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1965-02-18 第48回国会 参議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月十八日(木曜日)    午前十時二十九分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理事                 前田佳都男君                 吉田忠三郎君     委員                 加賀山之雄君                 河野 謙三君                 木暮武太夫君                 平島 敏夫君                 松野 孝一君                 小酒井義男君                 浅井  亨君                 中村 正雄君    国務大臣        運 輸 大 臣  松浦周太郎君    政府委員        防衛政務次官   高橋清一郎君        運輸省鉄道監督        局長       佐藤 光夫君        運輸省航空局長  栃内 一彦君        海上保安庁長官  今井 栄文君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    事務局側        防衛庁防衛局第        一課長      有吉 久雄君    参考人        日本鉄道建設公        団副総裁     篠原 武司君     —————————————   本日の会議に付した案件理事辞任及び補欠互選の件 ○地方自治法第百五十六条第六項の規定基づ  き、海運局支局出張所設置に関し承認を  求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○運輸事情等に関する調査  (航空に関する件)  (日本国有鉄道運営に関する件) ○参考人出席要求に関する件 ○鉄道敷設法の一部を改正する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  初めに、理事辞任についてお諮りいたします。理事江藤智君から辞任の届け出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、その補欠を互選いたしたいと存じますが、手続を省略して、委員長から指名することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認め、前田佳都男君を理事に指名いたします。     —————————————
  5. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局出張所設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。松浦運輸大臣
  6. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局出張所設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  この案件は、最近における経済の急激な成長に伴い、出入港船舶が激増しております北海道厚岸港に北海海運局釧路支局厚岸出張所を、石川小木港に東海海運局七尾支局内浦出張所を、静岡田子の浦港東海海運局清水支局田子の浦出張所を、それぞれ設置しようとするものであります。  北海道厚岸港につきましては、同港は、捕鯨その他の漁業基地として活況を呈しており、さらに海運貨物の荷動きも活発で、昭和三十八年の出入港船舶は、七十三万総トンに達しております。また、港湾整備昭和四十五年完成目標に進められており、完成時には北海道有数の漁港となることが期待されております。  石川小木港につきましては、同港は、石川県最大の北洋漁業等基地であると同時に、木材等搬出港としても発展してきておりますが、さらに近年、奥能登地方観光開発の進展により、水中翼船等も運航され、ますますその利用度が高まってきておりまして、昭和三十八年の出入港船舶は二十一万総トンに達しております。  静岡田子の浦港につきましては、同港は、工業整備特別地域に指定された東駿河湾工業地帯の拠点として計画され、開発の途上にあります。同地域には、パルプ、肥料、石油、セメント等の工場が建設されておりまして、昭和三十八年の出入港船舶は二十三万総トンに達しておりますが、今後の港湾開発の進捗に伴い、ますます大型船入港が激増するものと思われます。  このように、厚岸港、小木港及び田子の浦港には、相当数荷役量及び出入港船舶があり、また新たに海事関係業者が進出しつつありますので、海事に関する行政手続の利便をはかるとともに、これらの港における海事行政の円滑な運営を確保するため、これらの港に出張所設置する必要が生じてまいったのであります。  以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局出張所設置に関し、国会の御承認を求める次第であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
  7. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本案の質疑は次回に譲ります。     —————————————
  8. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。吉田君。
  9. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 運輸大臣出席しておりますから、大臣にこの際伺っておきます。  大臣も御承知のように、先般全日空航空機遭難事故がございました。この事故捜索救難をめぐりまして、非常に国民の側から見ますと、納得のいかない、理解のいかない点があると思うのです。本来私は、航空機捜索救難は、もとより今日における段階では防衛庁あるいは海上保安庁等協力をまたなければならぬものと思いますけれども、本来的に私は、航空局中心となって、この指揮系統を明かにしてまいらなければならぬのではないか、こう思うのです。したがって、運輸大臣は、今度のこともさることながら、昨年の八月にも藤田航空航空事故がございました。このときにも、ただいま申し上げたような問題は、かなり世論として取り上げられた問題です。今回不幸にして二回目の事故でありますけれども、またまたかような問題が取りざたされている。これらは、明らかに私は、運輸省航空行政全般にわたってどうもそういう問題がありはせぬか、こう思いますので、この際航空事故に対する捜索あるいは救助について運輸大臣は一体どう考えておられるかということをお聞かせ願いたいというふうに思うのです。
  10. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) ただいま御質問の全日空遭難の問題に対しましては、まことに遺憾のきわみでありまして、搭乗者二人の尊き生命を失ないまして、その御家族に対しましてはまことに御同情にたえません。心から弔意を表る次第であります。  当日は出発を少し天候のためにおくらせましたのでありますが、出発後、知多半島の河和の上空をいま通過するという通信が入りまして、これから十五分後に浜松を通過するという連絡があったのであります。その後消息を断ったのでありまして、その後の問題についてはいろいろ航空局長保安庁長官から情報は聞いておりますけれども、きょうは御両人とも出席でございますので、その後の捜索その他につきましては、御両人から答弁するほうが的確であると思いますので、御両人からお願いいたします。
  11. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 事故の概要については、前回の委員会で、航空局長から説明され、さらに概略の報告書が出ておりますから、承知をしております。私が大臣に伺っていますものは、残念ながらこの捜索振り出しに戻らざるを得ない。しかも、どこの手違いかどうかは別として、当初緊急なきわめて貴重な時期に三時間半も空費したというのが世論の問題として取り上げられておる。私は、こうした事柄は去年の八丈島のときにも同じことを行われたので、運輸省として一体こうした事故に対しての捜索救難活動にあたっての体制をどう考えておるかということを聞いている。大臣は全回の委員会出席しておりませんから、その間の経緯は存じ上げてていないと思いますから、答弁しやすいようにもっと具体的に申し上げてみますると、去年の一月十日ごろに航空局一つの案を樹立をしたはずなんです。つまり、これは「航空機捜索救難に関する協定」というような案を樹立したと思う。その中心が、やはり私の知っておる範囲では、運輸省航空局中心になって、先ほども申し上げたように、防衛庁海上保安庁がこれに加わって、一つ協定案なるものをつくり上げて、捜索救難については、統一的な見解、統一的な情報の交換あるいは統一的な行動を行なうように大体骨子がなっていると思うのであります。それが、今回たまたま、この全日空事故にあたってなされてないし、この協定さえもまだ取りきめられていない。何かしらメモ程度なものじゃないかと思いますが、覚え書き程度のようなものでやっておる。ですから、自衛隊海上保安庁航空局というものの、つまりこの施策の面ではばらばらである、横の連係がとれてない、こういうことが指摘されている。特に今度の場合は、ただ単なる一個の浮遊物を発見したということで、海上保安庁だと思いますけれども、かってに捜索打ち切りをやっている。しかもそれが、名古屋港にかなりの時間をかけて運んできて、調査したところが、それは誤認である。あらためて捜索のやり直し。こういう事柄が問題にされているわけでございます。明らかに私は捜索救難活動の不統一だと思う。そのことについて、一体運輸大臣というのは、こういうことは再び起きてはいけないことですから、今後どう考えるかということの基本を聞いているわけでございます。
  12. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) まあ、基本方針は、いま仰せになりましたように、まず、航空問題でございますから、中心航空局中心になりまして、これに海上保安庁並び自衛隊協力を得て万全を期したいと、こう思っておりますが、今回の御質疑の問題としましては、航空局長からひとつ答弁さしたいと思います。
  13. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣は、いま何か、この航空協定そのもののことについて、今後より努力しなければならぬというようなことを言っていますが、これは大臣、これ御承知ですか、この航空協定(案)というものを。
  14. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 知っています。
  15. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 これがまだ協定化されないというのは、どこに問題点がありますか、その問題点を聞かせていただきたいと思うのです。
  16. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) これは、この「目的」に書いてあるとおりにわれわれは実行しておりますが、いま御指摘になりましたように、この最初に発見いたしました浮遊物というものは、まあ的確にそのものであるということで、一時調査範囲をそれを中心にして縮小した、その時間に的確に調査網目標を十分つかみ得ないというのが現状の状況だと私は思いますが、そういうこまかしいことは、私よくわかりませんから、当局から申し上げたいと思います。
  17. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣ね、これはこまかな問題ではないんですよ。個々のその事故現場がどうであるとか、起きた事故の時間がどうであるということは、いま大臣あんたがおっしゃいましたように、それぞれの主管局長がおりますから、そういうところで私はすでに伺っているわけです。問題はこれは思想の問題ですよ。しかも、この「航空機捜索救難に関する協定」、これは依然として案なんです。いま大臣が、そのとおりやっていますと、こう言っておりますけれども、これはまだ案なんですよ。一年たってなおかつたなざらしになって案になっている。なぜ、こういうものが一カ年もたって、しかも、前に八丈島藤田航空機の墜落のときにもこういう問題が起きて、再びそういうことのないようにということで、航空局が努力をされて私はこの案を策定して、海上保安庁防衛庁協議をしていたんだと思うわけです。まる一年もたってまだこれが案なんです。たなざらしされているわけです。だから、なぜ一体防衛庁海上保安庁航空局がこれについて一致しないのか、どっかに問題点があるはずなんです。その問題点はどこにあるのかということを聞いているんです。ということはね、大臣。私は事故が起きたことについてとやかく言っておるわけじゃないんですよ。何といたしましても、現行法では、航空局救難本部なら救難本部というものを設置をして、一段高い指揮命令権を持つというようなわけにはまいらない、法律改正しない限りはですね。ですから、問題は、それにかわるやっぱりこの際は関係機関にこの行政上の指示をするようなことをしなくちゃならぬ。だれが何と言っても、問題は、この救難体制をいかに円滑に組織をするかということが、こういう事故に対する応急の措置ですよ。そういう立場から、運輸省航空局中心になってこういう協定案というものを作成したと思う。それが一年たっていまだにたなざらしになっている結果、またまた幸か不幸か、八丈島の二の舞いで、今度の全日空捜索にあたっても、海上保安庁とそれから防衛庁航空局というものの連絡がとれない、ばらばらである。まことに国民の目から見るといいかげんなものだ、こういうことがただいま世論になっておるわけですから、私の聞いているのは、救難体制というものをすみやかに組織をするということがつまり先決ではないか。そのためには、この協定案というものはざっと私も目を通して見ましたけれども、りっぱなものです。なぜこういうりっぱなものが一年間たなざらしになっておるか、どっかに問題点があるはずだから、この問題点運輸大臣はひとつ聞かしてくれ、こう言っておるんです。
  18. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) これは、一月の十日の日に大体案をつくりまして、皆さんに相談して現在に至っておりますが、これは大体この案によって現在行なわれておるんです。それは、「関係機関が随時必要な協議を行なう」ということは、随時やっております。同時に、今年の一月五日の初閣議におきまして、人命尊重に対する特別な会議がありました。それは主として自動車に重点は置いておりますが、すべての交通機関に対して、人命尊重について、十分注意して人命を尊重するようにという令達を各機関に出しております。したがって、いま御指摘のこの航空関係におきましても、航空局中心になり、海上保安庁並び自衛隊、さらに自衛隊の力にも及ばぬという場合には米軍の援助も受けると、こういう考えのもとに現在これは行なわれております。これを法制化するのが延びておりますが、このとおりに現在行なっております。
  19. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣は、この案どおり行なわれていると、こういうことなんですがね。ぼくは肯定したいと思うがね、大臣、そうなっていないから、ぼくはあなたにその考え方をさらに尋ねるんですが、これは行なわれていると言うけれども、行なわれていないんですよ。これは協定文になっていない、案なんです、完全に。海上保安庁もおります、防衛庁も来ております、政務次官も来ておりますが、これはいまだに合意を見て三行政機関協定になっていない。だけれども運輸大臣はこの案どおり行なわれていると思っているんです。この案どおりもし大臣の言うとおり行なわれていたとすれば、今回のような問題は起きない。この事故が起きた当時の新聞でも、これが盛んにいわれています。「八丈島での事故をきっかけに、運輸省関係官庁の横の連絡を円滑にしようと、航空機事故救難協力体制についての協定を作ろうと案文までまとめた。」、この案文なんです。これは案文なんですよ。ところが、防衛庁海上保安庁などの足並みがそろわずに、いまだに協定は成立していませんと書いてある。しかも、「二十七年、民間航空再開当時に運輸省関係官庁とかわした覚書にもとづいて救難活動が行われている現状——二十七年当時、の覚え書きでこの救難活動が行なわれている現状だと、こういっている。しかも、今度のように、本来救難体制をいかに円滑に組織するかということが最重点にあるにもかかわらず、こういう現状ですから、結果的にはこの救難活動あるいは捜索活動等々についても総合的に行なわれていない、これが妨げになってですよ。各省庁が依然としてなわ張り争いをやっていると、こう書いてある。その結果、捜索振り出しに戻って、貴重な時間、大事な時間を三時間半も空費してしまったと、こうでかく出ているわけです。だから、運輸大臣、あなたの言うとおり行なわれていないのですよ。二十七年当時の覚え書きによってかろうじてやられているということなんです。ですから、あなたがいまこのとおり行われておるという言い方をするなら、すみやかにこれは三者問でこの協定をすべきだと思う。りっぱなものですから——これはりっぱなものです。ですから、これを進めるについて、あなたはこれは行なわれていると、こういうことですが、いつごろまでに——すみやかに三者間協議をさしまして、合議をさして、この協定案なるものの案を取り除いて協定書にして実施させようかと、そのめどをひとつ聞かしてもらいたい。
  20. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) いままでいろいろ話し合いましたが、多少字句修正はあるかもしれませんが、この本筋については三者とも異議はないのであります。ただいままで延びておりましたのは、多少事務の渋滞があったかもしれませんが、その点は責任を持たなければならぬと思っております。しかし、この方向において私はどうしても協定を成立させなければならぬし、この間の事故もこの方向において、航空局はもちろん自分の主体性を持たなければなりませんから、海上保安庁並び自衛隊協力を得てやっております。新聞にはどう書いてあるかわかりませんが、われわれは真剣にその方向に向かって努力いたしたいと思います。
  21. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣は、まあ若干の字句修正は別として、この流れている思想協定化したいということですから、大臣とはこれ以上やりとりはしません。しませんけれども大臣は今回の場合もやったんだとおっしゃっているけれども、やっていない。やっていれば、海上保安庁がかってに一個の浮遊物を発見したからといって捜索を打ち切るなどということはやれないことになっています。ところが、今回はやったんです。だから、この大臣が言う協定案なるものは守られていなかったということになるんですね。  そこで、私は海上保安庁長官にお聞きしますが、今度のあなたのほうの捜索中心をどの程度にして、調査範囲をどこにして、それから協定案も、一応大臣お話を聞くと、三者は思想的に統一していると、こう言っていますけれども、ところが実際はそうじゃなかったわけですから、そこで海上保安庁が、あなた方独自の判断で捜索活動を中止したわけですね。この経緯をひとつ御説明願いたいと思います。
  22. 今井栄文

