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説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問、非常に私
どもといたしましても、実は一番来年度予算の問題点だと存じております。で、まず第一の点でございますけれ
ども、ことに最近の景気を反映いたしまして、
貨物輸送の伸びが非常に悪いということは、国鉄にとりまして非常に痛い問題の
一つでございます。したがいまして、この予算書でもごらんのとおり、
貨物輸送収入の増加はほとんど横ばいということになっております。年間三十二億でございますから、総額二千二百億に対して三十二億で、ほとんど横ばいということになりますので、結局相当な収入源を旅客輸送に求めざるを得ないということになります。お説のとおり、五百六十七億でございますので、ことしの予算と比較いたしますと、約一五%くらいの増収をしなければならないという相当の数字になっております。これを一応数字的に申し上げますと、輸送最、これは先ほど
先生の大臣への御質問で輸送量をどういうふうに見ているかという
お話がございましたが、私
どもといたしましては、いろいろ経済企画庁の数字を使いまして、結局来年度の旅客輸送量は約一〇%伸びる、九・何%でございますから。人キロにおきまして約一割前後伸びるということを前提にいたしております。
貨物のほうは、先ほど申し上げましたとおの、ほとんど横ばい、運賃収入のほうは、毎年の足の伸びを見まして、普通運賃、いわゆる料金以外の運賃では大体横ばい
程度、あまりたいした伸びがないということになりますと、ある
程度新幹線、並びに、いわゆる普通の急行、準急料金等で相当な大幅な収入をあげなければいけないというふうに
考えます。実はことしの予算も、対前年度比六百億くらいの増収予算を見込んでおりましたが、幸い新幹線の
関係その他がわりあい好調でございましたので、どうやらこうやら収入
見込みに達するだろうというふうに
考えております。もちろんこれから雪でも降りますと、少し落ちますが、大体ことしの予算も消化できるというふうな
見込みでございますが、来年度につきましては、いろんな知恵を出しましてこの収入を確保しなければいけない、それがしかも、輸送力の面におきましても、
線路、単向、あるいは
先生のおっしゃった人の頭数の面におきましても、限度一ぱいに近いということも確かに事実でございます。したがって、その間に処してこれだけの膨大な収入をあげる、この収入があがらなければほとんど減価償却できないということになっております。したがいまして、何とか収入をあげなければいけないということで、あらゆる知恵をしぼってやってまいりたいと思っておりますが、一方、ことに労働問題の面におきましては、ほとんど無理のしどおしで、今日まできていると率直に実は思っておりますので、ことし頭数の面におきましては、過去十数年間の不文律を破りまして、全体の損益勘定だけで六千四百人の増員をお願いしまして大蔵省に聞いてもらったのですが、それな
ども今後働いてもらうかてといたしまして、全職員あげてこの目標達成に努力いたしたいと思っておりますが、幸い、実は
検査院等からもおしかりを受けたのでございますが、
車両等はほとんど債務負担行為で、前年度に、三十九年度中に四十年度予算の相当
部分をつくったと申しますか、発注だけいたしております。したがいまして、平年度予算で申しますと、大体その予算の
車両は稼働しますが、秋になりますが、とてもそういったやり方ではだめだということで、ことしは実は千二百億の債務負担行為がございますので、ほとんど日一ぱい
車両会社に発注だけいたしまして――金は払っておりません、発注だけいたしまして、そして
車両の稼働もなるべく年度初めからするということも
考えましたし、また幸い、第二次五カ年計画、これは四カ年間で一応打ち切りまして、第二次五カ年計画の一応成果と申しますか、がある
程度あがっております。複線化にいたしましても、電化にいたしましても、ある
程度進捗いたしております。これらを大きなかてといたしまして、あらゆる努力を払って、この収入の確保につとめてまいりたいと
考えております。
一方、支出の面で申しますと、いままで
先生のおっしゃったとおり、下部の末端を締めましてずいぶん無理もさしておりましたが、たとえば修繕費等の面におきましても、もう限度一ぱいというふうに
考えますので、まあ経営費につきましては、人件費以外はだいぶ従来よりは実情に即した予算を組めたというふうに実は思っておりますが、やはり一番問題は、今後来たるベきベース・アップの
問題等がまたいつどういう形で動くかわかりません。そういう問題などを
考えますと、支出の面がはたして今後どうなるかということにつきましても非常にいろいろ問題がございます。したがって、そういう収入の確保、支出の今後の増加の趨勢等を十分検討いたしまして、極力この予算でやれるところまでやってまいりたいというふうに
考えておりますが、何と申しましても、ことしの予算は、もうごらんのとおりほんとうにぎりぎり一ぱいの予算でございまして、私
どもも決死の覚悟でこの予算の遂行には当たってまいりたいというふうに思っておりますが、必要以上のと申しますか、不当なしわを労働
条件あるいは勤務形態等に寄せるというようなことによっての無理な収入確保は、極力、できるだけ避けたいということを頭に置きながら、予算の遂行に万全を期してまいりたいと、こういうふうに
考えております。