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政府委員(倉八正君) これは、こういうことで
通産省に責任があるかもしれませんが、この前これが署名されましたのがたしか
昭和三十三年の十月の三十一日だったと思います。当時
通産省としましては、
工業所有権の大改正をやっておりまして、すでに成案を得て、その年の十二月に国会に提出申し上げたわけでございます。その二カ月ぐらい前にこの
条約が
リスボンで署名されたようなことで、そのときの改正には間に合わなかった。いわゆる三十三年の十二月から三十四年のたしか三月のいまごろ、いまの
工業所有権の大改正を通過さしていただきました。したがいまして、その後また
工業所有権の情勢が非常に変わりまして、
日本は
世界一の
工業所有権の出願国でございまして、われわれはその滞貨の山にいま悩まされておりますから、そういう何か根本的な改正を、
日本の
工業所有権について改正を行なうときにあわせて、
マドリッド協定あるいは
リスボンにおいて改正された二
条約の内容を改正案に盛り込もうと思って、
通産省としては考えておったわけでございますが、一方、この国内法の改正案を審議する委員会というのがまだなかなか進まないでおりますから、それを待っておったらば、国際
道義上あまりおかしいということで、今度の改正は、国内法もこの
リスボン改正に合わせた分だけを改正して、いま国会にお出ししている次第でございまして、署名されてからすでに七年近くなって非常に申しわけなく思っておりますが、そういう国内の情勢で現段階に至ったと御了承願いたいと思います。