補充の方針のようですが、いまいろいろ説明がありましたけれども、志願者さえあれば全部定員を埋めていく、そういうことで運営がやっていけるのかどうなのかということです。この決算報告書を見ましても、人件費のところは不用額が一億四千六百万何がしのようですけれども、これが欠員に対する不用額だと思うのですが、そうたいした額じゃないようです。したがって、べースアップその他も毎年行なわれているのですが、大体一般官庁といえども、欠員を置かないというと、給与予算の運用というものはそう簡単にはいかないのではないかと思われるのです。したがって、防衛庁は欠員が多過ぎるということでやれば充足できるのだということを盛んに説明するけれども、予算の運用上からいって、欠員というものは、一体どの程度あってやむを得ないのかということですね。それは、ほかの官庁とは違って、欠員は全部埋めても運用できるのだ、こういうしかけになっているのかどうなのか、防衛庁だけ特別なのかどうなのか、そこら辺のところをちょっと御説明願いたい。
  35. 小幡久男

    政府委員(小幡久男君) 一般官庁と比較しての議論になりますと、防衛庁では、一般官庁に類似しておりますのは文官の部類かと思いますが、これにつきましては、約三万近くおりますが、大体九四、五から六、七%、これは充足をいたしております。この点は一般官庁と同じように、大体そういう数字で欠員不補充の適用も一般官庁並みに受けておりますが、自衛官のほうは特に欠員も多うございますか、一般官庁の部類と違いまして、それは、欠員不補充はやかましく言うまいという措置になっております。しかしながら、これも必ずしもすぐに一〇〇%にやれるかと申しますと、先生から御指摘がありましたように、予算上の問題がございますし、また、いろいろな募集上の問題もございまして、毎年、定員に対しまして、たとえば陸は八四%くらいの平均で充足していこうではないか、あるいは海、空は九十何%というふうな、予算による充足率というものを、あらかじめ年度当初に見込みまして、なるべく人件費の残のないように仕組んで予算をお願いしておるようなかっこうでございます。そういう点で、多少、見かけの定員と実際の予算の要求とは、年度年度によりまして漸増はしておりますが、一気にはなっていかないという方針で進んでおります。
  36. 北村暢

    北村暢君 先ほどの十三個師団編成に支障がない、一般定員に該当する士が不足しているので運用上支障がない、こう言うのですが、大体それで運用上支障なければこれは要らないというふうに解釈されるのです、その説明をよく聞いているというと。常に非常時体制でいけばいい、運用上支障がないのだ、こういうふうにおっしゃるなら、それではこれは要らないものがあらかじめ定員に載っておるじゃないか、こういうふうに受け取れる説明になっていますね。あなたの説明は、そういうふうに聞こえますよ。私も、やはり昔、軍人だったからよくわかっているけれども、兵隊さんのほうが大事ですね。仕事するのには、幹部がいなくても、戦死すればすぐかわりが出てやるのですね。だから、兵隊さんのほうが大事なんですよ、実際は。だから、頭でっかちで足のない軍隊というものは、これは意味がないのだろうと思うのです。あなたの説明は、この程度の欠員ならやっていけるというのか、どうもそこらのところが、欠員の弁明をあまりし過ぎるあまりに、不必要だと、こういうふうに聞こえるがどうですか、そこら辺は。
  37. 海原治

    政府委員(海原治君) 私の御説明が不十分でございまして、先生御指摘のようなことに相なりますと、これは非常に問題でございます。ただ私は、先ほどの私の説明の中にも、完全に充足されている場合に比べまして、教育、訓練等にいろいろと支障がございますがということはつけ加えたつもりでございますけれども、なくてもやっていけるということを大いに強調したような御印象を与えたといたしますれば——これはいま先生がおっしゃいましたような、いま程度のことであれば何とかしのいでおる、そのことは十三個師団という態勢といいますか、形の上からすれば、やはりそちらのほうに重きを置いて御説明した次第でございます。具体的には、たとえば先生御指摘のように、いわゆる兵のところが部隊として大事なことは、私も大事なことはわかっております。このほうはまず減ってまいりますから、たとえば日常の勤務におきましても、不寝番に立つ割合とか、あるいは兵器、装備品等の手入れの負担のかかりぐあいに、いろいろ支障が出てくるわけでございます。演習するにいたしましても、仮想敵と申しまして、旗あたりでもって、ここに軍隊がいるものだと想定してやるのと、実際にそこに軍隊がいるのだということでやるのとでは、実際違ってまいります。そういう不便といいますか、ぐあいの悪い点はもちろんあるわけでございます。しかし、この幹部川のところに三割の欠員がありますのに比べますというと、私どもの判断としては、不幸中の幸いというような感じを持っている、こういうことを実は申し上げた次第でございまして、私の先ほどの説明が、ただいま先生が御指摘のように、なくてもやっていけるのだ、だから、欠員は、この程度のものは今後ともこのまま置いてもいいんじゃないか、こういうようなお考えに導くようなことでございましたならば、これは私の説明の誤りでございますので、先生御指摘のようなことに、ひとつ御了解いただきたいと思います。
  38. 天田勝正

    天田勝正君 あとのあれも控えておりますから、委員長も心配されているのですが、どうも答弁が長くなってしまって、簡潔でないから、かえって誤解を生ずると思いますから、いまの点については、私は、ちょっと再質問という形でなくて、要望だけしておきます。  私は、何もむやみに自衛隊員をふやせという主張を、別段ここで主張しているのではないのであって、ただ、幾らか上部の者と下部の者の比率が最近よくなってきた、こういうことでありますから、それでいいのですが、とにかく、三十七年度だけですれば、三個師も四個師も足らないということになると、その答弁が、幹部のほうはちゃんとあるんだと。そんなのは、子分なしの親分ということであって、それは、親分なしの子分も困るかもしれないけれども、子分なしの親分もまた困る。だから、そういう説明はだめです。そういうことではなくて、昔のことをひっぱり出すわけではないけれども、ドイツであれば、戦車に一人で一台ずつ乗っている、目的地に着いたときに、ちょうど一台で四人になる、こういうことです。日本では、トラックに十五人くらい乗って、そうしてトラックがこわれたら、今度は、十五人で押すというのです。どだい、トラックというものは、物を載せたり、人が乗るべきもので、押すべき筋合いのものではない。だから、初めから余裕のあるということは、これは、雨の降る日は天気が悪いというほど、自明の理です。そのことで、そういった説明をしようというところに、いまの北村さんのような意見がどうしても出てくる。だから、そうではなくてひとつやってもらいたい。  それから教育の問題は、これは当人の職業が云云という、これも大切ですけれども、そのほかに、それを身につけた技能を通じて社会に貢献できる、ここが大切なんですから、それはむずかしい点があっても、ひとつ大いにやってもらいたい、こういうことをひとつ希望として申し添えておきます。  それから、次の問題ですが、これは七月の三十日に起きた市ケ谷駐とん部隊の陸士長以下数人の者が、よそへ出てけんかをして人殺ししちゃった、こういうことなんです。そのときに私が指摘したのは、それらの者たちが脱さくをして出たか出ないかということは別として、とにかく最初に出たときは、最初のけんかのとき出た時間というのは、外出してもよろしい時間であった。それで一ぺん帰ってきて、今度は再び復讐に押しかけていった時間というのは、もはや閉門しておるべき時間なんです。それでも別に脱さくでも何でもない、正門からせっせと出ていったのだと、そうして即死じゃなかったけれども、間もなく相手は死んでしまった、こういうようなことを起こして、あと今度、出ていくのさえもふしぎなのが、帰ってきても別にとがめられることなしにせっせと中へ入った、中へ入ったうちに、また別に自衛官でも何でもない者がまぎれ込んできて、翌朝までその部隊に寝ていたと。一体、これはどう考えても、弁解なんかできたものじゃないと、私はそのつもりで質問したのだけれども、いやそれは営門のところでちゃんと証明書を持っていたからだと説明する。証明書はどこから出てきたのか、貸したやつがあるに違いない、あるいは復讐に押しかけていったときに、もうそういう者を引き入れてくる、容易に。証明書を持って、それで外部の人にくれてか貸したか知らないけれども、そういうので帰ってきて、背広姿で営門を通っちゃった、時間でもないのに、そんなことを、時間外でさえも、およそ何というのですか、隊紀の紊乱といいますか、そういうことなんでしょう。それが再びも出て、それで今度帰ってきたときには、別者が入っていて、翌朝まで知らなかった。一緒に寝ておるのだから、知らなかったじゃとても通りませんし、点呼までいっちゃった。それで今度は、それを朝になって出してやるときは、面会に来たと、こういう理屈をつけて出してやる、およそ、だれが考えてもふかしぎ千万、こういうことなんですが、これはちゃんとあなたのほうで調べて、きちっと説明することになっていた項目だと私は存じておる。ですから、この説明をしてください。
  39. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) いろいろ御心配をおかけいたしましたわけですが、あの事件を契機といたしまして、防衛庁内部におきましても、大いに、そういう盲点と思われまする分野につきまして、例の事故におきまして、ことなかれという意味におきましての非常な努力をいたしました。まず関係者を懲戒免職、共犯者等につきましても、もちろんでございますが、厳重処罰をいたしました。あわせまして、ただいま御指摘のありました営門の不正出入りの関係者、監督責任者、それぞれ責任を追及いたしまして、相当処分を行ないました。一方、事件の発生直後でございますが、事故調査委員会を設けまして、事案の内容調査いたしまして、対策を検討いたしますとともに、八月三日でございますけれども、隷下部隊に対しまして、服務規律の刷新についてということでございますが、通達を出しました。八月二十五日から九月の十五日までを服務規律刷新月間といたしまして、各部隊ごとに計画的に規律刷新をはかりましたような次第でございます。さらに、この間におきまして、市ケ谷駐とん地の隷下部隊の服務査察を実施いたします等、再びかかる不祥事件を繰り返すことのないように指導いたしておりますような次第でございます。御指摘のありました、なおこまかい分野につきましては、局長より答弁いたさせます。
  40. 天田勝正