    政府委員今井栄文君) このたびの事故で、浮遊物、これが救命具、救命ブイの一種であり——救命ブイというか、ブイの一種でございまして、この点、航空機属具等につきまして知識がなかったがために、現地でたまたまその事故の起こりやすかった地点において発見したというふうな面で誤認があってそういうムードができたという点については、まことに遺憾でございまして、この点今後十分に注意をいたしたいと思います。しかしながら、先ほど先生が御指摘になりました、この救難体制について、三者の協力が得られるような体制になかったためにそういうふうな誤認が起こったのではないかというふうな御指摘に対しましては、一言従来の事実を御説明いたしたいと思います。  まず第一に、三者間の協定につきましては、現在中央調整本部を設けるという航空局の原案に対しまして、根本的には、先ほど大臣からお話がございましたように、私ども賛成いたしておりまして、実質的には羽田におきます救難本部との連絡において現地を指導しておったわけでございます。しかしながら、現地におきましては、すでに昭和三士五年におきまして確固とした救難協定がそれぞれの機関の間に結ばれておるわけでございます。で、小牧保安事務所と第四管区海上保安本部との関係におきましては、昭和三十五年十月一日に遭難航空機救助に関する申し合わせという明確な公文がすでに出ておりまして、両者間の事故連絡その他につきましても、あるいは信号の方法通信方法、その他につきまして明確な協定ができておるわけでございます。それからさらに、海上保安庁小牧航空自衛隊並びに自衛艦を管轄いたします横須賀の総監部との間にも、それぞれほとんど同一の時期に公文をもって——ここに私持参しておりますが、協定ができておりまして、今回の小牧中心といたします知多半島その他の周辺の捜索に関しましては、小牧航空保安事務所情報センターといたしまして、三者間で十分連絡をとって捜索を実施いたしておる次第でございます。それから中央との関係につきましては、私ども捜索範囲——全日空機並び海上保安庁保有機自衛隊並びに米軍捜索範囲につきましては、航空局の大体の割り振りに従ってその区域捜索いたしておりまして、私ども船艇もほとんど三管、四管の全力をあげまして海上捜索をやっておりますが、これにつきましても、その捜索範囲につきましては、救難本部との間に緊密な連絡をとって実は実施いたしておる次第でございます。  それから、現在どういうふうにやっておるかといいますと、現在私ども船艇は、やはりその総力をあげまして遭難区域と思われる知多半島から遠州灘方面にかけまして本日も朝六時以降捜索を続行いたしておる、こういう現状でございます。
  23. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 昭和三十五年に何かそういう協定が成立して、そこに持っておるということですが、私それ見ておりませんから、その限りにおいてはどうと言いません。そういうりっぱなものを持っておるとすれば、たいへんけっこうなことですから、大いにそれは活用してもらいたいと思います。海上保安庁長官がいまそこで答弁してみても、これは私はじめ国民は納得しませんよ。この新聞が書き立てていることは、これは事実無根というなら事実無根なように、関係者から私はここで明らかにしてもらいたい。この新聞では、事故が起きてから全日空連絡を受けて、そして第四管区巡視船「ゆうかぜ」が現場に派遣されたわけですね、これは間違いないでしょう。そのときに遭難機のものらしい浮遊物を発見したという連絡があった。そうしたところが、その連絡を受けて間もなく、四管側言い方としては、これはまさに全日空遭難機遺留品であるという連絡があったと、こういう記事になっているんです。そうして、同日の十一時三十五分に名古屋海上保安本部が独自の立場捜索体制を解除をしてしまった、こう書かれています。正午に今度は航空自衛隊が、したがって、その関連があったかないかは別として、救難体制を解除して飛行機を全部引き揚げた、こうなっているんです。その結果、「ゆうかぜ」がこの浮遊物を拾って海上保安庁のヘリコプターで名古屋まで運んだわけです。この間の時間どの程度だったか知らぬが、これはかなりの時間がかかっていると思いますが、そこでいろいろ今度は調査をしてみたところが、全く遭難機のものとは無関係なものであるということが判明した、これが午後三時。この新聞記事では三時。あわてた全日空では、航空自衛隊に再び応援をこの時間で要請をしている。再度その時期から捜索が始まったわけですけれども、この間空からの捜索はもうすでに、この見出しにも載っておりますように、三時間半ストップしてしまったという現象がここでひとつ出てきた。それから一方において、誤まった連絡基づいて、全日空などの捜索浮遊物があったという知多半島沖にしぼられていたので、これもあわてて範囲を広げざるを得なくなってきたと、こういう経過から、結局は問題になるのは、浮遊物の発見という確度の薄い情報基づいて、これはまあ海上保安庁に非常にことばが悪くて申しわけありませんが、早合点してしまって捜索を中止をした、打ち切った。これはいずれも各関係機関連絡不十分にある、こういうことに新聞指摘している。だから、あなたが昭和三十五年の協定が守られてやったということになれば、この新聞記事に書かれるようなことはないはずなんです。ですから、この新聞に書かれた記事がほんとうでないとするならば、ここで私は解明してもらいたいと思う。
  24. 今井栄文

