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1965-02-23 第48回国会 参議院 運輸委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月二十三日(火曜日)    午後一時四十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理 事                 天埜 良吉君                 金丸 冨夫君                 前田佳都男君                 吉田忠三郎君     委 員                 加賀山之雄君                 木暮武太夫君                 平島 敏夫君                 相澤 重明君                 大倉 精一君                 浅井  亨君    国務大臣        運 輸 大 臣  松浦周太郎君    政府委員        運輸省鉄道監督        局長       佐藤 光夫君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        運輸省海運局次        長        沢  雄次君        日本国有鉄道総        裁        石田 礼助君        日本国有鉄道常        務理事      今村 義夫君        日本国有鉄道常        務理事      豊原廉次郎君    参考人        日本鉄道建設公        団副総裁     篠原 武司君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方自治法第百五十六条第六項の規定基づ  き、海運局支局出張所設置に関し承認を  求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○鉄道敷設法の一部を改正する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局出張所設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。  本件に対し御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  3. 相澤重明

    相澤重明君 ただいま提案されておる海運局支局三件の問題について若干お尋ねしておきたいと思うのです。  第一は北海道の問題ですが、釧路における海運局出張所の取り扱いですが、厚岸ですか、ここにはいま政府関係機関というものはどのくらいあるのですか、この港には政府関係機関というのはどのくらいあるのか。
  4. 沢雄次

    説明員沢雄次君) ちょっといま資料を持ち合わしておりませんので、わかりません。
  5. 相澤重明

    相澤重明君 これは、政府関係機関連絡が十分でないというと、やはり行政上問題が起きることが多いわけですよ。ですから、私はいつも、港湾整備の問題についても、あるいはこうした政府機関設置するときにも、関係機関ができるだけ連絡がつくようにということを申し上げておった。たとえば、一つの例を話しますと、ただいま農林省関係で食糧なり、あるいは植物を検査をするというような問題についても、港から上がるについては、これは運輸省関係あるいは港湾管理関係それぞれの密接な連絡というものがなくちゃならぬわけです。したがって、関係行政機関についても、できるだけこの地方のそういう機関については連絡をしてほしい。できるならば庁舎の場合でも総合庁舎的なものがほしい。そうして、できるだけ地域住民あるいはこれらの政府機関を利用する人たち便宜に供する、こういうことが本旨だと思う。各省庁行政がばらばらであっては相ならぬと思う。そういう意味で、当運輸委員会においても、こういう関係機関設置をする場合には、できるだけそういう方向に沿って、行政簡素化住民の福祉、便利のためになるようにということが、私どもが主張してきたことなんです。したがって、釧路から厚岸に行ってどのくらいの住民のための便利になるのか、どのくらいの行政上有利になるのか。なるほど、あなたのほうで出されておる資料では、北海道厚岸港については、捕鯨その他の漁業基地として、昭和三十八年度の出入港船舶は七十三万総トン——これだけではわからぬ。確かに多いということはわかる。多いからこそ釧路から出張所をここに設けたいということだろうと思うのです。けれども、そういう行政上の連絡が、はたして運輸省だけの考えで進めるのか、あるいはそういう捕鯨漁業基地として必要なんだから、関係方面とも十分連絡をしてさらに住民のためになる一こういう考えでなければ、単に行政官庁の数だけをふやしてみたところで、私は意味ないと、こう思うのです。そういう意味でいまお尋ねしたのでありますが、これはまあ突然の質問ですから御迷惑だったと思うのですが、前にあらかじめこういうことを質問するからと言っておけばよかったかもしれませんが、ひとつ今後はそういうことのないようにしておいてもらいたい。  そこで、この七十三万総トンというと、船の隻数にするとどのくらいになるのですか。
  6. 沢雄次

    説明員沢雄次君) 相澤先生最初の御意見の、関係官庁の間の連絡を密接にせよということにつきましては、運輸省といたしましても、かねてから地方海運局によく訓令をいたしておりまして、先生の言われたような事案が起こりますのは、主として貿易港でございまして、これは港湾管理者、税関、検疫、海運局、この間ではいろんな委員会をつくりましたりして密接な連絡をとらせまして、実際の事業に携わっておられる方の御不満のないようにということで気をつけておる次第でございます。  それから、できる限り、これは予算関係もございますが、合同庁舎をそういうところへつくっていただくようにお願いをしている次第でございます。この厚岸につきましてはちょっと事情が違いまして、この三つの出張所のおもな仕事は、主といたしまして船員法関係公認事務でございます。船員が乗下船いたします場合に、その船員労働保護の見地から、船員手帳役所公認をいたしております。その他いろいろな海難事故報告公認、そのようなものでございます。それからあわせましていろんな海運関係統計事務がございますが、そういう統計事務も、一々支局まで来ていただいていましたものを、非常に不便であるということで、出張所をぜひ設置せよという声が地元で非常に強くあるわけでございます。それで、厚岸につきましては、分室というものを事実置きまして、この支局から船員法関係事務がたまりましたときに係員を派遣してその仕事をやらしておりましたのですが、それでは、やはりいつ行ってもおるということでないと非常に不便だということで、これは主として地元のほうから非常に強い要望がございまして、それでここに常駐機関としての——駐在機関と申しますか、出張所を設けまして、その人たち便宜をはかりたいということでございます。  隻数は、厚岸港は御承知のようにほとんどが漁船でございまして、隻数にいたしますと、三十八年で二万三千八百ぱいの隻数でございます。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 こまかい点の説明があったと思うのですが、私がちょっとおらなかったときの説明だと思うので、失礼はおわびいたしますが、これは定員は何名ですか。
  8. 沢雄次

    説明員沢雄次君) 定員と申しますか、これは現在の海運局定員の中から捻出いたしまして一名を派遣する予定にいたしております。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 まあ地方住民としては、あるいはまた船員諸君としては、たとえ一人でも役所の人が出て来て、遠いところへ来て仕事をしてくれるということは、たいへんありがたいことだ。行政上非常にたいへんだと思うけれども、扱う人よりは、そういうふうなことをやっていただく立場の人のほうが必要の点だと思う。その点は、私も、運輸省も思い切ったことをやってたいへんいいと思うのです。そこで、運輸大臣おるけれども、定員一名ということは、いま二万三千八百隻、このような大きな出入港が、幾ら出張所とはいえ、定員一名で仕事ができるとお考えになっているかね。私は少し問題がありはしないかと、こう思うのだ。せっかくそこまで親心を出していただいたならば、もう少しこの定員をふやしてもらいたいと、こう思う。一つの例を私は申し上げてみたいと思う。それは、海運局はどう把握しておるか知らぬが、たとえば、これが船員手帳関係船員関係の問題だけだとおっしゃるけれども、北方における操業中の海難事故というものを考えてごらんなさい。どのくらい多くの漁船員遭難をしておるかわからぬ。その中で、たとえば漁船労働者の問題については、これは農林省、水産庁の関係もあるでしょう。ひとり運輸省の問題だけでない。労働省関係も出てくるかもしれぬ。こういう点を、何回かの事故の経験を私は当委員会でも話をしたのだけれども、単に運輸省関係だけの問題でも、一人では、そういう関係役所との話も、あるいはこれだけの七十三万総トンになろうという多数の扱い量、こういうことからいっても、少し定員が少な適ぎないか、こういうふうに思うのだが、運輸大臣は、まあまあ初めて出張所をつくるのだから、今回はその程度にしておけという考えなのか、いやこれでもって仕事ができるとお考えになってあなたはやったのか、これは運輸大臣から意見を聞きたい。
  10. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 御指摘のとおりでありまして、われわれも一人で満足な仕事ができるとは思っておりません。したがって、もっと多く要求したのでございますけども、財政上やむを得ずそういうことになったのでございますから、来年度からは、御指摘のように、もっと多数要求いたしまして、極力増員いたしたいと思っております。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 大臣の誠意ある答弁で、私も了承をいたします。  そこで、海運局に先ほど申し上げたように、漁船遭難事故等の問題については、あなたのほうではどういうところに大体連絡をとるのですか。
  12. 沢雄次

    説明員沢雄次君) 漁船遭難事故の第一次的にこれを、海難を救助し、あるいは海難を避けるように警告する官庁は、海上保安庁でございます。もちろん、海運局出張所——今度設置をお願いしております出張所は、船員法関係事務に明るい事務屋でございますけれども、そのようなときにはもちろんよく気をつけるように連絡はいたしますが、第一次的には海上保安庁でございます。
  13. 相澤重明

    相澤重明君 この厚岸というところには、海上保安庁関係のそういう連絡のつくところとか、役所というものがあるのですか。
  14. 沢雄次

    説明員沢雄次君) 後ほど調べまして正確に御答弁申し上げますが、海上保安庁保安署があったと思います。
  15. 相澤重明

    相澤重明君 まあこれは、運輸大臣衆議院関係でお急ぎになると思いますが、私は、三十七年、三十八年の日本船員遭難事故、その中で特に小さい三十九トン型のいわゆる漁船、これの遭難関係が非常に多いということは、当委員会でも常に指摘したところなんです。もちろん、三十九トン型ばかりでなくても、これは九十トンもあるでしょう。それ以上の大きいのもあるだろう。けれども、非常に海上での事故件数の多いというのは、海上保安庁資料によってもこれは明らかなことです。運輸省でもその点はよく御承知のはずなんです。そこで、特に北海道のような、まことに量としては多いかもしれぬけれども、御苦労願っておる漁船員のそうした事故の、救難対策といいますか、そういうものについては、やはりこれは運輸省が、単に船員事務を扱うというだけでなくて、運輸省としては海上保安庁まで獲得しておるわけですから、そういう意味で、できるだけそういう事故対策というものを前面に推し進めながら、事故の起きないような、船に対するところの設備の検査というようなものを行なっていく、あるいはこの間のテレビや新聞でも言われているように、免許を持たない漁労長が、船長のような形で船を運転をさせ、そして事故を起こす、そういうことのないように私は指導すべきだと思う。そういう面で、先ほども申し上げましたように、とにかく政府関係省庁連絡というものははたしてできるのだろうか。一刻も早くそういう点を、事故対策というものを進めないというと、多くの人命財産というものを失う、こういう点をおそれますので、私はこの支局出張所をつくってもらうということは非常にいい、必要だと思う。私は心から賛成する。賛成するのだが、要は、もっと親心、せっかくつくってもらうなら、よりよいものにして、日本漁船員諸君人命財産を救う、あるいは遭難を少なくしていく、こういう対策こそ私はとってほしいと思う。  こういう意味でちょっと御質問を申し上げたのでありますから、あとでともにお答えいただきたいのですが、その次は静岡県の田子の浦港と石川県の小木港ですか、これについても、それぞれの定員は何名ですか、それもひとつお尋ねしておきたい。
  16. 沢雄次