    天田勝正君 局長もまたやるとたいへんだから、まあそれでよろしゅうございます。その問題は、もちろん関連質問これはありましょうけれども、私が指摘した部分については、もう弁解されないほうがよろしいんですよ。弁解とてもできない。ただ、実情をもっと聞きたい議員さん当然いますから、それには答えていただく。  それで、さらに、さっき言い残しましたが、もう一点申し上げておきますと、さっきの市町村の募集委託費ですね、これは数千円と、こういうことで確かにそうなると思いますけれども、実は市町村の運営というのは、これは、中央の役所におる方はあるいは存じておらないかもしれないけれども、本来からすると、旧村単位でやっているのです。農協のあるところ、それから支所のあるところ、これが本来なんです。だから、市町村合併したから自動的に数千円になってきた。旧村単位に分けてごらんなさい。やっぱり四、五百円になっちまうんです。だから、私の言うた数字も、あなたの言うた数字も、間違いないのだけれども、実際の運用は支所でしょう。行って見ればはっきりわかるのです。ですから、そういうことを勘案して、要するに、それは整理するなり何なり検討してみなければならないことなんですから、申し添えておきます。  関連がありますから、私はこれで終わります。
  41. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 関連して。天田委員の問題について質問いたしますけれども、私も昔の軍隊のめしを食った経験もある。いまのような話を聞きますと、まさに奇想天外なんです。軍隊でいえば、市ケ谷の駐とん部隊なんかは、昔だったら、さしあたり近衛兵のようなものじゃないかと思う、東京にいるのですから。近衛歩兵連隊あたりに出入りが自由にできたり、犯罪を行なったりといったようなことは、これはもう考えられないことです。だから、いま、いろいろの月間を設けて何かやるというお話でしたけれども、こんなことは風紀月間とかなんとかいうものじゃないと思いますね。衛兵がいて、衛兵が出入りを取り締まるというようなことは、昔は非常にやかましくやったわけです。それから、そういう問題があれば、まず衛兵司令以下の責任を問われなければならぬ。いま編成装備が変わっておりまから、私が言うのは、昔の軍隊を想定しての話でありますけれども、衛兵の問題、それから当然昔だったら週番士官とか週番司令とかいうものがあったわけです。風紀問題が起これば、たとえば帰営時間におくれたというような兵隊が出ただけで、中隊長以下まあ大きな黒星になったわけです。いわんや、帰営時間におくれたといったような問題じゃなくて、それ以上に大きな問題でありますから、連隊長の責任あるいは週番司令とか週番士官、衛兵司令の責任、こういったようなことに私は波及せざるを得ないと思う。そういう信賞必罰というような体制が今日の自衛隊に全然ないのかどうか、単なる該当者だけの処分にとどまり、一般の隊員に対しては注意を喚起するという程度に終わるのかどうか、その辺は一体、今日の自衛隊の組織なり、あるいは編成なり、あるいはまた、昔でいう軍紀といったようなものが、どうなっているのか。昔の兵隊よりも確かにいまの自衛隊のほうが単価が高いのです。昔の兵隊は一銭五厘でもって呼ばれて、二等兵というのは、私らのときは月に五円五十銭だった。それに比べれば、今日値段がみんな上がっておりますけれども、それでも単価がうんと高くついておる。それがそういうでたらめきわまることをやっておって、適当にお茶を濁しておるというようなことは、国民の側から見れば、これはまことに心外千万と言わざるを得ない。その辺の責任のとり方、あるいは責任体制というのはどうなっているのか、ひとつ御説明願いたいと思います。
  42. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) いま瀬谷先生から御指摘でございました、昔の軍隊であると想像もつかない乱れ方であるという点は、全くそのとおりでございます。私も近衛歩兵三連隊に兵隊で所属しておりましたけれども、歩哨に立った経験もあるのでありますけれども、当時の兵隊の感覚で申し上げますと、ほんとうに想像がつかないという事件でございます。まことに申しわけないことであると反省をいたしておりますが、御指摘の第二点の関係者の処分につきましては、主犯並びに共犯の四名につきましては、懲戒並びに停職、それぞれやめさせております。なお、連隊長以下十二名につきましても、訓戒及び戒告等の処分をいたしております。
  43. 浅井亨

    浅井亨君 先ほどから同僚議員のいろいろ御質問がありましたけれども、その中で私も重複するようなところがありますが、ただ一点はっきり、私は私なりにはっきりとしていただきたいとこう思いまして質問をいたしたいと思います。  それは、この「検収処置当を得ないため不良品をそのまま受け入れているもの」この問題でございますが、このことについてこのあとに「航空自衛隊慣例にしたがい、開こんしてこん包内容の確認を行なわなかったことによるものであるが、今後は検査方法の改善に努めるとともに検査の実施についてもじゅうぶん検討する。」とこのようにあるわけなんですが、この自衛隊ができてから、もう十年間くらいたっていると思うのですが、航空自衛隊の「慣例」というのがありますが、この「慣例」というのが私にはよくわからないのですが、「慣例」というのは、どういうことなんですか。
  44. 高見豊治

    説明員高見豊治君) 御説明申し上げます。「慣例」と申しますのは、これは先ほども天田先生の御質問に御説明いたしましたとおり、こういう契約をいたしまして、品物を買います場合には、種々の、数種類の検査がございます。そのうち問題は、この受領する場合の品物を調べる受領検査でございますが、その受領検査を行ないます場合に、これは三自衛隊とも原則として開梱して品物に当たるということになっております。ところが航空自衛隊につきましては、海陸に比べまして非常に調達数量が多いという面がございます。で、そのほかに、ここに検査院の御指摘になりましたような梱包したまま補給処納入いたしまして、それをそのまま部隊にまたそのままのかっこうで補給するというものも相当数ございます。で、そういうものにつきましては、原則は全部開梱した検査をしなければならないことになっておりますけれども、そういうふうなものにつきましては、工場製造過程におきまして十分の製品検査を行ない、発送前の梱包検査を行ないますことを前提としまして、受領の際に開梱しなくてもその梱包数量だけを、規定どおり入っているかどうかを検査すればしてもよろしいという規定を設けておったわけでございます。その場合に、もちろんその受領いたしましたときに外装に異常がございましたならば、当然これは開梱して調べなければならないということになっております。ここに指摘になりましたのは、その場合、これは梱包がぬれておったわけでございますが、当時受領しましたときには、十分その点に気がつかないままに梱包しなかったために内容に変化を来たしたということで、検査官は御指摘になっております。そのように、原則は全部受領検査の場合はあけて数量を調べ、製品を調べることになっておりますけれども、ただいま申しましたような受領のものにつきましては、開梱しなくて梱包数量だけで内容もわかるというシステムになって受領検査をするというふうな規定でやっておったのを、一応「慣例」というふうにここに書いたわけでございます。
  45. 浅井亨

    浅井亨君 いま聞いておりますと、何か調査事項が多いと、また製作のときにはその工程において検査をしておるからそれで検査しなくてもいいと、こういうふうに私はいま聞いたのですが。
  46. 高見豊治

    説明員高見豊治君) ですから製造の場合に、検査には、ちょっと詳しく申しますと、たとえばこの御指摘になりました件についての検査実施要領を見ますと、工場でまず第一に材料検査を行なっております。それから部品検査を行なっております。それから工程検査を行なっております。それから製品検査を行なっております。それから包装検査を行なっております。そして数量検査のみは、こういうふうな検査工程へきますと、包装検査を受けますと、どういう包装で一個の中にどういう品物が入るということまで検査するわけでございます。そうしまして、それが梱包されて補給処に送られてまいるわけでございます。そういうふうな場合には、この個々の契約におきまする検査実施要領に、数量検査がただいま申しました共通の検査要領によって行なわれるということになります場合、包装に異常がない場合、この異常がなくてしかも内容が非常に高価のものでないとか、輸送途中でこわれやすいものでないとか、非常に重要な装備品であるという以外のものにつきましては、この補給処検査官の判断によりまして、こういうふうな種々の検査工程を経てきているものにつきましては、開梱しなくても梱包数等すでに検査でわかっております。一個の中に幾らどういうものが入っているということで数量をかけまして数量をはじき出します。それが契約と同じような形態の数字になっておりますれば、それで合格という判定をしてもよろしいという点になっているわけでございます。
  47. 浅井亨

    浅井亨君 そうすると、いま聞いておりますと、「慣例」というのは、そういうまあわれわれで言うとくせというのですか、例といいますかね、そういうふうに考えるのですが、それを慣例慣例だとこう言って見のがしていくということは、いいことですか悪いことですか。何でも「慣例」ということで、これも慣例とか、これも慣例とか。そうすると「慣例」というものは非常にとうといものになってしまって、第一義になるように思うのですがね。どうも「慣例」ということばは私大きらいなんでしてね。
  48. 高見豊治

    説明員高見豊治君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、そういうふうに検査しなくてもよろしいということでそのまま検査をずっとしていないということになりますと、こういうふうな事態も起こりますので、ことしの一月二十日に、そういうふうな規定上開梱しなくてもよろしいということになっているものについても、やはり抜き取り検査はやれということのように規定を改めまして、ことしの一月二十日からそのようにいたしております。
  49. 浅井亨

    浅井亨君 あまり「慣例」ということばに対する説明としては、私は納得はできないのですけれども、私はこの「慣例にしたがい」「慣例にしたがい」というのが、非常に気にくわないのです。その一番最後に、「検討する。」、どのような検討を経られておるのでしょうか。この「慣例」を打ち破るべくこのようにやったとか、このようにすると、こういう検討という気持ち——この「検討」ということばも、どうも私はぴんとこないんです。慣例と検討と相関した考え方の上に立って、どのようにやろうとするのか。また、どのような経過をたどってきておられますか。こういう問題について、どのようにいままでやってきたかということをひとつ御説明願いたいし、もしそれに対する資料がありましたら、ひとつ提出していただきたいと、こういうように思います。
  50. 高見豊治

    説明員高見豊治君) このことにつきましては、こういうふうに検査院が御指摘になりました直後、慣例ということばは非常に説明が十分でございませんでしたけれども、航空自衛隊では、非常にたくさんのものがそういうふうに梱包のまま入ってきて、そしてまた、たとえばこの事例にありますのは整理ボックスでございますが、こういうものはそのまま再び各隊へ補給されるようになっております。ですから、こういうようなものは慣例的に開梱しなくてもいい、規定に従いましても開梱しなくてもいいということになっておりますので、開梱せずに検収いたしておったんでございますけれども、こういうふうな指摘がございましたために、航空自衛隊の第一補給処で、もしこれを全部開梱して検査するようになりますとどれだけの人員が増になるか。また、開梱したものを再びもう一ぺん再梱包して部隊へ送るためにはどの程度の経費が要るかということを、種々資料を整えて検討したわけでございます。そうして、現在の陣容で、しかもさしたる経済的負担なくしてやれる方法とすれば、抜き取り検査はできるということになったわけでございます。そのために、ことしの一月二十日に航空幕僚監部のほうで数量検査実施基準というものを改定しまして、その中に原則は全数検査で開梱して検査することになっておりますけれども、特例的にこういうふうになっているものについては、一部の抜き取り検査をやって検査をするようにというふうな基準に改めて、現在ではそういうことでやっているということでございます。
  51. 浅井亨

