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1965-04-23 第48回国会 参議院 科学技術振興対策特別委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十年四月二十三日(金曜日) 午後一時十六分開会
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
村尾
重雄
君 理 事
大谷藤之助
君 丸茂 重貞君 瀬谷 英行君
光村
甚助
君 委 員 江藤 智君 近藤 鶴代君 伊藤
顕道
君
小林
武君 石田 次男君
国務大臣
国 務 大 臣
愛知
揆一君
政府委員
科学技術政務次
官 纐纈 彌三君
科学技術庁長官
官房長
小林
貞雄君
科学技術庁原子
力局長
村田
浩君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
常任委員会専門
員
小田橋貞寿
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 〇
理事
の辞任及び
補欠互選
の件 〇
核原料物質
、
核燃料物質
及び
原子炉
の
規制
に関 する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
村尾重雄
1
○
委員長
(
村尾重雄
君) ただいまから
科学技術振興対策特別委員会
を開会いたします。 おはかりします。
松澤兼人
君から、都合により、
理事
を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを
許可
することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
村尾重雄
2
○
委員長
(
村尾重雄
君)
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 つきましては、直ちにその
補欠互選
を行ないたいと存じます。
互選
は、投票の方法によらないで、
委員長
にその指名を御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
村尾重雄
3
○
委員長
(
村尾重雄
君)
異議
ないと認め、それでは
理事
に、
光村甚助
君を指名いたします。(拍手)
—————————————
村尾重雄
4
○
委員長
(
村尾重雄
君)
核原料物質
、
核燃料物質
及び
原子炉
の
規制
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を議題といたします。 まず、
政府
から
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
愛知科学技術庁長官
。
愛知揆一
5
○
国務大臣
(
愛知揆一君
)
核原料物質
、
核燃料物質
及び
原子炉
の
規制
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
及び
要旨
を御
説明
申し上げます。 御
承知
のとおり、最近における
各国
の
原子力
の
平和利用
は、
原子力発電所
の建設、
原子力船
の
開発
、
放射線
の
利用等
、各
方面
において著しい進歩を示しております。 このうち、
原子力船
の
開発
につきましては、現に米国の
原子力商船サバンナ号
、
ソ連
の
原子力砕氷船レーニン号
が活躍しており、
西独
におきましても、
原子力貨物船オットー・ハーン号
が進水を終えた
状況
にあります。
わが国
といたしましても、従来から、このような
各国
の
原子力船開発利用
の趨勢に沿い、
外国技術
の吸収と
研究施設
の
整備
をはかってまいりましたが、特に今後の
わが国
における
原子力船開発利用
の
重要性
にかんがみ、
昭和
三十八年には、
日本原子力船開発事業団
を設立し、
昭和
四十三年度
完成
を目標に、
原子力
を動力とする
海洋観測船
の建造を進めているところであります。 以上で述べましたように、
原子力船開発
の進展は、
原子力発電
の
開発
と相まって、いまや二十世紀の人類の獲得した
最大
の成果となろうとしております。しかしながら、
原子力
の
利用
につきましては、その危険を防止する必要があり、
各国
とも、
安全性
の
確保
に
遺漏
のないよう
規制
を加えつつ、その推進をはかっている次第であります。
わが国
におきましても、従来、
核原料物質
、
核燃料物質
及び
原子炉
の
規制
に関する
法律
に基づき、
原子炉
の
設置
を
内閣総理大臣
の
許可
にかからしめること等により、
国内
における
原子力
の
利用
が平和の目的に限られ、かつ、これらの
利用
が
計画
的に行なわれることを
確保
し、あわせてその
災害
を防止して公共の安全をはかることにつとめ、
船舶
に
設置
する
原子炉
につきましても、その
安全性
の
確保
を主として
設置
の
段階