    説明員沢雄次君) それぞれ一名でございます。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 運輸大臣、これもやはり、もちろん国会の協賛を得なければならないし、予算関係もあるのですが、先ほど御答弁いただいたように、北海道の御答弁のときのように、来年度以降はもっと充実したものにしていくお考えですか、その点をお答えいただきたい。
  18. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 先ほど申し上げましたように、十分に機能が発揮でき、人命の尊重、人命救助のできるように増員いたしたいと思います。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 けっこうです。
  20. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記をとめて。   〔速記中止
  21. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記とってください。  他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明かにしてお述べ願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局出張所設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本案賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手
  24. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 総員挙手全会一致と認めます。よって、本案全会一致をもって原案どおり承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  運輸大臣
  26. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) いろいろ慎重御審議いただきまして、通過さしていただきましたことを、ありがたくお礼を申し上げます。どうもあとがとうございました。     —————————————
  27. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 鉄道敷設法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対し御質疑のある方は順次御発言願います。  なお、本法案の審査のため、本日は参考人として日本鉄道建設公団総裁篠原武司君が出席しておりますので、申し添えておきます。
  28. 相澤重明

    相澤重明君 まずこの文章のつくり方から私はひとつお尋ねしたいと思うのですがね。この法律案提案文章は、まあそれはそれとしても、この鉄道敷設法の一部を改正する法律案要綱の中の第一、「東京国分寺附近より神奈川小倉附近に至る鉄道を追加すること。」、第二は同じく「東京品川附近より千葉県木更津附近に至る鉄道の起点を神奈川塩浜附近に変更すること。」、こういうふうに文章がなっているわけですね。そこで、鉄道専門語で言えば、そういう駅名とか地名ということが言えるかもしらぬが、単にこの神奈川県という大ざっぱな名称でいいのか、あるいは川崎市なり——この二つの点は川崎市でありますが、そういう点を入れなくてもいいのか、地名を。ということは、私は地元でありますから、専門家立場でいけば、だれでもははあそこかと、こうなる。しかし、こういう少なくとも鉄道審議会なりあるいは国会に出す場合に、こういう文章書き方というものは一体あるのかどうなのか。地名というものが、末端の一番小さいところをぽこっと出している。それなら、神奈川県と入れないで、日本国としておけばいいじゃないか。日本国小倉としておけばどうか。そういう文章のつくり方自身が私は問題になると思うのだけれども、これは運輸省だな、答弁は。
  29. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 先生お話しのように、この表現は、相当こまかい場所は書いてございません。いま御指摘小倉について申し上げますと、御指摘のように、神奈川川崎小倉をさしているわけでございます。ただ、こういうふうに法律案並びに要綱に記載いたしましたのは、すでに国会で御審議をいただいておきめいただいております敷設法別表表現にならった、こういうことでございます。
  30. 相澤重明

    相澤重明君 ですからね、私の言うのは、専門家立場なりあるいはそういう審議をする立場の人ならば、これはなるほどすぐわかるだろうというのですよ。けれども一般論として文章を起案をするときに、そういうつくり方というものはあるのかどうか。だからそれはいままでの敷設法別表にならったと、こう言うのだが、そのこと自体が私はこういう書き方というものがあまりよくない。もっと明確に北海道なら北海道の何がし、神奈川県なら神奈川県の何市の何というところ、こういうふうに書くべきではないか。そうでなければ、実際に専門家の者以外にはわからないと私は思うのですよ。だから、こういうものはこういうふうなことで書かなければいけないという規定か何か、そういう政令があるのかどうか。慣例でいままでの敷設法別表にならったと、こう言うのだが、こういうものについての問題点はないのですか、いままでにおいて。
  31. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 御指摘のように、この表現考え方についてはいろいろあると思います。ただ、従来こういう法律を御審議をいただいておきめいただいておる際には、相当ネットワークとしてものを考えるというような観点から、あまり初めに具体的なこまかい地名というよりは、むしろ表現としては何々付近というようなものを採用しておる例もございますし、やはりごく大きな観点から路線網をきめていくというような考え方が従来ございまして、その線に実は沿っていろいろ作業をしたわけでございます。御指摘東京都の国分寺付近から神奈川県の小倉に至るというものにつきましても、この表現につきまして、実は法制局等でいろいろ御審議をいただいたわけでございますが、従来のそういうような形に実はならったということを先ほど申し上げましたが、将来こういうような表現をどういうふうにするかということは、なお先生の御趣旨もくんで十分に研究をしていきたいというふうに考えております。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 将来の問題御検討いただくということですからけっこうですが、いわゆる点を示しておるだけですね。両方の点を示しておるだけです。実際にその地域、たとえば行政区域、こういうものについては実際ばく然とした、東京都とか神奈川県とか京都府とかという形になってくるわけですね。それで駅ができるというその点だけをいま出しておるわけですよ。だからむしろ広い意味での付近ということならば、むしろ神奈川県の場合にすれば川崎付近川崎市の中でどこでもつくれるということにもなるけわだ。広い意味ならそういうことになる。ところが、実際はそういう小さい点をこれはさしているわけで、こういう点については、まあ将来の問題として私はやはり用語上の問題も含んでやはり御検討いただきたい。これはまあ私の一つ要望です。  それからその次にお尋ねをしたいのは、昨年この鉄道建設公団をつくるときに、鉄道建設公団設置をすれば、いままで国鉄だけに建設をさせる鉄道がより早くより近代的にスムーズにいく、資金も十分出せる、こういう説明だったと私は思うのですよ。こまかい文章議事録を持ってくればそれはもう幾らでも出ますが、国鉄にやらせるよりは、とにかく鉄道建設公団をつくれば、そのほうが国民のためになるし、いまの輸送力逼迫状況を打開することができる、困難を緩和することができる、こういう理由で鉄道建設公団というものはできたと思う。そうして鉄道敷設法のこういう別表についても御検討を私はいただいたと思う。そこで、確かにこの趣旨については私は賛成なんです。ぜひやってもらいたい。やってもらいたいのだが、そういう当時の経緯から見て、今年度一体昨年政府国会提案をし説明をしたようないわゆる輸送力増強というものが予算がつけてあるのかどうか、そういう計画というものはスムーズに推進をされておるのかどうか。こういう点の説明を願わないというと、これは法律だけは国会で通しました、形式論はしましたけれども、内容は充実をしない、こういうことであっては私は相ならんと思う。その一つの問題として私はこの法律案内容について説明を求める前に、たとえばいま公団の副総裁もおりますし、国鉄総裁もおりますから、ともにお答えをいただきたいのだが、櫻木町−大船間のいわゆる櫻大線の問題について、一応昨年は磯子まで、桜木町−磯子間は建設ができて営業開始ができた。しかし、その次に今度は磯子から大船までにどのくらいの日月がかかるか、いつごろ開業ができるか。これは他の幾つかの路線というものをあげてもらった中にも、最も必要路線、また最も経済路線とも言えるものだと思う。そういうことから考えれば、東北線の問題やこの京浜間の問題を考えれば、いま手をつけたところは、一体政府考え提案をした昨年のそういう立場に立って予算化ができたのか、あるいは営業開始というものができるのか、こういう点をひとつ詳細に御説明をいただきたいと思う。それがなければ、ただ形式論をここでもって幾ら国会で議論をしても、まあそのときにひとつ提案だけしておきましょう、あとあとだということになったら、私は意味がないと思う。こういう意味で、まず運輸省から説明があると思うのだが、関係公団も、国鉄公団とどういう相談があったのか、石田総裁も出席しておるんですから、それぞれ、三者から御答弁をいただきたい。
  33. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) お話のように、日本鉄道建設公団が発足をしまして、三十九年度が最初予算でございますが、全体の予算規模として、御承知のように、九十六億円というのが純粋に三十九年度分の成立した事業規模でございます。それに対しまして、昭和四十年度におきましては、政府出資十億円、政府資金借り入れ金四十億円を含めまして、全体の規模が二百五十四億円という業規模に相なっておるわけでございます。したがいまして、従来の事業規模にどの程度の比較かということをごく簡単に申し上げますと、約二倍半強になっておるという状況でございます。  具体的な話が出ました根岸線につきましては、あと公団から詳細に御説明を申し上げると思いますが、この線が都市交通に果たす役割が非常に大きいということで、重点を置いてこの工事施行ということを考えておる次第でございまして、来年度はこれに本格的な工事を進める段取りにしたいということを考えておる次第でございます。ただ、従来数回お尋ねがございまして、この線は非常に現地の事情からして建設を急ぐというお話がございますので、公団国鉄等とこれの早急な施行について従来いろいろ打ち合わせをしてきたわけでございますが、先生承知のように、非常に、一部埋め立て地を通るほか、やはり相当な市街地を通るというような関係で、測量と用地買収が順調にいくとしても、路盤工事軌道工事電化工事にやはりある程度の時間を見ていただかなければいかぬということでございます。ただ、全体の考え方としては、この輸送状態からしてできるだけ早くとにかく完成をさせるという考え方でおるわけでございます。
  34. 篠原武司

    参考人篠原武司君) ただいま、公団になりましてからどういうふうに仕事が進んでおるかというお話でございましたが、三十九年度は、国鉄の時代から急いでおりました開業線が、公団の手に移りましてから六線開業いたしました。根岸、それから生橋、能登、白糠、美幸、辺富内というような六線を開業したわけでございますが、それから新しい仕事に着工する問題につきましては、実は仕事が始まりましても、いろいろな土地の折衝とか、設計とか、そういうような問題で非常に手間どります。その関係で、ただいまお話の出ましたような根岸線につきましては、その先がまだぐずぐずしているじゃないかというようなお話のように承りましたのですが、この先は市街地でございますし、非常に設計の協議とかいろいろ折衝に時間をとります。それと、団地計画がございますし、PXの予定地の関係とか、あるいは大船付近国鉄の改良計画、そういう問題にまだ未確定な問題がございますので、そういう折衝をただいま鋭意やっておりまして、来年度——先ほど鉄監局長からも御説明がありましたように、今年度九十六億の予算でございましたのが、二百五十四億というように、二倍半以上にふえたものでございますから、大いに力を入れて工事を進めたいと思っております。来年度以降において、御趣旨に沿うように相当な活況を見るんじゃないかというふうに思っております。
  35. 石田礼助

    説明員石田礼助君) この問題ひとつ急速にやってもらいたいということは、国鉄要望しておるところでありますが、それ以上にああせい、こうせいと言って、われわれのほうで公団をあれするわけにいきません。ただ、ひとつできるだけ早くやってくれいということについては、絶えず公団のほうに私どものほうからお願いしているわけであります。公団のほうとしては、その意を体して十分やってくださっているということに確信している次第でございます。
  36. 相澤重明