    浅井亨君 いまお聞きしましたが、そういう問題について、いろいろ今後こういうふうにしたい、ああいうふうにしたいというような考えも持っておられると思うんですが、このように改善したいというお気持ちは何かありますか。あったらひとつお知らせ願いたい。ということは、ずいぶん研究しておられると思いますから。
  52. 高見豊治

    説明員高見豊治君) 防衛庁は、特に非常に多量の物品を調達いたしておりますし、そしてそれが非常に流動的に補給処から部隊へ、部隊から補給処へというふうに流動いたしております。そのために、こういうふうな調達に伴う受領、そしてその輸送、そして品物の保管等につきましては、非常にほかの官庁と違いまして、重要なことでございますので、常々各補給処その他において、どういうふうにしたならば物がうまく確実に納入され、しかもそれが確実に部隊の要請に間に合うように補給できるかということは、常々検討いたしております。今後もこういうことの起こらないように一生懸命勉強いたしまして努力いたしたいと、こういうように存じております。
  53. 浅井亨

    浅井亨君 次にお尋ねしたいのは、自衛隊の一個師団の人員のことなんですが、一個師団というのはどのくらいなんですか。
  54. 海原治

    政府委員(海原治君) 現在陸上自衛隊におきます師団というものは、三種類ございます。一番人員の多いのは九千人、正確には九千八十九人です。これが四つ。それから七千人の師団、これも正確には七千七十九名の師団が八つでございます。そのほかに北海道にあります第七師団、これは特別の機械化師団ということでございまして、その編成定員が六千七百五十五名、こういう状況でございます。
  55. 浅井亨

    浅井亨君 先ほどからいろいろと質問がありましたので重複すると思いますけれども、いま三万名欠員だと、不足していると、こういうふうに聞いておるんですが、その不足しているということですね、補充が足らぬということですか。
  56. 小幡久男

    政府委員(小幡久男君) ただいま御指摘のように約三万不足しているのは事実でございますが、これは毎年の募集で集まる人と、それから除隊していく人間とのバランスがここ数年、経済の高度成長その他によりまして相当くずれまして、その累積が今日そういうふうになっておるのでございます。
  57. 浅井亨

    浅井亨君 そうすると、やめる人と補充する人と、この二つの比率はどんな比率ですか。
  58. 小幡久男

    政府委員(小幡久男君) 主管局長が来ましたら詳しいことは申し上げますが、大体私の記憶では二万程度やめて、入ってくるものは二万七千のプランになっておると思いますが、実際はやめるものも相当ふえまして、入ってくるものは相当少ないということになっていると思います。詳しいことば主管局長から申し上げます。
  59. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) お答え申し上げます。大数的に申し上げますと、大体任期が満了いたしましてやめていく者が約一万、中途で退職する者、脱落と申しますか八千、大体そのくらいの比率でございます。昭和三十六年の例から申し上げますと、陸につきまして、著しい例は陸でございますが、陸上自衛隊の数字を申し上げますと、三十六年は大体士が七万七千四百十二名でございますが、そのうち退職した者、やめました者が一万五百五十二名、三十七年は七万六千七百二十四名のところが九千四百五十一名、三十八年が七万四百二十九名のところが八千八百七十九名。比率で申し上げますと、三十六年が一三・六三%、三十七年が一二・二%、三十八年が一二・六一%という数字になっております。これは定年並びに任期が満了いたしまして退職した者の数字でございます。  なお途中でやめてまいりました同じく陸上自衛隊の士の数字を申し上げますと、三十六年でございますが、三十六年が、現員は先ほど申し上げました数字と同じでございますが、退職者数が一万五百四十七、これは士長並びに一、二、三士の総計でございます。一万五百四十七、比率で一三・三一%、三十七年が一万八百十九、比率が一四・〇一%、三十八年が一万百六、比率一三・五六%と、それぞれなっております。
  60. 浅井亨

    浅井亨君 いま聞いていますと、満期でやめた人が一万と、それから途中でいやになってやめた人が八千、このようにちょっと聞いたんですが、満期になってやめる人が一万で、いやになって途中でやめた人が八千ということになると、このところにいるのがいやになった人が、率からいってずいぶん多いように思うのだがね、率からいって。どんな会社であっても定年退職の人、いやになってやめる人、どうもいやになってやめるというのが八千名おるというのが気にくわないんですが、ずいぶんと自衛隊というところは、いまの青年から見ればあまり好ましから、ざる存在だと、このように私は感じておるんですが、その理由をひとつ明らかにしていただきたい。
  61. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) ただいま私が申し上げました三十六年度以降の数字につきまして、途中で離職をしたものの数字を申し上げましたが、それは途中でと申し上げましても、入隊後三カ月でやめるもの、六カ月でやめるものあるいは一年ぐらいたちましてからやめるものというふうに数字が異っております。先ほど申し上げましたのは一年間にわたっての数字でございますが、大観的な数字を申し上げますと、大体入隊後三カ月ぐらいでは三%ないし四%やめております。それから六カ月ぐらいたちましてからは大体、陸の場合でございますけれども、六%から八%、こういうような状況に相なっております。最初三カ月ぐらいでやはりやめる青年諸君は、おそらく小中学校で団体訓練というようなものを受けておりませんので、やはり集団生活になじまない、拘束を受けた、ひとつの束縛をされた生活というものに反発を感じてというようなことでやめていくのではないかと思います。一つの理由はそれだろうと思います。  それから一年ぐらいたちましてからやめる方、これはやはり先ほど天田先生の御指摘のときにちょっと申し上げました将来に対する見通しといったようなものが、自衛隊に二年なり三年なりおっても、はたして公資格が獲得できるであろうかどうであろうか、あるいは二年たってやめたあと就職についてのはっきりした見通しがあるであろうかどうであろうかといったようなことをかなり考えて、そうして新しい職場を求めていくというようなことではないだろうかというふうに、大ざっぱには考えております。
  62. 相澤重明

    理事相澤重明君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  63. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記を起こして。
  64. 浅井亨

    浅井亨君 いま委員長からあのような話がありましたので、私も簡単に質問を済ませたいとは思っております。もうしばらくの間お願いしたいと思います。  それで次にお伺いしたいのは、三十七年度の防衛企画には九百億円ですか、これをアメリカから資材として援助するということになっておったのですが、昨今どうやらドル防衛関係でございますか知りませんが、減らされているわけなんです。六百億と聞きましたが、そうすると差額が三百億というのが出てまいりますが、こういうことに対しまして防衛計画に支障がありはしないか、またそれをどのようにおやりになるおつもりでしょうか、これについてひとつ御説明願いたいと思います。
  65. 國井眞

    政府委員(國井眞君) ただいま米国の軍事援助の御質問でございますが、私どもが期待をいたしておりました軍事援助額で、今回のアメリカの方針等によりまして期待ができなくなった額は約三百四十億程度でございます。これにつきまして内容を検討いたしますと、さしあたり緊急に必要だと考えられますのが約百六十億程度でございますが、このうち四十年度の予算要求におきまして国内への予算転嫁ということで約九十八億程度を要求いたしております。残りにつきましては、さらに後年度にわたって手当てをしていきたいとかように考えております。
  66. 浅井亨

    浅井亨君 いま、そういうふうにとにかくドル防衛であるか知りませんけれども、資材の購入もできないというようなことになりますと、なかなかどうしても必要な百六十億といま聞きましたが、そういう問題からしてこの防衛計画の面にも一つの支障がくると思います。また防衛それ自体のほんとうの本来からの意義から言っても、そういう場合には縮小していこう、こういうようなお気持があるでしょうかないでしょうか。それをひとつお願いしたい。
  67. 國井眞

    政府委員(國井眞君) 先ほども申し上げましたように必要なものは、国内予算に転嫁をすると申しますか、国内予算の要求をいたしまして、従来の私どもの防衛計画を遂行していきたい。かように考えておるわけでございます。
  68. 浅井亨

    浅井亨君 ということは、いわゆる国民の税金にしわ寄せをしてくる。こういうように私は考えますので、こういうことは私は反対いたします。  次いで時間もありませんので、一つ一つお聞きしたいと思いますが、自衛官はいつでもやめられるのでしょうか。
  69. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) お答え申し上げます。自衛官がやめたいというふうに退転を申し出ました場合には、防衛庁の長官またはその委任を受けた者が承認をいたしますと、原則として退職はできるわけでございます。
  70. 浅井亨

    浅井亨君 そうすると、やめますが、まあ一ぺんにがさつとやめることもないと思いますけれども、そういうようなときにもし事故が起こったと、そうすると作戦上支障を来たすのじゃないかと、こういうふうに私は考えるわけなんですが、そういうような実態は起こらないと、こういうお気持ちなんでしょうか、どうなんでしょうか。
  71. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) 平時の場合にはやめたいと言って退職を申し出ました場合には、いま申し上げましたように原則として、退職は承認をいたすものというふうに考えられておりますが、しかしたとえば出動しなきゃならないというような緊急事態の場合等におきましては、ほしいままに自衛官が職務を離脱する、やめていくということに対しては、自衛隊法は懲役または禁錮の罰則を設けてこれを禁じております。また同時に平常時におきましても、部隊の訓練をいたし教育をいたしております間に、自衛隊各個人が、隊員各個人がすべて使命を自覚して、どういうような事態においても動揺をし、ほしいままに職務を離脱するというようなことがないように教育をいたしておりますので、そういうような事態が起きたときにも、いま先生が御指摘になりましたような大量の離脱というようなことはないのではないかというふうに考えております。
  72. 浅井亨

    浅井亨君 いまそういうときもありますが、そういうときに対してもたいへんだと思いますが、平生からそういう自衛隊員に対してそういう場合の精神訓練といいますか、またその指導といいますか、そういう面についての内容をひとつお教え願いたい。
  73. 堀田政孝

    政府委員(堀田政孝君) これは教育訓練の問題でございますので、教育局長からお答え申し上げるのが筋かと思いますが、私どものほうに関連のございます点で申し上げますと、大体そういうようないま先生が御指摘になりましたような、ほしいままに職場を離脱する、あるいはやめていく、あるいは大量にやめていってしまったというような事態は、今日までございません。
  74. 浅井亨