ではかることとしておりました。 しかして、従来から
関係各国
間において検討され、
原子力船
の
運航
に関する
事項
を定めておりました「千九百六十年の
海上
における
人命
の安全のための
国際条約
」がようやく本年五月には
発効
の運びとなり、一方、
外国
の
原子力船
が近い将来
わが国
を訪問する
事態
も予想されますので、
政府
といたしましては、このような
状況
に対処し、
本邦
における
外国原子力船
の
規制
をはかりますとともに、この機会に、あわせて
国内原子力船
につきましても、
入港
の際の
規制
を新たに加えることとし、この
法律案
を提出することといたしました。
改正
の第一は、
外国原子力船
を
本邦
の水域に立ち入らせようとする者が
当該原子力船
の
立ち入り
に伴い
原子炉
を
本邦
内において保持することを
内閣総理大臣
の
許可
にかからしめ、その
安全審査
を行なうことを明らかにしたことであります。 前述のとおり、
現行法
におきましては、
原子炉
を
船舶
に
設置
することを
内閣総理大臣
の
許可
にかからしめ、その
安全審査
を行なうこととしておりますが、「千九百六十年の
海上
における
人命
の安全のための
国際条約
」におきまして、
原子力船
は、訪問する
相手国政府
に
自国政府
の
承認
を得た
安全説明書等
を提供し、その
安全審査
を受けるべきものとされ、
外国原子力船
の
規制
に関する取り扱いが同
条約
の
発効
により明確にされることとなったのであります。したがいまして、
わが国
といたしましては、
原子力船
の
立ち入り
に伴う
本邦
内における
原子炉
の保持を、
原子炉
の
設置
の場合と同様に、
内閣総理大臣
の
許可
にかからしめ、その際に、
原子力委員会
におきまして、その
安全審査
のほか、あわせて、万一
原子力損害
が発生した場合に必要な
損害賠償措置等
についても
審査
を行なうこととすることにしたわけであります。
改正
の第二は、
原子炉設置者
及び
外国原子力船運航者
が
原子力船
を
本邦
の港に立ち入らせることを
内閣総理大臣
への届け出にかからしめ、これに伴い、
内閣総理大臣
、
運輸大臣等
は、相協力して、その港における
環境条件
において万一の場合の
災害
の防止について
遺漏
なきを期するための
各種
の
措置
を講ずるものとしたことであります。 すなわち、
原子力船
が港に立ち入る場合には、
当該港
の
自然環境
、
社会環境等
により、
停泊地点
の選定、
出力制限等
、
災害
を防止するための
各種
の
措置
が必要とされますので、
入港
前に、あらかじめ
内閣総理大臣
に、これらの
措置
の
内容
を届け出させることとし、
内閣総理大臣
は、その
措置
の
内容
を
十分審査
の上、その必要を認めるときは、
災害
を防止するため
原子力船
の側において講ずべき
措置
にかかる
事項
を
運輸大臣
に通知することといたしました。この通知を受けて、
運輸大臣
は、
原子炉設置者
または
外国原子力船運航者
に対し、
災害
を防止するために必要とされる
措置
を命ずるとともに、
港長等
に対し、
当該原子力船
の
航行
に関し必要な
規制
をすべきことを指示することといたしました。 さらに、本
改正法案
の附則において
港則法
の一部を
改正
し、
港長等
は、
運輸大臣
の指示があったとき、または
災害
を防止するため必要があると認めるときは、
原子力船
に対し
各種
の
具体的措置
をとらせることといたしました。 以上二点が、この
法律
の
改正
の
要旨
でありますが、なお、この
法律改正
と相まちまして、さらに同
法施行令等
、
関係政令
、
総理府令等
についてもその
整備拡充
をはかり、
原子力行政
について万全を期してまいる所存であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。
村尾重雄
6
○
委員長
(
村尾重雄
君) 以上で
提案理由
の
説明
を終了いたします。 次に、
政府委員
から、
本案
に対する
補足説明
を聴取いたします。
村田原子力局長
。
村田浩
7
○
政府委員
(
村田浩
君) ただいま
長官
から御
説明
がございました
提案理由
につきましては、この
関係
の
資料
といたしまして、
法律案要綱
、
法律案
、
新旧条文対照表
、
参照条文等
をお
手元
に配付してあるわけでございますが、さらに、あわせまして、「千九百六十年の
海上
における
人命
の安全のための
国際条約
」
抜粋
、それから
原子力船運航者
の
責任
に関する
条約案
、
原子力船サバンナ号
の
寄港
に関する二
国間協定
、
サバンナ号
の
入港基準
及び一九六二年
国際放射線防護委員会勧告抜粋等
の
資料
をお配りしてございますので、これらのうち、「千九百六十年の
海上
における
人命
の安全のための
国際条約
」
抜粋
以下の
資料
につき、補足的に御
説明
申し上げます。 「千九百六十年の
海上
における
人命
の安全のための
国際条約
」、これは、