    相澤重明君 公団の副総裁国鉄総裁のいまの答弁を聞いておるというと、まあ言われたとおり、できるだけ早くやりたい、そういうことについては、これはわかります。私の先ほど質問した最後に申し上げたのは、具体的にどういう設計の協議をやっているのか。たとえば、国鉄の現在の大船駅と桜大線が乗り入れた場合の設計協議というのは当然あると思う。そういうことが進められておるのかいないのか、これが一つの問題。それから、前回の当委員会でも、私から、国有財産をできるだけ使えば経費も安く済むではないか、こういうことで、たとえば大船PXの解除の問題、あと地の利用の問題、こういう話もした。あるいはまた、御説明があったように、磯子と南区の間にできる洋光台団地、この中にもすでに鉄道を通す、駅をつくるという住宅公団側の希望もある。そういうことが具体的にいろいろ説明はされるんだけれども、一体連関性を持った、国鉄建設公団と、そしていわゆる住宅公団など、そういうところと具体的に設計協議というものができているのかどうか。それができなければ、ただ、できるだけ早くやっていただきますと言ったところでそんなものはただ言いっぱなしだと私は受け取るわけなんです。  そこで、前回は、まあ国鉄側なり運輸省側の意見としては、できるだけ早くやりたいから、磯子から杉田にかけて二キロぐらいのところを早くやりたい、これはもう買収ができたものは工事をとにかく進めていく、こういう話だったわけです。市街地、市街地と言うけれども、いまの残されたところは、そんな市街地ってたくさんじゃないですよ。山もあり、それからたんぼもあるわけです。いま申し上げた、ことしの六月にPXの倉庫地区は解除されるわけです。そういう具体的な白日のもとに、もう住宅公団がことしの六月以降に工事に入りたいと言っても、鉄道路線がどこにきまるかということがきまらなかったら、工事も始まらないでしょう、協議が済まなければ。そういうことからいって、私は予算が倍以上になったからこれで画期的な仕事ができるだろうなんというようにはなかなか思えない。ところどころ手をつけるところだけ手をつけても、完成をしなければ実際の価値というものは十分にならぬはずですからね。そういう意味で、いまの輸送状況の逼迫の現状を打開するには、手をつけたものはできるだけ早く完成をさして効率をあげることだと私は思う。そういう意味で、いまのような具体的な設計協議というものはきまっているのですか、きまっていないのですか、いま一度公団の副総裁からひとつお答えいただきたい。
  37. 篠原武司

    参考人篠原武司君) 御趣旨のように、われわれも重点的に工事を進めるということはやっております。したがいまして、設計協議などにつきましても、現地を督励してやらしておるわけでございますが、ただいまお話のありましたような大船付近の改良計画につきましては、いろいろなルートがございますし、第一に、横須賀線と根岸線がどういうふうな列車の直通をやるか、あるいは東海道線から湘南が入ってくるかどうかというような問題とか、いろいろな問題がありまして、これがまだ決定されておりません。したがいまして、大船付近はいまのところまだ確定するというわけにはまいらないわけでありますが、そのほかの問題につきましては、現地とそれぞれ協議をやっておるはずでございます。
  38. 相澤重明

    相澤重明君 石田総裁は出席しておるのですが、大船駅の改良工事として、いまの桜大線という乗り入れの問題については、国鉄側は案はきまらないのですか。検討していないのか、これは具体的には。これほどもう何年も何年もやっておって、ようやくとにかく桜大線が磯子までは営業開始ができて、ほんとうに国鉄側としてもいいし、進めていきたい。ところが、資金的になかなかいままでのような国鉄側だけにやらせるのではたいへんだということで、公団というものができたわけでしょう。そういうことからいえば、いま篠原総裁の言うことを聞いておると、肝心な受け入れ態勢側の国鉄がどういうふうな桜大線の乗り入れについての計画があるかということについてはできていない、こういうことに私は受け取れるわけなんだ。だから、国鉄側としては、いままで長い間、もうそれこそこの桜大線の問題については、十年も十五年もかかっている懸案の事項だ。そういうことからいって、この輸送力増強をはかるのだということは、これはもう至上命令としていままできているのに、肝心の国鉄側が、まだどういうふうにその駅の構内に乗り入れするのか、駅の改良をするのかできないというようなことでは、そんなものは少しも誠意を持ってやっているとは思えない。まあしかし、これは公団側のいまの答弁で私はそう思ったのだけれども、この点はどうなんですか、実態は。これは石田総裁からひとつ答えてもらわなければいかぬ。
  39. 石田礼助

    説明員石田礼助君) この問題は、これはひとり公団のほうが攻勢をとるべきもので、われわれのほうとしてはできるだけそれに協力する、こういうことでございますので、まず公団の御希望を聞いて、国鉄はこれと協力するということにする以外に私は道はないと思います。
  40. 相澤重明

    相澤重明君 おかしいじゃないか。だって、もうすでに去年鉄道建設公団が発足したでしょう。発足して、いままで国鉄工事をやっておったのを、それを今度、建設公団が引き継いだのだよ。最初から鉄道建設公団がやっていたわけじゃない。国鉄側がすでにそういう工事をやっておって、営業開始の直前になって、公団ができて公団が引き継いだのじゃないですか。だとするならば、国鉄側は、この桜木町から大船までの路線というものは、どうやって、大船の駅はどう乗り入れるというような計画がなくて、そんなことはできますか。理論が一致しないじゃないですか。しかも、いまの公団——石田総裁が言うように、公団が今度やるのだから、公団から積極的に国鉄側に話を持ってこい一それは私もわかる。わかると思うけれども、国鉄が話を全然受けていないということはないでしょう、去年からもう一部営業開始しているのだから。だから、ことしは、度はそれを完成するように、国鉄側としては、あんた公団側から話があれば、それは積極的にやっぱり国鉄側がやるべきだと私は思う。そういう点はどうなるんだ、一体。事務的なことはよくわからぬかもしれぬけれども、総裁としては、国鉄がいままで工事をやっておったのだから、やっておったのを、公団が発足して公団が引き継いだのだから、国鉄側の最初の懸案事項があってしかるべきだと思う。それが公団になって、公団がどう変更するかは別として、公団がどう変更するかは別だが、国鉄最初の計画というものがあって、それに、公団が引き継いだ立場でこういうふうに公団としてはやりたいのだという話がなくてはいかぬけれども、そういう趣旨に一貫性がないのじゃ私は困ると思うのだ。それはどうなんですか。
  41. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 国鉄総裁からの御説明があろうかと思いますが、しばしば具体的に問題になっておりまして、私どものほうへ一応連絡をとって事務的にまとめました点を申し上げたいと思いますが、まずPXの用地の問題ですが、従来相澤先生からしばしばお話がありましたので、確かめてみましたところが、すでに関係当局に具体的にお願いをして、申し入れをして、現在協議中であるという回答をいただいております。  それから、いま大船付近の取りつけ方の問題ですが、これは先生おっしゃいますように、もちろん公団がつくりましたあと国鉄が使うわけでございますから、国鉄の使い方の問題が相当からまってきますと同時に、公団がどういうルートでこれに入っていくかという問題があるわけでございます。したがいまして、大筋について、いま先生お話しのように、大船に入るということがきまっているわけでございますが、これを具体的にどういう設計にするかというふうなことについて、国鉄の改良計画をにらみながら計画を進めていくということになっておりますので、まだ最終的にそういうものは決がついておらぬという状況にあるわけでございます。ただ、先ほど来御説明申し上げておりますように、二千五百分の一の図上の大まかな測量が終わりまして、磯子から杉田付近の二キロまでは、実地測量が終わっておる。それ以遠について、さしあたっては、いまお話の出た団地の関係で、住宅公団と横浜市といま具体的に協議をしておるということで、磯子方から具体的に相当話を詰めて、具体的なルートをきめたり、用地の取得について現在努力をしているという段階でございますので、最終的な大船の入り方の問題は、これは一つの大きな問題でございますが、なお精力的に国鉄のほうでも改良計画の関係もさらに進めていただき、公団のほうとの折衝のしかたについて十分協議していただくように、われわれのほうとしても努力をしていきたい、こういうふうに考えている次第であります。
  42. 相澤重明

    相澤重明君 いまの鉄監局長の説明聞いておると、行政の二重、三重の足かせ、手かせですよ。国鉄がひとりでやっているときならば、思うようにできたものが、鉄道建設公団ができたから、鉄道建設公団がどうつくるかということをまずもってきめて、そうして、前に国鉄側に計画あったものは、それと今度いま一度つき合わしてみなければ、これはできないということだよ。それじゃ、ちっとも促進をすることにならぬじゃないか。これは鉄道建設公団をつくって、費用はたくさん捻出ができるし、いまの輸送力増強ができるということで十カ年計画をつくったゆえんなるものは、大きく後退をしていく。公団をつくったために、よけいな手間がかかる。公団がきめて考えて、その公団のルートをつくってから、国鉄側にまた相談をする。それは、前にそういうものがあったのだけれども、それじゃ困る、そうじゃない、ああでもない、こうでもない、すったもんだ、これじゃ、三年たったって、五年たったって、着手できないでしょう。ましてや、今度は、国鉄大船駅への乗り入れについて、その取りつけ口が、国鉄の改良計画が進まなかったら、公団のほうは、国鉄側の計画ができませんから、公団はどうにもしようがありませんから、お手あげだということになっちまう。国鉄側とすれば、公団がそういうものをつくってこなければ、国鉄はお手あげです、こうなっちまう。国鉄公団がお手あげしたって、一番お手あげするのはだれかといえば、通勤、通学者ですよ。国鉄のために、そういうふうに乗ろうと思っておるお客さんが一番お手あげだよ、これは。線路ができなければ、乗ることができないから。そういうことからいくと、いまの鉄監局長の説明じゃ、ぼくら納得できないですよ。何のために鉄道建設公団をつくったか。だから、本来ならば、鉄道建設公団国鉄が一体であるべきだ。なるほど、そういう仕事をやるために、国鉄側だけのいまの定員とか、あるいは資金量ではできないから、鉄道建設公団資金量と定員を与えて、そうして仕事を進ませるというのが、いままでの運輸省国会説明をしたことじゃないですか。逆なことを言われれば、鉄道建設公団なんというものをつくらないで、われわれが最初に言ったように、国鉄予算をたくさんやって、定員をふやしてやれば、国鉄の技術陣としては幾らでも仕事ができる。こういうことは、ぼくら、さんざん言ったわけだけれども、それよりは、公団をつくったほうが、よりスムーズに、より早くいく、こういうことで、われわれもそうかなと、説明はなるほどうまくしたなと思っていたのに、お話を聞いてみると、説明はちっともうまくない。つまり、昨年の鉄道建設公団をつくったときよりは、行政一つよりは二つになっただけに、さらに時間がかかる、打ち合わせがかかる、こういうふうに受け取れるのだが、そういう意味ではなかったのか。そうじゃなくて、実際には、国鉄側の考えておったことを担当をする公団が、より正確に、しかも、国鉄側と緊密な連絡をとって、そのほうが、資金的にも、あるいは技術的にも早くいくのだ、こういうことで鉄監局長が答弁をする気だったのか。さっきのあなたのことばの上から受ける印象では、鉄道建設公団国鉄側と二つあるから、これは両方で協議をするのが時間がかかると、こういう答弁になっちまうのだよ。それで、いま一回答弁しなさいよ。
  43. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 御説明が足りなったかもしれませんが、相澤先生おっしゃるように、別にしておいて、そのために時間がかかるということじゃなくて、国鉄がすでに考えておった計画を具体的にどういうふうに持っていくかということで、鋭意努力をして進めておるということでございます。
  44. 相澤重明