    政府委員今井栄文君) ことばのニュアンスはいろいろあると思いますけれでも、私が、新聞に書かれた、要するに浮流物を誤認して、全日空機のものだというふうな、いわゆる早合点というか、そういうものがあった点は、これは認めざるを得ないと思います。その点につきましては、先ほどおわびを申し上げたわけでございますが、私ども捜索を打ち切ったという点につきましては、実は私どものほうで得ました正確な記録によりますと、四管本部に全日空機が篠島西二海里付近で浮流物を多数発見したという情報が入ったのは当日の十時三十七分でございます。それから十時四十分には中日新聞機が篠島南二海里付近で多数の浮流物を発見したという情報がさらに入ってきたわけでございまして、十時五十分に「ゆうかぜ」がその情報基づきまして篠島の南方約二キロの辺で四角のいかだのような浮流物を、いわゆるそういういかだ型の浮流物を発見揚収いたしておるわけでございまして、ここにおそらく現場としての、まさにこれが大体現場——落ちた所と推定されるような海面にそういうものがあったということで、そこに誤認が行なわれたのでございまして、この誤認につきましては、私どもとしては十分責任を痛感いたしておるわけでございます。十一時三十分には、四管本部はそういった情報基づきまして捜索を打ち切ったのではございません。遠州灘、三河方面からの船艇を実は篠島付近に集中いたしまして、集中捜索を続行するという体制をとったのでございます。したがいまして、航空機につきましては、大体その辺に遭難機事故現場があるというふうな想定のもとに、航空機が一応捜索を打ち切ったと、こういう関係になったわけでございます。それから、その浮流物をヘリコプターによりまして名古屋に運びまして、現実に全日空の運航部長さんにお見せしたところが、これは当該機のものではないということが判明して、捜索をさらに拡充再開したということでございまして、したがいまして、事件の発端が、いま言いました、まさに遭難現場に比較的近いと推定されるような場所にそういうものが、しかも、これは私どもよく調べてみたんでございますが、タンカーにパイプで給油する場合の、パイプを洋上で浮揚させるためのブイだそうでございまして、したがって、そういったものについて十分の知識のない乗り組み員がそれを見ててっきりそうだというふうな誤認があったということが、数時間捜索の一部を遷延させる、あるいは見当違いの所に力を集中したということの原因になったのでございまして、したがいまして、そういった線におきましては、私は新聞の報道そのものを否定いたすものではございません。ただ、救難体制が全然できておらないからそういうことになったんではないかという点については、先ほど申し上げましたように、これは私どもとしては事実でございますので、三十五年の協定によりまして実施いたしておるわけでございまして、現に、その当日におきましても、四管本部に対しまして名古屋航空保安事務所からは六時三十分にすでに情報が入っております。四管本部は直ちにこれを部署と並びに航空機連絡をいたしまして、三河方面に巡視船艇七隻、遠州灘方面巡視船艇三隻というものを直ちに派遣するような手配をいたしておるわけでありまして、したがって、こういった連絡の面、立ち上がりの面におきましては、やはり協定どおりに現地においては行動を起こしたというふうに私どもは報告を受けておる次第でございます。
  25. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 長官はどうも、浮遊物を発見してから名古屋港にヘリコプターによって輸送をしたんで、とりたてて捜索は中止していないと、こういうことなんですね、いまの御答弁ではね。しかしね、どうなんですか、つまりその浮遊物遭難機のものであるということに確認をされてヘリコプターで名古屋港に運んだわけですな。私は現場にその当時いたものではないですからよう事情はわかりませんが、感じ方としては、それが遭難機のものであると確認された限りは、私は、あなたは捜索体制を解いていないというけれども、解いているんだと思う。しかも、巡視船浮遊物を引き揚げた結果遭難機のものとして確認された、今後の捜索海上一本でいくから全機基地に帰れという指令を受けて大阪へ帰ったと書いてあるでしょう。この指令というのはどういうことですか。あなた方の職務上からごらんになったら命令に等しいものでしょう。それで大阪へ全機帰ったと響いてある。ですから、そういう事情を諸般勘案してみると、捜索体制を解除したということになるのじゃないですか。  それから、防衛庁関係の方に聞きますが、正午に航空自衛隊救難体制を解除した、これは事実ですか。新聞に書いてある。これが一つ。  もう一つ航空局長、私はよく知っていませんが、海上保安庁長官は、三十五年にそういう協定を結んだと。いま調査室のほうに話したら、長官だけが持っておるので、その控えがないということですから、あなたに聞きますが、あなたは、おとといですか、委員会の答弁では、去年の一月十日につくった協定案、この新聞にも指摘されておりますように、これがいまだにまだ協定化されておりませんが、とにかくあなた方が努力してつくったのですが、その以前の四年前の昭和三十五年にこれに類するようなものが結ばれているのですか。もしそれが結ばれておって、この協定案に盛られているような内容が充実しておったとすれば、この昭和三十九年の一月十日にこういう案をつくる必要はないわけですが、この関係はどうですか、それぞれから答弁してもらいたい。
  26. 栃内一彦

    政府委員(栃内一彦君) 三十五年の協定は、現地協定でございます。先ほど海上保安庁長官が説明しましたように、四管と名古屋航空保安事務所間の協定でございます。この間御説明しました。いま大体これでまとまっておる。思想的にはもちろんまとまっておるが、ただ、調印していないということは、中央協定でございまして、おのずからその性質が違うわけでございます。
  27. 今井栄文