    浅井亨君 防御産業が防衛庁納入する製品金額ですね。そして総生産額の中に占める納入の割合、こういう資料がございましたら、ひとつお出し願いたいと思うのですが、いまお手持ちになりませんね。ありましたらば何ですが、一応この資料を私いただきたいと思うのですが。
  75. 國井眞

    政府委員(國井眞君) 御指摘の御質問防衛産業の中で各企業が防衛庁納入しておる額はどれくらいかと、こういうことで理解をしてお答えをしてよろしゅうございますか。
  76. 浅井亨

    浅井亨君 はい。
  77. 國井眞

    政府委員(國井眞君) 私のほうで手持ちしております資料でただいま申し上げますのは、昭和三十八年度におきます防衛庁との契約高で申し上げたいと思いますが、十億円以上の企業が十五社ございます。企業別に契約額の概数を申し上げたいと思います。新三菱重工業これが約五十五億円、それから石川島播磨重工業これが約五十三億円、三菱電気約二十八億円、川崎重工業約二十三億円、川崎航空機工業約十九億円、日本電気約十六億円、住友商事約十五億円、三井造船約十五億円、浦賀重工業約十四億円、日本石油約十四億円、富士重工業約十二億円、三菱造船約十二億円、日本航空機製造約十億円、新明和工業約十億円、モービル石油約十億円、端数を切り捨てました概数で申し上げました。
  78. 浅井亨

    浅井亨君 次に、防衛局長にちょっとお伺いしておきますが、防衛に関する防衛庁の基本的見解と、それから防衛庁自衛隊の将来をどのように考えておられますか、この二つをひとつはっきりとお答え願いたいと思います。
  79. 海原治

    政府委員(海原治君) 私ども防衛庁の国防に関しての基本的な見解ということになりますと、先年定められました国防の基本方針に明らかにございますように、国際連合というものが有効に各種の紛争を処理できるようになりますまでの間は、アメリカとの間の日米安全保障体制というものを前提にしてやるんだ、これが第一点でございます。次には、第二次防衛力整備計画にもございますように、私どもの対処する脅威の実態につきましては、いわゆる在来兵器というものを使用しました局地戦以下の侵略、こういうものを前提に私どもの防衛力をつくり上げていく、これが第二点でございます。この防衛力の整備は、さらに国防の基本方針にございますように、国力、国情に応じたものでなければならないということで、現在は第三次防衛力整備計画というものがございまして、これに基づいて毎年の防衛力の整備をいたしておる、こういうことでございます。
  80. 浅井亨

    浅井亨君 以上のことをお聞きいたしまして、また次の機会に御質問申し上げたいと思います。  次に、検査院のお方にお聞きしたいと思うのですが、近ごろは科学技術が非常に向上してまいりましたので、防衛力の整備のほうも、ずいぶん問題だと思うのです。だから検査院のほうでも、こういう科学技術にたんのうな人を置かなければたいへんだと思うのですが、こういう問題はどのようになっておるのでしょうか、お答え願いたいと思います。
  81. 樺山糾夫

    説明員(樺山糾夫君) 防衛庁関係検査をいたしております防衛検査第一課は定員五十二名でございますが、その中に理工系関係の学校を卒業しましたいわゆる技術者というものが約六名おります。御質問のように防衛関係のいろいろの技術的な兵器その他につきましては、非常にむずかしい問題でございますが、そういった一般的な技術につきましては、そういった配置によりましてできるだけの検査をしていきたい、こういうふうに考えておりますが、なお、院内の研修とかそういったものによりまして、技術的な点につきましても今後努力していきたい、こういうように考えます。
  82. 浅井亨

    浅井亨君 そういう能力のある人が担当しないと、なかなかむずかしいと思いますが、いまおっしゃったような研修計画と研修科目、研修を受けた人の数、講師、そういうものの詳細の資料がおありでしたら、ひとついただきたいと思うのです。まあなければつくって出してもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
  83. 樺山糾夫

    説明員(樺山糾夫君) ただいまちょっと手元に持っておりませんが、あとから提出いたします。
  84. 浅井亨

    浅井亨君 以上です。
  85. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 先ほど自衛隊の欠員の状況についての質問があり、その答弁として十月以降成績がよくなっているというおことばがありました。その十月以降成績がよくなっておるが、それはオリンピックの影響があるんじゃないかという意見だったと思いますが、オリンピックというのは、いわばショーなわけです。ああいうものでもってかっこうのいいところを見せれば入隊者が多くなるというのは、まことに考えてみると心もとないわけです。来年じゃあ成績が悪くなったら、毎年じゃあオリンピックやるかというと、そうはいかない。これはもう当分機会がないわけです。すると、オリンピックが忘れられたあとでは、ちょっと成績がよくなる当てがないというようなことになっちゃう。そういうようなことは、私は根本的な問題ではないんじゃないかという気がします。逆の言い方をすれば、中小企業の倒産が十月以降、十月、十一月、十二月と新記録をつくっているわけです。失業者がそれだけふえているということになる。これと関連があるかもしれないということも考えられるのじゃないかと思います。一体その辺はオリンピックで何となく自衛隊に対するムードがよくなったというだけでもって律してよいかどうか。中小企業の倒産等による失業者等がふえてきたということがひっかかっておるものか。一体どちらかということも考える必要があるんじゃないかということでありますが、政務次官がお見えになっておりますが、その点について政務次官のお考えをお聞きしたいと思います。
  86. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 先ほどの人事局長答弁によりますならば、全部が全部、最近の趨勢としましては、行なわれた最近のオリンピック、それがきわめて自衛隊の入隊の高率を示しまする最大動因であるというような印象での御答弁であったと思うのでありますが、もちろんそれだけではございません。その一端を示すものには違いないのでございますが、たとえて申しますと、最近自衛隊におきましては、国民とともにあらねばならないというような主義にのっとりまして、きわめて年ごとの予算増高の面におきましても、いわゆる部外工事というものの推進をはかっておるのでございます。その部外工事の、これまたその大半を示すという意味で申し上げたのではございませんが、その一半をもたらすものであるという意味でのことでございますけれども、これがもう全国で非常な好評を得ておるのであります。その規律正しい朝な夕なの訓練の場、仕事に対する熱意の度合いというようなものにつきましてまのあたりに見ました若き者は、非常にいわゆる自然自然のうちに相当長期にわたりまする個所多い事情もございまして、自然と自衛隊に対する認識の度合いがずいぶん高まってきたというようなことで、私は最近におきまして、自衛隊に入隊者の比較的高率を示しておりまする原因の一つに数えられるものではなかろうかと思うのでございます。  まあ御承知のごとく、実は、私は新潟県出身でございますが、最近、新潟県の自衛隊に対する希望者と申しますか、募集の成績がきわめていいのであります。それば、ひっきょうするに、今年でございますけれども、不幸でございましたが来襲いたしました新潟地震、あるいは集中豪雨、あるいは豪雪時におきまする自衛隊の活躍等々ございました。それをまたまのあたりにいたしました事情もございまして、にわかに新潟県下からの志望者がより多くなってきたというようなことを考えますると、私のただいま申しましたような事情がむしろ大きな原因の一つではなかろうかというようなことで、率直に申し述べまする次第でございますが、なお、その他に目に見えないものといたしましては、先ほど先生の御指摘がありましたように、現在の経済事情というようなものの影響力——きわめて倒産者が多くなってまいったような事情もございまして、こういう不景気時代においては、思い切って規律正しい自衛隊にというようなおもんぱかりもございまして、これもまた全部ではございませんけれども、一半は必ず占めておるというふうに確信いたしておるような次第でございます。
  87. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 いままでの御答弁を聞いておりますと、自衛隊の人気というものは、地震、災害、オリンピック、こういうようなところに人気を求めておられるような気がするわけでございます。しかし、本来の目的というのは、自衛隊法などで一番基本になっているのは、そういうことではないはずだろうと思うのであります。いままでの浅井さんに対する答弁の中に、いやになってやめた者がかなりある、その理由としては、集団生活になじめないということがあげられるんじゃないかという御答弁がありました。集団生活になじめないというように言われましたが、確かにそれはなじめない者は集団生活になじめないかもしれないけれども、なじまない者にはなじめないだけの理由があるのではないかということが一面において考えられるわけです。その辺の反省がないと私はまずいような気がいたします。そこで、関連して考えられますことは、もしも自衛隊の入隊者に何かなじめないというようなものがある、あったからこそやめる者がいたわけですが、その一つを考えてみると、制度の上の欠陥というものがないのかどうか。昔の軍隊では、いやになったからといってやめるわけにはいかなかった。ぶんなぐられても、けっ飛ばされても、食いものが悪くても、給料が安くても、いやだから帰るというわけにはいかなかった。いまは、ひどいことがあればやめるという手がある。だから、それらは昔の軍隊の悪い影響が今日残っているというようなことはないのか、どうかという懸念が一つ。  それから思想の自由について、はたして、これは教育の問題でありますが、保障されているかどうかということが一つあります。ここに海上幕僚長の杉江何がしという人のパンフレットがありますけれども、この海上幕僚長のパンフレットを読んでみますと、非常に一方的な意見が中に介在をしております。たとえば海上防御がわれわれの生存を維持するための道であることが徹底すれば、観念的な中立論や無防備論は雲散霧消するものと信じますというようなことが書いてある。明白に野党第一党の社会党の中立論に抵抗をしているわけですが、この野党第一党の方針に露骨に非難、攻撃を加えるということは、これは個人の自由かもしれませんけれども、幕僚長という立場でこういうかってな思想が自衛隊の全員に強制されるというようなことは、あるのかないのか。もし強制されるとすれば、思想の自由というものは、自衛隊の中においてはないということになるし、また、これは海上幕僚長のこの思想に基づくなら、この海上自衛隊というものは、どんどんもっと拡張しなければならぬ、帝国海軍を再現をして、原子力潜水艦を多数装備するということが窮極の理想になってしまう、これは現行憲法というものを無視していくということになってくるわけでありますけれども、防衛庁は現行憲法を守ったほうがいいという思想を隊員から排除していくという考えなのかどうか。これは積極的に排除するか消極的に排除するか別として、そういったような方向がありはしないかという懸念がひとつ出てくる。その点についての教育面の指導方式というものについてお伺いしたいと思います。
  88. 島田豊