    相澤重明君 それで鋭意進めておると言うのだけれども、航空測量を終わっておるでしょう、全体の。それから実筆調査というものも、これはある程度進んでおるでしょう、これは国鉄が。これは石山総裁に聞いてもわからぬかもしれぬけれども、だれか補助の者がわからぬかな。実際に、桜大線というものを、国鉄公団ができる前に作業を始めているのだからね。作業を始めていないで、公団が始めたのなら、国鉄側がわからないと言ってもしかたないけれども、国鉄側は最初工事を始めたのだから、その工事計画というものがあるはずだ。だから、国鉄側から答弁してください。
  45. 今村義夫

    説明員(今村義夫君) 根岸線をやります場合には、大船までの接続なり、その後の運行計画につきましては、一応の計画がありまして、それに従って根岸線−磯子までの建設を進めたわけでありますが、その後、新幹線の開通なり、あるいは今度の三次計画の新しい通勤輸送対策としての東海道線の線増問題なり、いろいろありますので、その辺のところ、いろいろ勘案をいたしまして、今後詳細な案を決定すべく、いま検討中でございます。いま一応の案はございますけれども、これをさらに公団と相談の上、はっきりしたものにしていきたいということで検討しておる段階でございます。
  46. 相澤重明

    相澤重明君 今村常務理事の言うように、一応の国鉄側の計画があったということになれば、鉄道建設公団の、まあ太田総裁は、これは金融界か実業界か、たとえばそれは専門の話でないにしても、篠原総裁以下は、少なくともこういう道についてはくろうとだ、これは。くろうとの者が鉄道建設公団に入っておって、それで国鉄側と公団側の打ち合わせがスムーズにいかないような、あるいは、その計画が十分練れておらぬというようなことでは、これは、ぼくは納得しないですよ。やっぱり飯を食った者として、そういう立場におる者として見れば、そのくらいのことはあたりまえじゃないか。それをやるためにこそ、鉄道建設公団にも国鉄の経験者を入れて、そして国鉄側とうまくやってもらいたいと、早くやってもらいたいと、こういうことなんだよ。全然別なことをやるのなら、何も鉄道の経験者が行かなくたって、これはできるわけだ。だけれども、少なくとも、そういう国民の輿望にこたえて鉄道建設公団はできたのだし、それから、ぼくらも、少なくとも、副総裁以下はくろうとでもって信頼するに足る人物だと、こう思っている。それが、さっきのような話で、国鉄側も、たとえば大船駅の改良工事についてどうやるかわからないと言うし、公団のほうも、国鉄がきまらなければ、自分のところもできないというような答弁を鉄監局長がされたのでは、これはとてもじゃないけれども、何を言っているのだ。これはただ法律提案するだけで、予算をつけてもらえばあとはいいのです、私のほうはちょっと手をつければいいです、こういう印象になってしまう。もっと深く突っ込んで、こういうふうにやりますという説明をしなさいよ。そういう説明がないで、今度四十年度の予算が通ったら、磯子から二キロぐらいのところだけやります、あとはまた二年、三年、五年かかります、というようなことなら、私どもは、これは納得できない。だから、その点で、具体的にそういうようなものについて、作業は進んでおると思うのだ。そういう点、いま少し深く説明しなさいよ。
  47. 石田礼助

    説明員石田礼助君) 相澤さんにお答えしますが、大船駅の改良工事をやってみたところで、それで、あの線は完成するわけじゃない。そこまでの工事がなかなかたいへんだ。それから、これはもう歩調を合わして、来た時分には必ず改良工事がすぐできるようなぐあいに、協議を進めて、遅滞なくせしめるということについては、国鉄としては決してちゅうちょしておるわけじゃない。まあ、あそこまで行くのがたいへんだ、大船まで行くのが。それまでに協議を進めればいい。その前に協議だけやってみたって、あの線が完成するわけじゃないのですから、まあ相灘さん、そう急がなくてもいいのだと私は考えていますがね、大船の駅の改良工事については。
  48. 相澤重明

    相澤重明君 これは総裁、あなたの食言になりますよ、そういうことを言うと。だから、それはまあ総裁がそういう意味でなくて言ったのだから、ぼくはとがめないけれども、急がなくたっていいというのは、これはとんでもない話だ、急がなくちゃいかぬということなのだ、そのために、国会予算をつけたり、法律をつくって鉄道建設公団というものをつくったのだから。それはそれとして、いまの石田総裁の言う、たいへんだということについてはわかるが、そこで、篠原総裁は、磯子から大船までは何キロある、それから、つくるとしたら、どれくらいの金がかかるか、説明してください。
  49. 篠原武司

    参考人篠原武司君) ただいまの根岸線の総額は、五十七億、約六十億近くかかるのでございます。  それから、非常に公団ができておそいというようなおしかりがあるので、私ども非常に心外に思うのでございますが、公団ができまして一年もたっておりません。その間にずいぶんたくさん仕事をしてきたように私は思っているわけでございまして、根岸線につきましても、最近仕事を進めて、現地の折衝もやっておりますし、いろいろなこともやっているわけでございます。ただ問題は、来年度、これから御審議いただく予算につきましても、こういう都市付近の幹線輸送の強化という線区につきまして、いま政府案として考えられております予算の大部分は特別債でございまして、特別債をどういうふうにして処理するかということのほうが、当面の問題としては頭痛の種でございます。  そういう関係になっておりますので、この根岸線だけをどんどんやれと言われましても、ほかにも十四線ばかり急がなければならない線が、この特別債を使う線区があります。そういうような関係で、どっちかというと、経営の苦しいほうの線区には、主として利子のない金、つまり、国鉄の出資とか、あるいは政府出資、そういうようなものを充てているわけでございまして、ただ急いでやれやれと言われましても、そういう予算の制約はもちろんあるのでございますから、その辺もひとつお考えおきいただきまして、四十一年度以降の予算がどういうふうな形になるかということを一応考えませんとできませんのですが、鉄道建設審議会で、大体いままで工事線になっているものを十年で完成するように努力しろというお話でございますので、そういう線に沿いまして、四十一年度以降の予算がふえるという仮定のもとに、われわれは一応予算案を計上することを考えているわけでございますが、以上のような関係もございまして、根岸線ばかりどんどんやるというわけにはいかないということを申し上げたいと思います。
  50. 相澤重明

    相澤重明君 これはもう篠原総裁のいまの説明はけしからぬ。何が根岸線だけどんどんやれだ。私は一つの例として、鉄道建設公団ができた、いままでの鉄道だけでは資金も足りないし、いまの輸送力を増強することができないから、公団をつくれ、こういうことであった。公団をつくれば、より早くできると、こう言うのだ。公団をつくらなければ、いままでの鉄道だけにまかしておいたらおそいから、公団をつくって早くやるのだ、こう言う。しかも、その鉄道建設公団が、櫻大線については国鉄工事をやっておったのを、公団ができたからそれを引きついだのだ。あなたのほうは、実際にあの仕事をやったのじゃない。あそこまでは、開業するちょっと前に公団が引き受けたんじゃないか。あれは本来、最初から国鉄に全部営業をやらしたってよかった。それが、ただ、公団発足の時期だったから、まず鉄道建設公団が発足したのだから、せめて早くこういうところも鉄道建設公団営業開始に間に合わせようというので、あれは花を添えたのだ。そういうことからいえば、先ほど申し上げたように、敷設法を今度ここに改正提案をしているというのは、この東京中心の困難なところを何とか早くやりたいということだ。それでなければ、輸送力増強ができない。それで、いま提案を具体的にしているのだ。そういう提案をしているのだけれども、いままで政府考えておった、あれは公団ができたならば進むということであったので、それでは、現実にやっておるところの根岸線の一つの例をあげて、こういうものはどうなんだと聞いておる。根岸線だけどんどんやることは、ほかのものがあるからできませんなんていう答弁があるか。そんな国会を侮辱した話があるか。いままでの議事録全部持ってきてみろ、昨年以来の。そういうことじゃないのだよ。私の言っているのは、鉄道建設公団予算をふやしたり、ことしのこういう敷地法を改正して新たにやるには、こういうふうにしなければできません、これが輸送力の増強の役に立つ、国民の期待に沿い得るということです。だから、そういう前に——そういうことであるから、そういう前に、いままでの継続の問題についてはどうかというのを、一つの例として、私は、だから先ほどあげたのですよ。私の速記録を読み直してくれ。  委員長、これは、いまの副総裁答弁じゃ、私は言うことを聞かぬ。いま一度調べてください。私の言ったことを、速記録を調べて、そしていけなければ、副総裁に訂正をしてもらう。それまで暫時休憩だ。冗談じゃないよ。国会審議というのは、そういうことをやっているのじゃない。私は一つの例として、そういうような鉄道建設公団ができて、実際にそういう期待に沿えるかどうか、途中でもってストップして、仕事ができないようなものだったら、そんなものは要らないのだよ。そういう議論になる。そういう私は一つの例をあげているのだよ。
  51. 篠原武司

    参考人篠原武司君) 先生のおっしゃること、よくわかっております。そういうことを説明するのが、どうもことばが足りなくて、誤解を招いたことは、私の言い方がまずかったことをおわびしておきます。
  52. 相澤重明

    相澤重明君 話だから、ことばじりをつかまえて文句を言うのは、私の趣旨じゃないから、要は、いかにして国鉄をよくし、そして国民の期待にこたえるかということが、私ども運輸委員会仕事なんだから、その点は、副総裁の言ったことも了承しますが、さっきのような答弁では絶対許さぬよ、そんなものは。  そこで、先ほどの五十七億の当初予算で発足したのだ、こういうのだが、いま残されたキロ数は何キロあるか、どのくらい予算がかかるかということをさっき質問したのですよ。その答弁をしていないのですよ。
  53. 篠原武司