かしら文字
をとりまして、
通称SOLAS条約
と申しておりますが、この
条約
は、第一章から第
八章
まで、相当膨大な
条約
でございますが、その中で、初めて第
八章
に「
原子力船
」という章が設けられました。 ただいま
提案理由説明
にもございましたように、この
条約
は一九六〇年に調印されまして、今年の五月二十六日に国際的に
発効
いたすことに相なっております。今回の
規制法
の一部を
改正
する
法律案
は、この
発効
に備えての
国内法
の
整備
という点に、
一つ
の大きな柱があるわけでございますので、この
法案
の
内容
に関連しております点を、補足的にこれについて申し上げます。 第
八章
「
原子力船
」までの七つの章は、
一般
の
船舶
の安全につきましてこまかく
規定
しております。 「
原子力船
」の章では、第一
規則
から第十二
規則
まで、かなり概略的な
規則
しかまだできておりませんが、その中で、
改正法案
に
関係
いたします点を指摘してみますと、まず第一に、第一
規則
で、この適用が、
軍艦
以外のすべての
原子力船
に適用するということに相なっております。これを受けまして、今回の
改正法案
におきましても、
外国原子力船
と申します中には
軍艦
を除くことといたしてございます。 それから、次に、第七
規則
をごらんいただきますと、第七
規則
で、
安全説明書
についての
規定
がございます。
安全説明書
は、この
原子力施設
及び
船舶
の
安全性
を評価することができるように、
主管官庁
が、
安全説明書
を作成されたものを
承認
しなければいけないということと、そのような
安全説明書
を、
外国
を訪れますときには、その
政府
に対して、その
政府
が
安全性
を評価することができるように、十分な余裕をもって事前にこの
安全説明書
を提供しなければならない、こういう
規定
になっております。この点が、
国内
の今回の
改正法案
の中に定められているわけでございます。 それから、もう
一つ
特に
関係
がございますのは第十一
規則
でございまして、第十一
規則
で、「特別な
監督
」の条項がございます。これによりまして、
外国
の港に入りますときには、その国の
政府
の特別な
監督
のもとに服する、服さなければならないということが
規定
されておりまして、その点もまた、今回の
改正法案
の中に取り入れられてあるわけでございます。 その他、
幾つ
かの
規則
がございますが、直接
法案
に
関係
あるものといたしましては、以上の諸点であろうかと思います。 次に、「
原子力船運航者
の
責任
に関する
条約
」でございますが、これは、一九六二年、ブラッセルにございます
国際海事法外交会議
におきまして採択されたものでございまして、これにつきましては、まだ
各国
とも
条約
を
承認
、批准いたしておりませんために、現在国際的に
発効
を見ておりません。また、現時点におきましては、いつ
発効
することになるかという見通しも、ついておらないのが現状でございます。 この
趣旨
は、
さき
の
SOLAS条約
が、
原子力船
それ
自体
の安全の
確保
ということに主体があるのに対しまして、
万々一
、その
原子力船
が、いわゆる
原子力災害
を起こしまして
第三者
に
損害
を与えるというようなことが
運航
中に生じましたときに、どのようにその
責任
をとらせるかという点につきまして国際的に取りきめをいたしたい、こういう
趣旨
の
条約案
でございまして、その要点は、第二条にございますように、
原子力船
の
運航者
があらゆる
原子力損害
について絶対
責任
を負う。この点で、いわゆる
無過失責任集中制度
が適用されるという点にあるわけでございます。ただし、あとの第五項にございますように、故意によってこのような
災害
が起こったという場合には、特例を設けてございます。 さらに第三条において、このような
運航者
に課せられました無
過失集中責任
の限度というものを、一
原子力事故当たり
十五億フランに限定するという
規定
がございます。これは、同条の第四項にございますように、このフランの
単位
は国際的にきめられた
単位
をとっておりまして、ドルに換算いたしますと、約一億ドルということに相なるわけでございます。 以下、こまかい点はございますが、そのような、国際的に
原子力船
の
事故
が万一生じましたときに、
運航者
にこのような
責任
を課するということを国際的にきめてまいりたいというのが
趣旨
の
条約案
でございます。 それから第三番目の
資料
としまして、二
国間協定
の案文が翻訳したものがございますが、この
趣旨
は、
さき
に
サバンナ号
が一昨年から
運航
に入りまして、昨年
ヨーロッパ諸国
を訪れました際に、まだ、ただいま御
説明
申し上げました
二つ
の
国際条約
が
発効
いたしておりませんために、特に二国間、つまり、
アメリカ
と西ドイツ、あるいは
アメリカ
とスペインとの間で、この
二つ
の
条約案
に含まれております
要旨
を二
国間協定
の中に入れて締結いたしまして、それに基づいて