    政府委員(島田豊君) ただいま自衛官の教育の問題について、いろいろ御質問がございました。自衛官の精神教育でございますけれども、これはあくまで憲法のもとにおきまして民主主義を基調とした自衛隊の使命、任務に対する観念を徹底させる、こういうことが基本でございます。自衛隊法におきましては、五十二条におきまして服務の本旨を規定いたしておりますが、それを根幹とし眼目といたしまして、ただいま申しましたような民主主義を基調とした自衛官の使命を自覚させ、さらにまた、当然こういう部隊の組織であり、特殊な任務を持っておりますので、旺盛な責任観を涵養する、また規律を厳守する、あるいは団結を強化する、こういう要素が必要でありますし、今日自衛隊員は国民とともにあるという観念から、健全な社会人としての良識を身につけるという方針で教育をいたしておるのでございます。  特に思想教育ということにつきましてのお尋ねでございますけれども、自衛隊におきましては、特別の思想教育、また特定の思想を隊員に押しつけるというふうな教育はいたしておりません。ただ民主主義国次における自衛隊のあり方につきましては、使命の問題と関連しまして観念を徹底させる、こういうことをやっておりますけれども、特定の思想、特定の幹部の考え方を強制する、こういうことは考えておらないのであります。また実際にやっておらないというふうに考えております。
  89. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 先ほどの御答弁の中に、基本方針としては日米安保条約に基づいてやっているのだというお話がありましたが、中共の核実験という事実がございましたが、中共の核実験を口実にして、アメリカが極東における軍事的拘束力を強化しようとする意向が安保条約の新しい体制として芽ばえてくる可能性が出てきたわけであります。これは新しい安保体制の検討ということで、一応外務省筋の見解として否定されているような記事が新聞に出ておりましたけれども、アメリカの軍から何か軍事的な拘束力を強化をするという希望の表明があったかどうか。また、かりにそのような事実があった場合に、これを拒否していくという意向が自衛隊側にあるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  90. 海原治

    政府委員(海原治君) ただいま先生のおっしゃいましたような申し入れはございません。また、将来そのような申し入れがあるとは考えておりません。
  91. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それでは、今度は基地の問題について若干お伺いしたいと思います。  現行の安保条約のために米軍基地が設けられ、あるいは射爆場が設けられて、それがたいへんに付近住民に迷惑をもたらしているという事実があるわけでありますが、先ほどの、これは厚木航空基地の問題でありましたか、御報告によると、基本的人権の侵害かどうかはにわかに決しがたい、こういったようなことばがありましたが、調査検討といったような紋切り型の逃げ口上でもって問題を避けているような印象を受けたわけであります。しかし、この厚木基地にいたしましても、あるいは水戸の射爆場にいたしましても、付近の住民から移転、返還等についての要請、請願書が出ていることも事実でありますし、水戸の射爆場に至りましては、もう県会の決議として再三再四申し出られているというのも事実であります。先般の某週刊誌には、基地周辺の住宅街、学校の悩みが出ておりましたが、これはもう基本的人権侵害かどうか、調査検討してにわかに決しがたいなどという段階のものじゃないと思う。もはや明白なる事実である。墜落事故もあった。爆音の被害等についてはもう歴然としております。ということになれば、いたずらに時日を遷延をしてこれらの問題の解決を渋るということは、住民にとってはまことにこれは不誠意きわまることになってくるのであります。直ちにこのような問題についての解決をはかるということが為政者としての当面の急務ではないかと思うのでありますけれども、厚木基地あるいは水戸射爆場等の移転、返還といったようなことについては、積極的にこれを推進をするという考えがおありかどうかについてお伺いしたいと思います。
  92. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 先ほど人権擁護局のほうからの御答弁がございましたけれども、これに関連いたしまする施設庁の考え方についての御質問であろうと思われるのでありますが、要は、当庁におきましては、おも立った飛行場周辺におきます騒音及び危険等の防止措置等といたしまして、従前から飛行及び騒音の規制並びに学校等の防音工事、家屋移転、あるいはまた農耕阻害補償等を実施をしてきたところでありまするが、御指摘ございましたように、航空機の発展に伴いまして騒音度が非常に高まってまいりました。そういう傾向であるばかりでございません。最近におきまする航空機、特に関心を深めました動因は、事故の多発でございますが、それらの事例にかんがみまして、この種の施策をさらに強化実施しようという気がまえでございます。そのほかまた、飛行場周辺の安全対策を確立するために、今後におきましては飛行場の進入表面下の地域に近接いたします区域を非居住区域として取り扱いまして、その区域内に居住しないようにするという措置を積極的に進めてまいろうという考え方でございます。したがいまして、この根幹精神にのっとりまして、大蔵省折衝の場におきましても、御指摘になりました厚木ばかりでございません、横田にいたしましてもそうでございますが、当庁といたしましては、非常な大幅増徴を見込みまして、強い態度で迫っておるような次第でございます。  さようにいたしまして、第一次査定におきましても、相当、予定いたしました——むしろこの程度の要求額であるが、ことしはこの程度で済むであろうと思われますもの以上の予算の裏づけを得たような次第でございます。したがいまして、今後におきましては、これらの問題につきましても、当庁といたしましては積極的な気がまえで臨むことができやすい環境になったと思うのでございます。
  93. 相澤重明

    理事相澤重明君) 委員長からちょっと関連して長官にお尋ねしておきたいのですが、横田や厚木の集団移転要求については、どの程度第一次査定でできたのですか、予算は。
  94. 小野裕

    政府委員小野裕君) ただいまの段階ではっきり申し上げられますことは、そうした該当地域の中の住宅の移転とまた進入表面下の土地の買収というものとを合わせまして、大ざっぱに申しまして約五億程度認められておる状況でございます。
  95. 相澤重明

    理事相澤重明君) 鈴本人権擁護局長に、先ほどの瀬谷委員質問に対する答弁を。
  96. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) 根本的にと申しますか、一般的に考えまして、基本的人権といわれるものを侵したという、いわば被害が発生した、それだけの事実でもって、直ちに人権侵害と言えるかどうか。これはやはり相当法律的にも考えなければいけないのでありまして、たとえば天災によって生活が非常に侵されたというだけでは、これは人権侵害にはならないだろう。やはり何らかそこに主観的な要件と申しますか、少なくともそれが人の行為に基づくものであり、努力次第によってはこれを防げるのに防がなかったというふうな要件が必要なのではなかろうかと、かように考えられるわけでありますが、事をいまの航空機の、特に基地における航空機の騒音による被害ということにしぼって考えてみますと、まず、その被害の程度、これは従来しばしば御説明いたしましたように、一般的に申しますと、その程度が今日のいわゆる社会人としての健全な社会感覚に照らしまして、この程度はもう受忍しなければいけないという程度、その程度を越えているかどうかということを一般的には言えますけれども、具体的な問題になりますと、そのときの状況によって変わってくるのであります。先ほど御説明いたしましたように、飛行機の騒音につきまして、これは時々刻々変わっていく、また季節、天候等によっても変わっておるのでありまして、これは私どもの現在の調査の段階では、その時々刻々変わっておるその状況をすべてキャッチするということは困難であります。  それから第二番目に、その発生を防止、軽減する、あるいは一たん発生したものが伝わるということを阻止あるいは減少する方法があるかどうか。これは私ども常識的にはいろいろ聞いておるところでありますけれども、事はやはり技術的、専門的なことになるのであります。しかも、同じくこの防止、軽減あるいは阻止、減少の方法があるといたしましても、これはばく大な費用を要するということになると、これはやはり国家財政や、その他の関係で問題になりますので、やはりそこにはおのずから一定の限度があると思われるのであります。そういった関係で、人権擁護機関といたしまして、さらに調査を進めて結論を出すというのよりも、幸いにして防衛施設庁方面におかれましては、そういった専門家もいらっしゃいます。また、米軍とも常時接していらっしゃいまして、航法等具体的にお知りになるというのにも好都合であろう。他面当委員会における御答弁を伺っておりましても、決して現在これは国防目的のためであるから付近の住民は当然これを忍容すべきだというふうな考えは全然持っていない。できるだけの措置を講じて被害の減少をはかりたいというふうなことは、従来しばしば御説明があるのでありまして、そういたしますと、これは、私どもでこれ以上担当しますよりも、従来の調査の結果を防御施設庁に御連絡申し上げまして、さらにこの点について必要があれば調査をされる。そして付近の国民の生活権といいますか、その人権尊重という観点からできるだけの措置をお講じになることが適当であろう、このように考えまして、一応この時点の結果を御通知申し上げるということで、厚木基地問題の結論を出した次第でございます。
  97. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 失礼だけれども、たいへん、どうも歯切れが悪くて要領得ない点が多いわけです。事実は明白なんですね。アメリカの戦闘機F8Aクルーセーダーの事故がこの間十二月八日に勃発をしております。それから騒音でもって住民が困っておるということは、調へなくたって——いまさら調査検討という段階ではなくて、週刊誌等においても報じているということになると、これはもう明白な事実じゃないかと思うのです。何か奥歯にもののはさまったように、時々刻々に変わるとか、季節、天候によって左右されるとか、人の行為であって天災でないことが必要だとか、こういうようなことですが、これはもう天災じゃないことは明白ですね。露なら夏場しか落ちないのですけれども、この基地周辺の飛行機の場合は、雷と違って、これは年がら年じゅう墜落の危険がある。いつ何どき落っこちてこられるかわからない。無責任なやつは、乗員だけ飛び出して、飛行機はかってにそこらここらに落っことしていく。こういうのがいままでの実例であるのですよ。であるとすれば、今日までの事実に基づいてもうすみやかに処理をするという段階ではないかと思う。どうもその点いろいろと言いのがれのようなことばかりやっているような感じを受けるわけなんでありますけれども、私は、はたして今日の段階において、あらためて調査してみなければわからないのかどうか。また、いままでよりも、じゃ、だんだんと飛行機が静かになって、住民に対する迷惑の度合いが希薄になっていくという見通しがあるのかどうか、ほっておいて。そういう見通しがあるなら別です。見通しがないとすれば、調査とか検討とかいうことをいま言うべき段階ではない。そういう言いのがれ的なことを言うべき段階ではないと思うのでありますけれども、すみやかにこれは勇断をもって措置すべき段階ではないのか、そういうふうに認識をしていられないのかどうか、その点をひとつ明確にお答え願いたいと思います。
  98. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) 先ほど御報告いたしましたとおり、基本的人権尊重観点から、このまま放置することはできない問題である。したがいまして、担当行政機関であるところの防衛施設庁におかれまして適当な措置を、これはもちろんすみやかに講じていただきたい、こういう結論でございます。
  99. 相澤重明