    参考人篠原武司君) 十一キロで、五十七億でございます。
  54. 相澤重明

    相澤重明君 いま残されたのは十一キロで、五十七億、こういう答弁ですね。そうすると、先ほどお話のあったように、ことしは、昨年の予算から思えば、特別債の問題もあるけれども、とにかく、公団側にできるだけ多くの資金を出して積極的に進めてもらおうというので、いまのあなた方の考えの二百五十四億ですか、それを一応予算として計上したのでしょう。そうすると、少なくとも、十幾線かあるにしても、その緩急の度合いというものはあるね。いまここに提案をしておる三路線についても、そのとおりだと思うのですよ。そういうことからいって、どのくらい、あなた方は、一体、これは一つのさっきから言う例だが、櫻大線十一キロについて、どのくらいやる考えでいるのか。やはり、さっき御答弁いただいたように、鉄監局長が言うように、わずか二キロくらいしかできないという考えなのかどうなんですか、それは。
  55. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 相澤先生お尋ねでございますが、具体的にどのくらいの金額を見込んでどうこうというようなことは、単年度予算のたてまえ上、お答えは非常にむずかしいわけでございます。ただ、先ほど来お話ありますように、根岸線につきましては、すでに部分開業して、早く完成しなければいかぬということで、できるだけ時日的に早くいくように手をつけて進めるということでやっておるわけでございますが、いろいろ計算をしてみますと、先ほどちょっと触れましたように、いろいろな問題がある。しかし、何とかしてこれを早くやっていくということを考えるにいたしましても、全体でやはり相当な時間を見込まなければいかぬ。しかし、その間にPXの用地の問題、その他の問題等ございますが、これも先ほど御説明しているように、いま、とにかく早く話を進めて、工事期間内にはとにかく全部おさまるようにこれをやっていくということを考えておるわけでございます。  ただ心配しておりますのは、いま先生がちょっと触れられましたように、しかしらば、どのくらい予算がついて、それが工事の実施のペースに合うかということを実は心配しておるわけでございます。工事の期間を、いろいろ設計測量から実地測量、用地買収等から見ますと、やはり全部を含めまして、最大限早くやって四年九カ月くらいの時間がかかるというふうに一応いま見られておりますので、これもできるだけ早く短縮できないかということを公団にもお願いしておりますし、われわれとしても、そういうものを見ながら、具体的の問題もできるだけ早く進めてやっていくようにしたい。個別的な予算の配分等につきましては、実はまだきまっておりませんし、なおその上に、来年度以降の、四十一年度以降の分もどういうふうになるかという非常に不確定要素の問題もございますので、その点については、ひとつそういう事情を御了承いただきたい、こういうふうに考えております。
  56. 相澤重明

    相澤重明君 やっとさっきの石田総裁の言うことばが出てきたわけです、ここに裏が。鉄監局長の言うのは、いま四年九カ月と言っただろう、五年だな。国鉄の長期政策の中で大体やっとこさっとこ完成するぐらいのものだから、そんなに急ぐ必要はない、こういう答弁になってきた。これは全く私はいまの、だから先ほどから少し声をでっかくして申し上げたけれども、鉄道建設公団をつくったほうが、かえって国鉄のマイナスになったということに帰着するのですよ。これは鉄道だけでやれば、もっと回収率のいい効率的な運用ができるようにやっていきますよ。これはなぜ、全国の中で赤字路線が多くて黒字路線が少ない、こういうことで国鉄は苦しんでいるか。できるだけ採算ベースにのせようというのが、国鉄考えでしょう。だから、最初、先ほどお話しのように、巨額な投資をして、その投資が効率的にならなければ、それは国鉄側としては、いつでも頭の痛いことになるわけです。しまいの果てには、政府の出資も少ないわ、融資も少ないわ、結局は、国鉄運賃の値上げをして、大衆からしぼりあげるわ、それでなければ、資金はできませんわ、こういう結論になってくるわけですよ。そういうことじゃないと思うんです。私は、国鉄ができるだけの経営合理化ということを至上命令にしてやってきて、そうして、できるだけ運賃値上げをしないで済むように、できるだけ公共投資ということで、政府のいわゆる出資なり、低廉な融資ということが、いままでの首脳部の皆さんの考えでもあったし、現場で働いている方もそう思っていると思うんです。ところが、いま言ったように、四年九カ月、五年もかかる。そうして鉄道建設公団が発足してから六年、ことし、国鉄の長期計画も七年で持っておったものを、やっとこさっとこその程度ででき上がるのじゃないかというようなことが、まあ、はしなくもいまわかったわけでありますが、これは石田総裁は、そういうことで大体計画を進めてきたんですか。五年もかかるということで、もちろん一つの例ですよ、これは。
  57. 石田礼助

    説明員石田礼助君) 一体、櫻大線が何年かかるかということについては、これは私は、鉄道建設公団のほうでは最善を尽していると思うんです。これは国鉄が自分でやったところで、公団がやる以上に早くいくかどうか、私はすこぶる疑問だと思うんです。  それから相澤さんに申し上げるが、国鉄だとしたって、必ずしも、もうかるからやる、もうからぬところはやらぬという問題じゃない。たとえば今度の第三次計画の問題にしたって、約五千五百億も大金を投じてやる仕事というものは何かというと、都市付近の通勤問題です。こんなものは、経費ばかりかかってもうけが少ないけれども、国鉄はとにかく公共事業なるがゆえに、われわれ、とにかく損を覚悟してやるというところに、われわれの精神があるのでありまして、この櫻大線につきましても、われわれが横須賀、大船の駅の改良工事をやることによって促進ができるというならば、何をか労を惜しまない、これは万難を排してそういうことはやる。そうして、さらに、私は公団を弁護するわけではないけれども、公団だって、相澤さん、私は最全を尽くしていると思う。これは国鉄が自分でやったって、これ以上のことはできやしませんよ、ということを申し上げておきます。
  58. 相澤重明

    相澤重明君 石田総裁、あなたのいま言った中には、重大な発言があるよ、いいかね。いまの輸送力増強について、通勤、通学の混雑緩和についていま投資をしようとしているのだが、それはあまりもうからぬとあなたは言ったが、どこの線路がもうかっているのか。いま国鉄がやっている全国の路線の中で、どこがもうかってどこが損をしているか、あなた言ってごらんなさい。冗談じゃないよ。大都市周辺ほど、これはもうからないという話はないんだよ。大都市周辺は収入が多いんだよ。何を言っているか。あなた説明しなさい。もうからないという話があるか。
  59. 石田礼助

    説明員石田礼助君) これは、相澤さんのような国鉄通に対して私がこういう講釈をするのは少し変ですがね、実際、大都市の付近の輸送というものは、通勤、通学というものが主なんです。これは相澤さんも認めてくださると思う。ところが、通勤、通学なるものは、要するに、非常な大きな割引をもってやっておる。これは収入からいえば、建設費に比べたら、きわめてわずかで、もうかりっこないのですよ。ことに建設費というものは、またばかにかかる。東京、大阪近所の通勤、通学問題なんか、これは私鉄会社がやるとすれば、絶対にいやだと。とにかく、一日に三時間か四時間設備を使って、あとの二十一時間というものは眠っておるようなものは、もうかりっこないですよ。しかも、建設費というものはばかに高くつく。これはどうも釈迦に説法するようなものですが、相澤さん、何か誤解があるのじゃないですか。
  60. 相澤重明

    相澤重明君 だから、私が総裁に聞いているのは、それじゃ、現在国鉄の営業しているところで、どこがもうかって、どこが赤字なんですか、こう言って聞いているんだよ。
  61. 石田礼助

    説明員石田礼助君) 御承知のとおり、約二万キロのうちで、二割五分近くのものがもうかって、あとの七割五分というものは損しておる。ただ、損しておるが、損しておる額が小さい、もうかっておるところが大きいのであります。たとえば二割五分のところから約千百億くらいのプラスになるのです。それから七割五分のところから約五百億のマイナス、こういうことになっておる。しかも、これもマイナスが五百億ということに出ておるけれども、これは培養的効果をなしておるがゆえに、実際、私は、五百億の損はない、やはり三百億くらいの損ではないか、こういうことに考えるのであります。都市付近のいままでのものは、安く建設したところはいいですが、これから建てるところは、非常に建設費がかかっていく、そうして収入というものは御承知のとおり、八割三分だとか九割二分の割引の通勤、通学者を運ぶがゆえに、絶対にもうからない、非常に大きな損である、これは相澤さんに私が説明するまでもないことだと思いますがね。
  62. 相澤重明

    相澤重明君 この説明をすることじゃないと言うんじゃなくて、私の聞いているのは、どこが一番もうかって、どこが損をしているんだ、こう聞いているんです。それで、七割五分は赤字で、二割五分はもうかっている、そのもうかっている地域は一体どこなんだと言うんだ、二割五分の地域は。そこで、あなたは、これから通勤、通学輸送の混雑を緩和するために多くの建設費をかけたら、これはもうからぬと言う。私の言うのは、国鉄全体の経営からすれば、赤字をなるべくなくしていきたいというのが、全体の経営でしょう、考えでしょう、基本的には。しかし、公共機関であるから、ただ運賃だけにたよるということはいかぬ、これがあなた、国鉄なるゆえんでしょう、私鉄じゃない、国鉄なるゆえんである。だから、私が言っているのは、何も地方鉄道を敷いてはいけないとか、採算ベースに乗らないところは鉄道はやめちまえということを言っているんではない。私は国鉄賛成なんだから、分割論も反対だし、民営反対なんだよ。だから、国鉄はとにかく国民のために一番必要なものだという考えで私どもは議論しているわけなんです。ところが、この大都市付近は、いまや通勤、通学についてだって、あなたもさっき雑談の際に話したように、大蔵大臣に見てもらいたいと言う。何を見てもらいたい。これだけ混雑して、まごまごすればけが人も出るぞ、死人も出るぞ、こんなことではたいへんだから、何とか輸送を増強しなければならぬと、これを見てもらいたいんでしょう。もっと金をつけてもらいたいと。それで、私はそういうことを言っておる。だから、そういうことをやるためには、大都市のそういう混雑を解決するためには、いままでの鉄道だけでは足りない、こうおっしゃって鉄道建設公団というものができた、こうおっしゃる。いいですか。全国のそういうものも含んで、そういう中で、総裁がさっき、いまの国鉄ではこれ以上の仕事はできないというふうにおっしゃったけれども、それは少しあなたと私と見解が違う。はっきり言って、私は、行政というものは、屋上屋を重ねたから仕事が多くできるとは考えていない。だから、それは昔のいわゆる日の丸の国鉄とは思っていないけれども、私は、いまの国鉄の技術陣をもってしても、あるいは国鉄の現状を、もし定員とか予算というものについてがんじがらめにしないで、ほんとうにいまの鉄道建設公団をつくるような考えでやるならば、私はできる、こう言う。それをできないというのは、あなた方の頭だけではないですか。ひとりでやるわけじゃない、ひとりで全部やろうと思うからできないんで、多くの国鉄の技術陣を動員してごらんなさい。私はできる。鉄道建設公団で人がよけいになったんでしょう。それだけでも仕事ができる。私は、そういう点については見解は違うけれども、それはもう鉄道建設公団をつくったんだから、つくった以上は、よりよく建設公団仕事をしてもらいたいわけだ。そうして早く国鉄に、つくったものは営業を担当さして、国民の負託にこたえるようにしていくというのが、私はいまの総裁の腹であると思う。われわれもそうなんで、そのことに変わりはない。もしあなたが、いまの国鉄では何もできないんだと言うなら、ほんとうにあなたの能力はないよ。そうじゃなくて——金とか定員とかというものに押えられていけば、いまの国鉄に何をやれと言ったって、できますか、それ。はできないですよ。だから、私はそういう点について総裁の苦労していることを知っているから、あなたも、前の池田総理に遠慮なくものを言ったり、いまの佐藤総理にも、名前は佐藤で甘いようだけれども、なかなか内容はしょっぱいらしい。あなたの言うことはほんとうにそのとおりだ、こういうことで、かなり聞いてくれると思うんですよ。そういう意味では、あなたは簡単に事故が起きたからといって責任をとるな。だれがやったって、事故が起きないようにすることが大事だ。だから、輸送力増強というものは、予算定員というものを組んで、そうして国鉄側に困らないようにしてもらう。そのことを勇敢に言ってもらっているから、私は国鉄総裁を支持しているんですよ。それができないなら、支持なんかしないよ。けれども、私は、石田総裁はりっぱだと、石田総裁のように、ほんとうに歯にきぬを着せずに言ってくれる人でなければ、国鉄はいつまでたっても、国民の負託にこたえることができない、こう言っている。その点はあなたも、どこがもうかって、どこがもうからぬかというようなことについては、少しは部内で聞いておるだろうが、ぼくもさっき言ったんだが、私は、この大都市の混雑緩和をはかることが、やはり収入も増になる、こう考える。けがもしないし、人を一人殺せば幾らということになるんだから、人命財産だけでもたいへんなんだから、金にもかえられない。そういうことから言っても、また、事実、収入面から言っても、この大都市の付近をよくしていくということは、いまや至上命令です。そのほかに、地方の開発というものがあるから、鉄道はもうかるから鉄道を敷くんだ、もうからぬから鉄道を敷かないんだ、こういうことではない。その点はあなたと同じなんだ。私どもはそういうことでやってきているんだから、そういう意味で大都市付近についてはとにかくいまや至上命令として鉄道建設公団を発足をさせ、そうしてまた予算も昨年の倍以上つけた、こういうことだから、それをやはり効率的に投資をする以上は、これが効率的にならなければ経営者の能力はないということだよ、これは。だれが幾らうまいことを言ったって、親は日の丸だからおれはすわっていればいいんだということにならないよ、これは。だからそういうことじゃなくて、やはり国家資金、あるいはそういうみんなして働き出した金を最も国のために役に立つように、効率的な運用をはかることがこれは為政者の立場でもあるし、またそういう事業をまかされた人の私は責任だと思う。そういう意味で、これは常務からひとつ報告してもらおうよ。さっき総裁が言う二割五分のうちの、一番もうかっているところはどことどこなんだ、それはどこが幾らになっているんだ。言ってみろよ、それをひとつ。
  63. 石田礼助