    政府委員今井栄文君) 先ほど先生から捜索救難体制を解いたのではないかというお話がございまして、それは先ほど私も申し上げましたように、誤認があって、てっきりこれは全日空浮遊物だというふうに即断した面においては、まことに申しわけないということで実はおわびをいたしたわけでございます。その際に、わが船艇を全部広島周辺に集結するという立場をとりまして、浮遊物あるいはその他の関係捜索中心をここへ移したということでございます。したがって、航空機については、あるいはもうそういうことで、ここに捜索重点を移したからお帰り願ってもけっこうだということで、もちろん私ども自衛隊機の指揮権などを持っておるわけではありませんので、そういうふうな御連絡をとって帰っていただいたということではないかと思います。したがいまして、一時的に空の面の捜索が中断されたということは、先生のおっしゃるとおりでございます。
  28. 有吉久雄

    ○説明員(有吉久雄君) 二月十四日、事故発生直後から、三自衛隊航空機が合計十機でございますが、艦艇は出ておりません。飛行機だけでございます。飛行機が十機出まして捜索に当たったわけでございますが、浮遊物の発見があったというふうなことで、二月十四日、途中におきまして航空機による捜索は一時中止いたしております。その後また再開いたしております。
  29. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それぞれ答弁がございましたので、最後に運輸大臣にぼくはもう一回聞いておきます。  海上保安庁長官もいろいろ言い回しをしていましたけれども、いまのこの協定案と関連をして、航空局長の答弁からして、あなたの三十五年の協定書というものは現地におけるものですから、中央のやはり航空局中心とする海上保安庁あるいは自衛隊との関係協定書はいまだにない。案はあるけれども、いまだそれが調印していませんから、ないということです。このことだけは判明した。  もう一つは、自衛隊のいま答弁の中に明らかになりましたけれども、これは長官、あなたが言うように、あなたは航空自衛隊の指揮権、指令権はありませんけれども、ただいまの話では、やはり一時捜索解除をして、その後再びまだ遭難機が発見されていないから捜索活動をしておると思うのですね。ですから、この関係も明らかになってきた。その根拠は何かというと、名古屋海上保安本部が一個の浮遊物をとらえて、遭難機のものであるということを確認をして、やはり捜索を打ち切ったところに、派生的というか、あるいはその何かは別として、そういう連絡をされたから、自衛隊のほうも一時解除したということにぼくはなると思うのです。そういうことになると思うのですよ。これは、そのことがいいとか悪いとかいうことでなくて、現実の問題としてそうなるとぼくは思うのです。  この際、運輸大臣に私は一つ伺っておきたいのは、運輸省航空局の栖林さんがこう言っておるのですね、全くの未確認情報だったとはあきれたものだ、運輸省の監督官があきれるくらいですから、国民はさっぱりこのことについて何が何だかわからぬし、信頼が置けないということになるのです。こういうことでは、運輸大臣、これはもう去年の八丈島においてもこういうことがあるのです。これを未然に防ごうということで、航空局が努力をしてこういう協定案なるものを作成して、寄り寄り話し合っておるのだけれども、一年たってまだ協定化されていない。ですから、このことについては、運輸大臣すみやかにこの協定化をしたいということですから、深くは言いませんけれども、私は先ほども言ったように、こうした事故が発生した場合に、とにもかくにも遭難捜索体制というものが早く組織化をされるようにすることが何よりも先決だと思うのです。そういう意味合いから、今後の捜索活動として、航空局が完全に統括のできるような必要によっては法律をつくればいい。そのことが当面いろいろな関係もありますから困難だとすれば、この協定案中心にひとつまとめ上げて、大きな意味では三たび今度のような事故を起こさぬように、事故ということより、こうした不手ぎわを起こさぬようにしてくださると同時に、国民の疑惑をこの際晴らして私はいただきたいというふうに思いますが、運輸大臣どう考えますか。
  30. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) いまいろいろ御指摘がありましたが、いまの長官のおっしゃるように、この協定の精神に基づいて誠心誠意やっておられることの姿はお認め願えると思うのです。ただ、確認を誤ったという点で、いろいろの捜索中心点を縮小したというところに問題があるのでありまして、自衛隊協力も直ちに発動して捜索に従事してくださっておられますから、もうこれでてっきり墜落した飛行機の浮遊物であると、こういうふうに誤認してしまったものですから、そういうことになったけれども、ばらばらになって横の連絡がとれておらぬじゃないかという初めからの御指摘の点は、これは私はないと思います。しかし、この形式的にまだ協定として整っておりませんから、これはおっしゃるように万全を期して、さらに足らぬ点は、皆さんの御意見も入れて万全を期して今後こういうことの再び起こらないような協定に直していきたいことは十分ありますが、今度そういう三庁がばらばらであったためにおくれているという点ではなくて浮遊物誤認した、それで捜索範囲を縮小したという点に延びておることの重点があるのでありますから、それはひとつ御了承願いたいと思います。
  31. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 各関係機関あるいはその衝に当たっていたものは、これは誠心誠意やったことについては、私は否定しているわけではないのです。一生懸命やったということといまの誤認の問題は別に、各省庁の横の連絡がとれていなかったということ、それからばらばらにやっているということとは、おおよそ性質が違うと思うのです。私は誠心誠意やったことについては認めてもいますが、問題はやはりかりに誤認であったとしても、統一的なやはりいまのところ法律は、そういうものはありませんから、航空局長がかわって命令をするとか何かということになっていませんけれども、せめて前段のいろいろ話をしたこういうりっぱな協定案があるのですから、これさえ守られておれば、だれかが主宰するものがあったと思う。そこから、海上保安庁あるいは防衛庁でもけっこうでしょう、そういうところが的確な連絡をとられて捜索活動を開始したり、あるいは解除をしたりするものだろうと思う。そういう点欠けていたのですよ。これはもうまぎれもない事実なんです。これは運輸大臣今回だけじゃないのです。再三言うけれども、去年のときにもこういう悪い面が露呈されたのです。かってに、捜索する範囲もばらばら、捜索のやり方もこれまたばらばらなんです。そういう結果、遭難機はどこかの山の中に墜落していたのだけれども、発見までに三日もかかったのですね。今回と同じようにこれが非常に社会問題化した。それを二度とそういうあやまちを起こさないようにということで、その経験、体験を踏まえて航空局が曲がりなりにもこういうものを策定してやっていたにもかかわらず、五日、三日ならいざ知らず、ぼくはこんなことを言いませんよ、一年有余たってまだ協定ができないなどというのは、幾らお役人仕事かしらぬけれども、貴重な国民の税金を扱い政策、施策をやっている役人の方々が何を考えているか、しかも口を開ければ、運輸大臣はじめ人命の尊重などと言っていますけれども、そういった事柄が、今度の経過を見て、みじんも私は認めることができないと思う。そういう立場で、私は答弁は必要ありませんから、海上保安庁、それから防衛庁、いずれも自分たちのなわ張り擁護のためではなくして、国民の生命財産を守るという高い見地に立って、この協定を煮詰めて早く協定化をして、三たびこういうことの起こらないことを私は要望しておきます。  それから、ただいま予算審議をしておる段階ですから、この委員会でも主として私は国鉄の長期計画の予算面を若干いま質疑をしている段階です。提案理由の説明があったときに、大臣基本の問題ですから伺っておりますから、例の六百八十八億の特別鉄道債券の点について非常に大臣御努力されておりますことを私認めております。認めておりますけれども、いまだにこれがまだ聞くところによると、大蔵省と大臣のほうとは、かちっとした答えが出ていないやに聞いております。そういう事情の中では、予算はもう三月三十一日にはこれは何だかんだ言ってもあがっていくでしょう。具体的に予算があがりますれば、四月以降になるかあるいは五月以降になるか別として、すみやかに、つまり当面経済要請に基づく長期計画ですから、一日も早くその計画を実施していかなければなりません。必然的に資金が必要になってくる。こういうことになりますから、私はこの六百八十八億の問題というのは、国鉄を経営担当していく人としてはたいへんな問題だと思うのです。そこで、かなり時間が経過していますから、その後の大蔵省との折衝の結果、例の日銀の担保適格債の問題がどこまで進んでいるか。それからまだ交渉の過程だとするならば、予算が三月三十一日に通過するまでにそれが明確になるのかどうか。その辺の展望、判断といいますか、大臣の所見を少し聞かしていただきたいと思うのです。
  32. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) この間も吉田委員にお答え申し上げましたように、大蔵大臣との間には六百八十八億の問題については、一部は担保適格債にし、一部は大蔵省でそれぞれの金融機関に話をつけて、そうして融資をさせるように責任を持つということになっておりますから、私も大蔵大臣の言を信じて、この予算の責任は運輸大臣としても持つつもりであります。
  33. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 運輸大臣が所管大臣として責任を待つという明快な答弁ですから、私は了承いたします。あとしたがって、大臣にはきょうのところはございません。ただ、国鉄に対して、長期計画の若干の問題点あるいは新幹線の営業に伴う諸問題点等々ございますけれども、きょうは鉄道敷設法を審議することになっていますから、本日のところは私はこの辺にとめておきまして、次回の委員会でまたあらためて質問いたすことを申し上げておきます。
  34. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本件については一応この程度といたします。     —————————————
  35. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、鉄道敷設法の一部を改正する法律案議題といたします。まず、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人として日本鉄道建設公団副総裁篠原武司君及び理事渡辺寅雄君の出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、今後、本法案について日本鉄道建設公団役員の出席を求める必要がある場合には、その日時及び人選を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことに決定いたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。
  38. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 二、三の点をお聞きしたいと思います。京葉線関係の木更津から品川ですか、これまでがいままで決定されておって、品川から塩浜まで延長する。この線は何といいますか、国鉄としても採算に合ういわゆる黒字線として非常に期待しておられるということを聞いておりましたが、これを今回の案では品川から塩浜までつなごう、途中で切れておるよりも連絡をするほうが効果が大きいことは、当然であります。大体この線については、いつごろから着工される予定になっておりますか、それをちょっとお聞きしたいのですが。
  39. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 京葉線につきましては、いまお話がございましたように、品川から木更津ということになっておりますのを、塩浜付近から木更津ということに変更するようにお願いしておるわけでございます。で、現在、品川から木更津という線につきましては、すでに着工線となっておりますので、その建設を準備をいたしておるわけでございますが、御審議を願っておりますものにつきましては、御審議をいただきまして、敷設法の別表に追加されましたらば、さらにこれをお話がありますように、工事線に追加をいたしまして、なるべくすみやかに工事に着手するような段取りに進めたいというふうに考えておる次第でございます。
  40. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 実際の工事を進める上においてては、川崎のほうから品川のほうを、この追加の分を先にするほうが適当のように思うのですが、いかがですか。
  41. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 京葉線を予定線として敷設を別表に追加した当時は木更津方面から東京湾岸に沿いまして、船橋を経て越中島、月島等の東京海の内側に沿って品川に至る路線をつくって、逐次その間の輸送をはかるという考え方でございましたが、その後お話しのように、東京湾工業地帯の進展状況及びその造成計画、それから品鶴線の輸送量が非常にふえまして、前々からお話がありますように、東海道線の輸送力を救済しなければいかぬというようなお話もございますし、新鶴見の操車場の能力がもう一ぱいになってきておるというような状況でありますので、お話しのように、なるべく早く塩浜付近から品川に抜ける本線を建設いたしまして、京架線輸送貨物の一部を直接東海道方面に送出ができるようにするという必要があるわけでございますので、お話しのように、順序としてはこれらの区間をなるべく早く手をつける必要があるというふうに考えておる次第でございます。
  42. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 次に、国分寺から鶴見までのこの線ですが、これはほとんどその間は、立川線といいますか、川崎、鶴見のほうから立川に抜けておる、あの線と並行しておるようですが、これを増強するということで利用できないものですか。新しい線でなければ、いままでの線では役に立たないというのでしょうか。その点をお聞きしたいと思います。
  43. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) お話のように、南武線を使って輸送を行なうという考えが以前にはございましたわけでございますが、御承知のように、これは非常に旅客輸送もありますし、線路状態が、道路との平面交差というようなことで、必ずしも現在の輸送状態に適当しておらないということでございますので、さらに別個にこの線を建設いたしまして、新鶴見操車場に立体交差で入れるという必要があるというふうに考えておる次第でございます。
  44. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 そうしますと、大体、建設費として一キロ当たりどの程度かかるものですか。おわかりでしたらお知らせ願います。
  45. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 一応試算したところによりますと、全体で二十六キロメートルございますが、約百五十億程度というふうに考えております。
  46. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 それから次に、湖西線の問題について、いままで予定されておる、東のほうの、何といいますか、取っつきの近江塩津ですね、今度は沓掛に変える。それからもう一つは、浜大津へつなげるのを山科に変えるということ、それはつけかえることによって、どれだけの利益がありますか。それをお知らせ願います。
  47. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) まず、終点の塩津を沓掛に変更する理由でございますが、この線は、前回御説明申し上げましたように、裏縦貫の一貫輸送をなすという観点から、新しく考える場合に、北陸本線と直通の観点からいたしまして、現在計画しております塩津は非常に勾配がきついわけでございまして、これを制限勾配の千分の十に直すという点からすると、非常に、取りつけが困難でございますので、塩津駅の西方五百メートル付近の山腹沿いに線路を建設いたしますと、この制限勾配以内で連絡ができるという観点から、こういうふうに技術上の理由から変更する必要があるわけでございます。  なお、起点の浜大津を山科に変更する理由でございますが、いま申し上げましたように、将来裏縦貫の一部をなすということになりまして、京阪神方向から直通する必要があるわけでございます。そのためには、湖西線を東海道線と結び、北陸方面と京阪神間の列車を直通運転する必要があるわけでございまして、現在の湖西線の起点浜大津は大津市の中心街にございまして、また東海道本線が大津市付近丘陵地を走って、浜大津との標高差が非常にあるという観点からいたしまして、また、大津の駅は逢坂山隧道に近接しておりまして、線路の取りつけが非常に困難であるというようなことから、浜大津の北方一キロ付近から、線路を西南に曲げまして、直ちに隧道に入って山科に結ぶということが、輸送系絡上適当ではないかというふうに考えられて、こういうふうに変更をお願いしておる次第でございます。
  48. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 近江今津から高城を経て、大津の近くまで、大津を通って江若鉄道があるようですが、これは新線をつくることになりますと、どういうふうに処理されるのですか。これを利用されるつもりなんですか。あるいはもうそのまま並行線として残しておかれる計画ですか、その点をおひとつ教えてください。
  49. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) お話のように、江若鉄道がこの湖西線の系絡路線にほとんど並行して走っておるわけでございます。この線路は御承知のように、全長五十一キロメートルで、軌間が国鉄と同じ一・〇六七メートルの鉄道でございます。したがいまして、この鉄道と計画いたしております湖西線の関係につきましては、その位置その他からして、施設については相当利用し得るものがあるのじゃないかというふうに考えております。ただ、現実にこれは地方鉄道として免許をとって営業しておる線でございますので、これとの具体的の関係につきましては、将来着工いたしました後に、具体的に当該会社と折衝してきめていかなければならない部面が多いかと思いますが、その位置、施設等の観点からして、相当利用し得るものがあるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  50. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 そうしますと、これはそのまま残しておいてということですね。
  51. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 一応具体的の輸送状態を想定いたします場合には、この輸送量その他からいって、この鉄道を存置する必要が相当薄くなる。つまりある部面は大体並行して道路もございますし、バス輸送等も行なわれておりますので、この鉄道を存置する必要がなくなる場合も考えて、事を考えていかなければならないのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  52. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 そうしますと、まだ江若鉄道との話し合いは全然進んでいないということですか。えてしてこういう場合には、補償問題とか、いろいろややこしい問題が出てくる。これはわれわれうわさに聞いたのですから、はっきり申し上げるのも何ですが、うわさに聞いておったのでどうかと思いますが、新幹線ができる際に、近くを通っておった私設鉄道のほうで、景色、風致をじゃましたというので、膨大な補償を要求されたといううわさも聞いておりますが、こういう問題、当然この場合起こってくるように思うのですが、その点いかがですか。
  53. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) お話のように、この並行する私鉄をどういうふうに処理するかという問題は、非常に重大な問題でございますので、今後われわれとしても、もちろん建設を担当する公団等においても、十分その間の折衝をする、またわれわれとしてもできるだけ調整をいたしまして、かりにこの鉄道が存置の必要がなくて、しかもこの施設が相当利用できるような事態が非常に明瞭になり、あるいは従業員の処理等のことについても十分見通しがつく場合には、それらも含めて、いまお話しのような非常にあとで問題を残すことのないように、われわれ事務当局としても十分に折衝を続けていくようにし、かつそれが円満に解決するように、最善の努力をしなければいかぬというふうに考えておる次第でございます。
  54. 河野謙三