    理事相澤重明君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  100. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは速記を起こして。
  101. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 この関係の施設庁長官のほうで直ちにこの問題についての解決策を講ぜられるのかどうか。そういう準備があるのかどうか。  それから、先ほど五億円計上というような答弁もございましたが、これで間に合うのかどうかということもあわせてお答え願いたいと思います。
  102. 小野裕

    政府委員小野裕君) いろいろな対策につきましては、先ほど政務次官から申し上げましたように、従来からもいろいろと心がけてまいったわけでございます。ただ、これが十分でないという点については、地元のおしかりを受けております。私どももこれで十分だとは思っておりません。まあ年々これを前進さしていく努力を続けてきておるわけでございます。まあこのたび人権擁護局のほうから、そうした御通知をいただき、さらに独化してほしいという御要望もあったわけでございますが、当然これは考えておることでございまして、ただ、これがどのスピードで、どのピッチで進められるかというところに問題がございます。私どもとしては、できるだけ積極的にこの道を進めてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。そういうような意味でたとえば進入路表面下の一定地域内の住宅の移転というようなことにつきましても、従来も実施しておったのでありますが、今後は計画的にできるだけ大幅にこれを実施したいということでいま計画を立てておるわけであります。  先ほどお答えいたしました予算の金額等につきましても、これは当面の措置でございまして、私どもとしては、それだけではもうほんの一部でございまして、今後何年かかりますか、できるだけ早い機会にやりたいと思いますが、長期計画の中でもう少しまとまった計画は持っております。ただ、来年度の予算といたしましては、とりあえずこういうことで実効をあげてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  103. 北村暢

    北村暢君 ただいまの答弁で、大体その人権擁護局の勧告のあったものに対して措置するとすれば、一体どのくらいの予算が要るのか。そのうちの、五億というのは、一体、ただ五億と言われても、総額どのくらいかかるのかわからないのに、今年度は五億です、こう言われても、今後何年間でこれ解決するのか、ちょっと私どもにわからないわけです。その点ひとつ明確に御答弁を願いたいと思います。  それからもう一つは、ここにだいぶ会計検査院指摘事項が、学校の防音装置の問題について指摘事項が出ているようでありますが、これについて、大蔵省の司計課長も見えておりますから、主として大蔵省にお伺いいたしたいと思うのですが、この防音のための学校の改築、木造の鉄筋コンクリート化、こういうようなことについて、これは最近の学校はもうほとんど鉄筋で建てるようになってきている。防音のためでなくても、そういうふうな方向に今日きているわけですね。また、災害等があってその災害復旧等についても、学校の復旧工事は、改良復旧工事ということで、木造であるものが鉄筋に変わって改良復旧をやっておる。こういう実情にあるわけです。ところが、この決算報告を見ますというと、騒音の対策としての費用が、不用額として、二千五百二十五、六万不用額というような形で出てきている。これはどういう理由であるのか。この基地周辺の学校の授業に差しつかえておるということは、これは一般住宅が騒音に苦しめられておるのと同じように、これははっきりしていると思うのですね。そしてまた、対策の早急に実施せられることを望んでいるはずなんです。それにもかかわらず、予算がマイナスになって使い過ぎだというのならいいけれども、残しておるというのはどういうことなのかわからない。それで大蔵省としては、騒音対策としての補助率といいますか、全額補助になっているように書いてありますが……。
  104. 相澤重明

    理事相澤重明君) ちょっと北村君に御連絡いたしますが、大蔵省の担当者はちょっと見えておりませんので、いま呼びに行きましたから、一応、小野長官のほうの答弁だけ先にさせますから、それで会議のほうの関係がありますから、御了解いただきたいと思います。  続けてください。
  105. 北村暢

    北村暢君 来てないようではぐあいが悪いのですが、大蔵省にやはり問題あるのですね。皆さんが要求しても大蔵省が認めないから、今日、こういう問題が起こっているわけです。ですから、大蔵省におきゅうをちょっと据えておかないとぐあいが悪いわけなんですが、災害復旧のときの補助率と、こういう騒音対策のときの補助率と、一体どういうふうになっているか。こちらのほうが補助率が高いのかどうかというようなことですね。こういう点もひとつお伺いしておきたいと思います。これはもう私は、騒音対策は、災害と同じ、より以上の問題だ。天災はしかたないと言うけれども、これは明らかに人災でありますから、これは予定せられる、わかっていることであります。したがって、天災より以上にすみやかに計画的に処理せられなければならない、このように思うのです。したがって、天災の復興だって、復旧事業は大体三年くらいで片づけてしまう。ところが、騒音対策なり何なりというものは、人権擁護局の結論を待ったり、調査したり、何だかんだということで、何年たっても解決しない。毎年の予算、決算で問題になる。これでは私は理解できない。したがって、先ほどの五億という問題についても、一体その五億が何百億の五億なのか、何年計画でこれが解決するのか、これをひとつはっきりさせていただきたい。  それからもう一つは、東京周辺相当自衛隊、アメリカの空軍基地があるわけでありますが、これは防衛計画上どうしてもこの付近に置かなければならないのか。現状はいまどのような形になっているのか。基地の配置の状況を御説明願いたい。と同時に、防衛上どうしてもそこに置かなければならないかという問題であります。これは東京の国際空港の建設がいま問題になっておりまして、その予定地がなかなかないわけであります。千葉県にいま、予定されているのでありますけれども、なかなか簡単に、地元関係でうまくいかない。こういう状態にあるので軍用基地自衛隊基地等の転換によって、こういうことは考えられないのかということなんですが、そういう意味から、東京周辺自衛隊基地、アメリカの基地の配備状況、それがどうしても移転できないものか、こういう点について、専門的な立場から御意見を伺っておきたい。
  106. 相澤重明

    理事相澤重明君) 北村君にお願いいたしますが、官房長は帰していいですね。——それからなお政務次官おりますから。それから施設の関係は施設部長もおりますから、一応小野長官から御答弁をいただいたら、会議のほうに行っていただくということで御了解願います。
  107. 小野裕

    政府委員小野裕君) まず、予算の関係でございますが、五億ということを申し上げましたのは、そういうようなお尋ねに対して五億ということを申し上げたのでありますが、基地対策全般といたしましては、本年度昭和三十九年度におきましては、自衛隊並びに駐留軍の基地施設に関連する経費といたしまして、いわゆる基地対策の経費といたしまして約百億、実は本年度は計上してございます。実行いたしております。四十年度はもちろんそれを上回った仕事をいたしたいということで目下折衝中でございますが、そういうような百数十億といううちに、いま新しい口で五億ということが入ったわけでございます。これは最終的な決定でございませんので、はっきり申し上げることは控えたいと思いますけれども、全体の、現在、騒音対策を含めまして一切の基地対策の経費というものは、現在のところ約百億というところで実施しておる。そのうち学校の防音等につきましては、本年度で四十億、来年度はさらにそれ以上のものをやりたいと考えております。  学校につきましては、いつまでかかるか、あるいは基地対策全体がどういう長期計画だ、いつ完了するのだ、こういうお話でございますが、いろいろな問題がございまして、早急に片づくものもあり、また、常時続く問題もございます。学校等につきましては、すでに百数十億の防音装置の補助をしてまいっております。過去十何年の間に百億以上の補助をしてまいっておりますが、最近この一両年ピッチを上げまして、本年度は四十億というものをやっておる。来年度はそれ以上をやりたい、こういうふうに考えておるわけであります。  全体の計画等を申し上げれば非常に時間もかかりまするし、複雑なことになりますので、この席では控えさしていただきたいと思いますが、大体いまの基地対策に要する経費というものはあらゆるものが入っておるのでありますが、それを全額を伸ばして、できるだけ大きく伸ばして、早くその成果をあげたい、こういうふうに考えておることを申し上げたいと思います。  それから、基地の設置、配置の問題については、防衛局長お答えになることであると思うのでありますが、私どもの関係といたしましては、現在の米軍に提供しております基地については、移転、撤去等について地元の御要望のあるものは多々ございます。しかし、これを関東の周辺等におきまして再調整をするというようなことについては、非常な困難な事情がございまして、いろいろ苦心をしておるということを申し上げまして、また、いますぐに解決がなかなかできないということを申し上げまして、あとは防御局長からの御説明をお願いしたいと思います。
  108. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  109. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記を起こして。
  110. 海原治

    政府委員(海原治君) 東京の周辺にございます日本及びアメリカのいわゆる卑下基地というものについてのお尋ねでございますが、私どもが考えておりますところは、先ほども他の委員の方の御質問お答えしましたように、わが国の安全というものは、日本とアメリカとの安全保障体制というものがその大きなささえになっておるというふうに考えるわけであります。今後ともこの日米安保体制というものを大前提として、わが国の安全を守るという考え方でおります。このような考え方で考えますというと、そこには当然にアメリカに対して基地を提供する必要が出てまいります。この点において問題になってまいりますのは、日本は南北に細長い島国でございます。結局この首都東京のございます関東地方というものは、ちょうど扇のかなめのような位置にございます。したがいまして、通信その他の点から申しましても、どうしてもここに一つの指揮的なものが集まってくることは、これは軍事常識上やむを得ないというよりは、むしろ当然のことでございます。さらには、従来からの施設が現にそこにあるわけでございます。こういうことを考えますというと、先ほど施設庁長官のおことばにもありましたが、たとえば横田であるとか、立川であるとか、こういう基地をほかへ持っていくにしましても、これにかわるべき土地がまずない、それに対する管制その他の通信面等を考えてみますと、結局白紙的にはどっかに適地があるのではないかというふうに考えられましても、具体的に現在のいろいろな条件を考え合わせますと、結局ほかにこの基地を移すということはきわめて困難であるという結論にならざるを得ないわけであります。この点はひとつ現実の条件というものをお考えいただきたいと思います。たとえば、わが陸上自衛隊につきましても、この東部方面の管轄区域内には約四万四千の陸上自衛隊員、定員でございますが、これは配置されております。十七万一千五百名の総定員に対して四万四千ほどをこの周囲に配置するということは、それなりにいろいろな事態を考えました意味があるわけであります。先ほど申しましたように、現在ありますところの日本及びアメリカの基地というものは、私どもの立場からいたしますというと、それぞれに重要な意義を持っておりますし、それに全然異なった場所にこれを移すというようなことは、まず実際上きわめて困難である、こういうふうに考えております次第を御了承願いたいと思います。
  111. 北村暢