    説明員石田礼助君) 大体一番もうかる線は、これは相澤さんよく御存じのとおり、東海道線、その次は山陽線、それから北陸線というような幹線でありまして、山陰線だとか、関西線、これはもうもうかりやせぬ。ことにまた今度つくらんとする輸送力増強の大都市付近の問題は、これは絶対にもうかりはしない。けれども、もうかるとかもうからぬとかいう問題じゃないんだ。われわれは、もうからぬといっても、これは国家の至上命令で、国鉄の義務としてぜひやらにやならぬということで一生懸命やっているんでありまして、この桜大線や何かに対しても、できるだけひとつ早く完成をすることについて、国鉄が援助することによって完成できるんなら、喜んでこれはやる、損得の問題じゃないんです。このことは、ひとつどうぞ相澤さんに誤解のないようにお願いしたいと思います。
  64. 相澤重明

    相澤重明君 まあ総裁の言うことは誤解をしやしないよ。それはしやしないけれども、要は一生懸命やってくれということで、いま激励をしているんです。そこで常務に、いまの総裁の言うもうかっている路線、それは具体的に、たとえば三十八年度ぐらいがいいだろうね、三十八年度でこの路線幾らもうかっている、もうかっているところだけひとつ数字を並べてみてください。
  65. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) ただいまの御質問の、線区別の損益でございますけれども、いま手元に持っております資料は絶対額では出ておりませんが、いわゆる営業係数という収入と総原価との割合から申しますと、先ほど総裁が申しましたように、東海道本線であるとか、山陽線であるとか、大都市ということになりますと、山手線であるとか、大阪の環状線というようなところも営業係数の低位のところに入っているわけでございます。線区も非常に多うございますから、全部申し上げることはちょっと……、そういうことでございます。
  66. 相澤重明

    相澤重明君 三十八年度のをいま聞いているんだぞ。いま四十年の二月だ。そのくらいのことがわからないのか。どの線がどのくらいの利益があるというぐらいのことがわからないのか。何を答弁しているんだ。
  67. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 三十八年度の——これはもちろんわかっておりますが、いま手元に金額で出しておるものがない、こういうことでございまして、営業係数といたしましては、たとえばいま申し上げましたような東海道本線は五六という数字が出ておりますから、総原価を収入で割りましたときに五六という数字が出てくるわけでございます。また、ほかの線にいたしましても、たとえば……。
  68. 相澤重明

    相澤重明君 ほかの線でなくて、大都市のところを言ってみなさい。
  69. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 大阪環状線というものは七六%、山手線が五二%という数字が出ております。これはそのとおりで、数字は間違いございませんが、絶対額が必要でございますれば、またあとで……。
  70. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 関連質問。ただいま、なかなか話がいろいろと枝葉にわたって、われわれ聞いておりますと、わけのわからぬようになるのですが、問題一点だけお聞きしたいのですが、問題のこの法案に出ております線ですね、線の効果というものを一体どういうぐあいに考えて着手せんとし、工事を始めるということになっているのか。また、それについては、新しく公団としての予算その他の点でこれだけを早く進めるということはできないということも私はわかるのです。しかしながら、国鉄のほうにおいては、この線を敷く以前において、この線の利用というものについては、大局から考えて、ただ単に櫻木町間の先を延長して、その支線としての利用だけを考えておるか、あるいはまた大船まで通した場合に、東海道線のいわゆる別線として、東海道線の混雑、通勤緩和というようなことに役立たせようということに重点が置かれておるのか、そういう点をどうお考えになっておるかということを、ひとつまず運輸省、それから国鉄のほうの方にお伺いしたい。それで問題は私はきまるのじゃないかと思うのです。というのは、通勤関係というのは、総裁がいまお話しになりましたように、かりにもうかるのもうからぬは別として、とにかくこの大都市周辺の通勤輸送を緩和するということは焦眉の急である。だからそれを取り上げて、おそらくこういうことも促進されてきておったのではなかろうかと思うわけですが、そういうことであるならば、そういう観点に立って、国鉄さんも従来四年九カ月程度考えておったのか。そうすれば、最近のこの通勤輸送を重点的に考えていこうというこのムードから考えて、一つの促進はこの法案を出すというところまでにはなかったのかあったのか。さらにまた、これをやるについてですね、もうすでに四十年度予算はもう二、三日すれば事実上は通る状況になっておるから、少なくとも建設着手にきまっている十四線においては、その重点性が、お互いに考えられて、そうして来年度予算についても少なくともこの程度はやるのだということがもうきまらなければならぬわけです。ただ、何とかできるだけ早くというような、まあ逃げ口上みたいなことで済まされるべき問題ではない時点に達していると思うのであります。まず鉄監局長から、その全体的に見て公団とそれから従来の国鉄の見解とを考えられての所見をお聞きしたいのであります。おそらく相澤委員も、この線だけを、ほかの線路をほったらかしておいてこれだけやれということを言っておるようにはわれわれは承っておらぬから、私としてはその点をひとつお伺いしたい。また、通勤輸送というものをどういうぐあいに考えるのか。従来の計画より通勤輸送を重く考えて、これに関連ある線路についてはさらに建設を促進するという意思はないのか。それがあるとすれば、この法案提出の際にはどういう考えまでに協議その他がととのっておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  71. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 今回御審議を願っております追加路線は、御承知のように、武蔵町線のいわゆる延長といいますか、武蔵野西線とわれわれは言っておりますが、それと京葉線、湖西線の三線でございます。これらはいずれも、武蔵野線につきましては、首都外郭環状線の一部を形成しまして、すでにおきめいただいております小金線等と貨物旅客の外郭環状輸送をするということを使命としておるわけでございます。京葉線につきましても、先般御説明を申し上げましたように、品鶴貨物線の都市交通対策その他の観点考えまして、この線の使命を考え、湖西線につきましては、御承知のように、裏縦貫の一部となるというような性格で考えていくということが、今回御審議をお願いしておる三線でございます。  なお、いまお話がありました、また先ほど来相澤委員からお尋ねのあります根岸線でございますが、これは御承知のようにすでに敷設法別表に入れられ、なお工事線として格づけをされまして、工事に着手をする線でございます。四十年度から本格的に工事にかかるということをしばしば御説明しておるわけでございます。この使命は、通勤輸送及び新工業地帯整備のために有効な新線であると考えて、われわれとしてもできるだけ急いでやらなければいかぬというふうに考えている線であるわけでございます。ただ、金丸委員お話しのように、われわれとしてはほかにもたくさん建設線を控えておるわけでございます。先ほど来御説明申し上げておりますように、この根岸線につきましては、特にその重要性にかんがみまして、なるべくすみやかに工事の完成をしたい。ただしかし、いろいろ具体的に工事の段取りその他を考えまして、やはり相当の期間を要することをお含みを願いたいということを御説明申し上げておるわけでございます。
  72. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 根岸線につきましては、これに対しては今年から工事を着手するということになれば、新しい予算を使ってやるということだけはさまっているんだね。あなた方の意思はきまっているわけだね。そうすると、それを大体どの程度のウエートを持って、十四線あるとか言われるが、どういう程度にお考えになって、通勤輸送の解決に貢献しようということを考えておられるか、その点を伺いたい。
  73. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 新しくつくります線はそれぞれの性格を持っておるわけでございますが、本線につきましては、われわれとしても相当のウエートを置いてやっていくようにしたいと考えております。
  74. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 ちょっと伺いますが、その線のつまり経済効果といいますが、それは赤字になりますか。
  75. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) これは先ほど国鉄総裁からお話がございましたように、将来は非常にこの使命にかんがみまして、経営的にも相当いい線になるというふうに考えるわけでございますが、何ぶんにも当初の建設費の額が戦前に投資をした線に比較しますと、そのオーダーが違うわけでございますので、当初から非常に経営的に採算がいい線になるということを申し上げることはできないと思います。この使命にかんがみまして、建設が完了しましたならば、そう長い期間はたたないで償却ができる状態になるのではないかというふうにわれわれは申し上げております。
  76. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 もう一つ聞きます。根岸線は大船連絡すれば黒字になるということであるならば、早くこれをやって、そして促進して黒字にし、なおかつ通勤、それから場合によっては東海道方面の緩和ということにもなるということになるんじゃないですか。その点はお考えになっておらぬのですか。
  77. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) お話のように、大船連絡をさせることを目的として鋭意建設を進めるようにいたしておる次第でございます。
  78. 金丸冨夫

