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説明員(
豊原廉次郎君) いま先生おっしゃいましたように、現物出資の条項を設けます直接の必要は、名古屋臨海鉄道株式
会社に現物出資をいたしたい、こういうことでございます。御承知のように名古屋の港湾地帯は、特に東南部のほう、工業地帯でございますが、非常に発展をいたしまして、この
貨物輸送をどうするかということが、非常な問題になったわけでございます。これを円滑に
輸送いたしますために、名古屋港の管理組合、それからそこに出ておりますいろいろな企業がございますが、この企業
——進出企業者とこう言っております東海製鉄以下大きな産業が多数進出しております。それと国鉄の三者が相はかりまして、ここにこの
輸送を効率的に果たす臨海鉄道株式
会社を創設したいということになりまして、本年の一月二十三日に名古屋臨海鉄道株式
会社という
会社を創設いたしまして、本年の九月を開業の目途として準備を進めておるところでございます。で、この
会社の線と東海道本線の笠寺の駅から名古屋の東港、ここまでの間は、国鉄が名古屋港の
貨物輸送を円滑にするために、三十六年の二月以来この間三・八キロメートルでございますが、鉄道を建設いたしておりまして、これは俗に東港線と申しておりますが、そういう線路を敷きまして、名古屋港の東南地帯の
貨物の
輸送をする
考えでおったわけでございますが、その後先ほど来申し上げますように、企業の進出もめざましく、ただ国鉄だけでやるということでは、なかなかむずかしいことがわかってまいりましたので、先ほどの三者が相はかりまして鉄道
会社ができたわけでございます。ここに至る笠寺と東港との間の線を別個に国鉄が運営いたすといたしますと、臨海地帯の
貨物輸送がどうしても二元的になりまして、円滑な
輸送が期せられないということでもございますし、また同
会社の設立の趣旨からいいましても、その地帯の
貨物を一元的に混乱なく送り出すということでございますので、先ほど申しましたいわゆる東港線という三・八キロの線路をこの
会社に現物出資をいたせば、これが一元的に運営されて、
貨物輸送の上に貢献するのではないか、こういう
考え方から現物出資を行なったわけでございます。