運航
をいたす、その際の二
国間協定
の見本を、ここに
資料
として差し出した次第でございます。
内容
は特に申し上げませんが、ただいま申し上げました、
原子力船自体
の安全の問題と、それから
第三者
に対する
損害
が発生した場合の
措置
、この
二つ
が柱になっておるわけでございます。 そこで、現実に
原子力船
が現在
運航
されておりますのは、
アメリカ
の
サバンナ号
と、
ソ連
の
砕氷船レーニン号
でございます。
西独
の
鉱石船オットー・ハーン号
は、大体一九六七年のあるいは八年ごろの
完成予定
と聞いております。当面、
わが国
への
寄港
ということが考えられますのは、
アメリカ
の
サバンナ号
であろうかと思いますので、ここに、
サバンナ号
の安全に関しましてどのような
入港基準等
を設けているかということを
資料
といたしましてお
手元
に差し上げたわけでございますが、この御
説明
をいたします前に、
サバンナ号
が現在どのような
運航
を行なっているかということを一言申し上げてみたいと思います。
サバンナ号
は、御
承知
のとおり、一九五八年に着工いたしまして、一九六二年の五月に
完成
いたしておりますが、
完成
後は、主としてまず
国内
の
運航
、まあ試運転と申しますか、
試験運航
をやりまして、翌一九六三年の二月から、
一般検査
を受けた後、大体ハワイを含め
沿岸航海
をいたしまして、さらに一九六四年の二月、昨年の二月以降において欧州を訪問旅行するということになりまして、同年の五月以降、
ヨーロッパ
十三カ国を訪問いたして、十五の港に入っております。ちなみに、
国内
の港には、これまで二十六の港に入っております。ただいま、ことしの三月にこれらの
外国訪問
を一通り終わりまして、
ガルベストン
の基地に入って、いわゆるオーバーホールをやっているところでございます。 一九六五年度の
航行計画
につきましては、まだ発表がございませんが、私
ども在外公館
を通じて入手しましたところによりますと、
アメリカ政府
といたしましては、現在
三つ
くらいの案を検討中であるということであります。その
三つ
の案と申しますのは、
一つ
は、再び
ヨーロッパ方面
におきまして、今度は
親善航行
でなくて、
定期航路
として
ヨーロッパ
に行く。それから他の
一つ
は、
アジア方面
への
親善訪問
の
航行
を考える。それから第 三案は、
アジア方面
へ
親善訪問
という
段階
を経ずに、直ちに
定期航路
として訪れる。こういう
三つ
の案を、ただいま
アメリカ
の
原子力委員会等
で検討されているという情報を得ておりますが、現在のところ、まだそのいずれに決定するかということにつきましては確認いたしておりません。 このような
状況
でございまして、まあ、いずれにしましても、遠からざるうちに、
国際条約
の
発効
後、
わが国
へ
サバンナ号
が参ることが予想されるわけでありますが、その場合、一番問題になります、
わが国
の港に入ったときの安全の
確保
という点でございます。 それにつきまして、
アメリカ
に、このため、
サバンナ
・テクニカル・スタッフという特別な
組織
をつくっておりまして、ここで、
サバンナ
がいかなる港に入るに際しましても、このような
安全措置
をとる必要があるということについての
基準
をつくっております。そのものが、お
手元
にございます「
STS
−10」と書きました
入港基準
でございまして、その
内容
は、ごらんのとおり、 まず第一に、
入港
の
条件
を一応確定いたしまして、
入港
する場合には、第二ページにございますように、
六つ
の
条件
が満たされる必要がある、その
六つ
の
条件
の第一は、安全を解析しました
報告書
がこの港に対しまして準備されていること、それからさらに第二には、その
解析書
が
承認
されていること、第三には、
万々一緊急事態
が生じましたときの
港湾
における緊急時
計画
というものができ上がっていること、それから第四番目には、
万々一
の際に、船を引き出しまして
周辺住民
のところから隔離する必要がございますので、そのための
遠隔投錨地
というものを定めておくこと、それから第五番目には、
入港
の前に
放射性廃棄物——
これは
ガス体
の場合でございますが、を濾します
装置
が十分に試験されていること、それから第六番目には、それ以外の
部分
で重要な
部分
、つまり
操舵装置
であるとか、いかりであるとか、そういったものの機能を確認しておくこと
——
そういうような
幾つ
かの
条件
が
入港
の際に満たされている必要があるということであります。 それから一方、
入港
しましたときの安全の
確保
のための
措置
としまして、結局、
万々一
起こるかもしれないそういう
事故
の大きさを想定いたしまして、これを
最大想定事故
と呼んでおりますが、その
最大想定事故
の場合のことを考えて、
一般居住民
からどのようにこの船を隔離しておけばよろしいか、こういうことで安全の
確保
をはかっているわけでありますが、その
要旨