    ○河野謙三君 関連して。これは運輸大臣に伺ったほうがいいかと思うのですけれども、予算の執行にあたっての基本方針ですね。まあたとえば十の予定線がある、予算の額からいくとこれをこの十を全部やるためには予算では十年かかるという場合に、十のものに全部に手をつけていけば十年間かかるわけですね。それを十ありましても、おのずとそれは非常に急ぐところと比較的ゆっくりでもいいというところとあるはずですからね。そうすれば三つずつ順に手をつけていって算術計算でいくと三年ぐらいであがってきますね。三年で三つあがったら、その次にさらに三つ手をつける、さらにそのあとで、残った四つをやる、こういうのがやっぱり予算の執行の効率からいくといいと思うのですがね。これはその点は基本方針としてはどういうふうになっていますか。
  55. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 御承知のように、新線の建設を行なう場合には、鉄道建設審議会に諮問を要するわけでございますが、審議会の答申、建議等におきましても、いま先生お話しのように、直ちに着工すべきもの、あるいは予算の状況等勘案して工事を行なうべきものというような振り分けがなされているわけでございます。したがいまして、その建設審議会の答申を尊重いたしまして、われわれとしましても、工事の段取りの振り分けをするということを考えて、そういうふうに実行をしておるわけでございます。なお、具体的に着工しておる線の建設の速度の問題もあるかと思いますが、それにつきましてはできるだけ投資効果があがるように配慮をするという基本的な考え方を、事務的には持って進めておるつもりでございます。
  56. 河野謙三

