○岡田
宗司君 第一おかしいのは、その七十八条の条文の、まあ信託統治に付される云々ということは、その国全体であって一部でない、その一部の場合じゃないのだ、それは主権平等ということと矛盾するからしたがってそれはその一部がそういうことになるということの解釈はできないのだ、こういう
考え方ですが、何もそこに全部とか一部とかってはっきり書いてないのですよね。平等ということばがある。そうすると、沖繩が
日本の領土だとしていた場合に、その全部とか一部とか書いてないから、われわれにしてみれば、何もそこをそういうふうに解釈しないでいいんじゃないかということにもなるのじゃないでしょうか。
それから、第一
あとになっていろいろな解釈の変化が起こる。適用の広げられる問題も起こるということは、これはよくあることなのです。たとえば昔
——戦争前に暴力取締法が制定されたのです。そのときには、やれ労働運動には適用しない、小作争議には適用しない、これは暴力団狩りだけに使うのだ、こういう立法の趣旨で、ちゃんと
国会の速記録にも載っているし、そのときの、できましたときの法務
大臣、その
あとの法務
大臣の
発言もそうだった。できてしまったら、どんどん小作争議にも労働争議にも適用されて、それで引っぱられて監獄にほうり込まれた者がたくさんいるのです。そういうようなことで、あなたの言うようなことじゃないのですよ。条約上の問題でもいろいろそういうことはあるでしょう。ずいぶん
条約局長のような頭のいい、そうして練達たんのうの人が集まってつくった条約が、
あとになって解釈が問題になったり、そして十年前につくった条約、五年前につくった条約が、新しい
事態との関係においてたいへんむずかしくなったり、解釈を変えなければならないようになったりしているでしょう。そうすれば、この七十八条が一般的な形で出ている以上、またいま私が言ったような
事態が平和条約第三条との関係である以上、われわれは新しい
事態としてこれが一体
国連憲章との関係でどうなるかということを
検討して、そして私
どもはこのいまある
事態について新しい解釈なり、あるいはその適用の拡大というか、何というか、とにかくそういうふうにして
検討してもいい問題だと思うのですがね。それはもう
検討のできない問題なのか、
検討する必要がない問題なのか、そしてこの問題について
外務省としては、もうその問題は全然
検討しないでいいんだと、
アメリカさんが沖繩をいまのような
状況で占拠しているのは、これはやむを得ないことなんだから、あるいはまた、極東の平和のために喜ばしいことなんだから、とにかくそういうことで、どうぞもっといてください、こういうことなんでしょうかね。これは
外務大臣、ひとつ、そういう条約の解釈との関係を
外務省では、あなたの
考えとしてははっきり、もう必要ないんだと、こういうことなんですか。