    ○金丸冨夫君 だから、それを早くやれば通勤も非常に楽になるし、それから収益もあがるということは、これは通っていけばあがるということじゃないですか。そういうことであれば、ひげ線みたいにしておくことをなるべく避けて、早く工事を完了していくということが経済効果も発揮せられるし、またいま非常に要求せられている通勤輸送緩和にも資するのじゃないかと思うのだが、それはどういう御見解ですか。
  79. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 結果において、できるだけ早くやりたいということを先ほど来申し上げたとおりであります。
  80. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 どうも聞いていると、さっぱりこれは中心に触れてこないのでね。これは無理もないと思うのですけれども、だけれども、公団予算が当初要求が五百億くらいのものに対して、いま政府原案として出された二百五十四億、そのように大なたをふるわれて出てきて、公団側としては当然建設審議会で出された別表のおそらく六十三線中二十二、三線すでに着工しているのじゃないか。いずれも着工線が、先ほどの国鉄総裁の言を借りるまでもなく、採算とれるとかとれないとかということにこだわらず、一面には今日の日本の経済のあり方の問題に並行させるために建設をしているし、もう一つ地域格差というものを是正するためにプラスして、地域開発をするために建設している、こういうものになっていると思うのです。だからそこのところが、全部公団の要求しているような、つまり財源を政府が責任持って資金調達するということになれば、どことどこがどういう順番でやるということは言えると思うのだけれども、そこのところはまだ言えない、そこらあたりにこの問題があると思うのですよ。で相澤先生の聞いている意味は、そういうことではないと思うのだ。それから金丸先生が聞いたことも、その必要がそういうことであるならば、そうすればいいじゃないかということなのであって、つまるところは、大局的に考えてみると、金丸先生のおっしゃっていることもそこらを聞いていると思う。だからぼくは運輸省並びに公団、それから国鉄のおえら方、総裁もおりますから、そう多く語る必要がないが、問題は思想といいますかね、ものの見方、考え方といいますか、その中心がいまのところどうも運輸省公団国鉄側とピントが合わぬ。合わないから変に聞こえるわけですから、この際は統一して、どこかに合わしてやらなければいけないと思う。国鉄のたとえば長期計画というものとそれから公団建設計画というものは切り離すことができないと思う。ですから、それを指導監督している運輸省としても、鉄監局長見のがすわけにいかぬわけでしょう。そういうところに焦点を置いて答弁したら、必ずしも何線が第何番目で、何億何千万円かけます、などという答弁をしなくても、相澤先生なり金丸先生は了解すると私は思うのですね。で、今日国鉄がつまり長期計画を策定をして、政府がかなりこれに対しててこ入れをしなければならなくなった現状というのは何か、ここに一つ問題点をしぼればいいと思うのです。それから鉄道建設公団が行なっておりまする新線建設というものは、国鉄でやっておったのです。ところが、昨年建設公団を、いろいろな理屈はありますけれども、つくり上げなければならなかったのは何か、ここにその問題の焦点を持っていけばいいと思うのです。そして、あわせて、今度は五カ年計画で当初国鉄考えたものが、資金調達その他いろいろな事情が重なって、その計画が七カ年間になって、これは国鉄側としては不満だったと私思いますよ。思うが、やむを得ずそれを認めて今日七カ年計画を樹立をして、とりあえずはまことに不安定な内容予算であるけれども、三千三百億というものを長期計画の初年度として金を使うことに、とりあえずいまのところは、国会予算修正されない限りは、これが認められるであろう、これだけは想定できると思うのです、総裁ね。そこで、国鉄が、つまりなぜ長期計画を立てなければならなくなったかというと、これはまあ総裁以下皆さんに申し上げることは釈迦に説法だけれども、国鉄はかなりの歴史を持っていますけれども、戦前というのは、大体私どもの知っている範囲内では、当座の輸送を確保すればよいというような必要性に基づいて国鉄というものが経営、運営されていたように思うわけです。ですから国鉄には、したがって、これはいまのような性格でもなかったわけだし、かなり余力がありましたから、計画に弾力性を持っておりますから、多少の世の中の経済事情の変動等々があっても、それを吸収するだけの能力があった、あらゆる面で能力があった。ところが、その後、この戦前の、つまり戦争中ですね、それから戦後の混乱期、こうしたことに災いされて、国鉄がさっぱり新しい投資というものができなくなった。加えて、アメリカに占領されたために、かって気ままに国鉄の経営もアメリカの占領軍にやられておったことは、総裁、いなめない事実だと思うのですね。そういうことが手伝って、その後日本の経済が漸次発展をしてきた。さて、いま言ったような事情から発展しつつあるこの経済事情というものとでは、しからば国鉄の投資というものがバランスがとれているかというと、全然バランスがとれていない。そこで、いろいろ問題が起きてきたのは何かということになると、結果、国鉄はみずから、政府がちっともこいつはめんどう見ていないわけですから、みずからこの問題を解決するためにいろいろな努力をしてきた。経営の合理化であるとか、近代化であるとか、あるいは、いやな職員に対して首切りを強行してみたり、配置転換をやって、経営内でこれは労使の問題でいろいろトラブルを起こしつつやってきたけれども、なおかつ、それを充足するに足りないために、どういう現象が起きたかというと、過密ダイヤなどといわれるように、毎回ダイヤ改正ごとにこのダイヤの増発をするような状況になってきた。設備のほうはどうかというと、新しい投資ができないから、結果的には老巧施設で、しかも、いま言ったような過密ダイヤというダイヤ編成をしなければならぬから、勢い事故が起きてきた。それにあわせて、日本の経済構造が変化したわけですから、大都市に非常に輸送の変化が伴ってきた。これが通勤、通学輸送のつまり問題となって、これは東京のみならず、大都市には至るところにこういう現象が起きてきたということなんでしょう。で、このまま放置をしたらどうなるかということだから、これはたいへんなことだからということで、当面経営者である国鉄は、当然なんだけれども、政府としても、このままではどうにもならないからということで、国鉄——つまりこの二年間延長しましたけれども、長期計画というものを策定して、これに国の政治の力として、つまり政策として、施策として手を打たなければならないというのが、今日の現状ではないかというふうに思うのですよ。だから、そういう現状認識の上に立てば、新線建設を受け持つ公団としても、国鉄が今日の段階では三つの柱を持っているわけですから、具体的に、公団側としてもこの三つの柱に合わしたような、つまりこれからの新線を建設していく場合に、この合わした計画をお立てになって——これはもとより予算が伴ってきますから、一朝一夕にはいきませんけれども、そういう計画を樹立をすれば、今日国鉄が行なわんとする長期計画につまり側面的な協力をやはりすべきではないかというのが、相澤さんの質問の要旨だというように私は聞いているのです。で、一例として、たまたま根岸線も——今度出ている敷設法の一部改正には直接根岸線は出ていませんけれども、こうした事柄も一体通勤輸送を、どう考えておられるのかどうか、あるいは経済性はどうであるかというようなことを聞いているわけですね。先般私はその意味で、ですから営業係数はどうなっているか——出していただきたいと言った意味もそこなんです。だから、そういうことにより役立つのであれば、こういうおりにやったらいいじゃないかというのが、金丸先生意見だったですね。そういうことでしょう。それが、どうもあなた方は、いま申し上げたような問題の中心からはずれたような、それぞれの答弁をするものですから、ここで堂々めぐりになっている。だから、私はこの際、これは運輸省から答弁すればいいと思うが、今度の国鉄の長期計画というものについては、これからまだまだいろいろ問題があるし、議論もしますけれども、基本的には、国鉄のこの長期計画の三つの柱を推し進めるにあたって、新しい新線建設というものを——全部というわけにはいきませんわね、いきませんけれども、おおむねその柱を側面的に協力−援助なんということばになりませんからね、協力をするようなつまり思想で、それぞれの、たとえばこの敷設法なら敷設法の改正を行なうのであり、あるいは、いまできております、着工しております二十二線についても、おのずからこれからあなた方が具体的な計画を樹立するわけですけれども、順番がきめられていくものだという思想統一ぐらいは私はできるものだと思うのですがね。こういう点は佐藤さん、どうなんです。
  81. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 吉田委員お話しのように、国鉄の輸送状況からして、何とかこれをしなければならぬということは、四十年度から四十六年までの長期設備投資計画を樹立をいたしましたが、政府としてもこれを推進するということになっているわけでございます。で、その長期設備投資計画が樹立されました際に、いま御審議を願っております東京の外環状線あるいは根岸線、京葉線、湖西線というようなものが入っておるわけでございますので、こういうものは、お話のように、国鉄の輸送改善の大きな目的の一環として、われわれとしても将来を考えて取り扱っていくべきだというふうに思っております。
  82. 篠原武司

    参考人篠原武司君) ただいま鉄監局長からお話のありましたように、公団でやっております仕事の半分は、国鉄の長期計画というものに−ぜひ何年までにやってくれというようなお話のありました線区でございまして、そういう計画に沿いまして工事を完成させるように考えております。ただ地方開発の線区につきましては、国鉄からいつまでにやれというような御要望がございませんが、いろいろな国鉄運輸省、その他お打ち合わせ、御指示を得ながら開発線を取り上げまして仕事をしております。そしてその仕事をやっておりますにつきましては、どういうふうな気持ちでやっているかということを申し上げたいと思いますが、それは現在着工しております線区は、なるべく早く効果をあげなければなりませんので、その着工線にはできるだけ金を投入いたしまして工事を積極的に進めていく。それから新規の着工線につきましては、いろいろの点を勘案いたしまして、なるべく着工線の効果をあげるようにすることを主眼といたしました関係上、新規着工はある程度は押えなければならぬというような立場で線区の計画を進めたいと思っております。
  83. 相澤重明