    ○河野謙三君 これは単に新線の問題だけでなく、改良工事にいたしましても、すべての鉄道の予算の配分の場合に、これは基本的に私はぜひ伺っておきたいとかねがね思っておったのですが、たとえばやろうと思えば金さえあれば新幹線でも四、五年でできてしまうのですね。ところが、おおよそいままでの鉄道の新線その他改良工事にしましてもね、えんえん十年、十五年かかるというふうのものがあったわけですね。こういうことは私は非常によくないことであって、少なくともその工事分量によりましては、まあ三年でできないところもあるでしょう、五年のところもあるでしょうが、少なくとも大体着工したら二年とか三年とか間違っても五年でできる。技術的には私はそういうことは、可能だと思うのですよ。ただ金の面だということになれば、私は、重点的に急ぐところから順次やっていけば、いままでのように一つの新線に限らず、改良工事でも、五年も七年も十年もかかるということはあり得ないと思うのですがね。これはこういうことをもっとそういう方針でやれば徹底していただいたらいいと思うのですが、たとえば今度の、五カ年計画ですか、それに基づいて改良工事その他も、いまおっしゃったような方針で重点的に順次ひとつ急ぐところからやっていく、重要なところからやっていく、こういうことではっきりと予算の執行はお考えになっていますか。
  57. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) お話が国鉄の改良工事のお話でございますが、一応基本的な考え方としては、先生お話しのように、輸送需要の状態に応じて適切に工事を進めていくという考え方を国鉄、運輸省ともにとっているはずでございます。ただ、話を戻しまして、新線建設に限って御説明を申し上げますと、全体の予算の規模が、実は全体に考えられておる工事のスピードには必ずしも、まことに残念ながら、合っていないという状態がございますので、これらの点については、将来われわれ事務当局としてもできるだけ予算の規模をふやすという努力は必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
  58. 河野謙三

    ○河野謙三君 一番私が申し上げて極端なのは、あなたのほうには直接関係がないけれども、農林省関係でいうところの土地改良、これなどはあまり口数が多くて、口数に予算が比例しないので、始めましても二十年、三十年、計算すると百年かかる、二百年かかるというところがある。これは極端な例ですが、しかし、少なくとも十年あるいは十五年かかるというのはざらにある。これが一番いけないことで、少なくとも国鉄でもそれにやや類したようなものが私は従来あったと思うのですが、そうでなく、何か改良工事なら改良工事で予算を割り当てる場合の基準というのは何かありますか。その土地の人口の密度であるとか、産業の活動の活発の度合いであるとか、その他いろいろな予算を割り当てる場合の基準というのがあるわけですか。それとも簡単に算術計算というか、簡単に平面的に各府県別に割り当てるとか、各鉄道局別に割り当てるとか、そういう簡単な算術計算でやっているのか、それとも産業の実態に即して人口の密度に即してやっているのか、そこらのところはどうなっておりますか。
  59. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 具体的な予算の配分のしかたは、国鉄からあるいは御説明申し上げたほうがいいだろうと思いますが、われわれが聞かされておりますのは、具体的の工事予算を配分する場合には、それぞれ工事の実施を担当する個所その他から、詳細な将来の輸送需要の想定、あるいはこれに伴う諸要素を十分勘案したもので予算要求をそれぞれ出しまして、それを総合調整した結果によって予算の配分をするということでございまして、非常に簡単な基準によって現実の予算を配分するというようなことではないわけでございますが、しかし先ほどから申し上げておりますように、現実の輸送需要にマッチした順序で工事を計画しておるはずである、こういうふうにわれわれは考えております。
  60. 河野謙三

    ○河野謙三君 簡単な基準というもので運輸省は国鉄に予算をやって、それは予算をどこをどういうふうに使うかということは、国鉄の全く自由ですか、運輸省は何も発言権はないわけですか、私はそうじゃないと思います。簡単でいいのです。簡単でいいから、たとえばその土地の産業活動の度合いとか、人口の密度とか、現にまた交通の非常な混雑の度合いとか、四つか五つか知りませんけれども、簡単な原則というものを立てて、この予算はこういう原則に従ってやれよということがあるのだと思いますが、それさえもないわけですか、全く国鉄の自由裁量ですか。そんなばかなことはないだろう。
  61. 篠原武司

    参考人(篠原武司君) 国鉄とちょっと違いますが、ただいま問題になっております公団のほうのやり方として御参考までにちょっと申し上げておきたいと思いますが、公団の場合には、この前の四十二回の鉄道建設審議会に要望が出されておりまして、基本計画に示されている工事線については、今後おおむね十カ年で完成するように努力すべきであるというお話がございましたので、われわれの考えといたしましては、そういう想定を一応考えております。それで私どもで工事を出す場合には、一年でできるような工事はございませんので、二年あるいはその前後かかるような工事が主でございますので、一応そういう長期の見通しを立てませんと工事は出せません。  それからもう一つの問題は、この工事をなるべく重点的にやりまして、工期を短縮して成果をすみやかにあげさせたいというふうに考えております。したがいまして、総花的にたくさん手を広げますと、収拾がつかなくなりますので、最初に着手するときは、そうたいしてお金は要りませんが、次年度から非常にお金がたくさん要るようになりますので、戦線をなるべく集約いたしておりまして、将来の見通しに沿うように進めたい。そうしてそれをいたします場合のいろいろな基本的な考え方は、この前から数度にわたりまして鉄道建設審議会などにもいろいろ方針の問題が出ております。輸送計画上必要なものとか、あるいはすみやかに効果のあがるものとか、いろいろな項目が出ておりますが、そういう線に従いまして、われわれは効果のあがるようなことを考えながら予算を考えまして、案をつくりまして、運輸省の認可を得まして仕事を進めるように考えております。
  62. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は国鉄で基本原則をはっきり立てておっても、いわゆる政治的な配慮で運輸大臣が北海道から出れば北海道のほうへ工事をやらなければならぬ、九州のほうにも少しやらなければいかぬとか、いろいろな、やっぱり政治的な問題が出ると思う。それでいま国鉄がいかに重点的に順序を立ててやろうと思っても、政治的にゆがめられる、この事実は私は否定できないと思う。しかし、初めから原則をはっきり立てておかないと、とんでもなくゆがめられてしまうわけですよ。だから、私はあなたのほうでそういうことをはっきりやっておいたらいいのじゃないか、またやっておられると思う。私は一つの例を申しますと、この間、関連質問で申し上げたが、ちょっと時間がないから岡君があとどういうことを言ったか知らぬけれども、私は神奈川県で、県全体が非常に輸送が混乱しておりますよ。しかし、中でもやはり横浜周辺、川崎周辺と、小田原周辺、山北周辺というのは程度が違いますわ。しかるに、来年度の予算において比較的混雑の度合いの低いところの御殿場線について国鉄はまず手をつけたと、まず予算をきめた、こういうことを聞いたので、それではおかしいじゃないかという、この間お尋ねをしたわけだ。ところが、それは検討中であって、まだそうきまったわけじゃないとおっしゃっておりました。私は検討中とは聞いていない、神奈川県にすでに内示があった。それをお取り消しになれば別だ。私は御殿場線をやらなくてもいいのだと言っているのじゃない。そういう例は、単に神奈川県だけじゃない、全国的に見まして金がとにかくそうふんだんにないのだから、やはり急ぐところから順次やらなければいかぬと思うのですね、急ぐところから順次。同じ神奈川県だってずいぶん違うのですよ、県の西のほうと東のほうじゃ非常に違う。関東といったって非常に違う。そういうことをはっきりと原則をあなたのほうでお立てになっておればいいけれども、また立てておられれば、そんなに予算の執行にあたってゆがめられた姿は出てこないと思う。いままでは何といってもゆがめられた。それは事務当局の責任じゃなくて、むしろ政治的な責任かもしれません。しかし、少なくとも事務当局は毅然たる態度で予算の執行の基準というものを立てられていいと思う。それで私は伺っているのですよ。いま具体的に申しましたが、御殿場線どうなっております。御殿場線が先になって川崎の塩浜のほうがあとになる、そんなばかなことはありませんよ。また、根岸線がいま、これはまあ公団の関係ですけれども、非常に手間がとれて今後四年、五年かかる。その間、一年か二年で御殿場線ができてしまう、そんなばかな順序はありませんよ。そういうことがあるから私は伺っているのです。
  63. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 先ほどちょっと御説明が足りなかったかと思いますが、新線建設につきましては、公団副総裁からお話がありましたように、まず輸送計画上その必要度の高いものを優先考慮する、あるいは地下資源、電源、農林水産資源及び農地の開発並びに産業の振興等、国民経済上効果の大なるものを優先工事する、三番目に、沿線勢力範囲の人口が多く、その地方の政治、経済、文化の向上に寄与するところの大なるものを優先考慮する。四番目に、特別の事情のない限り、工事が比較的容易なものを優先考慮するというような原則がありまして、その原則に従って事務を進めておるつもりでございます。で、具体的な御指摘がありました御殿場線の関係につきましては、前回国鉄からまだ決定しておらぬという説明がございましたが、その後、運輸省にも具体的に工事の認可申請はまだ出てきておらぬ状況でございます。根岸線につきましては、前回も御説明申し上げましたように、こういう原則に照らしましても、重要な線であると考えまして、われわれとしては、可能な限りにおいてこの建設を促進していく考えでございます。
  64. 河野謙三