    北村暢君 それじゃ政務次官にお伺いしますが、先ほどの施設庁長官の答弁で、災害の復旧なら三年計画で大体終わっちゃうのです。ところが基地の、しかも総体の施設関係の予算を聞いたのじゃなくて、私は人権擁護局から指摘をされておる騒音対策としての直接の費用が、一体これを解決するとすればどれくらいの費用が要るのか、そうしてそれに対して五億くらいことし認められたそうだ、こういうことのようだけれども、基地問題としての総体の予算を聞いているわけじゃない、人権擁護局の問題として指摘をされている問題について一体どれくらいの予算がかかるのか、それのうち五億程度をやるというのか、それを聞いているのだけれども、どうもはっきりしません。大体何カ年計画くらいで問題が処理されるのか、しないのか、ここを聞いているわけです、この点ひとつ御答弁願いたい。
  112. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 大体当庁といたしまして見込んでおりまする数字は、三十億、これもまた大体でございますけれども、長くて四年、うまくいきまするならば三年程度で解決したい、こういう見込みでございます。
  113. 相澤重明

    理事相澤重明君) 政務次官から若干御説明をいただいて終わりたいと思いますが、最初に、防衛庁長官や施設庁長官はおりませんが、政務次官がおりますので、一昨日全国の都道府県知事あるいは市町村長が大会を持って、基地周辺の民生安定法を制定してもらいたいということで、内閣総理大臣や防衛庁長官にお申し入れになった、このことについて防衛庁としてはどういうお考えでおるのか、最初にひとつお答えをいただきたい。
  114. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 具体的の問題につきましては、施設庁長官はおりませんけれども、施設部長が通暁しております。せっかく勉強しておりますから、お答えを願いたいと思うのでありますけれども、先般の決算委員会に出ました場合、私の立場でお答えしたのでありますが、民生安定ということにつきまして、特に、おそらくは基地周辺の問題がその核心であろうと思われるのでありますけれども、そうした面については、私初め長官といたしましても、最も頭を痛めまして熱意を持って対処いたしておりまする重要問題となっておるのでございます。したがいまして、一応の方針を打ち立て、またその予算の裏づけ等につきましても、あとう限り折衝をいたして今日までまいっておるのでありまするけれども、小さいものではございましょうけれども、不足であるという先ほどのお尋ねでございますけれども、おそらくは数年の過去の過程を顧みましても、この騒音防止対策につきまして五億以上のものの裏づけがとられたというゆえんのものも、当庁の熱意のほどもひとつおくみ取り願いたいということなのでございますが、これもただいまの民生安定の最たる焦点の一つであろうと思われるのであります。比較的にこの中心課題は施設庁方面が多うございます。具体的な数字を合わせましたものを部長から答弁いたさせます。
  115. 財満功

    政府委員財満功君) 基地周辺の民生安定対策を講じてまいります法律を制定せよという各市町村の御要望につきましては、私どももその御要望を伺っておる次第でございます。ただ、いま話題になっております民生安定の方策を、現在判明しておりますものだけについてその実現を期するといたしまして、その評価は現在の価格で約一千億と見積もられております。将来施策の途中で物価の上昇がございますれば、この金額はさらに上がるものと思われます。しかし私どもの年々実施いたします予算は、先ほど施設庁長官が申しましたように、施設関係の予算としましては約百億でございます。しかも、その中には義務的な経費その他のものがございまして、そのような民生安定の施策まで含めた基地対策の経費といたしましてはそんなに多くはございません。そこで私どもとしてはできる限り年々の予算をふやし、ただいま政務次官がおっしゃいましたように、あとう限りの努力をしてそれを伸ばしていって、その限りにおいて最も有効な方法を講じてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  116. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、具体的に先ほども指摘があった厚木、横田基地周辺の人たちが集団移転をしたいというお話があったのですが、横田、厚木それぞれは何戸くらいを希望しておるのか、また政府として移転をさせなければいけないというのはどのくらいにお考えになっておるのか、あわせて御答弁いただきたい。
  117. 財満功

    政府委員財満功君) ただいま予算の進行中でございますが、約五億がいわゆる飛行場の進入表面下における安全対策の経費の部分として認められたわけであります。厚木に関しましては約百七十二戸の移転を要する家屋があるものと概略の調査をいたしております。横田につきましては約六百三十一戸の移転を要するものがあると、これも概算いたしておる次第でございます。そこで私どもとしましては、早く集団移転をしたい、あるいは家屋移転をしたいという方々の調査を終えたいと存じておりまして、ただいままでのところは、内調査と申しますか下調査と申しますか、これが予算化されました際には早急にやってまいりたいというふうに考えます。ただ、希望がどのくらいありますかについては、まだ正確には把握しておりませんけれども、一応私どもの計画として百戸内外くらいを予算の範囲内でやっていければというふうに存じておる次第でございまして、詳しい計画は来年度以降になろうかと存じます。
  118. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に、先ほど瀬谷委員質問に対して法務省の答弁がありましたが、人権擁護局は、予算がないから徹底的な調査ができない、あるいはそういうことを法務省としてやれないというが、憲法にいう幸福追求権というものはどう考えておるのか、法務省自体が施設庁に、おたくのほうでやってもらいたいという考え方というものはどこにあるのか、その点をお答えをいただきたい。
  119. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) 先ほど御説明いたしました通知の中に予算に云々というのがありますのは、これは私どもの調査について予算が足らないとか足るとかというのではないのでありまして、対策を立てる場合、すなわち騒音の「発生を防止軽減し、あるいはその伝播を阻止減少する方法」、これは科学的にいろいろ検討されるわけでありますが、といってこれがべらぼうな予算を伴うというふうな場合には、その措置をとらないから直ちに人権侵害だというわけにはいかないという意味で書いたのであります。私のほうでさらにこれ以上具体的な結論を出さないのはなぜかという点、これは先ほど来御説明いたしましたように、いまの技術的な問題、それから具体的に飛行状況がどうなっておるかというふうなこと、これはアメリカ軍と常時接触していらっしゃる防衛施設庁で直接おやりになるほうがより適当であると、このような観点から従来までの調査の経過を御通知いたしまして、防衛施設庁において人権尊重ということもお考えの上で、できるだけたくさん予算をおとりになりまして、これら付近の住民の生活権の保護というためにさらに適当な措置をとられたいと、このようにして事件の通知をいたしたわけであります。
  120. 相澤重明

    理事相澤重明君) いまの御答弁を聞いておりますと、人権というものが公共性によって侵犯されていくということが考えられるわけです。そこで、やはり法務省は、人権擁護局がある限り結論を出すというのは当然じゃないか。それを施設庁に責任を転嫁をした形になっておるように受け取れる。こういう点は先ほど瀬谷委員からも指摘をされたと思うんですが、少なくとも法務省の人権擁護局がある以上は、やはりもっと具体的な調査をすべきではないか。先ほどの瀬谷委員質問中では、F8Aクルーセーダーの墜落事故というものが数が多い。そういうことは調べてみればすぐわかる。そのエンジン・テストについてはどういう騒音があるかということについてはすぐわかる。あなたは横田基地にあるエンジン・テストの消音装置があるということを知っておりますか。
  121. 鈴木信次郎

    政府委員鈴木信次郎君) 私が先ほど御説明いたしましたのは、まさに具体的に言いますとそういう点でありまして、この私どもの通知の、先ほど朗読を省略いたしましたが、「記」という中にもありますように、たとえばいま御指摘のエンジン・テストの問題、サイレンサー、これ一台相当の費用がかかるらしいのでありますが、これを設置されることによりましてエンジン・テストによる騒音、これだけは現在のところ大体防止できる。これは現に私防衛施設庁のほうにお願いしまして、現地を見て直接これを拝見いたしまして、認定したわけであります。そういうふうにして防止できるものはもちろんそれによる。しかし、どうしてもできない部分が出てくるかと思いますが、そういった点につきましては、先ほど来御説明のように、最後の方法としては住民の集団移転ということも、これは必要な措置であろうと考えております。
  122. 相澤重明

    理事相澤重明君) 高橋政務次官お答えいただきたいのですが、先日、厚木基地のスタンレー司令官は各幕僚をつれて、そうして地元の市長、市会議長、あるいは爆音防止期成同盟の知久委員長や大ぜいの人たちと懇談をした。その席において、横田基地の消音装置がよいので、厚木基地にもできるだけ早い機会に設置をしたいと、こういう答弁をなされておるように聞いておるわけです。そういうことについて、日米合同委員会の中で政府が促進をすれば、これは早くなると私は思うのですが、それについてどう考えるか、また、その懇談の席で、これはたいへん日本人にとっては少し許しがたいことばであるけれども、いまの飛行機の騒音というものは、火災が起きた場合の消防車のサイレンと同じだ、こういうような話をされた。これは少し消防サイレンと飛行機の騒音とは違いはしないかという点を私どもは感ずるわけですが、そういう点についても少し認識を、これは政府側は指摘をしないというと、いまの基地周辺住民の怒りというものは爆発すると思う。こういう点についてひとつ政府側のお考えを聞いておきたいと思います。
  123. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 私の立場におきましては、ただいま委員長お話しなさいましたような内容は初めてでございます。でありますが、この場でお聞きいたしました以上は、特に日米合同委員会等々におきまして、あとう限り、せっかくいい面につきましては、向こう側もきわめて同調的な面もございますので、取り上げまして積極的に推進をするという方向をとりたいと存じます。ただいまの後段の点につきましては、いかがかと思われますので、十分内容等も検討いたしまして、あとう限り善処したいと存じます。
  124. 相澤重明

    理事相澤重明君) 次に防衛局長は日米合同委員会の特別分科会の委員会に出るのですか。もし、御出席になるなら——ここの席にいまおる人で、どなたが出ますか。
  125. 財満功

