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吉田忠三郎君 どうも聞いていると、さっぱりこれは中心に触れてこないのでね。これは無理もないと思うのですけれども、だけれども、
公団の
予算が当初要求が五百億くらいのものに対して、いま
政府原案として出された二百五十四億、そのように大なたをふるわれて出てきて、
公団側としては当然
建設審議会で出された
別表のおそらく六十三線中二十二、三線すでに着工しているのじゃないか。いずれも着工線が、先ほどの
国鉄の
総裁の言を借りるまでもなく、採算とれるとかとれないとかということにこだわらず、一面には今日の
日本の経済のあり方の問題に並行させるために
建設をしているし、もう
一つは
地域格差というものを是正するためにプラスして、
地域開発をするために
建設している、こういうものになっていると思うのです。だからそこのところが、全部
公団の要求しているような、つまり財源を
政府が責任持って
資金調達するということになれば、どことどこがどういう順番でやるということは言えると思うのだけれども、そこのところはまだ言えない、そこらあたりにこの問題があると思うのですよ。で
相澤先生の聞いている
意味は、そういうことではないと思うのだ。それから金丸
先生が聞いたことも、その必要がそういうことであるならば、そうすればいいじゃないかということなのであって、つまるところは、大局的に
考えてみると、金丸
先生のおっしゃっていることもそこらを聞いていると思う。だからぼくは
運輸省並びに
公団、それから
国鉄のおえら方、
総裁もおりますから、そう多く語る必要がないが、問題は思想といいますかね、ものの見方、
考え方といいますか、その中心がいまのところどうも
運輸省と
公団と
国鉄側とピントが合わぬ。合わないから変に聞こえるわけですから、この際は統一して、どこかに合わしてやらなければいけないと思う。
国鉄のたとえば長期計画というものとそれから
公団の
建設計画というものは切り離すことができないと思う。ですから、それを指導監督している
運輸省としても、鉄監局長見のがすわけにいかぬわけでしょう。そういうところに焦点を置いて
答弁したら、必ずしも何線が第何番目で、何億何千万円かけます、などという
答弁をしなくても、
相澤先生なり金丸
先生は了解すると私は思うのですね。で、今日
国鉄がつまり長期計画を策定をして、
政府がかなりこれに対しててこ入れをしなければならなくなった現状というのは何か、ここに
一つ問題点をしぼればいいと思うのです。それから
鉄道建設公団が行なっておりまする新線
建設というものは、
国鉄でやっておったのです。ところが、昨年
建設公団を、いろいろな理屈はありますけれども、つくり上げなければならなかったのは何か、ここにその問題の焦点を持っていけばいいと思うのです。そして、あわせて、今度は五カ年計画で当初
国鉄が
考えたものが、
資金調達その他いろいろな
事情が重なって、その計画が七カ年間になって、これは
国鉄側としては不満だったと私思いますよ。思うが、やむを得ずそれを認めて今日七カ年計画を樹立をして、とりあえずはまことに不安定な
内容の
予算であるけれども、三千三百億というものを長期計画の初年度として金を使うことに、とりあえずいまのところは、
国会で
予算修正されない限りは、これが認められるであろう、これだけは想定できると思うのです、
総裁ね。そこで、
国鉄が、つまりなぜ長期計画を立てなければならなくなったかというと、これはまあ
総裁以下皆さんに申し上げることは釈迦に説法だけれども、
国鉄はかなりの歴史を持っていますけれども、戦前というのは、大体私どもの知っている範囲内では、当座の輸送を確保すればよいというような必要性に
基づいて
国鉄というものが経営、運営されていたように思うわけです。ですから
国鉄には、したがって、これはいまのような性格でもなかったわけだし、かなり余力がありましたから、計画に弾力性を持っておりますから、多少の世の中の経済
事情の変動等々があっても、それを吸収するだけの能力があった、あらゆる面で能力があった。ところが、その後、この戦前の、つまり戦争中ですね、それから戦後の混乱期、こうしたことに災いされて、