    ○河野謙三君 私は言い出した責任上、御殿場線は二十数億か何億か知らぬけれども、きまったということを、国鉄のだれがどう言ったか、私は、調べてから返事しなきゃならぬ責任があると思う。そういうことは全然あなたのほうはないとおっしゃるんですか。ないとおっしゃるなら、自分の責任上、神奈川県庁の責任者ですよ、責任者が国鉄のだれから聞いたか、ちゃんと私は言いますよ。事を荒立てるわけじゃないけれども、私がいいかげんなことを言ってると思われちゃいかぬ。そういうことがあったけれども、なお慎重に考えるということになったというなら、それでいいけれども、初めから全然そういうのはなくて、河野というのは全然でたらめだ、デマだというなら、ちゃんと調べて、あなたに回答しなきゃいかぬ、どうなんです。
  65. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 先ほど申し上げましたように、実はわれわれとしては、公式に申し上げる材料としては、その程度しか現在のところ持ち合わしておりませんが、なお、国鉄内でどういうふうな現地との連絡をとっておりますか、われわれとしても、あとでよく事情は国鉄から聞いてみるというようにいたしたいと思っております。
  66. 河野謙三

    ○河野謙三君 私はね、そこらがそもそもおかしいと思うんだよ。わずか四千万や五千万の仕事じゃないでしょう。御殿場線の改良工事は大きなものです。そういうものを国鉄がかってに、しかも、第三者に放送している。ところが、かんじんの運輸省はそれを知らない。そういうことで一体予算を完全に執行できますか。重点的にいきますか。私は、事は非常に重大だと思うんですよ。これは何も御殿場線の問題だけじゃないんですよ。日本全体において、もう少し、あなたたちは前向きに——いま工事するなんという、そんなときじゃないでしょう。いままでの輸送をいかにして緩和するかということ。私はいつも言ってるんです。混雑緩和ということばを使うのはよしなさい、これ以上混雑しないように、これ以上悪くならないようにするのが精一ぱいでしょう。あなたたちのやることはあと向きですよ。あと向きであるならば、いま収拾がつかないところから重点的にやるのがほんとうでしょう。これからよりよくしようというのじゃない、これ以上悪くしないというのが精一ぱいです。ことに大阪なり名古屋なり東京周辺というのはそうですよ。これからいま考えている予算を使ってみたところで、その間に人口はどんどんふえてくるし、これより悪くならないようにするのが精一ぱいですよ。でありますから、よほど重点的にやらなきゃいかぬ、重点的に。このくらい重点的にやらなきゃならぬのは、私はいままで国鉄の歴史にはないと思う。それを、いまおっしゃるような、何か重点があるかないかわからぬような、私はもう少し具体的に、その土地の産業構造の規模とか、人口とか、それから、旅客で言うならば、輸送の大体過密の度合いとか、そういうものを具体的に基準を置いてやったらいいじゃないかと思う。学者が使うような抽象的な、お品のいいことばを言ったってだめですよ。そんなことをやっていたって、と私は思う。そういうことをやっているから、私は神奈川県が詳しいんだが、御殿場線が先になって、根岸線があとになる、川崎の駅のほうがあとになる、塩浜の問題がいつまでも片づかない、こういうことになるんじゃないですか。私は神奈川県のことだけを言ってるんじゃない。よく知ってるから言ってるんです。よその県をほうっても神奈川県をやれなんということは言ってない。いまだかつて言うておりません。そうじゃないけれども、もう少し重点的にやってもらいたい。われわれは大いに協力しますよ。そんなことで、あなたたちが事務的にまじめに輸送の将来のことを考えてきめられた基準を、われわれが政治的な関係でああだこうだと圧力をかけてゆがめないように私は協力する。だから、私はしつこくお願いしている。国鉄がかってにやれるんですか、予算というものは。運輸省は、あとから報告を受ける事後承諾機関ですか。私はそうじゃないと思うんですが、どうなんですか。
  67. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) はなはだ事務的な御説明で恐縮でございますが、四十年度予算につきましては、現在国会で御審議をいただいておる段階でございますので、実は、実行計画は若干時間的にもおくれるわけでございます。ただ、河野先生お話しの点につきましては、先ほど来申し上げているように、われわれも決してそう簡単な問題というふうには考えておりませんので、なお国鉄からよく事情を聴取するようにいたしたいと思っておる次第でございます。
  68. 河野謙三

    ○河野謙三君 最後に、私はあなたたちに警告をしておきますよ。私は席をあらためて申し上げるけれども、このごろ国鉄は少し弛緩しておりますよ。あなたが、まだ予算審議中と言う。そのとおりですよ。しかるに、国鉄の人が地方へ行って、この駅には駅ビルを何年までにどういうものをつくるとか、今度は東海道は貨物線を廃止して、貨物線を別のところにつくる。これはいいのですよ、言っておられるから。その貨物線はおおむねこの辺を通すつもりです、というようなことを言っているのです。地価が上がってしようがないですよ、そんなことをやったら。上の人が何も知らない間に、国鉄の下のほうでそういうことをどんどん言っておる。だから、汚職やなんか出るのですよ。全くいまの国鉄というものは、石田さんだけが正しいと思っていたって、下はそういっておりません。これは私は大きな問題だから、あらためて申し上げますが、よく運輸省から国鉄に対して厳重に警告しなさいよ。そういうことをやっておるというのはいけませんよ。ぼくはいま——具体的にはあらためて申し上げるけれども、少しこのごろは、運輸省の国鉄に対する監督が、たががゆるんでいます。これだけをぼくは特に申し上げておく。
  69. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 ちょっとだけ伺っておきます。  この法律案が通過して法律になった場合に、四十年度に直ちにこれに着工するのですか。この点どうなっておりますか。
  70. 篠原武司