    政府委員財満功君) 委員長のおっしゃいます委員会が施設特別委員会でございますれば、私が出席いたします。
  126. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは、政務次官がおいでですから、これは分科会でひとつお話しいただきたいのですが、飛行制限等の問題は、これは日米合同委員会分科会できまっておることでありますが、どうも実際に厚木や横田の現地の人たちのお話を聞くというと、三十五年十月の日米合同委員会の中における騒音対策特別分科委員会、この中でいろいろと飛行規制等が行なわれたのですが、現在ではこれがほとんど守られていないというように感ぜられておるわけです。特に南ベトナムの情勢の関係もあるかもしれませんが。先ほどの瀬谷委員からも御質問のあったF8Aクルーセーダー、これは非常に事故が多いということを言われているのですが、この委員会では、事故のあったものは事故の原因を究明をして、それが判明するまでは飛行させない、こういうように日米合同委員会できまっておったことじゃないのですか。それが次から次へと究明をされないでそのまま飛ばされて何回もそれが落ちておる、こういうことば、少し日米合同委員会の決定というものに対する違反ではないかと考えられるのですが、こういう点をお聞きになっておるかどうかというのが一つ。それから基地の飛行区域の中で、先ほどNHKからテレビ、ラジオの聴視料減免説明がございましたね。これは一キロなり何なりというそのキロを説明をされておるわけですが、実際には騒音は非常に激しいので、飛行区域というものはもっと広くとらなきゃいかぬのじゃないか、こういう点についてお話になったことがあるのかどうか。それからいま一つ、これは防衛局長に聞いたほうがいいのかどうか知りませんが、現在新しいアメリカの飛行機が日本に来ておるのじゃないか。十一月二十四日の大和のスタンレー司令官との懇談会の前日、実は大和の市民はえらい爆音でみんな外へ飛び出したという。話を聞いてみると、どうも何が何だかさっぱりわからぬ。音がした時分にはもう全然見えない。ところが、たまたまアメリカのジョンソン大統領の発表によると、マッハ三を開発されておる。いままで衆議院なり参議院の内閣委員会あるいは決算委員会でU2の問題についてはずいぶん議論があったけれども、その他の新鋭械種についてはあまり議論がなかったのですが、そういうものが実際に日本の空を飛んでおるのかどうか。まあ新聞でも皆さんも御承知だと思うのですが、ソ連側もやっているじゃないか、アメリカ側もお互いに調べているじゃないか。そういう中にマッハ三がすでに開発されておる。具体的な名前を言われておるのは、アメリカがジョンソン大統領が記者会見で発表したのは、A11と同じようなSR71と、こういうことを言っているわけですね。こういう新鋭機種が日本に来ておるのかどうか。いままで来ておらないのか。そういうことをこの前私がFHファントムをお尋ねしたときに、そういうものは来ておりませんと最初御答弁されたが、そのあとの委員会では日本にも常時入っておりましたという御答弁があったのですが、十一月二十三日の晩にはそういう新鋭機種があったのかどうかですね。またお聞きになっているのかどうか。あるいはまた、日本に来ておるのかどうか、こういう点についておわかりになったらひとつ御答弁をあわせていただきたいと思うのです。関係省からお願いしたいと思います。
  127. 財満功

    政府委員財満功君) 騒音規制措置の問題につきましてお答えしたいと思いますが、日米合同委員会航空機騒音対策分科会、委員長がおっしゃいましたのは、この分科会のことであろうと思いますけれども、その委員会で昨年の九月に厚木につきまして合意に達したものがございまして報告されております。その概要は、飛行方法、飛行時間、ジェットエンジン試運転作業等の規制というふうな、いわゆる騒音規制措置の問題でございまして、その中に確かにサイレンサーのことについて検討するということに相なっております。そこでこのときの約束に従いまして、米軍はサイレンサーの設置は一回いたしました。ところが、所定の効果が上がらないという理由でそれを撤去いたしまして、ただいまさらに有効なサイレンサーの開発をし、早く設置いたしたいというふうに言っております。そのことは、いま申しました分科会の中で日本側から米側に申し入れ、米側からそういうふうな返事があった次第でございます。そこでまあたいへん申し合わせに違反したような飛行をやっておらないか、おるではないか、こういうふうなお尋ねでございました。一番最初に政務次官から御報告申し上げましたように、現在神奈川県のほうはその調査を取りまとめ中でございます。私どものほうの十月上旬におきまする調査では、飛行規制時間、つまり夜の十時から六時までの間に飛んだ飛行機は平均〇・五回ということに相なっております。なお今年度五月から八月までに大和市が中間報告的に発表したものによりますと、一日約一回いわゆる飛行規制時間に飛んだというふうな報告が出されておりまして、それをさらに確認する意味で県のほうで調査されております。こういう次第でございます。
  128. 海原治

    政府委員(海原治君) 日本に出入りいたします外国の軍用機は、大体ことしの例で申し上げますと、毎月千機程度のものが出入りしております。これにつきましては、出入りしたものの明細がその次の日に私の手元まで全部まいっております。それにはその飛行機の機種、それから飛来先、あるいはどこから飛んできたかということでございますが、そういうものが全部載っております。これによりますと、先ほど先生のおっしゃいましたような従来まで日本に来、あるいは配備されました以外の新しいものはまだ来ておりません。なお、今後の問題といたしましても、先ほど現に開発中の飛行機についておことばがございましたが、開発中の飛行機につきましては、いろいろに研究のためのデータをとる必要がございますので、もっぱら米本土内において行なわれるのが通例でございまして、日本のように遠く洋上を飛来してくるということはまずあり得ないことで、ございますので、そのようにひとつ御承知願いたいと思います。
  129. 宮川岸雄

    政府委員(宮川岸雄君) 基地周辺の受信料の免除の問題で、ございますが、御承知のように基準を設けまして、それによりましてこの四月から全国十五カ所の基地周辺の受信料を一部免除いたしております。その基準そのものにつきまして、これが非常に問題になっているというふうなことは現在ございませんで、むしろその基準の適用によりまして現実に引きました額の一部につきまして、四カ所程度のところから若干修正してほしいというような要望がNHKのほう、もしくは当省のほうにもまいっているような現状でございます。
  130. 相澤重明

    理事相澤重明君) これは時間の関係もありますので、私から要望だけしておきたいと思いますが、いまの電波監理局長の御答弁の中にありましたが、非常に地元民としては減免の基準をつくってほしいという要望があるのです。これはNHKの参考人も先ほど御答弁いただきましたが、、たとえばゼロ地帯とか、あるいはまたA、B、C、のランクをつけて、ちょうど横浜市の上瀬谷電波障害地域のゾーンをつくりましたね、ああいうような形で被害の程度に応じた減免措置をとるべきではないか。つまり一番ひどいところは免除する、その次には幾ら減じていくというようなことを具体的にやはり進めることが先ほどの地域住民周辺の人たちに対する政府のあたたかい態度ではないかということもあるので、施設庁並びに電波監理局、それにNHKは相談をして私は進めるべきではないか、いつまでも、前にこうしたからそれでいいということでは私はならぬと思う。こういう点について、これはむしろ政務次官から御答弁いただいたほうが関係者としてもいいと思いますが。
  131. 高橋清一郎

    政府委員高橋清一郎君) 先生のおことばどおりであります。ただいま御存じのように、両方の立場におきまして、いろいろ明白な現況についての説明があり、今後の見通し等につきましても所見を述べられたわけでございますが、せっかくのことでございますし、民生安定という観点からいたしましても、当然とるべき態度であろうと存じます。今後郵政省とも特に連絡をとりまして、御期待に沿うように努力いたします。
  132. 相澤重明

    理事相澤重明君) それから館野さんの補償はきまったんですか。
  133. 佐藤敏夫

    説明員佐藤敏夫君) 大和におきます航空機の墜落事故に関しまして、補償を受くべきものとして私どものほうで認定いたしましたのが三十九名でございます。そのうち館野さんの御関係を除きましては、幸いにして御同意を得まして全部賠償を完了いたしております。お尋ねの館野さんの御一家関係の問題につきましては、なくなりました方に対しましては一人当たり百万円というものを緊急支払いとして差し上げたことと、それから大和市の御尽力によりまして家を仮住宅を建てて使っていただいておる、こういう賠償をただいままでのところいたしております。問題といたしましては、何分にもとっさの間に全焼をいたしましたので、館野さんのほうの御要求額を充足するような、いまだ私どもに納得さしていただけるような根拠も発見できず困難をいたしておりますわけでございますが、当初は非常にむすこさんをなくされたりしまして、御当人も興奮しておられましたが、私が報告を受けましたところによりますと、昨日一昨日の二日にわたりまして、わざわざ担当いたしております横浜防衛施設局長をおたずねくださいまして、いろいろ資料提出され、十分話し合おうという御希望も表明されております。この点につきまして私が横浜防衛施設局長から報告を受けておりますところによりますと、何とか話の糸口がほぐれていくであろうということで、至急にひとつこの取りまとめをいたしたいということでございますので、しばらくの間時間をお貸し願いたい、こういうように存じております。
  134. 相澤重明

    理事相澤重明君) それでは、ただいまの佐藤調査官の報告に基づく資料を、関係者のいまの説明された資料をあとで御提出いただきたいと思います。
  135. 佐藤敏夫

    説明員佐藤敏夫君) 承知いたしました。
  136. 相澤重明

    理事相澤重明君) いま一点は、本院におけるところの附帯決議による進駐軍被害者の給付金の特別措置について政府としてはどう考えているか。公務員のベースアップに伴う問題に関連をし、当参議院の内閣委員会関係もありますが、政府としてのお考えを御説明いただきたい。
  137. 佐藤敏夫

    説明員佐藤敏夫君) お答え申し上げます。法律に規定いたしました各給付金の額につきましても、私どもも参議院の附帯決議にもございますとおり、これをもって万全の措置であるというようなことは申し上げられないと思いますが、行政協定当時の十八条による事故との比較権衡あるいはその他戦争災害等によります被害者に対する救済措置との均衡、そういうような観点から勘案いたしまして、ただいまのところではこれを増額支給するというような結論は見出せずにおります次第でございます。
  138. 相澤重明

    理事相澤重明君) 最後に、施設部にお答えをいただいて終わりたいと思いますが、横浜市戸塚の相沢川の改修工事についてはどうなっておるか。  横浜市の米軍住宅、本牧一号住宅の移転については、大蔵省との関係はどうなっておるか。たとえば横浜市から起債のワクを広げてほしい、こういう要請もあったと思うのですが、それらについて御説明をいただきたい。
  139. 財満功

    政府委員財満功君) 第一点の相沢川の改修につきましては四十年度より施行いたします。  米軍の住宅の問題でございますが、この問題は横浜市から返還の要求がありまして、私どもも米軍と折衝を重ねておるところでございます。要点だけ申しますと、米軍は本牧だけでなくて、横浜三住宅全体の計画日本側から聞きたい、そしてそれの年次はどうなっているかということを知りたい、こういうことで本牧住宅だけの移転ということでなくして考えているようでございます。その点につきまして、私どもは鋭意米軍と折衝を重ねておる次第でございます。  起債のワクの問題につきましては、ただいまのところ私どもまだはっきり市のほうから伺っておらないところでございまして、漏れ承りますと、大蔵省との間に話が行なわれておるやに伺っております。
  140. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  141. 相澤重明

    理事相澤重明君) 速記を始めて。  本日の審査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後一時三十五分散会