国鉄がさっぱり新しい投資というものができなくなった。加えて、アメリカに占領されたために、かって気ままに
国鉄の経営もアメリカの占領軍にやられておったことは、
総裁、いなめない事実だと思うのですね。そういうことが手伝って、その後
日本の経済が漸次発展をしてきた。さて、いま言ったような
事情から発展しつつあるこの経済
事情というものとでは、しからば
国鉄の投資というものがバランスがとれているかというと、全然バランスがとれていない。そこで、いろいろ問題が起きてきたのは何かということになると、結果、
国鉄はみずから、
政府がちっともこいつはめんどう見ていないわけですから、みずからこの問題を解決するためにいろいろな努力をしてきた。経営の合理化であるとか、近代化であるとか、あるいは、いやな職員に対して首切りを強行してみたり、配置転換をやって、経営内でこれは労使の問題でいろいろトラブルを起こしつつやってきたけれども、なおかつ、それを充足するに足りないために、どういう現象が起きたかというと、過密ダイヤなどといわれるように、毎回ダイヤ改正ごとにこのダイヤの増発をするような
状況になってきた。設備のほうはどうかというと、新しい投資ができないから、結果的には老巧施設で、しかも、いま言ったような過密ダイヤというダイヤ編成をしなければならぬから、勢い
事故が起きてきた。それにあわせて、
日本の経済構造が変化したわけですから、大都市に非常に輸送の変化が伴ってきた。これが通勤、通学輸送のつまり問題となって、これは
東京のみならず、大都市には至るところにこういう現象が起きてきたということなんでしょう。で、このまま放置をしたらどうなるかということだから、これはたいへんなことだからということで、当面経営者である
国鉄は、当然なんだけれども、
政府としても、このままではどうにもならないからということで、
国鉄の
——つまりこの二年間延長しましたけれども、長期計画というものを策定して、これに国の政治の力として、つまり政策として、施策として手を打たなければならないというのが、今日の現状ではないかというふうに思うのですよ。だから、そういう現状認識の上に立てば、新線
建設を受け持つ
公団としても、
国鉄が今日の段階では三つの柱を持っているわけですから、具体的に、
公団側としてもこの三つの柱に合わしたような、つまりこれからの新線を
建設していく場合に、この合わした計画をお立てになって
——これはもとより
予算が伴ってきますから、一朝一夕にはいきませんけれども、そういう計画を樹立をすれば、今日
国鉄が行なわんとする長期計画につまり側面的な協力をやはりすべきではないかというのが、
相澤さんの
質問の要旨だというように私は聞いているのです。で、一例として、たまたま根岸線も
——今度出ている
敷設法の一部改正には直接根岸線は出ていませんけれども、こうした事柄も一体通勤輸送を、どう
考えておられるのかどうか、あるいは経済性はどうであるかというようなことを聞いているわけですね。先般私はその
意味で、ですから営業係数はどうなっているか
——出していただきたいと言った
意味もそこなんです。だから、そういうことにより役立つのであれば、こういうおりにやったらいいじゃないかというのが、金丸
先生の
意見だったですね。そういうことでしょう。それが、どうもあなた方は、いま申し上げたような問題の中心からはずれたような、それぞれの
答弁をするものですから、ここで堂々めぐりになっている。だから、私はこの際、これは
運輸省から
答弁すればいいと思うが、今度の
国鉄の長期計画というものについては、これからまだまだいろいろ問題があるし、議論もしますけれども、基本的には、
国鉄のこの長期計画の三つの柱を推し進めるにあたって、新しい新線
建設というものを
——全部というわけにはいきませんわね、いきませんけれども、おおむねその柱を側面的に協力−援助なんということばになりませんからね、協力をするようなつまり思想で、それぞれの、たとえばこの
敷設法なら
敷設法の改正を行なうのであり、あるいは、いまできております、着工しております二十二線についても、おのずからこれからあなた方が具体的な計画を樹立するわけですけれども、順番がきめられていくものだという思想統一ぐらいは私はできるものだと思うのですがね。こういう点は
佐藤さん、どうなんです。