    相澤重明君 先ほどから議論があったように、何といっても巨額な投資をするのですから、その投資が経済効果があがるように、効率的運営ができるようにというのが、これは何といったってやはり経営の中では一番中心になるのですよ。いいですか。しかし、だからといって、さっき国鉄総裁も言うように、われわれは地域開発のことをあわせて考えながら、もうかる線ばかりやれと、こう言っているのじゃないのだ。もうからない線をやることも、国鉄なればこそやらなければいけないと、こう言っているのだ。そういうことで、いまの着工線をあまり長期的に置けば、これはもうこの線は通るのだということになれば、いまのような時世では、土地の値上がり等も含んでますます費用がよけいかかってくるわけなんです。だから、できるだけ早く効果をあげるようにしなければ、これは経営者も損だし、投資をするほうも損ですよ。それから利用するものも損なんです。これはもうみな損なんです。こういう意味からいって、われわれとしては、少なくとも鉄道建設公団ができて、十カ年計画でまずこの程度やれば、いまの一番困難な輸送力の隘路を打開できるということで発足したと思う、これは。そういう中で、先ほどから言うように、最も大都市近郊というものは輸送力は隘路になっておる。これを打開するのに、もうかるとかもうからぬとかいうことじゃなくて、やはり救済しなくてはならぬというところにあるわけなんですね。ですから率直に言って、この鉄道建設公団に一生懸命やってもらいたい。だから予算もできるだけ多くつけていくというのが、国会の私はやはり仕事だと、こう思うのです。その点は石田国鉄総裁の言うのも、鉄道建設公団篠原総裁の言うのも、変わりはないのだ。当委員会、みなひとつそういう気持ちでやっていこうじゃないか。だから、この前の運輸大臣予算を削らないでくれと言うから、いま予算を削るなんていう考えはない。運輸委員の者はみな、これで予算は少ないのだけれども、当面計画的にやってできるだけ早く効果をあげてもらいたい、こういうことについてみな指摘をしているわけだ。  そこで、これは資料要求になるのだけれども、先ほど国鉄務理事から、三十八年度の決算の場合の、もうかっておる線ともうからぬ線という中で、もうかっている二割五分の路線の比率を答弁してもらったわけだ。これは先ほどの答弁を聞いただけでも、これは各委員がみなわかるように、決してもうからない線ではないのだ。さっき言った線はもうかっているわけです。それを、じゃ、ただどのくらいその路線がもうかっておるかということについては、さっきのパーセンティジだけではわからぬ。これは資料要求として各委員に、東海道線は幾ら、パーセンティジでいえばさっき言ったように……、金額にすれば幾らになるのか、こういうものを全部出してもらいたい。もうからぬ路線というのは一体どのくらい赤字になっておるのか、こういうこともあわせて出してもらいたいと思う。これはひとつ国鉄側に、三十八年度でけっこうです、つくって次の委員会に出してもらいたい。  それからいま一つ鉄道建設公団の、さっきもまあ鉄監局長は、いま予算審議の段階ですから、という答弁なんだけれども、政府、与党としても、三月二日ごろまでに衆議院予算を上げて参議院に回してもらいたいと言っておる。二口になるか三日になるかわからぬけれども、いずれにしても衆議院の段階はもう今月一ぱいで、三月にはとにかく参議院まで送りたい。参議院も三月のうちに、三十一日までに予算を通したいという考え。基本的には参議防がきまらなくても、衆議院がきまれば予算というものは使えるわけだ、いまの国会からいけば。そういうたてまえからいけば、先ほど篠原総裁が言う、たとえば十四路線をやりたい、そのうちの、今日この鉄道敷設法で三つの大きな路線提案をしてきている、こういうことからいけば、どの路線にどのくらいの仕事をしたいということくらいの考えがなくて、予算が通って——予算が通りますけれども、まあ参議院が三月三十一日を目標に通って、四月一日以降でなければ、そのこと自体もできません、なんというふぬけた話は私はないと思います。そんなことでは、とてもじゃないけれども事業なんというのは四月にできるはずはない。国会予算が通れば着手ができるということでなければならぬ。それだけに、もう前半年間に各省予算、そして審議をしながらこういうことをやりたいからこれだけの金が必要だということで、予算というものは出している。だから十四路線の、たとえば公団が重点的にやりたいというなら、その十四路線はどのくらいこの建設をやるつもりなのか、そういうこともひとつ資料として提出を願いたい。そうでなければ、結局は、国会にはただ提案をするだけで、実際には、先ほどから何回か申し上げるように、屋上屋を重ねるだけであって、ちっとも仕事というのは進まない、こういうことになってしまう。私はそうじゃないと思います。皆さんがやっていることは一生懸命やっていると思うし、私どももそういう意味予算というものを早く通したいという気持ちになっておる。だから、この重点的にやろうというなら、公団なら公団政府なら政府が、どの程度まで今年度のこの中で、たとえば二百五十四億はどういうように使いたい、そういうことを資料として私は提出願いたい。その上に立って私はこの問題をいま少しやりたいと思う。きょうは時間も少し無理だったと思うが、まあ関係者に少しきつく言い過ぎた面もあったかもしらぬけれども、要は、先ほど申し上げたように、激励をして大いにがんばってもらいたいから申し上げたのであって、ひとついまの資料を次回までに提出してもらいたい。これは委員長にひとつ要求しておきます。
  84. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) いまの相澤委員のお話しの国鉄資料は、国鉄につくってもらうようにいたします。それから公団関係でございますが、御承知のように、全体の着工線の規模、それに要する資金量等は、資料として提出させていただきます。ただ来年度の分につきましては、大蔵省とのまだ事務的な折衝等も相当残っておりますので、何といいますか、大きなワクの資料でひとつお許しをいただきたいと思います。これは先生お話しのように、逐次内容が完備していくに従って補完をさせていただくようにいたしたいと思いますので御了承を願いたいと思います。
  85. 石田礼助

    説明員石田礼助君) 相澤さんに御参考のために申し上げますが、たとえば鉄道敷設法の一部を改正する法律案に出ておる線というものは、これは実は国鉄から公団にお願いして、ぜひやってくれ、こういうようなことでやる線でありまして、それだけ国鉄というものと公団というものとは、ほんとうに二身一体となってやっておる。決して分かれたために工事がおくれるというようなことは絶対にないということをひとつ十分に御承知願いたいと思います。
  86. 相澤重明

    相澤重明君 総裁のことばの出し方はいいと言っていないのだよ。あなたがいま言う、国鉄側から公団にお願いする、別にお願いしなくたっていいんだ、国がやることだから。だから国鉄公団も、要は鉄道建設について、いまの国民のこの需要にどうこたえていくかということに対して、政府の監督下において建設公団国鉄も誠意をもってやってもらう。われわれも、その予算的な問題にしても、法律的な問題にしても協力をしていく、こういうことなんですよ。だから総裁は何しろ非常に人格者だから、ことばは丁寧に使って、国鉄がお願いします、——お願いしなければやらないという建設公団じゃ困る。そんな建設公団ならやめたほうがいい。そこで、そうじゃなくてそれは一緒だ、そういうことについては私もいいわけです。  そこで、篠原君に一つだけ聞いておきたいことがある。それはどういうことかというと、先日大蔵省が国有財産払い下げの問題で、大船のPXだな、PXの倉庫あと地を国鉄が通る、国鉄が通るように建設公団が払い下げを受ける、こういうときに、どういうふうに鉄道を通すのですか。こういったときに、あなたのほうの担当者、どなたが話したかわからぬが、その両側は全然わからぬ、とにかくこれだけの土地は必要だという話はしたらしい。けれども、鉄道がどういうふうになってくるのかわからぬ、こういうようなことを言ったとか言わぬとかいうことで、大蔵省は、建設公団なんというものはいいからかんなものだ、ただ全体の土地を払い下げてもらえばいいという考えなのか。これじゃいけないから、いま一回出し直してこい、こういう話をしたということを私は聞いておる。だからそういう点が、先ほど申し上げたように、青写真というものがあって、建設計画があるはずだ。具体的に幅くいをどう打つかということについては実筆調査になるだろう。けれども、少なくとも国有財産を払い下げてもらって、そこに鉄道を通すというからには、その両側がどういうふうに、こういうふうに磯子から大船に来るのです、そういう計画がなければ、そこだけ、まん中だけぽつっともらいたいと言ったって、いい返事をするわけがない。そういう点で私は一貫性が欠けているように思う、これは。だから、そういう点をまだ計画がないといえば、これから相談をするのですといえば相談をするのでしょう。けれども、そういうことであっては、先ほどから何回も私がしつこく申し上げたように、これはとてもじゃないが四年や五年でできないのじゃないかと心配するわけです。早くこれを促進してもらって、経済効果をあげ、輸送力増強に資するためには、そういう点もちゃんと一貫性を持ったものを私は公団がつくって、国鉄にも示し、そうして大蔵省にも国有財産をひとつ出してもらいたい、こういう話でなければいかぬと思う。  それからいま一つの問題は、横浜の洋光台団地というので、日本住宅公団が団地の造成をしておる。六十二万坪です。その中に、横浜の計画局と住宅公団が相談して、この地帯ならば鉄道線路は通ってもいいだろう、学校はどういうところにつくろう、公園はどういうところにつくろう、こういう宵写真は公団はある。どうも仕事ができるできないということは、全部の買収計画が済まなければできない。しかし、少なくともいま四割を公団は買収して、あとの六割を都市計画法に基づいて買収するわけだ。そのときに、国鉄がどこを通るかわからぬ、こういうことであってはこれはやはり向こうの計画というものはできないわけです。そこでこの間、私が参議院の決算委員会に挾間日本住宅公団総裁を呼んで、一体公団は団地造成の中でそういうことを考えているのかどうか、こう言ったら、それは考えております、だとするならば、地元の横浜市と団地造成について相談も住宅公団はやっているだろうし、今度は鉄道建設については、地元神奈川児なり横浜市なり、あるいは鎌倉市なりが積極的にあなたのほうなり、運輸省なり、国鉄総裁には陳情しているわけだ、早くやってほしいと。それに対しても公団は、こういうふうにやっていきたいと思う、三者協議しなければならぬと私は思う。だから前回の当委員会でも、すでにそういう計画が日本住宅公団にもあるし、これは大蔵省国有財産の問題についてもあるから、早くやれば値上がりしないで経済効果があがるんじゃないか。しかし、それが長くなれば、もう土地だっていま坪三万円が五万円になるかもしらぬ。十万円になるかもしらぬ。そういうことでますます投資額がふえて国損にも近づくことになる。こういうことで、私はひとつ促進方を一そう皆さんに進めてもらいたいという話をしたわけです。だからひとつ、いまのそういう住宅公団なり、あるいは大蔵省の国有財産の払い下げの問題については、なるべくそういう一貫性を持った全体の計画というものを持って、こういうふうに鉄道建設公団はやりたい、これは運輸省も国有鉄道も一致しているということでなければ、向こうもうんと言わないと思う。そういう点の意思統一を早くしてもらいたい。できれば私はそういう青写真をつくってもらいたい。それが、先ほど言った取りつけ口が磯子から二キロなら二キロ、その先の住宅公団の土地はこのようにとる、PXの大蔵省の国有財産はこれは早く払い下げてもらわなければいけないが、それがほかを通るならば、大蔵省もそんなことをあなたのほうに言うはずはないのだから、そういう点で、できるだけ早く計画というものを出して、あまり値上がりをしないように用地の確保ぐらいは私はやってもらいたい。だから、高架で全部やるのか平面でやるのか、私はそれはあまり知りませんけれども、それはあなたのほうの計画でありますが、少なくとも、この前も石田総裁が言ったように、これが大船の中に入るのに平面でやるなんて、こういうことはとるべきでない。少なくともいま鉄道の既設のところさえ立体交差化を進めて、踏切というものは、地上の踏切はなくそうというのがいまの立場です。これから新しくつくるものを路面で、平面でやるなんというようなことはおそらく意味がないことだと思う。そういう意味で、そういう高架にするなら、どういうところがそういうふうになるのか、計画を早く進めて、できるだけわれわれが言っているように、ひとつ国民の期待にこたえてもらいたい、こう思うのです。そういう意味で、大蔵省の管財の人の話でそういうことをちょっと聞いたんだが、そういうことをあなたは知っておられるかどうか。これはあなたのほうから答弁してもらいたい。
  87. 篠原武司

    参考人篠原武司君) ただいまお話しのありましたPXのところを通る問題でありますが、これは私はどういうふうに折衝したか、詳しくは存じておりません。しかし、あそこのルートを三本でしたか、四本でしたか、いろいろ案がございまして、その案につきして話をしたことはございますが、これは早急に御趣旨のようにルートをはっきりきめまして、用地の手配はなるべく早く解決したいと思います。
  88. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本案に対する残余の質疑は、次回に譲ります。次回は二月二十五日午前十時開会の予定でございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時九分散会。      —————・—————