    参考人(篠原武司君) ただいま御審議いただいております線区につきましては、直ちに着工するつもりで工事を進めていきたいと思います。それには、やはりいろいろの測量もございますし、用地のいろんな事前の折衝もございますし、いろんな問題がございまして、初年度の四十年度といたしましては、そう多くの金を使うことはできないと思いますが、どんどん進めていくようにいたしたいと思っております。
  71. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 多くの金を使うことはできないということは、この予算を見ても、二百五十四億よりいまのところ予算提出しているものありませんからね、私どもわかるのですが、法案の提案理由の説明を見ますと、かなり交通事情の変化にかんがみまして、かくかくしかじかということになっておりますから、急を要するものと私は思うのですね。ですから、いまのお答えでは、予算は多く配賦することはできないけれども、直ちに着工していきたいという意味ですからけっこうですが、私は、いま河野さんも若干神奈川の問題で触れたが、国鉄の長期計画と非常に公団の関係の仕事は関連性があると思う。それで、国鉄の幹線輸送は御承知のように、長期計画は幹線輸送の増強、もとより保安対策の問題もありますけれども、その中では、都市の過密集中化に伴う通勤輸送の緩和、通学輸送の緩和、こうしたことが柱になっているのですね。さらに、それに加えて、国の経済政策の結果、経済構造も変化していきますから、それに輸送量を合わせていくというねらいがあると思うのであります。ですから、新線建設を公団が、今度法律改正になりまして、新たに法律も制定されて受け持つことになっておりますけれども、それとは全く無関係で私はないと思う。ですから、ぜひ十分この国鉄側と連係といいますか、連絡といいますか、話し合いといいますか、詰めて、もとより、河野さんの御指摘にもありましたように、運輸省がこれまた指導監督する立場ですから、意見を交換し合った中で、限られた金より使えませんけれども、その金を最大効果をあげるような施策をしていただきたいという気が私はするのです。その申し上げている趣旨は、公団が、つくるときには国鉄に新線建設をまかしておったのでは、ただいまの河野さんのお話にもありますように、何十年かかるかわからない。だから、そういうことではいけないのだから、公団を新たに設けて、国が積極的に財政資金援助等を行なって、新線建設を所期の目的どおり達成をして、国民要望にこたえる、こういう理屈で昨年この法律ができたのです。きょうは時間がありませんから、あとで公団関係の予算内容についてもいろいろ伺っておきたいと思う。今度出しております予算原案は、工事その他の計画については検討中ということですから、これは伺ってみなければわからぬですから、あとあと伺いますけれども、どうも当初りっぱな理由づけしたようなかっこうに予算の内容はなっていない。公団側が本年度の予算要求の場合に、たしか四百数十億要求しておったと思うのです。それが予算編成期にあたって、査定の段階で切られて、原案では二百五十四億ですから、しかも、その中で国鉄の出資が七十九億ですか、こうなっていますので、去年の法律を審議したときから見て、破格に予算額が伸びているということにもならないし、それから内容そのものは、見てみますと、これまた、いずれも債券であるとか、あるいはいま申し上げた国鉄の出資、そして政府の出資がきわめて少ない、こういう事態に相なっておりますので、これは公団生まれて間もないのですが、将来、一体こういう姿でいいのかどうか。公団そのものの性格づけの問題もございますから、大いにこれから伺っていきたいというふうに思いますが、国鉄の長期計画との関係で、具体的にどういう打ち合わせをしているか、若干聞かしていただきたい。
  72. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 先生御承知のように、四十年から四十六年の長期計画二兆九千七百二十億の計画をいたしましたときに、国鉄としては、これにあわせて、いま御審議を願っております東京の外環状線、京葉線等の新設の要望をしているわけです。その具体的な金額は約千三百億円という数字を実は出しておるわけであります。ただ、御指摘のように、四十年度の予算規模は、当初の要求四百九十億に対しまして、現在御審議願っておりますのは二百五十四億という数字でございまして、必ずしも当初の要望どおりの数字ではないわけでございますが、われわれとしては、財政上の制約等もございますので、この定められた範囲内で、できるだけ各般の要望を満たしていけるように、これから大いに公団にも苦心をしていただくというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、これらの具体的な線、大きな要望その他については、十分国鉄等と打ち合わせをして事を運んでおる次第でございます。  なお、公団福総裁のほうから御説明があるかと思います。
  73. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 さらに具体的にこの法律を改正するわけですが、この場合に、ここに書かれておりますように、別表の三線の起終点を変更するわけですね。これは輸送事情が変わったから、こういうことになると思いますから、私、異議ありませんが、新たに一線追加しましたね。この場合に、これは公団の副総裁もおっしゃったように、工事着工して一年でできるというものじゃないですよ。非常に金のかかる問題だし、また、工事そのものも一年や二年で仕上がっていかない、キロ数見ても。そう考えるので、当然三カ年計画とか、あるいは五カ年計画とかという計画で施行されていくものだと、そう思うんです。そこで、一番問題になりますのは、大体これは東京周辺でございますから、さして心配はないと思いますけれども、新線建設をしていった場合に、営業いたしていくのは、法律にも示されておりますように、法律上、貸与あるいは無償貸与とか何かいろいろありますけれども、いずれにいたしましても、国鉄側が、新線が完成した場合に営業を扱っていくと思うわけです。そこで、営業開始した場合に、私は、直ちに収支上営業が成り立つものじゃないと思うんですけれども、一体これの営業係数ですね、当初どの程度、三線、新たに一線加えるものを込めて見込んでいるか、これは将来展望ですが、どう見ておるのか、伺っておきます。
  74. 篠原武司

    参考人(篠原武司君) ちょっと一般的に先にお答えいたしておきたいんですが、新線建設の場合には、この線の性格からいいまして、地方開発と、それから幹線輸送の強化という二つの性格があると思うんです。地方開発のほうは、どちらかと申しますと、赤字線区といままでいわれていたような線区でございまして、幹線輸送の強化というような性格を持った線区は、これは主として国鉄がぜひやってくれという要望の非常に強い線区でございまして、これは大部分のものが、鉄道の六カ年計画で何年までにやってくれというような要望のある線区でございまして、これはもちろん黒字線区になっております。これは一応の考えでございますが、そういうような二つの性格に分けまして考えておりますので、したがいまして、地方開発線区につきましては、これが開業いたしますと、大体において国鉄に無償貸与——料金をとらないで無償で貸すわけでございまして、この赤字というものが公団にかぶってまいりますので、したがいまして、これに対して来年度予算で補助金をお願いしたいということで六千百万円でございますが、一応要求が出ておるわけでございます。それから幹線輸送の強化のほうは、これは原則といたしまして、国鉄から料金をいただいてお貸しするというのがたてまえになっております。それですから、こういう幹線輸送の強化につきましては、利子のある金も使えるという形になっておりますし、それから地方開発については、これが非常にむずかしいものでございますから、たとえば特別債のようなものですと、全額利子補給をいただかないとできないというような形になっておりまして、金の上から一応の仕分けが多少できるような形になってきております。したがいまして、そういう性格でございますので、そういう点ひとつ御理解をお願いしたいと思うのでございますが、先ほど追加した、法律改正に載せた線区につきまして営業係数はどうかというお話でございますが、これはいずれも幹線輸送の強化の線区でございまして、われわれは一応黒字になるというふうに考えております。ただ、この線区の詳しい営業係数は、いま私ここに持っておりませんし、ちょっとお答えいたしかねますが、御了解願いたいと思います。
  75. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大体わかりました。ですけれども、これ、法律大体まだ審議していきますから、やはり営業係数を一通り見なければなりませんから、営業開始と同時に直ちに、いま副総裁が、言ったようなかっこうに私はならないと思う、将来の問題は別として。そういう関係をどうするかということも、私ども参考にしたいと思いますから、次の委員会までに、それぞれの営業係数を、一応想定しておりますものを出していただきたいと思います。
  76. 前田佳都男

    前田佳都男君 関連して。先ほど河野さんのおっしゃった問題ですね、この問題を実際私もいま聞いて、内容ははっきりわかりませんけれども、どの線に重点を置いて予算を配分するか、どれだけ多く配分するか、これはもう事務当局がいろんなケースに基づいてやるのだろうとは思うのですが、きょう、この席で聞いた限度におきましては、非常にこれは大きな問題で、こういうふうに予算の配分ということを、たいした根拠が——それはあるのだろうとは思うのだけれども、それはもちろん十分の根拠に基づいてやっていらっしゃるのだろうと思うけれども、どうもちょっと納得いきにくいというような感じがするのですね。これはいま直ちに佐藤さんにそういうこと答弁してくれと言ってもそれは無理ですが、この問題、佐藤さん、次の委員会で一ぺんよくわかるように説明してくれませんか。私も少しふに落ちないという気がする。さればといって、別に一々国会がその予算の配分に干渉するという、そういうわけじゃないのです。ないけれども、どうも少し重点の置き方というか、いかなる点に重点を置いてやっているか、われわれが予算の説明を聞くときは、そういう見地から予算の説明を聞いているわけだけれども、何ぶん、あなたのくれている資料を見ているわけじゃありませんから……。その点ひとつ次の委員会でよくわかるようにお話しいただいたほうがいいのじゃないかと思いますが、どうですか。
  77. 佐藤光夫

    政府委員(佐藤光夫君) 一般の配分の原則、あるいは設備投資の基本的な考え方というような問題でございましたならば、われわれのほうで、十分におわかりいただけるかどうか、心配ございますけれども、できるだけ努力いたしまして、そういうふうに御説明申し上げるようにいたしたいと思います。ただ、具体的な問題についてのことは、ちょっといま先生お話しのように、相当あるいは問題があるかと思いますが、個々の別の場所でいろいろ御検討願うことになるかと思いますが、一般的なことにつきまして、御要望に沿うようにいたしたいと思います。
  78. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本件については、一応この程度といたします。  次回は、二月二十三日午後一時開会の予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会      —————・—————