は、四ページ、五ページにございますように、まず第一に、船の直接
周辺
の
管理区域
というものを設ける、それからそのまた
外側
に低
人口区域
というものを考える、さらに
人口
のたくさん集まっております高
人口密度区域
からの
距離
を一応考える
——
この
三つ
の要素を考えて
原子力船
の
係留地点
をきめる。このような方式によっているわけであります。
管理区域
がどの程度の
距離
になるか、あるいは低
人口区域
がどのくらいの
区域
になるかということにつきましては、船の場合は、
陸上路
と違いまして、常に一定の
出力
で
原子炉
を動かしているわけではございませんので、
原子炉
の
出力レベル
の
規制
、あるいは
万々一事故
が生じましたときに、これを
遠隔
の地に引き出すための
タグボート
の
用意等
の
準備状況
によって変わってくる、そういう性格のものと相なっております。たとえば、九ページにございますように、
タグボート
の
手配等
につきましても、
タグボート
の
手配
の時間のかかり方によって、
管理
の
区域
を広げたり、あるいは狭めたりすることができる、そういう
考え方
に立っております。特に
管理区域
におきましては、通常は、そこの中におる
——
これは乗り組み員あるいはお客さん等でございますが、二時間以内に退避できるような
措置
がとられていることが
条件
となっております。その
外側
の低
人口区域
では、二十四時間以内に退避できる、そういうことが
条件
になっております。さらに、
万々一事故
が起こりまして、遠方に引き出したときに、
遠隔投錨地
といっておりますが、三十日間そこに置いておいて、
周辺住民
に異常を及ぼすことのないような、そういうところに
距離
をおいて置く、このような
考え方
でございます。それぞれの港につきまして、こういったような
管理区域
あるいは低
人口区域
というものが
数字
として出てきますときに、それを十分含み得る、そういう場所でなければ係留できない、こういう
考え方
に立っておるわけでございます。同様の
考え方
は、船の
航路
、つまり
通路
につきましても、とられておるわけでございます。 それから、十二ページにございますように、このようないろいろな安全の
措置
をとりましても、
万々一
この
港湾停泊
中あるいは
入港
中に
緊急事態
が生じるというようなことがございました場合に、どのような連絡、どのような
組織
をとるかということがございますので、その点を
港湾
緊急時
計画
として用意しておく、こういうことになっております。
最後
に、このような
万々一
の
事故
のことも考えまして、それぞれの特定の港に対して
事故解析
をやっておく、そのレポートをつくることが要請されておるわけでございまして、そのときの
内容
は十五ページに書いてあるような、その
土地
の地理、気象、
水理
、
係留地点
と
通路
、
管理区域予定係留地点等
、そういったものを
解析書
に載せるように相なっておるわけでございます。 で、すでに、先ほど申しましたように、
ヨーロッパ
十三カ国を訪問しておりまして、十五の港に入っておるわけでございますが、これら十五の港につきまして、それぞれこの
考え方
に基づきました
港湾解析書
を、実際に
アメリカ
の
STS
という
組織
でやってきておるわけでございます。 それから
最後
に、「一九六二年
国際放射線防護委員会勧告
」でございますが、これを配付いたしました
趣旨
は、私ただいまちょっと
説明
を申し落としましたけれども、
人口集中地
からの
距離
を
規制
します際に、
万々一事故
が起こりまして、放射能がその船から漏れたと、こうしましたときに、それが遠くへ行けば行くほど薄まるわけでございまして、そのために直接の障害は何ら起こるおそれはないという非常に低い
レベル
になりましても、先々、たとえば遺伝的な影響が出るか出ないかという点などを考えますときに、その
レベル
をその
土地
の
人口
との見合いで考えるべきである。これは
国際放射線防護委員会
の
考え方
に基づいておるわけでございますので、その点に関しての
国際防護委員会
の最も新しい
勧告
のその
部分
に関する
抜粋
をここに載せたわけでございますが、この前の「
STS
−10」の
資料
で、大体二〇〇万人レムという
数字
が出ておりますのは、この
国際放射線防護委員会
の
勧告
の線を一応
基準
としましてつくり出した
一つ
の
基準
に相なっておるわけでございます。 以上、簡単でございますが、配付しました
関係資料
に即しまして補足して御
説明
を申し上げた次第でございます。
村尾重雄
8
○
委員長
(
村尾重雄
君)
本案
に対する質疑は、次回に譲ることといたします。
速記
をとめてください。 〔
速記中止
〕
村尾重雄
9
○
委員長
(
村尾重雄
君)
速記
を始めてください。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十六分散会
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